JP2005323942A - 採血具の逆流防止構造、ルアー針、採血針及び採血ホルダー - Google Patents

採血具の逆流防止構造、ルアー針、採血針及び採血ホルダー Download PDF

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Ryusuke Okamoto
隆介 岡本
Masatoshi Nibuya
雅敏 丹生谷
Masahiro Nakaizumi
政博 中泉
Masaaki Minamoto
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Abstract

【課題】 採血針や採血ホルダーなどの採血具において、血液の逆流を確実にかつ速やかに防止でき、採血管から血管側への移動が生じ難い、逆流防止構造を提供する。
【解決手段】 筒状体としてのハブ2内に第1の端部2aから第2の端部2bに向かって延びる流路5が構成されており、ハブ2に対して、第1,第2の端部を結ぶ方向において移動可能に第2の中空針4及び弁部材6が連結されており、弁部材6は第2の中空針4の基部4bに固定されており、かつ内部に第2の中空針4に連通している内部流路7を有し、内部流路7は、弁部材6の側面に開いた開口7aを有し、付勢手段としてのコイルバネ8により付勢されて、常時は内部流路7が流路5と遮断されている第1の状態とされており、付勢手段としてのコイルバネ8の付勢力に逆らってコイルバネ8を押圧することにより、内部流路7が流路5に連通している第2の状態とすることが可能とされている、逆流防止構造。
【選択図】 図1

Description

本発明は、血液を採取するのに用いられる採血具の逆流防止構造に関し、より詳細には、逆流防止構造、逆流防止構造が備えられたルアー針、採血針及び採血ホルダーに関する。
従来、真空採血法などの血液採取方法において、様々な採血針や採血ホルダーが用いられている。ところで、採血に際しては、まず、駆血帯を被採血者の腕に取り付ける。次に、採血用中空針の針先を血管内に挿入する。採血用中空針は、真空採血管の栓体を刺通する連通用中空針に連ねられている。採血用中空針と連通用中空針とを接続する構造としては、内部流路を有するハブなどの様々な構造が提案されている。
真空採血に際しては、上記のように採血用中空針の針先を血管に挿入した後に、連通用中空針の針先により真空採血管の栓体を刺通する。それによって、採血用中空針と真空採血管内とが連通され、真空採血管内が減圧されているため、血液が血管から真空採血管に導かれる。
真空採血管内の圧力と血管の圧力がほぼ等しくなった時点で採血が終了する。採血終了後には、連通用中空針を真空採血管から引き抜き、駆血帯を取り外す。しかしながら、誤って、先に駆血帯が取り外されると、血管内の圧力が急激に低くなるため、採血管内の血液が血管側に向かって逆流するおそれがある。また、採血管の配置されている位置が血管よりも高い場合には、位置エネルギーによっても逆流の生じるおそれがある。他方、真空採血管内には、抗凝固剤や薬剤などが収納されていることが多い。従って、逆流が生じると、薬剤や抗凝固剤が血管側に移行し、悪影響を及ぼすおそれがある。そこで、従来より逆流を防止するための様々な構造が提案されている。
例えば、下記の特許文献1には、血流によって移動可能なプラグが内蔵されている採血針が開示されている。ここでは、逆流が生じた場合、逆流によりプラグが移動し、流路が閉塞されるように構成されている。すなわち、上記プラグは、血流の方向の変動により、流路を遮断するように構成されている。しかしながら、血液の流れ方向が逆転することにより流路を遮断するものであるため、上記プラグによる流路を遮断する力は一定ではなく、静脈圧と採血管内の圧力との差圧に依存しており、安定性がないという問題があった。すなわち、場合によっては流路を確実に遮断することができないことがあった。
