JP2005323652A - 細胞吸着材の照射滅菌方法および照射滅菌された細胞吸着材 - Google Patents

細胞吸着材の照射滅菌方法および照射滅菌された細胞吸着材 Download PDF

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Abstract

【課題】滅菌後においても抗体の機能を維持できる細胞吸着材の照射滅菌方法および照射滅菌方法された細胞吸着材を提供すること。
【解決手段】水不溶性担体の表面に細胞の表面抗原に対する抗体が共有結合された細胞吸着材の照射滅菌方法であって、該細胞吸着材を、アスコルビン酸塩を5mM〜2Mの濃度で含み、pHが3.0〜11、エンドトキシン濃度が0.5EU/ml以下、且つ浸透圧比が0.5〜12である水性溶液で浸漬又は湿潤化し、放射線により照射滅菌することを特徴とする。

Description

本発明は、血液中の細胞を特異的あるいは選択的に吸着除去する細胞吸着材の滅菌方法に関するものである。さらに詳しくは、放射線、pHや熱等に対して不安定な抗体を担体に固定した細胞吸着材を滅菌する際に、抗体の機能を損なわずに安定して滅菌できる方法に関する。
近年、多発性硬化症,重症筋無力症,ギランバレー症候群等の神経免疫疾患の治療法として血液中の特定の細胞を吸着除去する技術の研究が行われ始めており、その治療器として特異的細胞吸着器が開発されつつある。この特異的細胞吸着器には、特定の細胞に親和性を有する抗体を表面に固定した材料(細胞吸着材)が充填されており、様々な細胞親和性抗体を固定した材料が研究されている。
これらの抗体は、そのアミノ酸配列や三次元構造の違い等によって、目的細胞の表面分子を認識して結合するものであるが、細胞認識が極めて特異的あるいは選択的であるゆえ、抗体に僅かな構造変化が生じてもその機能が損なわれてしまうほど繊細なものである。このように、細胞親和性抗体は化学的には決して安定なものではないが、特異的細胞吸着器を医療機器として用いる以上は滅菌する必要があり、その際に、熱や放射線の作用で抗体が分解あるいは変性する等、滅菌安定性に問題があった。
抗体から高分子材料を含め、いわゆる医療材料の滅菌安定性を改善する試みはこれまで数多くなされており、有機化合物や無機化合物からなる酸化防止剤、単糖類、オリゴ糖、アミノ酸、グリコールなどのラジカル捕捉剤、親水性合成ポリマー、多糖類、アルブミンなどの高次構造安定化剤を共存させる方法等が知られている。
例えば、特許文献1では、放射線に対して不安定な蛋白質、ペプチド、アミノ酸等で構成される体液処理装置にピロ亜硫酸ナトリウム、L‐アスコルビン酸等の抗酸化剤を含浸させた状態で放射線滅菌することで体液処理装置の損傷を大幅に低減させることが開示されている。しかし、本発明のような抗体を固定した細胞吸着材に対してはピロ亜硫酸ナトリウムを含浸させた状態でも放射線滅菌後に抗体リガンドの機能を維持できなかった。また、L−アスコルビン酸においては、特許文献1に記載の条件だけでは抗体が照射滅菌により変性してしまい、安定して滅菌することができなかった。
また、特許文献2では、生物学的物質を滅菌する際に、ラジカルスカベンジャーとしてアスコルビン酸、グリシングリシン等を共存させて生物学的物質を滅菌する方法が開示されている。しかしながら特許文献2においてはL−アスコルビン酸を用いて細胞吸着器を照射滅菌する詳細な検討はなされておらず、特許文献2に記載の条件だけでは抗体が照射滅菌により変性してしまい、安定して滅菌することができなかった。
本発明の細胞と親和性を有する抗体を固定した細胞吸着材においては、抗体に比して結合する細胞がかなり大きいことから、抗体の微細な三次元構造が変化するだけで細胞の表面分子を認識する機能が失われてしまう。このように、不安定な医療材料を照射滅菌する技術は数多く知られているが、抗体を固定した細胞吸着器の様なより繊細で不安定な治療器の照射滅菌方法としては、未だ満足できる技術はなかった。
特開平9−220281号公報 米国US2003/0012687A1公報
本発明は、上記の課題を解決するためのものであり、滅菌後においても抗体の機能を維持できる細胞吸着材の照射滅菌方法および照射滅菌方法された細胞吸着材を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため、アスコルビン酸塩を用い、抗体のような繊細で不安定な物質を固定した細胞吸着材であっても、抗体を変性させず、安定して滅菌できるようにすることを目的に鋭意研究した結果、アスコルビン酸塩の濃度、pH、エンドトキシン濃度、浸透圧比がある特定の範囲にあるときのみ、抗体を変性させず、安定して照射滅菌できることを見出し、本発明を得るに至った。
即ち本発明は以下を含む。
