JP2005325561A - ガードレール - Google Patents
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Abstract
【課題】 走行する車輌が衝突したときの衝撃を小さくし、少ない費用で安全性の高いガードレールを得る。
【解決手段】 道路の路線に沿って所定の間隔で支柱1を立設し、これらに架け渡すように主ビーム2を取り付ける。主ビームは自動車の車体が車線から逸脱するのを防止するものであり、上下方向の幅が300mm以上のものを用いる。この主ビームは、中心線の位置が路面より550mmから650mmの高さとなるように取り付けるのが望ましい。この主ビームの下側には、棒状の部材からなる車輪拘束ビーム3を、主ビームと平行に取り付ける。この車輪拘束ビームは、自動車の車輪が主ビームの下側に入り込むのを抑止するものであり、中心線の高さを路面より300mm以上で350mm以下とするのが望ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 道路の路線に沿って所定の間隔で支柱1を立設し、これらに架け渡すように主ビーム2を取り付ける。主ビームは自動車の車体が車線から逸脱するのを防止するものであり、上下方向の幅が300mm以上のものを用いる。この主ビームは、中心線の位置が路面より550mmから650mmの高さとなるように取り付けるのが望ましい。この主ビームの下側には、棒状の部材からなる車輪拘束ビーム3を、主ビームと平行に取り付ける。この車輪拘束ビームは、自動車の車輪が主ビームの下側に入り込むのを抑止するものであり、中心線の高さを路面より300mm以上で350mm以下とするのが望ましい。
【選択図】 図1
Description
本願発明は、一般道・高速道路等における路側、中央分離帯、車道と歩道との境界部に設けられるガードレールに係り、特に走行する車輌が衝突したときの衝撃を緩和するガードレールに関する。
道路の側部や中央分離帯等に設けられるガードレールは、走行する車輛が道路から飛び出したり、反対側車線へ不慮により侵入してしまうのを防止している。また、車道と歩道との間にガードレールが設けられることも多く、事故等によって車輛が歩道に飛び込んで歩行者に危害を及ぼさないようにしている。
このようなガードレールは、例えば特許文献1に記載されているように、鉄製の支柱を所定間隔で立設し、これらの間に鋼板を加工したビームを架け渡す構造が広く採用されている。また、例えば特許文献2に記載されているように、鉄製の支柱間に上下方向に複数の鋼管をビームとして架設する構造も一般的となっている。
さらに、特許文献3には次のようなガードレールが記載されている。このガードレールは、鉄製の支柱を所定間隔で立設し、これらの間の上側にワイヤを張設し、該ワイヤの下側に波形断面を有する鋼板ビームを架け渡す構造となっている。そして、下側に設けられたビームによって衝突した車輌の下部を拘束するとともに、上側に設けられたワイヤの軸方向力によって車輌の上部の衝突による荷重に抵抗するものとなっている。
このようなガードレールは、走行する車輛が衝突したときに、鋼板、鋼管等のビームが変形することによって衝突のエネルギーを吸収し、衝突時の衝撃を和らげるとともに、車輌が道路から飛び出してしまうのが防止する。
特開2002−69955号公報
特開2003−176513号公報
特開平8−209648号公報
しかしながら、従来のガードレールには、より高い安全性を得るために次のような解決が望まれる課題がある。
一般に車輌はガードレールに対して斜め方向から衝突する場合が多い。そして、衝突の衝撃が小さい場合には、ビームの剛性によって車輌が拘束され、走行車線から逸脱するのが防止される。一方、衝突時の衝撃が大きいときには、ビームが大きく変形するが、その軸方向の引張力によって車輌が拘束され、ビームに沿って車輌が摺動する。このとき、一般的な乗用車に対しては、ガードレールのビームが乗用車の車体に当接して拘束することになる。ところが、近年の乗用車は車体の剛性が小さく、走行速度や衝突時のガードレールに対する角度によっては、衝突時に車輪や車輌の下部にあるシャーシがビームの下側に入り込んでしまうおそれがある。そして、車体がビームに拘束され、これに沿って走行するとシャーシがガードレールの支柱に激突し、車輌に大きな衝撃が作用することがある。
