JP2005320959A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装備されているバッテリが上がった場合等の始動時でも、混合気に確実に点火できる内燃機関用点火装置を提供することである。
【解決手段】 内燃機関の燃焼室内の混合気に点火する内燃機関用点火装置が、1次コイル37及び2次コイル38を含む点火コイル36と、1次コイルに電流を供給するバッテリ10と、1次コイルを流れる1次電流を制御するスイッチング素子22と、バッテリと並列に配置されバッテリ上がりのとき1次コイル及びスイッチング素子に電流を供給する第1メインコンデンサ20と、第1コンデンサからバッテリへの電流の流れを防止する逆流防止手段30と、を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動二輪車や自動車のエンジンなどの内燃機関において、燃焼室内の混合気に点火する内燃機関用点火装置に関する。
内燃機関の燃焼室に導入される混合気は点火プラグにより点火され、点火プラグの高電圧は点火コイルにより発生される。即ち、点火コイルの1次コイルを流れる電流を断続すると、自己誘導作用により1次コイルに所定の低電圧が発生する。この低電圧が1次コイルと2次コイルとの相互誘導作用により高電圧に昇圧され、昇圧後の高電圧が2次コイルから点火プラグに印加される。
電圧の昇圧方式には、大別してCDI(Capatitor Discharge Ignition)方式と誘導放電方式(いわゆるフルトランジスタ方式)とがある。このうち、CDI方式は、CDI内部のコンデンサに充電しておいた高電圧の電流を瞬間的に1次コイルに流すことにより、2次コイルに所望の高電圧を発生させる昇圧方式である。エンジンの回転数が高い場合でも点火エネルギの低下が少ない。また、バッテリの完全放電(いわゆる「バッテリ上がり」)の場合でも、コンデンサの貯留電荷で混合気に点火できる。このため、CDI方式は高速回転するエンジンや小排気量の自動二輪車、つまり一般的に2サイクルエンジンに採用されている。
一方、誘導放電方式は、1次コイルに流れる1次電流をイグナイタのスイッチング素子で遮断することにより2次コイルに所望の高電圧を発生させる昇圧方式である。点火コイルに火花が発生している時間が長いため、希薄混合気に対しても確実に点火できる。したがって、誘導放電方式は燃費が重視される自動車や大排気量の自動二輪車、つまり一般的に4サイクルエンジンに採用されている。
近年は自動二輪車にも排ガス規制が強化される傾向にあるため、排ガス規制に対応し易い4サイクルエンジンを搭載した自動二輪車が増加傾向にある。特に、小排気量の自動二輪車においてこの傾向が強く、燃費も考慮して、誘導放電方式のイグナイタが採用されることが多い。小排気量の自動二輪車に誘導放電方式のイグナイタを使用した場合、バッテリ上がり時のエンジンの始動性確保が問題となる。すなわち、自動二輪ではバッテリの容量が小さく、バッテリ上がりが生じ易い。バッテリが上がったときは、1次コイル及びイグナイタに電流を供給できなくなる。
このような問題に対処するために、従来のイグナイタ(特許文献1参照)では、1次コイルに対してコンデンサを並列に接続して、エンジンの回転時に電荷をコンデンサに貯留する。そして、バッテリ上がりの場合、コンデンサの貯留電荷をエンジン始動に用いている。
なお、車体の軽量化、メンテナンスフリー、安全対策(バッテリの盗難予防)を考慮して、バッテリを装備しない(いわゆる「バッテリレス」)仕様の小排気量の自動二輪車も販売されている。この場合、始動時はキックでエンジンを回転させ、エンジン始動後は交流発電機で1次コイル及びイグナイタに電流を供給する。しかし、交流発電機の回転数や、交流を直流に整流するレギュレータの性能によっては交流発電機からの電流が不安定になることがあり、この場合コンデンサからの電流供給が必要になる。
特開2001−349270号公報
