JP2005325954A - エンジンのコネクティングロッドとピストンの連結構造 - Google Patents

エンジンのコネクティングロッドとピストンの連結構造 Download PDF

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弘和 松浦
Toshitaka Suzuki
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Abstract

【課題】
この発明は、エンジンにおけるコネクティングロッドとピストンを連結する連結構造において、ピストンの軽量化を図るため、ピストンピンを短縮し、また、ピン径を小さくしたとしても、破損のおそれが生じないようにしたコネクティングロッドとピストンの連結構造を提供することを目的とする。
【解決手段】
ピストンピン4は、ピンボス部34で両端が軸支される円柱部材で構成し、両端面には、所定量内側に凹設した肉抜き部41を形成している。また、ピン中央にはコネクティングロッド2を締結固定する締結固定孔42を、ピン下端を中心とした扇状位置(α:約90度)に二箇所穿設している。
【選択図】 図4

Description

この発明は、エンジンにおけるコネクティングロッドとピストンを連結する連結構造、特に、ピストンピンを短縮して軽量化を図ることを目的とした連結構造に関する。
従来、車両等に搭載されるエンジン、特に4気筒エンジンでは、二次慣性力による振動及び騒音を解消するため、バランスシャフトを備えるのが一般的であった。しかし、近年、エンジンの軽量化及び低コスト化のため、このバランスシャフトを削減したいという要求が高まっている。
二次慣性力を低下させることで、バランスシャフトを削減することが可能となるが、この二次慣性力に寄与するピストン質量は、大きな排気量(例えば2000cc以上の排気量)のエンジンでは、ピストン径の関係上、重たくならざるを得ず、現状の構造のままでは、アルミ等の軽金属を使用しても、有効に軽量化を図ることができなかった。
そこで、ピストン質量の軽量化を図るため、ピストンとコンロンドを連結するピストンピンを短縮することが考えられる。
しかし、ピストンピンを短縮した場合には、ピストンピンの両端を軸支するピンボス部における軸支面積が小さくなるため、ピストンピン端部及びピンボス部に掛かる面圧が高くなり、ひび割れ等の破損が生じる可能性があった。
そこで、この破損防止対策として、例えば、ピストンのクラウン部の下面に、直接ピストンピンの上面を受けるピン受け部を形成することで、ピストンピン上面を全てクラウン部下面に当接させて、面圧を分散させる構造が考えられる。
この面圧を分散させる構造としては、下記特許文献1がある。
特許文献1の構造を図10に示す。この特許文献1では、ピストン100のクラウン部101下面を、全てピストンピン102上面を受けるピン受け部103として構成し、その両側にピストンピン102の両端を軸支するピンボス部104を形成し、このピン受け部103とピンボス部104によりピストンピン102を支持している。
このように構成することで、ピストンピン102の上面を全てクラウン部101下面に当接させることができるため、ピストンピン102端部及びピンボス部104に掛かる面圧を分散することができ、ひび割れ等の破損のおそれをなくすことができる。
特開2003−343724号公報
ところで、ピストンの軽量化を考えると、ピストンピンの径も小さくすることが望まれる。ただし、ピストンピンはシリンダー内の燃焼圧という大きな荷重が掛かる部品であることから、最低限の強度も確保する必要がある。
これを、前記特許文献1のピストンピンで見てみると、ピン中央に下向きの切欠溝105を形成し、この切欠溝105にコネクティングロッド106の上端を嵌合させることで、コネクティングロッド106との連結部分を構成している。すなわち、ピストンピン102で最も荷重が掛かる連結部分に切欠溝105を設けているのである。
このようにピストンピン106に切欠溝105を設けると、この切欠溝105を設けた部分における断面積が小さくなり、この部分に応力集中が生じることになる。こうして応力集中が生じると、この部分からピストンピンの破損のおそれが生じるため、破損しないような径にする必要が生じ、必然的にピストンピンの径が大きくなるといった問題が生じる。