(1)水不溶性担体の表面に細胞の表面抗原に対する抗体が共有結合された細胞吸着材の照射滅菌方法であって、該細胞吸着材を、アスコルビン酸塩を5mM〜2Mの濃度で含み、pHが3.0〜11、エンドトキシン濃度が0.5EU/ml以下、且つ浸透圧比が0.5〜12である水性溶液で浸漬又は湿潤化し、放射線により照射滅菌することを特徴とする細胞吸着材の照射滅菌方法。
(2)細胞吸着材が入口と出口を有する細胞吸着器に充填されている上記(1)に記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
(3)抗体が血液中の白血球の表面抗原に対する抗体である上記(1)又は(2)に記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
(4)抗体が細胞性免疫に関与する細胞の表面抗原に対する抗体である上記(1)〜(3)の何れかに記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
(5)抗体がヘルパーT細胞の表面抗原に対する抗体である上記(1)〜(4)の何れかに記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
(6)抗体が抗ヒトCD4抗体である上記(1)〜(5)の何れかに記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
(7)水不溶性担体の表面への共有結合が、抗体のFc部分でなされている上記(1)〜(6)の何れかに記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
(8)水性溶液の酸素濃度が、20ppm未満である上記(1)〜(7)の何れかに記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
(9)照射滅菌時の細胞吸着材の温度が、−80〜60℃である上記(1)〜(8)の何れかに記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
(10)水性溶液に芳香族アルコール及び/またはパラベンを含有する上記(1)〜(9)の何れかに記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
(11)上記(1)〜(10)の何れかに記載の照射滅菌方法により滅菌された細胞吸着材。
(12)上記(1)〜(10)の何れかに記載の照射滅菌方法により滅菌された細胞吸着材が充填された細胞吸着器。
本発明のように、アスコルビン酸塩の濃度、pH、エンドトキシン濃度、浸透圧比をそれぞれ特定範囲に調整した水性溶液により、細胞吸着器に含まれる細胞吸着材を浸漬又は湿潤化して滅菌すると、細胞吸着剤に共有結合した抗体を変性させず安定して滅菌できる。その結果、滅菌後においても抗体の機能を維持し、優れた分離機能を有する細胞吸着器を提供することができた。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明でいう細胞吸着器とは、水不溶性担体の表面に細胞の表面抗原に対する抗体が共有結合された細胞吸着材が入口と出口を有する容器に充填されてなる。容器の入口から被処理液を導入し、細胞吸着材に接触させた後に出口から処理された液を回収することによって、目的細胞が吸着された処理後の液が得られる。また、本発明は、被処理液を容器内に導入し、細胞吸着材に接触させた後に細胞吸着材に吸着された目的細胞を分離回収して、処理液中から目的とする細胞のみを得る場合にも有効に用いられる。
本発明の被処理液は、吸着除去または回収を目的とする細胞を含んだ血液や骨髄液あるいは臍帯血のことであり、血液においては全血の他に、リンパ球浮遊液、単核球浮遊液、バフィーコート等の細胞分離処理を施した細胞浮遊液も含まれる。目的とする細胞とは、好ましくは白血球、リンパ球、顆粒球、単球、造血幹細胞等の血液細胞が挙げられ、免疫性疾患等の治療に用いられる場合には、細胞性免疫に関与する細胞、好ましくはヘルパーT細胞が挙げられる。
本発明でいう水不溶性担体とは、抗体を安定に固定できるものであれば特に限定なく様々なものを用いることができる。具体的には、多孔質体、平膜、不織布、織布、粒子等を例示できるが、細胞の選択的除去という観点から、多孔質体、不織布、粒子が好ましく、不織布が最も好ましい。
前記の水不溶性担体の材質は、抗体を安定に固定でき、かつ細胞と効率的に接触できる素材であれば特に限定はしない。様々な形状に加工でき、リガンドを直接または間接的に化学結合でき、且つ医療材料として安全に用いることができる固体であれば何れのものでもよい。例えば、ガラス・カオリナイト・ベントナイトなどの無機材料、セルロース・デキストラン・キチン・キトサン・デンプン・アガロース・コラーゲン・蛋白質・天然ゴムなどの天然ポリマー、ポリスチレン・ポリアミド・ポリエステル・ポリエチレン・ポリウレタン・ポリビニルアルコール・エチレンビニルアルコール共重合体・ポリメタクリル酸エステル・ポリ塩化ビニル・ポリアミノ酸などの合成ポリマー、活性炭等が挙げられ、次に述べる形状に適した素材を適宜選択すればよい。