加えて、上記プラグは、血流が逆転し、しかる後プラグが移動して流路が遮断されるため、速やかに逆流を防止することはできなかった。すなわち、流路が遮断される前に、血液が誤って採血管内から静脈側に移動するおそれがあった。他方、下記の特許文献2には、逆流が生じた場合には、血液の流れにより流路を閉じるように移動されるフラップ状逆止め弁が備えられた採血針が開示されている。しかしながら、この構造においても、同様に血液の逆方向の流れにともなう圧力を利用して逆流を防止しているため、静脈圧と採血管内の圧力との差圧が小さい場合には、逆流を防止することができないことがあった。また、特許文献1に記載のプラグの場合と同様に、逆流を防止するために若干の時間を必要とするため、確実に採血管内の血液の血管側への移動を防止することが困難であった。
特開昭57−11661号公報 特開昭54−4191号公報
本発明は、上述した従来技術の欠点を解消し、採血終了時に何らかの理由により採血管内の圧力が静脈側圧力よりも高くなり逆流が生じようとした場合であっても、採血管内の血管の静脈側への移動を確実にかつ速やかに防止することを可能とする採血具の逆流防止構造、該逆流防止構造が備えられたルアー針、採血針及び採血ホルダーを提供することにある。
本発明の採血具の逆流防止構造は、採血具において血液の逆流を防止するための逆流防止構造であって、血液を採取するための第1の中空針が接続される第1の端部と、採血容器内に血液を導くための第2の中空針が接続される第2の端部とを有し、第1の端部から第2の端部に向かって延び、かつ血液が流れる流路を有する筒状体と、前記筒状体の流路内に収納されており、該流路と第2の中空針とを連通させる内部流路を有し、第2の中空針と固定された弁部材と、前記筒状体内に配置されており、前記弁部材及び第2の中空針を、前記筒状体の第1,第2の端部を結ぶ方向において、第2の端部側に付勢する付勢手段とを備え、前記弁部材及び前記付勢手段は、前記付勢手段の付勢力により前記弁部材が第2の端部側に位置されて、前記弁部材の内部流路が前記筒状体の流路と遮断されている第1の状態と、前記付勢手段の付勢力に逆らって前記弁部材及び第2の中空針を第1の端部側に移動させた際に、前記筒状体の流路が前記弁部材の内部流路に連通されている第2の状態とをとり得るように構成されていることを特徴とする。
本発明に係る採血具の逆流防止構造のある特定の局面では、前記弁部材の内部流路の一端が前記第2の中空針に連通され、前記内部流路の他端が、弁部材の側面に開口しており、前記第1の状態にあるときには、前記弁部材の側面の開口が前記筒状体の側面により液密的に閉じられており、前記第2の状態にあるときには、該開口が開いている。
本発明に係る採血具の逆流防止構造の他の特定の局面では、前記付勢手段が、コイルバネである。
本発明に係る採血具の逆流防止構造のさらに別の特定の局面では、前記付勢手段が、板バネ状部材からなる。
本発明に係るルアー針は、採血に際し、採血容器内に血液を導くための中空針と、前記中空針の基部に固定されたハブとを備えるルアー針であって、前記ハブ及び中空針が請求項1〜4のいずれか1項に記載の採血具の逆流防止構造により構成されていることを特徴とする。
本発明に係る採血針は、血液を採取するための中空針と、該中空針の基部に接続されたハブと、該ハブに接続されており、採血容器に血液を導くために用いられる中空針とを備える採血針であって、前記ハブ及び採血容器に血液を導くために用いられる中空針が、本発明に従って構成された採血具の逆流防止構造により構成されている。
本発明に係る採血ホルダーは、一端側に採血管を挿入するための開口が形成されており他端側が閉じられている筒状のホルダー本体と、ホルダー本体の他端側に設けられたハブと、前記ハブに一端が固定されており、採血容器に血液を導くために用いられる中空針とを有する採血ホルダーであって、上記ハブ及び採血容器に血液を導くために用いられる中空針が、本発明に従って構成された採血具の逆流防止構造により構成されている。
本発明に係る採血ホルダーのある特定の局面では、前記ハブに一端が固定されており、他端がホルダー外に延ばされた血液採取用中空針をさらに備え、該血液採取用中空針が前
記筒状体の第1の端部側に連結されている。
