JP2005324406A - ガスバリア性フィルム、ならびにこれを用いて構成された液晶表示素子およびel表示素子 - Google Patents

ガスバリア性フィルム、ならびにこれを用いて構成された液晶表示素子およびel表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】支持基板としてプラスチック基板を用いながらも、プラスチック基板の表面の突起が、ガスバリア層の凹凸やピンホールの発生の原因となる不都合を解消した、高いガスバリア性能が付与されたガスバリア性の基板を提供し、特に、ディスプレイ素子に用いるのに最適な高いガスバリア性を有する基板を提供することを課題とする。
【解決手段】基材シート2、酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる密着性無機化合物層3a、有機樹脂層31、無機化合物層32が順に積層された積層構造、もしくは密着性無機化合物層3a以降を無機化合物層32a、有機樹脂層31、無機化合物層32bが順に積層された積層構造として課題を解決することができた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高いガスバリア性が要求される種々の用途に適したガスバリア性フィルムに関するものである。特に、本発明のガスバリア性フィルムは、透明タッチパネル、液晶表示素子、有機EL表示素子もしくは無機EL表示素子のEL表示素子等の基板、または封止用基板として用いるのに適する。
食品や医薬品のように、外部からの酸素や水分の浸入により品質が経時的に低下する恐れのあるものについては、古くから、ガスバリア性の包装材料を用いた包装が行なわれている。最近では電子部品や各種の素子の分野でも、ガスバリア性が要求されるようになって来ており、ガスバリア性の要求は、製品や半製品の単なる包装の場合に留まらず、製品そのものの外側を占める部材にも要求されるようになってきている。
従来、液晶表示素子やEL表示素子等のディスプレイ(表示)素子の支持基板として、ガラス基板がよく用いられていたが、ガラス基板が有する、重く、固く、かつ割れやすい欠点を解消するために、プラスチック基板が提案されている。しかしながらプラスチック基板は、ガラス基板の欠点を解消する一方で、ガラス基板と比較するとガスバリア性が劣り、ディスプレイ素子の性能を長時間にわたって維持させることは無理である。
ディスプレイ素子の一つである有機EL素子を例に取ると、発光体が水分や酸素に触れると発光性能が低下する問題があるが、プラスチック基板は平坦性が十分でなかったり、ピンホールもしくは突起等を有するため、ガスバリア性を付与する加工を行なっても、得られるガスバリア性が不十分で、発光しないダークスポットが発生する原因となる。また、有機EL表示素子を製造するには、通常、幾つもの層を、高温が避けられないプロセスを経て形成を行なう必要があるため、プラスチック基板といえども耐熱性を必要とする上、製品となって使用される際にも、電位や温度上昇の影響を受ける。従って、プラスチック基板を使用した場合には、ディスプレイ素子の発光や光の変調の機能が安定とは言い難い。
従来、プラスチック基板にガスバリア性を付与する目的で、高分子樹脂からなる基材上に、無機化合物からなる蒸着層を第1層とし、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜を第2層として積層してなるガスバリア性積層フィルムが提案されている。(特許文献1。)。
また、高分子樹脂組成物からなる基材上に、無機化合物からなる蒸着層を第1層とし、1種以上の金属アルコキシド或いはその加水分解物と、分子中に少なくとも2個以上のイ
ソシアネート基を有するイソシアネート化合物との混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなる被膜層を第2層として積層してなるガスバリア性積層フィルムも提案されている。(特許文献2。)。
特開平7−164591号公報 特開平7−268115号公報
しかしながら、上記の特許文献1および特許文献2に開示されたガスバリア性積層フィルムは、食品もしくは医薬品等の包装用であることしか意図されておらず、ガスバリア性についても、水蒸気透過率および酸素透過率のいずれもが、もっとも良好なもので、0.1cc/m2/day・atm程度であり、ディスプレイ素子に用いるためのガスバリア性フィルムとしては十分ではない。また、プラスチック基板の平坦性についても何ら触れられるところが無い。
発明者らが検討したところ、プラスチック基板の表面はRa(算術平均粗さ)が6nmを超えており、かつP−V(最大高低差)が60nmを超えていることに加えて、所々に500nm(0.5μm)程度の高さの突起を有しており、微視的に見れば極めて荒れた状態となっているために、このようなプラスチック基板上に、膜厚が1μm以下の無機化合物の薄膜をガスバリア性層として形成した場合に、プラスチック基板表面の突起により、ガスバリア層にピンホールが発生し、ガスバリア性の低下の原因となり得ることが見出された。
本発明においては、支持基板としてプラスチック基板を用いながらも、プラスチック基板の表面の突起が、ガスバリア層の凹凸やピンホールの発生の原因となる不都合を解消した、高いガスバリア性能が付与されたガスバリア性の基板を提供し、特に、表示素子に用いるのに最適な高いガスバリア性を有する基板を提供することを課題とする。
発明者らの検討により、プラスチック基板上に、酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる薄膜層を介してガスバリア性薄膜を積層することにより、ガスバリア性が格段に向上することが見出され、これをもとに本発明に到達することができた。
課題を解決する第1の発明は、基材シートの片面もしくは両面に、複数の層からなる積層構造を有するガスバリア性層が積層されており、前記ガスバリア性層を構成する複数の層のうち、少なくとも前記基材シートに接する側の層が、酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる無機化合物層であることを特徴とするガスバリア性フィルムに関するものである。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記ガスバリア性層が、前記基材シートに接する側より、前記の酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる無機化合物層、有機樹脂層、および無機化合物層が順に積層した積層構造を有するものであることを特徴とするガスバリア性フィルムに関するものである。
第3の発明は、第1の発明において、前記ガスバリア性層が、前記基材シートに接する側より、前記の酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる無機化合物層、無機化合物層、有機樹脂層、および無機化合物層が順に積層した積層構造を有するものであることを特徴とするガスバリア性フィルムに関するものである。
第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明において、前記無機化合物層が無機酸化物、無機酸化窒化物、無機窒化物、無機酸化炭化物、無機酸化炭化窒化物、もしくは金属のいずれかからなるものであることを特徴とするガスバリア性フィルムに関するものである。
第5の発明は、第1〜第4いずれかの発明において、前記ガスバリア性層の最表面の表面粗さRaが6nm以下であり、最大高低差P−Vが60nm以下であることを特徴とするガスバリア性フィルムに関するものである。
第6の発明は、第1〜第4いずれかの発明において、前記有機樹脂層がカルド樹脂からなることを特徴とするガスバリア性フィルムに関するものである。