一般に車輌はガードレールに対して斜め方向から衝突する場合が多い。そして、衝突の衝撃が小さい場合には、ビームの剛性によって車輌が拘束され、走行車線から逸脱するのが防止される。一方、衝突時の衝撃が大きいときには、ビームが大きく変形するが、その軸方向の引張力によって車輌が拘束され、ビームに沿って車輌が摺動する。このとき、一般的な乗用車に対しては、ガードレールのビームが乗用車の車体に当接して拘束することになる。ところが、近年の乗用車は車体の剛性が小さく、走行速度や衝突時のガードレールに対する角度によっては、衝突時に車輪や車輌の下部にあるシャーシがビームの下側に入り込んでしまうおそれがある。そして、車体がビームに拘束され、これに沿って走行するとシャーシがガードレールの支柱に激突し、車輌に大きな衝撃が作用することがある。
一方、特許文献3に記載されているガードレールのように、車体、シャーシ、車輪の全てを拘束できるように複数のビームを設けたり、多数のワイヤを付加することによって上記問題点を解決することは可能と考えられる。しかし、多くの部材を用いることによって設置のための費用は増大することになり、長い路線に沿って設けられるガードレールでは、部材の増加は全体の設置費用を多大なものとしてしまう。
また、ガードレールは、既に多くの道路に設置されており、これらの安全性を高いものにしようとするときに、支柱を交換する必要があると改良に要する費用は、極めて大きくなってしまう。現在既に設置されているガードレールのほとんどは、特許文献3に記載されているガードレールに改良することは難しく、支柱まで全て撤去して新たに設置する必要がある
本願発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、走行する車輛が衝突したときの衝撃を小さくし、少ない費用で安全性の高いガードレールを得ることである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 道路の路線に沿って所定間隔で立設される複数の支柱と、 上下方向に300mm以上の幅を備え、前記支柱間に架け渡して取り付けられる部材であって、自動車の車体が車線上から逸脱するのを抑制するための主ビームと、 前記主ビームの下側で該主ビームと平行に支持され、上記支柱間に架け渡された棒状の部材であって、自動車の車輪が前記主ビームの下側に入り込むのを抑止するための車輪拘束ビームと、を有するガードレールを提供する。
このガードレールでは、走行する自動車の衝突時の荷重が作用したときに、次のように作用する。
一般的な乗用車の車体は主ビームに衝突し、主ビームは変形して衝撃のエネルギーを吸収するとともに、車体を拘束して主ビームに沿った方向へ車体を摺動させる。このとき、車体は主ビームとの衝突によって変形するが、剛性の高いシャーシは変形が少なく車輪とともに主ビームの下側に入り込もうとする。しかし、車輪は車輪拘束ビームに衝突し、車体とともに主ビームの軸線方向へ移動するように拘束される。このため、車輪及びシャーシが主ビームの下側に入り込むようなことはなく、支柱部分でもガードレールより道路側を通過して支柱に衝突するのが防止される。したがって、車輌の走行車線からの逸脱を防止するとともに、車輌に大きな衝撃を生じるのを回避することができる。
一般的な乗用車の車体は主ビームに衝突し、主ビームは変形して衝撃のエネルギーを吸収するとともに、車体を拘束して主ビームに沿った方向へ車体を摺動させる。このとき、車体は主ビームとの衝突によって変形するが、剛性の高いシャーシは変形が少なく車輪とともに主ビームの下側に入り込もうとする。しかし、車輪は車輪拘束ビームに衝突し、車体とともに主ビームの軸線方向へ移動するように拘束される。このため、車輪及びシャーシが主ビームの下側に入り込むようなことはなく、支柱部分でもガードレールより道路側を通過して支柱に衝突するのが防止される。したがって、車輌の走行車線からの逸脱を防止するとともに、車輌に大きな衝撃を生じるのを回避することができる。