本発明に係る採血具の逆流防止構造では、上記筒状体内に、第1の端部から第2の端部側に向かって延びる流路が構成されている。そして、第2の端部側においては、上記弁部材及び第2の中空針が、第1,第2の端部を結ぶ方向において移動可能な方向に配置されており、弁部材の内部流路が筒状体の流路と遮断されるように弁部材が第2の端部側に移動されている第1の状態と、弁部材の内部流路が筒状体の流路と連通するように弁部材が第2の端部側から第1の端部側に向かって移動されている第2の状態とをとり得るように、弁部材及び第2の中空針が筒状体の第1,第2の端部を結ぶ方向において移動可能とされており、初期状態では、第1の状態とされている。
従って、採血に際し、上記付勢手段の付勢力に逆らうように力を加えて弁部材及び第2の中空針を筒状体内で移動させることにより、第2の状態とすることができる。第2の状態では、筒状体の流路と、弁部材の内部流路とが連通される。従って、この状態で、第1の中空針の針先を被採血者の血管に挿入し、第2の中空針の針先を採血容器に挿入すれば、第1の中空針、筒状体内の流路、弁部材及び第2の中空針を通り血液が採血容器に採取される。
特に、第2の中空針の針先を、例えば真空採血管の栓体に刺通した場合には、刺通抵抗を利用して、上記付勢手段の勢力の逆らう方向に力を送ることができ、容易に第2の状態とすることができる。
真空採血管を用いた採血に際しては、真空採血管内の圧力と被採血者の静脈血圧が同等となった段階において、血流が停止し、採血は自動的に終了する。この状態まで、上記付勢手段の付勢力に逆らって、第2の中空針を筒状体に向かって押圧しておけば、常に第2の状態として、血液を採取することができる。そして、上記のように、差圧の解消により血流が停止した段階においては、上記第2の中空針を筒状体側に押圧する力を解除するだけで、直ちに付勢手段の付勢力により弁部材が第2の端部側に向かって移動され、第1の状態とされる。従って、筒状体内の流路と、弁部材の内部流路が遮断され、逆流を確実に防止することができる。
真空採血時は片手で採血ホルダーをしっかりと保持し、針先が血管より外れないようにすることが必要であり、もう片方の手で採血管の抜き刺しを行う。従って、万一採血管が針を介して血管と連通したままで(採血管を抜く前に)駆血帯を外そうとした場合は、必ず、採血管を押圧している方の手を離して、駆血帯を緩めることになるので、本発明によれば、必ず流路が遮断され、逆流を防止できる。
上記のように、本発明に係る採血具の逆流防止構造では、筒状体の流路は、血流の力を利用せずに、上記付勢手段の付勢力によって弁部材の内部流路と遮断される。従って、静脈血圧と採血管内の差圧に依存せずに確実に逆流を防止することができるとともに、採血終了後に直ちに流路を遮断し、逆流を防止することができる。
特許文献1や特許文献2に記載の先行技術の場合には、逆流を防止するまでに若干の時間を必要としていたため、場合によっては血液が採血管側から被採血者側に移動するおそれがあったのに対し、本発明に係る逆流防止構造を採用した場合には、付勢手段の付勢力により流路が速やかに遮断される。よって、採血管内の血液が被採血者側に移行する可能性が殆どなく、安全性に優れた採血具を提供することが可能となる。
上記弁部材の内部流路の一端が第2の中空針に連通されており、他端が側面に開いた開
口を有し、第1の状態では、側面に開いた開口が筒状体の側壁によって閉じられて流路が内部流路に対して遮断される構造を有する場合には、筒状体の側壁と、弁部材の外側壁とを利用して、すなわち余分な部品をあまり必要とせずに、逆流防止構造を構成することができる。
上記付勢手段は様々な付勢部材により構成するとこができるが、付勢手段がコイルバネからなる場合には、コイルバネの弾発力を利用して、弁部材を第1の状態から第2の状態に速やかに移動させることができる。
また、上記付勢手段が板バネからなる場合には、単純な構造により弁部材を第1の状態から第2の状態に速やかに移動させることができる。
本発明に係るルアー針では、採血容器に血液を導くために用いられる中空針と、該中空針の基部に固定されたハブとを備えるルアー針において、ハブ及び上記中空針が本発明に従って構成された逆流防止構造を有するように構成されているので、ルアー針において逆流を確実にかつ速やかに防止することが可能となる。