第7の発明は、いずれも内側に電極層および配向膜が順次積層された背面用基板および前面用基板の両基板間に液晶層がはさまれて密封されており、前記背面用基板または/および前記前面用基板が、第1〜第6いずれかの発明のガスバリア性フィルムであることを特徴とする液晶表示素子に関するものである。
第8の発明は、基板、電極層、発光層、対抗電極層、および封止層が順に積層されており、前記基板または/および前記封止層が、第1〜第6いずれかの発明のガスバリア性フィルムであることを特徴とするEL表示素子に関するものである。
第1の発明によれば、基材シートの片面もしくは両面に酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる無機化合物層、およびその他の層からなるガスバリア性層が積層されているので、ガスバリア性が高く、しかもガスバリア性層の密着性の高いガスバリア性フィルムを提供することができる。
第2の発明によれば、第1の発明の効果に加えて、ガスバリア性層が、酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる無機化合物層、有機樹脂層、および無機化合物層からなる積層構造を有しているので、表面の無機化合物層に基づくガスバリア性が有機樹脂層の存在により、より高められたガスバリア性フィルムを提供することができる。
第3の発明によれば、第1の発明の効果に加えて、ガスバリア性層が、酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる無機化合物層上に、無機化合物層、有機樹脂層、および無機化合物層からなる積層構造を有しているので、有機樹脂層により下層側の無機化合物層に基づくガスバリア性が高められており、さらに有機樹脂層上の無機化合物層により、ガスバリア性が一層高められたガスバリア性フィルムを提供することができる。
第4の発明によれば、第1〜第3いずれかの発明の効果に加えて、無機化合物層を入手しやすい身近な素材により構成したガスバリア性フィルムを提供することができる。
第5の発明によれば、第1〜第4いずれかの発明の効果に加えて、ガスバリア性層の最表面の表面粗さおよび最大高低差を規定したので、平坦性が高いガスバリア性フィルムを提供することができる。平坦性が高いことにより、特にEL素子を構成するための基板として適している。
第6の発明によれば、第1〜第5いずれかの発明の効果に加えて、有機樹脂層をカルド樹脂で構成したので、有機樹脂層の下層の無機化合物層のガスバリア性がより一層高められたガスバリア性フィルムを提供することができる。
第7の発明によれば、第1〜第6いずれかの発明の効果を有するガスバリア性フィルムを背面用基板または/および前面用基板として用いたことにより、表示の性能を長時間にわたって維持することが可能な液晶表示素子を提供することができる。
第8の発明によれば、第1〜第6いずれかの発明の効果を有するガスバリア性フィルムを基板または/および封止層として用いたことにより、表示の性能を長時間にわたって維持することが可能なEL表示素子を提供することができる。
図1は本発明のガスバリア性フィルムの基本的な積層構造を示す図である。また、図2および図3は、本発明のガスバリア性フィルムの好ましい積層構造を示す図である。
図1(a)に示すように、本発明のガスバリア性フィルム1は、最も基本的には、基材シート2の片面に、酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素の薄膜からなる無機化合物層3aが積層され、この無機化合物層3aを有する複数の層からなるガスバリア性層3が積層された積層構造を有するものである。本発明のガスバリア性フィルム1は、図1(b)に示すように、基材シート2の片面(図1(b)では上側の面)に、酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素の薄膜からなる無機化合物層3aが積層され、この無機化合物層3aを有する複数の層からなるガスバリア性層3が積層されており、かつ、基材シート2の反対側の面(図1(b)では下側の面)にも、酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素の薄膜からなる無機化合物層3a’が積層され、この無機化合物層3a’を有する複数の層からなるガスバリア性層3’が積層された積層構造を有するものであってもよい。
図2(a)に示すように、本発明のガスバリア性フィルム1は、より具体的には、基材シート2の片面に、基材シート2側より酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる無機化合物層3a、有機樹脂層31、および無機化合物層32が順に積層された三層からなるガスバリア性層3が積層された積層構造を有するものであることが好ましく、また、このようなガスバリア性層3および3’の二層が基材シート2をはさんで積層された積層構造を有するものであってもよい。即ち、図2(b)に示すような、図の下面側より、無機化合物層32’、有機樹脂層31’、無機化合物層3a’、基材シート2、無機化合物層3a、有機樹脂層31、および無機化合物層32がこの順に積層されたものである。
あるいは、図3(a)に示すように、本発明のガスバリア性フィルム1は、基材シート2の片面に、基材シート2側より酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる無機化合物層3a、無機化合物層32a、有機樹脂層31、および無機化合物層層32bが順に積層された四層からなるガスバリア性層3が積層された積層構造を有するものであることも好ましく、また、このようなガスバリア性層3および3’の二層が基材シート2をはさんで積層された積層構造を有するものであってもよい。即ち、図3(b)に示すような、図の下面側より、無機化合物層32b’、有機樹脂層31’、無機化合物層32a’、無機化合物層3a’、基材シート2、無機化合物層3a、無機化合物層32a、有機樹脂層31、および無機化合物層32bがこの順に積層されたものである。
基材シート2としては、種々の樹脂で構成されたものを用いることができる。例えば、結晶性樹脂では、熱可塑性樹脂であるポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、もしくはシンジオタクティック・ポリスチレン等を、熱硬化性樹脂では、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、もしくはポリエーテルニトリル等を、基材シート2を構成する好ましい樹脂として挙げることができる。あるいは、基材シート2を構成する樹脂としては、非結晶性樹脂では、熱可塑性樹脂であるポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリシクロヘキセン、もしくはポリノルボルネン系樹脂等を、熱硬化性樹脂では、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、もしくは熱可塑性ポリイミド等を好ましい樹脂として挙げることができる。中でも、ポリカーボネートは、吸水性が低いため、これを用いて構成された基材シート2は、湿度膨張係数が低く、また、ガラス転移点、荷重たわみ温度、最高連続使用温度が高い点でも好ましい。このような素材からなる基材シート2の厚みは、特に制限しないが、60μm〜2mm程度であることが好ましい。
ガスバリア性フィルム1を、透視性を有することが好ましい用途に用いる場合には、基材シート2は透明性を有するものであることが好ましい。ここで「透明性を有する」の透明とは、無色透明および有色透明の両方を含む意味で用いる。なお、以降に説明する各層も、ガスバリア性フィルム1を、透視性を有することが好ましい用途に用いる場合には、いずれの層も透明性を有するものであることが好ましい。例えば、透過型の表示素子においては、前面および背面の両方の基板として透視性を有するものを用いることが好ましいし、反射型の表示素子においては、少なくとも前面の基板として透視性を有するものを用いることが好ましい。
