JP2005320943A - ベルトのスリップ防止方法 - Google Patents

ベルトのスリップ防止方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005320943A
JP2005320943A JP2004141331A JP2004141331A JP2005320943A JP 2005320943 A JP2005320943 A JP 2005320943A JP 2004141331 A JP2004141331 A JP 2004141331A JP 2004141331 A JP2004141331 A JP 2004141331A JP 2005320943 A JP2005320943 A JP 2005320943A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
motor
slip
rotational speed
torque
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004141331A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4252928B2 (ja
Inventor
Kazuma Okuda
一眞 奥田
Shigeru Aoki
滋 青木
Yoichi Nakahara
洋一 中原
Tadashi Fujiwara
藤原  正
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2004141331A priority Critical patent/JP4252928B2/ja
Publication of JP2005320943A publication Critical patent/JP2005320943A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4252928B2 publication Critical patent/JP4252928B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/02Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members with belts; with V-belts

Abstract

【課題】 負荷が周期的に変動する被駆動機器をモータによりベルトで駆動する際に、ベルトのスリップを確実に検知して抑制する。
【解決手段】 エンジンを始動すべくスタータモータでベルトを介してクランクシャフトをクランキングする際に、エンジンから周期的な負荷を受けるスタータモータの回転数がクランクアングル180°を一周期として変化する。従って、このモータ回転数の一周期の変化パターンを予測するとともに、モータ回転数センサで実際のモータ回転数を検知し、両者を比較した差あるいは比が所定の閾値を超えたときにベルトのスリップを検知し、このスリップを抑制すべくスタータモータのトルクを低減する。これにより、周期的に負荷が変動するエンジンをスタータモータでクランキングする際に、ベルトに発生するスリップを的確に検知して抑制することができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、モータに設けた駆動プーリと負荷が周期的に変動する被駆動機器に設けた従動プーリとに巻き掛けたベルトのスリップを防止するためのベルトのスリップ防止方法に関する。
エンジンのクランクシャフトの回転をベルトを介してコンプレッサの駆動軸に伝達する際に、クランクシャフトの回転数およびコンプレッサの駆動軸の回転数を検知し、両回転数の差あるいは比が所定の判定基準値を越えた場合にベルトがスリップしたことを判定するとともに、クランクシャフトの角加速度に応じて前記判定基準値を変更するものが、下記特許文献1により公知である。
実公平5−5499号公報
ところで、スタータモータでエンジンをクランキングして始動するような場合に、エンジンの回転負荷が周期的に変化するためにスタータモータの回転数も周期的に変化することになる。このような場合に、上記特許文献1のものの如く、スタータモータの回転数およびエンジン回転数の差あるいは比が所定の判定基準値を越えた場合にベルトのスリップを判定しようとしても、モータ回転数センサおよびエンジン回転数センサの特性のばらつき等により両センサの出力の位相が僅かにずれただけで大きな回転数差あるいは回転数比が検知されてしまい、これがベルトのスリップの誤判定が発生する原因となる可能性があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、負荷が周期的に変動する被駆動機器をモータによりベルトで駆動する際に、ベルトのスリップを確実に検知して抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、モータに設けた駆動プーリと負荷が周期的に変動する被駆動機器に設けた従動プーリとに巻き掛けたベルトのスリップを防止するためのベルトのスリップ防止方法において、被駆動機器から周期的な負荷を受けるモータの回転数の一周期の変化パターンを予測する第1工程と、モータの実際の回転数を検知する第2工程と、前記予測した回転数の変化