JP2005324694A - 車両用荷棚 - Google Patents

Abstract

【課題】長寿命で消費電力が小さく、かつ発熱量が少ない照明を備えた車両用荷棚を得る。
【解決手段】車両構体１の室内側の上部に取り付けられて、車両構体１の前後方向に沿って延びている。荷棚本体５の下面には面状照明部７を配しており、面状照明部７は、車両構体１の前後方向に並べて配されて発光する複数の照明用ＬＥＤ２０と、上下に配した反射拡散板２３および拡散照射板２５とを含んでいる。反射拡散板２３は、所定の上下幅の隙間２２を挟んで拡散照射板２５の上側に配しており、各照明用ＬＥＤ２０の発光部が、前記隙間２２に臨んで配されている。反射拡散板２３は、照明用ＬＥＤ２０からの光を反射拡散して拡散照射板２５側へ照射する反射拡散手段を有しており、拡散照射板２５は、照明用ＬＥＤ２０および反射拡散板２３からの光を拡散状態で透過させる拡散照射手段を有している。
【選択図】図１

Description

本発明は、鉄道車両や観光バスなどの車両に用いられる車両用荷棚に関する。

特許文献１・２には、車両構体の前後方向に沿って延びる荷棚を車両構体の室内側の上部に取り付け、その荷棚の下面に照明を配したものが開示されている。

実開平３−７８６７２号公報（明細書第６−８頁、第２図） 実開平５−８０９００号公報（段落番号００１０−００１４、図２）

特許文献１・２では、前記照明としてスポットライトや蛍光灯を用いているが、スポットライトや蛍光灯では消費電力が大きくなるうえ、ランプ切れが頻発し易いために交換作業などの負担が大きい。また、スポットライトや蛍光灯は、発熱量が多いところに問題がある。

そこで本発明の目的は、長寿命で消費電力が小さく、かつ発熱量が少ない照明を備えた車両用荷棚を提供することにある。

本発明が対象とする車両用荷棚３は、図２に示すごとく、車両構体１の室内側の上部に取り付けられて、車両構体１の前後方向に沿って延びている。ここでの車両は、新幹線などの鉄道車両や観光バスなどが該当する。

本発明は、図１に示すごとく、荷棚本体５の下面に面状照明部７を配しており、面状照明部７は、車両構体１の前後方向に並べて配されて発光する複数の照明用ＬＥＤ２０と、上下に配した反射拡散板２３および拡散照射板２５とを含んでいる。反射拡散板２３は、所定の上下幅の隙間２２を挟んで拡散照射板２５の上側に配しており、各照明用ＬＥＤ２０の発光部が、前記隙間２２に臨んで配されている。ここでの照明用ＬＥＤ２０は、電球色、青色の蛍光灯色、白色およびダイダイ色などの光を発光するものが該当する。

反射拡散板２３は、照明用ＬＥＤ２０からの光を反射拡散して拡散照射板２５側へ照射する反射拡散手段を有しており、拡散照射板２５は、照明用ＬＥＤ２０および反射拡散板２３からの光を拡散状態で透過させる拡散照射手段を有していることを特徴とする。

反射拡散手段としては、反射拡散板２３の下面をホーニング加工して鏡面状に形成したものや、反射拡散板２３の下面に白色系の塗料を塗布したものや、反射拡散板２３の下面に金属メッキを施したものなどが該当する。拡散照射手段としては、拡散照射板２５の上面あるいは下面にプリズム状やレンズ状の素子群を形成したものなどが該当する。

具体的には、照明用ＬＥＤ２０を基板２１ａ上に所定間隔で並べて配したＬＥＤアレイ２１を備えており、ＬＥＤアレイ２１の基板２１ａが、荷棚本体５に固定されている。

本発明によれば、面状照明部７は照明用ＬＥＤ２０を光源にしているので、照明用ＬＥＤ２０が長寿命であるためにランプ交換作業などの負担が低減され、また消費電力が小さいために省エネを図ることができる。さらに照明用ＬＥＤ２０は、発熱量が少ないために車両室内を不必要に暖めることが低減され、冷房に掛かるコストの上昇などを抑えることができる。

ＬＥＤアレイ２１の基板２１ａを荷棚本体５に固定したので、照明用ＬＥＤ２０の熱が基板２１ａを介して荷棚本体５に逃げることになる。この点でも照明用ＬＥＤ２０の熱で車両室内を不必要に暖めることが低減され、冷房に掛かるコストの上昇をより抑えることができる。

図１ないし図３は、本発明の荷棚を適用した鉄道車両を示している。鉄道車両の車両構体１の側壁には、図２に示すごとく側窓２が設けられており、車両構体１の客室内側には、天井板や壁板が内張りされている。車両構体１の客室内側であって座席９の上部には、車両構体１の前後方向に沿って延びる荷棚３が配されている。

荷棚３は、図１および図２に示すごとく、車両構体１の前後方向に所定間隔で配されたマグネシウムダイキャスト製の荷棚本体５と、各荷棚本体５の上面に載せて各荷棚本体５間に掛け渡した棚板６と、各荷棚本体５の下面において各荷棚本体５間に掛け渡した面状照明部７とを含んでいる。面状照明部７は、白色光の照明用ＬＥＤを光源にしている。なお、各荷棚本体５の配置間隔は、図２に示すごとく座席９の配置間隔にほぼ一致する。

