JPH0623042A - 血液浄化吸着材および血液浄化方法 - Google Patents

血液浄化吸着材および血液浄化方法

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JPH0623042A
JPH0623042A JP3276599A JP27659991A JPH0623042A JP H0623042 A JPH0623042 A JP H0623042A JP 3276599 A JP3276599 A JP 3276599A JP 27659991 A JP27659991 A JP 27659991A JP H0623042 A JPH0623042 A JP H0623042A
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blood
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antibody
adsorption
adsorbent
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JP3276599A
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Kazunori Inamori
和紀 稲森
Hideyuki Yokota
英之 横田
Masakazu Tanaka
昌和 田中
Busaku Kin
武祚 金
Masaru Fujiki
優 藤木
Yutaka Ogasawara
豊 小笠原
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Toyobo Co Ltd
Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Taiyo Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血液適合性を有し、血中の特定成分を選択
的、簡便かつ効果的に吸着することのできる吸着能と吸
着特異性を備えた血液浄化材を提供する。 【構成】 水不溶性担体に親水性スペーサーとして重合
度100から500のポリアルキレンオキサイドを導入
し、このリガンドーとしてのスペーサーを介して鶏卵抗
体を固定することにより血中の特定有害成分を除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血液または血漿中の特定
の有害成分を選択的に吸着除去し、自己免疫疾患、免疫
関連疾患、癌、高脂血症などの治療を行なう場合、およ
び輸血用血液等の浄化を行なう上で有用な血液浄化吸着
材およびこれを利用する血液浄化方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】免疫不全、腫瘍、高脂血症などの治療に
は従来血漿交換療法が有効とされ広く実施されている。
しかしこの療法では血漿をすべて交換するため、(1)
不要成分だけでなく必要な成分までも除去されてしまう
こと、(2)除去した血漿に替えて体内に補充される血
漿あるいは血漿製剤が不足しているため大量かつ持続的
な入手が困難である、(3)血清肝炎やアレルギーさら
にはAIDS(後天性免疫不全症侯群)感染の危険性が
あること、など血漿交換療法が内包する問題は多い。
【0003】一方各種薬剤による治療も行なわれている
が、一般に副作用の危険性があり、使用量、使用期間な
どに細心の注意を払う必要がある。そこでこのような問
題を伴わない方法として、自己の血液を体外で浄化した
後に自己の体内へ再輸注する方法、すなわち体外循環血
液浄化法への期待が高まっている。但しこの方法を採る
にしても、副作用がなく、病因物質を充分かつ選択的に
除去することのできる浄化材および血液浄化療法が望ま
れる。
【0004】従来この目的に供し得る血液浄化材として
は、(1)アフィニティ吸着材(たとえば特公平2−5
096号、特公平2−26988号、特開平1−158
970号など)、(2)多孔性樹脂(たとえば特開昭5
6−1417710号、特公昭62−2543号、ロー
ムアンドハース社製の「アンバーライトXAD−7」な
ど)、(3)イオン交換体(たとえばカルボキシメチル
セルロース、ジエチルアミノエチルガロースなど)、
(4)無機多孔体(たとえば特公平62−2543号、
多孔質ガラス、セラミックスなど)、等がある。
【0005】しかし、多孔性樹脂やイオン交換体は吸着
能が小さい上に吸着特異性が低く、これを血液浄化材と
して用いると効果が充分でないばかりでなく、血中の必
須成分までも吸着してまう可能性があり、安全性の面で
も問題がある。無機多孔体は吸着能、吸着特性について
は比較的良好であるが、選択吸着性を始めとして未解明
の問題があり実用に供するには未だ不十分である。また
これらの吸着材は血液適合性に乏しく、使用に当たって
は多量のヘパリンの添加が必要であり、出血傾向などの
副作用を生ずる恐れがある。
【0006】アフィニティ吸着材は生物学的アフィニテ