水不溶性担体の形状としては、目的細胞との接触頻度を高めるために表面積が大きいものであれば何れの形状でもよく、例えば繊維状・綿状・布状・糸状・中空糸状・束状・不織布状等の繊維構造体、スポンジ等の高分子多孔質体、ビーズ状・ゲル状等の形状が挙げられる。特に、血液細胞を分離、或いは吸着する場合、吸着効率の点より、織布や不織布が好ましく用いられ、担体の構造制御がしやすいという点から不織布が最も好ましい。
ここで、不織布について具体的に示すと、不織布を構成する繊維の材質としては、セルロース、ポリエステル、ポリプロピレン等の繊維が強度や加工性、安全性の点から好ましく用いられる。不織布担体の構造は、例えば、これを構成する繊維の平均繊維直径を適宜選択することで制御することができ、例示すると、平均繊維直径が2.5μm以上50μm未満の繊維からなる不織布を良好に用いることができる。平均繊維直径が2.5μm未満であると、不織布の目が細かくなる傾向があり、目的細胞以外の細胞を物理的に捕捉する非特異的細胞吸着が起こるため好ましくない。一方、50μm以上の場合、目が粗くなる傾向があり、目的細胞との接触頻度が著しく低下して吸着効率が下がるので好ましくない。
また、本発明でいう表面とは細胞が接触する担体上の全ての領域を指す。例えば、担体が繊維状の場合は繊維の外周面のことであり、多孔質体の場合は多孔部を含む全表面のことをいう。
本発明でいう抗体とは、目的細胞と特異的あるいは選択的に結合する物質のことをいう。抗体の種類としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体等のホール抗体あるいはこれら抗体の断片または抗体の断片を用いた組換え抗体が挙げられるが、前者は細胞親和性が優れている点で好ましく、後者は、体外循環の際に体内に混入することが万一生じても免疫原性が低い点で好ましい。さらに好ましくは、目的細胞への選択性がきわめて高いモノクローナル抗体あるいはその一部を用いた組み換え抗体である。
上記の抗体をその機能により例示すると、抗CD4,抗CD8,抗CD3,抗CD2,抗TCR−Vβ,抗CD1a,抗CD1b,抗CD5,抗CD3R、抗CD6,抗CD7,抗CD9,抗CD10,抗CD11a,抗CD18,抗CD19,抗CD20,抗CD21,抗CD22,抗CD23,抗CD24,抗CD28、抗CD37,抗CD40,抗CD72,抗CD77,抗CD16,抗CD32,抗CD33,抗CD34,抗CD35,抗CD45RO、抗CD64,抗CD65,抗CDw65,抗CD66b,抗CD66e,抗CD89,抗CDw90,抗CD56,抗CD57,抗CD94,抗CD105,抗CD106,抗CD46,抗CD31,抗CDw36,抗CD41,抗CD42a、抗CD42b、抗CD63,抗CD11a,抗CD11b,抗CD11c,抗CD18,抗CD29,抗CD44,抗CD45,抗CD48,抗CD49a,抗CD49b,抗CD49c,抗CD49d,抗CD49e,抗CD49f,抗CD50,抗CD51,抗CD54,抗CD58,抗CD61,抗CD62E,抗CD62L,抗CD62P,抗CD103,抗CD26,抗CD30,抗CD69,抗CD70,抗CD71,抗CD95,抗CD96、抗CD25,抗CD117,抗CD122,抗CDw124,抗CD126,抗CD127,抗IL−2R、抗CD69、抗CD40L、抗CD152、抗CD178、抗CD183、抗CD184、抗CD195、抗CDw197、抗CD226等の抗体が挙げられるが、神経免疫疾患の治療に用いられる場合は、細胞性免疫に関与する細胞の表面抗原に対する抗体である抗CD2抗体,抗CD3抗体,抗CD4抗体が好ましく用いられる。中でも細胞性免疫の中枢機能を有するヘルパーT細胞の表面抗原に対する抗CD4抗体が最も好ましく用いられる。
本発明の細胞吸着材は、前に例示した抗体の何れかを担体に固定したものであるが、一度に除去したい細胞が複数種類ある場合は、その種類に応じて複数種類の抗体を固定しても良い。
抗体の固定状態としては抗体が担体表面に直接結合していてもよいし、活性基を介して結合していてもよい。抗体の固定部位としては、固定後も抗体が細胞親和性を維持できる状態であればどのような部位であってもよいが、より安定した細胞親和力を維持する点から抗体のFc部分であることが好ましい。
また、抗体の固定は抗体流出を抑制する点から共有結合が用いられる。固定時の結合方法は、抗体の活性を維持できる方法であれば公知のいずれの反応でも用いることができ、例えば、置換反応、縮合反応、開環反応等を用いて良好に実施できる。