基材シート2には、ガスバリア性層3を積層するのに先立って、基材シート2とガスバリア性層3との間に、密着性層(密着層もしくは密着性向上層)が積層されていてもよく、または密着性向上のための処理が基材シート2の表面に施されていてもよい。
上記の密着性層としては、有機化合物の蒸着もしくはウェットコーティングによりアンカーコート剤の層を形成することができる。アンカーコート剤の層は、例えば、アルキルチタネート等の有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、もしくはポリブタジエン系アンカーコート剤等の1種もしくは2種以上の組み合わせにより、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコ−ト、もしくはスプレイコート等の公知のコーティング法でコーティングし、コーティング後、溶剤、希釈剤等を乾燥除去することにより形成することができ、ウェットコーティングによる場合の塗布量としては、0.1g/m2〜5g/m2(乾燥状態)程度であることが好ましい。
より好ましい密着性層は、酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる無機化合物層3aである。酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる無機化合物層(以降、単に密着性無機化合物層と言うことがある。)3aは、基材シート2とガスバリア性層3との密着性を高めることに加え、ガスバリア性フィルム1の全体に、耐熱性、耐薬品性、および耐候性を付与するとともに、密着性無機化合物層3a上に積層される他の層に欠損部位があっても、それを埋めることによりガスバリア性を向上させる。
酸化炭化珪素からなる無機化合物層3aは、酸化珪素および炭素を含有する材料からなり、次のような有機珪素化合物を原料として、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、もしくはヘリウムガス等の存在下で、プラズマ化学気相成長法、好ましくは低温プラズマ化学気相成長法を利用して形成することができる。有機珪素化合物としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、もしくはオクタメチルシクロテトラシロキサン等、またはその他のものを使用でき、取り扱い性や蒸着膜の特性等から、テトラメトキシシラン(TMOS)、もしくはヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を用いることが好ましい。
酸化炭化珪素からなる無機化合物層3aは、種々のアルコキシシランを用いた化学気相成長法により形成されたものである。用い得るアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、もしくはヘキシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。酸化炭化珪素の薄膜がCVD法で形成される場合には、原材料に由来する炭素を薄膜内に含有するので、有機材料からなる基材シート2との密着性がよいものと考えられる。
酸化窒化炭化珪素からなる無機化合物層3aは、オルガノシラザン等の含窒素有機珪素化合物のガスを使用し、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、もしくはヘリウムガス等の存在下でプラズマ化学気相成長法、好ましくは低温プラズマ化学気相成長法を利用して形成することができる。含窒素有機珪素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン((CH3Si)2NH)、4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルベンジロキシジメチルシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノメチルトリメチルシラン、3−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、4−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3−(3−アミノプロポキシ)−3,3−ジメチル−1−プロペニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジイソプロピルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルペンタメチルジシロキサン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、ジ−nブチルテトラメチルジシラザン、N,N−ジエチルアミノトリメチルシラン、(ジエチルアミノ)トリメチルシラン、(ジイソプロピルアミノ)トリメチルシラン、(N,N−ジエチルアミノ)ジメチルシラン、(N,N−ジメチルアミノ)トリエチルシラン、もしくは(N,N−ジメチルアミノ)トリメチルシラン等を挙げることができる。
酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる密着性無機化合物層3aの厚みは、1nm〜1000nmであることが好ましく、より好ましくは5nm〜300nmである。無機化合物層3aの厚みが、好ましい厚みの範囲よりも薄いと、密着性向上効果が乏しい。また、好ましい厚みの範囲よりも厚い場合には、密着性の向上効果が期待できないが、無機化合物層3aは、ガスバリア性層の性格も有しているので、ガスバリア性の向上を目指す場合には、好ましい厚みの範囲を超えて厚みを厚くしてもよい。
ガスバリア性層3は、無機化合物層3aに加えて、種々の無機化合物もしくは有機化合物、特に高分子の中から、ガスバリア性のあるものを選択して用いて構成することができる。好ましくは、ガスバリア性層3は、図2(a)を引用して説明したように、密着性無機化合物層3a、有機樹脂層31、および無機化合物層32が順に積層された積層構造を有するもの、もしくは密着性無機化合物層3a、無機化合物層32a、有機樹脂層31、および無機化合物層32bが順に積層された積層構造を有するものとして構成することが好ましい。
無機化合物層32(32aおよび32bを含む。)は、無機酸化物、無機酸化窒化物、無機窒化物、無機酸化炭化物、もしくは無機酸化炭化窒化物の薄膜、またはごく薄い金属薄膜のいずれかにより構成されるもので、ガスバリア性フィルム1における、水蒸気の透過を遮断したり、酸素の透過を遮断するためのガスバリア性層としての機能が高い。無機化合物層32は、好ましくは、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(Physical Vapor Deposition法)やプラズマ化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法)等により形成することができる。
無機化合物層32を構成する無機化合物としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、チタン、スズ、インジウム、もしくはセリウムから選ばれた1種または2種以上を含有するものであることが好ましく、無機酸化物としては、例えば、珪素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物、チタン酸化物、スズ酸化物、もしくはインジウム合金酸化物が好ましく、無機酸化窒化物としては、珪素酸化窒化物が好ましく、無機窒化物としては、珪素窒化物、アルミニウム窒化物、もしくはチタン窒化物が好ましく、さらに基材薄膜の金属としては、アルミニウム、銀、錫、クロム、ニッケル、もしくはチタンが好ましい。