なお、車輪拘束ビームは、車体が主ビームに拘束されているときに車輪が主ビームの下側に入り込むのを拘束できる構造のものであればよいが、上記棒状の部材は支柱に対して軸線方向ヘ変位しないように固着されるものが望ましく、棒状の部材の曲げ剛性と、その軸線方向の引張力とで車輪の衝突に抵抗する構造とするのが望ましい。
また、上記主ビームは、例えば波形に曲げ加工された鋼板を用いることができ、既に広く用いられているガードレールのビームをそのまま適用することができる。したがって、既存のガードレールに車輪拘束ビームとして棒状の部材を取り付けることによって、簡単な加工及び少ない費用で安全性のより高いガードレールとすることができる。
請求項2に係る発明は、 請求項1に記載のガードレールにおいて、 前記車輪拘束ビームは、中心線の高さが路面より300mm以上で350mm以下となるように支持されているものとする。
上記車輪拘束ビームが低い位置にあると、車輪が衝突した時にその回転によって車輪拘束ビームを下方へ押え付ける力が作用し、これにともなって車輪は車輪拘束ビームを乗り越えようとする。車輪拘束ビームの中心線の高さが路面より300mmより低い位置にあると、ガードレールに一般的な乗用車が衝突したとき、車輪が車輪拘束ビームを乗り越え、主ビームと車輪拘束ビームとの間に入り込んでしまうおそれがある。そして、シャーシの一部も主ビームの下側に入り込んだままその軸線方向に移動し、シャーシが支柱に激突して大きな衝撃が生じる。一方、車輪拘束ビームの中心線の高さが路面より350mmより高い位置にあると、車輪が車輪拘束ビームの下側に入り込んでしまい、車輪拘束ビームは車輪を走行車線側に押しとどめて支柱への激突を回避することができない場合が生じる。つまり、車輪拘束ビームは、中心線の高さが路面より300mmから350mmの範囲に取りつけられていることによって最も有効に作用し、車輪が主ビームの下側に入り込むのを阻止して、乗用車がガードレールに衝突した時の大きな衝撃を回避することができる。
請求項3に係る発明は、 請求項1に記載のガードレールにおいて、 前記主ビームの中心線の位置が路面より550mm〜650mmの高さの範囲にあり、前記車輪拘束ビームの中心線は、前記主ビームの下縁より下側に150mm以内の位置に取り付けられているものとする。
上記ガードレールは、主ビームが乗用車の車体を拘束し、車輪拘束ビームが車体の下部にあるシャーシ及び車輪を拘束する。そして、車輪が主ビームと車輪拘束ビームとの間に入り込んでしまうことなく、車体の衝突による衝撃を有効に緩和するとともに、車体及び車輪を主ビームより走行車線側に押しとどめ、主ビームに沿って移動させることができる。
請求項4に係る発明は、 請求項1、請求項2又は請求項3に記載のガードレールにおいて、 前記車輪拘束ビームは、上下方向の曲げ剛性が水平方向の曲げ剛性より大きい部材であるものとする。
上記車輪拘束ビームは、上下方向の曲げ剛性が水平方向の曲げ剛性より大きい部材であるため、自動車が衝突して車輪が該車輪拘束ビームに接触したとき、上下方向への曲げ変形が生じにくい。このため、車輪が車輪拘束ビームを押し下げて主ビームと車輪拘束ビームとの間に入り込んだり、車輪拘束ビームを押し上げて該車輪拘束ビームの下側に入り込んだりするのを有効に防止することができる。
請求項5に係る発明は、 請求項1、請求項2又は請求項3に記載のガードレールにおいて、 前記車輪拘束ビームは、上下に複数の部材を平行に配列したものとする。
上記ガードレールでは、車輪拘束ビームとして上下に複数の部材が平行に配列されているため、車輪が主ビームと車輪拘束ビームとの間や車輪拘束ビームの下側に入り込むのを有効に防止することができる。
請求項6に係る発明は、 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載のガードレールにおいて、 前記主ビームは、 横方向に軸線を有するように支持され、上下に複数本が配置された木部材と、 前記支柱間で連続し、複数本の前記木部材の背面側で、各木材に当接して又は間隙をおいて配置される平板状の鋼板材と、を有するものとする。
