JP2005324347A - 樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性と寸法安定性のバランスに優れ、安価でしかもリサイクル性にも優れるポリプロピレン樹脂を用いてポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、環状オレフィン重合体樹脂等と容易に熱溶着し、かつ溶着強度に優れた接合成形品を提供。
【解決手段】(A−a)ポリプロピレン樹脂50〜90重量%と、(A−b)スチレン含有量が40〜80重量%であるスチレン系エラストマー10〜50重量%とを含有するプロピレン系樹脂材であって、その線膨張係数(単位:cm/cm・℃)が5×10−5〜13×10−5の範囲にあるプロピレン系樹脂材[1]と、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、環状オレフィン重合体樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂材[2]を熱溶着することにより接合してなる樹脂成形品。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂成形品に関し、詳しくは、ポリプロピレン系樹脂材とポリカーボネート樹脂等の材料との熱溶着により接合した、車両用灯具や車両用リヤーフィニッシャーのような自動車用樹脂成形品に関する。
近年、軽量化及び低コスト化等の観点より、自動車部品等、各種分野の部品を樹脂化して樹脂成形品とすることが頻繁に行われている。また、樹脂成形品の高生産性化等の観点より、樹脂成形品を予め複数に分割して成形し、これらの分割成形品を互いに接合する手段が採られることが多い。ところが、樹脂化において、夫々の部品に求められる物性を有するものを選択したとしても、容易に接合するものは少なく、特に自動車部品にあっては、その軽量化における樹脂の接合の問題点を解決する試みがなされている。
例えば、自動車の車両灯具の外筐体部分は、一般に合成樹脂製ランプハウジングの前面開口部を覆って合成樹脂製レンズが装着された構造をなし、ランプハウジングとレンズとによって囲まれた灯室の中に光源が設置されている。灯具として完成するためには、ハウジング部分に使用される樹脂とレンズ部分に使用される樹脂を、確実に溶着させるために、超音波溶着、加熱溶着、摩擦溶着などの溶着を用い、そのために各部分を構成する樹脂を特定化する必要があり、レンズ部分としてPMMA(ポリメチルメタクリレート)を使用し、ランプハウジング部分としてABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)を使用する組み合わせが従来用いられてきていたが、耐薬品性、耐熱性、溶着性等に問題があった。このようなランプハウジングの物性(溶着性、耐薬品性、耐熱性、成形性)を改良する手段として、当該筐体を結晶性樹脂と非晶性樹脂とのアロイ材を使用し、このアロイ材の非晶性樹脂にPC(ポリカーボネート)、結晶性樹脂にPBT(ポリブチレンテレフタレート)を使用する発明(例えば、特許文献1参照。)が開示されている。
しかしながら、溶着接合可能な樹脂材の組み合わせは、これら樹脂材の相溶性が互いに相溶性のある樹脂同士に限られていた。この欠点を改良する公知技術としては、互いに相溶性の小さい第1樹脂材料及び第2樹脂材料よりなる第1樹脂部材及び第2樹脂部材を一体的に接合する樹脂成形品の接合方法として、樹脂第1部材と樹脂第2部材との間に、上記第1樹脂材料及び樹脂第2樹脂材料よりなるアロイ樹脂材を介在させる配置工程と、レーザ光照射により、第1樹脂部材と上記アロイ材との第1当接界面及び上記第2樹脂部材と該アロイ樹脂材との第2当接界面を加熱溶融させる照射工程とからなる方法が開示されており、そして、相溶性の小さい樹脂材の組み合わせとしてPC(ポリカーボネート)とPP(ポリプロピレン)の組み合わせが挙げられているている(例えば、特許文献2参照。)。
このように、従来公知技術では、PPとPCをニート材として直接溶着することはできないことが当業者の技術常識であった。そして、本発明者らの知る限りにおいては、接合方法改良発明でPPとPCの組み合わせが実施例レベルで記載され、溶着が確認された例は存在せず、仮に例示があったとしてもそれは完成された発明ではない。
一方、近年では、ランプハウジングの材料として、耐熱性と寸法安定性のバランスに優れ、安価でしかもリサイクル性にも優れるポリプロピレン系材料を採用する動きが加速している。しかしながら、現在自動車部品の材料として多用されているアロイ材を構成する樹脂としてポリオレフィンについては、他樹脂との接合の困難性から未だ技術開発と途上にあり、特に、ポリプロピレン樹脂自身は、例えば、レンズ部分に主に採用されるPCとの溶着性が満足のいくものでなく、ポリプロピレンの特性を保持しながらもPCとの溶着強度が十分であるような接合技術の開発が求められていた。
特開平8−264003号公報 特開2002−18961号公報(特許請求の範囲、段落[0044])
