JP2005321254A - ハーネス寸法測定具とそれを用いた寸法測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤハーネスの所要位置間の寸法を簡単且つ正確に測定する。
【解決手段】布線治具4の複数のピン5を挿通させる各孔部6を有する板部材7に、ワイヤハーネス2の分岐点を示す直線9,10を交差形成した第一のハーネス寸法測定具1を採用する。布線治具4の各ピン5を板部材7の各孔部6に挿通させ、布線治具で支持したワイヤハーネス2の測定対象位置と一つの直線9との間の寸法Lをメジャー17で測定する。メジャー22のケース23を固定する収容部24と、収容部に対して基端側を固定された延長部材26と、延長部材の先端に設けられ、メジャーの先端を固定する固定部27とを備える第二のハーネス寸法測定具21を採用する。収容部24に設けたガイド部25に延長部材26を移動自在に係合させた。延長部材26をワイヤハーネス35に沿わせ、ワイヤハーネス上にメジャー22を配置してワイヤハーネスの測定対象位置の間の寸法Sを測定する。
【選択図】図1
【解決手段】布線治具4の複数のピン5を挿通させる各孔部6を有する板部材7に、ワイヤハーネス2の分岐点を示す直線9,10を交差形成した第一のハーネス寸法測定具1を採用する。布線治具4の各ピン5を板部材7の各孔部6に挿通させ、布線治具で支持したワイヤハーネス2の測定対象位置と一つの直線9との間の寸法Lをメジャー17で測定する。メジャー22のケース23を固定する収容部24と、収容部に対して基端側を固定された延長部材26と、延長部材の先端に設けられ、メジャーの先端を固定する固定部27とを備える第二のハーネス寸法測定具21を採用する。収容部24に設けたガイド部25に延長部材26を移動自在に係合させた。延長部材26をワイヤハーネス35に沿わせ、ワイヤハーネス上にメジャー22を配置してワイヤハーネスの測定対象位置の間の寸法Sを測定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ワイヤハーネスの分岐部の位置やワイヤハーネスに装着した部品の位置を測定するためのハーネス寸法測定具とそれを用いた寸法測定方法に関するものである。
図5は従来のワイヤハーネス布線工程におけるハーネス寸法測定方法の一形態を示すものである。
布線台61には複数の布線治具62が各所定位置に立設され、ワイヤハーネス63の各電線は作業者によって布線治具62に掛けられて所要形状に布線される。ワイヤハーネス63は幹線64と分岐線65とを備え、分岐線65は三本のピン66を有する布線治具62で幹線64から交差方向に分岐されて構成される。布線治具62はピン66とそれを支える支柱67と支柱基部の雄ねじ等の固定部68とで構成されている。
ワイヤハーネス63はテープで巻かれて結束されると共に、所要位置に係止クリップ69やプロテクタや防水グロメット等の部品が装着されて完成する。例えば係止クリップ69は合成樹脂で形成され、車両パネルの孔に挿入係合してワイヤハーネス63を車両パネルに固定させる。
これら部品69の装着位置や分岐線65の分岐位置はワイヤハーネス63を布線治具62から降ろした状態で例えば金属帯状のメジャーで測定して決定される。部品69の位置は近くの分岐線65の分岐点から部品69までの距離Lで規定され、各分岐線65の分岐位置は隣接する二本の分岐線65の分岐点の間の距離Sで規定される。
図6は従来のハーネス寸法測定具の一形態を示すものである(特許文献1)。
このハーネス寸法測定具71は、メジャー72のケース73を固定する一方の固定部74と、メジャー72の先端を固定する他方の固定部75とで成り、両固定部74,75をワイヤハーネス76の計測対象位置に挟持固定することで、両固定部74,75の間の寸法がメジャー72の目盛を読むことで測定される。
特開平11−257903号公報(図1)