さらに、このピストンピンの切欠溝が、ピン外周円の下端部分に設けられているため、最も大きな荷重を受けるピストン上死点付近で、ピストンピンの有効径が短くなり、ピストンピンの径を、剛性確保のために有効に利用できないといった問題もある。
そこで、この発明は、エンジンにおけるコネクティングロッドとピストンを連結する連結構造において、ピストンの軽量化を図るため、ピストンピンを短縮し、また、ピン径を小さくしたとしても、破損のおそれが生じないようにしたコネクティングロッドとピストンの連結構造を提供することを目的とする。
この発明のエンジンのコネクティングロッドとピストンの連結構造は、クランク軸と平行に配置されたピストンピンを介して、コネクティングロッドとピストンを連結するエンジンのコネクティングロッドとピストンの連結構造であって、前記ピストンのクラウン部下面に形成され、前記ピストンピンの上面を受けるピストンピン受け部と、該ピストンピン受け部の両側に形成され、ピストンピンの両端を軸支するピンボス部と、前記ピストンピンに対して、前記ピストンピン受け部の下方で締結固定されるコネクティングロッドと備え、前記コネクティングロッドのピストンピンへの締結位置を、ピストンピン軸方向視で、ピストンピン下端を中心とした鋭角扇状領域の両側二箇所に設定したものである。
上記構成によれば、ピストンピンは、ピストンのクラウン部下面に形成され、ピストンピンの上面を受けるピストンピン受け部と、ピストンピン受け部の両側に形成され、ピストンピンの両端を軸支するピンボス部によって、ピストンに支持される。そして、ピストンピン受け部の下方でコネクティングロッドに締結固定される。このため、ピストンからピストンピンに掛かる荷重は、ピストンピンの上面全てで、分散して受けることができる。よって、ピストンピンを短縮しても、面圧が局所的に高まることはない。
そして、コネクティングロッドのピストンピンへの締結位置をピストンピン軸方向視で、ピストンピン下端を中心とした鋭角扇状領域の両側二箇所に設定したため、ピストンピン下端部分では、コネクティングロッドとの締結固定が行われない。このため、ピストンピン下端部分には切欠溝を設ける必要はなく、ピストンピンの断面積を確保しつつ、最も大きな負荷を受けるピストン上死点付近でピストンピンの径を、全て剛性確保のため有効に利用することができる。
また、締結位置を鋭角扇状領域に設定することで、コネクティングロッドが揺動した際に、ピストンピン受け部等に干渉することもない。
この発明の一実施態様においては、前記コネクティングロッドを、揺動方向両側に平板部を備えるH型断面形状で構成し、該平板部を上方に延設することで、ピストンピンの下方から前記締結位置まで延びる二又形状の締結受け部を一体に形成し、該締結受け部に締結ボルト座を設けたものである。
上記構成によれば、揺動方向両側に平板部を備えるH型断面形状でコネクティングロッドを構成し、この平板部を締結位置まで延ばして二又形状の締結受け部として一体形成し、この締結受け部に締結ボルト座を設ける。このため、コネクティングロッドの剛性の高い平板部側で、有効にピストンピンから伝達される荷重を受けることができる。
よって、コネクティングロッドにおいても、軽量化を図りつつ、効率的な荷重伝達を行うことができる。
また、締結受け部をコネクティングロッドに一体形成したため、鍛造成形等により容易に製作することができる。
この発明の一実施態様においては、前記コネクティングロッドとピストンピンの締結固定手段を、多角形の穴ボルトとしたものである。
上記構成によれば、多角形の穴ボルトでコネクティングロッドのピストンピンへの締結が行われる。これにより、通常のソケットレンチ等では締結作業が狭所で困難である鋭角扇状領域に、締結位置を設定したとしても、コンパクトな六角棒レンチ等の棒状レンチで容易に締結作業を行なうことができる。
この発明の一実施態様においては、前記ピンボス部を、ピストン外周端よりピストン中心側に配置し、該ピンボス部と、ピストン外周のスラスト位置、反スラスト位置に設けたスカート部を放射状に延びて連結する連結リブ部を設けたものである。
上記構成によれば、ピンボス部がピストン外周端よりピストン中心側に配置され、そのピンボス部が、放射状に延びる連結リブ部によってピストン外周のスラスト位置、反スラスト位置に設けたスカート部に連結される。このため、ピンボス部は、放射状に延びる連結リブ部でスカート部に連結されることで剛性が向上するため、ピストンピンの支持剛性を向上させることができる。