本発明は、上記問題点に鑑み、耐熱性と寸法安定性のバランスに優れ、安価でしかもリサイクル性にも優れるポリプロピレン樹脂を用いてポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、環状オレフィン重合体樹脂等と容易に熱溶着し、かつ溶着強度に優れた接合成形品の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、接合する2つの樹脂部材の線膨張係数が互いに近接すれば、互いの相溶性が小さくても溶着強度が高まることを見出し、本発明を完成させた。具体的には、元々線膨張係数が20×10―5cm/cm・℃程度(「プラスチックデータハンドブック」第2版、53ページ、編者:伊藤公正)と大きな値であるポリプロピレン樹脂に、特定量のスチレン系エラストマーを配合することにより線膨張係数をある特定の値の範囲まで低下させて得られるプロピレン系樹脂組成物を成形してなるプロピレン系樹脂材が、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、環状オレフィン重合体樹脂等(線膨張係数が6×10―5〜7×10―5程度の値である樹脂)からなる樹脂材に容易に熱溶着し、溶着強度に優れた成形品が得られることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、(A−a)ポリプロピレン樹脂 50〜90重量%と、(A−b)スチレン含有量が40〜80重量%であるスチレン系エラストマー 10〜50重量%とを含有するプロピレン系樹脂材であって、その線膨張係数(単位:cm/cm・℃)が5×10−5〜13×10−5の範囲にあるプロピレン系樹脂材[1]と、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、環状オレフィン重合体樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂材[2]を熱溶着することにより接合してなる樹脂成形品が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、プロピレン系樹脂材[1]が、さらに、(C)無機フィラーを、(A−a)ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、1〜400重量部含有することを特徴とする樹脂成形品が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、(A−a)ポリプロピレン樹脂 50重量%以上85重量%以下、(A−b)スチレン含有量が40〜80重量%であるスチレン系エラストマー 5重量%以上50重量%未満、および(B)ポリカーボネート樹脂 0より大きく45重量%以下とを含有するプロピレン系樹脂材であって、その線膨張係数(単位:cm/cm・℃)が5×10−5〜13×10−5の範囲にあるプロピレン系樹脂材[1’]と、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、環状オレフィン重合体樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂材[2]を熱溶着することにより接合してなる樹脂成形品が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、プロピレン系樹脂材[1’]が、さらに、(C)無機フィラーを、(A−a)、(A−b)および(B)の合計100重量部に対して、1〜100重量部含有することを特徴とする樹脂成形品が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、(A−b)スチレン系エラストマーが、スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)あるいはスチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(SBBS)であることを特徴とする樹脂成形品が提供される。
本発明の樹脂成形品は、耐熱性と寸法安定性のバランスに優れ、安価でしかもリサイクル性にも優れるポリプロピレン樹脂を用いたポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、環状オレフィン樹脂等との熱溶着成形品であるので、各種工業部材、特に自動車用部材として好適に用いることができる。
本発明の熱接合成形品は、(A−a)ポリプロピレン樹脂、(A−b)スチレン系エラストマー樹脂、および必要に応じて、(C)無機フィラーを含有するプロピレン系樹脂材[1]、または(A−a)ポリプロピレン樹脂、(A−b)スチレン系エラストマー樹脂、(B)ポリカーボネート樹脂、および必要に応じて、(C)無機フィラーを含有するプロピレン系樹脂材[1’]と、ポリカーボネート樹脂、PMMA樹脂、環状オレフィン重合体樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂材[2]とを熱溶着することにより接合してなる樹脂成形品である。以下に、各構成成分、樹脂組成物の物性、製法、及びそれを用いた成形体等について詳細に説明する。
1.プロピレン系樹脂材[1]
(1)構成成分
(A−a)ポリプロピレン樹脂
本発明で用いるポリプロピレン樹脂(A−a)は、その種類に特に制限はなく、ポリプロピレン単独重合体の他、プロピレンブロック共重合体やポリプロピレンランダム共重合体等のいずれのものでも使用することができる。
かかるポリプロピレン樹脂としては、例えば、結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体や、エチレン単位の含有量が少ないエチレンプロピレンランダム共重合体からなる共重合部又はプロピレン単独重合体からなるホモ重合部とエチレン単位の含有量が比較的多いエチレンプロピレンランダム共重合体からなる共重合部とから構成された、いわゆるプロピレンブロック共重合体として市販されている実質上結晶性のプロピレンとエチレンとのブロック共重合体、あるいはこのブロック共重合体における各ホモ重合部又は共重合部が、さらにブテン−1,2−メチルペンテン−1などのα−オレフィンを共重合したものからなる実質上結晶性のプロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体などが好ましく挙げられる。
これらのポリプロピレン樹脂は、MFR(メルトフローレート、JIS K7210 に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定)が0.1〜100g/10分の範囲にあるものが好適である。MFRが0.1g/10分未満では成形性が不十分となる不都合があり、100g/10分を超えると耐衝撃性等の機械的強度が低下することがある。より好ましいMFRの下限値は1g/10分、さらに好ましくは5g/10分である。逆に好ましい上限値は50g/10分、さらに好ましくは30g/10分である。
