JP2005322804A - 光半導体装置 - Google Patents

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祐治 堀田
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Abstract

【課題】封止樹脂と配線回路基板との間の応力による反りが低減され、発光面内の発光量が均一である光半導体装置を提供すること。
【解決手段】配線回路基板上に実装された光半導体素子を樹脂封止してなる光半導体装置であって、封止樹脂層(A層)と該基板との間に30℃における引張り弾性率が0.001〜0.4GPaである樹脂層(B層)を有する光半導体装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置のバックライト、発光ディスプレイなどに使用される光半導体装置に関する。
従来の光半導体装置において、光半導体素子の劣化防止のためエポキシ系合成樹脂などの透明な熱硬化性合成樹脂により封止されているが、かかる合成樹脂が硬化するときの応力が光半導体素子に及ぶことによる劣化が発生していた。
かかる光半導体素子への応力を防止するために光半導体素子を低応力化した熱硬化性合成樹脂で直接密封し、さらにその上を透明な熱硬化合成樹脂で密封した光半導体装置が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003-179267号公報
しかしながら、上記のような光半導体装置においては、光半導体素子への応力を緩和することができるものの、封止樹脂と配線回路基板の線膨張係数の差に起因する応力を緩和することはできず、光半導体装置に反りが発生する場合がある。反りが発生すると、光半導体装置が形状不良になるだけでなく、発光面からの発光量が不均一になる場合がある。特に、薄型化が求められる液晶表示装置のバックライトにおいては、そのような問題が重視される。
従って、本発明は、封止樹脂と配線回路基板との間の応力による反りが低減され、発光面内の発光量が均一である光半導体装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
(1)配線回路基板上に実装された光半導体素子を樹脂封止してなる光半導体装置であって、封止樹脂層(A層)と該基板との間に30℃における引張り弾性率が0.001〜0.4GPaである樹脂層(B層)を有する光半導体装置、ならびに
(2)B層が光半導体素子の上面に接していない前記(1)記載の光半導体装置
に関する。
本発明により、封止樹脂と配線回路基板との間の応力による反りが低減され、発光面内の発光量が均一である光半導体装置を提供することができる。
本発明の光半導体装置は、配線回路基板上に実装された光半導体素子が樹脂封止されており、封止樹脂層(本明細書において、単にA層という場合がある)と該基板との間に30℃における引張り弾性率が0.001〜0.4GPaである樹脂層(本明細書において、単にB層という場合がある)を有することに一つの大きな特徴を有する。本発明においてB層は、A層と配線回路基板との間の応力を効率的に緩和することができる応力緩和樹脂層として機能する。かかるB層を設けていることにより、光半導体装置の反りを低減することができ、発光面内の発光量を均一にすることができる。
本発明の光半導体装置の一態様を図1に示す。
図1において、配線回路基板1の上に光半導体素子2が実装され、光半導体素子2はA層3により封止されている。さらに、A層3と配線回路基板1との間にはB層4が設置されている。
本発明に用いられる配線回路基板1としては、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、エポキシ樹脂基板などが挙げられ、光を反射しやすくさせる観点から、酸化チタンなどのフィラーを充填した白色配線回路基板が好ましい。また、さらに光を反射しやすくするために、配線回路基板表面に、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂に酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素などのフィラーを分散させた層、金属蒸着層などの反射層を設けてもよい。配線回路基板の30℃における引張り弾性率は、特に限定されないが、1〜30GPaであることが好ましく、線膨張係数も特に限定されないが、5.0×10-6〜6.0×10-5であることが好ましい。また、配線回路基板の厚さは好ましくは10〜1000μmである。なお、本発明における引張り弾性率は、例えば、動的粘弾性測定装置(セイコー電子工業社製;DMS210)により、30℃にて測定することができる。
本発明に用いられる光半導体素子2は、発光面に電極が設置されているフェイスアップ型光半導体素子、配線回路基板上にダイレクトに実装されるフリップチップ型光半導体素子などが挙げられる。かかる光半導体素子としては、例えば、市販されているものを使用してもよいし、当該分野で公知の方法により作製されたものを使用してもよい。
配線回路基板への光半導体素子の実装方法としては、発光面に電極が配置された光半導体素子を実装するのに好適なフェイスアップ実装法、発光面とは逆の面に電極が配置された光半導体素子を実装するのに好適なフリップチップ実装法などが挙げられる。配線回路基板へ光半導体素子を実装する際、単色の光半導体素子のみを実装してもよいし、白色光を得るために赤、緑および青の光半導体素子を適宜並べて実装してもよい。