パターンと検知した回転数とを比較し、両者の差あるいは比が所定の閾値を越えた場合にベルトのスリップを検知する第3工程と、ベルトのスリップが検知されたときにモータのトルクを低減してスリップを防止する第4工程とを備えたことを特徴とするベルトのスリップ防止方法が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記第4工程において、ベルトのスリップが解消するまで、あるいは前記一周期が終わるまで、モータのトルク指令値を所定時間間隔で段階的に低減することを特徴とするベルトのスリップ防止方法が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記第4工程において、ベルトのスリップが解消した後に、モータの応答遅れのためにトルク低減指令よりも遅れて発生する余剰なトルク低減をキャンセルすることを特徴とするベルトのスリップ防止方法が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記第4工程において、ベルトのスリップが解消した後に、低減したトルクに基づいて予測した新たな回転数の変化パターンと実際の回転数とを比較してベルトのスリップを再度検知する第5工程を備えたことを特徴とするベルトのスリップ防止方法が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、前記第5工程において、ベルトのスリップが検知されないとき、前記一周期が終わるまで、モータのトルク指令値を所定時間間隔で段階的に増加させることを特徴とするベルトのスリップ防止方法が提案される。
尚、実施例のスタータモータ15は本発明のモータに対応し、実施例のスタータモータプーリ25は本発明の駆動プーリに対応し、実施例のクランクプーリ19は本発明の従動プーリに対応し、実施例のエンジンEは本発明の被駆動機器に対応する。
請求項1の構成によれば、被駆動機器から周期的な負荷を受けるモータの回転数の一周期の変化パターンを予測するとともにモータの実際の回転数を検知し、両者を比較した差あるいは比が所定の閾値を越えた場合にベルトのスリップを検知し、ベルトのスリップが検知されたときにモータのトルクを低減するので、周期的に負荷が変動する被駆動機器をモータで駆動する際にベルトに発生するスリップを的確に検知して抑制することができる。
請求項2の構成によれば、第4工程でベルトのスリップが解消するまで、あるいはモータの回転数変化の一周期が終わるまで、モータのトルク指令値を所定時間間隔で段階的に低減するので、必要以上のトルク低減が行われるのを防止してベルトのスリップが被駆動機器の駆動に及ぼす影響を最小限に抑えることができる。
請求項3の構成によれば、第4工程でベルトのスリップが解消した後に、モータの応答遅れのためにトルク低減指令よりも遅れて発生する余剰なトルク低減をキャンセルするので、ベルトのスリップが解消したにも関わらずに不必要なトルク低減が行われるのを防止し、トルク低減の影響を最小限に抑えて被駆動機器を効果的に駆動することができる。
請求項4の構成によれば、第4工程でベルトのスリップが解消した後に、それに続く第5工程で、低減したトルクに基づいて予測した新たな回転数の変化パターンと実際の回転数とを比較してベルトのスリップを再度検知するので、一旦解消したスリップがモータの回転数変化の一周期が終わるまでに再発する場合にも対応することができる。
請求項5の構成によれば、第5工程でベルトのスリップが検知されないと、モータの回転数変化の一周期が終わるまでモータのトルク指令値を所定時間間隔で段階的に増加させるので、トルク低減によりスリップが一旦解消した後にベルトのスリップが再発しない範囲でモータのトルクを増加させ、トルク低減の影響を最小限に抑えて被駆動機器を効果的に駆動することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図10は本発明の一実施例を示すもので、図1は自動車のエンジンの正面図、図2はエンジンの主位相角および副位相角の説明図、図3はエンジンをクランキングする際に発生する負荷変動の説明図、図4は回転数の予測値を求める手法の説明図、図5はベルトのスリップを検知する手法の説明図、図6はスリップ検知プロセスのフローチャート、図7はトルク指令値をゼロにした場合の実際のトルク低減率を示すグラフ、図8はトルク低減制御を3回行った場合の実際のトルク低減率を示すグラフ、図9はトルク指令値を変更する手法の説明図、図10はトルク制御プロセスのフローチャートである。
図1に示すように、自動車の直列4気筒エンジンEはエンジンブロック11の側面に取り付けた補機ブラケット12を備えており、補機ブラケット12に空調用コンプレッサ13、ウオータポンプ14およびスタータモータ15が支持される。またエンジンブロック11の側面に取り付けたテンショナブラケット16にオートテンショナ17が支持される。エンジンEのクランクシャフト18に設けたクランクプーリ19と、空調用コンプレッサ13の回転軸20に設けた空調用コンプレッサプーリ21と、ウオータポンプ14の回転軸22に設けたウオータポンププーリ23と、スタータモータ15の回転軸24に設けたスタータモータプーリ25と、エンジンブロック11に設けたアイドラプーリ26と、オートテンショナ17に設けたテンショナプーリ27とにベルト28が巻き掛けられる。クランクプーリ19、空調用コンプレッサプーリ21、ウオータポンププーリ23、スタータモータプーリ25、アイドラプーリ26およびテンショナプーリ27の回転方向は矢印で示される。