本発明に係る採血針では、血液を採取するための第1の中空針と、採血容器に先端が挿入される第2の中空針と、第1,第2の中空針の基部が固定されているハブとを備える構造において、ハブ及び第2の中空針が本発明に従って構成された逆流防止構造からなる。従って、逆流を確実にかつ速やかに防止することが可能とされた採血針を提供することができる。
本発明に係る採血ホルダーでは、ホルダーの一端側に採血管を挿入するための開口が形成されており、他端側が閉じられており、該他端側にハブが設けられており、ハブに一端が固定されており、採血容器に血液を導くために用いられる中空針が設けられている採血ホルダーにおいて、ハブ及び上記中空針が本発明に従って構成された逆流防止構造を用いて構成されており、上記中空針が逆流防止構造の流路の第2の端部側に連通されている。従って、逆流を速やかにかつ確実に防止することができる採血ホルダーを提供することが可能となる。
また、ハブに一端が固定されており、他端がホルダー外に延ばされた採血用中空針をさらに備え、採血用中空針が逆流防止構造の内部流路の第1の端部側に連通されている場合には、本発明に従って、逆流を速やかにかつ確実に防止することを可能とする、安全性に優れた採血ホルダーを提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)は、本発明の一実施形態にかかる逆流防止構造が備えられた採血針の正面図である。採血針1は、筒状体としてのハブ2と、第1,第2の中空針3,4とを有する。
図1(b)に示すように、ハブ2は、第1の端部2aと、第2の端部2bとを結ぶ方向に延びる流路5を有する。第1の端部2a側には、第1の中空針3の基部3aが連結されている。第1の中空針3は、針先3bを有し、針先3bが、採血に際して血管内に挿入されるように用いられる。第1の中空針3の内部が、ハブ2の流路5に連通されている。
他方、第2の中空針4の基部4aはハブ2に連結されている。なお、中空針4の針先4bは、後述する真空採血管の栓体を刺通するのに用いられる。
図1(b)に示すように、ハブ2内には、弁部材6が配置されている。弁部材6は、第2の中空針4の基部4aに固定されている。弁部材6及び第2の中空針4は、第1,第2の端部2a,2bを結ぶ方向に移動可能とされている。
弁部材6には、内部流路7が形成されている。内部流路7は、弁部材6の下面に向かって延び、下面において開口している。この開口が、第2の中空針4に連通されている。他方、内部流路7は、弁部材6の中間高さ位置において側方に延ばされており、弁部材6の側面6aに開いている開口7aを有する。弁部材6は、略円錐台状の形状を有し、従って、側面6aは、上方にいくに連れて径が広がるように傾斜されている。
他方、筒状体としてのハブ2は、上記弁部材6の側面6aに応じた略円錐台の側面形状の、内側面を有し、該内側面2cに、弁部材6の側面6aが密着している。図1(b)に示す状態では、弁部材6に設けられた内部流路7の開口7aは、上記側面6aと、内側面2cとの接触により液密的に閉じられている。すなわち、図1(b)では、流路5と、内部流路7とが連通されていない、本発明における第1の状態が示されている。
弁部材6の上方には、付勢手段としてのコイルバネ8が収納されている。コイルバネ8の上端は、ハブ2の内部空間の天面2dに当接されており、下端が弁部材6の上面6bに当接されている。コイルバネ8は、その弾発力により弁部材6を下方に付勢している。すなわち、コイルバネ8により下方に付勢されて、上記弁部材6の側面6aが、ハブ2の内側面2cに密着され、第1の状態とされている。
なお、図2に示すように、第2の中空針4側から上方に向かって外力を加えた場合には、第2の中空針4と弁部材6とが、上方に移動され、コイルバネ8が圧縮される。この場合には、弁部材6の側面6aとハブ2の内側面2cとの接触が解かれ、開口7aが流路5内に露出する。従って、流路5と内部流路7とが連通される。図2に示す状態が本発明における第2の状態である。
上記筒状体としてのハブ2は、適宜の合成樹脂などの保形性を有する材料で構成される。このような合成樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートなどを挙げることができる。