本発明に使用される樹脂層(B層)4の材料としては、作製されるB層の30℃における引張り弾性率が上記範囲であれば特に限定されないが、例えば、エチレンエチルアクリレートコポリマー(例えば、エバフレックスEEA A-709(三井・デュポン・ポリケミカル社製)など)、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(例えば、タフテック M1913、M1943(旭化成社製)など)、ポリカルボジイミド樹脂などが挙げられる。耐熱性の観点からは、これらの中でもポリカルボジイミド樹脂が好ましい。これらは単独でまたは二種以上で用いられてもよい。
B層の材料として使用されるポリカルボジイミド樹脂としては、例えば、一般式I:
Figure 2005322804
(式中、a、b、cはそれぞれ0〜200の整数である、ただしa、b、cの全てが0の場合を除く、Xは単結合または炭素数1〜5のアルキレン基を表す)
にて表される構造単位をn1個、
一般式II:
Figure 2005322804
(式中、d、e、fはそれぞれ0〜200の整数である、ただしd、e、fの全てが0の場合を除く、Xは単結合または炭素数1〜5のアルキレン基を表す)
にて表される構造単位をn2個、および
一般式III:
Figure 2005322804
(式中、Rは炭素数4〜40の2価の有機基を表す)
にて表される構造単位をn3個と、
両末端にモノイソシアナートを反応させて得られる末端構造単位とを有し、n1+n2が2以上の整数、n3が1以上の整数、n1+n2+n3が3〜1500、(n1+n2)/(n1+n2+n3)が1/8〜1/3であるポリカルボジイミドが挙げられる。
a、bおよびcは、それぞれ、引張り弾性率を前記範囲に調整するためには、好ましくは0〜150であり、より好ましくは、0〜100である。d、eおよびfは、それぞれ、引張り弾性率を前記範囲に調整するためには、好ましくは0〜150であり、より好ましくは、0〜100である。
Xは、単結合または炭素数1〜5のアルキレン基を表す。炭素数1〜5のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基が挙げられる。
Rは、炭素数4〜40の2価の有機基を表し、例えば、炭素数4〜40のアルキレン基またはアリール基を表す。炭素数4〜40のアルキレン基としては、例えば、ヘキサメチレン基、4,4'-ジシクロヘキシルメタン基、イソホロン基などが挙げられ、炭素数4〜40のアリール基としては、例えば、トリル基、4,4'-ジフェニルメタン基などが挙げられる。
引張り弾性率を前記範囲に調整するためには、n1+n2は、より好ましくは2〜1000の整数であり、さらに好ましくは2〜100の整数であり、特に好ましくは2〜10の整数であり、n3は、より好ましくは1〜500の整数であり、さらに好ましくは1〜300の整数であり、特に好ましくは1〜10の整数であり、n1+n2+n3は、より好ましくは3〜70の整数であり、さらに好ましくは3〜20の整数であり、(n1+n2)/(n1+n2+n3)は、より好ましくは1/7〜1/3である。
モノイソシアナートを反応させて得られる末端構造単位としては、例えば、置換もしくは非置換のアリール基またはアルキル基が挙げられる。置換のアリール基としては、例えば、トリル基、イソプロピルフェニル基、メトキシフェニル基、クロロフェニル基などが挙げられる。非置換のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。置換のアルキル基としては、例えば、2,2,4-トリメチルヘキサメチレン基が挙げられる。非置換のアルキル基としては、例えば、n-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基などの炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
本発明において、前記ポリカルボジイミドは、一般式I’:
Figure 2005322804
(式中、a、b、cはそれぞれ0〜200の整数である、ただしa、b、cの全てが0の場合を除く、Xは単結合または炭素数1〜5のアルキレン基を表す)
および/または、式II’:
Figure 2005322804
(式中、d、e、fはそれぞれ0〜200の整数である、ただしd、e、fの全てが0の場合を除く、Xは単結合または炭素数1〜5のアルキレン基を表す)
で表される2官能液状ゴム(本明細書において、単に2官能液状ゴムという場合がある)と、1種または2種以上のジイソシアナートとを縮合反応させ、モノイソシアナートで末端封鎖することにより得られる。
前記一般式I’で表される2官能液状ゴムとしては、例えば、液状ポリブタジエン(例えば、宇部興産社製Hycar CTB(登録商標)や日本曹達社製C-1000)、液状ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体(例えば、宇部興産社製Hycar CTBN(登録商標))が挙げられる。前記一般式II’で表される2官能液状ゴムとしては、例えば、液状水素化ポリブタジエン(例えば、日本曹達社製CI-1000)などが挙げられる。各2官能液状ゴムは、単独で使用されてもよく、また2種以上併用されてもよい。
