JP2005319714A - 転写方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラミネート転写において、搬送性が良く、転写の際にシワ等の発生が少ない転写方法を提供すること。
【解決手段】転写させる転写層を有する転写体と被転写体とを積層させた積層体を一対のカバーシートで挟持して加熱加圧することにより、前記転写層を前記被転写体上に転写させる転写工程を有し、前記積層体表面と前記カバーシートとの静摩擦係数が0.5以下である転写方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、転写方法に関する。特に、転写・被転写体の搬送性が良く、転写の際にシワ等の発生が少ない転写方法に関し、印刷分野におけるカラープルーフ(DDCP:ダイレクト・ディジタル・カラープルーフ)に用い得る画像形成に好適な転写方法に関する。
グラフィックアート分野では、一般に、本印刷(実際の印刷作業)の前に色分解工程での誤りや色補正の必要性等をチェックするために、色分解フィルムからカラープルーフを作製している。最近の印刷前工程(プリプレス分野)における電子化システムの普及に伴い、デジタル信号から直接カラープルーフを作製する記録システムが開発され、このような電子化システムにより、一般的には150線/インチ以上の網点画像が再現され、高画質のカラープルーフの作製が実現している。一般に、デジタル信号から高画質のプルーフを記録するために、デジタル信号により変調可能で、かつ記録光を細く絞り込むことが可能なレーザー光を記録ヘッドとして用いている。
レーザー光を利用した熱転写方式による画像形成は、高解像度の印画が可能であり、従来から、支持体上に、レーザー光を吸収して熱を発生する光熱変換物質を含む光熱変換層、色材を含む画像形成層、その他必要に応じて熱剥離層などを設けた熱転写材料を用いた、レーザー溶融方式(例えば、特許文献1参照)、レーザーアブレーション方式(例えば、特許文献2参照)等の記録システムが知られている。さらに最近になって、網点の輪郭をクリアにし、転写画像の高解像度化、高画質化を達成する手段としてレーザー薄膜転写方式が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平5−58045号公報 特開平6−219052号公報 特開2002−274051号公報
上記の熱転写方式などの転写方法においては、一般に、熱転写材料または画像記録された受像層を有する受像材料などの転写体と、受像材料や印刷本紙である最終被転写媒体である被転写体とを積層して、加熱加圧による転写、いわゆるラミネート転写が行われる。しかし、ラミネート転写では、転写体と被転写体とを接触させたとき両者の滑りが悪いと、両者の積層体の搬送性が悪化したり、転写時にシワが生じたりすることがある。
本発明は、このような状況に鑑み、搬送性が良く、転写の際にシワ等の発生が少ない転写方法を提供することを課題とする。
上記課題は、下記手段により解決される。
(1)転写させる転写層を有する転写体と被転写体とを積層させた積層体を一対のカバーシートで挟持して加熱加圧することにより、前記転写層を前記被転写体上に転写させる転写工程を有し、前記積層体表面と前記カバーシートとの静摩擦係数が0.5以下であることを特徴とする転写方法。
(2)前記カバーシートがプラスチックシートであることを特徴とする上記(1)に記載の転写方法。
(3)前記転写工程において、前記積層体を前記カバーシートを介して金属板上に載置して加熱加圧することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の転写方法。
(4)前記転写体が、支持体上に予め転写により前記転写層を形成した中間転写媒体であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の転写方法。
(5)前記転写層がカラー画像を記録した画像記録層であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の転写方法。
(6)前記画像記録層が熱転写記録により形成された層であることを特徴とする上記(5)に記載の転写方法。
(7)前記被転写体が透明支持体を有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の転写方法。
本発明によれば、転写層を有する転写体と被転写体とを特定の特性を有する一対のカバーシートで挟持して加熱加圧によりラミネート転写することにより、転写・被転写体からなる積層体の搬送性を良好なものとし、転写層の被転写体への転写をシワ等の発生を抑制して円滑に行うことができる。
本発明は、印刷分野におけるカラープルーフ(DDCP:ダイレクト・ディジタル・カラープルーフ)に用いる画像形成に適用でき、特に印刷本紙となる最終被転写媒体が透明媒体の場合に好適である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の転写方法では、転写させる転写層を有する転写体と被転写体とを積層して積層体(以下、転写積層体とも称する。)となし、該積層体を一対のカバーシートで狭持して加熱加圧することにより、転写層を被転写体に転写する。この際、積層体を狭持するカバーシートは、積層体の表面との静摩擦係数が0.5以下、好ましくは0.1以上0.3以下となるものを用いる。
このように、転写積層体を該積層体との摩擦係数が0.5以下となる一対のカバーシートで挟んで加熱加圧することにより、積層体の搬送性を良好なものとし、転写層の被転写体への転写をシワ等の発生を抑制することができる。
本発明で用いるカバーシートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネートや、特開2000−337468号公報の段落[0051]に記載されているものなどのプラスチックからなるプラスチックシート、合成紙等を用いることができる。なかでも、耐熱性、寸法安定性、機械強度の点からプラスチックシートが好ましく、特にPET、PEN、ポリカーボネートが好ましい。
転写積層体との静摩擦係数を上記範囲とするために、テフロンやシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂等の離型性樹脂を塗布したり、表面に微妙な凹凸を形成するのが望ましい。
カバーシートの厚さは、必要に応じて適宜設定できるが、一般に、50〜500μmが好ましく、100〜200μmが更に好ましい。
加熱加圧は通常の熱転写装置を利用して行うことができ、具体的には、易接着層表面にカバーシートを重ねた最終被転写媒体を一対のヒートローラーの間を通すことにより加熱加圧する。
この際、金属板などのガイド板に載せてヒートローラーの間を通すことが好ましい。金属板を用いることで、シワ等の発生や寸法変化を抑え、転写を良好に行うことができる。金属板としては、アルミ板、ステンレス板、銅板等が挙げられる。
加熱温度は80〜200℃が好ましく、110〜140℃がより好ましい。加圧圧力は1〜100N/cmが好ましく、2〜10N/cmがより好ましい。
本発明の転写方法は、転写体から加圧加熱により被転写体に転写層を転写する場合に広く適用することができる。
その実施形態の例を図1に示す。図1の(a)は、転写体として易接着層付き離型紙を用いて、被転写体である透明支持体に易接着層(転写層)を転写する一実施形態を示す概略図であり、(b)は、転写体として、転写体として受像層上に画像が記録された画像形成材料を用いて、被転写体である易接着層付き透明支持体に画像および受像層(両者とも転写層)を転写する工程(画像形成方法)を示す概略図である。
図1の(a)に示す、透明支持体上へ易接着層を転写では、まず、アルミガイド板1の上にカバーシート2を載置し、更にその上に透明支持体3を載置する。そして、その上に、易接着層4と離型紙5からなる易接着層付き離型紙6を積層し、更にその上をカバーシート2'で覆う。これらを一対のヒートローラー9、9'の間を通過させ、加熱加圧して、易接着層4を透明支持体3上に転写し、離型紙5を剥離して、透明支持体上に易接着層を有する透明支持体7を得る。
図1の(b)に示す画像転写では、まず、アルミガイド板1の上にカバーシート2を載置し、更にその上に、上記で得た易接着層を有する透明支持体7を載置する。そして、その上に、支持体22、クッション層23、画像25が形成されている受像層24からなる画像形成材料20を積層し、更にその上をカバーシート2'で覆う。これらを一対のヒートローラー9、9'の間を通過させ、加熱加圧して、画像25を受像層24とともに易接着層4上に転写し、画像形成材料20を剥離して、画像が転写された透明支持体8を得る。
本発明の転写方法は、図1(b)に示すような、透明支持体上に画像を転写する画像形成方法に好適である。この場合、図1(b)に示す画像形成材料20が有する画像25も転写により形成された層であること、すなわち画像形成材料20が中間転写媒体であることが好ましい。この場合、透明支持体7が印刷本紙である最終被転写媒体に相当する。画像形成材料20上に、レーザー熱転写方式などの熱転写記録により画像を像様に形成しておくことで、高解像度で高画質な画像を形成できる。また、画像を色分解し、色ごとに画像形成材料20上へ熱転写記録を行うことで、高解像度でカラー画像を形成することができる。
最終被転写媒体が、透明支持体の場合は、画像と支持体との密着強度を向上させるために、易接着層を設けておくことが好ましい。この場合、透明支持体上への易接着層の形成は、転写により行うことが好ましく、その転写は図1(a)に示す形態で行うことができる。
画像形成において上記最終被転写媒体として用いる透明支持体としては、種々のプラスチックフィルムを用いることができ、例えば、塩化ビニル系樹脂シート、ABS樹脂シート、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、シンジオタクチックポリスチレン、延伸ナイロンフィルム、ポリアセテートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム等の単層、あるいはそれらを2層以上積層した各種プラスチックフィルムまたはシートが挙げられる。
これらの透明支持体の厚さは、25〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。