このガードレールでは、主ビームが木部材を有しており、荷重が小さいとき、もしくは荷重の作用する初期には、木部材の曲げ剛性によって荷重に抵抗する。そして、曲げ変形が大きくなると木部材が背面側に配置された鋼板材に押し付けられ、該鋼板材の支柱間の軸方向力によって荷重に抵抗する。このため、木部材の塑性変形によって衝撃が緩和されるとともに、鋼板材の軸方向力で自動車の車体が車線上から逸脱するのが防止される。また、上記主ビームによって車体が拘束されているときに車輪拘束部材が車輪を有効に拘束し、車輪が主ビームの下側に入り込むのを抑止して、大きな衝撃が作用するのを回避することができる。
一方、軽微な衝突等に対しては木部材がその曲げ剛性で抵抗するため、永久変形が生じない。これは、従来の鋼板のみを波形に曲げ加工したビームが軽微な衝突に対しても座屈変形を生じ、交換が必要になるという問題点を解決するものである。
また、前面に複数の木部材が配置され、木質の外観として周囲の景観との調和が図られる。
また、前面に複数の木部材が配置され、木質の外観として周囲の景観との調和が図られる。
以上説明したように、本願に係るガードレールによれば、乗用車の衝突時に主ビームが車体を拘束して走行車線から逸脱するのを防止するとともに、車輪が主ビームの下側に入り込むのが車輪拘束ビームによって防止される。したがって、車両がガードレールに衝突し、その後ガードレールに沿って拘束されながら移動した時にシャーシ等の車両の一部が支柱に激突して、運転者及び同乗者に大きな衝撃が作用するのを防止することができる。
また、このガードレールは既存のガードレールの改良によって実現することが可能であり、簡単な加工及び少ない費用で既存のガードレールをより安全性の高い本発明のガードレールに改良することができる。
また、このガードレールは既存のガードレールの改良によって実現することが可能であり、簡単な加工及び少ない費用で既存のガードレールをより安全性の高い本発明のガードレールに改良することができる。
以下、本願に係る発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、請求項1,請求項2又は請求項3に係る発明の一実施形態であるガードレールの平面図及び正面図であり、図2は断面図である。
このガードレールは、路側に所定間隔で支柱1が立設され、これらの間に架け渡すように主ビーム2と、該主ビーム2の下側には該主ビーム2と平行に車輪拘束ビーム3とが取り付けられている。
図1は、請求項1,請求項2又は請求項3に係る発明の一実施形態であるガードレールの平面図及び正面図であり、図2は断面図である。
このガードレールは、路側に所定間隔で支柱1が立設され、これらの間に架け渡すように主ビーム2と、該主ビーム2の下側には該主ビーム2と平行に車輪拘束ビーム3とが取り付けられている。
上記主ビーム2は、断面形状が波形に加工された横方向に長い鋼板であって、支柱1に対してボルトで固着されたものである。この主ビーム2は、車両の衝突による荷重が作用すると曲げ変形が生じ、車両に作用する衝撃を緩和するとともに、変形後は支柱1間の軸線方向の引張力によって車両が道路上から逸脱するのを防止するものとなっている。主ビーム2を構成する鋼板は、厚さが2mm〜5mm程度であり、上下方向の幅が300mm〜400mm程度となっており、長さが支柱間隔もしくは複数の支柱間隔を架け渡す長さに設定されている。そして、主ビーム2の中心線の位置が路面より550mm〜650mmの高さの範囲となるように支持されている。本実施例では、上下方向の幅が350mm、主ビーム2の中心線の位置が路面から600mmの高さとなっている。
上記車輪拘束ビーム3は、例えば鋼管を用いることができ、乗用車がガードレールに衝突したときに、車輪が主ビーム2の下側に入り込むのを抑止するものである。この車輪拘束ビーム3は、ある程度の曲げ剛性を有するものであり、この曲げ剛性によって車輪が主ビーム2の下側に入り込むのを防止する。また、曲げ変形が生じた後は、主ビーム2と同様に軸線方向の引張力によって車輪が道路の外側へ突出しようとするの拘束するものであり、支柱に対して軸線方向に変位しないように固定されている。