ィ吸着材(抗原抗体結合、補体結合、Fc結合などの生
物学的相互作用で血液中の病因物質と結合しこれと吸着
するもの)と物理化学的アフィニティ吸着材(静電結
合、水素結合、ファンデルワールス力など物理的または
化学的相互作用によって血液中の病因物質と結合しこれ
を吸着するもの)とに大別でき、さらに従来知られてい
る物理化学的アフィニティ吸着材は以下の6つに大別す
ることができる。 (1) カルボキシル基またはスルホン酸基を表面に有する
多孔体(たとえば特開昭56−147710号、特開昭
57−56038号、特開昭57−75141号、特開
昭57−170263号、特開昭57−197294
号)。 (2) 疎水性アミノ酸が結合されている親水性担体(たと
えば特開昭57−122875号、特開昭58−159
24号、特開昭58−165859号、特開昭57−1
65861号、旭メディカル製イムソーバー)。 (3) 変性免疫グロブリン(IgG)が結合されている親
水性担体(たとえば特開昭57−77624号、特開昭
57−77625号、特開昭57−156035号)。 (4) メチル化アルブミンが結合されている多孔体(たと
えば特開昭55−120875号、特開昭55−125
872号)。 (5) 糖または改質した糖が結合されている担体(たとえ
ば特開昭57−134164号、特開昭58−1332
57号、鐘淵化学リポソーバー)。 (6) プリン塩基またはピリミジン塩基、あるいは糖リン
酸が結合されている多孔体(たとえば特開昭57−19
2560号、特開昭58−61752号、特開昭58−
98142号)。
【0007】しかしこれら従来の物理化学的アフィニテ
ィ吸着材も、吸着特異性および血液適合性に乏しいた
め、体外循環血液浄化療法による自己免疫疾患などの治
療には充分とは言えず、さらに高い効率および特異性で
病因物質を除去することができ、また体液に対する悪影
響の少ない浄化材が望まれている。
【0008】さて血液浄化材を用いて血液を処理する方
法は従来、直接血液潅流方式(以下DHPと言う)など
が報告されている(たとえば特開昭51−116096
号、人工臓器9(2)506〜509(1980))。
しかしDHP方式では血液が直接血液処理剤と接触する
ため血小板や白血球の減少、血栓の形成、溶血、血液処
理剤等微粉末の剥離などの問題があり、また血液処理剤
(例えば化学物質)が微小な粒子となって血液中に混入
するという問題もあり、その対策として血液処理剤を生
体適合性の良好な物質でコーティングするなどの方法が
とられているが、コーティング剤による効率の低下、製
造面での複雑化を避けることができず満足できない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、良好で特異的な吸着能を
有し且つ血液適合性にも優れた浄化吸着材を提供し、さ
らに、患者の血液から病因物質を充分かつ選択的に除去
することのできる体外循環血液浄化方法を提供しようと
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成した本発
明の血液浄化吸着材は除去対象物質に対する抗体を高分
子親水性スペーサーを介して水不溶性担体に固定化した
ことを要旨とするものである。また本発明の血液浄化方
法は、体外に抜出された血液を上記浄化材に接触させて
血液中の有害物質を除去する方法である。
【0011】
【作用】本発明で用いる水不溶性担体は特に限定されな
いが、代表的なものとしてはポリスチレン、ポリメタク
リル酸およびその誘導体、あるいはこれらの共重合体、
更にはポリビニルアルコール、スチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体などの合成高分子化合物、セルロース、キ
チン、キトサン、アガロースなどの天然高分子化合物ま
たはアシルセルロース、アシルキチンなどの改質天然高
分子化合物または多孔質ガラス、アルミナ、セラミック
スなどの無機多孔体などが利用される。例示した高分子
化合物のうち、機械的強度、親水性スペーサー導入の容
易さ、親水性スペーサー導入後の水不溶性の保持を考慮
すると、適度に架橋したポリスチレン、ポリメタクリル
酸メチルおよびその誘導体あるいはこれらの共重合体、
セルロース、キチンが望ましく、さらに好ましくは架橋
ポリスチレン(化1)、ジビニルベンゼンで架橋したポ
リメタクリル酸メチル(化2)、セルロース(化3)、
キチン(化4)などである。(化1)〜(化4)はこれ
らの部分構造を示すものである。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】本発明で用いる親水性スペーサーの種類も
特に限定されず、代表的なものとしてはポリアルキレン
オキサイド、ポリエーテル、ポリエーテルエステル等の
鎖状ポリマーが例示されるが、特に好ましいのはポリア
ルキレンオキサイドまたはその誘導体である。ここで言
う誘導体とは両端の水酸基を別の官能基で置き換えたも
のや、オキシアルキレン鎖の水素原子をハロゲンや他の
官能基で置換したものなどを言うが、特にカルボキシル