上記弁部材6についても、ハブ2と同様の合成樹脂または金属などにより構成され得る。
コイルバネ8は、適宜の金属線を巻回することにより得られたコイルにより構成することができる。
また、中空針3,4は、ステンレスなどの適宜の金属材料などにより構成されている。
次に、本発明に係る採血針を用いた採血方法を図1(b)、及び図2を参照して説明する。
初期状態では、図1(b)に示されているように、コイルバネ8の弾発力により流路5と内部流路7とが連通されていない第1の状態とされている。
採血に際しては、まず、第1の中空針3の針先3aを被採血者の静脈に挿入する。しかる後、第2の中空針4を、真空採血管11の栓体12に刺通する。真空採血管11は、有底管状の容器13と栓体12とを有し、真空採血管11内は、減圧されている。
第1の中空針3の針先3aを静脈に挿入した状態で、第2の中空針4の針先4bを栓体12に刺通する。この場合、ゴム弾性を有する栓体12を第2の中空針4が刺通する際の抵抗により、第2の中空針4及び弁部材6がハブ2に対して上方に移動し、コイルバネ8を圧縮する。その結果、内部流路7の開口7aが流路5に露出し、流路5と内部流路7とが連通する第2の状態とされる。従って、真空採血管11内の圧力が静脈圧よりも低いため、血液が第1の中空針3、ハブ2内の流路5、弁部材6内の内部流路7及び第2の中空針4を経て真空採血管11に採取される。
なお、上記第2の中空針4が栓体12を刺通する際の抵抗を利用することなく、採血従事者が手指により力を加えて、第2の中空針4及び弁部材6をハブ2に対して上方に移動させ、第2の状態としてもよい。あるいは、採血従事者の手指による力と、上記刺通抵抗の双方を利用して第2の状態としてもよい。
採血に際しては、上記第2の状態を保ち、すなわち手指により力を加えて、コイルバネ8が圧縮され、流路5と内部流路7とが連通された状態を維持する。そして、真空採血管内の圧力と、静脈圧がほぼ等しくなると、血流が自動的に停止し、採血が終了する。この段階で、採血針1に加えていた力を解除し、すなわちコイルバネ8を圧縮する方向に作用させていた力を解除すればよい。その結果、コイルバネ8の弾発力により、弁部材6及び第2の中空針4が下方に押し下げられ、第1の状態に復帰する。すなわち、流路5と内部流路7との間が遮断されることになる。従って、誤って、真空採血管11内の圧力が、静脈圧よりも高くなったとしても、逆流を確実に防止することができる。
特に、上記逆流防止は、コイルバネ8の付勢力すなわち弾発力によるため、真空採血管11内の圧力と血管内の圧力との差圧に依存しない。よって、速やかにかつ確実に血流を遮断することができるため、誤って血液が真空採血管11から血管側に移動するおそれがない。よって、本実施形態によれば、安全性に優れ、かつ速やかに逆流を防止することを可能とする採血針1を提供することができる。
図3(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態の採血針を説明するための部分切欠正面断面図及び該採血針を用いた採血操作を説明するための部分切欠正面断面図である。
第2の実施形態の採血針21では、付勢手段として第1の実施形態で用いられたコイルバネ8に代えて、板バネ部材22,23が用いられている。その他の点については、第1の実施形態と同様であるため、同一部分については同一の参照番号を付することにより、第1の実施形態について行った説明を援用することとする。
板バネ部材22,23は、下端が弁部材6の上面6bに固定されており、上端が自由端とされている。板バネ部材22,23の先端は、ハブ2の内部空間の天面2dに当接されている。板バネ部材22,23は、例えば金属や硬質の合成樹脂からなり、弾力性を有する。また、図3(a)に示すように、板バネ部材22,23は、上方外側に向かって湾曲した形状を有する板状部材により構成されている。
板バネ部材22,23は、常時は、弁部材6を下方に付勢するように作用する。すなわち、図3(a)に示した状態において、弾発力により弁部材6を下方に付勢している。