上記従来例のイグナイタのコンデンサは、バッテリと1次コイルとを結ぶ配線部(ライン)に接続されている。このため、バッテリ上がりの場合はコンデンサから1次コイルのみならずバッテリにも電流が流れ、バッテリが抵抗体として作用し、コンデンサの貯留電荷がバッテリで消費される。その結果、1次コイルやイグナイタに所望の電圧を供給できないおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、装備されているバッテリが上がった場合の始動時や、バッテリが装備されておらずしかも交流発電機からの供給電流が不安定な場合でも混合気に確実に点火できる、誘導放電方式の内燃機関用点火装置を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、第1発明の内燃機関用点火装置は、請求項1に記載したように、1次コイル及び2次コイルを含む点火コイルと、1次コイルに電流を供給するバッテリと、1次コイルを流れる1次電流を制御するスイッチング素子と、バッテリと並列に配置されバッテリ上がりのとき1次コイル及びスイッチング素子に電流を供給する第1メインコンデンサと、第1コンデンサからバッテリへの電流の流れを防止する逆流防止手段と、を備える。
(2)第2発明の内燃機関用点火装置は、請求項8に記載したように、1次コイル及び2次コイルを含む点火コイルと、内燃機関により作動され1次コイルに電流を供給する交流発電機と、1次コイルを流れる1次電流を制御するスイッチング素子と、交流発電機からの電流供給が不安定なとき、少なくとも1次コイル及びスイッチング素子に電流を供給する第1コンデンサと、交流発電機からの電流供給が不安定なとき付属機器に電流を供給する第3コンデンサと、を備える。
(3)第1発明及び第2発明の構成要素の種々の態様につき説明する。
(イ)内燃機関
第1発明及び第2発明において、内燃機関(エンジン)は4サイクルエンジンでも2サイクルエンジンでも良いが、主に高速回転(例えば10000rpm)が可能で、比較的排気量が小さい(例えば125cc以下)のエンジンを想定している。気筒数は単気筒でも、複気筒でも良い。なお、2サイクルエンジンの代表例は自動二輪車であるが、それ以外に、例えば自動車、船舶、スノーモービル又はバギー車なども含む。
(ロ)バッテリ、交流発電機
内燃機関がバッテリ(直流電源)を装備していることが望ましいが、不可欠ではない。第1発明は主にバッテリありの場合を想定しており、エンジンの始動時はバッテリから直流が第1配線部を通して1次コイルの一端に供給され、第2配線部を通して1次コイルの他端に接続されたスイッチング素子に供給される。第2発明は主にバッテリレスの場合を想定しており、キックなどで外部から回転力を加えてエンジンを始動する。
第1発明でも第2発明でも、エンジン始動後は交流発電機が電流を発生させ、1次コイル及びイグナイタに供給する。交流発電器の相数、極数などは特に限定されない。なお、バッテリ上がり時は第1コンデンサで、始動後は交流発電機で1次コイル及びイグナイタに電流を供給するので、交流発電機の相数が多いほど、第1コンデンサの静電容量を小さく設定できる。
(ハ)点火装置
a.点火装置は点火コイルとイグナイタとから成り、点火コイルは1次コイルと2次コイルとを含む。イグナイタの点火方式は誘導放電式であり、1次コイルに流れる1次電流を、バッテリ又は交流発電機からの電流で作動するイグナイタのスイッチング素子(例えばパワートランジスタ)でオフし、2次コイルに高電圧を発生させる。
イグナイタは少なくともスイッチング素子と第1コンデンサとを含み、更に第2コンデンサ及び/又は第3コンデンサを含むことができる。イグナイタの取付場所はサイドカウルの内側、シート下、又はタンク下などに選択できる。上記スイッチング素子及び第1コンデンサなどが基板上に実装されている。基板はバッテリから1次コイルに延びる第1配線部と、その途中の分岐点から分岐しスイッチング素子に延びる第2配線部とを含む。
b.第1コンデンサ
第1発明及び第2発明において、第1コンデンサは主にバッテリ上がり時に1次コイルやスイッチング素子などに電流を供給するもので、分岐点に配置されることが望ましい。その静電容量が大きく、しかも主にイグナイタや点火コイルへ電流を供給する場合、第1コンデンサは一つでも良い。一つであれば、点火装置の部品点数が少なくて済む。
第1コンデンサの静電容量は、望ましくは1000μF以上、7000μF以下である。1000μF未満であると1次コイル、電源部に所望の電圧を供給できないおそれがあり、7000μFを超えるとエンジンの始動性が悪くなるおそれがある。つまり、自動二輪車のバッテリ上がりの場合、キックや押し掛けなどによりクランクシャフトを回してエンジンの回転数を上げ、コンデンサを充電し、その電圧を始動電圧のしきい値以上にまで昇圧する必要がある。