本発明における細胞吸着材の抗体固定量は、吸着する細胞の数や抗体の特異性、親和力によって異なるが、細胞との接触効率の点から、担体の単位表面積当り0.7mg/m以上固定されていることが好ましい。また、ある一定量以上の抗体が固定されると抗体に吸着した細胞同士の距離が近すぎ、抗体が有効に使用されない可能性がある為、0.7〜5.0mg/mが好ましく、最も好ましくは0.7〜3.0mg/mの時に抗体が効率的に使用される。
本発明で用いる担体表面に抗体を固定するための活性基は、抗体と担体とを共有結合できる構造であれば公知のいずれの官能基であっても良い。例えば、N−ヒドロキシメチルハロアセトアミド、N−ヒドロキシメチルジハロアセトアミド等を用いて担体表面を活性化したα−アセトアミノハロゲン基、N−ヒドロキシメチルジハロプロピオンアミド等を用いて担体表面を活性化したα,β−プロピオンアミノハロゲン基、N−ヒドロキシメチルジハロアセトアミド等を用いて担体表面を活性化したα,α−アセトアミノジハロゲン基、N−ヒドロキシメチルトリハロアセトアミド等を用いて担体表面を活性化したα,α,α−アセトアミノトリハロゲン基等のハロアセトアミノアルカン化剤を用いた活性基、エピクロロヒドリン等を用いて担体を活性化したエポキシ基等が挙げられる。他に、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、ビニル基、ブロモシアンによる活性基等も挙げられるがこれらに限定されるものではない。本発明においては、抗体の機能を維持したまま穏和な条件で反応できる点より、ハロアセトアミノアルカン化剤を用いた活性基が良好に用いられる。
また、前記活性基の担体当りの導入量は、抗体固定量に影響する為、0.6nmol/m以上が好ましいが、ある一定以上の導入量になると抗体固定時に抗体密度が増加して有効利用されないため0.6〜30nmol/mが好ましく、0.6〜10nmol/mの時に最も安定した抗体固定が可能となる。
このような細胞吸着材は、被処理液の入口と処理された液の出口とを有する容器に公知の方法によって充填した後、照射滅菌後も抗体の機能を維持する為に滅菌保護液で浸漬又は湿潤化する方法が用いられる。
ここでいう滅菌保護液とは、アスコルビン酸塩を5mM〜2Mの濃度で含み、pHが3.0〜11であり、エンドトキシン濃度が0.5EU/mL以下、且つ浸透圧比が0.5〜12である水性溶液をいい、抗体のような繊細で不安定な物質を照射滅菌する際には前記条件をいずれか一つでも満足しない場合は、細胞吸着材の細胞吸着性能が著しく低下する。
溶解度の理由から、アスコルビン酸塩の最適濃度は5mM〜2Mである必要があり、5mM未満の場合、担体表面に共有結合された抗体の近傍に存在するアスコルビン酸塩濃度が低い為、照射滅菌後に抗体の機能を維持できない。また、2Mを超えるとアスコルビン酸塩の溶解度の上限を超えてしまう為に使用できない。さらに安全性の点から5mM〜20mMが好ましく、医療機器として用いられる際はプライミング時の置換性の点から5mM〜10mMが最も好ましく用いられる。
また、抗体のコンフォメーションを維持するために水性溶液のpHは3.0〜11の範囲である必要があり、抗体に対してより穏和な条件としては4.5〜9.0が好ましく、さらに抗体が安定する5.6〜7.4の範囲が最も好ましい。
さらに、抗体、細胞へのダメージひいては細胞の吸着性能の観点から、また本発明の細胞吸着器を医療機器として用いる際には、安全性の面から、滅菌保護液中のエンドトキシン濃度は0.5EU/ml以下であることが必要である。より安全性を高める点で、好ましくは0.25EU/ml以下さらには0.1EU/ml以下が最もこのましく用いられる。
さらに、同様の観点から水性溶液の浸透圧比は0.5〜12であることが必要であり、細胞、抗体の変性を低減するには1.0〜10が好ましく、体液と接触する医療機器等に用いられる場合、1.0〜5.0の時に最も好ましく用いられる。ここでいう浸透圧比とは、浸透圧計(OSA-21日機装株式会社製)を用いて測定した、生理食塩液の浸透圧に対する滅菌保護液の浸透圧の比のことをいう。例えば、電解質塩やその他水溶性成分を用いて適宜調整することができる。
本発明でいうアスコルビン酸塩とは、アスコルビン酸でもよいし、アスコルビン酸とアルカリ性物質等の反応により生成するアスコルビン酸塩でもよい。アスコルビン酸塩は、抗体が担体表面に共有結合された細胞吸着材を照射滅菌する際に抗体を安定に保持するものである。その作用機構は推定ではあるが、滅菌時に発生するラジカルを、アスコルビン酸塩がラジカルスカベンジャーとなってトラップし、抗体の酸化、変性、切断等の影響を防ぐものと思われる。しかしながら、アスコルビン酸塩であっても前記したように、担体表面に共有結合された抗体を変性させず、高い細胞吸着性能を発揮させ、高い吸着選択性を維持するためには、アスコルビン酸塩の濃度、pH、エンドトキシン濃度、浸透圧比を上記範囲内にする必要性があることを本発明者らは見出したのである。