無機化合物層32の厚みは、使用する無機化合物によっても異なるが、5nm〜5000nmの範囲が好ましく、より好ましくは5nm〜500nmである。酸化アルミニウムや酸化珪素の蒸着法による薄膜の場合には、厚みは10nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。無機化合物層32の厚みが、好ましい厚みの範囲よりも薄いと、水蒸気、酸素ガス等に対するガスバリア性の低下が見られ、また、好ましい厚みの範囲よりも厚い場合には、無機化合物層32の形成後の工程で、無機化合物層32のクラック等により、水蒸気、酸素ガス等に対するガスバリア性の低下が見られるので好ましくない。なお、無機化合物層32は、必ずしも1層で構成することに限定されず、2層以上積層したものであってもよく、その際に、同じものどうしを組み合わせても、異なるものどうしを組み合わせてもよい。すでに説明した密着性無機化合物層3aを構成する素材、およびそれらの素材を用いた層3aの形成方法は、無機化合物層32にもそのまま適用できる。
無機化合物層32の形成は、無機酸化物または無機窒化物、無機酸化窒化物または金属を原料として用い、これらを加熱して基材に蒸着させる真空蒸着法、これらに酸素ガスを導入することにより酸化させて、基材に蒸着させる酸化反応蒸着法、これらをターゲット原料として用い、アルゴンガス、酸素ガスを導入して、スパッタリングすることにより、基材に蒸着させるスパッタリング法、もしくはこれらにプラズマガンで発生させたプラズマビームにより加熱させて、基材に蒸着させるイオンプレーティング法を利用することができ、また、酸化珪素の蒸着膜を成膜させる場合には、有機珪素化合物を原料とするプラズマ化学気相成長法を利用することができる。
無機化合物層32を酸化珪素の薄膜で構成する場合には、次のような有機珪素化合物を原料として、低温プラズマ化学気相成長法を利用して形成することができる。有機珪素化合物としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、もしくはオクタメチルシクロテトラシロキサン等、またはその他のものを使用でき、取り扱い性や蒸着膜の特性等から、テトラメトキシシラン(TMOS)、もしくはヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を用いることが好ましい。無機化合物層32を酸化炭化珪素の薄膜で構成するには、酸化炭化珪素により密着性無機化合物層3aを形成したときと同様な素材および方法を用いて行なえばよい。また、無機化合物層32を酸化窒化炭化珪素の薄膜で構成するには、酸化窒化炭化珪素からなる密着性無機化合物層3aを形成したときと同様な素材および方法を用いて行なえばよい。
ところで、ガスバリア性フィルムを表示素子の支持基板として用いる場合、その平面性が非常に高いことが求められる。と言うのは、表示素子においては、一対の電極間に電気信号に応じたシャッター機能もしくは発光機能を有する表示層を形成することが多いが、これらの電極や表示層は、支持基板上にその表面を基準にして形成されるのが普通であるから、支持基板の平面性が不十分であると、電極や表示層の形成精度が低下するからである。特に有機EL素子の場合、一対の電極間にはさむ蛍光発光層の厚みは20nm〜30nm程度であるから、支持基板の平面性の良否が問題になる。
そこで、本発明においては、基材シート2上に、酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる密着性無機化合物層3a、有機樹脂層31、および無機化合物層32等を積層したガスバリア性フィルム1の基材シート2が積層されている側の最表面の表面粗さを6nm以下とし、最大高低差P−Vを60nm以下とすることが好ましく、このような平坦性を確保することにより、ディスプレイ素子の支持基板として使用するのに適しており、特にEL素子を構成するための基板として用いるのに適したガスバリア性フィルム1を提供することが可能になる。
本発明のガスバリア性フィルム1の平坦性を上記の規定に合わせるためには、ごく単純には、基材シート2上に積層する密着性無機化合物層3a、有機樹脂層31、もしくは無機化合物層32等のいずれかの厚みを厚くすればよい。これらの層のうち、密着性無機化合物層3aや無機化合物層32は気相法で形成することが好ましいので、これらの厚みを厚くするのは必ずしも好ましくなく、有機樹脂層31の厚みを考慮するか、または有機樹脂層31の形成のために平坦化が実現しやすい樹脂を好ましく用いる。
有機樹脂層31は、好ましくはガスバリア性の高い樹脂を用いて構成することができ、例えば、ガスバリア性コーティング材として知られているポリビニルアルコール(PVA)、もしくはエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)の単独、またはこれらの混合物、あるいは、これらに芳香族酸エステル、芳香族ポリアミド、金属塩等の架橋剤を添加するか、もしくは無機フィラーの添加により架橋構造を持たせたものや、ポリアミド、PVA、もしくはEVOH等の樹脂中に1〜100nm程度の超微粒子である層状珪酸塩(モンモリロナイト等の粘土鉱物)を分散させたもの等も使用できる。
有機樹脂層31を構成するより好ましい素材として、(1)フルオレン骨格を有するエポキシアクリレート樹脂と多塩基酸無水物との付加生成物、(2)多官能アクリレートモノマー、(3)重合開始剤、および(4)エポキシ基を1分子中に2個以上有するエポキシ樹脂を必須成分とするカルド樹脂(カルドポリマーとも言う。)を挙げることができる。カルドポリマーからなる有機樹脂層31を、スパッタリング法、イオンプレーティング法、もしくは化学気相蒸着法で形成された無機化合物層上に積層すると、無機化合物層の微細なピンホール等の欠陥に対する穴埋め効果の促進が可能となる効果がある上、平坦化も容易である利点がある。
上記のカルドポリマーとしては、下記一般式(1)で示されるビスフェノール化合物から誘導されるフルオレン骨格を有する樹脂を含有することが好ましい。
Figure 2005324406
(R1およびR2は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、またはハロゲン原子であり、互いに同じであってもよく、異なるものであってもよい。
このような一般式(1)で示されるビスフェノール化合物としては、具体的には、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、もしくは9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等を挙げることができ、これらのうちの1種のみを単独で用いることができるほか、2種類以上を併用することもできる。
上記のカルドポリマーとしては、エポキシ基を1分子中に2つ以上持つエポキシ基と不飽和モノカルボン酸とを反応させて得たエポキシ(メタ)アクリレート樹脂と多塩基酸無水物とから誘導されるエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物であることが好ましい。なお、(メタ)アクリレートの表記は、アクリレートまたはメタアクリレートを意味する。
このようなエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物の形成に用いられるエポキシ樹脂として、具体的には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、4,4’−ビフェノール、テトラメチル−4,4’−ビフェノール等のビスフェノール類、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ナフトールまたはナフタレンジオールと、1,4−ビスキシレノールとの縮合化合物等の多官能フェノール類や、これら芳香環水素の一部または全てがハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基に置換した多官能フェノール類をエピクロロヒドリンと反応させて得られた1分子中にエポキシ基を2つ以上有するものが挙げられる。
