JP2006069160A - 画像形成方法 - Google Patents

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JP2006069160A JP2004258574A JP2004258574A JP2006069160A JP 2006069160 A JP2006069160 A JP 2006069160A JP 2004258574 A JP2004258574 A JP 2004258574A JP 2004258574 A JP2004258574 A JP 2004258574A JP 2006069160 A JP2006069160 A JP 2006069160A
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彰宏 下村
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Abstract

【課題】隠蔽力が高く、かつ記録感度の高いホワイト画像を含む画像形成方法を提供すると共に透明な最終転写媒体上にも、密着強度が高く、光沢感のある高品位・高画質なクリアな画像を形成でき、非画像部では高い透明性を有する画像形成方法を提供すること。
【解決手段】 粒子表面にアルミナとシリカを有する酸化チタンを含む画像が受像層上に記録された受像材料を最終転写媒体と対面させて、前記画像と受像層を最終転写媒体上に転写する工程、次いで転写された画像と受像層を熱処理する工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、印刷分野におけるカラープルーフ(DDCP:ダイレクト・ディジタル・カラープルーフ)に用い得る画像を形成する画像形成方法に関する。特に、透明な最終転写媒体上に、密着強度が高く、高画質な画像を形成でき、非画像部では高い透明性を有する画像形成方法に関する。
グラフィックアート分野では、一般に、本印刷(実際の印刷作業)の前に色分解工程での誤りや色補正の必要性等をチェックするために、色分解フィルムからカラープルーフを作製している。最近の印刷前工程(プリプレス分野)における電子化システムの普及に伴い、デジタル信号から直接カラープルーフを作製する記録システムが開発され、このような電子化システムにより、一般的には150線/インチ以上の網点画像が再現され、高画質のカラープルーフの作製が実現している。一般に、デジタル信号から高画質のプルーフを記録するために、デジタル信号により変調可能で、かつ記録光を細く絞り込むことが可能なレーザー光を記録ヘッドとして用いている。
レーザー光を利用した熱転写方式による画像形成は、高解像度の印画が可能であり、従来から、支持体上に、レーザー光を吸収して熱を発生する光熱変換物質を含む光熱変換層、色材を含む画像形成層、その他必要に応じて熱剥離層などを設けた熱転写材料を用いた、レーザー溶融方式(例えば、特許文献1参照)、レーザーアブレーション方式(例えば、特許文献2参照)等の記録システムが知られている。さらに最近になって、網点の輪郭をクリアにし、転写画像の高解像度化、高画質化を達成する手段としてレーザー薄膜転写方式が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、印刷分野においては、白い紙の上へのカラー印刷とは別に、透明な支持体への印刷が行われることがあり、これは主にパッケージ用途のためである。
このとき、被転写物の下地を隠すため、又は透明な被転写物の反対側が透けて見えることを防止すために被転写物上にホワイト下地を一度転写し、その上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色を用いる、いわゆる、プロセスカラーを転写するニーズがあり、DDCPにおいてもこれらの用途に対応したホワイトの熱転写材料が必要とされるようになってきた。
尚、特許文献4には、パッケージ用途等の記載はないが、DDCPにホワイト等の特色の熱転写材料を用いることが提案されている。
しかし、ホワイトの熱転写材料では上述のような高い隠蔽力を得るために画像形成層の層厚を厚くしてゆくと、感度が低くなり、より高いエネルギーを与えなければ記録できなくなり生産性や記録機の種類の点で問題が発生していた。
また、プラスチックフィルムなどの透明フィルムへの印刷では、非画像部では高い透明性を維持し、画像部では光沢感のある高品位・高画質なクリアな画像が求められる。しかし、一般に、透明フィルムは、いわゆる紙と比べ表面凹凸が少なく画像の密着性が悪いため、透明な最終転写媒体上にも、密着強度が高く、光沢感のある高品位・高画質なクリアな画像を形成でき、非画像部では高い透明性を有する方法が望まれている。
特開平5−58045号公報 特開平6−219052号公報 特開2002−274051号公報 特開2002−86938号公報
