JP2005324027A - 生検試料の連続的な収集及び保存によって原位置での固定及び試料処理を行う取り外し可能な先端部の内部カセット装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 生検を収集、保存及び処理する先端部の取り外し可能な内部カセットを提供する。
【解決手段】 医療処置を行う装置は、縦方向に延び、開口部及び開口部内に位置するアクチュエータを有する細長い弾力性のある部材を含む。アクチュエータの先端端部と結合し、生検試料を切断して収集する生検手段と、細長い弾力性のある部材と結合し、生検手段により切断されて収集される生検試料を受け取る取り外し可能な先端部の保存及び収集チャンバが存在する。取り外し可能な保存及び収集チャンバは、収集された生検試料と固定剤又は試薬とを即座に接触させる手段である。先端のカセットは、弾力性のある部材から分離可能であり、生検手段により収集された生検試料を収集順に保存、原位置での固定及び処理又はのちの処理及び分析を行う保存及び収集カセット全体にわたって設定可能なふたにより密封される。
【選択図】 図１

Description

本発明は、生検試料を連続して収集し、保存し及び処理する装置に関する。本装置は、代謝による変化、分解又は汚濁が発生する前に生検試料と即座に反応することによる原位置での化学的、生物学的又は遺伝子学的検査のために、又は固定、染色及びその他の処理及び分析のために、取り外し可能な先端部の保存カセットに連続して入ることが可能となるように、厳密に画定された寸法で生検試料を切断して捕獲する。そのカセットは、生検用器具から分けられた後のカセットから除去せずに組織を物理的に分析するために、光学的に、透明である。生検を試行する前に、サイドアームを伴う開いたチューブシャフトにより、流動体のサンプリング、洗浄、及び組織染色液又はＸ線造影剤の注入が可能となる。

検査のために構造深部から組織サンプルを得ることがしばしば必要である。これらのサンプルは、内視鏡的又は蛍光透視法的制御を使用するカテーテル法、又はブラインド触診法によってのみ取り出すことができる。従来、これらの技術に使用されてきた生検用装置は、患者から生検用器具を取り除くことにより取り出された１から４の試料を取り除き、その試料を生検の場所と患者の身元を示したラベルが付された固定液の入った容器内に置く。この取得及び収集の処理の間に、極めて小さい試料がしばしば失われ、ハンドリング、及び内視鏡器具の導管の通過により常に汚染される。さらに、取得の間、スタッフは、場合によっては伝染性のヒト組織及び有毒な固定剤にさらされる。

それぞれの通過（ｐａｓｓ）ごとに得られる生検はバッチ処理される。というのは、極めて小さい構成要素は容易に分けることができないからである。生検用器具の限られた保存量とそれぞれの生検の場所の源を識別する必要性のため、複数の生検の通過が必要である。その結果、異なる解剖学的場所からの生検は分けて取り扱われ、従って、相当な労力と費用を必要とする。それぞれの生検が通過した後、生検は生検用器具から取り除かれ、そしてラベルが付された固定液の入った容器に置かれなければならない。生検用器具は固定液を除去するために洗浄され、次の生検が内視鏡を通過するために内視鏡検査に戻る。これにより手順が長引き、生検用器具が内視鏡を繰り返し通過する間に生検用器具の位置が再確保できない場合には、その手順が失敗する原因となる。この複雑性により内視鏡の手順が長引き、患者に投与される鎮痛剤の量、リスク及び費用が増大する。

その後各患者の容器が研究所に運ばれ、そこではそれぞれの容器が順次開けられ及びそれぞれの試料バッチが、のちの識別用に記録された個々に番号が付されたカセットに移される。その後カセットは検査のために処理される。その後処理された試料は顕微鏡検査のためにスライスされ、染色され及びラベルを付されたスライドに載せられる。各容器の中の試料は、識別性を維持するために別々に処理され及びスライドに載せられねばならない。これは、治療法を決定したり、報告の際の誤りを防いだりするために癌の分布及び程度がマッピングされるときに特に重要である。