このエポキシ基をエポキシ樹脂と等量のアクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸類を公知の手法により反応させることにより、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂とすることができ、さらに、このエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を多塩基酸無水物と反応させることにより、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と多塩基酸無水物との付加生成物とすることができるのである。
このような付加生成物の形成に用いられる多塩基酸無水物として、具体的には、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等の脂環式酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート無水物。グリセロールトリストリメリテート無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等の芳香族酸無水物類、無水ヘット酸、テトラブロモ無水フタル酸等のハロゲン系酸無水物等が挙げられる。また、上記エポキシ樹脂、アクリレート、酸無水物類は1種であっても、2種以上の混合物であってもよい。
このようにして得られるエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物の中でも、本発明においては、特開昭60−152091号公報、特開平6−1938号公報、特開平8−146311号公報に見られるように、同一分子内にカルボキシシル基と光重合可能な不飽和基とを有する重量平均分子量1000以上の樹脂が有機樹脂層31に含有されることが好ましい。具体的には、フルオレン骨格を持つエポキシアクリレートの酸付加体である新日鐵化学(株)製のV259M、もしくはV301M、または日本化薬(株)製のクレゾールノボラック型エポキシアクリレートの酸付加体が挙げられる。
また、上記フルオレン骨格を持つエポキシアクリレート樹脂とは、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンから得られるエポキシ樹脂とアクリル酸類とを反応させて得られるものが好適に用いられる。
また、本発明に用いられる上記多官能アクリレートモノマーとして、具体的には、常圧において100℃以上の沸点を有し、かつ、1分子中に少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する付加重合性化合物であるものが挙げられる。このような材料としては、多価アルコールと、α,β−不飽和カルボン酸とを結合して得られるもの、例えば、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオール(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレートや相当の多官能メタアクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジペンタエトキシシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンの混合物(新中村化学(株)製、商品名;BEP−500)等や、グリシジル基含有化合物にアクリル酸やメタクリル酸等のα、β−不飽和カルボン酸を付加して得られるもの、例えばトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フルオレン環を有するジグリシジルエーテルのアクリル酸付加体(新日鐵化学(株)製、商品名;ASF400)等や、不飽和アミド類、例えば、メチレンビスアクリロアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド等や、ビニルエステル類、例えば、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペート、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3−ジスルホネート等が挙げられる。
重合開始剤としては、加熱時にラジカルを発生し、カルドポリマーを有する熱硬化性樹脂および多官能アクリレートモノマーの不飽和基を重合させて硬化膜を形成させることが可能であれば、公知の熱重合開始剤を用いることができるが、10時間半減期温度が80℃以上から硬化温度以下であることが好ましく、100度以上から硬化温度であることがより好ましい。熱重合開始剤としては、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、もしくはジ−t−ブチルジパーオキシフタレート等を挙げることができる。
上記の重合を紫外線照射によって行なう場合には、熱重合開始剤に代えて。光重合開始剤を用いることもできる。光重合開始剤としては、公知のものを単独にまたは数種併用することができ、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパンー1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名;「イルガキュア907」)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフエニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名;「イルガキュア369」)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名;「CGI819」)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(BASF社製、商品名;「ルシリンTPO」)、もしくは2,4−トリクロロメチル−(ピプロロニル)−6−トリアジン(日本シイベルヘグナー社製、商品名;「トリアジンPP」)等が使用できる。
さらに、上記エポキシ基を1分子中に2つ以上有するエポキシ樹脂としては、加水分解性塩素分が1000ppm未満と少ないエポキシ化合物が好ましく、例えば、油化シェル(株)製のテトラメチルジフェニル型エポキシ樹脂であるYX4000、日本化薬(株)製のEOCNシリーズ(EOCN1020、4400、102S、103S、104S等)のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、東都化成(株)製の液状3官能エポキシ樹脂であるZX−1542、エポキシ化合物中の2級ヒドロキシル基にグリシジル基を導入した多官能エポキシ化合物等が挙げられる。このようなエポキシ樹脂は、加熱等によりエポキシ基が、カルドポリマーを含有する樹脂成分中のカルボキシル基と反応し、上記カルドポリマーを含有する樹脂および多官能アクリレートの不飽和基に加えて架橋構造を形成するものである。
上記のカルドポリマーのような、下層の無機化合物との親和性がよい方向環を有し、かさ高いフルオレン骨格を有するものを用いて有機樹脂層31を形成すると。平坦化が可能になる効果が特に高いが、光硬化性樹脂でも、加熱により硬化が促進するものであれば、平坦化が可能になる効果が高く、有機樹脂層31を構成するのに用いることができる。