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、隠蔽力が高く、かつ記録感度の高いホワイト画像を含む画像形成方法を提供することにある。また、本発明は、透明な最終転写媒体上にも、密着強度が高く、光沢感のある高品位・高画質なクリアな画像を形成でき、非画像部では高い透明性を有する画像形成方法を提供することを目的とする。
即ち、前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1)粒子表面にアルミナとシリカを有する酸化チタンを含む画像が受像層上に記録された受像材料を最終転写媒体と対面させて、前記画像と受像層を最終転写媒体上に転写する工程、次いで転写された画像と受像層を熱処理する工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
2)前記熱処理前後で光沢度が、20〜100増加することを特徴とする上記1)記載の画像形成方法。
3)前記熱処理時に、表面粗さRaが0.001〜0.2μmの面を受像層と接触させることを特徴とする上記1)または2)記載の画像形成方法。
4)前記熱処理は、80〜150℃にて、10〜50N/cmで加圧することを特徴とする上記1)〜3)の何れかに記載の画像形成方法。
5)前記最終転写媒体のベック平滑度が50秒以上であることを特徴とする上記1)〜4)の何れかに記載の画像形成方法。
6)前記最終転写媒体は透明支持体であることを特徴とする上記1)〜5)の何れかに記載の画像形成方法。
本発明は、特定の表面処理が施された酸化チタンを用いることにより、その記録感度及び隠蔽力を確保し、効果的にパッケージ等のプラスチックフィルムへホワイト地多色画像を作製することができる。また、本発明によれば、最終転写媒体上に転写された画像は最終転写媒体と良好な密着性を有し、光沢感があり、高鮮明な画像が得られ、最終転写媒体の非画像部の表面も平滑化されて、その透明性も向上する。また、本発明の画像形成方法は、高感度であるため高速レーザー記録が可能である。
本発明の画像形成方法は、粒子表面にアルミナとシリカを有する酸化チタン、好ましくはアルミナとシリカが被覆されてなる酸化チタン(以下、「本発明用酸化チタン」ともいう)を含む画像が受像層上に記録された受像材料を最終転写媒体と対面させて、前記画像と受像層を最終転写媒体上に転写する工程、次いで転写された画像と受像層を熱処理する工程とを有することを特徴とする。なお、転写された画像と受像層を含めて転写画像ともいう。
本発明では、受像層上に記録された画像に上記特定の表面処理が施された酸化チタンを含むためより薄層で白色の良好な隠蔽力が確保されるので記録感度を高めることができ、かつ最終転写媒体に転写された転写画像に熱処理を施すことにより該転写画像は最終転写媒体との良好な密着性を有し、かつ光沢を有する高画質な画像となる。
また、本発明用酸化チタンは、後述の熱転写材料における画像形成層において、分散性の向上、並びに光触媒活性を抑えることによる耐候性の向上を図ることができる。
本発明は、上記熱処理前後で光沢度が、20〜100増加(更に好ましくは、30〜80増加、特に好ましくは、40〜70増加)することが好ましい。ここで、光沢度とは、サンプル面からの受光角度が60度での光沢度を意味する。光沢度の増加は以下の式で表される。
光沢度の増加=熱処理後の光沢度−熱処理前の光沢度
この様に、本発明の特徴は、熱処理前後で画像の光沢性を上げることが出来る点にあるが、この場合、光沢度の増加が20より小さいと本発明の効果が小さいことになり好ましくない。しかし、光沢度の増加は大きい方がよいといっても100より大きくすると、保存時の光沢度変動が大きくなる傾向がでるので、あまり大きくなるのも好ましくない。
本発明において、熱処理時に表面粗さRaが0.001〜0.2μm(更に好ましくは0.005〜0.1μm、特に好ましくは0.01〜0.05μm)の面を受像層と接触させて処理するのが好ましい。表面粗さRaが0.001より小さな面は簡単に作ることが困難で実用上あまり意味がなく、逆にRaが0.2μmより大きな面では剥離後の面のエンボス化が大きくなりすぎ、光沢調整の効果が小さくなる傾向があり、あまり好ましくない。
上記表面粗さRaが特定の面は、特に制限されず、金属ロール、プラスチックフィルム等の面が挙げられるが、後で詳述されるカバーシートの面が好ましい。
本願明細書において、表面粗さRaは、(表面粗さ測定機(Surfcom,東京精機(株)製)等を用いてJIS B0601に基づき測定されるものである。
更に、熱処理は80〜150℃にて、10〜50N/cmで加圧すること(更に好ましくは、90〜140℃、10〜40N/cm、特に好ましくは110〜130℃、15〜30N/cm)が好ましい。
上記加圧を伴う熱処理は、後述されるようにカバーシート、ガイド板並びにヒートローラを用いる態様が好ましい。カバーシート、ガイド板並びにヒートローラの表面粗さRaは、カバーシートのRa程度以下が好ましい。
本発明の最終転写媒体は、少なくとも転写画像が担持される側、好ましくは両側のベック平滑度が50秒以上(更に好ましくは100秒以上、特に好ましくは300秒以上)であることが好ましい。このベック平滑度は、JIS P 8119:1998で規定される値を意味し、グロー放電処理、コロナ放電処理等の表面平滑化処理が施されたり、易接着層を設けた場合は、その表面平滑化処理が施されたり、易接着層が設けられた最終転写媒体のベック平滑度を意味する。
ベック平滑度が50秒より小さいと光沢度の増加が小さくなり、熱処理による光沢度増加のためには、平滑な最終転写媒体を用いることが有効である。その意味から最終転写媒体のベック平滑度は高い程好ましい。
最終転写媒体は、透明支持体であることが好ましく、透明フィルムであることが更に好ましい。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の画像形成方法では、最終転写媒体と、受像層上に本発明用酸化チタンを含む画像が記録された受像材料とを対面させて、画像を受像層と共に最終転写媒体上に転写する。最終転写媒体上では受像層が画像を覆い保護する。
また、最終転写媒体に易接着層を予め設けることができ、画像を易接着層上に転写することにより、画像および受像層と最終転写媒体との密着強度が更に上がり、折り曲げたときや引掻いたときに画像が剥がれてしまうことを防ぐことができる。
最終転写媒体としては、転写画像を担持し得るものであれば特に制限はなく、種々の、紙、金属、プラスチックフィルム等が挙げられ、好ましくは透明支持体を用いることができ、例えば、塩化ビニル系樹脂シート、ABS樹脂シート、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、シンジオタクチックポリスチレン、延伸ナイロンフィルム、ポリアセテートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム等の単層、あるいはそれらを2層以上積層した各種プラスチックフィルムまたはシートが挙げられる。
これらの最終転写媒体の厚さは、25〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。
最終転写媒体は、異物付着などの欠陥を防止するために、帯電防止処理されていることが好ましい。帯電防止処理の方法としては、金属酸化物などの導電性微粒子を含有させたフィルムの成型及びフィルムに帯電防止層を設ける方法などがある。帯電防止剤としては、公知のものが使用可能である。
最終転写媒体上(ただし、易接着層を包含し、易接着層を設けた場合は、易接着層上)への本発明用酸化チタンを含む画像及び受像層の転写は、最終転写媒体と受像材料とを重ねて加熱加圧することにより行うことが好ましい。加熱加圧には通常の熱転写装置を使用することができる。例えば、最終転写媒体と受像材料とを重ねた積層体を一対のヒートローラーの間を通すことにより加熱加圧し、受像材料の受像層と画像が最終転写媒体を接着させ、その後、受像材料を引き剥がすことにより、画像を受像層とともに最終転写媒体上に転写することができる。この際、積層体の上下をカバーシートで覆い、アルミ板などのガイド板に載せてヒートローラーの間を通すことが好ましい。ガイド板やカバーシートを用いることで、シワ等の発生や寸法変化を抑え、転写を良好に行うことができる。
加熱温度は90〜160℃が好ましく、110〜140℃がより好ましい。加圧圧力は1〜100N/cmが好ましく、2〜10N/cmがより好ましい。
本発明の画像形成方法では、最終転写媒体上に画像と受像層を転写後、転写された画像と受像層を熱処理する。
この熱処理により、最終転写媒体の表面凹凸(表面は受像材料の受像層由来)を平滑化することができる。これにより、最終転写媒体の非画像部となる画像が転写されていない露出部分の透明性を向上させることができる。また、画像部も平滑化されるので、光沢を有する高画質な画像を得ることができる。
この熱処理により、転写画像を有する最終転写媒体表面の処理後の光沢度が、画像部、非画像部とも処理前に比べて20〜100増加することができる。
熱処理は、最終転写媒体に担持された転写画像の受像層にカバーシートを重ねて加熱加圧することにより行うことが好ましい。加熱加圧は通常の熱転写装置を利用して行うことができ、具体的には、受像層表面にカバーシートを重ねた最終転写媒体を一対のヒートローラーの間を通すことにより加熱加圧する。この際、アルミ板などのガイド板にカバーシート、最終転写媒体の順に載せてヒートローラーの間を通すことが好ましい。ガイド板やカバーシートを用いることで、シワ等の発生や寸法変化を抑え、転写を良好に行うことができる。