最終被転写媒体の透明支持体は、異物付着による易接着層などの欠陥を防止するために、帯電防止処理されていることが好ましい。帯電防止処理の方法としては、金属酸化物などの導電性微粒子を含有させたフィルムの成型及びフィルムに帯電防止層を設ける方法などがある。帯電防止剤としては、公知のものが使用可能である。
また、透明支持体上に易接着層を転写により形成する場合に用いる易接着層付き離型紙の離型紙としては、各種離型紙を用いることができ、例えば、コンデンサーペーパー等の紙又はポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、あるいはセロファン等が挙げられ、特に耐熱性も高くて好ましいのはポリエステルフィルム(具体例としては、PET〔ポリエチレンテレフタレート〕やPEN〔ポリエチレンナフタレート〕、等)である。
離型紙の厚みは、機械的強度、取扱い易さあるいは入手の容易さから2〜50μmがよいが、熱伝導率、熱伝達率、蓄熱性能等の熱的特性も考慮すると2〜16μmがより好適である。また、離型紙の表面粗さはRzで1〜10μmであることが好ましく、3〜8μmであることがより好ましい。
易接着層付き離型紙には、必要に応じて、離型紙の易接着層が設けられている反対の面にバックコート層を設けて、耐熱性や滑り性を向上させることができる。特に高速熱転写など熱転写条件が厳しい場合にはバックコート層を設けることが好ましい。
易接着層付き離型紙は、例えば、離型紙の一方の面上に、接着層形成用組成物をグラビア、メイヤーバー、ロールコートなどの塗工方法により塗工、乾燥して易接着層を形成することができる。またバックコート層を設ける場合は、離型紙の他方にバックコート層形成用組成物を塗布し、乾燥させればよい。
最終被転写媒体上への易接着層の形成は、画像形成の直前に行う、またはその表面を離型シートで被覆しておき、画像転写にあたってその直前に剥離シートを剥離することが好ましい。易接着層を画像形成の直前に行う、または離型シートで被覆しておくと、最終画像転写媒体を積み重ねての貯蔵や運搬の際に、最終画像転写媒体同士が易接着層に起因してブロッキングすること等を防止できるので好ましい。
以上で説明した本発明の転写方法において画像形成する場合に用いる中間転写媒体(例えば、図1(b)における画像形成材料20)について、以下説明する。
中間転写媒体は、画像を再転写することが可能な受像材料であり、この中間転写媒体への画像記録は、熱転写記録であることが好ましく、レーザー熱転写記録であることが、高解像度の画像を形成できる点から、好ましい。
レーザー熱転写記録では、一般に、光熱変換層および画像形成層などを備える熱転写材料と、受像層などを備える受像材料とを用い、該受像材料の受像層上へ画像が記録される。本発明の中間転写媒体としては、この受像材料が相当する。
レーザー熱転写記録により多色画像を形成するためには、多色画像形成材料として、少なくとも互いに色の異なる画像形成層を有した2種以上の熱転写材料と受像材料を用いる。互いに色の異なる画像形成層を有した熱転写材料は、好ましくは4種以上、更に好ましくは5種以上であり、4種または5種以上の場合の画像形成層の色は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびホワイト(W)および/または金属光沢色であることが好ましく、さらに、前記のものにブラック(K)を加えたものが好ましい。熱転写材料としては、さらに他にプロセスカラーの組み合わせでは表現できない色、例えば、グリーン(G)、オレンジ(O)、レッド(R)、ブルー(B)、ゴールド(Go)、ピンク(P)などを含んでもよい。
最終被転写媒体が透明である本発明では、少なくとも1色の熱転写材料は、ホワイトの熱転写材料または金属光沢色の熱転写材料であることが好ましい。これらのホワイトまたは金属光沢色は、隠蔽力のある画像の下地色として用いることもできるので、透明な最終被転写媒体上に鮮明で高画質な画像を形成する上で、これらの熱転写材料を用いて画像にホワイトまたは金属光沢色を含ませることが好ましい。あるいは、ホワイトと金属光沢色の双方を含ませることもできる。
レーザー熱転写型の多色画像形成材料においては、少なくとも1色の熱転写材料の光熱変換層の、808nmにおける吸光度Aと光熱変換層の層厚X(μm)の比A/Xを好ましくは2.5〜3.2、より好ましくは2.7〜3.0に制御するとともに前記吸光度Aを好ましくは1.0〜2.0、より好ましくは1.3〜1.7とすることが望ましい。
光熱変換層の吸光度Aと光熱変換層厚X(μm)の比(A/X)及び該吸光度Aを上記特定の範囲にすることにより、光熱変換色素の分解物による画像形成層の着色を最小限に抑えることとができ、かつ記録時の感度が高く、画質も良好な状態にすることができる。
また、A/Xを上記範囲とすることにより、転写画像の解像度を好ましくは2400dpi以上、更に好ましくは2600dpi以上の解像度で515mm以上×728mm以上のように大サイズで画像を記録することができる。
該吸光度Aは、記録するに際して、使用するレーザー光のピーク波長808nmにおける光熱変換層の吸光度を言い、公知の分光光度計を用いて測定を行うことができる。本発明では、(株)島津製作所製UV−分光光度計UV−240を用いた。また、上記吸光度Aは支持体込みのものから支持体単独の値を差し引いた値とする。
本発明で用いるレーザー熱転写型の多色画像形成材料による熱転写画像は、ドット形状がシャープなので、微細文字の細線がきれよく再現できる。熱転写材料において、レーザー光により発生した熱が、光熱変換層の面方向に拡散ぜずに転写界面まで伝えられ、加熱部/非加熱部の界面で画像形成層をシャープに破断されるために、熱転写材料における光熱変換層の薄膜化と画像形成層の力学特性を制御することが望ましい。
シミュレーションでは、光熱変換層は瞬間的に約700℃に達すると推定され、膜が薄いと変形や破壊がおこりやすい。変形・破壊が起こると光熱変換層が転写層とともに受像材料に転写したり、転写像が不均一になるという実害を生じる。一方、所定の温度を得るには膜中に光熱変換物質を高濃度に存在させねばならず、色素の析出や隣接層への移行といった問題も発生する。
このため、光熱変換特性の優れた赤外吸収色素及びポリアミドイミド系やポリイミド系などの耐熱性バインダーを選定することにより、光熱変換層を約0.5μm以下に薄膜化することが好ましい。
また、一般的には、光熱変換層の変形が起こったり、または画像形成層そのものが高熱により変形すると、受像層に転写した画像形成層はレーザー光の副走査パターンに対応した厚みムラを生じ、そのため画像が不均一になり見かけの転写濃度が低下する。この傾向は画像形成層の厚みが薄いほど顕著である。一方、画像形成層の厚みが厚いとドットのシャープさが損なわれかつ感度も低下する。
この相反する性能を両立させるために、ワックス等の低融点物質を画像形成層に添加することより転写ムラを改良することが好ましい。また、バインダーの代わりに無機微粒子を添加することにより層厚を適正に上げることで、加熱部/非加熱部の界面で画像形成層がシャープに破断するようにし、ドットのシャープさ・感度を保ちつつ転写ムラを改良することができる。
また、一般に、熱転写材料の塗布層が吸湿することで層の力学物性と熱物性が変化し、記録環境の湿度依存性が生じる。
この温湿度依存性を少なくするためは、光熱変換層の色素/バインダー系、および画像形成層のバインダー系を有機溶剤系にすることが好ましい。
そして、印画時の高熱により、赤外吸収色素が光熱変換層から画像形成層に移行すると、色相が変化してしまうので、それを防止するために、前述したように保持力の強い赤外吸収色素/バインダーの組み合わせで光熱変換層を設計することが好ましい。
受像材料と熱転写材料は、画像形成に当たり、真空密着によりドラム上に保持されることが好ましい。この真空密着は両材料の接着力制御により画像を形成しているため受像材料の受像層面と転写材料の画像形成層面のクリアランスに画像転写挙動が非常に敏感なので重要である。ゴミ等異物のきっかけで材料間のクリアランスが広がってしまうと画像欠陥や画像転写ムラが生じてしまう。
このような画像欠陥や画像転写ムラを防止するには、熱転写材料又は受像材料に均一な凹凸をつけることで、エアーのとおりをよくし均一なクリアランスを得ることが好ましい。凹凸をつける方法としては、一般にエンボス処理等の後処理、塗布層へのマット剤添加があるが、製造工程簡略化、材料の経時安定化のためにマット剤添加が好ましい。
これまで述べたようなシャープなドットを確実に再現するため、記録装置側も高精度な設計が要求される。具体的には特開2002−337468号公報の段落(0027)に記載のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
次に、レーザーを用いた薄膜熱転写による多色画像形成の機構の概略を図2を用いて説明する。
熱転写材料10の画像形成層16の表面に、受像材料20を積層した画像形成用積層体30を用意する。熱転写材料10は、支持体12と、その上に、光熱変換層14、及び更にその上に、画像形成層16を有し、受像材料20は、支持体22と、その上に、受像層24を有し、熱転写材料10の画像形成層16の表面には、受像層24が接触するように積層される(図2(a))。その積層体30の熱転写材料10の支持体12側から、レーザー光を画像様に時系列的に照射すると、熱転写材料10の光熱変換層14のレーザー光被照射領域が発熱し、画像形成層16との密着力が低下する(図2(b))。その後、受像材料20と熱転写材料10とを剥離すると、画像形成層16のレーザー光被照射領域16'が、受像材料20の受像層24上に転写される(図2(c))。
光照射に用いられるレーザー光の種類、強度、ビ−ム径、パワ−、走査速度等は、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0041)に記載のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
多色画像を形成する方法としては、前述したように複数の熱転写材料を用いて、同一の受像材料上に多数の画像層(画像が形成された画像形成層)を繰返し重ね合せて多色画像を形成してもよく、複数の受像材料の受像層上に一旦画像を形成した後、印刷本紙(最終被転写媒体)等へ再転写することにより、印刷本紙上で多色画像を形成してもよい。