この複雑な処理工程の間に、小さい試料は失われる又は損傷する。それぞれの処理ステージで、スタッフは試料及び固定液からの感染にさらされる。これはとりわけ、固定されていない試料が固定前に鋭い生検用器具から除去されるときに当てはまる。スタッフはまた、それぞれの処理の運搬工程で、固定剤からの溶剤蒸気にもさらされる。溶剤は、アレルギー誘発性又は発癌性である。この単調で、労力を集約する処理は、時間、装備及び研究空間が必要なスタッフに高くつく。

化学的、生物学的又は遺伝子学的検査に必要な試料は、個々に取り扱われなければならない追加の生検を必要とする。これらの生検は、生検を得るために横切られたトラック内及び内視鏡器具のチャネル内の流動体及び組織により汚染される。試料の取得の遅れ及び汚染は、それに続く分析の正確性及び信頼性を限定する。この障害は、遺伝子学的又は生物学的検査が必要とされるときに深刻である。

Ｚｉｍｍｏｎ氏による米国特許第５，７８２，７４７号明細書のバネを基盤とした汎用医療機器が記載された従来技術は、扱いにくい金属シャフト及び試料保存に必要な空間を占める被膜の使用を未然に防ぐ。標準的なアゴ支点の生検装置は硬いシャフトを必要とし、それはアクチュエータのケーブルが生検のアゴを閉じるために引っ張られ、その後、装置及び生検を内視鏡又はアクセス通路から取り除く際にアゴの閉鎖を維持するために保持されるときに、内視鏡内でのねじれと拘束を防ぐ。シャフトの組み合わされた硬さとアクチュエータのケーブル上の引っ張りにより生検装置及び内視鏡がまっすぐになる。この動作により内視鏡及び生検装置が生検の場所から離れるように移動し、操縦性が制限され、及び目標の場所の素早い連続した生検が阻止される。この硬さ及び制御されていない動きにより、生検の場所に対する外傷の危険にもさらされ、及び湾曲した内腔への接近も制限される。硬いシャフトによって更に制限されることとして、搬送器具の弾力性及び操縦性に対する選択肢が少なくなる。

これまでの鉗子生検器具の閉じる力は、１００ｃｍ〜２２０ｃｍの範囲のシャフトの長さと、内腔に一致しなければならない内視鏡内を横切る複数の湾曲とにより制限される。これらの障害のため、直径５〜９フレンチ（Ｆｒｅｎｃｈ）の内視鏡の生検鉗子が粘膜筋板から粘膜生検を切り取る。これにより鉗子カップよりも大きく、寸法が様々である生検が与えられる。さらに、生検の外傷からの組織の歪曲が、圧搾及びせん断という作為のために組織病理学的解釈を困難にする。これらの作為により、生検試料の誤った陽性の及び誤った陰性の組織病理学的解釈が生じ、誤った診断に至る。

Ｚｉｍｍｏｎ氏による米国特許第５，６８５，３２０号明細書及び米国特許第５，７８２，７４７号明細書は、生検を、チューブシャフトを通って外部容器まで通過するのに適するように所定の寸法に鋭く切断することによりこの課題を解決する。Ｚｉｍｍｏｎ氏による米国特許第６，４６８，２２７号明細書では、側方の生検装置は、中央アクチュエータのワイヤと切刃間の正確な距離を使用して、生検の深さを制御する。その結果として、生検深さはシャフト径の半分より小さい。Ｖ字型の切り込みの長さを制限するアクチュエータワイヤの動きが生検の長さを制御する。生検の接線の幅は、チューブシャフトの半径の半分より小さい。その後切断された生検は生検の時点でチューブシャフト内で捕獲され、従って収集カセットへの移動に利用できる。

米国特許第５，６８５，３２０号明細書では、バネを基盤とした汎用医療機器が、折り畳みバネ全体にチューブシャフトを滑らせることにより折り畳みバネの鋭い生検カップを押し込む。アクチュエータワイヤは、生検切断の間に、折り畳みバネの刃を生検位置に保持するためだけに役立つ。閉じられた生検カップは、どちらもチューブシャフトに適合し、従って保存カセットへの移動に利用できる制御された寸法の生検を切断して捕獲する。