原料であるジイソシアナートとしては、例えば、芳香族ジイソシアナートおよび脂肪族ジイソシアナートが挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、また2種以上併用されてもよい。
芳香族ジイソシアナートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアナート、2,6-トリレンジイソシアナート、6-メトキシ-2,4-フェニレンジイソシアナート、5-ブロモ-2,4-トリレンジイソシアナート4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナート、3,3',5,5'-テトラエチル-4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4'-ジフェニルイソプロピリデンジイソシアナート、4,4'-ジフェニルエーテルジイソシアナート、4,4'-ジフェニルスルフィドジイソシアナート、4,4'-ジフェニルスルホキシドジイソシアナート、3,3',5,5'-テトラメチル-4,4'-ビフェニルジイソシアナート、3,3'-ジメトキシ-4,4'-ビフェニルジイソシアナート、3,3'-ジブロモ-4,4'-ビフェニルジイソシアナートが挙げられる。
脂肪族ジイソシアナートとしては、例えば、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、ノルボルナンジイソシアナート、4,4’-シクロヘキサンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、メチルシクロヘキサン-2,4-ジイソシアナート、2,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2,4,-トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、オクタメチレンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナート、キシリレンジシソシアナート、α,α,α',α'-テトラメチルキシリレンジシソシアナート、4-イソシアナトメチル-フェニルイソシアナートが挙げられる。
前記一般式I’およびII’で表される各2官能液状ゴムは、それぞれ、n1およびn2の値を満たし得るモル量で用いられる。両者が併用される場合のモル比、すなわちn1とn2の比(n1/n2)は特に限定されるものではない。また、かかる2官能液状ゴムのジイソシアナートに対するモル比(2官能液状ゴム/ジイソシアナート)は、1/7〜1/2が好ましく、1/5〜1/2がより好ましい。
また、ジイソシアナートとして芳香族ジイソシアナートと脂肪族ジイソシアナートとが併用される場合、芳香族ジイソシアナートの脂肪族ジイソシアナートに対するモル比(芳香族ジイソシアナート/脂肪族ジイソシアナート)は、3/2〜99/1が好ましく、4/1〜99/1がより好ましい。
原料であるモノイソシアナートとしては、例えば、フェニルイソシアナート、ナフチルイソシアナート、トリルイソシアナート、p-イソプロピルフェニルイソシアナート、メトキシフェニルイソシアナート、クロロフェニルイソシアナートなどの置換または非置換のアリール基を有するイソシアナート;n-ブチルイソシアナート、n-ヘキシルイソシアナート、n-オクチルイソシアナートなどの炭素数1〜10のアルキルイソシアナートなどが挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、また2種以上併用されてもよい。
モノイソシアナートは、使用するジイソシアナート成分100モルに対して1〜40モルを用いるのが好ましい。ジイソシアナート成分100モルに対してモノイソシアナート成分を1モル以上で用いると、得られるポリカルボジイミドの分子量が大きくなりすぎたり架橋反応が生ずることがなく、例えば、得られるポリカルボジイミド溶液の粘度の上昇ないし当該溶液の固化が生じたり、当該溶液の保存安定性の低下が生ずることがないので好ましい。また、ジイソシアナート成分100モルに対してモノイソシアナート成分を40モル以下で用いると、ポリカルボジイミド溶液の粘度が適度であり、例えば、当該溶液の塗布乾燥によるフィルム成型において良好な成膜を行うことができるので好ましい。モノイソシアナートをジイソシアナート成分に対して前記範囲で用いて末端封鎖して得られたポリカルボジイミド溶液は、特に保存安定性に優れる。
各成分をそれぞれ、上記のとおりの組成で用いることにより、n1、n2、n3が前記範囲を持たす値を有するポリカルボジイミドを得ることができる。
前記ポリカルボジイミドの製造は、具体的には、非プロトン性溶媒中、原料としての2官能液状ゴムとジイソシアナートとを反応させた後、カルボジイミド化触媒の存在下、縮合反応によりカルボジイミド化させ、モノイソシアナートにより末端封鎖することにより行う。