各荷棚本体５は、図１に示すごとく客室内方に突出するとともに、基端部１０が上方に延びるＬ字状に形成されている。基端部１０に設けた各ボルト穴１１に、車両構体１に配した各ボルト１２をそれぞれ通してナット１３を螺着させることで、荷棚３が車両構体１に固定される。

棚板６の先端部は、荷棚本体５の先端に取り付けた先端側取付具１５の上面に固定されており、棚板６の基端部は、荷棚本体５の上面にビスで取り付けられている。先端側取付具１５の下部には係合凹部１６が形成されており、この係合凹部１６に面状照明部７の先端部が係合する。荷棚３の先端にはキャップ１７が配されており、キャップ１７で棚板６の先端部および先端側取付具１５が覆われている。

面状照明部７の基端部は、照明取付具１９に係止されており、この照明取付具１９は、荷棚本体５の下面にビスで取り付けられている。面状照明部７は、図１および図３に示すごとく、複数個の高輝度の照明用ＬＥＤ２０を基板２１ａ上に所定間隔で並べて配したＬＥＤアレイ２１と、所定の上下幅の隙間２２を挟んで上下に配した反射拡散板２３および拡散照射板２５と、反射拡散板２３および拡散照射板２５の前後の周縁間に配された前後一対の前後枠体２６・２６と、反射拡散板２３および拡散照射板２５の先端側の周縁間に配された先端側枠体２７とを含んでいる。先端側枠体２７の先端部が、前記先端側取付具１５の係合凹部１６に嵌め込まれる。

ＬＥＤアレイ２１の基板２１ａは、前記照明取付具１９にビスで取り付けられており、照明取付具１９を介して荷棚本体５に固定されている。ＬＥＤアレイ２１は、面状照明部７の基端に配され、かつ各照明用ＬＥＤ２０が前記隙間２２に沿って車両構体１の前後方向に並ぶよう配されている。各照明用ＬＥＤ２０の発光部は前記隙間２２に臨んでおり、各照明用ＬＥＤ２０が前記隙間２２内に向けて白色光を照射する。

反射拡散板２３は、白色のプラスチック板からなり、前記隙間２２を挟んで拡散照射板２５の上側に配している。反射拡散板２３は、照明用ＬＥＤ２０からの光を反射拡散して拡散照射板２５側へ照射する反射拡散手段を有している。つまり、反射拡散板２３は、下面をホーニング加工して鏡面状に形成してある。

拡散照射板２５は、半透明のプラスチック板からなり、照明用ＬＥＤ２０および反射拡散板２３からの光を拡散状態で透過させる拡散照射手段を有している。つまり、拡散照射板２５は、上面の全域にプリズム状の素子群を形成してある。

ＬＥＤアレイ２１の各照明用ＬＥＤ２０で発生した光が、反射拡散板２３の下面で反射拡散し、その反射光および照明用ＬＥＤ２０から直接照射された光が、拡散照射板２５でさらに拡散した状態で荷棚３の下方へ照射される。これにより、各照明用ＬＥＤ２０の光が、面状照明部７の全体に広がって面状照明部７の下面全体から照射される。

なお、荷棚本体５は、アルミニウムダイキャスト製などであってもよい。また、荷棚本体５と棚板６とは、一体に成型したものなどであってもよい。照明用ＬＥＤ２０は、ダイダイ色や青色などの光を発光するものであってもよい。

本発明の荷棚の縦断面図 車両構体内の側面図 面状照明部の分解斜視図

符号の説明

１ 車両構体
５ 荷棚本体
７ 面状照明部
２０ 照明用ＬＥＤ
２１ ＬＥＤアレイ
２１ａ ＬＥＤアレイの基板
２２ 隙間
２３ 反射拡散板
２５ 拡散照射板

Claims (2)

1. 車両構体（１）の室内側の上部に取り付けられて、車両構体（１）の前後方向に沿って延びる車両用荷棚において、
   荷棚本体（５）の下面に面状照明部（７）を配しており、
   面状照明部（７）は、車両構体（１）の前後方向に並べて配されて発光する複数の照明用ＬＥＤ（２０）と、上下に配した反射拡散板（２３）および拡散照射板（２５）とを含んでおり、
   反射拡散板（２３）は、所定の上下幅の隙間（２２）を挟んで拡散照射板（２５）の上側に配しており、
   各照明用ＬＥＤ（２０）の発光部が、前記隙間（２２）に臨んで配されており、
   反射拡散板（２３）は、照明用ＬＥＤ（２０）からの光を反射拡散して拡散照射板（２５）側へ照射する反射拡散手段を有しており、
   拡散照射板（２５）は、照明用ＬＥＤ（２０）および反射拡散板（２３）からの光を拡散状態で透過させる拡散照射手段を有していることを特徴とする車両用荷棚。
2. 照明用ＬＥＤ（２０）を基板（２１ａ）上に所定間隔で並べて配したＬＥＤアレイ（２１）を備えており、
   ＬＥＤアレイ（２１）の基板（２１ａ）が、荷棚本体（５）に固定されている請求項１記載の車両用荷棚。

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