基誘導体(PEO酸),アミノ基誘導体(PEOアミ
ン)またはアルデヒド基誘導体が好ましい。さらに好ま
しいのはアミノ基誘導体である。これらPEO酸(化
5),PEOアミン(化6)の一例を示す。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】本発明において有害物質を捕足して除去す
るための抗体としては特に限定されないが、種々の有害
物質に対して効果的なリガンド作用を有するものが好ま
しく、特にポリクロナール抗体が使用される。ポリクロ
ナール抗体についても特に制限を受けないが、代表的な
ものとして例えば鶏卵抗体(以下IgYと言う)が推奨
される。IgYは他の哺乳類などの抗体調製と異なり採
血操作が必要なく,大量調製も容易であり工業的に有利
な点が多い。また食用鶏卵からの採取であるので衛生的
で安全でもあるなどの長所がある。尚ポリクロナール抗
体として馬、山羊、羊、家鴨、鶏、家兎及びモルモット
等由来のものを用いるも自由である。
【0020】ところで上記親水性スペーサーの鎖長は吸
着する物質の大きさに応じて適当に変えることが推奨さ
れるが、本発明の場合実施例ではIgYをスペーサーの
末端と結合させることとしたので、ポリアルキレンオキ
サイドをスペーサーとして用いる場合は重合度100〜
500、好ましくは120〜300が望ましい。これよ
りも分子量が小さいとスペーサーの末端に固定したIg
Yの運動性が小さくなり。病因物質の吸着が不十分にな
り、これよりも分子量が大きいとIgYの存在密度が疎
らになりすぎてスペーサーの末端官能基とIgYとの反
応が困難になるため、吸着能の低下を招く。
【0021】本発明における血液浄化方法は上記血液浄
化吸着材を利用した血液または血漿中の有害物質を特異
的に認識しこれを除去するものである。対象となる除去
物質は免疫グロブリン(A,D,E,G,M),抗DN
A抗体,抗アセチルコリンレセプター抗体,抗血液型抗
体,抗血小板抗体などの自己抗体,抗原抗体複合物,エ
ンドトキシン,リウマチ因子およびLDL(低比重リポ
タンパク質),VLDL(超低比重リポタンパク質)な
どの動脈硬化の原因物質であるリポタンパク質,幹細
胞,リンパ球,単球,マクロファージ,TIL(癌組織
浸潤T細胞)などの血中細胞成分などが挙げられる。
【0022】本発明の実施例で示した鶏卵抗体固定血液
浄化吸着材はpH3〜4の緩衝液で担体の再生が可能で
ある。通常の抗体をイムノアフィニティリガンドとして
用いた場合の解離にはpH2以下の強酸性条件が必要で
あるのに対して、IgYをリガンドとした場合にはpH
3〜4の比較的マイルドな条件でIgYの生理活性を損
うことなく再生が可能である。
【0023】本発明に使用される水不溶性担体の形状は
粒子状,繊維状,膜状(中空糸膜も含む)などいずれで
も良いが、通液性,表面積確保,吸着材調製時の取扱い
の容易さなどの点からは、粒子状または繊維状のものが
望ましい。
【0024】粒子状担体を用いる場合はその平均粒径は
10μm〜5mmの範囲にあることが望ましいが、粒径
が小さくなると血球の流通抵抗が大きくなり、粒径が大
きくなると担体充填量の減少ひいては有効表面積の減少
を招くので、平均粒径30μm〜1mmの範囲にあるこ
とがより望ましい。さらに好ましくは平均粒径50〜5
00μmの範囲が望ましい。粒子形状については、細胞
に損傷を与えにくいことや物理的外力に対する強度、さ
らに調製の容易さから球状であることが望ましい。同じ
理由から繊維状担体を用いる場合はその繊維径は0.1
〜50μm、さらに好ましくは0.3〜25μmが望ま
しい。
【0025】担体には有効表面積を拡大する目的で微小
孔が存在することが好ましい。その平均孔径は粒子状担
体の場合、20〜2000Å、好ましくは100〜15
00Å,繊維状担体の場合、20〜1000Å、好まし
くは100〜800Åである。これより平均孔径が小さ
いと被吸着物質が微小孔内部まで到達できず、これより
大きいと有効表面積を拡大する効果が不十分であり、ま
た担体の強度低下を招くことになる。
【0026】水不溶性担体へのスペーサー導入の方法特
に限定されないが、通常は共有結合の形成によって導入
され,例えば電子線照射によるグラフト化など特に制限
されないが、架橋ポリスチレンにスペーサーを導入する
場合、好適な例として以下のような方法が用いられる。 (1)架橋ポリクロロメチルスチレンの合成 ジビニルベンゼンを1〜40重量%好ましくは2〜25
重量%含む化1の架橋ポリスチレンにクロロホルムを加
え、室温で15分以上好ましくは30分以上攪拌して充
分に膨潤させた後、クロロメチルメチルエーテルと触媒
を加え、25〜100℃、好ましくは30〜60℃で3
0分〜12時間、好ましくは2〜7時間N2 気流下にて
攪拌しながら反応させると、クロロメチル基導入率20
%以上好ましくは50%以上の架橋ポリクロロメチルス
チレンが得られる。
【0027】上記触媒としては、塩化アルミニウムのよ
うなアルミニウム系触媒,塩化スズのようなスズ系触
媒,塩化亜鉛のような亜鉛系触媒が挙げられる。触媒は
反応溶液中に0.3〜1.5%好ましくは0.4〜0.