第1の状態では、弁部材6の内部流路7の開口7aが、ハブ2の内側面2cに密着しており、従って内部流路7と流路5とが遮断されている。そして、第1の実施形態の場合と同様に、第2の中空針4及び弁部材6を上方に移動させるように外力を作用させると、板バネ部材22,23が圧縮され第2の状態とされる。この場合、板バネ部材22,23が
圧縮され、弁部材6の上面6bと、ハブ2の天面2dとの間の距離が短くなり、板バネ部材22,23が圧縮されることになる。
上記外力を解除と、板バネ部材22,23の弾発力、すなわち付勢力により弁部材6は、図3(a)に示した第1の状態に復帰する。
よって、本実施形態の採血針21を用いた場合においても、上記板バネ部材22,23の弾発力により第1の状態から第2の状態に速やかに復帰することになるため、採血終了後の逆流を確実にかつ速やかに防止することができる。
図4は、本発明の一実施形態の逆流防止構造を有するルアー針が固定される採血ホルダーを説明するための正面断面図である。
図4に示すルアー針31は、第1の実施形態の採血針1から第1の中空針3を取り除いた構造に相当する。従って、同一部分については同一の参照番号を付することによりその説明を省略する。
もっとも、ルアー針31では、ハブ2の下方に連なるように雄ねじ部32が設けられている。この雄ねじ部32は、採血ホルダー41にルアー針31を固定するために設けられている。採血ホルダー41は、円筒状の部材からなり、一端に開口41aを有する。開口41aは、真空採血管を挿入するために設けられている。開口41aとは反対側の端部41bは閉じられている。開口41aには、内周面に雌ねじが形成された貫通孔41cが設けられている。この貫通孔41cにルアー針31を第2の中空針4側から挿入し、雄ねじ部32をねじ込むことにより、ルアー針31を採血ホルダー41に固定することができる。
従って、上記ルアー針31を採血ホルダー41に固定した場合、ルアー針付きの採血ホルダーを構成することができる。このようなルアー針付きの採血ホルダーもまた、本発明の一実施態様である。
なお、図4では、上記ルアー針31と、採血ホルダー41とが別部材で構成されており、上記のように、雄ねじ部32を貫通孔41cの雌ねじにねじ込むことによりルアー針31が固定されていたが、図5(a)及び(b)に示す採血ホルダー51のように、ルアー針が採血ホルダーに一体化されていてもよい。なお、採血ホルダー51は、上記ルアー針31及び採血ホルダー41を一体化した構造に相当するため、同一部分については同一の参照番号を付することとする。
なお、上記ルアー針31や採血ホルダー51を用いて採血を行う場合には、別途用意した第1の中空針61(図5参照)を採血用中空針として取り付ければよい。例えば、図5(b)に示すように、第1の中空針61は、針先61aを有し、基部が筒状支持部61bに固定されている。この筒状支持部61bがホルダー51のハブ2の上端に固定されている。採血ホルダー51は、筒状部材からなり、下方に開いた開口51aを有する。開口51aから採血管が挿入される。また、図4及び図5に示したように、本発明に係る採血具の逆流防止構造は、採血針だけでなく、ルアー針や、ルアー針を有する採血ホルダーあるいはルアー針と採血ホルダーとが一体化された構造など様々な採血具に適用することができる。
また、本発明においては、第2の中空針が挿入される採血容器は、必ずしも真空採血管に限定されず、減圧されていない採血管であってもよく、様々な形状の容器であってもよい。
(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る採血針の正面図及び第1の状態にある採血針の部分切欠正面断面図。 本発明の第1の実施形態に係る採血針が第2の状態にあるときの要部を示す部分切欠正面断面図。 (a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る採血針の要部を示す部分切欠正面断面図及び第2の中空針を採血管の栓体に刺通する状態を示す部分切欠正面断面図。 本発明の第3の実施形態としてのルアー針を採血ホルダーに固定する工程を示す部分正面断面図。 (a)及び(b)は、本発明の第4の実施形態として、逆流防止構造が備えられた採血ホルダーを示す正面図及び該採血ホルダーに採血針を固定する工程を示す正面断面図。