オートテンショナ17は伸縮自在なテンショナ本体29を備えており、その上端が支点ピン30を介してテンショナブラケット16に枢支される。テンショナブラケット16には支点ピン31を介して揺動アーム32の中間部が枢支されており、揺動アーム32の一端が支点ピン33を介してテンショナ本体29の下端に枢支され、揺動アーム32の他端に回転軸34を介して前記テンショナプーリ27が枢支される。
エンジンEを始動するイグニッションスイッチ35と、スタータモータ15のモータ回転数を検知するモータ回転数センサ36Aと、エンジンEの上死点(TDC)を検知する主位相角センサ36Bと、クランクアングルを検知する副位相角センサ36Cとが接続された電子制御ユニットUは、モータコントローラ37およびインバータ38を介してスタータモータ15の作動を制御する。
図2に示すように、エンジンEのクランクシャフト18が2回転する1サイクイルの間に、♯1〜♯4シリンダが、♯1→♯3→♯4→♯2の順番でクランクアングル180°毎に交互に上死点を迎えるため、主位相角センサ36Bは180°毎に主位相角信号を出力する。また副位相角センサ36Cはクランクアングル30°毎に副位相角信号を出力する。
エンジンEを始動すべくイグニッションスイッチ35をオンすると、スタータモータ15が作動してスタータモータプーリ25、ベルト28およびクランクプーリ19を介してクランクシャフト18をクランキングする。このとき、クランキングされたエンジンEの負荷が周期的に変動することで、モータ回転数センサ36Aで検知されるスタータモータ15の回転数が周期的に変動する。以下のその理由を図3に基づいて説明する。
♯2シリンダが上死点に達してから♯1シリンダが上死点に達するまでのクランクアングル180°の期間T1には、♯1シリンダが圧縮行程にあって♯2シリンダが膨張行程にある。♯1シリンダが上死点に達してから♯3シリンダが上死点に達するまでのクランクアングル180°の期間T2には、♯3シリンダが圧縮行程にあって♯1シリンダが膨張行程にある。♯3シリンダが上死点に達してから♯4シリンダが上死点に達するまでのクランクアングル180°の期間T3には、♯4シリンダが圧縮行程にあって♯3シリンダが膨張行程にある。♯4シリンダが上死点に達してから♯2シリンダが上死点に達するまでのクランクアングル180°の期間T4には、♯2シリンダが圧縮行程にあって♯4シリンダが膨張行程にある。
期間T1で、圧縮行程にある♯1シリンダの正の負荷(スタータモータ15の回転に抵抗する負荷)が次第に増加し、膨張行程にある♯2シリンダの負の負荷(スタータモータ15の回転を付勢する負荷)が次第に減少するため、トータルの負荷は負値から正値へ増加する。その結果、負荷が負値である期間T1の前半ではスタータモータ15の回転数が増加し、負荷が正値である期間T1の後半ではスタータモータ15の回転数が減少するため、クランクアングル180°の期間T1を1周期としてスタータモータ15の回転数が増加→減少する。同様にして、期間T2,T3,T4でもクランクアングル180°を1周期としてスタータモータ15の回転数が増加→減少し、クランクシャフト18が2回転する1サイクルの間にスタータモータ15の回転数が4回増減することになる。
スタータモータ15がエンジンEをクランキングする間の回転数変化は、二つの成分を合成したものとなる。即ち、図4に示すように、スタータモータ15の回転数は、時間の経過に伴って略リニアに増加する成分と、図3で説明したクランクアングル180°を周期として増減する成分とを加算したものとなり、そのうち前者の成分はスタータモータ15のトルクが大きいほど上昇率が高くなり、後者の成分はスタータモータ15のトルクが小さいほど変動量が大きくなる。従って、スタータモータ15を起動してからの経過時間と、スタータモータ15のトルク(デューティ値)とに基づいて、上死点からクランクアングル180°の1周期の回転数の変化パターンを予測することができる。
しかして、主位相角センサ36Bが上死点を検知した時に、前記予測した次の1周期のモータ回転数の変化パターンを重ね合わせることで、スタータモータ15の回転角に対する回転数の変化特性を予測することができる。ここで、横軸のスタータモータ15の回転角は、クランクアングルをクランクプーリ19およびスタータモータプーリ25の直径比を用いて変換したものである。
ベルト28がスタータモータプーリ25あるいはクランクプーリ19に対してスリップすると、その瞬間にスタータモータ15の回転数が増加する。従って、図5において、上死点から始まる1周期の回転数の変化パターンの予測値と、モータ回転数センサ26Aで検知した実際値とを比較し、その差(あるいは比)が閾値以上になったときに、ベルト28のスリップが発生したことを検知することができる。
次に、上記スリップ検知の作用を、図6のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、ステップS1でエンジンEを始動すべくスタータモータ15を起動し、ステップS2で主位相角センサ36Bが主位相角(上死点)を検知すると、ステップS3で前記上死点に続くモータ回転数の1周期(クランクアングル180°)分の変化パターンを予測する。続くステップS4でモータ回転数センサ36Aでスタータモータ15の実回転数を検知し、ステップS5で予測回転数に対する実回転数の差が閾値A%(実施例では10%)以上になるとベルト28がスリップしたと判断し、ステップS8でスリップを抑制すべくスタータモータ15のトルク制御を実行する。