本実施例では、車輪拘束ビーム3は、外径が60.5mm、厚さが3.2mmの鋼管が用いられており、中心線の高さが路面より325mmであって、主ビーム2の下縁より下側に85mmの位置となっている。
なお、この車輪拘束ビーム3は、上記のような鋼管のほかに、I型鋼、H型鋼、溝型鋼、角型断面を有する管材を用いることができる。そして、上下方向の曲げ剛性が水平方向の曲げ剛性より大きい部材を用いることにより、衝突する車輪の回転によって車輪拘束ビームが上下方向に変形して車輪が主ビームとの間または車輪拘束ビームの下側に入り込むのを有効に防止することができる。
なお、この車輪拘束ビーム3は、上記のような鋼管のほかに、I型鋼、H型鋼、溝型鋼、角型断面を有する管材を用いることができる。そして、上下方向の曲げ剛性が水平方向の曲げ剛性より大きい部材を用いることにより、衝突する車輪の回転によって車輪拘束ビームが上下方向に変形して車輪が主ビームとの間または車輪拘束ビームの下側に入り込むのを有効に防止することができる。
上記支柱1には鋼管が用いられており、走行車線に沿って路側または中央分離帯等に所定の間隔で立設されるものである。主ビーム2及び車輪拘束ビーム3等の寸法を規格化するためには支柱を立設する間隔が4m又は2mというように一定に定められているのが望ましい。上記支柱の下端部は、路側の地盤内に十分な長さが埋め込まれるか、コンクリートによって強固に固着され、車両の衝突による荷重に抵抗するものとなっている。
図3は、上記主ビーム2及び車輪拘束ビーム3と支柱1との接合構造の概略を示す分解斜視図である。
支柱1には水平方向に貫通するボルト孔1aが設けられており、このボルト孔1aに挿通されたボルト23及びナット24によって接合金具13が取り付けられ、この接合金具13に主ビーム2がボルト25及びナット26で固定される。また、二つの主ビーム2,2’は、支柱1との接合部で軸線方向に連結されるものとなっており、ボルト27及びナット28で互いに連結され、軸線方向に引張力が伝達される。これにより、一つの支柱間に車輛の衝突等があって大きな軸方向力が生じたときに、支柱1との接合位置を越えて軸方向力が伝達され、支柱1の負担が軽減されるようになっている。
支柱1には水平方向に貫通するボルト孔1aが設けられており、このボルト孔1aに挿通されたボルト23及びナット24によって接合金具13が取り付けられ、この接合金具13に主ビーム2がボルト25及びナット26で固定される。また、二つの主ビーム2,2’は、支柱1との接合部で軸線方向に連結されるものとなっており、ボルト27及びナット28で互いに連結され、軸線方向に引張力が伝達される。これにより、一つの支柱間に車輛の衝突等があって大きな軸方向力が生じたときに、支柱1との接合位置を越えて軸方向力が伝達され、支柱1の負担が軽減されるようになっている。
また、ガードレール設置区間の始点又は終点には、主ビームに袖ビーム4が接続されており、ガードレールの端部付近に車輌が衝突したときの衝撃を緩和するとともに、良好な外観に仕上げられている。
一方、車輪拘束ビーム3は、支柱1にボルト21及びナット22とによって取りつけられた継手ブラケット11及び継手パイプ12によって支持されている。上記継手ブラケット11は、図4及び図5に示すように、短い継手パイプ12を水平に把持するように短冊状の鋼板を曲げ加工して形成され、支柱1を貫通するボルト21によって支柱に固着されている。そして、この継手パイプ12の両端部に車輪拘束ビーム3となる鋼管が外挿され、支柱1の両側に鋼管からなる車輪拘束ビーム3が支持される。上記継手ブラケットと継手パイプ、及び継手パイプと車輪拘束ビーム3とは、図5に示すようにこれらを鉛直方向に貫通するボルト29、30によって、互いに引張力の伝達が可能に連結されている。
また、図3及び図5に示す車輪拘束ビームの取り付け構造は、二つの車輪拘束ビーム3,3’の接続部で支柱1に固定するものであるが、一つの車輪拘束ビーム3のほぼ中央部で支柱と接合することもできる。
なお、上記ガードレールでは、図1及び図2に示すように、車輪拘束ビーム3として1本の鋼管を用いたが、上下に複数の鋼管を平行に配列したものであってもよい。これにより、車輪が主ビームと車輪拘束ビームとの間や車輪拘束ビームの下側に入り込みにくくなり、乗用車がガードレールに衝突したときの衝撃を小さく抑えることができる。