7%の含量で添加される。 上記クロロメチル化反応に
おいて、各成分の混合重量比は次の通りである。ポリス
チレンとクロロホルムの重量比は2/1〜1/10、好
ましくは1/1〜1/7,ポリスチレンとクロロホルム
の合計量とクロロメチルメチルエーテルの混合重量比は
15/1〜1/5、好ましくは3/1〜1/3である。
【0028】(2)スペーサーの導入 分子量4500〜22000、好ましくは5300〜1
3200の化6のPEOアミンを不活性溶媒に溶解させ
る。これに上記(1)で得たポリクロロメチルスチレン
を加え、0℃から徐々に室温まで反応温度を上げ、30
分〜12時間、好ましくは1〜4時間に亘り反応させ
る。これに水酸化ナトリウム水溶液を加え、約30分攪
拌した後、生成物を回収する。以上の操作によってアミ
ノ基含量0.01〜3.0mmol/g、好ましくは
0.05mmol/g以上の化合物下記(化7)が得ら
れる。
【0029】
【化7】
【0030】上記の反応に用いられる溶媒はテトラヒド
ロフラン,テトラヒドロピラン,ジオキサンなどの環状
エーテル類が望ましい。上記反応におけるポリクロロメ
チルスチレン中のクロロメチル基とPEOアミンとの混
合モル比は1/2〜1/30好ましくは1/5〜1/1
5である。
【0031】上記のような方法でスペーサー導入した担
体にIgYを導入する。IgYはニワトリに抗原1mg
を完全アジュバントとともに注射により投与し、免疫化
したニワトリの鶏卵から分離する。免疫化は2週間から
3週間後に再度行なうことにより、抗体力価はブースタ
ー効果により上昇する。精製は鶏卵の卵黄部分を取り出
しλカラギーナン水溶液に混合して遠心分離し、その上
清をイオン交換クロマトグラフィおよび塩析処理により
行なうのが効率的である。
【0032】PEO酸またはPEOアミンによってカル
ボキシル基またはアミノ基を導入した担体へのIgYの
固定化は、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液中で
N,N’−ジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC)
によるカップリング反応により行うことが望ましい。
【0033】上記のような方法で粒子状もしくは繊維状
の水不溶性担体表面上にスペーサーを導入し、続いて被
吸着物質に対するIgYを固定して本発明の血液浄化吸
着材が得られる。該血液浄化吸着材を適当な容器に充填
することによって血液浄化装置が得られる。容器の材質
はガラス,ステンレス鋼,ポリエチレン,ポリプロピレ
ン,ポリカーボネート,ポリスチレン,ポリメチルメタ
クリレートなど特に制限されないが、滅菌などの取扱い
を考慮するとポリプロピレンやポリカーボネートが好ま
しい。容器の形態についても特に制限されないが、粒子
状担体の場合は両端を血液流入部,血液流出部とした円
筒のカラム型,繊維状担体の場合も同様のカラム型ある
いはシート状にした後これを挟み込むような形態にした
ものが適当である。
【0034】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明する。実
施例中の部は重量部を意味する。 〈実施例1〉10%のジビニルベンゼンで架橋された粒
状多孔ポリスチレン(平均粒系250μm,平均孔径8
00Å)100部を4口フラスコに取り、バキュームス
ターラー,上部に三方コックを取り付けた冷却管(水道
水を循環させる),攪拌棒,玉栓及びラバーセプタムを
取り付け,三方コックから脱気,窒素吹送を繰返して容
器内を窒素置換した。クロロホルム1500部を入れ、
充分膨潤するまで室温で1時間攪拌した。次いでクロロ
メチルメチルエーテル1500部,塩化亜鉛12部を加
え、55℃で5時間,窒素気流下で反応させた。こうし
て得られた生成物を回収し、ジオキサン,水,メタノー
ルで充分洗浄した後減圧乾燥し、ポリクロロメチルスチ
レン(PCMS)を得た。塩素含量を元素分析によって
定量し,その値から全ベンゼン環に対するクロロメチル
基導入率を算出したところ85%であった。
【0035】平均分子量6000のPEOアミン120
00部を4口フラスコに取り、バキュームスターラー,
三方コック攪拌棒,玉栓及びラバーセプタムを取り付
け,三方コックから脱気,窒素吹送を繰返して容器内を
窒素置換した後、テトラヒドロフラン10000部を入
れ、充分溶解するまで室温で攪拌した。次いで上記PC
MS100部を加え、0℃から徐々に室温まで反応温度
を上げながら、窒素気流気下で5時間攪拌して反応させ
た。この反応混合物に5%水酸化ナトリウム水溶液50
0部を加え、室温で30分間攪拌した後生成したポリマ
ーを回収し、水,メタノールで充分に洗浄し、減圧乾燥
した。以上の操作でアミノ基含量0.5mmol/gの
化7で表されるスペーサー導入ポリマー(PSPEO