また、アスコルビン酸は中性下では酸素による酸化が促進され、容易に分解する。このような理由から、水性溶液中の酸素濃度は低い方が好ましく、より好ましくは一般的な水道水に含まれる酸素濃度である20ppmよりも低い水性溶液を用いることが好ましい。
このような低酸素濃度の水性溶液は、例えば、減圧脱気する或いは亜硫酸塩を添加する等の公知の方法により調整すればよい。
さらに、アスコルビン酸塩と同様にラジカルスカベンジャー機能を有する芳香族アルコールやパラベンのような補助剤が滅菌保護液に含まれている時に、より高い滅菌保護効果が得られる。
前記水性溶液とは水と溶け合う溶液のことをいい、例えば、エタノール等のアルコールを用いることもできるが、抗体を変性させない観点から水系の溶液が最も好ましく用いられる。また、医療機器として用いられる場合には、使用前に生理食塩液にて置換され易い溶液であることが望ましい。例えば、蒸留水、リンゲル液等の輸液、生理食塩液やリン酸緩衝液等の水溶液が用いられるが、細胞への影響が少ないという観点から、生理食塩液あるいはリン酸緩衝液が好ましく、pHの安定性からリン酸緩衝液が最も好ましい。
本発明の照射滅菌は、細胞吸着材を滅菌保護液で浸漬又は湿潤化して行う。そのためには、滅菌保護液を細胞吸着材に通液した後、滅菌保護液をそのまま細胞吸着器に封入してもよいし、細胞吸着器の入口もしくは出口から液が垂れない程度にエアー等でフラッシュして「湿潤状態」または「ハーフウェット状態」としても良い。
本発明でいう照射滅菌とは、粒子線や電磁波等の放射線による滅菌のことをいう。例えば、コバルト60等を線源とした10〜50kGyのγ線による照射滅菌をいう。医療機器の滅菌としては滅菌効率等製造上の理由、ならびに、抗体安定性の理由から、より低い温度で滅菌可能であるX線やγ線等の放射線滅菌がより好ましく用いられ、γ線照射滅菌が最も好ましい。
本発明における照射滅菌時の細胞吸着器の温度は、抗体やアスコルビン酸塩が変性されにくい−80〜60℃の範囲が好ましく、より抗体が安定する−80〜10℃の範囲が好ましいが、滅菌時の温度制御の理由から、−10〜10℃が最も好ましい。
以上の方法によって処理された細胞吸着器は、照射滅菌によって抗体の機能が損なわれることがないので、体外循環や、G−CSF(顆粒球コロニー刺激因子)等の造血因子を投与した末梢血等についても良好に用いる事が出来る。勿論、必要に応じて抗凝固剤や血液保存液等を加えても何らその機能が損なわれることなく、良好に用いることができる。
本発明を実施例に基づいて説明する。
〔活性化不織布の作成〕
ガラス製のフラスコにN‐ヒドロキシメチルヨードアセトアミド0.6g、濃硫酸5.7ml及びニトロベンゼン7.2mlを加えて常温にて撹拌溶解し、更にパラホルムアルデヒド0.036gを加え、撹拌した.これにポリプロピレンからなる不織布(平均繊維直径3.5μm)0.3gを入れ常温にて24時間遮光反応した。24時間反応後不織布を取り出し,エタノール及び純水にて洗浄し、これを真空乾燥して活性化不織布を得た。
この活性化不織布を直径0.68cmの円に切断したもの4枚を、カルシウム、マグネシウムを含まないリン酸緩衝液(以下PBS(−))に溶解した抗ヒトCD4モノクローナル抗体液(以下抗ヒトCD4液)400μL(16μg/400μL)に常温で2.5時間浸し、モノクローナル抗体(以下抗体)を固定後、PBS(−)2mlで洗浄した.次に0.2%ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート/PBS(−)溶液(以下Tween20溶液)を加え常温で2.5時間浸漬した後、PBS(−)2mlで洗浄し、目的の細胞吸着材を得た。
入口と出口を有する容量1mlの容器に上記細胞吸着材4枚と、滅菌保護液としてエンドトキシン濃度0.020EU/mL、pH=7.0、浸透圧比1.0である10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液(分子量176)を充填し細胞吸着器を作成した。この細胞吸着器に25kGyのγ線を照射して滅菌した。
〔細胞吸着性の評価〕
ACD−A添加ヒト新鮮血液4.0ml(血液:ACD−A=8:1)をシリンジポンプにて細胞吸着器の入口より流速1.0ml/minで送液し、カラム出口より処理後の血液を回収した。
このときのCD4(+)細胞の吸着率を、フローサイトメーター(COULTER EPICS ELITE ESP ASSYNO.66056078)を用いてフローサイトメトリー法で測定したところCD4(+)細胞の吸着率は94%であった。またこのときCD8(+)細胞の吸着率は23%、Bリンパ球の吸着率は24%、血小板の吸着率は16%であり、CD4(+)細胞を特異的に吸着できた。