図3にキックによるエンジン回転数と始動電圧との関係を示し、横軸はエンジン回転数で、縦軸は始動電圧である。これから分かるように、コンデンサの静電容量が小さい場合は充電カーブの立ち上がりが鋭く、比較的低いエンジン回転数n1(比較的小さな力でのキックペダルを踏込み、始動電圧のしきい値Vthを確保できる。これに対して、コンデンサの静電容量が大きい場合は、充電カーブの立ち上がりが鈍く、比較的高いエンジン回転数n2を発生させなければ、(比較的大きな力でのキックペダルの踏込み)、始動電圧のしきい値Vthを確保できない。
静電容量が大きく、体格も大きい第1コンデンサは作動時に発熱し、温度上昇によりその性能が低下する場合があるので、その周囲に放熱手段を設けることが望ましい。放熱手段は例えば円柱形状の第1コンデンサを収容する円筒形以上のコンデンサ収容部から成ることができる。第1コンデンサで発生した熱がコンデンサ収容部を介して外部に放熱され、コンデンサ収容部を外気に晒せば第1コンデンサの放熱性が更に高くなる。
c.第2コンデンサ
第1発明及び第2発明において、第2配線部上に変圧電源部及び制御部を配置することができる。変圧電源部はバッテリの電圧を変圧して制御部に供給するもので、制御部はスイッチング素子のオン、オフを制御するものである。第2コンデンサは変圧電源部と制御部との間に接続され、変圧電源部により充電され、主にバッテリ上がり時に第1コンデンサと共同して制御部に電流を供給するものである。
つまり、バッテリ上がり時は第1コンデンサからも制御部に電流が補充されるが、第1コンデンサの電流は1次コイルにも供給されるので、変圧電源部への電流が不足するおそれがある。そこで、第2コンデンサを設け、第1コンデンサと共同して、確実に制御部を作動させる。第2コンデンサの静電容量は、望ましくは500μF以上、1000μF以下である。500μF未満であると制御部に所望の電圧を供給できないおそれがあり、1000μFを超えると充電カーブの立上りが鈍く、制御部の起動時間が遅れ始動性が悪くなるおそれがある。
d.第3コンデンサ
第2発明の第3コンデンサは主に点火系(1次コイルやイグナイタ)以外の第1付属機器及び第2付属機器に電流を供給するものであるが、点火系に供給することもできる。第1付属機器はたとえばインジェクタであり、第2付属機器はたとえば燃料ポンプである。第3コンデンサは、第4配線部上の交流発電機と分岐点との間に配置でき、個数は一つでも、二つ以上の複数でも良い。第3コンデンサは第1コンデンサと共同して第1付属機器に電流を供給することができ、また第1付属機器及び第2付属機器の両方に第3コンデンサから電流を供給することができる。
e.逆流防止手段
第1発明の逆流防止手段は第1コンデンサからバッテリへの電流の流れを防止し、第2発明の逆流防止手段は第1コンデンサから交流発電機への電流の流れを防止するものである。逆流防止手段はダイオードから成っても、サイリスタから成っても良い。第1発明では第1コンデンサとバッテリとの間にダイオード等を設け、第2発明では 第1コンデンサ及び第3コンデンサと交流発電機との間にそれぞれ逆流防止手段を設ける。
(1)第1発明の内燃機関用点火装置によれば、バッテリ上がり時は、第1コンデンサが1次コイル及びスイッチング素子に供給する電流により点火コイルが高電圧を発生できる。その際、第1コンデンサの貯留電荷がバッテリにより消費されるのを逆流防止手段が抑制するので、1次コイル及びスイッチング素子への電流供給が確実になる。
請求項2の内燃機関用点火装置によれば、バッテリ上がり時は第1コンデンサが1次コイル及びスイッチング素子に電流を供給できる。請求項3の内燃機関用点火装置によれば、第1コンデンサが徒に大型化せず、しかも静電容量が不足する心配がない。請求項4の内燃機関用点火装置によれば、第1コンデンサの個数が一つなので安価で、実装スペースも小さくて済む。
請求項5の内燃機関用点火装置によれば、変圧電源部で変圧して制御部に供給するので制御部の作動が確実であり、しかもバッテリ上がり時は第2コンデンサが制御部に電流を供給するのでスイッチング素子のオン、オフが確実である。請求項6の内燃機関用点火装置によれば、第2コンデンサが徒に大型化せず、しかも静電容量が不足する心配がない。
請求項7の内燃機関用点火装置によれば、安価な素子により確実な逆流防止効果が得られる。