なお、これらポリプロピレン樹脂の入手方法は、市販の樹脂を利用するほか、各種公知のプロピレン重合用触媒を用いて公知の重合方法によって製造されたものが利用できる。
(A−b)スチレン系エラストマー
本発明のプロピレン系樹脂材[1]に用いる(A−b)スチレン系エラストマーは、適切な混練条件を採用することによって(A−a)ポリプロピレン樹脂中に細かく分散するため、プロピレン系樹脂材[1]の表層付近にも均一に存在し、熱溶着に際して樹脂材[2]とプロピレン系樹脂材[1]との界面において優れた溶着効果を生ずると考えられる。
当該スチレン系エラストマーとしては、下記一般式(1)で表される構造を有するスチレンとブタジエンのブロック共重合体の水素添加物からなるエラストマーである。
A−B 又は、A−B−A (1)
(但し、Aはポリスチレン構造セグメントを示し、Bはエチレン・ブテン又はエチレン・プロピレンの構造セグメントを示す)
上記Aポリスチレン構造セグメントの量は、40〜80重量%の範囲であり、好ましくは下限値が45重量%である。下限値を下回ると樹脂材[2]との溶着強度が低下するという不都合が生じる。逆に好ましい上限値は75重量%、より好ましくは70重量%である。この値を上回るとポリプロピレン樹脂との相容性が低下するという不都合が生じる。
なお、ポリスチレン構造単位の含有量は、赤外スペクトル分析法、13C−NMR法などの常法によって測定される値である。
また、また、Aセグメントの数平均分子量は5,000〜200,000が好ましく、かつBセグメントの数平均分子量は5,000〜200,000が好ましい。さらに、ブロック共重合体全体の数平均分子量は10,000〜400,000が好ましい。Aセグメントの数平均分子量が5,000未満の場合やBセグメントの数平均分子量が5,000未満の場合はプロピレン系樹脂材[1]の機械的性質が不十分となる傾向があり、Aセグメントの数平均分子量が200,000を超える場合やBセグメントの数平均分子量が200,000を超える場合はプロピレン系樹脂材[1]の成形加工性が低下する傾向があるため、好ましくない。さらに、ブロック共重合体全体の数平均分子量が10,000未満では機械的性質が劣り、400,000を超えると成形加工性が低下する傾向がみられ好ましくない。
スチレン系エラストマー(A−b)のMFR(JIS K7210に準拠し、230℃で測定する値)は、好ましくは0.1〜100g/10分であり、より好ましくは下限値が1,さらに好ましくは5である。下限値を下回るとエラストマーの分散性が低下するために樹脂材[2]との溶着が不十分となる。逆に上限値はより好ましくは50,更に好ましくは30である。上限値を超えるとプロピレン系樹脂材の機械的強度が低下する不都合が生じる。
スチレン系エラストマーの具体例としては、スチレン−エチレン・ブタジエン共重合体(SEB)、スチレン−エチレン・プロピレン共重合体(SEP)、スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(SBBS)、部分水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、部分水添スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン共重合体等を挙げることができ、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。この中でも好ましいものは、SEBS、SEPSあるいはSBBSである。
これらスチレン系エラストマーは、エポキシ変性されたもの等が用いられる場合もあるが、変性されて反応性が高められたものは例えば混練中に好ましくない副反応を起こすおそれがあるなど取り扱いに難がある。また臭い面でも問題がある。さらにはコスト面からも不利であり、何も変性されていないものを用いることが好ましい。
成分(A−b)の配合割合は、(A−a)ポリプロピレン樹脂50〜90重量%に対し、(A−b)スチレン系エラストマー10〜50重量%である。好ましい下限が15重量%、より好ましくは20重量%である。一方、好ましい上限値は40重量%、より好ましくは30重量%である。
(A−b)の配合割合がこの下限値を下回ると溶着強度が低下し接合しないという不都合が生じ、この上限値を超えると耐熱性や機械的特性が低下するなど不都合が生じる。
本発明において樹脂材[2]との溶着強度をより高めるためには、樹脂材[2]の違いに応じて(A−b)の配合量を調節することが望ましい。これは樹脂材[2]のガラス転移温度(Tg)が異なるためと考えられ、例えば、Tgが高い樹脂材を使用する場合は、その分だけ(A−b)の配合割合を高めにするとよい。
(C)無機フィラー
本発明で用いるプロピレン系樹脂材[1]には、必要に応じて、さらに(C)無機フィラーを配合することができる。(C)成分としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、ワラストナイト、及びモンモリロナイト等を挙げることができる。これらの無機フィラーの中では、タルク、炭酸カルシウムが好適に用いられる。
また、発明で使用される無機フィラーは、レーザー回折法によって測定した平均粒径が10μm以下、好ましくは0.5〜8μmである。平均粒径が10μmを超えると線膨張係数の抑制効果が低下してしまうため、好ましくない。
(C)成分の配合量は、ポリプロピレン樹脂(A−a)100重量部に対して、1〜400重量部が好ましく、より好ましくは5〜100重量部である。(C)成分の配合量が400重量部を超えると比重が大きくなり、脆くなるなどの機械的特性の低下するという不都合が生じる。
(D)その他の成分