レーザー光照射を用いる熱転写記録は、レーザービームを熱に変換しその熱エネルギーを利用して顔料を含む画像形成層を受像材料に転写し、受像材料上に画像を形成し得るものであれば、転写時の顔料、色素乃至画像形成層の状態変化は、特に問わず、固体状態、軟化状態、液体状態、気体状態のいずれの状態をも包含するが、好ましくは固体乃至軟化状態である。レーザー光照射を用いる熱転写記録は、例えば、従来から知られる溶融型転写、アブレーションによる転写、昇華型転写等も包含される。
中でも前述の薄膜転写型、溶融・アブレーション型は印刷に類似した色相の画像を作成するという点で好ましい。
受像材料上または印刷本紙上に作成した画像は、紫外線領域に強度をもつ光により後露光処理することも可能である。光ラジカル発生剤により画像形成層中の赤外吸収色素もしくはその分解物による着色を消色させることができる。後露光処理しておくことにより、その後の室内曝光により色相が変化することを防ぐことができる。
後露光処理の光源としては、光ラジカル発生剤が吸収する波長の物が好ましく、蛍光灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等を用いることができる。
以上のレーザー熱転写を行う装置や本発明の画像形成方法を行う熱転写装置を、製版システム上に接続することによって、カラープルーフとしての機能を発揮できるシステムが構築されることになる。システムとしては、ある製版データから出力される印刷物と限りなく近い画質のプリント物が、上記記録装置から出力される必要がある。そこで、色や網点を印刷物と近づけるためのソフトウェアが必要である。具体的なシステム接続としては例えば特開2002−337468号公報の段落(0040)に記載されるものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
以下に、本発明で好適に用いられる熱転写材料及び受像材料について説明する。
[熱転写材料]
熱転写材料は、支持体上に、少なくとも光熱変換層及び画像形成層を有し、更に必要に応じて、その他の層を有してなる。
(支持体)
熱転写材料の支持体の材料には特に限定はなく、各種の支持体材料を目的に応じて用いることができる。具体的には特開2002−337468号公報の段落(0051)に記載にものが用いられるがこれらに限定されるものではない。
熱転写材料の支持体には、その上に設けられる光熱変換層との密着性を向上させるために、表面活性化処理及び/又は一層又は二層以上の下塗層の付設を行ってもよい。表面活性化処理の例としては、グロー放電処理、コロナ放電処理等を挙げることができる。下塗層の材料としては、支持体と光熱変換層の両表面に高い接着性を示し、かつ熱伝導性が小さく、また耐熱性に優れたものであることが好ましい。そのような下塗層の材料の例としては、スチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ゼラチン等を挙げることができる。下塗層全体の厚さは通常0.01〜2μmである。また、熱転写材料の光熱変換層付設側とは反対側の表面には、必要に応じて、反射防止層や帯電防止層等の各種の機能層の付設、あるいは表面処理を行うこともできる。具体的には特開2002−337468号公報の段落(0053)に記載されているバック層を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
(光熱変換層)
光熱変換層は、光熱変換物質、バインダー、及びマット剤を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
光熱変換物質は、照射される光エネルギーを熱エネルギーに変換する機能を有する物質である。一般的には、レーザー光を吸収することのできる色素(顔料を含む。以下、同様である。)である。赤外線レーザーにより画像記録を行う場合は、光熱変換物質としては、赤外線吸収色素を用いるのが好ましい。前記色素の例としては、カーボンブラック等の黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニン等の可視から近赤外域に吸収を有する大環状化合物の顔料、光ディスク等の高密度レーザー記録のレーザー吸収材料として使用される有機染料(インドレニン染料等のシアニン染料、アントラキノン系染料、アズレン系色素、フタロシアニン系染料)、及びジチオールニッケル錯体等の有機金属化合物色素を挙げることができる。中でも、シアニン系色素は、赤外線領域の光に対して、高い吸光係数を示すので、光熱変換物質として使用すると、光熱変換層を薄層化することができ、その結果、熱転写材料の記録感度をより向上させることができるので好ましい。
光熱変換物質としては、色素以外にも、黒化銀等の粒子状の金属材料等、無機材料を用いることもできる。
本発明においては、光熱変換物質として、下記一般式(1)で表される化合物が、優れた耐熱性を有し、塗布液が経時しても分解することなく吸光度が低下しないことから、極めて好ましく用いられる。
Figure 2005319714
(一般式(1)中:Zは、ベンゼン環、ナフタレン環又は複素芳香族環を形成するための原子団を表す。Tは、−O−、−S−、−Se−、−N(R1)−、−C(R2)(R3)−、又は−C(R4)=C(R5)−を表す。ここで、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基又はアリール基を表し、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、アシル基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、又はスルホンアミド基を表す。Lは、5個又は7個のメチン基が共役二重結合によって連結されて生じる3価の連結基を表す。Mは、2価の連結基を表す。X+は、陽イオンを表す。)
一般式(1)中、Zによって完成される環の例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、キノリン環、ピラジン環、キノキサリン環等を挙げることができる。また、Z上には、更に他の置換基R6を結合させてもよい。このような置換基R6としては、例えば、アルキル基、アリール基、複素環残基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボン酸基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、シアノ基、ニトロ基等の種々の置換基を挙げることができる。そして、Z上に結合される上記置換基の数(p)は、通常、0又は1〜4程度が好ましい。尚、pが2以上であるとき、複数のR6は互いに同じものであっても異なるものであってもよい。
6で表される置換基の中でも、ハロゲン原子(例えば、F、Cl等)、シアノ基、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ドデシルオキシ基、メトキシエトキシ基等)、炭素原子数6〜20の置換若しくは非置換のフェノキシ基(例えば、フェノキシ基、3,5−ジクロロフェノキシ基、2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ基等)、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソブチル基、t−ペンチル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基等)、炭素原子数6〜20の置換若しくは非置換のフェニル基(例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基等)等が好ましい。
前記一般式(1)において、Tは、−O−、−S−、−Se−、−N(R1)−、−C(R2)(R3)−、又は−C(R4)=C(R5)−を表す。この場合、R1、R2、R3、R4及びR5で表される基としては、置換若しくは非置換の、アルキル基、アリール基及びアルケニル基が好ましく、特にアルキル基が好ましい。R1〜R5 で表される基の炭素原子数は1〜30が好ましく、特に1〜20が好ましい。
また、これらR1〜R5で表される基が更に置換基を有する場合には、置換基としては、スルホン酸基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルアミド基、アルキルスルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノ基、アルキルカルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル基、アリール基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基等が好ましい。
これらの置換基の中でも、ハロゲン原子(例えば、F、Cl等)、シアノ基、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ドデシルオキシ基、メトキシエトキシ基等)、炭素原子数6〜20の置換若しくは非置換のフェノキシ基(例えば、フェノキシ基、3,5−ジ−クロロフェノキシ基、2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ基等)、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソブチル基、t−ペンチル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基等)又は炭素原子数6〜20の置換若しくは非置換のフェニル基(例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基等)が特に好ましい。R1〜R5としては、炭素原子数1〜8の非置換アルキル基が最も好ましく、Tとしては、−C(CH32−が特に好ましい。
一般式(1)中のLは、5個若しくは7個のメチン基が共役二重結合によって連結されて生じる3価の連結基を表し、置換されていてもよい。即ち、Lは、メチン基が共役二重結合で連結されて生じるペンタメチン基、或いはヘプタメチン基等を表すが、具体的には下記(L−1)〜(L−6)で表される基が好ましい。
Figure 2005319714