(2)第2発明の内燃機関用点火装置によれば、交流発電機からの供給電流が不安定(不足も含む)な場合でも、第1コンデンサから1次コイル及びスイッチング素子に電流が供給され、2次コイルが高電圧を発生できる。また、第1コンデンサにより付属機器の作動が確保できる。請求項9の内燃機関用点火装置によれば、第1コンデンサが徒に大型化せず、しかも静電容量が不足する心配がない。
請求項10の内燃機関用点火装置によれば、第1コンデンサ及び第3コンデンサの電荷が交流発電機側に逆流するのを防止し、1次コイルなどに供給できる。請求項11の内燃機関用点火装置によれば、静電容量の大きい第1コンデンサが点火系及び付属機器に電流を供給できる。請求項12の内燃機関用点火装置によれば、点火系及び付属機器とに別個独立の第1コンデンサ及び第3コンデンサから電流を供給するので、点火系及び付属機器の作動が確実になる。
<第1の最良の形態>
(構成)
以下、本発明を排気量125ccの自動二輪車内燃機関用点火装置に用いた最良の形態について説明する。
図1において、バッテリ10から点火コイルの1次コイル37に延びた第1配線上12にダイオード30が配置されている。ダイオード30の下流の分岐点14で分岐しパワートランジスタ22のゲートまで延びた第2配線16上に変圧電源部24及びCPU26が配置されている。分岐点14には第1コンデンサ20が接続され、変圧電源部24とCPU26との間に第2コンデンサ28が接続されている。
交流発電機32からバッテリ10に延びた第3配線部18にレクチファイアを含むレギュレータ33が配置され、レギュレータ33にランプ34が接続されている。バッテリ10の高圧側に位置する交流発電機30はマグネットとコイルとを含み、エンジンにより駆動され交流を発生する。点火コイル36 は、1次コイル37と2次コイル38とを含み、2次コイル38は点火プラグ39に接続されている。1次コイルの一端がバッテリ10に接続され、他端がパワートランジスタ22のコレクタに接続されている。
次に、バッテリ10の低圧側に位置するイグナイタ45について図1及び図2に基づき説明する。イグナイタ45は外観上はケーシング46、プリント基板48、コンデンサ20等を備えている。ケーシング46は樹脂製で箱状を呈し、自動二輪車のサイドカウル(不図示)の内側に、外気に晒された状態で固定されている。部分円筒形状のコンデンサ収容部47がケーシング46と一体に形成されている。
矩形板状のプリント基板48に第1コンデンサ20及び第2コンデンサ24、ダイオード30、変圧電源部24、CPU26、パワートランジスタ22などが実装されている。円柱状の第1コンデンサ20の静電容量は4700μFに設定され、体格が比較的大きい。この第1コンデンサ20はプリント基板48から上方に突出し、突出部分が円筒形状のコンデンサ収容部47に収容されている。
ダイオード30はそのアノードがバッテリ10側となるように配置され、バッテリ10から第1コイル37、第1コンデンサ20、変圧電源部24等に流れる電流のみを許容し、第1コンデンサ20からバッテリ10に流れる電流は禁止している。第1コンデンサ20と変圧電源部24とがダイオード26の低電圧側に並列に、しかも点火コイル36の1次コイル37と並列に接続されている。CPU26と第2コンデンサ28とは変圧電源部24の低電圧側に並列に接続され、第2コンデンサ28の静電容量は1000μFに設定されている。CPU26の低電圧側に接続されたパワートランジスタ22はCPU26によりオン/オフ制御され、バッテリ10から1次コイル37への通電をオン/オフする。
(作用)
次に、最良の形態の点火装置の作用につき説明する。エンジンの始動時に乗員がスタートボタン(不図示)を操作すると、バッテリ10から1次コイル37及びイグナイタ45に電流が流れる。CPU26でトランジスタ22をオフし、1次電流を遮断することにより2次コイル38に高電圧を発生させ、点火コイル36が混合気に点火する。
エンジンの始動後は、交流発電機32がエンジンにより回転され、発生した交流をレギュレータ33で直流に整流して、第1配線部12及び第2配線部14を通して1次コイル37及び変圧電源部24、CPU26及びパワートランジスタ22に供給する。発生した電圧は変圧部41により所定電圧に変圧(降圧)され、CPU26の駆動電圧として用いられる。