この発明の一実施態様においては、前記ピストンのクラウン部上面を略平坦に形成し、クラウン部の肉厚をほぼ均等に設定すると共に、前記ピンボス部と、ピストン外周のスラスト位置、反スラスト位置に設けたスカート部を連結する連結リブ部を、クラウン部下面から垂下して形成したものである。
上記構成によれば、ピストンのクラウン部上面を略平坦に形成し、クラウン部の肉厚をほぼ均等に設定して、ピンボス部とスカート部とを連結する連結リブ部をクラウン部下面から垂下して形成したため、ピストンのクラウン部の肉厚を薄くしたとしても、クラウン部の局所に応力集中が生じることはなく、また、ピンボス部とスカート部とを連結する連結リブ部を利用してクラウン部を補強することになるため、クラウン部の薄肉化を効率的に行うことができる。
この発明によれば、ピストンからピストンピンに掛かる荷重は、ピストンピン上面全てで分散して受けることができるため、ピストンピンを短縮しても面圧が高まることはない。
また、ピストンピン下端部分では、コネクティングロッドとの締結固定が行われないため、ピストンピンの断面積を確保しつつ、最も大きな負荷を受けるピストン上死点付近でピストンピンの径を、全て剛性確保のため有効に利用することができる。
したがって、エンジンにおけるコネクティングロッドとピストンを連結する連結構造において、ピストンの軽量化を図るため、ピストンピンを短縮し、また、ピン径を小さくしたとしても、破損のおそれが生じないようにしたコネクティングロッドとピストンの連結構造を提供することができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施形態を詳述する。
図1は、本実施態様のコネクティングロッドとピストンの連結構造を採用したピストン組立体1をクランク軸方向から見た正面図、図2はそのピストン組立体1の側面図、図3は図1のA−A線矢視断面図、図4は図2のB−B線矢視断面図、図5はピストン組立体1の底面図、図6はピストン本体を縦に切断した状態での下方からの斜視図である。
本実施態様のピストン組立体1は、直列四気筒エンジンのシリンダー内で、上下方向に往復運動をして、図示しないクランク軸をコネクティングロッド2を介して回転するように構成される。
このピストン組立体1は、上部にクラウン部31を有する円筒カップ状のピストン本体3と、このピストン本体3のクラウン部31の下方でクランク軸と平行な配置されたピストンピン4と、上端がピストンピン4に固定され下端がクランク軸に嵌合されるコネクティングロッド2とからなる。
前述のピストン本体3は、軽量化のためアルミニウム合金製とされ、ピストン本体3上部に設けたクラウン部31と、ピストン本体3外周のスラスト位置、反スラスト位置にそれぞれ設けたスカート部32,33と、クラウン部31下部でピストンピン4両端を軸支するピンボス部34と、ピストンピン4の上面を受けるピストンピン受け部35と、スカート部32,33とピンボス部34を放射状に延びて連結する複数の連結リブ部36…とを有する。
クラウン部31は、図3に示すように、その上面に燃焼室を構成する平坦な上面凹部31aを形成し、外周部31bにピストンリングを装着するリング溝31cを形成している。また、その下面には、外周部31bよりも薄肉に設定した下面凹部31dを形成している。
スカート部32,33は、ピストン本体3がシリンダー内で上下に適切に移動するよう、クラウン部31の外周部31bからそのまま下側に延びる円弧形状で構成される。
ピンボス部34は、クラウン部31下面から下面凹部31d内に下方に突出するように形成され、ピストンピン4の両端を軸支する二つの環状部34a,34bによって構成している。
この二つの環状部34a,34bの間隔は、図3や図5に示すように、単にコネクティングロッド2の固定部分のみを位置させるだけの間隔しか設定しておらず、ピストンピン4の軸支間隔を狭めている。このように軸支間隔を狭めることで、ピストンピン4には余計な曲げ等も生じなくなるため、ピストンピン4に作用する面圧も低下させることができる。
また、ピストンピン4自体も短縮できるため、ピストン組立体1の軽量化も図ることができる。
ピストンピン受け部35は、ピンボス部34同様、クラウン部31下面から下面凹部31d内に突出するように形成され、二つの環状の軸受け部の間で、ピンボス部34から連なるピストンピン4の上面を受ける円弧状凹部で構成している。