符号の説明
1…採血針
2…ハブ(筒状体)
2a…第1の端部
2b…第2の端部
2c…内側面
2d…天面
3…第1の中空針
3a…基部
3b…針先
4…第2の中空針
4a…基部
4b…針先
5…流路
6…弁部材
6a…側面
6b…上面
7…内部流路
7a…開口
8…コイルバネ(付勢部材)
11…真空採血管
12…栓体
13…管状容器
21…採血針
22,23…板バネ部材(付勢手段)
31…ルアー針
32…雄ねじ部
41…採血ホルダー
41a…開口
41b…端部
41c…貫通孔
51…採血ホルダー
51a…開口
61…中空針
61a…針先
61b…筒状支持部

Claims (8)

  1. 採血具において血液の逆流を防止するための逆流防止構造であって、
    血液を採取するための第1の中空針が接続される第1の端部と、採血容器内に血液を導くための第2の中空針が接続される第2の端部とを有し、第1の端部から第2の端部に向かって延び、かつ血液が流れる流路を有する筒状体と、
    前記筒状体の流路内に収納されており、該流路と第2の中空針とを連通させる内部流路を有し、第2の中空針と固定された弁部材と、
    前記筒状体内に配置されており、前記弁部材及び第2の中空針を、前記筒状体の第1,第2の端部を結ぶ方向において、第2の端部側に付勢する付勢手段とを備え、
    前記弁部材及び前記付勢手段は、前記付勢手段の付勢力により前記弁部材が第2の端部側に位置されて、前記弁部材の内部流路が前記筒状体の流路と遮断されている第1の状態と、前記付勢手段の付勢力に逆らって前記弁部材及び第2の中空針を第1の端部側に移動させた際に、前記筒状体の流路が前記弁部材の内部流路に連通されている第2の状態とをとり得るように構成されていることを特徴とする、採血具の逆流防止構造。
  2. 前記弁部材の内部流路の一端が前記第2の中空針に連通され、前記内部流路の他端が、弁部材の側面に開口しており、前記第1の状態にあるときには、前記弁部材の側面の開口が前記筒状体の側面により液密的に閉じられており、前記第2の状態にあるときには、該開口が開いている、請求項1に記載の採血具の逆流防止構造。
  3. 前記付勢手段が、コイルバネである、請求項1または2に記載の採血具の逆流防止構造。
  4. 前記付勢手段が、板バネ状部材からなる、請求項1または2に記載の採血具の逆流防止構造。
  5. 採血に際し、採血容器内に血液を導くための中空針と、
    前記中空針の基部に固定されたハブとを備えるルアー針であって、前記ハブ及び中空針が請求項1〜4のいずれか1項に記載の採血具の逆流防止構造により構成されているルアー針。
  6. 血液を採取するための中空針と、該中空針の基部に接続されたハブと、該ハブに接続されており、採血容器に血液を導くために用いられる中空針とを備える採血針であって、前記ハブ及び採血容器に血液を導くために用いられる中空針が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の採血具の逆流防止構造により構成されている、採血針。
  7. 一端側に採血管を挿入するための開口が形成されており他端側が閉じられている筒状のホルダー本体と、
    ホルダー本体の他端側に設けられたハブと、
    前記ハブに一端が固定されており、採血容器に血液を導くために用いられる中空針とを有する採血ホルダーであって、上記ハブ及び採血容器に血液を導くために用いられる中空針が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の採血具の逆流防止構造により構成されている採血ホルダー。
  8. 前記ハブに一端が固定されており、他端がホルダー外に延ばされた血液採取用中空針をさらに備え、該血液採取用中空針が前記筒状体の第1の端部側に連結されている請求項7に記載の採血ホルダー。
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