所定信号を受けるCPU26がパワートランジスタ22をオン/オフ制御する。パワートランジスタ22がオンするとバッテリ10と1次コイル37とが通電され、1次電流が流れる。パワートランジスタ22がオフすると1次電流が遮断され、自己誘導作用により1次コイル37に所定の低電圧が発生する。この低電圧は1次コイル37と2次コイル38との相互誘導作用により高電圧に昇圧され、高電圧が2次コイル38から点火プラグ39に印加される。また、レギュレータ32で整流された直流は第1コンデンサ20に充電され、変圧電源部24で変圧された後第2コンデンサ28に充電される。
バッテリ10が上がったときは、エンジン始動の際、第1コンデンサ20に充電された電荷が1次コイル37及び変圧電源部24等に供給される。また、第2コンデンサ28に充電された電荷がCPU26に供給される。こうして、点火コイル36で発生した高電圧により点火プラグ39が混合気に点火する。
(効果)
この最良の形態によれば、以下の効果が得られる。第1に、バッテリ10が上がった場合でも、確実にエンジンを始動できる。前述したように、比較的小排気量(125cc)の自動二輪車ではバッテリ10の容量が小さく、バッテリ上がりが発生し易い。但し、この最良の形態では、バッテリ上がり時は第1コンデンサ20が1次コイル37及びCPU26に電流を供給する。なお、第1コンデンサ20の静電容量を4700μFに設定しているため、エンジンの始動が確実である。
また、バッテリ上がりの際の始動時に、ダイオード30が第1コンデンサ20からバッテリ10に向かう電流の流れを禁止する。その結果、第1コンデンサ20の貯留電荷がバッテリ10で消費されるのを防止でき、貯留電荷の全てを1次コイル37及びCPU26に供給でき、点火コイル36における高電圧の発生が安定する。
第2に、エンジンの始動時も始動後も、CPU26の作動が確実で、パワートランジスタ22のオン、オフが確実になる。これは、交流発電機50及び第1コンデンサ20から変圧電源部24に供給される電流が不足する場合は、第2コンデンサ28からCPU26に電荷を供給できるからである。ここで、第2コンデンサ28の静電容量は1000μFに設定されているため、CPU26の動作信頼性が高い。第3に、イグナイタ45は単一の第1コンデンサ20しか備えていないため、第1コンデンサ20を複数配置する場合と比較して、部品点数が少なくて済む。
第4に、イグナイタ45の第1コンデンサ20の放熱性が優れている。ケーシング46に形成したコンデンサ収容部478でコンデンサ20を包囲し、ケーシング46は外気に晒されているからである。特に、コンデンサ収容部47の内面は第1コンデンサ20の外面に沿った形状を持つため、第1コンデンサ20で発生した熱がコンデンサ収容部47に容易に伝熱し、コンデンサ収容部47を介して外部に放熱され易い。自動二輪車の走行時はコンデンサ収容部47外面の温度が低下するため、第1コンデンサ20の放熱性が特に高くなる。
なお、バッテリ10をバックアップする第1コンデンサ20をレギュレータ33に配設することも考えられるが、レギュレータ33は発熱量が大きく、比較的高温である。その点、この最良の形態では第1コンデンサ20はイグナイタ45に配置しており、受ける熱負荷が小さくなる。
<第2の最良の形態>
(構成)
図4に第2の最良の形態を示す。この第2の最良の形態は、上記第1の最良の形態と比べて、バッテリが装備されていない点と、インジェクタ70、燃料ポンプ72及び第3コンデンサ76が配置されている点とが異なり、その他の点は基本的に第1の最良の形態と同じである。以下、異なる構成を中心に説明する。
交流発電機32から1次コイル37まで延びた第4配線部60に第1ダイオード30が配置され、分岐点62から分岐しスイッチング素子22まで延びた第2配線部64に変圧電源部24及びCPU26が配置されている。分岐点62に第1コンデンサ20が接続され、分岐点62と第1コンデンサ20との間にインジェクタ70が接続されている。
変圧電源部24とCPU26との間に第2コンデンサ28が接続されている。第4配線部上60において第1ダイオード30よりも交流発電機32寄りに第2ダイオード78を介して第3コンデンサ76が接続されている。第2ダイオード78の向きは第1ダイオード30と同じである。第3コンデンサ76と第2ダイオード78との間に燃料ポンプ72が接続されている。なお、第1コンデンサ20の静電容量を第3コンデンサ76のそれよりも大きく選定している。