比較例1
充填液として10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりに、2.5mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用い、浸透圧比を0.9とした以外は実施例1と同一条件に揃えて同様の実験を行なった。
このときのCD4(+)細胞の吸着率は40%であった。またこのときCD8(+)細胞の吸着率は14%、Bリンパ球の吸着率は17%、血小板の吸着率は0.5%であり、CD4(+)細胞を特異的に吸着できなかった。
充填液として10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりに、1.42Mアスコルビン酸PBS(−)溶液を用い、浸透圧比を8.2とした以外は実施例1と同一条件に揃えて同様の実験を行なった。
このときのCD4(+)細胞の吸着率は90%であった。またこのときCD8(+)細胞の吸着率は11%、Bリンパ球の吸着率は38%、血小板の吸着率は21%であり、CD4(+)細胞を特異的に吸着できた。
比較例2
充填液として10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりに、5.0Mアスコルビン酸PBS(−)溶液を用い、浸透圧比を29とした以外は実施例1と同一条件に揃えて同様の実験を行なった。
このときのCD4(+)細胞の吸着率は41%であった。またこのときCD8(+)細胞の吸着率は20%、Bリンパ球の吸着率は17%、血小板の吸着率は5.0%であり、CD4(+)細胞を特異的に吸着できなかった。
充填液としてpH=7.0である10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりに、pH=4.6の10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用い、浸透圧比を1.1とした以外は実施例1と同一条件に揃えて同様の実験を行なった。
このときのCD4(+)細胞の吸着率は89%であった。またこのときCD8(+)細胞の吸着率は29%、Bリンパ球の吸着率は36%、血小板の吸着率は8.0%であり、CD4(+)細胞を特異的に吸着できた。
比較例3
充填液としてpH=7.0である10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりに、pH=2.0である10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用い、浸透圧比を1.2とした以外は実施例1と同一条件に揃えて同様の実験を行った。
このときのCD4(+)細胞の吸着率は7.9%であった。またこのときCD8(+)細胞の吸着率は9.0%、Bリンパ球の吸着率は40%、血小板の吸着率は0.1%であり、CD4(+)細胞を特異的に吸着できなかった。
充填液としてpH=7.0である10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりに、pH=9.0の10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用い、浸透圧比を1.1とした以外は実施例1と同一条件に揃えて同様の実験を行った。
このときのCD4(+)細胞の吸着率は91%であった。またこのときCD8(+)細胞の吸着率は23%、Bリンパ球の吸着率は29%、血小板の吸着率は8.0%であり、CD4(+)細胞を特異的に吸着できた。
比較例4
充填液としてpH=7.0である10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりに、pH=12である10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用い、浸透圧比を1.3とした以外は実施例1と同一条件に揃えて同様の実験を行った。
このときのCD4(+)細胞の吸着率は12%であった。またこのときCD8(+)細胞の吸着率は9.0%、Bリンパ球の吸着率は37%、血小板の吸着率は5.0%であり、CD4(+)細胞を特異的に吸着できなかった。
比較例5
充填液としてエンドトキシン濃度が0.020EU/mlである10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりに、エンドトキシン濃度が1.0EU/mLである10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用い、浸透圧比を1.1とした以外は実施例1と同一条件に揃えて同様の実験を行なった。