このピストンピン受け部35をクラウン部31下面に設けていることにより、ピストンピン4の全ての上面が、クラウン部31の下面に当接することになるため、ピストンピン4に掛かる面圧を分散することができ、ピストンピン4のひび割れ等の破損を防止することができる。
連結リブ部36…は、図5に示すように、スカート部32,33とピンボス部34の間を放射状に延びて、それぞれを連結するように構成している。このように放射状に連結リブ部36…を設けることで、ピンボス部34の剛性を高めることができるため、ピンボス部34で支持されるピストンピン4の支持剛性も向上することができる。
また、この連結リブ部36…の上下方向長さは、図1や図4に示すように、ピンボス部34よりも長く、スカート部32,33よりも短く設定している。このように、連結リブ部36…の長さを中間的な長さに設定したことで、ピンボス部34からスカート部32,33に荷重伝達される際に急激な剛性変化が生じないため、応力集中も生じることなく、ピストン本体3のひび割れ等のおそれをなくすことができる。
ピストンピン4は、ピンボス部34で両端が軸支される円柱部材で構成し、両端面には、所定量内側に凹設した肉抜き部41を形成している。また、ピン中央にはコネクティングロッド2を締結固定する締結固定孔42を、ピン下端を中心とした扇状位置(α:約90度)に二箇所穿設している。
なお、この扇状位置はこの角度に限定されるものではなく、製作の容易さ等を考慮して、80度や60度といった鋭角をもって構成される扇状領域に設定してもよい。このように鋭角の扇状領域に締結固定位置を設定することで、コネクティングロッド2が揺動した際に、ピストンピン受け部35と干渉するのを防ぐことができる。
コネクティングロッド2は、揺動方向両側に設けた平板部21,21とその平板部を連結する連結部22とからなるH型断面形状のロッド部23と、ピストンピン4に締結固定される上端の締結受け部24とを備える。このコネクティングロッド2は、両者を一体に成形した鍛造品で構成され、大きなピストン本体3からの荷重を確実にクランク軸に伝達している。
上端の締結受け部24は、ロッド部23の平板部21,21を上方に延設して、ピストンピン4の締結位置まで延びる二又形状とされ、その二又部分でピストンピン4を挟み込むようにしてピストンピン4にボルト締結される。
このように、平板部21,21を延設して、締結受け部24を二又形状としてピストンピン4からの荷重を受けるように構成したため、剛性の高い平板部21,21でピストンピン4から伝達される荷重を効率的に受けることができる。
このため、コネクティングロッド2においても軽量化を図りつつ、効率的な荷重伝達を行うことができる。
また、この締結固定で用いる締結ボルト5,5は、二本の六角穴ボルトである。このような穴ボルトで締結固定を行なうことで、通常のソケットレンチ等では締結作業が狭所で困難である鋭角扇状領域に、ボルトの締結位置を設定したとしても、コンパクトな六角棒レンチで容易に締結作業を行なうことができる。
なお、この六角穴ボルトに換えて四角穴ボルトにしても同様の効果を得ることができる。
図7〜図9は、各部品の単品図である。図7はピストン本体3の下方からの斜視図、図8はコネクティングロッド2上部の斜視図、図9はピストンピン4の斜視図である。
まず、図7に示すピストン本体3は、前述したように円筒カップ状に成形され、クラウン部31の下部には、下面凹部31dから下方に突出するようにピンボス部34、ピストンピン受け部35、及び連結リブ部36…を設けている。
クラウン部31の外周部31bの下面には、ピンボス部34に対応する二箇所に、若干上方に凹ませた逃げ部37を形成している。この逃げ部37を形成することで、ピストンピン4をピンボス部34に挿通する際に外周部31bが干渉しないため、ピストンピン4の軸支位置を高い位置に設定できる。
また、図8に示すコネクティングロッド2は、前述のようにH型断面形状のロッド部23と二又形状の締結受け部24からなる。この締結受け部24の先端には、締結ボルト座25がそれぞれ形成され、ボルト締結による締結力を確実に確保するように構成している。
さらに、図9に示すピストンピン4にも、締結ボルト座25に対応する位置に一部切欠いた締結座43を形成している。このように、ピストンピン4にも締結座43を設けることにより、組付け作業も容易になり、また締結力も確保することができる。
なお、このようにピストンピン4に締結座43のために切欠き部分を設けたとしても、ピストンピン4の下端部分には切欠きを設けていないため、最も大きな荷重を受けるピストン上死点付近での影響は生じない。