しかしながら、上記従来のハーネス寸法測定方法(図5)にあっては、ワイヤハーネス63の分岐線65の分岐点の位置を測定者が目視で見当を付けて決定するために、作業者によって測定値にばらつきを生じるという問題があった。また、ワイヤハーネス63を一々布線治具62から降ろして測定するので多くの時間がかかるという問題もあった。
また、図5の如くワイヤハーネス63が弛んでいる場合に、メジャーをワイヤハーネス63の弛みに沿って押し付けて測定するわけであるが、その場合に一人の作業者が一方の分岐点にメジャーの基準目盛(例えば先端)を合わせて固定しつつ、他方の分岐点を通過してメジャーのケースを手で固定し、別の作業者がメジャーをワイヤハーネス63の弛み63aに沿って押し付けつつメジャーの目盛を読むといった作業や、一人作業の場合は、一方の分岐点に一方の手でメジャーの基準目盛を合わせ、他方の手で一方の分岐点から他方の分岐点までメジャーとワイヤハーネス63を抱き合わせしながら目盛を読むといった面倒な作業を必要とした。これは分岐点間の寸法測定に限らず、ワイヤハーネス63に弛みがある場合の分岐点と部品69との間の寸法を測定する場合も同様である。
また、上記従来のハーネス寸法測定具71(図6)を用いて上記ワイヤハーネスの寸法を測定する場合も、上記同様に、ワイヤハーネスの分岐点の位置を目視で決定しなければならず、また、ワイヤハーネスの弛みに沿ってメジャー72を上手く押し付けられないといった懸念があった。
本発明は、上記した点に鑑み、布線治具上でワイヤハーネスの分岐点の位置を正確に規定することができ、分岐点と部品との間の寸法や分岐点間の寸法を容易に且つ正確に測定することができ、しかも、弛みがあってもワイヤハーネスの実長さを正確に測定することができるハーネス寸法測定具とそれを用いた寸法測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るハーネス寸法測定具は、布線治具の複数のピンを挿通させる各孔部を有する板部材に、ワイヤハーネスの分岐点を示す直線が交差して形成されたことを特徴とする。
上記構成により、布線治具のピンに板部材の孔部を挿通係合させることで、布線治具の中心すなわちワイヤハーネスの幹線から分岐線を分岐した分岐部の中心位置(分岐点)が各直線の交点として表される。作業者は直線の交点にメジャーの基準線を合わせる等して分岐点とワイヤハーネスの測定対象物との間の寸法や各分岐点間の距離を正確に測定することができる。直線は少なくとも二本必要であり、二本の直線が直交する場合、第一の直線がワイヤハーネスに直交し、第一の直線にメジャーの目盛を合わせ、第二の直線はワイヤハーネスの長手方向を示す。
請求項2に係るハーネス寸法測定具は、請求項1記載のハーネス寸法測定具において、前記直線が、前記各孔部の中心を結ぶ仮想角形の中心を示すものであることを特徴とする。
上記構成により、例えば布線治具のピンが三本である場合、仮想角形は三角形となり、三角形の各辺の中心(長さの半分の位置)と対向する頂点とを結んだ線の交点が仮想角形の中心すなわち分岐点となる。ピンが四本である場合は仮想四角形の対向する各辺の中心を結ぶ直線の交点が仮想角形の中心となる。ピンが三本の場合、分岐点から三方向にハーネス部分が延び(分岐線は一本)、ピンが四本の場合は分岐点から四方向にハーネス部分が延びる(分岐線は二本)。
請求項3に係る寸法測定方法は、請求項1又は2記載のハーネス寸法測定具を用いた寸法測定方法であって、前記布線治具の各ピンを前記板部材の各孔部に挿通させ、該布線治具で支持したワイヤハーネスの測定対象位置と一つの前記直線との間の寸法をメジャーで測定することを特徴とする。
上記構成により、布線治具のピンに板部材の孔部を挿通係合させることで、布線治具の中心すなわちワイヤハーネスの幹線から分岐線を分岐した分岐部の中心位置(分岐点)が各直線の交点として表され、作業者は直線の交点にメジャーの基準線を合わせる等して分岐点とワイヤハーネスの測定対象物との間の寸法や各分岐点間の距離を正確に測定することができる。測定対象物としてはワイヤハーネスに装着される係止クリップやプロテクタ、グロメット、保護チューブ等の部品が挙げられる。各分岐点間の距離を測定する場合は、ワイヤハーネスの各分岐部に板部材をセットする。