一方、前記ステップS5で回転数の差が閾値A%未満であり、かつステップS6でスタータモータ15の実回転数が1100rpm以下であれば、ステップS7で主位相角センサ36Bが主位相角(上死点)を検知するまでステップS4〜S6を繰り返し、またステップS7で主位相角センサ36Bが主位相角(上死点)を検知すればステップS3〜S6を繰り返す。そしてステップS6でスタータモータ15の実回転数が1100rpmを超えれば、エンジンEが完爆状態に入って始動が完了したと判断し、ステップS9でスリップ検知を終了する。
このように、予測したモータ回転数の一周期の変化パターンと、モータ回転数センサ36Aで検知した実モータ回転数とを比較し、両者の差が所定の閾値A%を越えた場合にベルト28のスリップを検知するので、エンジンEのように周期的に負荷が変動する被駆動機器をスタータモータ15で駆動する際にベルト28に発生するスリップを的確に検知することができる。
次に、図6のフローチャートのステップS8のスタータモータ15のトルク制御の内容を図7〜図10に基づいて説明する。
エンジンEの始動時にベルト28のスリップが発生すると、そのスリップが更に激しくなるのを防止するために、スタータモータ15のトルクを低減する制御を行う。このとき、トルクの低減量が過剰であるとエンジンEを充分な速度でクランキングできなくなるため、前記トルクの低減量を必要最小限に抑える必要がある。
図7に示すように、スタータモータ15を駆動するデューティ比を100%から0%に減少させたとき、そのトルクは即座に減少せず、スタータモータ15に固有の時定数に応じてゆっくりと減少する。具体的には、デューティ比を0%にしたときから10msecが経過するとトルクは63.2%減少し、55msecが経過するとトルクは100%減少してゼロになる。このように、スタータモータ15のデューティ比を減少させてもトルクは即座に減少しないため、この時間遅れを考慮してスタータモータ15のトルク制御を行う必要がある。
図10のフローチャートにおいて、ステップS11でベルト28の過剰スリップが検知されると、ステップS12でスタータモータ15のトルク指令値を所定量(実施例では10%)減少させ、ステップS13で主位相角(上死点)が検知されなければ、ステップS14で10msecが経過するのを待つ。そしてステップS15でモータ回転数の加速度が負でなければ、つまりモータ回転数が依然として増加状態にあってスリップが進行していれば、前記ステップS11〜S14を繰り返すことで、トルク指令値を10msec毎に10%ずつ減少させる。その結果、ステップS15でモータ回転数の加速度が負になってスリップが収束に向かえば、ステップS16でスタータモータ15の応答遅れ分だけトルク指令値を増加方向に補正する。
図8における破線は、トルク指令値を10msec毎に10%ずつ減少させる制御を3回連続して行った場合の、スタータモータ15のトータルのトルクの低減特性を示している。トルク低減制御の開始から30msecが経過してスリップが解消した場合にも、スタータモータ15の応答遅れでトルクの低減が更に進むため、30msecが経過した後のトルクの低減量の不要な増加分(斜線部参照)をキャンセルすることで、トルクの過剰な低減を防止する。
このように、ベルト28のスリップが解消するまで(あるいはスタータモータ15の回転数変化の一周期が終わるまで)スタータモータ15のトルク指令値を10msec間隔で段階的に低減するので、必要以上のトルク低減が行われるのを防止してベルト28のスリップがエンジンEのクランキングに及ぼす影響を最小限に抑えることができる。しかもスタータモータ15の応答遅れのためにトルク低減指令よりも遅れて発生する余剰なトルク低減をキャンセルするので、ベルト28のスリップが解消したにも関わらずに不必要なトルク低減が行われるのを防止し、トルク低減の影響を最小限に抑えてエンジンEを効果的にクランキングすることができる。
続くステップS17で、余剰なトルク低減をキンセルした後に副位相角センサ36Cが最初の副位相角信号(クランクアングル30°毎に出力される信号)を出力すると、低減後のトルクに基づいてモータ回転数の新たな変化パターンを予測するとともに、その変化パターンを前記最初の副位相角信号にタイミングを合わせて接続する。そしてステップS18で10msecが経過したときに、ステップS19で主位相角(上死点)が検知されなければ、ステップS20でスタータモータ15の実回転数と新たな変化パターンとの差を閾値と比較する。その結果、変化パターンに対する実回転数の差が閾値B%(実施例では10%)以上であれば、つまりベルト28のスリップが依然として大きければ、ステップS12〜S19を繰り返す。また変化パターンに対する実回転数の差が閾値C%(実施例では3%)以下であれば、つまりベルト28のスリップが充分に小さくなっていれば、ステップS21でトルク指令値を所定量(実施例では10%)増加させて前記ステップS18に移行する。また変化パターンに対する実回転数の差が閾値B%および閾値C%の間にあれば、つまりベルト28のスリップが中程度であれば、ステップS18,S19を繰り返す。