このガードレールは請求項5に係る発明の一実施形態である。
このガードレールは請求項5に係る発明の一実施形態である。
図6は、請求項6に係る発明の一実施形態であるガードレールの平面図及び正面図であり、図7は断面図である。また図8は、このガードレールで用いられる主ビームの斜視図である。
このガードレールでは、主ビーム52が木材と鋼板材との複合構造となっている。
このガードレールでは、主ビーム52が木材と鋼板材との複合構造となっている。
上記主ビーム52は、図8に示すように、横方向に長い平板状の鋼板材61と、この鋼板材61の前面つまり車両の走行車線側に接合された木部材62とで構成されている。木部材62は上下に2本が用いられ、それぞれは丸太を軸線方向に2分割した断面形状となっている。そして、平坦な切断面が鋼板材61に当接して接合されている。この鋼板材61と木部材62とは、ボルト71とナット72とで締め付けて接合されており、ボルト71を挿通する部分で鋼板材61と木部材62との間にスペーサーを介挿し、鋼板材61と木部材62との間に隙間を設けてもよい。
上記木部材62の長さは、支柱間隔もしくは支柱間隔の二つ分にほぼ相当する長さとなっており、鋼板材61はこれより長く設定されている。そして、鋼板材の一端は木部材62の一端とほぼ一致するように接合され、鋼板材の他端付近は、木部材62の他端より突き出して、この部分が接合板部61aとなっている。上記鋼板材61は、厚さが2mm〜5mm程度のものが用いられ、上下方向の幅は2本の木部材62の背面と対向し得る寸法に設定されている。本実施例では、鋼板材の厚さが3.2mmで、上下方向の幅は300mmとなっており、木部材62は上縁と下縁との間の幅が380mmとなるように鋼板材61と接合されている。
上記主ビーム52は、中心線の位置が路面にに対して600mmの高さとなるように支持されており、その下側に支持された車輪拘束ビーム53は、路面より325mmの高さに取り付けられている。したがって、車輪拘束ビーム53の中心線は、主ビーム52の木部材62の下縁より85mm、鋼板材61の下縁より125mm下方となっている。
なお、このガードレールの支柱51及び車輪拘束ビーム53は、図1から図5までに示すガードレールと同じものが用いられている。
なお、このガードレールの支柱51及び車輪拘束ビーム53は、図1から図5までに示すガードレールと同じものが用いられている。
図9は、上記ガードレールにおける主ビーム52及び車輪拘束ビーム53の接続構造、及びこれらを支柱51に取り付ける構造の概略を示す分解斜視図である。
図1に示すガードレールと同様に、支柱51の上部に主ビーム52を固定するためのボルト孔51aが支柱を貫通してもうけられ、その下方には車輪拘束ビーム53を固定するためのボルト孔51bが設けられている。そして、ボルト孔51aに挿通されたボルト73及びナット74によって接合金具63が取り付けられ、ボルト孔51bに挿通されたボルト75及びナット76によって継手ブラケット64が取り付けられている。
図1に示すガードレールと同様に、支柱51の上部に主ビーム52を固定するためのボルト孔51aが支柱を貫通してもうけられ、その下方には車輪拘束ビーム53を固定するためのボルト孔51bが設けられている。そして、ボルト孔51aに挿通されたボルト73及びナット74によって接合金具63が取り付けられ、ボルト孔51bに挿通されたボルト75及びナット76によって継手ブラケット64が取り付けられている。
主ビームを取りつけるための上記接合金具63は、図1に示すものと同様のものが用いられており、主ビーム52は、接合金具63の立面63aに鋼板材61の接合板部61aの背面が当接されるとともに、この接合板部61aの前面には他の主ビーム52’の鋼板材61’が当接される。そして、二つの主ビーム52、52’ は、これらに設けられたボルト孔に挿通したボルト77とナット78とによって上記接合金具63に固定され、この他に複数のボルト79及びナット80で二つの主ビーム52,52’が互いに接続されている。