上記具体例の中でも、(L−2)、(L−3)、(L−4)、(L−5)及び(L−6)として例示されるトリカルボシアニンを形成する連結基が特に好ましい。上記式(L−1)〜(L−6)において、Yは、水素原子又は1価の基を表す。Yで表される1価の基としては、低級アルキル基(メチル基等)、低級アルコキシ基(メトキシ基等)、置換アミノ基(ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、モルホリノ基、イミダゾリジン基、エトキシカルボニルピペラジン基等)、アルキルカルボニルオキシ基(アセトキシ基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基等)、ジアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(Br、Cl、F等)等が好ましい。
Yで表される基のうち特に好ましいものは水素原子であり、R7及びR8のうち特に好ましいものは、それぞれ水素原子又は低級アルキル基(メチル基等)である。また、前記(L−4)〜(L−6)において、iは1又は2であり、jは0又は1である。Mは、2価の連結基を表し、好ましくは置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキレン基を表す。例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられる。
一般式(1)の中で、X+で表される陽イオンとしては、例えば、金属イオン(Na+、K+)、アンモニウムイオン(例えば、HN+(C253で表されるイオン等)、ピリジニウムイオン等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、下記に示す化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
Figure 2005319714
Figure 2005319714
Figure 2005319714
上記一般式(1)で表される化合物は、通常、カルボシアニン色素を合成する場合と同様にして、容易に合成することができる。即ち、ヘテロ環エナミンを、CH3O−CH=CH−CH=CH−CH(OCH32等のアセタール類あるいはPhN−CH−(CH−CH)−NHPhで表される化合物等と反応させることによって容易に合成することができる。ここでPhはフェニル基を表す。また、これらの化合物の合成方法については、具体的には、特開平5−116450号公報の記載等も参照することができる。
光熱変換物質の分解温度が高く分解されにくければ、その分解物の着色によるカブリの故障を防止できるという観点から、光熱変換物質の分解温度は、200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましい。該分解温度が200℃より低いと光熱変換物質の分解により、その分解物の着色がカブリとなり、画質を低下させることがある。
光熱変換層に含有されるバインダーとしては、ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂が好ましい。
ポリアミドイミド樹脂関しては、溶媒に溶解し、かつバインダーとして機能するものであれば、特に種類に制御はないが、支持体上に層を形成し得る強度を少なくとも有し、高い熱伝導率を有する樹脂が好ましい。
また、バインダーとしてのポリアミドイミドは、熱分解温度(TGA法(熱質量分析法)で10℃/分の昇温速度で、空気気流中で5%質量減少する温度)が400℃以上のポリアミドイミドが好ましく、前記熱分解温度が500℃以上のものがより好ましい。また、ポリアミドイミドは、200〜400℃のガラス転移温度を有するのが好ましく、250〜350℃のガラス転移温度を有するのがより好ましい。ガラス転移温度が200℃より低いと、形成される画像にカブリが発生する場合があり、400℃より高いと、樹脂の溶解性が低下し、生産効率が低下する場合がある。
なお、光熱変換層のバインダーの耐熱性(例えば、熱変形温度や熱分解温度)は、光熱変換層上に設けられる他の層に使用される材料と比較して、より高いのが好ましい。
好ましく用いられるポリアミドイミドは、下記一般式(2)で表されるポリアミドイミドである。
Figure 2005319714
上記一般式(2)中、Rは2価の連結基を表す。2価の連結基の好ましい具体例を下記する。
Figure 2005319714
Figure 2005319714
なかでも、(6)、(7)、(11)、(14)の連結基が好ましい。
また、これらの二価の連結基は、単独であってもよいし複数個が結合したものであってもよい。
一般式(2)で表されるポリアミドイミドの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されポリスチレン換算値として、3000〜50000が好ましく、10000〜25000がより好ましい。
光熱変換層のバインダーとしてはポリアミドイミド樹脂と他の樹脂を併用してもよい。併用する樹脂としては、たとえば特開2002−337468号公報の段落(0062)に記載されているものが用いられ、好ましくはポリイミド樹脂である。併用率は重量比で5〜50%が好ましく、更に好ましくは10〜30%である。
光熱変換層に含有されるマット粒子としては、たとえば特開2002−337468号公報の段落(0074)に記載されているものが好ましく、特にシリカ、シリコーン樹脂粒子が好ましい。
シリコーン樹脂粒子はシリカ粒子に比べ比重が小さいため、液安定性が高くより好ましい。ただし、シリコーン樹脂粒子はシリカ粒子に比べ、粒子径分布が広く、かつ複数個のマット剤粒子が凝集した巨大粒子が含まれることが多い。このような凝集物が存在すると、この部分の画像記録がおこらず、白ヌケ状の欠陥が発生する場合がある。このため、分級処理により凝集物が除去されたマット剤を用いることが好ましい。マット剤の分級処理の方法としては、粒子を分級し得る方法であれば各種方法を適宜採用することができる。その例として、ふるいによる分級、乾式気流分級機による方法、湿式気流分級機による方法等が挙げられる。中でも乾式気流分級機による方法が、湿式気流分級機による方法に比べ、排水対策が不要でより簡便であり、かつふるいより精度、効率が高いため好ましく採用される。
結果として、平均粒径が0.5〜5μmである粒子からなり、かつ長軸方向の長さが15μm以上の粒子又は凝集物の含有率が100ppm以下であるようなマット剤が好ましい。更に好ましくは平均粒径が、1.1〜3μmの範囲であり、かつ長軸方向の長さが15μm以上の粒子又は凝集物の含有率が20ppm以下である。この平均粒径は例えば、粒子を走査型電子顕微鏡で撮影することにより求めることができる。マット剤の添加量は0.1〜100mg/m2が好ましい。
光熱変換層にビニルピロリドン共重合体を添加することにより、熱転写材料の感度アップや、印画画像のエッジシャープネスを向上させることができる。
ビニルピロリドン共重合体のこのような機能を有する共重合成分としては、ポリイミド樹脂やポリアミド樹脂と相溶しないものであれば、特に制限はないが、酢酸ビニル、スチレン、オレフィン、アクリル酸及びメタクリル酸が特に好ましい。これら成分は、1種以上がビニルピロリドン共重合体の共重合成分となり得る。ビニルピロリドン共重合体において、共重合成分の割合は、モル比でビニルピロリドン:共重合成分=50以上100未満:0より大で50以下が好ましく、更には60〜90:10〜40が好ましい。
ビニルピロリドン重合体又はビニルピロリドン共重合体の質量平均分子量は、2000〜500000が好ましく、更には10000〜250000が好ましい。
ビニルピロリドン共重合体の好ましい例としては、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/スチレン共重合体、ビニルピロリドン/1−ブテン共重合体、ビニルピロリドン/アクリル酸共重合体等が挙げられる。
本発明ではビニルピロリドン重合体及び/又はビニルピロリドン共重合体を光熱変換層に含有させるが、その含有させる態様は特に制限はなく任意である。光熱変換層において、主バインダーとビニルピロリドン重合体及び/又はビニルピロリドン共重合体との配合比は、主バインダーに対して0.1〜30質量%が好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。
光熱変換層には、更に必要に応じて、界面活性剤、増粘剤、帯電防止剤等が添加されてもよい。
光熱変換層は、光熱変換物質とバインダーとを溶解し、これに必要に応じてマット剤及びその他の成分を添加した塗布液を調製し、これを支持体上に塗布し、乾燥することにより設けることができる。
光熱変換層は、0.03〜1.0μmであるのが好ましく、0.2〜0.7μmであるのがより好ましい。また、光熱変換層は、波長808nmの光に対して、1.0〜2.0の光学濃度を有していると、画像形成層の転写感度が向上するので好ましく、前記波長の光に対して1.3〜1.8の光学濃度を有しているとより好ましい。
吸光度/層厚(μm)の比率は、2.0〜3.5が好ましく、更には2.7〜3.1が好ましい。2.0より低いと転写速度が低くなり、3.5より高いと転写画像の黄着色が大きくなる。
(画像形成層)
画像形成層は、受像材料に転写されて画像を形成するための顔料を少なくとも含有し、更に、層を形成するためのバインダー、光ラジカル発生剤及び所望により、その他の成分を含有する。
顔料としては、前記イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)などのプロセスカラーの顔料を初め、ホワイト(W)、グリーン(G)、オレンジ(O)、レッド(R)、ブルー(B)、ゴールド(Go)、ピンク(P)、その他金属光沢色などの各色の顔料が用いられる。
ホワイトの熱転写材料用のホワイト顔料につい以下に詳述する。このホワイト顔料の粒子径は、0.2〜0.4μmが好ましい。
通常、酸化チタン微粒子は分散性の向上、耐候性の向上を目的として表面処理が行われる。特に耐候性については、酸化チタンは光触媒性を有しているため紫外線を吸収して塗布層を蝕むため、表面処理により酸化チタンの表面を包み光触媒活性を抑えることを目的としている。表面処理の種類としては、目的により以下の中から種類と被覆量を選ぶことができる。無機処理としては、アルミナ処理、シリカ・アルミナ処理、チタニア処理、ジルコニア処理等があり、有機処理としては、多価アルコール処理、アミン処理、シリコン処理、脂肪酸処理等がある。シリカ・アルミナ処理は、高い隠蔽力が得られる点で好ましい。
このホワイト顔料としては、粒子表面にアルミナとシリカが被覆されてなる酸化チタン(以下、本発明用酸化チタンともいう)が好ましい。
本発明用酸化チタンの粒子径は、該被覆された粒子を測定したものであり、TEMによる測定データから、質量平均の粒子径を計算して求める。
該酸化チタンのアルミナとシリカの被覆量は、被覆された酸化チタンに対する割合であり、高隠蔽率を得るために5質量%以上であることが必要であるが、6〜9質量%であることが好ましい。該酸化チタンはより隠蔽率が高いルチル型であることが好ましい。
また、ホワイトの熱転写材料の画像形成層は、その画像形成層をビジュアル(Visual)フィルターで測定した時の透過濃度と画像形成層の層厚(μm単位)の比(透過濃度/層厚)を0.05以上、更に好ましくは0.1以上とすることができる。透過濃度が大きい程、白色が濃い、即ち、被転写物上に形成した画像を通して不要な色が見え難く、熱転写による画像のみを鮮明に見ることができるという隠蔽性が高いことになるが、透過濃度は0.2以上程度が好ましい。
従って、本発明におけるホワイトの熱転写材料の画像形成層厚は、2.0μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることが更に好ましい。本発明では、層厚を比較的薄くできるので隠蔽力及び記録感度を共に確保することができる。
ホワイトの熱転写材料の画像形成層中に含まれるホワイト顔料としては、本発明用酸化チタンと共に、この本発明用酸化チタンの効果を維持する範囲で炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等と併用してもよい。
画像形成層のバインダーとしては、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0085)記載のものが用いられるがこれらに限定されるものではない。
次に、金属光沢色の熱転写材料用の顔料について詳述する。顔料の金属粒子としては、アルミニウム、金、青銅、銅、亜鉛、鉄、銀、鉛、錫、チタン、クロム等が挙げられ、中でもアルミニウム粒子が特に好ましい。
これらの金属粒子の大きさは、その粒径が小さすぎると黒っぽくなって金属光沢が低下し、また金属粒子の厚さが厚いと画像形成層も厚くなり好ましくない。金属粒子の大きさ、形状は、粒子の厚みが0.04〜0.7μm、粒径が2〜30μmであることが好ましく、更には厚みが0.05〜0.1μm、粒径が3〜15μmのものが好ましい。更に、金属粒子は厚さと長さの比が1:2〜1:2000の平板状であることが好ましく、1:20〜1:2000の平板状であることが更に好ましく、1:50〜1:500の平板状であることが特に好ましい。
上記のホワイト顔料や金属粒子を画像形成層に含む熱転写材料は、従来のプロセスカラ−や特色の熱転写材料と合わせて、多色画像の形成に用いられるが、画像形成層に金属粒子とともに、従来のプロセスカラーや特色の顔料を含有させて用いることもできる。
従来のプロセスカラーや特色の顔料については、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0080)記載のものが用いられるがこれらに限定されるものではない。
画像形成層は、以下の(1)〜(4)の成分を前記その他の成分として含有することができる。
(1)ワックス類
ワックス類としては、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0087)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
(2)可塑剤
可塑剤としては、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0090)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
(3)光ラジカル発生剤
光ラジカル発生剤としては、光重合開始等に用いられる公知のものを使用することができるが、300〜500nm、特に300〜450nm、更には300〜400nmに吸収ピークを持つ有機化合物が、そのものの着色が少ないという点で好ましい。具体的には活性ハロゲン化合物、活性エステル化合物、有機過酸化物、ロフィンダイマー、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、アジニウム塩、ボレート塩、ケタール類、芳香族ケトン、ジケトン類、チオール、アゾ化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物等があるが、アシルフォスフィンオキサイド化合物、例えばビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が好ましい。
光ラジカル発生剤の添加量は通常、0.01〜10mmol/m2、好ましくは0.1〜1mmol/m2である。
(4)その他
画像形成層は、更に、上記の成分の他に、界面活性剤、無機あるいは有機微粒子(シリカゲル等)、オイル類(アマニ油、鉱油等)、増粘剤、帯電防止剤等を含有してもよい。
画像形成層は、顔料と前記バインダー等とを溶解又は分散した塗布液を調製し、これを光熱変換層上(光熱変換層上に下記感熱剥離層が設けられている場合は、該層上)に塗布し、乾燥することにより設けることができる。
前記熱転写材料の光熱変換層の上には、光熱変換層で発生した熱の作用により気体を発生するか、付着水等を放出し、これにより光熱変換層と画像形成層との間の接合強度を弱める感熱材料を含む感熱剥離層を設けることができる。そのような感熱材料としては、それ自身が熱により分解若しくは変質して気体を発生する化合物(ポリマー又は低分子化合物)、水分等の易気化性気体を相当量吸収若しくは吸着している化合物(ポリマー又は低分子化合物)等を用いることができる。これらは併用してもよい。
熱により分解若しくは変質して気体を発生するポリマーの例としては、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0097)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
感熱剥離層の感熱材料として低分子化合物を用いる場合には、バインダーと組み合わせることが望ましい。バインダーとしては、上記のそれ自身が熱により分解若しくは変質して気体を発生するポリマーを用いることもできるが、そのような性質を持たない通常のバインダーを使用することもできる。感熱剥離層は、光熱変換層を、そのほぼ全面にわたって被覆していることが望ましく、その厚さは一般に0.03〜1μmであり、0.05〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。
なお、前記熱転写材料には、独立した感熱剥離層を設ける代わりに、前記の感熱材料を光熱変換層塗布液に添加して光熱変換層を形成し、光熱変換層と感熱剥離層とを兼ねるような構成とすることもできる。
次に、前記熱転写材料と組み合わされて使用され得る受像材料について説明する。
[受像材料]
(層構成)
受像材料は、通常、支持体と、その上に、1以上の受像層が設けられ、所望により、支持体と受像層との間にクッション層、剥離層、及び中間層のいずれか1層又は2層以上を設けた構成である。また、支持体の受像層とは反対側の面に、バック層を有すると、搬送性の点で好ましい。
(支持体)
支持体としては、特に制限はなく、プラスチック、金属、ガラス、樹脂コート紙、紙、及び各種複合体等のような通常のシート状の基材等が挙げられる。具体的には特開2002−337468号公報の段落(0102)に記載のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
受像材料の支持体の厚さは、通常10〜400μmであり、25〜200μmであるのが好ましい。また、支持体の表面は、受像層(あるいはクッション層)との密着性、又は熱転写材料の画像形成層との密着性を高めるために、コロナ放電処理、グロー放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
(受像層)
受像材料の表面には、画像形成層を転写し、これを固定するために、支持体上に、受像層を1層以上設けることが好ましい。受像層は具体的には特開2002−337468号公報の段落(0106)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
(その他の層)
支持体と受像層との間に、クッション層を設けてもよい。クッション層を設けると、レーザー熱転写時に画像形成層と、受像層の密着性を向上させ、画質を向上させることができる。また、記録時、熱転写材料と受像材料の間に異物が混入しても、クッション層の変形作用により、受像層と画像形成層の空隙が小さくなり、結果として白ヌケ等の画像欠陥サイズを小さくすることもできる。更に、画像を転写形成した後、これを別に用意した印刷本紙等に転写する場合、紙凹凸表面に応じて受像表面が変形するため、受像層の転写性を向上することができ、また被転写物の光沢を低下させることによって、印刷物との近似性も向上させることができる。
クッション層は、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0112)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
受像層とクッション層はレーザー記録の段階までは接着している必要があるが、画像を印刷本紙に転写するために、剥離可能に設けられていることが好ましい。剥離を容易にするためには、クッション層と受像層の間に剥離層を厚み0.1〜2μm程度で設けることも好ましい。層厚が大きすぎるとクッション層の性能が現われ難くなるため、剥離層の種類により調整することが必要である。
剥離層は具体的には特開2002−337468号公報の段落(0114)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
前記熱転写材料と組み合わされる受像材料は、受像層がクッション層を兼ねた構成であってもよく、その場合は、受像材料は、支持体/クッション性受像層、あるいは支持体/下塗り層/クッション性受像層の構成であってもよい。この場合も、印刷本紙への再転写が可能なようにクッション性受像層が剥離可能に設けられていることが好ましい。この場合、印刷本紙へ再転写後の画像は光沢に優れた画像となる。
なお、クッション性受像層の厚みは5〜100μm、好ましくは10〜40μmである。