なお、有機樹脂層31の積層によって平坦化された表面に、図2(b)を印よして説明したように、新たに無機化合物層32bを積層する際には、対象となる表面の平坦性が高められているため、新たに積層形成される無機化合物層32bの酸素透過率、水蒸気透過率を低くすることが可能になる利点も生じる。もちろん、新たに積層された無機化合物層32bは、有機樹脂層31に内在し得る揮発性成分の揮発の防止、いわゆる脱ガス防止の役割をも果たす。有機樹脂層31と下層または/および上層の無機化合物層とは、無機化合物層がイオンプレーティング法で形成されたものであり、有機樹脂層31が水酸基を有する素材で構成されている場合には、無機化合物層を構成する素材の加水分解反応が促進され、ガラスライクな酸化度の高い膜となり、無機化合物層がスパッタリング法で形成されたものである場合には、無機化合物層の微細なピンホール等の穴埋め効果が促進され、また、無機化合物層がプラズマ化学気相成長法で形成されたものである場合は、無機化合物層と有機樹脂層31との間の有機的親和性が向上するものと考えられる。
特に、本発明のガスバリア性フィルム1を、図2(b)に示すように、基材シート2、密着性無機化合物層3a、無機化合物層32a、有機樹脂層31、および無機化合物層32bが順に積層された積層構造とする場合、有機樹脂層31は下層の無機化合物層32aに発生するピンホールを平坦化させ、上層の無機化合物層32bは蒸気の透過や酸素の透過を遮断するためのガスバリア性の層として機能するので、本発明のガスバリア性フィルム1の酸素透過率としては、0.01cc/m2/day・atm程度以下、また水蒸気透過率としては0.01g/m2/day・atm程度以下の極めて高いガスバリア性を実現することができる。
有機樹脂層31を形成する方法は、特に制限されるものではなく、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、ブレードコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、もしくはランドコーティング法等によるウェットコーティング法、または蒸着法等のドライコーティング法のいずれをも利用できる。塗布に用いる塗布用組成物中には、熱硬化性樹脂もしくは光硬化性樹脂の場合、前記した各成分以外に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、もしくは可塑剤等の添加剤を加えることができ、また、成膜性向上および得られる膜のピンホールの発生防止等のため、適当な樹脂や添加剤を加えてもよい。溶剤としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、もしくはジオキサン等の適当な溶剤を使用することができる。有機樹脂層31の厚みは、0.05μm〜10μmであることが好ましく、また、有機樹脂層31の屈折率は1.3〜1.6であることが好ましい。
なお、本発明のガスバリア性フィルム1は、各図を引用して既に説明した積層構造を有するもののみに限定されず、基材シート2および密着性無機化合物層3aが積層された積層体の密着性無機化合物層3a上に、まず無機化合物層を積層し、次に有機樹脂層を積層するというように、無機化合物層および有機樹脂層を交互に複数回積層してもよく、このように積層回数を増やすことにより、ガスバリア性をより一層向上させることができる。この複数回とは、好ましくは2回もしくは3回である。なお、最表面となる層は、有機樹脂層からの揮発成分の揮発の防止の意味で、無機化合物層とすることが好ましい。
以上の説明では、基材シート2の片面に各層を積層してガスバリア性を付与したものを中心に説明したが、片面にのみ各層を形成する場合には、生じる応力により、得られたガスバリア性フィルム1のソリもしくはカールが起こりやすい。そこで、このような原因に基づくガスバリア性フィルム1のソリもしくはカールを解消する目的で、基材シート2の、上記した各層を形成したのとは反対側(各図で言えば下面側)の面にも、無機化合物層を積層してもよい。このようにすることにより、得られるガスバリア性フィルム1のソリもしくはカールが解消もしくは緩和されるのに加えて、積層しない場合に生じ得る、基材シート2の露出面からの脱ガスを防止する効果も生じるので、より一層性能が高く、しかもその性能の安定性が高いガスバリア性フィルム1とすることができる。反対側の面に積層する無機化合物の層の素材としては、酸化珪素、窒化珪素、もしくはそれらの複合体が好ましいが、これらに限ることなく、酸化アルミニウムもしくは酸化インジウム等の任意の無機化合物でもよい。また、基材シート2の両面に積層する層の素材、厚み、積層順等を、基材シート2をはさんで、面対象となるよう、すなわち、表裏で同一の積層構造としてもよい。実用的で好ましい積層構造としては、例えば、酸化炭化珪素からなる密着性無機化合物層/有機樹脂層/酸化炭化珪素からなる密着性無機化合物層/基材シート/酸化炭化珪素からなる密着性無機化合物層/有機樹脂層/酸化炭化珪素からなる密着性無機化合物層の積層構造を挙げることができる。
本発明のガスバリア性フィルム1は、以上のような積層構造を有することから、ガスバリア性が非常に高いので、食品や医薬品等の包装分野であって、特に高いガスバリア性を要求される場合に包装用材料として適用できるのはもちろんであるが、食品用途や医薬品用途以外にも、電子部品や各種の素子の包装用にも適用でき、さらにはタッチパネル、液晶表示素子、有機EL素子、もしくは無機EL素子等の基板、または封止用基板として用いるのに適する。
例えば、通常の液晶表示素子は、いずれも透明電極層および配向膜を順次積層した二枚のガラス基板を、各々の配向膜どうしが相対するよう、即ち、配向膜側が内側になるよう向かい合わせ、ギャップを設けて周囲をシールして、内部が空洞のセルを作成した後、内部の空隙に液晶を充填して作成される。
本発明のガスバリア性フィルム1は、上記の液晶表示素子のガラス基板に置き換え得るものであって、以上に説明したような積層体(ガスバリア性フィルム)のいずれかの面に透明電極層および配向膜を順に積層したものを二枚準備し、以降は、上記の通常の液晶表示素子におけるのと同様にして、液晶表示素子とすることができる。なお、積層の対象となる面の平面性を重視する際には、ガスバリア性フィルム1のガスバリア性層3の最表面に、透明電極層および配向膜を積層することが好ましい。
透明電極層は、透明導電層を形成した後、必要に応じてフォトエッチングによりパターン化することにより形成することができる。透明導電層は、インジウム錫酸化物(以降ITOと言う。)、もしくはインジウム亜鉛酸化物(以降IZOと言う。)で構成することが好ましく、真空蒸着法、スパッタリング法、もしくはイオンプレーティング法等の物理的気相成長法によって形成するとよく、厚みとしては50nm〜500nm程度であり、この範囲よりも薄いと導電性が不十分であり、この範囲よりも厚いと、後加工の工程が進むにつれ、導電膜のクラック等により導電性の低下が見られるので好ましくない。また、配向膜としては、ポリイミド系樹脂の薄膜を一定方向にラビングしたものを例示することができる。
EL素子には、有機EL素子と無機EL素子があるが、いずれも原則的には、ガラス基板上に透明電極層、発光層、および対抗電極層が順に積層されたものであり、本発明のガスバリア性フィルム1をガラス基板に置き換えて用い、これらの各層を順に積層することにより、EL素子とすることができる。
透明電極層の形成は、本発明のガスバリア性フィルム1を液晶表示素子を構成するのに用いる場合と同様にして行なうことができる。
発光層は、有機EL素子を例に取ると、最も簡素な場合、有機蛍光発光体の層からなる発光層のみで構成できるが、発光効率を向上させるために、種々の層を加えることがあるので、陽極と陰極との間の位置関係で示すと、次のようなバリエーションを例示できる。なお、符号「/」は、左右のものどうしが積層していることを示す。
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
(3)陽極/発光層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