前記ポリカルボジイミドの製造は、好ましくは、トルエン溶媒中で2官能液状ゴムを70重量部およびトリレンジイソシアナートを30重量部を混合し、この混合物を50℃で1時間撹拌した後にトリレンジイソシアナート100モルに対して1-ナフチルイソシアナートを2モル混合し、混合物中にカルボジイミド化触媒を添加し、温度を100℃に昇温してこの温度で2時間程度カルボジイミド化反応を行うことにより行う。なお、反応時間は、カルボジイミド化反応の終点を、例えば、後述する方法により決定することができる。
2官能液状ゴムとジイソシアナートとの反応温度としては、反応時間短縮および液状ゴムの熱劣化防止の観点から、10〜50℃が好ましく、30〜50℃がより好ましい。また、反応時間は、30分〜2時間程度、通常、1時間程度である。なお、反応の終点は2官能液状ゴム末端のカルボキシル基のOH伸縮振動(3000cm-1)の吸収の消失により確認する。
カルボジイミド化の反応温度としては、10〜150℃が好ましく、40〜110℃がより好ましい。カルボジイミド化の反応温度が10℃以上であると、反応時間が遅くなりすぎず、ポリカルボジイミド溶液中にイソシアナート官能基が残存することがなく、例えば、ポリカルボジイミド溶液の保存安定性が向上するので好ましい。150℃以下であると、反応時間が速すぎず、副反応によるゲル化が生ずることがなく、例えば、ポリカルボジイミド溶液の保存安定性が向上するので好ましい。
カルボジイミド化触媒としては、例えば、3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-1-オキシド、1-フェニル-2-ホスホレン-1-オキシド、1-フェニル-2-ホスホレン-1-スルフィド、1-エチル-3-メチル-2-ホスホレン-1-オキシド、3-メチル-1-フェニル-1-ホスファ-3-シクロペンテン-1-オキシド、2,5-ジヒドロ-3-メチル-1-フェニルホスホール-1-オキシド、これらの3-ホスホレン異性体が挙げられる。また、トリフェニルホスフィンオキシド、トリトリルホスフィンオキシド、ビス(オキサジフェニホスフィノ)エタンなどのホスフィンオキシド類も使用できる。これらは、単独で使用されてもよく、また2種以上併用されてもよい。
カルボジイミド化触媒は、使用する全イソシアナート成分100モルに対して0.001〜5モルの範囲で用いるのが好ましい。0.001モル以上であると、反応時間が遅くなりすぎないので好ましい。5モル以下であると、反応時間が速すぎることによるゲル化が生ずることがなく、例えば、ポリカルボジイミド溶液の保存安定性が向上するので好ましい。
モノイソシアナートによる末端封鎖は、カルボジイミド化の初期、中期、末期または全般にわたり、モノイソシアナートを反応溶液中に加えることにより行うことができる。
ポリカルボジイミドの製造に用いられる非プロトン性溶媒としては、トルエン、キシレン、炭素数3〜5のアルキルトルエン、ベンゼン、炭素数3〜36のアルキルベンゼン、ナフタレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、ブタノン、シクロヘキサノン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、また2種以上併用されてもよい。
非プロトン性溶媒は、ポリカルボジイミド溶液中のポリカルボジイミドの濃度が1〜90重量%の範囲となるように用いるのが好ましい。1重量%以上であると、得られたポリカルボジイミドの成型時に溶媒を除去しやすいので好ましい。90重量%以下であると、ポリカルボジイミド溶液の粘度が適度であり、該溶液の保存安定性が向上するので好ましい。
カルボジイミド化反応の終点は、赤外分光分析(IR測定)による、生成したポリカルボジイミド中の原子団N=C=N伸縮振動(2135cm-1)の吸収の観測、イソシアナート中の原子団N=C=O伸縮振動(2270cm-1)の吸収の消失および2官能液状ゴムとジイソシアナートとの結合部分のアミド基のC=O伸縮振動(1695cm-1)の吸収の観察により確認することができる。
カルボジイミド化反応の終了後、通常、ポリカルボジイミドは溶液として得られるが、さらにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサンなどの貧溶媒に得られた溶液を投入し、ポリカルボジイミドを沈殿として析出させ、未反応のモノマーや触媒を取り除いてもよい。
また、一旦、沈殿として回収されたポリカルボジイミドの溶液を調製するには、当該沈殿を所定の操作により洗浄し、乾燥を行い、再度非プロトン性溶媒に溶解する。このような操作を行うことにより、ポリカルボジイミド溶液の保存安定性を向上させることができる。
さらに、ポリカルボジイミド溶液中に副生成物が含まれる場合には、例えば、適当な吸着剤を用い、副生成物を吸着除去して、精製してもよい。吸着剤としては、例えば、アルミナゲル、シリカゲル、活性炭、ゼオライト、活性酸化マグネシウム、活性ボーキサイト、フラースアース、活性白土、分子ふるいカーボンなどが挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、また2種以上併用されてもよい。