上記接合板部61aの前面に当接された他のビーム52’の端部は、鋼板材61’と木部材62’の端面がほぼ一致するように接合されており、二つのビーム52,52’の木部材62,62’は端面が突き合わされ、道路中心線に沿ってほぼ連続した外観を形成する。
車輪拘束ビーム53を取り付けるための継手ブラケット64は、図1に示すものと同様のものが用いられており、ボルト81とナット82とによって継手ブラケットに継手パイプ65が固定され、該継手パイプ65の両端部に車輪拘束ビーム53及び他の車輪拘束ビーム53’の端部が嵌合されて、複数のボルト及びナットで互いに接続されている。
なお、上記車輪拘束ビーム53は、図1に示すビームと同様に、一つの車輪拘束ビームのほぼ中央部で支柱と接合することもできる。
なお、上記車輪拘束ビーム53は、図1に示すビームと同様に、一つの車輪拘束ビームのほぼ中央部で支柱と接合することもできる。
また、ガードレール設置区間の始点又は終点では、図10に示すように、主ビーム53の端部に端部用部材54が取り付けられる。この端部用部材は、鋼板からなる端部プレート66の両面に、軸線が鉛直方向となるようにして木製の端部ブロック67を接合したものであり、主ビームの端部が鋭利な状態で突出するのを回避し、体裁良く仕上げるものとなっている。
1:支柱、 2:主ビーム、 3:車輪拘束ビーム、 4:袖ビーム、 11:継手ブラケット、 12:継手パイプ、 13:接合金具、 21,23,25,27,29、30:ボルト、 22,24,26,28:ナット、 51:支柱、 52:主ビーム、 53:車輪拘束ビーム、 54:端部用部材、 61:鋼板材、 62:木部材、 63:接合金具、 64:継手ブラケット、 65:継手パイプ、 66:端部プレート、 67:端部ブロック、 71,73,75,77,79,81:ボルト、 72,74,76,78,80,82:ナット
Claims (6)
- 道路の路線に沿って所定間隔で立設される複数の支柱と、
上下方向に300mm以上の幅を備え、前記支柱間に架け渡して取り付けられる部材であって、自動車の車体が車線上から逸脱するのを抑制するための主ビームと、
前記主ビームの下側で該主ビームと平行に支持され、上記支柱間に架け渡された棒状の部材であって、自動車の車輪が前記主ビームの下側に入り込むのを抑止するための車輪拘束ビームと、を有することを特徴とするガードレール。 - 前記車輪拘束ビームは、中心線の高さが路面より300mm以上で350mm以下となるように支持されていることを特徴とする請求項1に記載のガードレール。
- 前記主ビームの中心線の位置が路面より550mm〜650mmの高さの範囲にあり、前記車輪拘束ビームの中心線は、前記主ビームの下縁より下側に150mm以内の位置に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のガードレール。
- 前記車輪拘束ビームは、上下方向の曲げ剛性が水平方向の曲げ剛性より大きい部材であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載のガードレール。
- 前記車輪拘束ビームは、上下に複数の部材を平行に配列したものであることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載のガードレール。
- 前記主ビームは、
横方向に軸線を有するように支持され、上下に複数本が配置された木部材と、
前記支柱間で連続し、複数本の前記木部材の背面側で、各木材に当接して又は間隙をおいて配置される平板状の鋼板材と、を有するものであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載のガードレール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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2004
- 2004-05-13 JP JP2004143280A patent/JP2005325561A/ja active Pending
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