(5)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
本発明のガスバリア性フィルム1上に、陽極もしくは陰極となる透明電極層を形成したもの、ガスバリア性フィルム1上に、陽極および陰極となる二層の透明電極層をそれらの間に各層を形成したもののいすれも、本発明のガスバリア性フィルム1をEL素子用としたものであるが、陽極および陰極となる二層の透明電極層とそれらの間の各層を形成したものに加えて、さらに、ガスバリア性フィルム1を1枚、封止用として用いれば、内部への酸素ガスや水分の浸透をより一層防止することができるので、本発明のガスバリア性フィルム1そのものも、EL素子に適用し得る。
本発明のガスバリア性フィルム1は、ガスバリア性が非常に高いことから、種々のディスプレイ素子に適用した際に、素子の内部の素材への酸素ガスや水分の侵入等が原因で生じる発光層の劣化を効果的に防止でき、また、EL素子の製造の際にも、プロセスが高温で行なわれても耐久性が高く、また、平坦性を十分に高くすることができるので、ピンホールや突起によるガスバリア性の低下が少なく、EL素子特有の問題であるダークスポットの発生を有効に抑制することができる。また、本発明のガスバリア性フィルム1においては、酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる密着性無機化合物層3aを基材シート2に接する側に有しているので、ガスバリア性層3を構成する他の層との密着性を向上させることができ、しかもガスバリア性を向上させることができる。
ポリカーボネート樹脂フィルム/密着層/透明無機化合物層(スパッタリング法)/有機樹脂層/透明無機化合物層(スパッタリング法)の積層体
(密着層の形成)
ポリカーボネート樹脂フィルム(バイエル社製、品名;「マクロホール」、厚み;200μm、30cm×21cm)を準備し、このポリカーボネート樹脂フィルムをプラズマCVD装置のチャンバー内に配置し、以下の成膜条件で、膜厚が50nmになるまで成膜を行ない、酸化炭化珪素からなる密着層を形成した。なお、以降において、単位のsccmはstandard cubic centimeter minuteの略であって、毎分当たりのガスの供給量(体積)を示す。
成膜圧力:30Pa
ヘキサメチルジシロキサンガス流量;4sccm
酸素ガス流量;12sccm
ヘリウムガス流量;30sccm
周波数;90kHz
電力;150W
(透明無機化合物層の形成)
上記で得られたポリカーボネート樹脂フィルム/密着層の積層構造のフィルムをマグネトロンスパッタリング装置のチャンバー内に配置し、ターゲットとして窒化珪素を使用し、以下の成膜条件で、酸化窒化珪素の膜圧が100nmになるまで成膜を行ない、透明無機化合物層を形成した。
アルゴンガス流量;20sccm
酸素ガス流量;9sccm
周波数;13.56kHz
電力;1.2kW
(有機樹脂層の形成)
上記で得られたポリカーボネート樹脂フィルム/密着層/透明無機化合物層の積層構造のフィルムの透明無機化合物層上に、フルオレンを骨格とするカルドポリマーを有する樹脂の溶剤溶液(新日鐵化学(株)製、商品名;「V259REH」)をスピンコート法にて塗布し、160℃で1時間加熱し、有機樹脂層を形成した。有機樹脂層の膜厚は、1μmであった。有機樹脂層を形成することによる、透明無機化合物層の変形は生じてなく、かつ、有機樹脂層の露出面の表面粗さは0.8nmであり、最大高低差P−Vは8nmであった。
(透明無機化合物層の形成)
さらに有機樹脂層上に、透明無機化合物層を形成してガスバリア性フィルムを得た。この透明無機化合物層の形成については、使用素材、形成条件、および層の厚みは、密着層上に透明無機化合物層を形成したときと同じである。また、形成された透明無機化合物層の表面の表面粗さは1.5nmであり、最大高低差P−Vは20nmであった。
(有機EL発光素子の製造)
上記で得られたポリカーボネート樹脂フィルム/密着層/透明無機化合物層/有機樹脂層/透明無機化合物層の積層構造のバリアフィルムの最表面の透明無機化合物層上に、以降に説明するようにして透明導電層がパターン化された透明電極層を形成し、その上に、以下に示すようにして、さらに正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子注入層、および陰極の順に形成することにより、透明電極層(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極の6層構成の有機EL発光素子を形成する。
(透明電極層の形成)
まず、ポリカーボネート樹脂フィルム/密着層/透明無機化合物層/有機樹脂層/透明無機化合物層の積層構造のフィルムの透明無機化合物層上に、スパッタリング法によりITO薄膜からなる透明導電層を形成した。続いて、表面のITO薄膜からなる透明導層上に、レジスト剤(東京応化工業(株)製、商品名;「OFRP−800」)を塗布し、フォトリソグラフ法にて透明導電層のパターニングを行ない、幅が0.094mm、間隔が0.016mm、および膜厚が100nmのストライプパターン上の透明電極層(陽極)を得た。
上記のようにして透明電極層を形成したフィルムを、抵抗加熱蒸着装置内に装着し、真空槽内圧を1×10-4Paまで減圧した後、透明電極層上の前面に、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、および電子注入層を、順次全面成膜した。正孔注入層としては、銅フタロシアニンを膜厚が100nmとなるように積層し、成功輸送層としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を膜厚が20nmとなるように積層し、有機発光層としては、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル(DPVBi)を膜厚が30nmとなるように積層し、また、電子注入層としては、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム錯体(Alq)を膜厚が20nmとなるように積層した。続いて、同じ抵抗加熱蒸着装置内にて、マスクを用いて、暑さ200nmのMg/Ag(質量比:10/1)層からなる、透明電極層(陽極)のストライプパターンと直交し、かつ、幅が0.30mm、間隔が0.03mmのストライプパターンを有する陰極を電子注入層上に形成して有機EL発光素子を得た。
その後、グローブボックス内の乾燥窒素雰囲気下(酸素および水分濃度ともに10ppm以下)において、上記のようにして製造された有機EL発光素子の陰極上に、最初に得たのと同じ積層構造(ポリカーボネート樹脂フィルム/密着層/透明無機化合物層/有機樹脂層/透明無機化合物層の積層構造)のバリアフィルムの最表面の透明無機化合物層側が接するようにして重ね、紫外線硬化性接着剤を用いて周囲を封止した。
ポリカーボネート樹脂フィルム/密着層/透明無機化合物層(イオンプレーティング法)/有機樹脂層/透明無機化合物層(イオンプレーティング法)の積層体
透明無機化合物層の形成を、イオンプレーティング装置のチャンバー内にて、以下の成膜条件で、膜厚が100nmになるよう行なった以外は、実施例1におけるのと同様にしてバリアフィルムを製造した。有機樹脂層を形成することによる、透明無機化合物層の変形は生じてなく、かつ、有機樹脂層まで形成した時点での有機樹脂層の露出面の表面粗さRaは0.8nmであり、最大高低差P−Vは8nmであり、実施例1におけるものと同様であった。
成膜圧力;1.5×10-1Pa
アルゴンガス流量;12sccm
窒素ガス流量;20sccm
成膜電流値;100A