そしてステップS13あるいはステップS19で主位相角(上死点)が検知されると、ステップS22でトルク指令値を100%に復帰させ、ステップS23で図6のフローチャートのスリップ検知プロセスに移行する。
このように、ベルト28のスリップが一旦解消した後に、低減したトルクに基づいて予測した新たな回転数の変化パターンと実際の回転数とを比較してベルト28のスリップを再度検知するので、一旦解消したスリップがモータ回転数変化の一周期が終わるまでに再発する場合にも対応することができる。
またベルト28のスリップが再検知されないと、モータ回転数変化の一周期が終わるまでスタータモータ15モータのトルク指令値を10msec間隔で段階的に増加させるので、トルク低減によりスリップが一旦解消した後にベルト28のスリップが再発しない範囲でスタータモータ15のトルクを増加させ、トルク低減の影響を最小限に抑えてエンジンEを効果的にクランキングすることができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施例では被駆動機器としてエンジンEを例示したが、本発明はエンジンE以外の周期的に負荷変動する任意の被駆動機器を駆動するベルトのスリップ防止に適用することができる。
自動車のエンジンの正面図 エンジンの主位相角および副位相角の説明図 エンジンをクランキングする際に発生する負荷変動の説明図 スタータモータの回転数の予測値を求める手法の説明図 ベルトのスリップを検知する手法の説明図 スリップ検知プロセスのフローチャート トルク指令値をゼロにした場合の実際のトルク低減率を示すグラフ トルク低減制御を3回行った場合の実際のトルク低減率を示すグラフ トルク指令値を変更する手法の説明図 トルク制御プロセスのフローチャート
符号の説明
15 スタータモータ(モータ)
19 クランクプーリ(従動プーリ)
25 スタータモータプーリ(駆動プーリ)
28 ベルト
E エンジン(被駆動機器)

Claims (5)

  1. モータ(15)に設けた駆動プーリ(25)と負荷が周期的に変動する被駆動機器(E)に設けた従動プーリ(19)とに巻き掛けたベルト(28)のスリップを防止するためのベルトのスリップ防止方法において、
    被駆動機器(E)から周期的な負荷を受けるモータ(15)の回転数の一周期の変化パターンを予測する第1工程と、
    モータ(15)の実際の回転数を検知する第2工程と、
    前記予測した回転数の変化パターンと検知した回転数とを比較し、両者の差あるいは比が所定の閾値を越えた場合にベルト(28)のスリップを検知する第3工程と、
    ベルト(28)のスリップが検知されたときにモータ(15)のトルクを低減してスリップを防止する第4工程と、
    を備えたことを特徴とするベルトのスリップ防止方法。
  2. 前記第4工程において、ベルト(28)のスリップが解消するまで、あるいは前記一周期が終わるまで、モータ(15)のトルク指令値を所定時間間隔で段階的に低減することを特徴とする、請求項1に記載のベルトのスリップ防止方法。
  3. 前記第4工程において、ベルト(28)のスリップが解消した後に、モータ(15)の応答遅れのためにトルク低減指令よりも遅れて発生する余剰なトルク低減をキャンセルすることを特徴とする、請求項2に記載のベルトのスリップ防止方法。
  4. 前記第4工程において、ベルト(28)のスリップが解消した後に、低減したトルクに基づいて予測した新たな回転数の変化パターンと実際の回転数とを比較してベルト(28)のスリップを再度検知する第5工程を備えたことを特徴とする、請求項1に記載のベルトのスリップ防止方法。
  5. 前記第5工程において、ベルト(28)のスリップが検知されないとき、前記一周期が終わるまで、モータ(15)のトルク指令値を所定時間間隔で段階的に増加させることを特徴とする、請求項4に記載のベルトのスリップ防止方法。
JP2004141331A 2004-05-11 2004-05-11 ベルトのスリップ防止方法 Expired - Fee Related JP4252928B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004141331A JP4252928B2 (ja) 2004-05-11 2004-05-11 ベルトのスリップ防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004141331A JP4252928B2 (ja) 2004-05-11 2004-05-11 ベルトのスリップ防止方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005320943A true JP2005320943A (ja) 2005-11-17
JP4252928B2 JP4252928B2 (ja) 2009-04-08

Family

ID=35468390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004141331A Expired - Fee Related JP4252928B2 (ja) 2004-05-11 2004-05-11 ベルトのスリップ防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4252928B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009005574A (ja) * 2007-05-24 2009-01-08 Kyocera Mita Corp モータ駆動制御装置及び画像形成装置