吸気圧力又は流体圧力の原動力により、正確に切断された生検が、Ｚｉｍｍｏｎ氏による米国特許第６，０７１，２４８号明細書に記載されるように、一方の装置から近接した収集カセットに進む。Ｚｉｍｍｏｎ氏による米国特許第６，３２２，５２２号明細書では、バネを基盤とした汎用医療器具が、カセットを形成する生検用器具を取り外す及び破壊することなく、即座に処理及び分析を行う生検用器具の近接する端部で、取り外し可能な１つ又は複数のカセットに生検試料を捕獲するように変更される。この改良により、生検手続きの間にリアルタイムの生検分析及び比較的高価で再利用可能な又は再処理可能な生検用器具の使用が可能となる。

生検用器具内で多数の生検を連続して収集、保存及び処理することにより、生検処理における時間と労力のかなりの節約とともに、取り扱いの間の生検の損失又は損傷の阻止と、感染性物質及び有毒固定剤からのスタッフの保護とがもたらされる。この目標は、微細な生検試料を生検用器具の保存カセットに押し込む冗長な方法を適用することにより、及び保存量を最大にするために生検用器具の動作部分を最小にすることにより実現し易くなる。

従来技術は、患者の安全で十分な生検深さを可能にしたが、更なる改良の必要性が残されている。

従って、本発明の目的は、生検を収集、保存及び処理する先端部の取り外し可能な内部カセットを提供することであり、そのカセットは、使用が簡単で、径が５〜３６フレンチ（１．６〜１２ｍｍ）の弾力性のある生検用器具が３０〜２２０ｃｍの長さで使用されるとき、連続して収集された生検試料を処理する使い勝手の良い先端部の取り外し可能な保存カセットを提供する。

バネを基盤とする機器において、本発明による装置は比較的大きい中心内腔を伴う弾力性のあるプラスチックシャフトを備えている。そのシャフトの先端端部は、シャフト内腔内に上述されたような型の、すなわち、折り畳みバネのねじれを防ぐ金属又はプラスチック製の内部カセットの案内溝により安定する型の、遠隔制御できる折り畳みバネアゴの生検装置を含む。シャフト先端及びバネアゴの接合部は、それらが広がったときにアゴ間の距離を増大させるために角度が付けられる。広げられたとき、折り畳みバネアゴは開位置に付勢されている。

生検を行うために、広げられた生検カップが組織内に押し込まれる。生検の深さは生検カップの寸法、カップ間の距離及び先端チューブが組織表面に接触するときにさらに組織に侵入することを防ぐ先端チューブの外側の縁により制御される。引っ込んだカップが先端チューブの口を通って、折り畳みバネの付勢されたアームがチューブシャフトに入るとき、それらは正確な寸法の生検を切断するために閉じられる。切断された生検の保存カセットの先端チューブへの移動により、生検が保持歯止めを越えて保存カセットに移動する。付勢されたバネアゴが歯止めに届くので、先端チューブのスロットにより、アゴが開いて生検試料を放出することが可能となる。その結果生じたそれぞれの生検は、その先行する生検を取得順に保存カセットに詰めるために同じ道を横切る。

試料が収集された後、カセットはカセット固定ピンを押し下げることにより取り外される。カセットにはふたがかぶせられる。穿孔されたカセットにより、取得順に入れられ及び固定及び処理の準備が整っている連続する試料にさらに手を触れることなく、試料を処理することが可能となる。ワックス処理の後、カセットは開かれて、生検は依然取得順にスライスされる準備が整えられる。従って、生検を行う時点で用意された単一の記録（ｌｏｇ）は、提出者及び研究所に対して各試料を識別するのに役立ち、及び手を触れずに、生検損失の危険又は必要書類の誤りなく報告するのに役立つ。