B層は、例えば、前記樹脂をトルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどの有機溶剤に好ましくは20〜50重量%の濃度になるように溶解して樹脂溶液を作製し、例えば、表面をシリコーン処理した離型シート上にキャスティング、スピンコート、ロールコーティング等の方法により、適当な厚さに製膜し、さらに、硬化反応を進行させず、溶媒の除去が可能な程度の温度で乾燥させて得られる。製膜した樹脂溶液を乾燥させる温度は、樹脂や溶媒の種類によって異なるため一概には決定できないが、20〜180℃が好ましく、50〜150℃がより好ましく、70〜120℃がさらに好ましい。また、加熱乾燥後の該樹脂層の厚さは、5〜20μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。得られたB層の30℃における引張り弾性率は0.001〜0.4GPaであり、好ましくは0.001〜0.1GPaであり、より好ましくは0.001〜0.05GPaである。
十分な光取り出し効率を確保する観点から、B層が光半導体素子の上面に接していないことが好ましい。ここで、「上面」とは、光半導体素子の発光観察面をいい、「接していない」とは、光半導体素子の上面全体がB層と直接接触している状態以外の状態をいい、すなわち一部B層と接触している状態であっても、全体がB層と接触していない状態であればよい。B層が光半導体素子の上面に接しないようにするために、B層は、図1に例示されるように、その光半導体素子の側面を囲むように設けられていることが好ましい。光半導体素子の側面は、B層と接していても接していなくてもよく、後者の場合、例えば、光半導体素子の側面はA層と接し、それを囲むようにB層が形成されてもよい。
配線回路基板へのB層の積層は、特に限定されないが、例えば、上記で得られたB層をラミネートし、その後、離型シートを取り外すことにより行うことができる。また、所望により、積層されたB層の上にさらに単一または複数のB層を積層してもよい。その場合、配線回路基板側からA層に向けて順に30℃における引張り弾性率を高くしていくことが好ましい。
光半導体素子2を封止する封止樹脂層(A層)3の材料としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリカルボジイミド樹脂などが挙げられる。これらは単独でまたは二種以上で用いられてもよい。また、光半導体装置から発光される光を白色とするために各樹脂層には白色蛍光剤が含まれていてもよい。
光半導体素子2を単一の樹脂層で封止する方法としては、前記樹脂をトルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどの有機溶剤に溶解した樹脂溶液を用いたトランスファー成型、キャスティング、B層と同様に予めシート状に加工した樹脂を加熱加圧するラミネート法などが挙げられる。中でも、ラミネート法が低コストで容易に成型できるので好ましい。
複数の樹脂層で封止する方法としては、各層ずつのトランスファー成型、キャスティング、予めシート状に加工した各樹脂層を加熱加圧するラミネート法;予め複数の樹脂層をまとめてシート状に加工した後に加熱加圧するラミネート法などが挙げられる。A層が複数の樹脂層から構成されている場合は、光取り出し効率を向上させる観点から、屈折率の異なる複数の樹脂層により構成されていることが好ましく、複数の樹脂層の屈折率が光半導体素子側から最外層に向けて順次低くなるように構成されていることがさらに好ましい。得られたA層の厚さ、または複数の樹脂層から構成されている場合はその全体の厚さは、好ましくは100〜500μmであり、より好ましくは100〜300μmである。また、A層の30℃における引張り弾性率は、使用される材料の種類、量などにもよるので一概にはいえないが、1〜5GPaであることが好ましく、線膨張係数も使用される材料の種類、量などにもよるので一概にはいえないが、5.0×10-5〜1.0×10-4であることが好ましい。
上記のようにして本発明の光半導体装置が得られるが、A層とB層との厚さの合計は520μm以下であることが好ましく、320μm以下であることがさらに好ましい。
本発明に使用されるA層とB層との違いは、前記したように30℃における引張り弾性率が大きく異なることであり、A層とB層との区別は該引張り弾性率を測定することにより容易に行うことができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は当該実施例のみに限定されるものではない。
製造例1 A層用フィルムの作製
光半導体素子封止用エポキシ樹脂タブレット(日東電工社製;NT-300S)を30wt%でメチルエチルケトンに溶解したものを、剥離剤(フッ素化シリコーン)で表面処理したポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレータ(三菱ポリエステルフィルム社製、厚さ50μm)の上に塗布した。これを100℃で1分乾燥して、半硬化状態のA層用フィルム(厚さ200μm)を得た。得られた樹脂フィルムを175℃で5時間精密恒温機(ヤマト科学社製:セーフティーファインオーブンDH-62Z)で加熱し、樹脂フィルムの硬化を行った。その後、引張り弾性率を30℃、周波数50Hzの条件下で動的粘弾性測定装置(セイコー電子工業社製:DES210)にて測定したところ3.3GPaであった。
製造例2 B層用フィルムを作製するための樹脂溶液の作製
1.樹脂溶液A
エチレンエチルアクリレートコポリマー(三井・デュポン・ポリケミカル社製;エバフレックスEEA A-709)を50wt%でシクロヘキサノンに溶解して、樹脂溶液Aを調製した。