A)を得た。
【0036】レグホンにヒトLDLを完全アジュバント
とともに注射により投与し免疫したレグホンの鶏卵から
抗ヒトLDL抗体を分離した。すなわち鶏卵の卵黄部分
を取り出しその5倍量の0.1%λカラギーナン水溶液
を混合して1500×g,10分間遠心分離し、その上
清をDEAEクロマトグラフィおよび塩析により精製し
た。鶏卵1個から約70mgの特異的IgYが得られ
た。
【0037】IgYの上記スペーサー導入ポリマーへの
固定化はDMSO溶液中でDCCによるカップリング反
応により行なった。すなわち10部のIgYのDMSO
溶液3000部に1000部のPSPEOAおよびDC
C1部を加え、0℃で3時間攪拌した後室温に20時間
放置後、固形分を濾別し、DMSOで洗浄後、水洗し、
減圧乾燥した。
【0038】上記IgY固定化吸着材を100mlのカ
ラムに充填し、100U/mlのヘパリンを含む生理食
塩水100ml,続いて1U/mlのヘパリンを含む生
理食塩水100mlでカラム内および血液回路内を洗浄
した。一方クエン酸添加ブタ血液1lをビーカーに取
り、カラムを通してふたたびこのビーカーに戻すよう血
液回路を組んだ。この装置を用いて血液流量50ml/
minで灌流実験を3時間連続して行ない、カラム前後
の血中LDL量を測定した。また灌流開始前後の全血液
中のアルブミン量,総タンパク質量,血小板量を測定し
た。LDLの定量は和光純薬製βリポタンパクC−テス
トを用いた結合沈澱法により行なった。アルブミン量は
ブロムクレゾールグリーン法,総タンパク質量はジウレ
ット法,血小板量は自動血球算定装置を用いて行なっ
た。結果は表1,表2に示した。なおLDLの量は実際
の測定値,アルブミン,総タンパク質,血小板について
は残存率で表示した。なお表2における残存率(%)は
3時間灌流後の濃度(mg/dl)を灌流前の濃度で除
して、100倍したものであり、血小板については(個
数/ml)で算出した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】〈比較例1〉上記架橋ポリメチルスチレン
にスペーサーを介さずに直接IgYを同様の方法により
固定化した。さらに実施例1と同様に血液灌流実験を行
ない、カラム前後の血中LDLの量,灌流開始前後の全
血液中のアルブミン量,総タンパク質量,血小板量を測
定した。結果は表1,2に示す。
【0042】
【発明の効果】本発明の血液浄化吸着材は吸着特異性に
優れており。また血液適合性に関しても良好であるた
め、血液から血漿成分を分離してから灌流するという煩
雑な操作を必要とせず、血液を直接灌流することにより
充分な吸着効果が期待できる。またLDL以外の他の様
々な疾患の原因物質の吸着除去についても応用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 昌和 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 金 武祚 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 (72)発明者 藤木 優 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 (72)発明者 小笠原 豊 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 除去対象物質に対する抗体を高分子親水
    性スペーサーを介して水不溶性担体に、固定化したこと
    を特徴とする血液浄化吸着材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の血液浄化吸着材を用い、
    血液または血漿中の有害物質を特異的に吸着して除去す
    ることを特徴とする血液浄化方法。
JP3276599A 1991-09-27 1991-09-27 血液浄化吸着材および血液浄化方法 Withdrawn JPH0623042A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5539496A (en) * 1993-11-08 1996-07-23 Nikon Corporation Camera with vibration detection and correction units with overriding shutter release
WO2001066171A1 (fr) * 2000-03-10 2001-09-13 Asahi Medical Co., Ltd. Nouveau filtre pour leucopherese

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