次に、以上のように構成した本実施態様の作用及び効果について詳述する。
この実施態様によるエンジンのコネクティングロッド2とピストン本体3の連結構造は、クランク軸と平行に配置されたピストンピン4を介して、コネクティングロッド2とピストン本体3を連結するエンジンのコネクティングロッド2とピストン本体3の連結構造であって、ピストン本体3のクラウン部31下面に形成され、前記ピストンピン4の上面を受けるピストンピン受け部35と、該ピストンピン受け部35の両側に形成され、ピストンピン4の両端を軸支するピンボス部34と、前記ピストンピン4に対して、前記ピストンピン受け部35の下方で締結固定されるコネクティングロッド2と備え、前記コネクティングロッド2のピストンピン4への締結位置を、ピストンピン軸方向視で、ピストンピン4下端を中心とした鋭角扇状位置(α)の両側二箇所に設定したものである。
上記構成によれば、ピストンピン4は、ピストン本体3のクラウン部31下面に形成され、ピストンピン4の上面を受けるピストンピン受け部35と、ピストンピン受け部35の両側に形成され、ピストンピン4の両端を軸支するピンボス部34によって、ピストン本体3に支持される。そして、ピストンピン受け部35の下方でコネクティングロッド2に締結固定される。このため、ピストン本体3からピストンピン4に掛かる荷重は、ピストンピン4の上面全てで、分散して受けることができる。よって、ピストンピン4を短縮しても、面圧が局所的に高まることはない。
そして、コネクティングロッド2のピストンピン4への締結位置をピストンピン軸方向視で、ピストンピン4下端を中心とした鋭角扇状位置(α)の両側二箇所に設定したため、ピストンピン4下端部分では、コネクティングロッド2との締結固定が行われない。このため、ピストンピン4下端部分には切欠溝を設ける必要はなく、ピストンピン4の断面積を確保しつつ、最も大きな負荷を受けるピストン上死点付近でピストンピン4の径を、全て、剛性確保のため有効に利用することができる。
したがって、コネクティングロッド2とピストン本体3を連結する連結構造において、ピストン組立体1の軽量化を図るため、ピストンピン4を短縮し、また、ピン径を小さくしたとしても、ピストンピン4の破損のおそれが生じないようにできる。
さらに、締結位置を鋭角扇状位置(α)に設定することで、コネクティングロッド2が揺動した際に、ピストンピン受け部35等に干渉することもない。
また、この実施態様では、前記コネクティングロッド2を、揺動方向両側に平板部21,21を備えるH型断面形状で構成し、該平板部21,21を上方に延設することで、ピストンピン4の下方からボルト締結位置まで延びる二又形状の締結受け部24を一体に形成し、該締結受け部24に締結ボルト座25,25を設けたものである。
上記構成によれば、揺動方向両側に平板部21,21を備えるH型断面形状でコネクティングロッド2を構成し、この平板部21,21を締結位置まで延ばして二又形状の締結受け部24として一体形成し、この締結受け部24に締結ボルト座25,25を設ける。このため、コネクティングロッド2の剛性の高い平板部21,21側で、有効にピストンピン4から伝達される荷重を受けることができる。よって、コネクティングロッド2においても、軽量化を図りつつ、効率的な荷重伝達を行うことができる。
また、締結受け部24をコネクティングロッド2に一体形成したため、鍛造成形等により容易に製作することができる。
また、この実施態様では、前記コネクティングロッド2とピストンピン4の締結ボルト5,5を、六角穴ボルトとしたものである。
上記構成によれば、六角穴ボルトでコネクティングロッド2のピストンピン4への締結が行われる。これにより、通常のソケットレンチ等では締結作業が狭所で困難である鋭角扇状領域に、締結位置を設定したとしても、コンパクトな六角棒レンチで容易に締結作業を行なうことができる。
また、この実施態様では、前記ピンボス部34を、ピストン本体3の外周端よりピストン中心側に配置し、該ピンボス部34と、ピストン外周のスラスト位置、反スラスト位置に設けたスカート部32,33とを放射状に延びて連結する連結リブ部36…を設けたものである。
上記構成によれば、ピンボス部34がピストン外周端よりピストン中心側に配置され、そのピンボス部34が、放射状に延びる連結リブ部36…によってピストン外周のスラスト位置、反スラスト位置に設けたスカート部32,33に連結される。このため、ピンボス部34は、放射状に延びる連結リブ部36…でスカート部32,33に連結されることで、剛性が向上するため、ピストンピン4の支持剛性を向上させることができる。