2.樹脂溶液B
攪拌装置、滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコに4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナートを62.81g(251mmol)、Hycar CTB2000X162(宇部興産社製)を28.29g(5.9mmol)、NISSO-PB CI-1000(日本曹達社製)を84.87g(60.6mmol)、シクロヘキサノンを279.28g入れ、40℃で1時間攪拌した。
さらに、p-イソプロピルフェニルイソシアナートを12.14g(75.3mmol)と3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-2-オキシドを0.48g(2.51mmol)添加して攪拌しながら100℃に昇温し、さらに2時間保持した。
反応の進行はIR測定により確認した。具体的にはイソシアナート中の原子団N=C=O伸縮振動(2270cm-1)の吸収の減少とポリカルボジイミド中の原子団N=C=N伸縮運動(2135cm-1)の吸収の増加を観測した。また、2官能液状ゴムとジイソシアナートとの結合部分のアミド基のC=O伸縮振動(1695cm-1)の吸収を観測した。IR測定にて反応の終点を確認し、反応液を室温まで冷却することによって樹脂溶液Bを得た。
なお、得られたポリカルボジイミドにおいて、n1+n2=9〜11、n3=45〜55、n1+n2+n3=54〜66、(n1+n2)/(n1+n2+n3)=9/66〜11/54であった。
3.樹脂溶液C
4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナートを51.3g(205mmol)、Hycar CTB2000X162(宇部興産社製)を30.81g(6.4mmol)、NISSO-PB CI-1000(日本曹達社製)を61.61g(44.0mmol)、シクロヘキサノンを228.1g、p-イソプロピルフェニルイソシアナートを9.91g(61.5mmol)および3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-2-オキシドを0.39g(2.05mmol)を使用する以外は樹脂溶液Bと同様に樹脂溶液Cを調製した。
なお、得られたポリカルボジイミドにおいて、n1+n2=7〜9、n3=35〜45、n1+n2+n3=42〜54、(n1+n2)/(n1+n2+n3)=7/54〜9/42であった。
4.樹脂溶液D
水添スチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製;タフテックM1943)を50wt%でシクロヘキサノンに溶解して、樹脂溶液Dを調製した。
5.樹脂溶液E
4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナートを70.57g(282mmol)、Hycar CTB2000X162(宇部興産社製)を27.34g(5.7mmol)、NISSO-PB CI-1000(日本曹達社製)を54.68g(39.1mmol)、シクロヘキサノンを218.51g、p-イソプロピルフェニルイソシアナートを10.91g(67.68mmol)および3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-2-オキシドを0.54g(2.82mmol)使用する以外は樹脂溶液Bと同様に樹脂溶液Eを調製した。
なお、得られたポリカルボジイミドにおいて、n1+n2=8〜9、n3=45〜55、n1+n2+n3=53〜64、(n1+n2)/(n1+n2+n3)=1/8〜9/53であった。
6.樹脂溶液F
水添スチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製;タフテックM1913)を50wt%でシクロヘキサノンに溶解して、樹脂溶液Fを調製した。
7.樹脂溶液G
攪拌装置、滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコに4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナートを72.32g(289mmol)、Hycar CTBN1300X13(宇部興産社製)を28.02g(8.0mmol)、NISSO-PB CI-1000(日本曹達社製)を56.04g(40.0mmol)、シクロヘキサノンを215.79g入れ、40℃で1時間攪拌した。
さらに、p-イソプロピルフェニルイソシアナートを11.18g(69.36mmol)と3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-2-オキシドを0.56g(2.89mmol)添加して攪拌しながら100℃に昇温し、さらに2時間保持した。
樹脂溶液Bと同様にIR測定にて反応の終点を確認し、反応液を室温まで冷却することによって樹脂溶液Gを得た。
なお、得られたポリカルボジイミドにおいて、n1+n2=7〜9、n3=35〜45、n1+n2+n3=42〜54、(n1+n2)/(n1+n2+n3)=7/54〜9/42であった。
8.樹脂溶液H