また、本発明のプロピレン系樹脂材[1]には、上述した成分の他に、さらに本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、その他の成分が配合されていてもよい。この様なその他の配合成分としては、着色するための顔料、フェノール系、イオウ系、リン系などの酸化防止剤、帯電防止剤、ヒンダードアミン等の光安定剤、紫外線吸収剤、有機アルミ・燐酸エステル等の各種造核剤、有機過酸化物、分散剤、中和剤、発泡剤、銅害防止剤、滑剤、難燃剤、カーボンブラック、ビニルエステル、カーボンナノチューブ、フラーレン、塗装改質剤、各種カップリング剤等を挙げることができる。
さらに、本発明で用いるプロピレン系樹脂材[1]には、ポリプロピレン樹脂の性質を補足する他の樹脂、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体のような、各種ブレンド用高分子材料、鉱油、テルペン、クマロン樹脂のような、天然樹脂、天然ゴム、共役ジエン系ゴム、アクリロニトリル系ゴム、クロロプレン系ゴム、ブチルゴムなどの天然又は合成ゴムのような、いわゆる高分子可塑剤又は加工助剤として機能するもの、あるいは耐衝撃性改良に機能する、各種高分子材料を併用することもできる。
(2)線膨張係数
本発明で用いるプロピレン系樹脂材[1]は、その線膨張係数が5×10−5〜13×10−5cm/cm・℃の範囲にあるものである。この範囲の下限を外れるような樹脂材料はポリプロピレンを主成分とする樹脂材においては存在せず、この上限を外れると、成形後のひずみが大きすぎて、スチレン系エラストマー(A−b)がそのひずみを緩和もしくは吸収しきれず、接合部分が剥離あるいは破断するという不都合が生じる。
本発明で用いる樹脂材[2]は、その線膨張率が6×10−5〜7×10−5cm/cm・℃の範囲にあるから、樹脂材[1]と樹脂材[2]の当該係数の比([1]/[2])が小さい範囲においては、溶着成形後のひずみが生じないか、あるいは生じても小さく、接合面が剥離する不都合は起こらない。当該係数の比[1]/[2]が小さい範囲とは0.72〜1.33の範囲をいう。一方、樹脂材[1]の線膨張係数の値が大きい領域は、変形によるひずみが蓄積され、接合部分の剥離あるいは破壊が起こりやすくなることが理論上予想されるが、本発明では許容できるひずみの範囲を実験によって確認し、その臨界値を見出して発明の完成に至ったものである。樹脂材[1]の線膨張係数の上限値は、好ましくは10×10−5cm/cm・℃、より好ましくは8×10−5cm/cm・℃である。
ここで、線膨張係数とは、物体が温度の上昇下降によって、膨張、収縮する比率の温度変化に対する割合で、特に長さの変化を表し、単位温度当たりのひずみで示される。単位はcm/cm・℃で表される。線膨張率とも呼ぶ。その測定法は、JIS K7197に準拠しておこなう。具体的には、試験片(寸法が長さ70mm、幅10mm、厚み4mmの角柱状)を状態調節し、石英管式縦型線膨張計を使用して、温度TとT(T=23℃、T=80℃)との間の平均の線膨張率として求める。算出は次の式を用いる。
α=ΔL/L×(T−T
(式中、α:線膨張率、ΔL:試験片について(Tのときの長さ)−(Tのときの長さ)の差、L:室温(23℃)での試験片の長さである。)
線膨張係数を本発明の主題の範囲内におさめるためには、スチレン系エラストマー(A−b)の配合量を増減させる方法および、無機エラストマー(C)の配合量を増減させる方法を採用すればよい。(A−b)あるいは(C)の配合量を増加させれば線膨張係数が低下するので、所望の値に制御することができる。あるいはベースとなるプロピレン系樹脂の種類を適宜選択することも取りうる選択肢の一つである。
(3)プロピレン系樹脂材[1]の製造方法
本発明で用いるプロピレン系樹脂材[1]は、上記(A−a)、(A−b)および必要に応じて使用する(C)成分を上記所定量配合して、通常の押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等を用いて、設定温度180〜250℃にて混練することにより製造できる。配合順序には特に制限はなく、(A−a)成分、(A−b)成分および必要に応じて使用する(C)成分を一括で混練機に投入してもよい。分散をよくするため2軸混練機を使用することが好ましい。このようにして得られるプロピレン系樹脂材[1]は、モルフォロジー的に、ポリマーアロイを形成することが好ましい。
2.プロピレン系樹脂材[1’]
(1)構成成分
(A−a)ポリプロピレン樹脂
本発明で用いるプロピレン系樹脂材[1’]における(A−a)ポリプロピレン樹脂は、プロピレン系樹脂材[1]で用いたものと同様のものを使用できる。
(A−b)スチレン系エラストマー
本発明で用いるプロピレン系樹脂組成物[1’]における(A−b)スチレン系エラストマーは、ポリプロピレン樹脂(A−a)中にポリカーボネート樹脂(B)を微細化させ、もって(A−a)と(B)が相溶化した状態になる機能を果たし、プロピレン系樹脂材[1]で用いたものと同様のものを使用できる。
(B)ポリカーボネート樹脂
本発明で用いるプロピレン系樹脂材[1’]で用いるポリカーボネート樹脂(B)としては、公知のものが特に制限なく使用できる。ポリカーボネート樹脂としては脂肪族ポリカーボネート、芳香族ポリカーボネート及びそれらの変性物などの種々のポリカーボネートを挙げることができる。
上記ポリカーボネート樹脂は、例えば、塩化メチレンなどの溶媒中において、公知の酸受容体や分子量調節剤の存在下、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体との反応により、あるいは二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体とのエステル交換反応などによって製造することができる。あるいは各種市販のものが利用できる。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂(B)の分子量は300℃、1.2kg荷重で測定されるMFRが1〜50g/10分の範囲である。好ましくは下限が5g/10分、より好ましくは10g/10分である。逆に上限は好ましくは40g/10分である。下限値を下回ると(A−a)中への分散性が低下したり、層状剥離が生じ易くなる不都合が生じる。逆に上限値超えるとプロピレン系樹脂組成物の機械的強度が低下する不都合が生じる。