(作用効果)
第2の最良の形態では、バッテリが装備されていないので、エンジンの始動時はキックを踏み込み、エンジンに回転力を与える。始動後は交流発電機32が発生する電流が1次コイル37及びCPU26等に供給されるとともに、第1コンデンサ20,第2コンデンサ28及び第3コンデンサ76に充電される。
ここで、エンジンの運転状態に依存する交流発電機32の回転数や、レギュレータ33の作動状態及び性能などによっては、交流発電機32からの電流のみでは1次コイル37などに必要な電流が不足する場合がある。その場合、第1コンデンサ20の電流が1次コイル37及びスイッチング素子22に供給される。また、第1コンデンサ20の電流はインジェクタ70にも供給され、第3コンデンサ76の電流が燃料ポンプ72に供給される。
第2の最良の形態によれば、交流発電機32からの供給電流が不安定な場合でも、点火コイル36が第1コンデンサ20からの電流により所定の時期に所定の高電圧を発生させる。また、インジェクタ70及び燃料ポンプ72がそれぞれ第1コンデンサ20及び第3コンデンサ76からの電流により所定時期に作動する。なお、第1コンデンサ20の電流は点火系と付属機器であるインジェクタ70との両方に使用しているが、その静電容量は第3コンデンサ76のそれよりも大きいので、供給電流が不足する心配はない。
また、第3コンデンサ76の電流が交流発電機32に向かう逆流は第2ダイオード78により防止されている。更に第1及び第3コンデンサ20及び76と、第1及び第2のダイオード70及び78とを設けたので、これらを流れる電流の大きさが小さくなり、寿命が長くなる。
<変形例>
(1)図5に示す第2の最良の形態の第1変形例では、第1コンデンサ20は1次コイル37及びCPU26等のみに電流を供給し、第3コンデンサ76がインジェクタ70及び燃料ポンプ72に電流を供給するようになっている。つまり、相対的に重要度が高い点火系への電流は静電容量の大きい第1コンデンサ20から供給する。これに対して、相対的に重要度が低い付属機器(インジェクタ70及び燃料ポンプ72)への電流は静電容量が小さい第3コンデンサ76から供給する。その結果、点火系の作動も、インジェクタ70及び燃料タンク72の作動も確実になる。また、第1及び第3コンデンサ20及び76と、第1及び第2ダイオード70及び78とを設けたので、これらを流れる電流の大きさが小さくなり、寿命が長くなる。
(2) 図6に示す第2変形例は、バッテリレス、しかもインジェクタ、燃料ポンプ及び第3コンデンサは設けられていない。バッテリ、インジェクタ、燃料ポンプ及び第3コンデンサを設けていないので、その分エンジンの構造が簡単で、寸法が小さくでき、コストが安くできる。但し、バッテリ10を設けることができ、その場合は第1の最良の形態の変形例に相当する。また、第3コンデンサ76を設けることができ、その場合は第2の最良の形態の変形例に相当する。
分岐点14と交流発電機32との間に、オープンレギュレータ80が設けられている。このオープンレギュレータ80はツェナダイオード81、ダイオード82及びサイリスタ83を含み、サイリスタ83はそのアノードがバッテリ10側となるように配置されている。この変形例において、交流発電機32で発生され第4配線部60を流れる電流がツェナダイオード81により所定値に規制される。ダイオード82を介してサイリスタ83のゲートに所定の電圧が加わると、サイリスタ83がオンし、交流発電機32から1次コイル37及びCPU26に電流が流れる。
その際、レギュレータ33の性能低下や作動不良などにより電流値が所定値よりも高くなっても、オープンレギュレータ80が所定値に規制するので、交流発電機32から供給される電流の電流値は安定する。なお、第4配線部60を流れる電流が所定値以下になると、サイリスタ83がオフするので、第1コンデンサ20の電流が交流発電機32に逆流する心配はない。このように、オープンレギュレータ80は、交流発電機32からの電流を安定化させて1次コイル37などに供給するとともに、第1コンデンサ20の電荷が交流発電機32側に逆流するのを防止している。
本発明の内燃機関用点火装置の第1の最良の形態のブロック図である。 第1の最良の形態のイグナイタの斜視透過図である。 キックによるエンジン回転数と始動電圧との関係を示すグラフである。 内燃機関用点火装置の第2の最良の形態のブロック図である。 第2の最良の形態の第1変形例のブロック図である。 第2変形例のブロック図である。