攪拌装置、滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコにTDI(2,4-トリレンジイソシアナート80mol%、2,6-トリレンジイソシアナート20mol%の混合物、三井武田ケミカル社製)を11.84g(68mmol)、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナートを51.05g(204mmol)、Hycar CTBN1300X13(宇部興産社製)を24.65g(7.0mmol)、NISSO-PB CI-1000(日本曹達社製)を49.29g(35.2mmol)、トルエンを193.36g入れ、40℃で1時間攪拌した。
さらに、p-イソプロピルフェニルイソシアナートを10.52g(65.28mmol)と3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-2-オキシドを0.52g(2.72mmol)添加して攪拌しながら100℃に昇温し、さらに2時間保持した。
樹脂溶液Bと同様にIR測定にて反応の終点を確認し、反応液を室温まで冷却することによって樹脂溶液Hを得た。
なお、得られたポリカルボジイミドにおいて、n1+n2=8〜9、n3=42〜52、n1+n2+n3=50〜61、(n1+n2)/(n1+n2+n3)=8/61〜9/50であった。
9.樹脂溶液I
TDI(2,4-トリレンジイソシアナート80mol%、2,6-トリレンジイソシアナート20mol%の混合物、三井武田ケミカル社製)を13.93g(80mmol)、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナートを60.06g(240mmol)、Hycar CTBN1300X13(宇部興産社製)を34.79g(9.94mmol)、NISSO-PB CI-1000(日本曹達社製)を52.18g(37.3mmol)、トルエンを259.74g、p-イソプロピルフェニルイソシアナートを12.38g(76.8mmol)と3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-2-オキシドを0.62g(3.2mmol)使用する以外は樹脂溶液Hと同様に樹脂溶液Iを調製した。
なお、得られたポリカルボジイミドにおいて、n1+n2=5〜7、n3=55〜65、n1+n2+n3=60〜72、(n1+n2)/(n1+n2+n3)=5/72〜7/60であった。
10.樹脂溶液J
攪拌装置、滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、TDI(2,4-トリレンジイソシアナート80mol%、2,6-トリレンジイソシアナート20mol%の混合物、三井武田ケミカル社製)を30.30g(174mmol)、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナートを43.54g(174mmol)、Hycar CTBN1300X13(宇部興産社製)を14.83g(4.24mmol)、NISSO-PB CI-1000(日本曹達社製)を29.67g(21.2mmol)、トルエンを244.5g入れ、40℃で1時間攪拌した。
さらに、1-ナフチルイソシアナートを7.06g(41.76mmol)と3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-2-オキシドを0.67g(3.48mmol)添加して攪拌しながら100℃に昇温し、さらに2時間保持した。
樹脂溶液Bと同様にIR測定にて反応の終点を確認し、反応液を室温まで冷却することによって樹脂溶液Jを得た。
なお、得られたポリカルボジイミドにおいて、n1+n2=5〜7、n3=60〜70、n1+n2+n3=65〜77、(n1+n2)/(n1+n2+n3)=5/77〜7/65であった。
11.樹脂溶液K
TDI(2,4-トリレンジイソシアナート80mol%、2,6-トリレンジイソシアナート20mol%の混合物、三井武田ケミカル社製)を13.89g(79.75mmol)、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナートを59.87g(239.25mmol)、Hycar CTBN1300X13(宇部興産社製)を18.58g(5.31mmol)、NISSO-PB CI-1000(日本曹達社製)を37.16g(26.5mmol)、トルエンを195.67g、p-イソプロピルフェニルイソシアナートを9.26g(57.42mmol)と3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-2-オキシドを0.61g(3.19mmol)使用する以外は樹脂溶液Hと同様に樹脂溶液Kを調製した。
なお、得られたポリカルボジイミドにおいて、n1+n2=5〜6、n3=66〜76、n1+n2+n3=71〜82、(n1+n2)/(n1+n2+n3)=5/82〜6/71であった。
12.樹脂溶液L