また、この実施態様では、前記ピストンのクラウン部31上面を略平坦に形成し、クラウン部31の肉厚をほぼ均等に設定すると共に、前記ピンボス部34と、ピストン外周のスラスト位置、反スラスト位置に設けたスカート部32,33とを連結する連結リブ部36…を、クラウン部31下面から垂下して形成したものである。
上記構成によれば、ピストンのクラウン部31上面を略平坦に形成し、クラウン部31の肉厚をほぼ均等に設定して、ピンボス部34とスカート部32,33とを連結する連結リブ部36…をクラウン部31下面から垂下して形成したため、ピストンのクラウン部31の肉厚を薄くしたとしても、クラウン部31の局所に応力集中が生じることはなく、また、ピンボス部34とスカート部32,33とを連結する連結リブ部36…を利用してクラウン部31を補強することになるため、クラウン部31の薄肉化を効率的に行うことができる。
以上、この発明の構成と、前述の実施態様との対応において、
この発明のピストンは、実施態様のピストン本体3に対応するも、
この発明は、前述の実施態様の構成のみに限定されるものではなく、様々なエンジンのピストンに適用する実施態様を含むものである。
本発明を採用したピストン組立体の正面図。 ピストン組立体の側面図。 図1のA−A線矢視断面図。 図2のB−B線矢視断面図。 ピストン組立体の底面図。 ピストン本体を縦に切断した状態の下方斜視図。 ピストン本体の下方斜視図。 コネクティングロッド2上部の斜視図。 ピストンピンの斜視図。 先行技術のピストン組立体の断面図。
符号の説明
1…ピストン組立体
2…コネクティングロッド
3…ピストン本体(ピストン)
4…ピストンピン
5…締結ボルト
31…クラウン部
34…ピンボス部
35…ピストンピン受け部

Claims (5)

  1. クランク軸と平行に配置されたピストンピンを介して、コネクティングロッドとピストンを連結するエンジンのコネクティングロッドとピストンの連結構造であって、
    前記ピストンのクラウン部下面に形成され、前記ピストンピンの上面を受けるピストンピン受け部と、
    該ピストンピン受け部の両側に形成され、ピストンピンの両端を軸支するピンボス部と、
    前記ピストンピンに対して、前記ピストンピン受け部の下方で締結固定されるコネクティングロッドと備え、
    前記コネクティングロッドのピストンピンへの締結位置を、ピストンピン軸方向視で、ピストンピン下端を中心とした鋭角扇状領域の両側二箇所に設定した
    エンジンのコネクティングロッドとピストンの連結構造。
  2. 前記コネクティングロッドを、揺動方向両側に平板部を備えるH型断面形状で構成し、
    該平板部を上方に延設することで、ピストンピンの下方から前記締結位置まで延びる二又形状の締結受け部を一体に形成し、
    該締結受け部に締結ボルト座を設けた
    請求項1記載のエンジンのコネクティングロッドとピストンの連結構造。
  3. 前記コネクティングロッドとピストンピンの締結固定手段を、多角形の穴ボルトとした
    請求項1又は2記載のエンジンのコネクティングロッドとピストンの連結構造。
  4. 前記ピンボス部を、ピストン外周端よりピストン中心側に配置し、
    該ピスボス部と、ピストン外周のスラスト位置、反スラスト位置に設けたスカート部を放射状に延びて連結する連結リブ部を設けた
    請求項1〜3記載のエンジンのコネクティングロッドとピストンの連結構造。
  5. 前記ピストンのクラウン部上面を略平坦に形成し、クラウン部の肉厚をほぼ均等に設定すると共に、
    前記ピンボス部と、ピストン外周のスラスト位置、反スラスト位置に設けたスカート部を連結する連結リブ部を、クラウン部下面から垂下して形成した
    請求項1〜3記載のエンジンのコネクティングロッドとピストンの連結構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015132248A (ja) * 2014-01-16 2015-07-23 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関のピストン

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