また、受像材料には、支持体の受像層が設けられている面とは反対側の面に、バック層を設けると、受像材料の搬送性が良化するので好ましい。前記バック層には、界面活性剤や酸化錫微粒子等による帯電防止剤、酸化珪素、PMMA粒子等によるマット剤を添加すると、記録装置内での搬送性を良化させる点で好ましい。
前記添加剤はバック層のみならず、必要によって受像層その他の層に添加することもできる。添加剤の種類についてはその目的により一概には規定できないが、例えば、マット剤の場合、平均粒径0.5〜10μmの粒子を層中、0.5〜80%程度添加することができる。帯電防止剤としては、層の表面抵抗が23℃、50%RHの条件で1012Ω以下、より好ましくは109Ω以下となるように、各種界面活性剤、導電剤の中から適宜選択して用いることができる。
バック層には具体的には特開2002−337468号公報の段落(0119)に記載のものが用いられるがこれらに限定されるものではない。
前記熱転写材料と前記受像材料は、熱転写材料の画像形成層と受像材料の受像層とを重ね合わせた積層体として、画像形成に利用される。
熱転写材料と受像材料との積層体は、各種の方法によって形成することができる。例えば、熱転写材料の画像形成層と受像材料の受像層とを重ねて、加圧加熱ローラに通すことによって容易に得ることができる。この場合の加熱温度は160℃以下、もしくは130℃以下が好ましい。また、積層体を得る別の方法として、前述した真空密着法も好適に用いられる。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、文中で特に断りのない限り「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
−熱転写シートK(ブラック)の作製−
[バック層の形成]
[バック第1層塗布液組成]
・アクリル樹脂の水分散液 2部
(ジュリマーET410、固形分20質量%、日本純薬(株)製)
・帯電防止剤(酸化スズ−酸化アンチモンの水分散物) 7.0部
(平均粒径:0.1μm、17質量%)
・ポリオキシエチレンフェニルエーテル 0.1部
・メラミン化合物 0.3部
(スミチックスレジンM−3、住友化学工業(株)製)
・蒸留水 90.6部
[バック第1層の形成]
厚さ75μの2軸延伸したポリエチレンテレフタレート支持体(両面の表面粗さRaは0.01μm)の一方の面(裏面)にコロナ処理を施し、上記組成のバック第1層塗布液を乾燥層厚みが0.03μmになるよう塗布した後、180℃で30秒間乾燥して、バック第1層を形成した。
[バック第2層塗布液組成]
・ポリオレフィン 3.0部
(ケミパールS−120、27質量%、三井石油化学(株)製)
・帯電防止剤(酸化スズ−酸化アンチモンの水分散物) 2.0部
(平均粒径:0.1μm、17質量%)
・コロイダルシリカ 2.0部
(スノーテックスC、20質量%、日産化学(株)製)
・エポキシ化合物 0.3部
(ディナコールEX−614B、ナガセ化成(株)製)
・蒸留水 92.7部
[バック第2層の形成]
バック第1層の上に上記組成のバック第2層塗布液を乾燥層厚が0.03μmになるよう塗布した後170℃で30秒間乾燥して、バック第2層を形成した。
<光熱変換層の形成>
[光熱変換層用塗布液の調製]
下記の各成分をスターラーで攪拌しながら混合して、光熱変換層用塗布液を調製した。
[光熱変換層用塗布液組成]
・下記構造の赤外線吸収色素 0.5部
Figure 2005319714
・ポリアミドイミド樹脂(15%N−メチルピロリドン溶液) 9部
(「バイロマックスHR−11N」、東洋紡(株)製)
・1.5μシリコーン粒子 0.06部
(「トスパール120」、東芝シリコーン(株)製)
・N−メチルピロリドン 51部
・メチルエチルケトン 34部
・メタノ−ル 5部
・フッ素系界面活性剤(30%メチルエチルケトン溶液) 0.01部
(「メガファックF−780F」、大日本インキ化学工業社製)
[支持体表面への光熱変換層の形成]
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)の一方の表面上に、上記光熱変換層用塗布液をワイヤーバーを用いて塗布した後、塗布物を120℃のオーブン中で2分間乾燥して、該支持体上に光熱変換層を形成した。得られた光熱変換層の波長808nmにおける光学濃度を(株)島津製作所社製UV−分光光度計UV−240で測定したところ、OD=1.03であった。層厚は、走査型電子顕微鏡により光熱変換層の断面を観察したところ、平均で0.3μmであった。
[画像形成層の形成]
[ブラック画像形成層用塗布液の調製]
下記の各成分を、ニーダーのミルに入れ、少量の溶剤を添加しつつ剪断力を加え、分散前処理を行った。その分散物に、更に溶剤を加えて、最終的に下記組成となるように調製し、サンドミル分散を2時間行い、顔料分散母液を得た。
[ブラック顔料分散母液組成]
組成1
・ポリビニルブチラール 12.6部
(「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製)
・ピグメントブラック7 4.5部
(「三菱カーボンブラック #5」、三菱化学(株)製、PVC黒度:1)
・分散助剤 0.8部
(「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製)
・n−プロピルアルコール 79.4部
[ブラック顔料分散母液組成]
組成2
・ポリビニルブチラール 12.6部
(「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製)
・ピグメントブラック7 10.5部
(「三菱カーボンブラック MA100」、三菱化学(株)製、PVC黒度:10)
・分散助剤 0.8部
(「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製)
・n−プロピルアルコール 79.4部
次に、下記の成分をスターラーで攪拌しながら混合して、ブラック画像形成層用塗布液を調製した。
[ブラック画像形成層用塗布液組成]
・上記ブラック顔料分散母液 185.7部
組成1:組成2=70:30(部)
・ポリビニルブチラール 11.9部
(「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製)
・ワックス系化合物
(ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.7部
(ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.7部
(ラウリル酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.7部
(パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 1.7部
(エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」、日本化成(株)製) 1.7部
(オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.7部
・ロジン 11.4部
(「KE−311」、荒川化学(株)製)
・フッ素系界面活性剤(30%メチルエチルケトン溶液) 2.1部
(「メガファックF−780F」、大日本インキ化学工業社製)
・コロイダルシリカ(30%メチルエチルケトン分散液) 7.1部
(「MEK−ST」、日産化学(株)社製)
・n−プロピルアルコール 1050部
・メチルエチルケトン 295部
[光熱変換層表面へのブラック画像形成層の形成]
前記光熱変換層の表面に、上記ブラック画像形成層用塗布液をワイヤーバーを用いて1分間塗布した後、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、光熱変換層の上にブラック画像形成層を形成した。得られた熱転写シートの画像形成層の層厚は、0.60μmであった。
以上の工程により、支持体上に、光熱変換層及びブラック画像形成層が、この順で設けられた熱転写シート(以下、熱転写シートKと記す。同様に、イエロー画像形成層画像形成層が設けられたものを熱転写シートY、マゼンタ画像形成層が設けられたものを熱転写シートM、シアン画像形成層が設けられたものを熱転写シートC、ホワイト画像形成層が設けられたものを熱転写シートW、金属光沢画像形成層が設けられたものを熱転写シートSと記す)を作製した。
−熱転写シートYの作製−
前記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成層用塗布液の替わりに、下記組成のイエロー画像形成層用塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様にして、熱転写シートYを作製した。得られた熱転写シートYの画像形成層の層厚は、0.42μmであった。
[イエロー顔料分散母液組成]
イエロー顔料組成1:
・ポリビニルブチラール 7.1部
(「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製)
・ピグメントイエロー180 12.9部
(「ノボパームイエローP−HG」、クラリアントジャパン(株)製)
・分散助剤 0.6部
(「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製)
・n−プロピルアルコール 79.4部
[イエロー顔料分散母液組成]
イエロー顔料組成2:
・ポリビニルブチラール 7.1部
(「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製)
・ピグメントイエロー139) 12.9部
(「ノボパームイエローM2R 70」、クラリアントジャパン(株)製)
・分散助剤 0.6部
(「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製)
・n−プロピルアルコール 79.4部
[イエロー画像形成層用塗布液組成]
・上記イエロー顔料分散母液 126部
イエロー顔料組成1:イエロー顔料組成2=95:5(部)
・ポリビニルブチラール 4.6部
(「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製)
・ワックス系化合物
(ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 0.7部
(べヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 0.7部
(ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 0.7部
(パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 0.7部
(エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」、日本化成(株)製) 0.7部
(オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)0.7部
・ノニオン系界面活性剤 0.4部
(「ケミスタット1100」、三洋化成(株)製)
・ロジン 2.4部
(「KE−311」、荒川化学(株)製)
・フッ素系界面活性剤(30%メチルエチルケトン溶液) 0.8部
(「メガファックF−780F」、大日本インキ化学工業社製)
・n−プロピルアルコール 793部
・メチルエチルケトン 198部
−熱転写シートMの作製−
前記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成層用塗布液の替わりに、下記組成のマゼンタ画像形成層用塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様にして、熱転写シートMを作製した。得られた熱転写シートMの画像形成層の層厚は、0.38μmであった。
[マゼンダ顔料分散母液組成]
マゼンタ顔料組成1;
・ポリビニルブチラール 12.6部
(「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製)
・ピグメントレッド57:1 15.0部
(「シムラーブリリアントカーミン6B−229」、大日本インキ化学工業(株)製)
・分散助剤 0.6部
(「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製)
・n−プロピルアルコール 80.4部
[マゼンダ顔料分散母液組成]
マゼンタ顔料組成2;
・ポリビニルブチラール 12.6部
(「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製)
・ピグメントレッド57:1 15.0部
(「リオノールレッド6B−4290G」、東洋インキ製造(株)製)
・分散助剤 0.6部
(「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製)
・n−プロピルアルコール 79.4部
[マゼンタ画像形成層用塗布液組成]
・上記マゼンタ顔料分散母液 163部
マゼンタ顔料組成1:マゼンタ顔料組成2=95:5(部)
・ポリビニルブチラール 4.0部
(「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製)
・ワックス系化合物
(ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.0部
(ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.0部
(ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.0部
(パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 1.0部
(エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」、日本化成(株)製) 1.0部
(オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.0部
・ノニオン系界面活性剤 0.7部
(「ケミスタット1100」、三洋化成(株)製)
・ロジン 4.6部
(「KE−311」、荒川化学(株)製)
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 2.5部
(「NKエステル A−TMMT」、新中村化学(株)製)
・フッ素系界面活性剤(30%メチルエチルケトン溶液) 1.3部
(「メガファックF−780F」大日本インキ化学工業社製)
・n−プロピルアルコール 848部
・メチルエチルケトン 246部
−熱転写シートCの作製−
前記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成層用塗布液の替わりに、下記組成のシアン画像形成層用塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様にして、熱転写シートCを作製した。得られた熱転写シートCの画像形成層の層厚は、0.45μmであった。
[シアン顔料分散母液組成]
シアン顔料組成1:
・ポリビニルブチラール 12.6部
(「エスレックB BL‐SH」、積水化学工業(株)製)
・ピグメントブルー15:4) 15.0部
(「シアニンブルー700−10FG」、東洋インキ製造(株)製)
・分散助剤 0.8部
(「PW−36」、楠本化成(株)製)
・n−プロピルアルコール 110部
[シアン顔料分散母液組成]
シアン顔料組成2:
・ポリビニルブチラール 12.6部
(「エスレックB BL‐SH」、積水化学工業(株)製)
・ピグメントブルー15 5.0部
(「リオノールブルー7027」、東洋インキ製造(株)製)
・分散助剤 0.8部
(「PW−36」、楠本化成(株)製)
・n−プロピルアルコール 110部
[シアン画像形成層用塗布液組成]
・上記シアン顔料分散母液 118部
シアン顔料組成1:シアン顔料組成2=90:10(部)
・ポリビニルブチラール 5.2部
(「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製)
・無機顔料「MEK−ST」 1.3部
・ワックス系化合物
(ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.0部
(ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.0部
(ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.0部
(パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 1.0部
(エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」(日本化成(株)製) 1.0部
(オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.0部
・ロジン 2.8部
(「KE−311」、荒川化学(株)製)
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 1.7部
(「NKエステル A−TMMT」、新中村化学(株)製)
・フッ素系界面活性剤(30%メチルエチルケトン溶液) 1.7部
(「メガファックF−780F」、大日本インキ化学工業社製)
・n−プロピルアルコール 890部
・メチルエチルケトン 247部
−熱転写シートWの作製−
前記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成層用塗布液の替わりに、下記組成のホワイト画像形成層用塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様にして、熱転写シートWを作製した。得られた熱転写シートWの画像形成層の層厚は、1.5μmであった。
[ホワイト顔料分散母液組成]
・ポリビニルブチラール 6.3部
(「エスレックB BL‐SH」、積水化学工業(株)製)
・二酸化チタン粒子 28.0部
(「JR805」、テイカ(株)製)
・分散助剤 1.5部
(「ソルスパ−ス20000」、ICI(株)製)
・n−プロピルアルコール 65部
[ホワイト画像形成層用塗布液組成]
・上記ホワイト顔料分散母液 26部
・ワックス系化合物
(ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 0.1部
(ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 0.1部
(ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 0.1部
(パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 0.1部
(エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」(日本化成(株)製) 0.1部
(オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)0.1部
・ロジン 1.7部
(「KE−311」、荒川化学(株)製)
・フッ素系界面活性剤(30%メチルエチルケトン溶液) 0.3部
(「メガファックF−780F」、大日本インキ化学工業社製)
・蛍光増白剤 ベンゾオキサゾール誘導体 0.03部
(「Uvitex-OB」チバガイギ−社製)
・n−プロピルアルコール 54部
・メチルエチルケトン 17部
−熱転写シ−トSの作製−
前記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成層用塗布液の替わりに、下記組成の金属光沢画像形成層用塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様にして、熱転写シートSを作製した。得られた熱転写シートSの画像形成層の層厚は、1.0μmであった。
[金属光沢画像形成層用塗布液組成]
・ポリビニルブチラール 3.2部
(「エスレックB BL‐SH」、積水化学工業(株)製)
・アルミペ−スト(60%) 4.2部
(「AM1501」、旭化成(株)製)
・脂肪酸アミド(20%溶液) 4.1部
(「PFA230」、楠木化成(株)製)
・ワックス系化合物
(ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 0.2部
(ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 0.2部
(ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 0.2部
(パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 0.2部
(エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」(日本化成(株)製) 0.2部
(オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)0.2部
・ロジンエステル 0.7部
(「KE−311」、荒川化学(株)製)
・フッ素系界面活性剤(30%メチルエチルケトン溶液) 0.3部
(「メガファックF−780F」、大日本インキ化学工業社製)
・n−プロピルアルコール 67部
・メチルエチルケトン 20部
−受像シートの作製−
下記の組成のクッション層用塗布液及び受像層用塗布液を調製した。
[クッション層用塗布液]
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
(「MPR−TSL」、日信化学(株)製)
・ポリエステル可塑剤 10部
(「パラプレックスG−40」、CP.HALL.COMPANY社製)
・フッ素系界面活性剤 0.5部
(「メガファックF−177」、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 60部
・トルエン 10部
・N,N−ジメチルホルムアミド 3部
[受像層用塗布液]
・ポリビニルブチラール 5.8部
(「エスレックB BL−1」、積水化学工業(株)製)
・スチレンマレイン酸共重合体ハ−フエステル 3.1部
(「オキシラックSH128」、日本触媒化学工業(株)製)
・帯電防止剤 0.16部
(「ケミスタット3033」、三洋化成工業(株)製)
・フッ素系界面活性剤(30%メチルエチルケトン溶液) 0.08部
(「メガファックF−780F」、大日本インキ化学工業(株)製)
・n−プロピルアルコール 13部
・メタノール 46部
・1−メトキシ−2−プロパノール 31部
小幅塗布機を用いて、白色PET支持体(「ルミラー#130E58」、東レ(株)製、厚み130μm)上に、上記のクッション層形成用塗布液を塗布し、塗布層を乾燥し、次に受像層用塗布液を塗布し、乾燥した。乾燥後のクッション層の層厚が約16μm、受像層の層厚が約3μmとなるように塗布量を調節した。白色PET支持体はボイド含有ポリエチレンテレフタレート層(厚み:116μm、空隙率:20%)とその両面に設けた酸化チタン含有ポリエチレンテレフタレート層(厚み:7μm、酸化チタン含有量:2%)との積層体(総厚み:130μm、比重:0.8)からなるボイド含有プラスチック支持体である。
−転写画像の形成−
記録装置としてLuxelFINALPROOF5600を用い、以下のようにして受像シート上に転写画像を得た。なお、画像サイズは515mm×728mm、画像解像度は2600dpiである。
直径1mmの真空セクション孔(3cm×8cmのエリアに1個の面密度)が開けられている直径38cmの回転ドラムに、上記で作製した受像材料(56cm×79cm)を巻き付け、真空吸着させた。次いで、61cm×84cmに切断した前記熱転写材料Kを前記受像材料から均等にはみ出すように重ね、スクイーズローラーでスクイーズさせつつ、セクション孔に空気が吸引されるように密着、積層させた。セクション孔が塞がれた状態での減圧度は、1気圧に対して−150mmHg(≒81.13kPa)であった。前記ドラムを回転させ、ドラム上での積層体の表面に、外側から波長808nmの半導体レーザー光を、光熱変換層の表面で7μmのスポットになるように集光し、回転ドラムの回転方向(主走査方向)に対して、直角方向に移動させながら(副走査)、積層体へレーザーにより画像の記録を行った。レーザー照射条件は、以下の通りである。また、本実施例で使用したレーザービームは、主走査方向に5列、副走査方向に3列の平行四辺形からなるマルチビーム2次元配列からなるレーザービームを使用した。
レーザーパワー 110mW
ドラム回転数 380rpm
副走査ピッチ 6.35μm
環境温湿度 23℃50RH%
露光ドラムの直径は360mm以上が好ましく、具体的には380mmのものを用いた。
前記熱転写シートKを用いたレーザー記録が終了した積層体を、ドラムから取り外し、熱転写シートKを受像シートから手で引き剥がしたところ、熱転写シートKの画像形成層の光照射領域のみが、熱転写シートKから受像シートに転写されているのが確認された。
上記と同様にして順番に、前記熱転写シートC、熱転写シートM、熱転写シートY及び熱転写シートWの各熱転写シートから、受像シート上に5色の画像を転写した。
−易接着層付き透明支持体(最終被転写媒体)への画像および受像層の再転写−
易接着層付きの厚み50μmの透明支持体(ユニチカ社製「YL−A」、ベース;透明PETフィルム)と、前記画像記録された受像シートを重ね、さらにその両側をカバーシートで挟み、さらに下側に厚み1mmのアルミ板を重ね、富士フィルム社製ラミネーター「FL760Tエクストラ」で処理し(加熱温度125℃、加圧圧力4.5N/cm)、受像シートのクッション層/受像層間で剥離し、易接着層付き透明支持体上に画像及び受像層を再転写した(図3)。
ここで用いたカバーシートは、東洋メタライジング社製「セラピール#100S−2」であり、カバーシートと受像シート裏面(上記白色PET支持体)との静摩擦係数は0.27であり、カバーシートと上記透明支持体裏面(「YL−A」)との静摩擦係数は0.38であった。
上記のようにして、白色を含む高画質のカラー画像を形成することができた。ラミネート時の搬送不良やシワ発生もなかった。
(実施例2)
実施例1において、カバーシートとして、厚み200μmのポリエチレンテレフタレート上に、下記組成の液を塗布、乾燥し、0.1μmの厚みの層を設けたものを用いた。カバーシートと受像シート裏面(上記白色PET支持体)との静摩擦係数は0.40であり、カバーシートと上記透明支持体裏面(「YL−A」)との静摩擦係数は0.45であった。
(塗布層組成)
・ポリオレフィン 3質量部
(「ケミパールS−120」、27質量%、三井石油化学製)
・コロイダルシリカ 2質量部
(「スノーテックスC」、20質量%、日産化学製)
・エポキシ化合物 0.3質量部
(「ディナコールEX−614B」、ナガセ化成(株)製)
・水 94.7質量部
(実施例3)
実施例1において、カバーシートとして、厚み200μmのポリエチレンテレフタレート上に、下記組成の液を塗布、乾燥し、1μmの厚みの層を設けたものを用いた。カバーシートと受像シート裏面(上記白色PET支持体)との静摩擦係数は0.34であり、カバーシートと上記透明支持体裏面(「YL−A」)との静摩擦係数は0.41であった。
(塗布層組成)
・ポリオレフィン 3質量部
(「ケミパールS−120」、固形分濃度:27質量%、三井石油化学製)
・コロイダルシリカ 2質量部
(「スノーテックスC」、固形分濃度:20質量%、日産化学製)
・エポキシ化合物 0.3質量部
(「ディナコールEX−614B」、ナガセ化成(株)製)
・平均粒径1.5μmのPMMA粒子 0.02質量部
(綜研化学社製、「MX150」)
・水 94.7質量部
(比較例1)
実施例1において、下側(アルミ板側)のカバーシートを用いなかった。アルミ板と上記透明支持体裏面(「YL−A」)との静摩擦係数は0.58である。
(比較例2)
実施例1において、下側のカバーシートを表面処理されていない200μmのポリエチレンテレフタレートとした。このカバーシートと上記透明支持体裏面(「YL−A」)との静摩擦係数は0.75であった。
(比較例3)
実施例1において、上側のカバーシートを表面処理されていない200μmのポリエチレンテレフタレートとした。このカバーシートと受像シート裏面(上記白色PET支持体)との静摩擦係数は0.61であった。
−評価方法と評価結果−
上記の各実施例及び比較例に対して、下記の評価を行い、その結果を表1に示した。
1.シワの発生
目視で画像を確認し、評価した。
○:問題なし。
△:表面に光沢ムラが見える。画像には変化なし。
×:画像がゆがんでいるところがある。
Figure 2005319714
本発明の実施形態の例を示す概略図である。 レーザーを用いた薄膜熱転写による画像形成の機構を示す概略図である。 実施例で行った本発明の転写方法を示す模式図である。
符号の説明
1 アルミガイド板
2 カバーシート
2' カバーシート
3 透明支持体
4 易接着層
5 離型紙
6 易接着層付き離型紙
7 易接着層を有する透明支持体
8 画像が転写された透明支持体
9 ヒートローラー
9' ヒートローラー
10 熱転写材料
12 支持体
14 光熱変換層
16 画像形成層
16´ レーザー光被照射領域
20 画像形成材料
22 画像形成用支持体
23 クッション層
24 受像層
25 画像(画像記録層)

Claims (7)

  1. 転写させる転写層を有する転写体と被転写体とを積層させた積層体を一対のカバーシートで挟持して加熱加圧することにより、前記転写層を前記被転写体上に転写させる転写工程を有し、前記積層体表面と前記カバーシートとの静摩擦係数が0.5以下であることを特徴とする転写方法。
  2. 前記カバーシートがプラスチックシートであることを特徴とする請求項1に記載の転写方法。
  3. 前記転写工程において、前記積層体を前記カバーシートを介して金属板上に載置して加熱加圧することを特徴とする請求項1または2に記載の転写方法。
  4. 前記転写体が、支持体上に予め転写により前記転写層を形成した中間転写媒体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の転写方法。
  5. 前記転写層がカラー画像を記録した画像記録層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転写方法。
  6. 前記画像記録層が熱転写記録により形成された層であることを特徴とする請求項5に記載の転写方法。
  7. 前記被転写体が透明支持体を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の転写方法。
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