攪拌装置、滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコにTDI(2,4-トリレンジイソシアナート80mol%、2,6-トリレンジイソシアナート20mol%の混合物、三井武田ケミカル社製)を24.42g(140.2mmol)、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナートを84.20g(336.5mmol)、ナフタレンジイソシアナートを47.15g(224.32mmol)、シクロヘキサノンを219.8g入れ、40℃で1時間攪拌した。
さらに、1-ナフチルイソシアナートを7.12g(42.1mmol)と3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-2-オキシドを0.67g(3.50mmol)添加して攪拌しながら100℃に昇温し、さらに2時間保持した。
樹脂溶液Bと同様にIR測定にて反応の終点を確認し、反応液を室温まで冷却することによって樹脂溶液Lを得た。
なお、得られたポリカルボジイミドにおいて、n1+n2=0、n3=124〜163、n1+n2+n3=124〜163、(n1+n2)/(n1+n2+n3)=0であった。
13.樹脂溶液M
TDI(2,4-トリレンジイソシアナート80mol%、2,6-トリレンジイソシアナート20mol%の混合物、三井武田ケミカル社製)を24.42g(140.2mmol)、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナートを63.15g(252.4mmol)、ナフタレンジイソシアナートを64.83g(308.4mmol)、シクロヘキサノンを223.2g、1-ナフチルイソシアナートを7.12g(42.1mmol)と3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-2-オキシドを0.67g(3.50mmol)使用する以外は樹脂溶液Lと同様に樹脂溶液Mを調製した。
なお、得られたポリカルボジイミドにおいて、n1+n2=0、n3=129〜158、n1+n2+n3=129〜158、(n1+n2)/(n1+n2+n3)=0であった。
製造例3 B層用フィルムの作製
製造例2で調製した樹脂溶液A〜Mを、剥離剤(フッ素化シリコーン)で表面処理したポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレータ(三菱ポリエステルフィルム社製、厚さ50μm)の上に塗布し、130℃で1分、さらに、150℃で1分加熱して、半硬化状態のB層用フィルムa〜m(厚さ10μm)を得た。
製造例4 光半導体素子を実装した配線回路基板の作製
所定の配線パターンが形成された白色基板(利昌工業社製;CS-3965、酸化チタンを充填したガラスエポキシ基板、縦30mm×横30mm×厚さ600μm、30℃における引張り弾性率:23.2GPa)に光半導体素子をワイヤーボンディングにより実装して光半導体素子が実装された配線回路基板を作製した。
試験例1 引張り弾性率の測定
製造例3で得られた樹脂フィルムを175℃で5時間精密恒温機(ヤマト科学社製:セーフティーファインオーブンDH-62Z)で加熱し、樹脂フィルムの硬化を行った。その後、引張り弾性率を30℃、周波数50Hzの条件下で動的粘弾性測定装置(セイコー電子工業社製:DES210)にて測定し、その結果を表1に示す。
Figure 2005322804
実施例1〜8および比較例1〜5
表2に示すような組み合わせで製造例4で得られた基板に、製造例3で得られたB層用フィルムが光半導体素子の上面と接しないようにラミネートした。ラミネートは、真空ラミネータ(ニチゴーモードン社製)を用いて、温度150℃、圧力0.1MPa、時間60秒で行った。そして、セパレータを除去して、B層を基板上に形成した。次に、製造例1で得られたA層用フィルムをB層の上に載置し、プレス板を用いて、140℃、0.1MPa、60秒で加熱加圧した。その後、160℃×16時間でA層およびB層に含まれる樹脂を硬化させることによって、封止樹脂層を形成し、本発明の光半導体装置を得た。なお、得られた光半導体装置において、A層の厚さは200μm、B層の厚さは10μmであった。
試験例2 半導体装置の反りの測定
実施例および比較例で作製した光半導体装置を室温下で、平らな板の上に置き、4角の反りの高さをそれぞれ測定し、その平均値を算出することで反りを評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2005322804
表1および2の結果より、B層の引張り弾性率が0.4GPaを超える光半導体装置(比較例1〜5)は、実施例1〜8で得られた光半導体装置よりも反りが大きいことがわかり、発光の均一性が実施例1〜8で得られた光半導体装置よりも劣ることが推測される。
本発明の光半導体装置は、パソコン、携帯電話等の面光源等に用いられるものである。
本発明の光半導体素子の一実施態様である。
符号の説明
1 配線回路基板
2 光半導体素子
3 A層
4 B層

Claims (2)

  1. 配線回路基板上に実装された光半導体素子を樹脂封止してなる光半導体装置であって、封止樹脂層(A層)と該基板との間に30℃における引張り弾性率が0.001〜0.4GPaである樹脂層(B層)を有する光半導体装置。
  2. B層が光半導体素子の上面に接していない請求項1記載の光半導体装置。
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