成分(A−a)、(A−b)および(B)の配合割合は、成分(A−a)が50重量%以上85重量%以下、成分(A−b)が5重量%以上50重量%未満、成分(B)が0より大きく45重量%以下の範囲である。成分(B)ポリカーボネート樹脂がこの範囲の上限を超えると有機溶剤に侵されやすくなるなど耐薬品性が損なわれるという不都合がある。また、成分(B)の配合量が多くなればなるほど樹脂材[1’]の製品外観が悪化する傾向にある。
そこで好ましくは(A−a)が50重量%以上65重量%以下、(A−b)が5重量%以上50重量%未満、(B)が0より大きく30重量%以下の範囲にあるものである。
(C)無機フィラー
本発明のプロピレン系樹脂材[1’]には、必要に応じて、さらに(C)無機フィラーを配合することができる。(C)成分は、プロピレン系樹脂材[1]で用いたものと同様のものを使用できる。
(C)成分の配合量は、(A−a)、(A−b)および(B)の合計100重量部に対して、1〜100重量部の範囲である。より好ましくは5〜50重量部である。(C)成分の配合量が100重量部を超えると比重が大きくなり、脆くなるなどの機械的特性の低下が生じる。
(D)その他の成分
また、本発明のプロピレン系樹脂材[1’]には、プロピレン系樹脂材[1]で用いたものと同様のものを使用できる。
(2)線膨張係数
本発明のプロピレン系樹脂材[1’]は、その線膨張係数が5×10−5〜13×10−5cm/cm・℃の範囲にあるものである。この範囲の下限を外れるような樹脂材料はポリプロピレンを主成分とする樹脂材においては存在せず、この上限を外れると、成形後のひずみが大きすぎて、スチレン系エラストマー(A−b)がそのひずみを緩和もしくは吸収しきれず、接合部分が剥離あるいは破断するという不都合が生じる。
本発明で用いる樹脂材[2]は、その線膨張率が6×10−5〜7×10−5cm/cm・℃の範囲にあるから、樹脂材[1’]と樹脂材[2]の当該係数の比([1’]/[2])が小さい範囲においては、溶着成形後のひずみが生じないか、あるいは生じても小さく、接合面が剥離する不都合は起こらない。当該係数の比[1’]/[2]が小さい範囲とは0.72〜1.33の範囲をいう。一方、樹脂材[1’]の線膨張係数の値が大きい領域は、変形によるひずみが蓄積され、接合部分の剥離あるいは破壊が起こりやすくなることが理論上予想されるが、本発明では許容できるひずみの範囲を実験によって確認し、その臨界値を見出して発明の完成に至ったものである。樹脂材[1’]の線膨張係数の上限値は好ましくは10×10−5cm/cm・℃、より好ましくは8×10−5cm/cm・℃である。
線膨張係数を本発明の主題の範囲内におさめるためには、スチレン系エラストマー(A−b)の配合量を増減させる方法および、無機エラストマー(C)の配合量を増減させる方法を採用すればよい。(A−b)あるいは(C)の配合量を増加させれば線膨張係数が低下するので、所望の値に制御することができる。あるいはポリカーボネート樹脂(B)の配合量を増加させることでも線膨張係数が低下する。ベースとなるプロピレン系樹脂の種類を適宜選択することも取りうる選択肢の一つである。
(3)プロピレン系樹脂材[1’]の製造方法
本発明で用いるプロピレン系樹脂材[1’]は、上記(A−a)、(A−b)、(B)成分および必要に応じて使用する(C)成分を上記所定量配合して、通常の押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等を用いて、設定温度180〜250℃にて混練することにより製造できる。配合順序には特に制限はなく、(A−a)成分、(A−b)成分、(B)成分および必要に応じて使用する(C)成分を一括で混練機に投入してもよい。分散をよくするため、2軸混練機を使用することが好ましい。このようにして得られるプロピレン系樹脂組成物[1’]はモルフォロジー的に、ポリマーアロイを形成することが好ましい。
3.樹脂材[2]
本発明の成形品は、上記のプロピレン系樹脂材[1]もしくはプロピレン系樹脂材[1’]と下記に説明するポリカーボネート樹脂(PC)、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、及び環状オレフィン重合体樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種類の樹脂材[2]とを熱溶着して得られる。
(1)ポリカーボネート樹脂
本発明の成形品の樹脂材[2]として用いられるポリカーボネート樹脂(PC)は、市販品が特に制限なく使用できる。好ましくは灯体レンズ用に商業化されているような透明性が高く、耐衝撃性に優れるものを利用すると本発明の効果をより発揮できる。
(2)ポリチルメタクリレート樹脂(PMMA)
本発明の成形品の樹脂材[2]として用いられるポリチルメタクリレート樹脂(PMMA)は、メタクリル酸メチルを主体とする樹脂で、メチルメタクリレートの単独重合体、またはメチルメタクリレートとメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリロニトリル、無水マレイン酸、スチレンもしくはα−メチルスチレンの何れか1つ以上との共重合体、またはメチルメタクリレート単独重合体と上記共重合体との混合物等を挙げることができる。具体的には市販品を制限なく利用できる。あるいは公知の方法により製造されたものを利用できる。
(3)環状オレフィン重合体樹脂