EP2189795A1 (en) * 2008-11-21 2010-05-26 The Gates Corporation Belt slip meter
KR101338463B1 (ko) * 2012-11-23 2013-12-10 기아자동차주식회사 하이브리드 차량의 시동 제어 방법 및 시스템
CN109563912A (zh) * 2016-08-24 2019-04-02 标致雪铁龙汽车股份有限公司 由于连接起动构件和发动机的皮带结冰导致的打滑风险的防止方法
CN109973210A (zh) * 2017-12-28 2019-07-05 罗伯特·博世有限公司 用于运行皮带传动装置的方法
JP6995177B1 (ja) * 2020-10-27 2022-01-14 三菱電機株式会社 制御装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8534082B2 (en) * 2010-07-20 2013-09-17 Thermo King Corporation Engine starter predictive maintenance system

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009005574A (ja) * 2007-05-24 2009-01-08 Kyocera Mita Corp モータ駆動制御装置及び画像形成装置
EP2189795A1 (en) * 2008-11-21 2010-05-26 The Gates Corporation Belt slip meter
KR101338463B1 (ko) * 2012-11-23 2013-12-10 기아자동차주식회사 하이브리드 차량의 시동 제어 방법 및 시스템
CN109563912A (zh) * 2016-08-24 2019-04-02 标致雪铁龙汽车股份有限公司 由于连接起动构件和发动机的皮带结冰导致的打滑风险的防止方法
CN109973210A (zh) * 2017-12-28 2019-07-05 罗伯特·博世有限公司 用于运行皮带传动装置的方法
JP6995177B1 (ja) * 2020-10-27 2022-01-14 三菱電機株式会社 制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4252928B2 (ja) 2009-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7562732B2 (en) Method for operating a hybrid motor vehicle
JP4228882B2 (ja) 内燃機関の始動装置およびこれを備える自動車
JP2012505998A (ja) 内燃機関のスタート・ストップ制御方法およびスタート・ストップ制御装置
JP4451468B2 (ja) エンジンの始動方法
JP4799652B2 (ja) アイドリングストップ再始動制御システム
JP3998119B2 (ja) エンジン始動制御装置
JP5910945B2 (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP2002332938A (ja) エンジン始動装置
JP5624065B2 (ja) 内燃機関の回転速度予測制御装置及びアイドルストップ制御装置
JP4252928B2 (ja) ベルトのスリップ防止方法
JP6350119B2 (ja) 電子制御装置
JP4480590B2 (ja) 内燃機関始動制御方法
EP3147496B1 (en) Engine start control system for saddle-ride type vehicles
WO2014054471A1 (ja) エンジン始動装置および始動方法
KR102370924B1 (ko) 순차시동방식 엔진 냉시동을 구현하는 하이브리드 차량
JP2003314415A (ja) ベルト機構の異常検出装置
JP4057838B2 (ja) エンジンの始動方法
JP6281559B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御用モータ駆動装置
JP4243267B2 (ja) エンジンの始動制御装置
WO2018155387A1 (ja) エンジン始動装置
JP4669762B2 (ja) エンジンの始動制御装置
KR102463457B1 (ko) 엔진시동 신속제어방법 및 isg 시스템
JP4179156B2 (ja) 内燃機関の点火制御装置
JP2005220748A (ja) エンジンの制御装置
JP6527100B2 (ja) ベルト伝動システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090114

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140130

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees