JP2005319775A - 成形ホースの製造方法 - Google Patents

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篤 志村
Shuji Ito
修二 伊藤
Yuji Hirano
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Hiromi Fujii
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Abstract

【課題】 少量の離型剤を使用し、曲がり形状のマンドレルの挿入性等が改善された成形ホースの製造方法を提供すること。
【解決手段】 窒素ガスを導入して発泡させたノニオン系界面活性剤からなる泡状の離型剤を、EPDM単層またはEPDM内外層と中間補強層構造の過酸化物加硫剤を配合した未加硫ゴムホースの内面に塗布し、次いで、これを曲がり形状のマンドレルに装着し、飽和蒸気圧0.52MPa×30minの条件での加硫を行った後に取り外す成形ホースの製造方法によれば、マンドレルの挿入荷重及び抜き取り荷重が大幅に低減し、少量の離型剤の使用で曲がり形状のマンドレルの挿入性が改善され、さらに、耐圧耐久性等の製品性能が向上する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、成形ホースの製造方法に関し、より詳しくは、曲がり形状のマンドレルを用いたラジエータホース、燃料系ホース、エアー系ホース等の各種成形ホースの製造方法に関する。
ラジエータホース、燃料系ホース、エアー系ホース等の各種の成形ホースは、通常、ゴムホースの形状に合わせた曲がり形状のマンドレルを用いて製造されている。マンドレルを用いた成形ホースの製造は、予め所定の曲がり形状に形成したマンドレルに、未加硫ゴムホースを装着して加硫し、加硫後にマンドレルからゴムホースを引き抜いて成形ホースが得られる。また、マンドレルに未加硫ゴムホースを装着する際のマンドレルの挿入性を改善するために、通常、例えば水溶性シリコン系又はフッ素樹脂系等の離型剤が、適当な方法により、マンドレル表面や未加硫ゴムホースの端部又は内面等に塗布されている(特許文献1参照)。
特開平09−207143号公報((0034)欄等参照)
ところで、曲がり形状のマンドレルを用いる成形ホースの製造に際して使用される離型剤は、通常、水又は適当な分散媒に希釈した低粘度の溶液状態の形態で使用される。このため、マンドレル表面や未加硫ゴムホース内面に塗布された溶液状態の離型剤が直ぐに流れ落ちてしまうことが多く、その結果、未加硫ゴムホースをマンドレルに装着するときのマンドレルの挿入荷重が増大したり、また、加硫後に、ゴムホースが抜け難い等の不具合が生じやすい。
また、未加硫ゴムホースをマンドレルに装着するときのマンドレルの挿入性を高めるために離型剤の使用量を増大又は高濃度にすると、加硫後、ゴムホース表面等に多量の離型剤が残留し、これを洗浄する工程がさらに必要となる等、製造コストを上昇させる原因となる。
一方、自動車用ホース等の用途においては耐熱性ゴム材料を使用する傾向が高く、多くの場合、加硫剤として過酸化物加硫剤を用いることが知られている。一般に、過酸化物加硫剤を配合する場合は、過酸化物加硫剤と酸素との反応によって過酸化物加硫剤が失活することを防ぐために、例えば、ゴム配合物を収容した加硫缶内の空気を抜き出す等の処理が行われている。
しかし、過酸化物加硫剤を配合した未加硫ゴムホースをマンドレルに装着する際に、未加硫ゴムホースとマンドレルとの間隙に存在する空気中の酸素により過酸化物加硫剤が失活し、充分な加硫反応が得られない結果、加硫後のホースの耐圧耐久性等が低下するという問題がある。また、充分な加硫反応が得られないと、マンドレルの表面に、未加硫ゴム配合物が付着し易いために、マンドレル表面を頻繁に洗浄する必要が生じるという問題がある。
このため、ホースの量産工程における対応策として、例えば、未加硫ゴムホースの押出内径をマンドレルの外径よりも小さく設定し、未加硫ゴムホースをマンドレルに挿入する際に、未加硫ゴムホースとマンドレル内面との間に空隙が生じないように生産条件をコントロールする方法がとられている。
しかし、このように未加硫ゴムホースの押出内径をマンドレルの外径よりも小さく設定すると、未加硫ゴムホースをマンドレルに挿入する際の挿入荷重が増大し、作業性が低下するとともに差し損じ品等の不良品が多発するという問題がある。
さらに、ゴム配合物には、空気中に存在する酸素による酸化劣化を防ぐため、一般に、老化防止剤が配合されている。
しかし、未加硫ゴムホースを押し出し成型にて成型する際に、ホース押し出し用口金の表面に、配合した老化防止剤が原因とされるブリード物が付着する傾向が高い。ホース押し出し用口金の表面にブリード物が付着すると、押し出し寸法に誤差が生じるとともにホース内面またはホース外面に筋上の傷を発生させるという問題がある。
本発明は、このようにマンドレルを用いる成形ホースの製造において浮き彫りになった問題を解決すべくなされたものである。
即ち、本発明の目的は、少量の離型剤を使用し、マンドレルの挿入性等が改善されたマンドレルを用いた成形ホースの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、少量の泡状の離型剤を未加硫ゴムホースの端面に塗布したところ、離型剤が流れ落ち難いことを見出し、この知見に基づき本発明を完成した。
即ち、本発明によれば、曲がり形状のマンドレルを用いた成形ホースの製造方法であって、未加硫ゴムホースの内面に泡状の離型剤を塗布する塗布工程と、離型剤が塗布された未加硫ゴムホースを曲がり形状のマンドレルに装着する装着工程と、マンドレルに装着された未加硫ゴムホースを加硫して加硫ゴムホースを形成する加硫工程と、加硫ゴムホースをマンドレルから抜き取る抜き取り工程と、を有することを特徴とする成形ホースの製造方法が提供される。
本発明が適用される成形ホースの製造方法では、未加硫ゴムホースの内面に泡状の離型剤を塗布する塗布工程において、マンドレルに装着する側の未加硫ゴムホースの内面に泡状の離型剤を充填することを特徴とすれば、未加硫ゴムホースに挿入されたマンドレルにより泡状の離型剤が押されながらスムーズに移動し、未加硫ゴムホースとの接触面に泡状の離型剤がいきわたる結果、マンドレルに未加硫ゴムホースを装着する際のマンドレルの挿入荷重が大幅に低減される。
本発明が適用される成形ホースの製造方法で使用する泡状の離型剤は、離型剤の所定の分散媒に展開した溶液を適当な方法により発泡させ、離型剤の溶液の体積を1.2倍〜8倍程度に膨張させる発泡工程によって調製することが好ましい。
この場合、発泡工程は、離型剤の溶液中に、例えば、窒素ガス等の不活性ガスを導入することにより離型剤を発泡させることが好ましい。酸素が除去された泡状の離型剤を用いることにより、加硫ゴムホースの性能を向上させることができる。
また、離型剤が水溶性であることが好ましく、発泡工程において離型剤の水溶液を発泡させることにより泡状の離型剤を調製することができる。
また、離型剤がノニオン系界面活性剤を含有するものであることが好ましく、中でも、下記一般式で表され、分子量2000〜4000であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを含有することが好ましい。
Figure 2005319775
(但し、式中、(EO)は、オキシエチレン基であり、(PO)は、オキシプロピレン基であり、a及びcは、それぞれ、分子中のオキシエチレン基の単位数を示す整数であり、bは、分子中のオキシプロピレン基の単位数を示す整数であり、オキシエチレン基の分子中に占める量は、20%以上40%未満である。)
さらに、離型剤は、JIS K5600−2−2のフローカップ法に準じた測定法により測定した流下時間が5秒〜240秒程度である粘度を有することが好ましい。
また、本発明が適用される成形ホースの製造方法では、未加硫ゴムホースの内面に泡状の離型剤を塗布する塗布工程において、さらに、曲がり形状のマンドレルの表面に泡状の離型剤を塗布することが好ましい。
ここで、未加硫ゴムホースは、加硫剤として過酸化物加硫剤を含有することが好ましい。過酸化物加硫剤を用いて加硫することにより、加硫ゴムホースの耐熱性を向上させることができる。
本発明の成形ホースの製造方法によれば、少量の離型剤の使用により、マンドレルの挿入性等が改善される。
以下に、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態)について説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態で使用する曲がり形状のマンドレルは、製造する成形ホースの形状に合わせて適宜、曲線状の形状に形成され、特に限定されない。また、曲がり形状のマンドレルを構成する材料としては、特に限定されず、通常、SUS製、アルミニウム製等が挙げられる。
本実施の形態で使用する未加硫ゴムホースは、各種ゴム素材、補強剤、加硫剤及びその他配合剤からなるゴム組成物を、例えば、公知の押出し機を用いて押出し成形により調製される。また、ホースの構造としては、単一のゴム層、複数のゴム層からなる積層構造、これらに中間層として補強糸、補強布を入れた複合構造、さらに表面を補強糸で編み上げた構造のもの等が挙げられる。
ゴム素材としては、特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPR、EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、アクリルゴム(AR)、フッ素ゴム(FKM)、ヒドリンゴム(CO、ECO)、クロルスルホン化ポリエチレンゴム(CSR)、シリコンゴム(Q)等が挙げられる。これらのゴム素材は、耐透過性、強度、耐熱性、耐候性、耐薬品性、耐油性、耐寒性等の各種の要求特性に応じて適宜選択され、単一のゴム素材又は種以上のゴム素材の混合物として使用される。さらに、異なる2種以上のゴム素材を複数積層して使用することもできる。
補強剤としては、通常のゴム用補強剤として知られているものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;酸化スズ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化鉛等の絶縁性金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、水酸化鉛等の金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩;珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸ナトリウム、珪酸アルミニウム等の珪酸塩;硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;鉄粉等の金属粉;炭素繊維等の導電性繊維等;さらに、珪藻土、アスベスト、リトポン(硫化亜鉛/硫酸バリウム)、グラファイト、フッ化カーボン、フッ化カルシウム、ワラスナイト、ガラス粉末等が挙げられる。これらの中でも、カーボンブラック、シリカが好適である。これらの補強剤は1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上述した補強剤の配合量は、特に限定されないが、通常、ゴム素材100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは、10〜150重量部である。
また、補強剤としてシリカを用いる場合は、シランカップリング剤を配合することにより、成形ホースの耐圧縮永久ひずみ性を改良することができる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン系シランカップリング剤;ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン等のアルコキシ系シランカップリング剤;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤;N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト系シランカップリング剤等が挙げられる。シランカップリング剤の配合量は、特に限定されないが、通常、ゴム素材100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
加硫剤としては、特に限定されず、通常、ゴム用途において頻繁に用いられる加硫剤を使用することができる。このような加硫剤としては、例えば、過酸化物加硫剤、硫黄系加硫剤等が挙げられ、中でも、過酸化物加硫剤が好ましい。
過酸化物加硫剤としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5ジヒドロキシパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等の有機過酸化物化合物が挙げられる。
尚、これらの過酸化物加硫剤を用いるときは、加硫助剤もしくは共加硫剤として、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロバルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタールアミドおよびポリジメチルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルビニルシロキサン等の化合物を併用することにより著しい効果がみられる。
また、硫黄系加硫剤としては、例えば、硫黄またはチウラム系化合物、モルホリン系化合物等の硫黄供与性化合物が挙げられる。硫黄系加硫剤は、亜鉛華、ステアリン酸等の公知の加硫助剤、及び、チウラム系、グアニジン系、スルフェンアミド系、チアゾール系、ジチオカルバミン酸系等の公知の各種加硫促進剤とともに使用されることが好ましい。
これらの加硫剤の使用量は、使用するゴム素材の種類、用途等により適宜選択され、特に限定されないが、通常、ゴム素材100重量部に対して、0.05〜10重量部、好ましくは、0.1〜8重量部である。
尚、必要に応じて使用されるその他の配合剤としては、例えば、充填剤、軟化剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、スコーチ防止剤、加硫遅延剤、加工助剤、活剤、粘着剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤等が挙げられる。
本実施の形態で使用する離型剤は、ゴムの成形加工において使用される離型剤であれば特に限定されず、通常、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、エステルオイル類、シリコーン類等が挙げられる。これらは、単独又は組み合わせて使用され、例えば、ノニオン系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤の混合剤、ノニオン系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤とシリコーン類との混合剤等が挙げられる。また、これらの離型剤に、表面調整剤又は安定剤としてアミン化合物、長鎖脂肪族系化合物等を添加してもよい。これらの化合物は、ゴム材料に応じて、洗浄性、汚染性、環境への負荷等を考慮して適宜選択される。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル;ラウリン酸ナトリウム等のカルボン酸塩等が挙げられる。
また、カチオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミン塩酸塩等のアルキルアミン塩;アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩;アルキルピリジニウムクロライド等のアミン塩等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等の多価アルコールエステル系;ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のソルビタン系等が挙げられる。これらのなかでも、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
また、ノニオン系界面活性剤としては、分子量2000〜4000で、下記一般式で表されるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーであって、オキシエチレン基の分子中に占める量が20%以上40%未満であるものを有効成分として含むものが、洗浄性、汎用性、価格、耐ソルベントクラック性、マンドレル汚染性及び環境への負荷の点で優れているので特に好ましい。
Figure 2005319775
(但し、一般式中、(EO)は、オキシエチレン基であり、(PO)は、オキシプロピレン基であり、a及びcは、それぞれ分子中のオキシエチレン基の単位数を示す整数であり、bは、分子中のオキシプロピレン基の単位数を示す整数である。)
離型剤の濃度は、特に限定されず、通常、ノニオン系等の各種界面活性剤等が約0.001重量%〜0.5重量%、残部が水性分散媒となる割合で用いられる。また、市販の界面活性剤等の原液をそのまま使用する、又は、例えば、水等の適当な溶媒で1.2倍〜8倍、好ましくは2倍〜4倍程度に希釈して使用することができる。
離型剤の粘度は、JIS K5600−2−2のフローカップ法に準じた測定法(後述)により、室温(23±2℃)で測定した流下時間が、5秒〜240秒、好ましくは5秒〜150秒、さらに好ましくは5秒〜90秒程度の範囲が適当である。離型剤の粘度が過度に高いと、後述するように、泡状の離型剤を調製することが困難になるので好ましくない。また、離型剤の粘度が過度に低いと、泡状の離型剤を調製する際に、泡の寿命時間が短いので好ましくない。
本実施の形態で使用する離型剤は、溶液状態の離型剤を適当な方法により発泡させる発泡工程において、小粒径の気泡が連続的に形成された泡状の形態に調製され使用されることに特徴を有する。
発泡により形成された気泡の粒径は、特に限定されないが、通常、0.01mm以上20mm以下である。また、泡状の離型剤の体積は、泡状にする前の元の離型剤の溶液の体積に対して、通常、1.2倍〜10倍、好ましくは1.5倍〜7倍、より好ましくは2倍〜5倍程度の範囲に調製される。泡状の離型剤の体積が過度に小さいと、マンドレル表面又は未加硫ゴムホース内面に塗布された離型剤が流れ落ちやすく、マンドレルに未加硫ゴムホースを装着するときの挿入荷重が増大し、加硫後、マンドレルが抜けにくくなるので好ましくない。泡状の離型剤の体積が過度に大きいと、マンドレル表面又は未加硫ゴムホース内面に塗布された離型剤の量が少なくなるので好ましくない。
離型剤を適当な方法により発泡させ、泡状の形態に調製する方法としては、例えば、離型剤の溶液中でコイル状攪拌羽根等を高速回転させる方法、離型剤の溶液中にジェットノズル等からエアーを噴出させる方法、又は、離型剤の溶液を高圧空気と混合しながらノズルから噴霧する方法等が挙げられる。泡状の離型剤を調製するこれらの方法は、離型剤の種類、粘度等により適時選択することができる。
本実施の形態においては、離型剤を発泡させて泡状の形態に調製する方法として、離型剤の溶液中に、窒素ガス等の不活性ガスを導入する方法が好ましい。特に、加硫剤として過酸化物加硫剤を配合する場合は、窒素ガス等の不活性ガスにより形成された泡状の離型剤を用いることにより、加硫後のゴムホースの性能を向上させることができる。
離型剤の溶液中に不活性ガスを導入する方法としては特に限定されないが、例えば、所定のメッシュサイズを有するフィルターを設けた送気管を通して離型剤の溶液中に不活性ガスを噴出させる方法、不活性ガスを導入するとともに所定の攪拌機を用いて離型剤の溶液を攪拌する方法、不活性ガス雰囲気下で離型剤の溶液を攪拌する方法等が挙げられる。
使用する不活性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス、クリプトンガス等が挙げられる。これらの中でも、コスト、安全性等の観点から窒素ガスが好ましい。尚、離型剤を発泡させる際に使用する不活性ガス中には、実質的に酸素が存在しないことが必要である。具体的には、不活性ガス中の酸素濃度は、通常、500Volppm以下、好ましくは、JIS K1107で定める高純度窒素における2級の酸素濃度の50Volppmである。
窒素ガス等の不活性ガスを使用して離型剤を発泡させることにより、離型剤中から酸素が除去される。また、酸素が除去された泡状の離型剤を未加硫ゴムホースに塗布し、この未加硫ゴムホースをマンドレルに挿入することにより、従来、未加硫ゴムホースとマンドレルとの間隙に存在する空気中の酸素による過酸化物加硫剤の失活反応を大幅に抑制することができる。その結果、未加硫ゴムホースの加硫反応が効果的に進み、加硫後のホースの耐圧耐久性等が向上する。また、未加硫ゴム配合物がマンドレルの表面に付着する問題が解消され、マンドレル表面を頻繁に洗浄する必要性が軽減される。
一方、従来行われていたように、未加硫ゴムホースの押出内径をマンドレルの外径よりも小さく設定し、未加硫ゴムホースとマンドレル内面との間に空隙が生じないようにする必要性が無くなり、このため、作業性が改良されるとともに不良品の発生が大幅に減少する。
さらに、窒素ガス等の不活性ガスを使用して酸素が除去された泡状の離型剤を未加硫ゴムホースに塗布することにより、空気中に存在する酸素による酸化劣化が減少する。このため、ゴム配合物中に配合する老化防止剤の配合量を軽減することができる。その結果、従来、未加硫ゴムホースを押し出し成型にて成型する際に、ホース押し出し用口金の表面に付着したブリード物が減少し、治具等の汚染が解消される。
本実施の形態が適用されるマンドレルを用いた成形ホースの製造は、未加硫ゴムホースの内面及び/又はマンドレル表面に泡状の離型剤を塗布し、次に、未加硫ゴムホースを曲がり形状のマンドレルに装着して加硫し、続いて、加硫ゴムホースをマンドレルから取り外す手順で行われる。
未加硫ゴムホースの内面やマンドレル表面に泡状の離型剤を塗布する方法は特に限定されないが、例えば、刷毛塗り、噴霧、浸漬等の通常用いられている任意の方法で行うことができる。泡状の離型剤の塗布量は、特に限定されないが、通常、6ml〜100ml、好ましくは、10ml〜50ml程度である。
未加硫ゴムホースを加硫する方法は特に限定されず、通常、加硫釜等の耐圧容器内で、温度130℃〜170℃、飽和蒸気圧0.26MPa〜0.78MPa、時間10分〜60分の条件で行われる。
以下、実施例に基づき、本実施の形態をさらに具体的に説明する。尚、本実施の形態は実施例に限定されない。
(1)未加硫ゴムホース
ゴム材料としてEPDMを用い、EPDM/補強布/EPDMの構造を有する未加硫ゴムホースを、補強布を入れることができる二層押出し機により押し出し成形した。未加硫ゴムホースの内径は16mm、外径は24mmである。
(2)マンドレル
外径16mm、長さ30mmのSUS製のS字型のマンドレルを用いた。
(3)加硫条件
蒸気配管がされた耐圧容器を用いて、飽和蒸気圧0.52MPa×30minの条件で未加硫ゴムホースの加硫を行った。
(4)試験内容
(i)離型剤の粘度(粘度カップ法)
JIS K5600−2−2のフローカップ法に準じて、室温(23±2℃)で、円筒形の容器(アネスト岩田(株)製 MODEL NK−2カップ)に離型剤の水溶液を取り、容器下端中央のオリフィスから流下し始めた離型剤の水溶液の流れが最初に途切れるまでの時間(流下時間)を測定した(単位:秒)。数値が小さいほど低粘度である。
(ii)マンドレルの挿入荷重
室温(23±2℃)で、1軸方向に架る荷重を測定できる台に固定されたマンドレルに一定速度で未加硫ゴムホースを装着したときの最大荷重を読み取り、マンドレルの挿入荷重とする(単位:N)。数値が小さいほど、挿入性が良好である。
(iii)マンドレルの抜き荷重
マンドレルに装着された未加硫EPDMホースの蒸気加硫(0.52MPa×20min)を行い、加硫後5分間以内に、1軸方向に架かる荷重を測定できる台にマンドレル部分を固定し、加硫EPDMホースの端をつかみ、一定速度で加硫EPDMホースを引き抜いたときの最大荷重を読み取り、マンドレルの抜き荷重とする(単位:N)。数値が小さいほど、マンドレルの抜き取り性が良好である。
(iv)離型剤の残存量
加硫後、マンドレルを引き抜いた加硫ゴムホースを、室温で5リットルの攪拌している水中に5分間浸漬した後取り出し乾燥し、次いで、加硫ゴムホースを縦にカットして内周面の離型剤の残存状態を観察した。
(実施例1)
ノニオン系界面活性剤含有の離型剤水溶液をさらに水で2倍に希釈し、粘度カップ法で測定した粘度15秒の離型剤水溶液を調製した。次に、この離型剤水溶液中でコイル状攪拌羽根を高速で回転させ、水溶液中に空気を抱き込ませて泡状の離型剤を調製した。このとき、泡状の離型剤の体積は、元の体積の2倍に膨張していた。このように調製した泡状の離型剤中に、未加硫ゴムホースの端部を5cm程度浸漬し、マンドレルに装着する側の未加硫ゴムホースの内面に泡状の離型剤を付着させた。マンドレルの挿入荷重、マンドレルの抜き荷重及び離型剤の残存量の結果を表1に示す。
(実施例2)
ノニオン系界面活性剤含有の離型剤水溶液をさらに水で2倍に希釈し、粘度カップ法で測定した粘度15秒の離型剤水溶液を調製した。次に、この離型剤水溶液をノズルから噴霧される手前で、高圧空気と混合して泡を作り、泡状の離型剤を調製した。このとき、泡状の離型剤の体積は、元の体積の4倍に膨張していた。続いて、調製した泡状の離型剤をスプレー装置により、マンドレルの先端5cm程度の範囲に噴霧し付着させた。マンドレルの挿入荷重、マンドレルの抜き荷重及び離型剤の残存量の結果を表1に示す。
(実施例3)
ノニオン系界面活性剤含有の離型剤水溶液をさらに水で2倍に希釈し、粘度カップ法で測定した粘度12秒の離型剤水溶液を調製した。次に、この離型剤水溶液液中でコイル状攪拌羽根を高速で回転させ液中に空気を抱き込ませ、泡状の離型剤を調製した。このとき泡状の離型剤の体積は、元の体積の1.5倍に膨張していた。続いて、この泡状の離型剤に未加硫ゴムホースの端部を5cm程度浸漬し、マンドレルに装着する側の未加硫ゴムホースの内面に泡状の離型剤を付着させた。マンドレルの挿入荷重、マンドレルの抜き荷重及び離型剤の残存量の結果を表1に示す。
(実施例4)
ノニオン系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤含有の離型剤水溶液をさらに水で2倍に希釈し、粘度カップ法で測定した粘度70秒の離型剤水溶液を調製した。次に、この離型剤水溶液をノズルから噴霧される手前で、高圧空気と混合して泡を作り、泡状の離型剤を調製した。このとき、泡状の離型剤の体積は、元の体積の4倍に膨張していた。続いて、調製した泡状の離型剤をスプレー装置により、マンドレルの先端5cm程度の範囲とマンドレルに装着する側の未加硫ゴムホースの内面に、それぞれ泡状の離型剤を付着させた。マンドレルの挿入荷重、マンドレルの抜き荷重及び離型剤の残存量の結果を表1に示す。
(実施例5)
水溶性の変性シリコーンオイルからなる離型剤を水で4倍に希釈し、粘度カップ法で測定した粘度60秒の離型剤水溶液を調製した。次に、この離型剤水溶液中でコイル状攪拌羽根を高速で回転させ、水溶液中に空気を抱き込ませて泡状の離型剤を調製した。このとき、泡状の離型剤の体積は、元の体積の3倍に膨張していた。このように調製した泡状の離型剤中に、未加硫ゴムホースの端部を5cm程度浸漬し、マンドレルに装着する側の未加硫ゴムホースの内面に泡状の離型剤を付着させた。マンドレルの挿入荷重、マンドレルの抜き荷重及び離型剤の残存量の結果を表1に示す。
(実施例6)
粘度カップ法で測定した粘度90秒のノニオン系界面活性剤含有の離型剤水溶液中でコイル状攪拌羽根を高速で回転させ、水溶液中に空気を抱き込ませて泡状の離型剤を調製した。このとき、泡状の離型剤の体積は、元の体積の5倍に膨張していた。このように調製した泡状の離型剤中に、未加硫ゴムホースの端部を5cm程度浸漬し、マンドレルに装着する側の未加硫ゴムホースの内面に泡状の離型剤を付着させた。マンドレルの挿入荷重、マンドレルの抜き荷重及び離型剤の残存量の結果を表1に示す。
(比較例1)
粘度カップ法で測定した粘度90秒のノニオン系界面活性剤含有の離型剤水溶液中に、未加硫ゴムホースの端部を5cm程度程浸漬し、さらに、スプレー装置でマンドレルに装着する側の未加硫ゴムホースの内面に泡状の離型剤を付着させた。マンドレルの挿入荷重、マンドレルの抜き荷重及び離型剤の残存量の結果を表1に示す。
(比較例2)
ノニオン系界面活性剤含有の離型剤水溶液をさらに水で2倍に希釈し、粘度カップ法で測定した粘度15秒の離型剤水溶液を調製した。次に、この離型剤水溶液中に、未加硫ゴムホースの端部を5cm程度程浸漬し、さらに、スプレー装置でマンドレルに装着する側の未加硫ゴムホースの内面に泡状の離型剤を付着させた。マンドレルの挿入荷重、マンドレルの抜き荷重及び離型剤の残存量の結果を表1に示す。
(比較例3)
粘度カップ法で測定した粘度350秒のノニオン系界面活性剤含有の離型剤水溶液中に未加硫ホースの端部を5cm程浸け、未加硫ホースのマンドレルに装着する側の内面に離型剤を付着させた。尚、この離型剤水溶液は泡状にならなかった。マンドレルの挿入荷重、マンドレルの抜き荷重及び離型剤の残存量の結果を表1に示す。
Figure 2005319775
表1に示す結果から、マンドレルを用いる成形ホースの製造において、泡状の離型剤を使用する場合(実施例1〜実施例6)は、マンドレルの挿入荷重及びマンドレルの抜き荷重の数値が小さく、マンドレルの挿入性及び抜き取り性が良好であることが分かる。また、離型剤の残存が観察されず、洗浄性が良好であることが分かる。これは、使用した泡状の離型剤が、元の離型剤水溶液液の1.2倍〜10倍程度に膨張させたものであるので、マンドレル挿入時に離型剤が十分にいきわたり、その結果、挿入荷重及び抜き荷重が小さく、また離型剤の残存が観察されない程度に洗浄されたと考えられる。
一方、マンドレルを用いる成形ホースの製造において、泡状の離型剤を使用しない場合(比較例1〜比較例3)は、マンドレルの挿入荷重及び抜き荷重と離型剤の洗浄性とのバランスが改良されないことが分かる。具体的には、離型剤を泡状にしないで溶液の状態で使用する場合(比較例1、比較例3)は、挿入荷重及び抜き荷重が小さいものの、加硫ゴムホースの内面に離型剤が残存し、洗浄を行っても充分に除去できないことが分かる。また、低粘度の離型剤水溶液を使用する場合(比較例2)は、未加硫ゴムホースの内面に塗布した離型剤が流れ落ちてしまうため、マンドレルに未加硫ゴムホースを装着する際に、挿入荷重及び抜き荷重が低減しないことが分かる。
以上、本実施の形態で説明したように、マンドレルを用いる成形ホースの製造において、泡状の離型剤を使用すると、泡状にしない液状の離型剤に比べて流れ落ち難く、離型剤がマンドレル表面又は未加硫ゴムホース内面等に付着する時間が長くなるので、このような未加硫ゴムホース内面等に残っている離型剤により、マンドレルの挿入荷重が低減し、さらに、加硫後、マンドレルから加硫ゴムホースを抜くことができない等の問題が生じることがない。
また、泡状の離型剤は、流れ落ち難いため、余分に塗布する必要がなく、その結果、離型剤の使用量を低減することができる。即ち、通常の液状の離型剤は、マンドレル表面又は未加硫ゴムホース内周面等にごく薄く付着する程度に止まり、例えば、挿入するマンドレルの先端や、未加硫ゴムホースの端部から5cm程度の部分に離型剤を塗布した場合、マンドレルに未加硫ゴムホースを装着した直後に離型剤の潤滑効果が失われる。そのため、マンドレルの挿入抵抗が増大し、マンドレルを最後まで挿入できなくなることが多い。
このような状況でマンドレルを挿入するには、高濃度の離型剤を使用するか又は未加硫ゴムホース内面全体に離型剤を塗布する等により離型剤の使用量を増大させる方法が考えられる。しかし、離型剤の使用量を増大すると、加硫後に洗浄を行っても多量の離型剤が残存する。また、離型剤の使用量が増大することによりコストアップや、環境汚染の原因となる。
これに対して、本実施の形態で説明したように、泡状の離型剤は、マンドレル表面や未加硫ゴムホース内面等に立体的に付着し、また、未加硫ゴムホース内全体に充満し易い。このため、たとえ、少量の離型剤をマンドレルの先端や未加硫ゴムホース端部に付着させた場合であっても、挿入されたマンドレルによって泡状の離型剤が押されながらスムーズに移動し、未加硫ゴムホースとの接触面に泡状の離型剤がいきわたる。その結果、マンドレルを挿入する際に最後まで十分に潤滑効果を発揮することが可能となる。さらに、コストダウン及び環境汚染の低減を図ることができる。
(実施例7)
実施例1において使用したノニオン系界面活性剤含有の離型剤水溶液中に空気を吹き込んで泡状の離型剤(離型剤A)を調製した。さらに、同じ離型剤水溶液中に窒素ガスを吹き込んで泡状の離型剤(離型剤N)を調製した。
次に、内径は7.3mm、外径13.0mmのEPDM単層の構造を有する未加硫ゴムホースを押し出し成形した。続いて、この未加硫ゴムホースの端部を5cm程度、それぞれの泡状の離型剤(離型剤A,離型剤N)に浸漬し、マンドレルに装着する側の未加硫ゴムホースの内面に泡状の離型剤を付着させ、外径7.3mm、長さ30mmのSUS製のS字型のマンドレルに挿入し、飽和蒸気圧0.52MPa×30minの条件で未加硫ゴムホースの加硫を行った。
次に、このようにして調製した加硫ゴムホースについて、インパルス耐久圧力0.275MPa〜0.35MPaの範囲で耐圧耐久試験を行い、加硫ゴムホースが破壊されるまでの繰り返し回数(耐圧耐久回数)を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2005319775
表2の結果から、ノニオン系界面活性剤含有の離型剤水溶液中に空気を吹き込んで調製した泡状の離型剤(離型剤A)を未加硫ゴムホース表面に塗布し、これをマンドレルに挿入して加硫を行った場合、得られた加硫ゴムホースは、インパルス耐久圧力0.275MPaにおいて、繰り返し回数(耐圧耐久回数)が14,113回に達した。
一方、ノニオン系界面活性剤含有の離型剤水溶液中に窒素ガスを吹き込んで調製した泡状の離型剤(離型剤N)を未加硫ゴムホース表面に塗布し、これをマンドレルに挿入して加硫を行った場合、得られた加硫ゴムホースは、インパルス耐久圧力0.275MPaにおいて、繰り返し回数(耐圧耐久回数)が56,290回に達した。