本発明の成形品の樹脂材[2]として用いられる環状オレフィン重合体は、重合性二重結合を環内に有するモノマーの環構造を維持した重合体であり、このような化合物であれば公知の化合物を何等制限なく用いることができる。
本発明においては、炭素数4〜20個の環状オレフィンの単独重合体、上記環状オレフィン同士の共重合体、上記環状オレフィン50mol%以上と他のモノマー50mol%以下との共重合体が好適に使用できる。
特に本発明において好適に使用できる環状オレフィンを具体的に挙げると、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、4−メチルシクロペンテン、4,4−ジメチルシクロペンテン、3,3,5,5−テトラメチルシクロペンテン、シクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセン、4,4−ジメチルシクロヘキセン、1,3−ジメチルシクロヘキセン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロヘプテン、1,3−シクロヘプタジエン、1,3,5−シクロヘプタトリエン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、シクロドデセン等を挙げることができる。また、これらの環状オレフィンの環に更に直鎖もしくは分枝アルキル基が置換されてもよい。
具体的には市販品を制限なく利用できる。あるいは公知の方法により製造されたものを利用できる。市販品としては、例えば三井化学(株)製の「アペル」(商標名)、日本ゼオン(株)製の「ゼオノア」(商標名)、ジェイエスアール(株)製の「アートン」(商標名)等が挙げられる。
4.成形品の製造
本発明の成形品は、上記プロピレン系樹脂材[1]もしくは[1’]と樹脂材[2]を熱溶着して得られる。
熱溶着としては、従来公知の方法が用いられ、例えば、下記に説明する(イ)超音波溶着、(ロ)加熱溶着、(ハ)摩擦溶着、(ニ)レーザ溶着のいずれの方法も用いることができる。これら方法を総説した文献としては「成形加工」第16巻、第4号、2004,211〜216ページ)がある。
(イ)超音波溶着:超音波振動による摩擦が発生し、摩擦時の摩擦発熱による昇温、溶融を利用する溶着法である。
(ロ)加熱溶着:加熱溶着は、2種以上の樹脂成形品の接合する部分を、加熱した熱板により所定量だけ溶融させ、その後、両者を圧着することにより接合する工法である。高温熱板溶着法ともいう。
(ハ)摩擦溶着:振動機器によって部材を振動させ、部材界面での衝突ないし摩擦発熱によって溶着をおこなう方法である。
(ニ)レーザ溶着:レーザ溶着方法では、透過性樹脂材内を透過したレーザ光が吸収性樹脂材の当接面に到達して吸収され、この当接面に吸収されたレーザ光がエネルギーとして蓄積される。その結果、吸収性樹脂材の当接面が加熱溶融されるとともに、この吸収性樹脂材の当接面からの熱伝達により透過性樹脂材の当接面が加熱溶融される。この状態で、透過性樹脂材及び吸収性樹脂材の当接面同士を圧着させれば、両者を一体的に接合することができる。そして、上記吸収性樹脂材には、レーザ光に対して所定の吸収性を発揮しうるように、必要に応じて、カーボンブラック、染料や顔料等の所定の着色材、あるいは近赤外線吸収剤を添加される。また、この吸収性樹脂材には、必要に応じて、ガラス繊維、カーボン繊維等の補強繊維を添加してもよい。
近赤外線吸収剤としては各種公知のものが使用できる。例えば特公平4−75916号公報に記載されたフタロシアニン化合物を挙げることができる。レーザ光に対して所定の吸収性を発揮し光エネルギーを熱エネルギーに変換可能な染料の例としては、特表2002−526261号公報に記載されたシアニン染料、スクウォリリウム染料、およびクロコニウム染料(段落[0012])、あるいは金属フタロシアニン染料、メタレーテッド・アゾ染料もしくはメタレーテッド・インドアニリン染料(段落[0031])を挙げることができる。
レーザ光の種類や照射光の強度については、公知の技術が利用できるが、例えば前述の特表2002−526261、特開2002−284895号公報あるいは「成形加工」第16巻、第4号、2004,211〜216ページに記載された内容を挙げることができる。
本発明のプロピレン系樹脂材[1]もしくは[1’]と樹脂材[2]の熱溶着にあっては、プロピレン系樹脂材[1]もしくは[1’]中に存在するスチレン系エラストマー(A−b)が(A−a)ポリプロピレン樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂の相溶化を促進するのみならず、熱溶着において、プロピレン系樹脂材[1]もしくは[1’]と樹脂材[2]の接合界面の接着強度を改良する機能を果たす。従来、スチレン系エラストマーを用いなくてもポリプロピレン樹脂とポリカーボネート樹脂をアロイ化するのは可能であったが、そのプロピレン系樹脂材とポリカーボネート樹脂等からなる樹脂材との熱接合では強固に溶着しなかった。本発明では、特定のスチレン系エラストマーを配合することにより、両樹脂の相溶化と同時に両樹脂を含有するプロピレン系樹脂材をポリカーボネート等に強固に熱溶着させることに特徴を有する。
本発明の樹脂成形品は、接合強度が10MPa以上であるという特徴を有する。
ここで、接合強度は、引張試験によって測定する。具体的には、溶着した成形品試験片を、温度25℃、湿度50%の条件下で引張試験機(引張速度30mm/分)によって溶着面が剥離する際の強度を測定し、溶着強度とする(単位:MPa)。
5.成形品の用途
本発明の成形品は、従来接合が困難であるとされていたポリオレフィン系樹脂とポリカーボネート樹脂等の接合を可能にした成形品であり、自動車用部品、特に車両用灯具や自動車用リヤーフィニッシャーに用いることができる。
以下に実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその趣旨を逸脱しない限り、これによって限定されるものではない。