このときのCD4(+)細胞の吸着率は23%であった。またこのときCD8(+)細胞の吸着率は25%、Bリンパ球の吸着率は34%、血小板の吸着率は57%であり、CD4(+)細胞を特異的に吸着できなかった。
比較例6
充填液として浸透圧比1.0である10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりに浸透圧比が0.1である10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いた以外pH、エンドトキシン濃度は実施例1と同一条件で同様の実験を行った。
このときのCD4(+)細胞の吸着率は15%であった。またこのときCD8(+)細胞の吸着率は20%、Bリンパ球の吸着率は35%、血小板の吸着率は0.0%であり、CD4(+)細胞を特異的に吸着できなかった。
充填液として浸透圧比1.0である10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりに浸透圧比12である10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いた以外はpH、エンドトキシン濃度は実施例1と同一条件で同様の実験を行った。
このときのCD4(+)細胞の吸着率は94%であった。またこのときCD8(+)細胞の吸着率は10%、Bリンパ球の吸着率は22%、血小板の吸着率は20%であり、CD4(+)細胞を特異的に吸着できた。
比較例7
充填液として浸透圧比1.0である10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりに浸透圧比が20である10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いた以外はpH、エンドトキシン濃度は実施例1と同一条件で同様の実験を行った。
このときのCD4(+)細胞の吸着率は30%であった。またこのときCD8(+)細
以上の実施例1〜5と比較例1〜7の結果を表1にまとめた。
Figure 2005323652
表1から次のことが明らかである。
実施例1、2と比較例1,2との比較から、滅菌保護液のアスコルビン酸濃度が5mM〜2Mの範囲内であればCD4(+)細胞を特異的に吸着できるのに対して、その範囲外であるときはCD4(+)細胞を特異的に吸着できないことが分かる。
また、実施例1〜5と比較例3、4の対比から、滅菌保護液のpHが3〜11の範囲内であれば、CD4(+)細胞を特異的に吸着できるのに対して、その範囲外であるときはCD4(+)細胞を特異的に吸着できない。
さらに、実施例1〜5と比較例5との対比から、滅菌保護液のエンドトキシン濃度が0.5EU/ml以下であれば、CD4(+)細胞を特異的に吸着できるのに対して、それ以上であるときはCD4(+)細胞を特異的に吸着できない。
さらにまた、実施例1〜5と比較例2、7との対比から、滅菌保護液の浸透圧比が0.5〜12であればCD4(+)細胞を特異的に吸着できるのに対して、その範囲外であるときはCD4(+)細胞を特異的に吸着できない。
比較例8
充填液として10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりに7.5mMピロ亜硫酸ナトリウムを用いた以外はpH、エンドトキシン濃度は実施例1と同一条件で同様の実験を行った。
このときのCD4(+)細胞の吸着率は3.6%であった。またこのときCD8(+)細胞の吸着率は8.0%、Bリンパ球の吸着率は23%、血小板の吸着率は19%であり、CD4(+)細胞を特異的に吸着できなかった。
この結果を実施例1の結果とともに表2に示す。
Figure 2005323652
以上の結果から、細胞吸着材を、アスコルビン酸塩を5mM〜2Mの濃度で含み、pHが3.0〜11、エンドトキシン濃度が0.5EU/ml以下、且つ浸透圧比が0.5〜12である水性溶液で保護して照射滅菌する場合には、その表面に結合したCD4抗体の機能がよく保持されていることが分かる。
抗体として抗ヒトCD4モノクローナル抗体液(以下抗ヒトCD4液)を用いる代わりに、抗ヒトCD14抗体液を用いた以外は実施例1と同一条件に揃えて同様の実験を行なった。
このときのCD14(+)細胞の吸着率は83.4%であった。またこのとき顆粒球の吸着率は7.2%、血小板の吸着率は0.0%でありCD14(+)細胞を特異的に吸着できた。
比較例9
抗体として抗ヒトCD4モノクローナル抗体液(以下抗ヒトCD4液)を用いる代わりに、抗ヒトCD14抗体液を用いたことと、充填液として10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりにPBS(−)溶液を用いた以外は実施例1と同一条件に揃えて同様の実験を行なった。