符号の説明
10:バッテリ 12:第1配線部
16:第2配線部 20:第1コンデンサ
22:パワートランジスタ(スイッチング素子)
24:変圧電源部 26:CPU(制御部)
28:第2コンデンサ 30:ダイオード(逆流防止手段)
32:交流発電機 36:点火コイル
37:1次コイル 39:点火プラグ
45:イグナイタ 47:コンデンサ収容部

Claims (12)

  1. 内燃機関の燃焼室内の混合気に点火する内燃機関用点火装置であって、
    1次コイル(37)及び2次コイル(38)を含む点火コイル(36)と、
    前記1次コイルに電流を供給するバッテリ(10)と
    前記1次コイルを流れる1次電流を制御するスイッチング素子(22)と、
    前記バッテリと並列に配置され、該バッテリが完全放電したとき、前記1次コイル及び前記スイッチング素子に電流を供給する第1メインコンデンサ(20)と、
    前記第1コンデンサから前記バッテリへの電流の流れを防止する逆流防止手段(30)と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 前記バッテリから前記1次コイルに第1配線部(12)が延び、該第1配線部の途中の分岐点(14)から前記スイッチング素子に第2配線部(16)が延び、前記第1コンデンサは該分岐点に配置されている請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
  3. 前記第1コンデンサの静電容量は1000μF以上、7000μF以下である請求項2に記載の内燃機関用点火装置。
  4. 単一の前記第1コンデンサが筒形状のコンデンサ収容部(47)に収容され、前記コンデンサ収容部は外気に晒されている請求項3に記載の内燃機関用点火装置。
  5. 前記第2配線部上に、前記スイッチング素子を制御する制御部(26)と、前記バッテリの電圧を変圧して該制御部に供給する変圧電源部(24)とが配置され、該変圧電源部と該制御部との間に該制御部に電流を供給する第2コンデンサ(28)と接続されている請求項2に記載の内燃機関用点火装置。
  6. 前記第2コンデンサの静電容量は500μF以上、1000μF以下である請求項5に記載の内燃機関用点火装置。
  7. 前記逆流防止手段は、前記分岐点と前記バッテリとの間に配置されたダイオード又はサイリスタである請求項2に記載の内燃機関用点火装置。
  8. 内燃機関の燃焼室内の混合気に点火する内燃機関用点火装置であって、
    1次コイル(37)及び2次コイル(38)を含む点火コイル(36)と、
    内燃機関により作動され、前記1次コイルに電流を供給する交流発電機(32)と、
    前記1次コイルを流れる1次電流を制御するスイッチング素子(22)と、
    前記交流発電機からの供給電流が不安定なとき、少なくとも前記1次コイル及び前記スイッチング素子に電流を供給する第1コンデンサ(20)と、
    前記交流発電機からの供給電流が不安定なとき、付属機器(70,72)に電流を供給する第3コンデンサ(76)と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関用点火装置。
  9. 前記交流発電機から前記1次コイルに第4配線部(60)が延び、該第4配線部の途中の分岐点(62)から前記スイッチング素子に第5配線部(64)が延び、前記第1コンデンサは該分岐点に配置されている請求項8に記載の内燃機関用点火装置。
  10. 前記第1コンデンサ及び前記第3コンデンサと前記交流発電機との間にそれぞれ第1逆流防止手段(30)及び第2逆流防止手段(78)が配置されている請求項9に記載の内燃機関用点火装置。
  11. 前記第1コンデンサは前記1次コイル、前記スイッチング素子及び第1付属機器(70)に電流を供給し、前記第3コンデンサは第2付属機器(72)に電流を供給する請求項10に記載の内燃機関用点火装置。
  12. 前記第1コンデンサは前記1次コイル及び前記スイッチング素子に電流を供給し、前記第3コンデンサは第1付属機器及び第2付属機器に電流を供給する請求項10に記載の内燃機関用点火装置。
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