なお、実施例における各種物性の測定方法、使用材料、樹脂材[1]もしくは[1’]と樹脂材[2]の溶着方法を下記に示す。
1.物性の測定方法
(1)MFR(単位はg/10分):ポリカーボネート樹脂(PC);300℃、1.2kg荷重で測定した。PC以外の樹脂:230℃、2.16kg荷重で測定した。
(2)線膨張係数:JIS K7197に準拠し、上述した方法に従って行った。
(3)溶着強度:溶着した成形品試験片を23℃で72時間放置し、その後、温度25℃、湿度50%の条件下で引張試験機によって溶着面が剥離する際の強度を測定し、溶着強度として表示した。なお、引張速度は30mm/分を採用した。
2.使用材料
樹脂材[1]もしくは樹脂材[1’]
(A−a)ポリプロピレン樹脂:PP ホモポリプロピレン; 日本ポリプロ(株)製 商品名MA3(230℃、2,16kg荷重で測定したMFRが10g/10分、比重0.90)
(A−b)スチレン系エラストマー
(i)エラストマー−1(SBBS):旭化成(株)製 商品名タフテックP2000(230℃、2.16kg荷重で測定したMFR18g/10分、比重0.98、スチレン含有量67重量%)
(ii)エラストマー−2(SEBS):旭化成(株)製 商品名タフテックH1043(230℃、2.16kg荷重で測定したMFR2g/10分、比重0.97、スチレン含有量67重量%)
(iii)エラストマー−3(SEBS):旭化成(株)製 商品名タフテックH1051(230℃、2.16kg荷重で測定したMFR0.8g/10分、比重0.97、スチレン含有量42重量%)
(iv)エラストマー−4(SEBS):クレイトンポリマージャパン(株)製 商品名クレイトンG1651(230℃、2.16kg荷重で測定したMFR約0.1g/10分、比重0.98、スチレン含有量33重量%)
(B)ポリカーボネート樹脂(PC):三菱エンジニアリングプラスチックス社製 商品名ノバレックス7020A(300℃、1.2kg荷重で測定したMFR14g/10分)
(C)無機フィラー(タルク):富士タルク工業(株)社製 商品名MP−A25(平均粒径5μm、嵩比重0.17g/ml)
樹脂材[2]
(1)ポリカーボネート樹脂(PC):タキロン(株)社製 ポリカーボネート樹脂プレート 商品名PC1600
(2)ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA):三菱レイヨン(株)社製 商品名アクリライトXE001
(3)環状オレフィン重合体樹脂(PCO):日本ゼオン(株)製 商品名ゼオノアZ1020R
3.溶着方法
(i)加熱溶着
プロピレン系樹脂材[1]もしくは[1’]と樹脂材[2]のそれぞれの試験片の一面(40mm×2mm)を250℃の熱板上で、樹脂材[1]もしくは[1’]は20秒、樹脂材[2]はPCの場合は100秒、PMMA及びPCOの場合は60秒加熱し、熱板との接触面が十分に溶融させた。その後すぐに樹脂材[1]もしくは[1’]と樹脂材[2]の溶融面を接合し、放冷した。
(ii)レーザ溶着
プロピレン系樹脂材[1]もしくは[1’]の溶着予定表面(40mm×2mm)に、フタロシアニン系近赤外吸収剤(アビシア社製 PRO−JET830LDI)イソプロピルアルコール溶液(濃度1%)を塗布した。塗布は綿棒を用いておこなった。同じ形状の樹脂材[2]の成形品と長辺方向で50mm重なるように置き、スポット系0.6mm出力1〜6Wのレーザー光を2〜6mm/secの速度で樹脂材[2]側から横断するように照射し溶融接合させた。使用したレーザ装置はファインデバイス(株)社製 FD−100である。
(実施例1〜3および比較例1〜3)
プロピレン系樹脂材[1]として、表1に示す量の(A−a)、(A−b)、(C)を配合し、スーパーフローター(カワタ製)にてドライブレンドした後、1段目ローター部800回転/分、押出部160回転/分、押出温度200℃、吐出量80kg/hの条件下にて二軸タンデム混練機(神戸製鋼社製KCM50)を用いて溶融混練しペレット状のサンプルを得た。なお、溶融混練時の熱安定剤として、テトラキス[メチレン−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャルティケミカルズ社製イルガノックス1010)を樹脂組成物100重量部に対して0.1重量部添加した。溶融混練によって得られたペレットを、射出成形(250℃、金型温度40℃)により試験片(長さ80mm×幅40mm×厚み2mm)を作製した。
樹脂材[2]としては、表1に示すように市販のポリカーボネート(PC)樹脂板(厚み2mm)、市販の環状オレフィン重合体(PCO)樹脂板(厚み2mm)あるいは市販のポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂板(厚み2mm)を所定の大きさ(長さ80mm×幅40mm×厚み2mm)の試験片に切断したものを評価用サンプルとして使用した。樹脂材[1]と表1に示す樹脂材[2]との加熱溶着を行い、溶着強度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005324347
(実施例4〜6)
プロピレン系樹脂材[1]として、表2に示す量の(A−a)、(A−b)、(C)を配合した以外異は、実施例1と同様にして試験片(長さ80mm×幅40mm×厚み2mm)を作製した。次に樹脂材[1]と、樹脂材[2]である市販のポリカーボネート(PC)との加熱溶着を行い、溶着強度を測定した。結果を表2に示す。
(実施例7〜9および比較例4〜6)
プロピレン系樹脂材[1’]として、表2に示す量の(A−a)、(A−b)、(B)、(C)を配合し、実施例1と同様にして試験片を作成した。樹脂材[2]として、市販のポリカーボネート(PC)樹脂板の試験片を評価用サンプルとして使用し、実施例1と同様にして、樹脂材[1’]と樹脂材[2]との加熱溶着を行い、溶着強度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2005324347