このときのCD14(+)細胞の吸着率は10.8%であった。またこのとき顆粒球の吸着率は1.7%、血小板の吸着率は43.3%でありCD14(+)細胞を特異的に吸着できなかった。
抗体として抗ヒトCD4モノクローナル抗体液(以下抗ヒトCD4液)を用いる代わりに、抗ヒトCD25抗体液を用いた以外は実施例1と同一条件に揃えて同様の実験を行なった。
ことのときのCD25(+)細胞の吸着率は85.0%であった。またこのとき顆粒球の吸着率は5.8%、血小板の吸着率は5.7%でありCD25(+)細胞を特異的に吸着できた。
比較例10
抗体として抗ヒトCD4モノクローナル抗体液(以下抗ヒトCD4液)を用いる代わりに、抗ヒトCD25抗体液を用いたことと、充填液として10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりにPBS(−)溶液を用いた以外は実施例1と同一条件に揃えて同様の実験を行なった。
ことのときのCD25(+)細胞の吸着率は21.8%であった。またこのとき顆粒球の吸着率は4.6%、血小板の吸着率は0.5%でありCD25(+)細胞を特異的に吸着できなかった。
実施例6〜7と比較例9〜10の結果を表3にまとめた。
Figure 2005323652
充填液として10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液を用いる代わりに10mMアスコルビン酸PBS(−)溶液にベンジルアルコールを1mM含む溶液を用いた以外は実施例1と同一条件に揃えて同様の実験を行なった。
このときのCD4(+)細胞吸着率は、99.0%であった。またこのときCD8(+)細胞の吸着率は30%、Bリンパ球の吸着率は30%、血小板の吸着率は23%であり、CD4(+)細胞を特異的に吸着できた。
Figure 2005323652
産業上の利用の可能性
本発明によれば、細胞吸着材に共有結合した不安定な抗体の機能を損なわずに滅菌できるため、滅菌後も優れた細胞分離性能を発揮する細胞吸着器の提供が可能となる。このように、化学的に不安定な医療材料の滅菌方法としての有用性を有している。

Claims (12)

  1. 水不溶性担体の表面に細胞の表面抗原に対する抗体が共有結合された細胞吸着材の照射滅菌方法であって、該細胞吸着材を、アスコルビン酸塩を5mM〜2Mの濃度で含み、pHが3.0〜11、エンドトキシン濃度が0.5EU/ml以下、且つ浸透圧比が0.5〜12である水性溶液で浸漬又は湿潤化し、放射線により照射滅菌することを特徴とする細胞吸着材の照射滅菌方法。
  2. 細胞吸着材が入口と出口を有する細胞吸着器に充填されている請求項1に記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
  3. 抗体が血液中の白血球の表面抗原に対する抗体である請求項1又は2に記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
  4. 抗体が細胞性免疫に関与する細胞の表面抗原に対する抗体である請求項1〜3の何れかに記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
  5. 抗体がヘルパーT細胞の表面抗原に対する抗体である請求項1〜4の何れかに記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
  6. 抗体が抗ヒトCD4抗体である請求項1〜5の何れかに記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
  7. 水不溶性担体の表面への共有結合が、抗体のFc部分でなされている請求項1〜6の何れかに記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
  8. 水性溶液の酸素濃度が、20ppm未満である請求項1〜7の何れかに記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
  9. 照射滅菌時の細胞吸着材の温度が、−80〜60℃である請求項1〜8の何れかに記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
  10. 水性溶液に芳香族アルコール及び/またはパラベンを含有する請求項1〜9の何れかに記載の細胞吸着材の照射滅菌方法。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載の照射滅菌方法により滅菌された細胞吸着材。
  12. 請求項1〜10の何れかに記載の照射滅菌方法により滅菌された細胞吸着材が充填された細胞吸着器。
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