本発明は、第２の外側の屈曲するチューブシャフトを通る内視鏡なしで使用する選択肢を有する。外側のチューブシャフトはプラスチック、金属又は任意の屈曲する材料である。オペレータはチューブシャフトを形成して、それを生検の場所に挿入する。選択された径及び弾力性を持つバネを基盤とした生検用器具は、外側のシャフトを通過して生検又は他の動作を行う。本発明の動作は、Ｘ線的に、視覚的に、触診法により、又は任意の代替方法により、モニタされる。

連続する収集、保存及び処理用に改良された設計の１つの実施形態は、適切な試薬を取り込ませることによって固定、処理、染色又は組織検査を行う場所としてカセットを使用することである。カセットが適切な材料で作られるとき、スライド取り付けのためのスライスが、試料を取り除くことなくカセットを通じて行われる。別の実施形態では、保存カセットが、代謝による変化、分解又は汚濁が発生する前に生検試料を即座に試薬にさらすことによるほぼ生体内の（ｉｎ ｖｉｖｏ）化学的、生物学的又は遺伝子学的検査のための反応チャンバとして使用される。別の実施形態では、保存カセットは透明であり、それにより生検は手を触れずにすぐに検査及び分析に利用できる。本実施形態は固定剤又は感染物質をさらす危険を回避するが、分光法又はその他の物理的方法による自然のままの固定されていない試料の分析を、感染又は汚染の危険なく、即座に可能とする。別の実施形態では、サイドアームを伴う開いたチューブシャフトは、流動体のサンプリング又は洗浄のための注入、Ｘ線造影剤又は組織染色液の注入のために使用される。

本発明のその他の目的及び特徴は、添付の図面に関連して考慮される以下の詳細な記述から明らかとなる。しかし、その図面は例証としてのみ描かれ、及び本発明の限界を画定するものとして描かれてはいないことを理解されたい。

図面では、同様の参照文字はいくつかの図面を通じて同様の要素を示している。

本発明の本質の理解を促進する目的のために、参照符号が、図面に示された実施形態に付され、具体的な専門用語が、同じものを記述するために使用される。とは言っても、それにより本発明の範囲の限界が意図されるわけではなく、図示された装置のこうした他の態様及び更なる変更、及びここに示された本発明の本質の更なる適用は、本発明に関係する当業者が通常想到するものとして意図されることを理解されたい。

図１及び図２は本発明による装置を示し、それはバネベースの生検切断ツール３を通じて試料６を取り出す。切断ツール３は、側面にある２つの短いスロットと大きな中央の内腔を有するカテーテル先端チューブ１内部に配置された中央のアクチュエータワイヤに結合される。先端チューブは、ハンドル近くに伸びるアクチュエータワイヤを含む長いチューブシャフト（Ａ）に取り外し可能に結合される。チューブシャフトの中央の内腔と結合するサイドアーム（図示されず）は、ハンドルの近くに配置される。先端チューブの内腔は、図２に示されるように、試料保持チャンバとして動作するカセット５を含む。カセットは金属又はプラスチックといった任意の適切な材料で作られる。カセット内の案内スロットは、先端チューブにより定位置に保持される折り畳みバネアゴアームのねじれを防ぐ。切断ツールは、切断ツールのそれぞれのアゴ上に２つの片ガラスの切刃を装備した２つのバネベースのアゴ３及び４を含む。カセット固定ピン７は、除去するまでカセットを定位置に保持する。

図１では、切断ツールが生検試料を切断して取り出すために、及び、試料を保存のためにカセット内部に持ち込むために配置される。ツールの移動は、アクチュエータワイヤ２を引っ張ることにより制御され、それによりツールが引っ込んで（図２）先端チューブの縁と接触し、その結果、引っ込んだ刃４が一緒に来て試料６を切断する。さらに、ワイヤ２を引っ張ることにより、切断ツールがチューブ先端１の内腔内部へ引き込まれ、その際、折り畳みバネアゴアームが先端チューブのスロットに入り、試料が歯止めを通過するときにアゴを開き、及びカセット５内部の試料６を引っ張る。変更態様として、チューブシャフトはバネアゴを越えて進み、一方でアクチュエータワイヤを、生検を切断するために無理にアゴを閉じる定位置に保持する。試料６がカセット５内部に堆積されたあと、ツール４はその後更なる試料を切断して取り出すために配置される。保持歯止め８はカセット５内部のそれぞれの試料を捕らえる。生検手続きは繰り返されるので、それぞれ先行する試料はカセット６の中深くに包まれる。