上記で得られたバリアフィルムを用い、実施例1におけるのと同様にして、有機EL発光素子の形成を行ない、ただし、有機EL発光素子を、ポリカーボネート樹脂フィルムの上記各層等が積層された側とは反対側の面に設けた。その後、有機EL発光素子の陰極上bに、この実施例2で製造した積層構造(ポリカーボネート樹脂フィルム/密着層/透明無機化合物層(イオンプレーティング法)/有機樹脂層/透明無機化合物層(イオンプレーティング法)の積層構造)のバリアフィルムのポリカーボネート樹脂フィルム側が接するようにして重ね、紫外線硬化性接着剤を用いて周囲を封止した。
ポリカーボネート樹脂フィルム/密着層を兼ねた透明無機化合物層(プラズマCVD法)/有機樹脂層/透明無機化合物層(プラズマCVD法)の積層体
実施例1で用いたのと同様なポリカーボネート樹脂フィルムをプラズマCVD装置のチャンバー内に配置し、以下の成膜条件で、膜厚が100nmになるまで成膜を行ない、密着層を兼ねた酸化炭化珪素からなる透明無機化合物層を形成した。
成膜圧力:30Pa
ヘキサメチルジシロキサンガス流量;4sccm
酸素ガス流量;12sccm
ヘリウムガス流量;30sccm
周波数;90kHz
電力;150W
得られた、密着層を兼ねた透明無機化合物層上に、実施例1におけるのと同様にして有機樹脂層の形成を行なった。有機樹脂層を形成することによる、密着層を兼ねた透明無機化合物層の変形は生じてなく、かつ、有機樹脂層の露出面の表面粗さRaは0.8nmであり、最大高低差P−Vは8nmであり、実施例1におけるものと同様であった。
さらに、有機樹脂層上に、上記の密着層を兼ねた透明無機化合物層の場合と同様にして同様の厚みの透明無機化合物層を形成した。
上記で得られたバリアフィルムを用い、実施例1におけるのと同様にして、有機EL発光素子の形成を行ない、ただし、有機EL発光素子を、ポリカーボネート樹脂フィルムの上記各層等が積層された側とは反対側の面に設けた。その後、有機EL発光素子の陰極上に、この実施例3で製造した積層構造(ポリカーボネート樹脂フィルム/密着層/透明無機化合物層(プラズマCVD法)/有機樹脂層/透明無機化合物層(プラズマCVD法)の積層構造)のバリアフィルムのポリカーボネート樹脂フィルム側が接するようにして重ね、紫外線硬化性接着剤を用いて周囲を封止した。
実施例3におけるのと同様にして得られたバリアフィルムの、ポリカーボネート樹脂フィルムの上記各層等が積層された側とは反対側の面に、スパッタリング法により、厚みが100nmのITOhmからなる透明導電層を形成し、透明導電層上にポリイミド樹脂系樹脂溶液を塗布し、過熱乾燥させた後、ラビング処理して配向膜とした。
以上のように配向膜まで設けたフィルムを二枚準備し、各々の配向膜側が内側になるよう重ね、周囲をシール材を介して貼り合わせ、間の空間に液晶材料を封入して液晶表示素子とした。
(比較例1〜4)
実施例1〜4における密着層(密着層を兼ねた透明無機化合物層の場合には、その密着層を兼ねた透明無機化合物層)の形成をしなかった以外は、対応する各々の実施例におけるのと同様にした。
実施例1における、いずれも酸化炭化珪素からなる密着層および無機化合物層に替えて、下記の成膜条件で酸化窒化炭化珪素からなる厚みが50nmの層を形成した以外は、実施例1におけるのと同様に行なった。
成膜圧力:30Pa
ヘキサメチルジシラザンガス流量;4sccm
酸素ガス流量;12sccm
ヘリウムガス流量;30sccm
周波数;90kHz
電力;150W
実施例3における、いずれも酸化炭化珪素からなる密着層を兼ねた透明無機化合物層および透明無機化合物層の両層それぞれに替えて、実施例5におけるのと同様の成膜条件で、ただし厚みが100nmになるまで成膜を行なって酸化窒化炭化珪素からなる厚みが100nmの層をそれぞれ形成した以外は、実施例3におけるのと同様に行なった。
(評価方法)
上記の実施例1〜6、および比較例1〜4で作製した積層体および各ディスプレイ用基板について、下記に示すようにして下記評価項目についての試験を行なった。
(1)水蒸気透過率の測定
測定温度;37.8℃、湿度;100%RHの条件下で、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、商品名;「PERMATRAN−W 3/31」)を用いて測定した。
(2)酸素透過率の測定
測定温度;23℃、湿度;90%RHの条件下で、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、商品名;「OXTRAN−W 2/20」)を用いて測定した。
(3)表面粗さ(Ra)および最大高低差(P−V)の測定
スキャン範囲;100μm、スキャン速度;90sec/frameの条件下で、卓上プローブ顕微鏡(セイコーインスツルメント(株)製、商品名;Nanopics)を用いて測定した。
(4)全光線透過率の測定
日本電色工業社製の濁度計(JIS K 7361−1)を使用して測定した。
(5)密着性
セロハンテープ剥離試験によって行ない、セロハンテープ(ニチバン(株)製)を用いて、10本×10本(各々1mm間隔)のクロスカットを施した状態で剥離試験を行なった。
Figure 2005324406
本発明のガスバリア性フィルムの基本的な積層構造を示す図である。 本発明のガスバリア性フィルムの好ましい積層構造を示す図である。 本発明のガスバリア性フィルムの他の好ましい積層構造を示す図である。
符号の説明
1……ガスバリア性フィルム
2……基材シート
3……ガスバリア性層
3a……密着性無機化合物層
31……有機樹脂層
32……無機化合物層

Claims (8)

  1. 基材シートの片面もしくは両面に、複数の層からなる積層構造を有するガスバリア性層が積層されており、前記ガスバリア性層を構成する複数の層のうち、少なくとも前記基材シートに接する側の層が、酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる無機化合物層であることを特徴とするガスバリア性フィルム。
  2. 前記ガスバリア性層が、前記基材シートに接する側より、前記の酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる無機化合物層、有機樹脂層、および無機化合物層が順に積層した積層構造を有するものであることを特徴とする請求項1記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記ガスバリア性層が、前記基材シートに接する側より、前記の酸化炭化珪素もしくは酸化窒化炭化珪素からなる無機化合物層、無機化合物層、有機樹脂層、および無機化合物層が順に積層した積層構造を有するものであることを特徴とする請求項1記載のガスバリア性フィルム。
  4. 前記無機化合物層が、無機酸化物、無機酸化窒化物、無機窒化物、無機酸化炭化物、無機酸化炭化窒化物、もしくは金属のいずれかからなるものであることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか記載のガスバリア性フィルム。
  5. 前記ガスバリア性層の最表面の表面粗さRaが6nm以下であり、最大高低差P−Vが60nm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4いずれか記載のガスバリア性フィルム。
  6. 前記有機樹脂層がカルド樹脂からなることを特徴とする請求項1〜請求項5いずれか記載のガスバリア性フィルム。
  7. いずれも内側に電極層および配向膜が順次積層された背面用基板および前面用基板の両基板間に液晶層がはさまれて密封されており、前記背面用基板または/および前記前面用基板が、請求項1〜請求項6いずれか記載のガスバリア性フィルムであることを特徴とする液晶表示素子。
  8. 基板、電極層、発光層、対抗電極層、および封止層が順に積層されており、前記基板または/および前記封止層が、請求項1〜請求項6いずれか記載のガスバリア性フィルムであることを特徴とするEL表示素子。
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