(実施例10〜13)
プロピレン系樹脂材[1]として、表3に示す量の(A−a)、(A−b)、(C)を配合し、実施例1と同様にして試験片を作成した。樹脂材[2]として、市販の環状オレフィン重合体(PCO)樹脂板(厚み2mm)を所定の大きさ(長さ80mm×幅40mm×厚み2mm)の試験片に切断し、評価用サンプルとして使用し、実施例1と同様にして、樹脂材[1]と樹脂材[2]との加熱溶着を行い、溶着強度を測定した。結果を表3に示す。
(実施例14〜16)
プロピレン系樹脂材[1’]として、表3に示す量の(A−a)、(A−b)、(B)、(C)を配合し、実施例1と同様にして試験片を作成した。樹脂材[2]として、市販の環状オレフィン重合体(PCO)樹脂板の試験片を評価用サンプルとして使用し、実施例1と同様にして、樹脂材[1’]と樹脂材[2]との加熱溶着を行い、溶着強度を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2005324347
(実施例17〜19および比較例7)
プロピレン系樹脂材[1]もしくはプロピレン系樹脂材[1’]として、表4に示す量の(A−a)、(A−b)、(B)、(C)を配合し、実施例1と同様にして試験片を作成した。樹脂材[2]としては、表4に示すように市販のポリカーボネート(PC)樹脂板(厚み2mm)、市販の環状オレフィン重合体(PCO)樹脂板(厚み2mm)あるいは市販のポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂板(厚み2mm)を所定の大きさ(長さ80mm×幅40mm×厚み2mm)の試験片に切断したものを評価用サンプルとして使用した。樹脂材[1]と表4に示す樹脂材[2]とのレーザ溶着を行い、溶着強度を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2005324347
表1〜4より明らかなように、本発明の成形品は、優れた溶着強度を有している。一方、樹脂材[1]中のエラストマー(A−b)の配合量が少ない場合は、線膨張係数の値が大きくなり過ぎてポリカーボネート樹脂材、環状オレフィン重合体樹脂材、ポリメタクリル酸メチル樹脂材とは溶着しない(比較例1〜3)。樹脂材[1’]中でエラストマー(A−b)を用いないとポリカーボネート樹脂材とは溶着しない(比較例4)。また、樹脂材[1’]中でエラストマー(A−b)中のスチレン含量が少ない場合は、(B)成分の配合量を増加させてもポリカーボネート樹脂材とは溶着せず(比較例5)、さらに、(A−b)配合量が少ないと(B)成分の配合量を増加させてもポリカーボネート樹脂材とは溶着しない(比較例6)。
本発明の樹脂成形品は、耐熱性と寸法安定性のバランスに優れ、安価でしかもリサイクル性にも優れるポリプロピレン樹脂を用いたポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、環状オレフィン樹脂等との熱溶着成形品であるので、従来接合が困難であるとされていたポリオレフィン系樹脂とポリカーボネート樹脂等の接合を可能にした成形品であり、自動車用部品、特に車両用灯具や自動車用リヤーフィニッシャーに用いることができる。

Claims (5)

  1. (A−a)ポリプロピレン樹脂 50〜90重量%と、(A−b)スチレン含有量が40〜80重量%であるスチレン系エラストマー 10〜50重量%とを含有するプロピレン系樹脂材であって、その線膨張係数(単位:cm/cm・℃)が5×10−5〜13×10−5の範囲にあるプロピレン系樹脂材[1]と、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、環状オレフィン重合体樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂材[2]を熱溶着することにより接合してなる樹脂成形品。
  2. プロピレン系樹脂材[1]が、さらに、(C)無機フィラーを、(A−a)ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、1〜400重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品。
  3. (A−a)ポリプロピレン樹脂 50重量%以上85重量%以下、(A−b)スチレン含有量が40〜80重量%であるスチレン系エラストマー 5重量%以上50重量%未満、および(B)ポリカーボネート樹脂 0より大きく45重量%以下とを含有するプロピレン系樹脂材であって、その線膨張係数(単位:cm/cm・℃)が5×10−5〜13×10−5の範囲にあるプロピレン系樹脂材[1’]と、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、環状オレフィン重合体樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂材[2]を熱溶着することにより接合してなる樹脂成形品。
  4. プロピレン系樹脂材[1’]が、さらに、(C)無機フィラーを、(A−a)、(A−b)および(B)の合計100重量部に対して、1〜100重量部含有することを特徴とする請求項3に記載の樹脂成形品。
  5. (A−b)スチレン系エラストマーが、スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)あるいはスチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(SBBS)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂成形品。
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