図３は、アクチュエータワイヤ除去後の切断カップとカセットを示している。

図４は、先端チューブシャフトから取り除かれた保存カセットと切断ツールを示している。

図５は、切断ツール除去後の保存カセットを示している。

本発明による連続する収集鉗子の動作は以下の通りである。

先端チューブ１は外側の弾力性のある鞘（Ａ）に結合され、立ち代って弾力性のある鞘（Ａ）はハンドルに結合される。制御ワイヤ２は、外側の鞘の中心を滑動してハンドルにより軸方向に移動する。広げられたカップ３は、制御ワイヤ２により先端チューブ１から押し出されるか又は先端チューブ１に引き込まれる。広げられたカップ３は、先端チューブ１から外に移動したときにバネによる付勢のもとに分かれる。組織生検を取るために、開かれ、広げられたカップ３を有する鉗子は組織内に押し込まれ、及びその後カップが先端チューブ１に引き戻される。引き戻されたカップ４が先端チューブ１の口を通り過ぎたとき、カップは強制的にドーズ（ｄｏｓｅ）される。カップ３が閉まるとき、そのカップは自身が埋め込まれた場所の組織をかじる。カップ３が引き続き先端チューブ１へ進むことにより、組織サンプルが保持歯止め８を越えてカセット５の前に移動する。カップ３が更なる組織サンプルのために広げられるとき、既存の組織サンプルは保持歯止め８により引き止められる。別の組織サンプルは上述の場所で捕らえられる。カップは保持歯止め８を越えて引き込まれる一方で、すでに捕らえられたサンプルと直面し、それをさらにカセット５の裏面に押し込む。更なる組織サンプルが捕らえられると、カップはすでに捕らえられたサンプルをカセット５の背面に向かって押し続け、従ってのちの検査及び識別のためにそれらを番号順６に積み上げる。

必要量の組織サンプル６が捕られたとき、カセット５はカセット固定ピン７を押し下げることにより及び同時に制御ワイヤ２を装置の先端端部に向かって操作することにより先端チューブ１から取り除かれる。先端の移動するカップは、カセット５を先端チューブ１から押しやり、及びそのカップにより一杯になったカセット５を研究所へ移送するために取り除くこと及び準備することが可能となる。

好ましい実施形態では、チューブシャフト１に取り付けられたサイドアームは、生検前又は後に、流動体のサンプリング又は洗浄用の注入、Ｘ線造影剤又は組織染色液の注入のために使用される。生検前にメチレンブルー、ヨードルゴール液、インジゴ・カルミン又はその他の染色液を吹き付ける生検用器具により、関連のあるそれぞれの場所で生検を行う前にスプレーカテーテルの通過及び除去に先立って生検用器具の除去を必要とする専用のカテーテルスプレーを使用する必要性が取り除かれる。

好ましい実施形態では、所望の試料６が収集されたとき、先端チューブ１がカテーテルＡから取り除かれ、及びその端部にふたがかぶせられる。固定剤又は試薬はキャップを通じて注入されうる。生検を含む穿孔されたカセット（図示されず）は、更なるログの準備をせずに又は手を触れずに取得順に処理するために固定剤の内に置かれる。