また、空気を用いて調製した離型剤Aを塗布した場合に比べて、窒素ガスを用いて調製した離型剤Nを塗布した場合は、インパルス耐久圧力における耐圧耐久回数が大幅に増大することが分かる。
(実施例8)
実施例7と同様な操作によりEPDM単層の構造を有する未加硫ゴムホースを押し出し、実施例7と同様な操作により調製した離型剤A及び離型剤Nを、それぞれ未加硫ゴムホースに塗布した後、この未加硫ゴムホースを同一のマンドレルに挿入して加硫ゴムホースを調製する操作を繰り返し行い、マンドレル表面に付着する付着物によりマンドレル径の変化を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2005319775
表3の結果から、ノニオン系界面活性剤含有の離型剤水溶液中に空気を吹き込んで調製した泡状の離型剤(離型剤A)を未加硫ゴムホース表面に塗布し、これを同一のマンドレルに挿入して加硫を行う操作を繰り返した場合、挿入回数300回で、マンドレル表面に付着した付着物により、マンドレル径が7.3mmから7.5mm程度に増大することが分かる。
一方、ノニオン系界面活性剤含有の離型剤水溶液中に窒素ガスを吹き込んで調製した泡状の離型剤(離型剤N)を未加硫ゴムホース表面に塗布し、これを同一のマンドレルに挿入して加硫を行う操作を繰り返した場合、挿入回数300回でマンドレル径が変化しない(7.3mm)ことが分かる。
この結果から、空気を用いて調製した離型剤Aを塗布した場合に比べて、窒素ガスを用いて調製した離型剤Nを塗布した場合は、マンドレル表面に付着する付着物の量が大幅に低減されることが分かる。

Claims (12)

  1. 曲がり形状のマンドレルを用いた成形ホースの製造方法であって、
    未加硫ゴムホースの内面に泡状の離型剤を塗布する塗布工程と、
    前記離型剤が塗布された前記未加硫ゴムホースを曲がり形状の前記マンドレルに装着する装着工程と、
    前記マンドレルに装着された前記未加硫ゴムホースを加硫して加硫ゴムホースを形成する加硫工程と、
    前記加硫ゴムホースを前記マンドレルから抜き取る抜き取り工程と、
    を有することを特徴とする成形ホースの製造方法。
  2. 前記マンドレルに装着する側の前記未加硫ゴムホースの内面に泡状の前記離型剤を充填することを特徴とする請求項1記載の成形ホースの製造方法。
  3. 前記離型剤の溶液を発泡させ、当該離型剤の溶液の体積を1.2倍〜8倍程度に膨張させる発泡工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の成形ホースの製造方法。
  4. 前記発泡工程は、前記離型剤の溶液中に不活性ガスを導入することにより当該離型剤を発泡させることを特徴とする請求項3記載の成形ホースの製造方法。
  5. 前記離型剤が水溶性であることを特徴とする請求項1記載の成形ホースの製造方法。
  6. 前記離型剤がノニオン系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1記載の成形ホースの製造方法。
  7. 前記離型剤が、下記一般式で表され、分子量2000〜4000であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを含有することを特徴とする請求項1記載の成形ホースの製造方法。
    Figure 2005319775
    (但し、一般式中、(EO)は、オキシエチレン基であり、(PO)は、オキシプロピレン基であり、a及びcは、それぞれ、分子中のオキシエチレン基の単位数を示す整数であり、bは、分子中のオキシプロピレン基の単位数を示す整数であり、オキシエチレン基の分子中に占める量は、20%以上40%未満である。)
  8. 前記離型剤は、JIS K5600−2−2のフローカップ法に準じた測定法により測定した流下時間が5秒〜240秒程度である粘度を有することを特徴とする請求項1記載の成形ホースの製造方法。
  9. 前記塗布工程において、さらに曲がり形状の前記マンドレルの表面に泡状の前記離型剤を塗布することを特徴とする請求項1記載の成形ホースの製造方法。
  10. 曲がり形状のマンドレルに未加硫ゴムホースを挿入して加硫する成形ホースの製造方法であって、
    前記マンドレルに挿入された前記未加硫ゴムホースと当該マンドレルの間に、不活性ガスを用いて発泡させた泡状の離型剤を存在させることを特徴とする成形ホースの製造方法。
  11. 前記未加硫ゴムホースは、加硫剤として過酸化物加硫剤を含有することを特徴とする請求項10記載の成形ホースの製造方法。
  12. 前記離型剤は、界面活性剤を含有することを特徴とする請求項10記載の成形ホースの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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