JP2005320379A - 液状炭化水素の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 パラフィン系炭化水素の水素化分解・水素化異性化工程の前段に、実質的に水素化分解を伴わない水素化異性化工程を設けることにより上記課題が解決された。
【選択図】なし
Description
パラフィン系炭化水素の水素化分解・水素化異性化においては、有用な中間留分が高収率で得られること、および得られる軽油留分の流動点が低いことが重要である。換言すれば、中間留分選択性が高く、かつ低流動点の軽油が得られる技術の開発がクリーン液体燃料の経済性向上の鍵を握っている。
ところが触媒に焦点を当てた長年の研究開発にもかかわらず、高い中間留分選択性と生成軽油の低流動点の両者を満足する技術はいまだに開発されていないのが実情である。そしてこれがクリーン液体燃料の本格的な実用化の大きな障害となっている。
すなわち、本発明は、水素化分解・水素化異性化工程の前段に、実質的に水素化分解を伴わない水素化異性化工程を設けることを特徴とする、パラフィン系炭化水素から液状炭化水素を製造する方法に関する。
本発明において原料として用いるパラフィン系炭化水素とは、n−パラフィンを主成分とする分岐度の低い炭化水素混合物をさす。一般に炭化水素の分岐度は1級炭素、2級炭素および3級炭素の合計量に対する3級炭素のモル比で表すことができ、通常は13CのNMRを用いて測定される。本発明におけるパラフィン系炭化水素としては、この分岐度が1.0%以下の炭化水素が用いられる。
本発明で用いるパラフィン系炭化水素分子の炭素数については特に制限はないが、通常は10〜100程度である。
また本発明において原料として用いるパラフィン系炭化水素の製法についても特に制限はなく、石油系および合成系の各種パラフィン系炭化水素が使用可能であるが、特に好ましいパラフィン系炭化水素として、フィッシャー・トロプシュ合成により製造されるいわゆるFTワックスを挙げることができる。
また本発明の実質的に水素化分解を伴わない水素化異性化においては、1.0%以下であった原料パラフィン系炭化水素の分岐度を6.0%以上に、好ましくは8.0%以上、特に好ましくは10.0%以上にまで高めるものである。
(触媒1)アルミナ含量12質量%、細孔容積0.65ml/g、平均粒子径6μmのアモルファスシリカアルミナ40質量%とバインダーのベーマイト60質量%とからなる混合物をよく混練した後に、直径1/16インチ(約1.6mm)の円柱状に成型し、さらにこれを焼成することにより触媒担体を得た。この担体に、白金として担体の1.0質量%となる量のジクロロテトラアンミン白金(II)の水溶液を含浸し、さらにこれを乾燥および焼成することにより、触媒1を調製した。
(触媒2)アルミナ含量7.8質量%のUSY型ゼオライト3質量%とバインダーのベーマイト97質量%とからなる混合物をよく混練した後に直径1/16インチ(約1.6mm)の円柱状に成型し、さらにこれを焼成することにより触媒担体を得た。この担体に、白金として担体の1.0質量%となる量のジクロロテトラアンミン白金(II)の水溶液を含浸し、さらにこれを乾燥および焼成することにより、触媒2を調製した。
原料パラフィン系炭化水素として、炭素数が23〜80(沸点361℃以上)のFTワックスを用いた。1級炭素、2級炭素および3級炭素の合計量に対する3級炭素のモル比として分岐度を定義し、13C−NMR測定によってこのFTワックスの分岐度を測定すると0.7%であった。
生成物を蒸留し、沸点360℃以下の留分を分解生成物として水素化分解率を求めると0.8%であった。また生成物全体の分岐度は10.4%であった。
(前段処理B)温度を290℃にすること以外は処理Aと同一の操作を実施した。水素化分解率は0.6%、生成物全体の分岐度は6.1%であった。
(前段処理C)温度を340℃にすること以外は処理Aと同一の操作を実施した。水素化分解率は7.3%、生成物全体の分岐度は10.5%であった。
触媒2を固定床の流通式反応器に充填し、前段処理Aの生成油をフィードして、水素圧5MPa、原料の液空間速度2.0/hの下で処理した。沸点360℃以下の留分を分解生成物とすると、反応温度318℃で水素化分解率が80%となった。分解生成物の中で沸点が145〜360℃の中間留分が占める割合、即ち中間留分選択率は81%であった。また沸点が260℃から360℃の軽油留分の流動点は−30.0℃であった。その結果を表1に示す。
前段処理Aの生成油に代えて未処理のFTワックスを直接フィードしたこと以外は実施例と同一の操作を行った。その結果を表1に示す。
前段処理Aの生成油に代えて前段処理Bの生成油をフィードしたこと以外は実施例と同一の操作を行った。その結果を表1に示す。
前段処理Aの生成油に代えて前段処理Cの生成油をフィードしたこと以外は実施例と同一の操作を行った。その結果を表1に示す。
Claims (1)
- 水素化分解・水素化異性化工程の前段に、実質的に水素化分解を伴わない水素化異性化工程を設けることを特徴とする、パラフィン系炭化水素から液状炭化水素を製造する方法。
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JP2004137708A JP2005320379A (ja) | 2004-05-06 | 2004-05-06 | 液状炭化水素の製造方法 |
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