好ましい実施形態では、生検用器具は、最初の連続する収集、保存及び処理カセットが取り除かれた後に再利用できる。その後、追加の先端チューブ１及びカセット５が、更なる生検６を捕らえるためにアクチュエータワイヤ２と結合可能となっている。これにより、第１の処理カセットが一杯になったときに、患者に付き２つ以上の生検用器具を使用する必要性及び費用が取り除かれる。さらに個別の試料は、検査、物理的分析、固定、冷却、化学的分析、生物学的分析又は遺伝子学的分析のため、又は凍結切片のため又は固定された組織病理学的分析のために別個のカセットで得ることができる。これは有益なことである。なぜならば、それぞれの型の分析により異なる処理を必要とするからである。

好ましい実施形態では、種々の固定剤又は試薬を含む先端チューブ１内の複数のカセット５が、生検試料のほぼ生体内の検査を即座に複数行うために使用される。さまざまなカセット及びカセット機能が提供されうる。一般的に使用されるディップ・スティック（ｄｉｐ ｓｔｉｃｋ）の化学的又は生物学的分析が、感染、異形成又は新生組織形成といった異常性を即座に検知するために、透明で取り外し可能なカセットに容易に組み込まれる。一例として、幽門の生検検査があるが、その際これまでのところ新鮮で場合によっては伝染性の生検試料が生検用器具から取り除かれ、及び酵素ウレアーゼを検知する試薬を含む容器に置かれる。検査がカセット内で行われる場合、陽性の生検が念のため顕微鏡検査に提出される。陰性である場合、診断を追認するために更なる生検が取られる。生検の前に行われる内視鏡レーザー反射率分光法といった複雑な物理的分析は、カセットの生検の外部反射率分光法を用いる生検に取って代わられる。レーザー分光法の内視鏡装置は、外部分光法及び化学的分析、生物学的分析、酵素分析、組織病理学的分析及びその他の分析のために即座に利用できる生検に取って代わられる。これらの改良により、麻酔にかかっている患者の処置時間が削減され、スタッフによる伝染性の可能性がある組織の取り扱いが制限され、診断が速まり及び費用が削減される。生検保存カセット内の試薬を用いることで手で触れることが避けられ、及び検査結果を即座にオペレータが利用できる。

好ましい実施形態では、先端部の先端チューブが除去された状態の生検用器具１は、洗浄、殺菌、及び再使用が可能である。その結果、更に高価で、さらに十分に再使用できる生検用器具が、さらに少ない費用の使い捨て器具に取って代わり、及び多数の先端部の再使用できるカセットを用いた連続する収集、保存及び処理の利点が保持される。

本発明とは対照的に、大抵の現在の生検用器具は、試料を取り出すために内視鏡から取り除かれねばならず、生検毎に、又は多くとも２、３の生検が取られたあとには、処理を始めなければならない。この動作により、内視鏡の再配置を必要とする内視鏡の動き、又は追加の生検を不可能にする位置の損失までもが、しばしば付随して起こる。これらの遅れは、麻酔処置及び麻酔時間を長引かせる。従って合併症及び費用のリスクが増大する。

病理検査室では、ワックスの埋め込み、区分化及び顕微鏡的研究のために、自由に動く微細な生検試料を正しい位置に置くことは難しい。時間と労力が生検の位置付けに費やされる。不十分な位置付けの生検により、診断がわかりにくくなり、誤った診断が引き起こされる。誤った陰性の診断は別の処置を強いることになる。誤った陽性の診断は不必要な処置を招く。病理学者は、生検を説明するときに、これらの既知の課題のために言葉を濁す。先端部の取り外し可能な保存カセットにより、これらの課題は、生検をカセット内の正しい位置に置くことで解決される。幅１．５ｍｍ×深さ２４ｍｍの外側のカセットの内腔により、幅１．５ｍｍ、長さ１．５ｍｍ及び深さ１ｍｍの２４の生検がカセット内で正しい位置に保持される。

従って、本発明の２、３の実施形態だけが示され及び記載されているが、多くの変更及び改良が本発明の精神及び範囲から外れることなくそれに加えて作られることは明らかである。

本発明による装置の開位置の断面図を示している。 本発明による装置の閉位置の断面図を示している。 アクチュエータのワイヤを除去した後の切断カップ及びカセットを示している。 チューブシャフトから取り除かれた保存カセット及び切断ツールを示している。 切断ツールを除去した後の保存カセットを示している。

符号の説明

１ カテーテル先端チューブ
２ アクチュエータワイヤ
３ 生検切断ツール
４ バネ基盤のアゴ
５ カセット
６ 試料
７ カセット固定ピン
８ 保持歯止め

Claims (10)

1. 開口部を有していて、縦方向に延びており、近接した端部及び反対側の先端端部を有する細長い弾力性のある部材と、
   前記開口部内に位置しており、近接した端部及び反対側の先端端部を有するアクチュエータと、
   制御された寸法の生検試料を切断して収集するための前記アクチュエータの先端端部内にある生検手段と、
   前記細長い弾力性のある部材内に取り外し可能な形で保持され、前記生検手段によって切断されて収集される生検試料を受け取るための、先端部の保存及び収集カセットであって、切断された又は粘膜の生検表面を接着し、それによって収集された生検試料を保存チャンバの正しい位置に置く内部接着表面を有する保存カセットと、
   使用前に、又は前記保存カセットが、前記生検手段によって収集された生検試料を収集順に保存して処理するために前記弾力性のある部材から分けられたときに、前記取り外し可能な先端部の内部保存カセットを密封する手段と
   を備えており、
   前記保存カセットが、代謝による変化、分解又は汚濁が発生する前に、前記生検試料と反応して化学的、生物学的又は遺伝子学的分析を行う手段を含むことを特徴とする、医療処置を行う装置。
2. 前記生検手段が、切断ツールを有していて前記弾力性のある部材から遠隔操作によって配置可能なバネアゴと、前記部材の先端端部にあって前記アゴの正確な動きを制御する内側のアゴ案内とを備えており、前記アゴが、前記生検試料を前記保存カセットの空洞内に押し込んで、所定の生検寸法を提供することを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 前記保存カセットが、手を触れずに固定剤又はその他の試薬が入ることを可能にするために穿孔されていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
4. 前記保存カセットが、組織固定剤又は染色液を含むことを特徴とする請求項１に記載の装置。
5. 前記密封手段が、使用前に、又は前記カセットが前記弾力性のある部品から分けられたときに、前記保存カセット全体にわたって設置可能なふたであることを特徴とする請求項１に記載の装置。
6. 前記カセット又は前記ふたが、穿孔されていることを特徴とする請求項５に記載の装置。
7. 前記弾力性のある部材が、開いたチューブシャフトを通じて、流動体のサンプリング、洗浄及びＸ線造影剤若しくは組織染色液の注入を行うためのサイドアームを有することを特徴とする請求項１に記載の装置。
8. 類似の又は異なる用法の複数のカセットが、前記弾力性のある部材に結合されていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
9. 前記弾力性のある部材が、使い捨て可能であるか、又は保存カセットを含む新しい先端チューブに結合することによって洗浄及び殺菌した後に再使用可能であることを特徴とする請求項１に記載の装置。
10. 開口部を有していて、縦方向に延びており、近接した端部と反対側の先端端部を有する細長い弾力性のある部材と、
    前記開口部内に位置しており、近接した端部及び反対側の先端端部を有するアクチュエータと、
    制御された寸法の生検試料を切断して収集するための前記アクチュエータの先端端部内の生検手段と、
    前記細長い弾力性のある部材内に取り外し可能な形で保持され、前記生検手段によって切断されて収集される生検試料を受け取るための保存及び収集カセットであって、切断された又は粘膜の生検表面を接着し、それによって収集された生検試料を保存チャンバの正しい位置に置く内部接着表面を有する保存カセットと、
    使用前に、又は前記保存カセットが、前記生検手段によって収集された生検試料を収集順に保存して処理するために前記弾力性のある部材から分けられたときに、前記取り外し可能な内部保存カセットを密封する手段と
    を備えており、
    前記保存カセットが、外観検査又は分光分析のために半透明であることを特徴とする、医療処置を行う装置。

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