請求項4に係る寸法測定方法は、請求項3記載の寸法測定方法において、前記ワイヤハーネスの上から前記ハーネス寸法測定具をセットすることを特徴とする。
上記構成により、板部材の直線がワイヤハーネスに隠されずに確実に目視され、且つワイヤハーネスの上側でメジャーをワイヤハーネスに邪魔されずに位置させることができる。
請求項5に係るハーネス寸法測定具は、メジャーのケースを固定する収容部と、該収容部に対して基端側を固定された延長部材と、該延長部材の先端に設けられ、該メジャーの先端を固定する固定部とを備えることを特徴とする。
上記構成により、収容部内でメジャーのケースが収容固定され、メジャーがケースから引き出されて延長部材に沿って伸び、延長部材先端の固定部で固定される。柔軟ないし可撓性のメジャーをケースから適宜長さに真直に引き出した状態で固定することで、剛性の高いスケールと同じように一人作業で簡単に使用することができる。
請求項6に係るハーネス寸法測定具は、請求項7記載のハーネス寸法測定具において、前記収容部に設けられたガイド部に前記延長部材が移動自在に係合して長さ調整可能であることを特徴とする。
上記構成により、例えばワイヤハーネスの分岐部と装着した部品との間の距離や各分岐部間の長さに応じて延長部材の突出長さすなわちメジャーの露出長さを調整することができる。
請求項7に係る寸法測定方法は、請求項5又は6記載のハーネス寸法測定具を用いた寸法測定方法であって、前記延長部材をワイヤハーネスに沿わせ、該ワイヤハーネス上に前記メジャーを配置して該ワイヤハーネスの測定対象位置の間の寸法を測定することを特徴とする。
上記構成により、例えばハーネス寸法測定具の収容部がワイヤハーネスの上に載置され、メジャーがワイヤハーネスの長手方向に沿って真直に位置し、延長部材はワイヤハーネスの側方でワイヤハーネスと平行に位置する。作業者はメジャーの目盛を読んでワイヤハーネスの分岐部と装着部品との間の距離や各分岐部間の距離を測定する。請求項3,4記載の寸法測定方法と兼用することが好ましい。
請求項8に係る寸法測定方法は、請求項7記載の寸法測定方法において、前記ワイヤハーネスに弛みがある場合に弛み部分に沿って前記メジャーを押し付けた状態で寸法を測定することを特徴とする。
上記構成により、寸法測定具によってワイヤハーネスの上でメジャーが安定に支持されているから、作業者が手指等でメジャーをワイヤハーネスの弛み部分に沿って押し付けることでメジャーが弛み部分に密着し、弛み部分を含めたワイヤハーネスの長さを一人作業で正確に測定することができる。
請求項9に係る寸法測定方法は、請求項7又は8記載の寸法測定方法において、請求項1又は2記載のハーネス寸法測定具を用いて前記ワイヤハーネスの分岐点の位置を規定し、該分岐点から測定対象位置までの寸法を測定することを特徴とする。
上記構成により、板部材の一つの直線にメジャーの基準目盛を合わせてワイヤハーネスの分岐点を基準にワイヤハーネスの装着部品までの距離を測定したり、二つの分岐部上の各板部材の各直線間の距離をメジャーで測定して分岐部間の距離を測定することができる。これらの測定は一人作業で簡単且つ正確に行うことができる。
請求項1記載の発明によれば、ワイヤハーネスを布線治具から外すことなく分岐点の位置を誰でも簡単に且つ正確に規定することができるから、分岐点からワイヤハーネスの測定対象物までの距離や分岐点間の距離を作業者間の測定ばらつきなく正確に測定することができ、これにより、ワイヤハーネスの寸法品質が保証される。
請求項2記載の発明によれば、分岐点が正確に決定され、請求項1の効果が確実に発揮される。
請求項3記載の発明によれば、ワイヤハーネスの分岐点の位置が布線治具上で正確に規定され、ワイヤハーネスを布線治具から外すことなく、分岐点からワイヤハーネスの測定対象物までの距離や分岐点間の距離を作業者間の測定ばらつきなく正確に測定することができるから、寸法測定の作業性や測定対象物の組付位置精度や分岐点の位置精度が高まり、ワイヤハーネスの生産性や製造品質が向上する。
請求項4記載の発明によれば、寸法測定の作業性が向上すると共に、測定精度が高まり、請求項3の効果が確実に発揮される。
請求項5記載の発明によれば、柔軟ないし可撓性のメジャーをケースから適宜長さに真直に引き出した状態で固定することで、剛性の高いスケールと同じように一人作業で簡単且つ確実に使用することができ、寸法測定の作業性と効率と正確さが高まる。
請求項6記載の発明によれば、ワイヤハーネスの測定対象位置の間隔に応じてメジャーの長さを調整できるから、ワイヤハーネスの各部位における各種長さを一つの寸法測定具で効率良く測定することができる。
請求項7記載の発明によれば、ワイヤハーネスを布線治具から外すことなく一人作業でワイヤハーネスの測定対象位置間の距離を簡単に且つ正確に測定することができ、測定に要する工数が低減されると共に、寸法測定の作業性と効率と正確さが高まる。
請求項8記載の発明によれば、弛みを含めたワイヤハーネスの長さを一人作業で正確に測定することができるから、ワイヤハーネスの寸法測定精度や作業効率が一層向上すると共に、ワイヤハーネスに装着する部品の位置や分岐部の位置を微調整して部品や分岐点の位置精度を一層高めることができる。
請求項9記載の発明によれば、ワイヤハーネスを布線治具から外すことなく、板部材の直線にメジャーの目盛を合わせてワイヤハーネスの部品の位置や分岐点の位置を簡単に且つ正確に測定することができ、二つのハーネス寸法測定具により寸法測定精度が一層向上する。
図1〜図2は本発明に係るハーネス寸法測定具とそれを用いた寸法測定方法の第一の実施形態を示すものである。
このハーネス寸法測定具1は、ワイヤハーネス2の分岐点の位置を明確に規定すべく、ワイヤハーネス2の分岐部3を支持する布線治具4の三本のピン5を挿通させる各孔部6を透明な合成樹脂製の板部材7に設けると共に、板部材7の表面又は裏面又は厚さ方向中間に、三つの孔部6を結ぶ仮想三角形8(図2)の中心を示す二本の直交する直線9,10を形成して成るものである。
図2の如く仮想三角形8の中心は、第一の孔部61の中心と、第二と第三の各孔部62,63の中心を結ぶ仮想直線82の長さの半部の位置とを通る第一の直線9と、第一と第二の各孔部61,62の中心結ぶ仮想直線81の長さの半分の位置と、第一と第三の各孔部61,63の中心を結ぶ仮想直線83の長さの半分の位置とを通る第二の直線10との交点11で決定される。
第一の直線9は第一の孔部61の中心を通り、板部材7の対向する二辺121,123に直交している。第一の直線9の方向はワイヤハーネス2の測定対象である幹線13の径方向に一致し、幹線13の長さを測定することで、図1の部品である係止クリップ16の位置が規定される。第二の直線10の方向はワイヤハーネス2の幹線13の長手方向に沿って平行に位置している。
布線治具の三本のピン5の位置は、支持するワイヤハーネス2の幹線13と分岐線15の太さ等に応じて適宜設定され、板部材7の三つの孔部6もそれに応じて適宜形状の仮想三角形8を描く。例えば仮想三角形8が正三角形である場合は、上記した第一と第二の直線9,10との交点(仮想三角形の中心)11は、仮想三角形の各頂点から対向する各仮想直線に向けて垂直におろした各直線の交点に一致する。それ以外の仮想三角形(二等辺三角形や直角三角形やそれ以外の三角形)8の場合は上記のように各仮想直線81〜83の長さの半分の位置を結ぶ線で中心を求める。
図1の如く布線治具4がワイヤハーネス2を支持しており、ワイヤハーネス2の上から板部材7がセットされる。これにより、測定作業者が第一,第二の直線9,10を確実に目視で確認することができる。
図1では複数本の電線を布線治具4に布線した後、テープ巻きを施し、係止クリップ16を固定した状態を示しているが、各電線を布線した状態でテープ巻きをせずに係止クリップ16等の部品を固定することもある。
布線治具4は従来(図5)と同様に三本のピン5とその下側に続く垂直な支柱と、支柱を布線台に固定する雄ねじ等の固定部とで構成されている。三本のピン5は垂直部と、垂直部から屈曲して支柱に交差する水平部とで構成されている。水平部に代えて支え板を用い、支え板に支柱の上端を固定することも可能である。
寸法測定具4の板部材7の形状は四角形とし、第一と第二の直線9,10が板部材7の各辺部121〜124に直交するようにすることで、メジャー17を板部材7の一辺121に沿って平行に位置させることができ、測定が正確化する。但し、スペース的に板部材7の角部が邪魔になってしまう等の場合は、円形や三角形等の板部材を使用することも可能である。
寸法測定具1は、孔部6を有する板部材7と、板部材7に朱色等の目立つ色で描かれた二本の直交する直線9,10とで構成される。孔部6の内径は布線治具4のピン5の外径よりも若干大きい程度であることが、中心位置11のずれを極力抑え、且つ板部材7の装着性を高める上で好ましい。
図1の如く、布線台上で布線治具4に複数本の電線を布線してワイヤハーネス2を形成し、ワイヤハーネス2の上から布線治具4に寸法測定具1をセットする。寸法測定具1のセットは、各ピン5を各孔部6に挿通(貫通)させ、板部材7を布線台と平行に位置させることで行われる。布線台は作業性を高める上で傾斜している場合が多く、その場合は板部材7は水平とはならず、布線台と平行にセットされる。
本例ではワイヤハーネス2の第一のハーネス部分13が布線治具4の第一と第二のピン51,52の間すなわち寸法測定具1の第一と第二の孔部61,62の間を挿通し、第二のハーネス部分14が第二と第三のピン52,53の間すなわち第二と第三の孔部62,63の間を挿通し、第三のハーネス部分15が第一と第三のピン51,53の間すなわち第一と第三の孔部61,63の間を挿通している。本例では太い第一と第二のハーネス部分13,14が幹線で、細い第三のハーネス部分15が分岐線である。
そして、寸法測定具1の二本の直線9,10の中心11がワイヤハーネス2の三本のハーネス部分13〜15の交差中心すなわち分岐点に一致する。分岐点から第一のハーネス部分13の装着部品である係止クリップ16までの寸法(距離)Lを測定する場合、作業者はメジャー17の基準目盛(ゼロ点に限らず中間の長い目盛部分でもよい)18を寸法測定具1の第一の直線9の延長線上又は第一の直線上に合わせつつ、メジャー17を第二の直線10と平行に配置して、基準目盛18から部品16までの寸法Lを測定する。部品16は係止クリップに限らずプロテクタやコルゲートチューブ等、種々のものを測定対象として適用可能である。
ワイヤハーネス2の分岐点に位置が正確に把握できるから、分岐点から部品16までの寸法(寸法)Lを測定者によるばらつきなく正確に測定することができる。これにより、ワイヤハーネス2への部品16の装着に際して部品16を所定の位置に正確に配置することができ、また、部品16の装着後は部品16の位置を正確に検査することができる。
なお、板部材7は無色透明であることがベストであるが、布線治具4の三本のピン5で分岐点が位置出しされるので、必ずしも下側のワイヤハーネス2が透けて見える必要はなく、半透明や色付きで透明のものや不透明のものを使用することも可能である。また、板部材7に描かれた直線9,10にメジャー17の目盛18を正確に合わせることができれば、板部材7をワイヤハーネス2の上ではなく下に(布線治具4に直接)配置することも可能である。
また、布線治具4のピン5の数は三本に限らず四本でもそれ以上であっても寸法測定具1を適用することができる。例えばピン5が四本の場合は、各ピン5を結ぶ仮想四角形の対向する二辺の長さの半分の位置を互いに結んだ二本の直線の交点が中心となる。仮想四角形が正方形や長方形の場合は四角部を結ぶ対角線の交点が上記中心と一致する。四本のピン5を有する布線治具(図示せず)は四本のハーネス部分の分岐部に適用可能である。
また、板部材7に描く直線9,10の数は測定対象のハーネス部分13の径方向に延びる第一の直線9と、同じくハーネス部分13の長手方向に延びる第二の直線10との二本が最低あればよく、二本以上であっても構わない。第一の直線9にメジャー17の目盛18を合わせ、第二の直線10に沿って平行にないしほぼ平行にメジャー17を延ばすことで、正確に寸法を測定することができる。例えば三本のハーネス部分13〜15の分岐で、そのうちの二本(例えば13,14)が測定対象である場合には、各ハーネス部分(13,1)ごとに二本の直線9,10で、計四本の直線があればよい。
また、上記実施形態においてはメジャー17を用いて寸法を測定したが、メジャー17に代えて例えばレーザー等を使用して寸法を自動測定することも可能である。レーザーは寸法測定具1の直線9(又は10)を起点として検知し、部品16または他の寸法測定具1の直線9までの距離を計測する。
図3〜図4は、本発明に係るハーネス寸法測定具とそれを用いた寸法測定方法の第二の実施形態を示すものである。
このハーネス寸法測定具21は、メジャー22のケース23を収容固定する箱状の収容部24と、収容部24に設けられたガイド部25と、ガイド部25にスライド自在に挿通されたステー(延長部材)26と、ステー26の先端側でメジャー22の先端を固定する固定部27とで構成されるものである。
図4の如く、ケース24は金属又は合成樹脂材で正面側と左右両側と上側と背面側の各壁部を構成し、下側に開口28を有し、壁部の内側に開口28に続く収容室を有している。開口28からメジャー22のケース23が挿入され、正面側の壁部29のねじ孔又はナットに螺挿した蝶ねじ30の先端で締め付けて背面側の壁部との間で挟持固定される。下側の開口28からケース23の下端が少し突出し、メジャー22が横向き水平に突出する。収容部24の側壁31の内面はケース23の側面23aに当接して支持されるように、収容室はケース23をガタ付きなく収容できる内幅を有することが好ましい。
メジャー22はケース内でリール状に巻かれ、ばね作用で引き込み方向に付勢され、ばね付勢に抗して作業者が引き出して使用する既存のものである。柔軟ないし可撓性の帯状のメジャー22とケース23等とでメジャーAssy(通常はメジャーと総称する)36が構成されている。通常、メジャー22の先端には略L字状のゼロ基準部である金具32が固定されている。
収容部24の背面側にガイド部25が一体的に設けられ、ガイド部25は背面側の壁部に固定された略コの字状の壁部で構成され、略コの字状の壁部は背面側の幅広の壁部25aと、上下の短く突出した壁部25bと左右に貫通した開口33とで成り、背面側の壁部25aのねじ孔又はナットに蝶ねじ34が螺挿されている。一方の開口33からガイド部内にステー26が挿入されて蝶ねじ34で固定される。ワイヤハーネス35(図3)の測定対象寸法(距離)Sが短い場合はステー26をガイド部25の他方の開口から外部に大きく挿通させた状態で蝶ねじ34で固定させることも可能である。
ガイド部25は収容部24の背壁の中央側の部分を断面略コの字状に膨出させることで背壁と一体に形成することも可能である。この場合、背壁は上下端及び左右端において短く残存し、その部分でメジャー22のケース23の背面を当接支持可能である。また、ガイド部25を収容部24とは別体に形成して溶着や加締等で両者を固定させてもよい。
収容部24は上記構成の他にメジャー22のケース23をステー26に確実に固定できるものであれば適宜採用可能である。例えば、ケース23を厚さ方向ではなく幅方向にねじ等で挟持するようにしたり、ケース23を幅方向に左右の弾性壁で挟んで固定させる等することも可能である。
ステー26は合成樹脂又は金属の板材で帯状ないし長方形状に形成され、上下方向の高い曲げ剛性を有している。ステー26の先端下部に固定部27が設けられ、固定部27(図4)はステー26に固定される垂直な板部分37と、板部分37に直交する水平な二枚の近接する平行な板部分38,39とで構成され、下側の板部分38の先端にメジャー22の先端金具32を引っ掛けて位置決め固定させる凹部40が形成されている。
固定部27は例えば一枚の帯状の金属板を折り曲げ及び折り返して形成される。金属製のステー26の一部を下向きに帯状に延長し、その延長部を折り曲げ及び折り返して固定部27を一体に形成することも可能である。
延長部材としてステー26に代えて曲げ剛性の高い棒状の部材(図材)を用いることも可能である。棒材は金属製又は合成樹脂製で円形、円筒形、角材、X型、H型等、種々の断面形状のものを使用可能である。
図3の如く、布線台上で複数の布線治具41に複数本の電線が布線されてワイヤハーネス35が形成され、そのうちの測定対象となる二つの布線治具41において、ワイヤハーネス35の上から第一の実施形態と同様の板状の寸法測定具43をセットし、図4の寸法測定具21を組み立てた状態で、その収容部24を第一の布線治具41の後方でワイヤハーネス35の上に載置し、ステー26を各布線治具41のピン42の外側においてワイヤハーネス35の幹線44と並列(平行)に配置し、ステー先端の固定部27を第二の布線治具41の前方においてワイヤハーネス35の上に載置し、メジャーを収容部と固定部との間でワイヤハーネス35の上に水平に(布線台と平行に)載置する。
ステー26は縦置きの状態で板厚方向をワイヤハーネス35の幹線44と平行に配置するから、布線台上で場所をとることがなく、ワイヤハーネス35の他の部位等に干渉することなく、スムーズ且つ確実にメジャー22をワイヤハーネス35上に位置決めセットすることができる。ステー26は二つの布線治具41の間隔Sよりも長くなるように予め長さが調整されている。ステー26の長さ調整はガイド部25の蝶ねじ34を緩めてステー26を長手方向にスライドさせることで容易に行うことができる。
そして、メジャー22のゼロ点ではない中間の基準目盛(目盛の長い線)47を一方の分岐部側の板部材43の直線48に合わせ、他方の分岐部側の板部材43の直線48との間の寸法Sを測定する。両分岐点の間の寸法Sは一方の分岐点おけるメジャー22の目盛値47と他方の分岐点におけるメジャー22の目盛値との差で表される。図3で符号45は各分岐線、符号49は第二の直線をそれぞれ示している。
図3のようにワイヤハーネス35が両布線治具41の間で下向きに弛んでいる場合には、図3の如くワイヤハーネス上に寸法測定具21をセットした状態で、メジャー22をワイヤハーネス35の弛み部分(符号44で代用)に沿って密着させるべく下向きに押圧することで、ワイヤハーネス35の分岐点間の弛みを含んだ実長さを一人作業で簡単且つ正確に測定することができる。
分岐点間のワイヤハーネス35の実長さが規定長さより長い場合には、その長さ分だけ例えば一方の分岐線45の分岐位置を修正することができる。分岐位置の修正は分岐線45にテープを巻かない状態で行う。分岐点間の寸法が規格公差内にある場合は、テープ巻きを行ってワイヤハーネス35を完成させる。
図4の寸法測定具21は例えば図1におけるワイヤハーネス2の分岐部3と部品16との間の寸法Lを測定する場合にも適用することができる。この場合、図1でワイヤハーネス2の上にメジャー22を載置し、ステー26を例えば二本のピン52,53の外側と係止クリップ16のバンド部16aの外側に配置することで、クリップ本体(符号16で代用)と干渉することなく簡単且つ正確に寸法を測定することができる。メジャー22の中間の基準目盛47は分岐部3上の板部材7の直線9に合わせることは言うまでもない。
また、図4の寸法測定具21でワイヤハーネスの二つの部品間の距離を測定することも有効である。この場合、部品16には図1の寸法測定具1を装着できないので、一方の部品の中心ないし所定箇所を目視でメジャー22の中間の基準目盛47に合わせ、両部品間の寸法を測定する。ワイヤハーネスに弛みがある場合は、ステー26を動かさずに固定した状態でメジャー22を弛み部分に沿って押し付けることで、弛みを含んだ実長さを簡単且つ正確に測定することができる。測定寸法が規定公差を外れている場合は、部品16の位置を正しく修正する。
上記第二の実施形態においてはステー26をガイド部25にスライド自在としてステー26と一体的にメジャー22の長さを調整可能としたが、所定の長さのハーネス部位を測定する専用測定具の場合はガイド部25を設けずにステー26を収容部24に固着させた状態で使用してもよい。これはステー26に代えて棒材等を用いた場合も同様である。ステー26の基端部側を折り返し屈曲させて収容部24を一体に形成することも可能である。
1,21 ハーネス寸法測定具
2,35 ワイヤハーネス
4,41 布線治具
5(51〜53),42 ピン
6(61〜63) 孔部
7,43 板部材
8 仮想三角形(仮想角形)
9,10、48,49 直線
17,22 メジャー
23 ケース
24 収容部
25 ガイド部
26 ステー(延長部材)
27 固定部
L,S 寸法
2,35 ワイヤハーネス
4,41 布線治具
5(51〜53),42 ピン
6(61〜63) 孔部
7,43 板部材
8 仮想三角形(仮想角形)
9,10、48,49 直線
17,22 メジャー
23 ケース
24 収容部
25 ガイド部
26 ステー(延長部材)
27 固定部
L,S 寸法
Claims (9)
- 布線治具の複数のピンを挿通させる各孔部を有する板部材に、ワイヤハーネスの分岐点を示す直線が交差して形成されたことを特徴とするハーネス寸法測定具。
- 前記直線が、前記各孔部の中心を結ぶ仮想角形の中心を示すものであることを特徴とする請求項1記載のハーネス寸法測定具。
- 請求項1又は2記載のハーネス寸法測定具を用いた寸法測定方法であって、前記布線治具の各ピンを前記板部材の各孔部に挿通させ、該布線治具で支持したワイヤハーネスの測定対象位置と一つの前記直線との間の寸法をメジャーで測定することを特徴とする寸法測定方法。
- 前記ワイヤハーネスの上から前記ハーネス寸法測定具をセットすることを特徴とする請求項3記載の寸法測定方法。
- メジャーのケースを固定する収容部と、該収容部に対して基端側を固定された延長部材と、該延長部材の先端に設けられ、該メジャーの先端を固定する固定部とを備えることを特徴とするハーネス寸法測定具。
- 前記収容部に設けられたガイド部に前記延長部材が移動自在に係合して長さ調整可能であることを特徴とする請求項7記載のハーネス寸法測定具。
- 請求項5又は6記載のハーネス寸法測定具を用いた寸法測定方法であって、前記延長部材をワイヤハーネスに沿わせ、該ワイヤハーネス上に前記メジャーを配置して該ワイヤハーネスの測定対象位置の間の寸法を測定することを特徴とする寸法測定方法。
- 前記ワイヤハーネスに弛みがある場合に弛み部分に沿って前記メジャーを押し付けた状態で前記寸法を測定することを特徴とする請求項7記載の寸法測定方法。
- 請求項1又は2記載のハーネス寸法測定具を用いて前記ワイヤハーネスの分岐点の位置を規定し、該分岐点から測定対象位置までの寸法を測定することを特徴とする請求項7又は8記載の寸法測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004138348A JP2005321254A (ja) | 2004-05-07 | 2004-05-07 | ハーネス寸法測定具とそれを用いた寸法測定方法 |
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010101700A (ja) * | 2008-10-22 | 2010-05-06 | Toyota Motor Corp | ねじ有効径測定用保持治具 |
CN103363857A (zh) * | 2013-07-15 | 2013-10-23 | 奇瑞汽车股份有限公司 | 一种汽车车身滑撬安装孔检测装置 |
CN106197205A (zh) * | 2016-09-18 | 2016-12-07 | 天津立中汽车铝合金配件有限公司 | 一种高精度位置度检测系统 |
-
2004
- 2004-05-07 JP JP2004138348A patent/JP2005321254A/ja not_active Withdrawn
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