熱処理に用いるカバーシートは、その表面の受像層表面に対する静摩擦係数が、0.5以下であることが好ましく、0.1以上0.3以下であることがより好ましい。静摩擦係数が上記範囲にあると、最終転写媒体とカバーシートとを滑らかに接触させることができ、熱処理時にシワが生じるのを抑え、光沢ムラや変形のない高画質な画像や非画像部での良好な透明性を得ることができるので好ましい。
また、カバーシートの表面粗さRaは0.001〜0.2μmが好ましく、またRzで0.1〜3.0μmが好ましく、0.3〜1.0μmがより好ましい。カバーシートの凹凸が転写画像の受像層表面の凹凸制御に強く反映されるので、高画質な画像や非画像部での良好な透明性を得る上で、Ra、Rzを上記範囲とすることが好ましい。
カバーシートとしては、例えば、表面離型処理フィルムである東洋メタライジング社製「セラピール#100S」が挙げられる。
なお、後述の易接着層転写時や画像転写時に用いるカバーシートも、熱処理時に用いるカバーシートと同様なものを用いることができる。
最終転写媒体に設けることができる易接着層は、易接着層付き離型紙(離型紙上に易接着層を有するもの)から該易接着層を最終転写媒体上に転写して形成することが好ましい。この易接着層の形成は、画像形成の直前に行うことが好ましい。画像形成の直前に転写により形成することで、易接着層付きの状態で最終転写媒体を保存する必要がなく、ブロッキングの発生等の問題を避けることができる。
易接着層付き離型紙から最終転写媒体上への易接着層の転写は、易接着層付き離型紙と最終転写媒体とを重ねて加熱加圧することにより行うことができる。加熱加圧には通常の熱転写装置を用いることができ、例えば、易接着層付き離型紙と最終転写媒体とを重ねた積層体を一対のヒートローラーの間を通すことにより加熱加圧して、易接着層を最終転写媒体上に転写することができる。この際、積層体の上下をカバーシートで覆い、アルミ板などのガイド板に載せてヒートローラーの間を通すことが好ましい。ガイド板やカバーシートを用いることで、シワ等の発生や寸法変化を抑え、転写を良好に行うことができる。
加熱温度は90〜160℃が好ましく、110〜140℃がより好ましい。加圧圧力は1〜100N/cmが好ましく、2〜10N/cmがより好ましい。
最終転写媒体上で易接着層は、次の(a)〜(e)の物性を有することが好ましい。
(a)表面粗さはRzで1〜10μmであることが好ましく、3〜7μmであることがより好ましい。易接着層表面のRzが上記範囲にあると、該易接着層上に画像を転写する際にシワが生じるのを抑え、光沢ムラや変形のない高画質な画像を得ることができるので好ましい。また、上記範囲のRzとなる表面凹凸は、その後の熱処理により、充分に平滑化し得る凹凸なので、熱処理により易接着層の非画像部の透明性を向上させることができる点からも好ましい。
最終転写媒体の易接着層の表面凹凸は、易接着層付き離型紙の離型紙自体の表面凹凸を強く反映するので、離型紙の表面凹凸により調整することが可能である。
なお、本願明細書において、表面粗さRzは、JISのRz(最大高さ)に相当する十点平均面粗さのことをいい、粗さの曲面から基準面積分だけ抜き取った部分の平均面を基準面として、最高から5番目までの山の標高の平均値と最深から5番目までの谷底の深さの平均値との距離を入力換算したものである。その測定には東京精密(株)製の触針式の3次元粗さ計(サーフコム570A−3DF)を用いることができる。測定条件として、例えば、測定方向を縦方向とし、カットオフ値を0.08mm、測定面積を0.6mm×0.4mm、送りピッチを0.005mm、測定スピードを0.12mm/sとする。
(b)転写される画像記録された受像層(画像表面、または画像記録されていない部分の受像層表面)に対する静摩擦係数は1.3以下であることが好ましく、0.2以上0.9以下であることがより好ましい。静摩擦係数が上記範囲にあると、最終転写媒体と受像材料とを滑らかに接触させることができ、画像を転写する際にシワが生じるのを抑え、光沢ムラや変形のない高画質な画像を得ることができるので好ましい。
上記静摩擦係数は、易接着層の素材を選択や、易接着層付き離型紙からの転写時の転写条件等により調整することが可能である。
(c)23℃での剛体振り子減衰率は0.02以上であることが好ましく、0.05以上0.2以下であることがより好ましい。23℃での剛体振り子減衰率は、易接着層の軟らかさ、特に粘弾性的に変形エネルギーの吸収しやすさを表す指標となる。この値が0.02以上であると、転写画像との密着強度が向上するので好ましい。
(d)90℃での剛体振り子減衰率は0.1以上であることが好ましく、0.15以上0.5以下であることがより好ましい。加熱時の易接着層の変形のしやすさを表す指標となる。この値が0.1以上であると、画像転写時に適切に易接着層が変形し、転写が良好に行われるので好ましい。
なお、剛体振り子減衰率は、次のようにして測定することができる。3cm×5cmの大きさのサンプルを所定の温度に加熱し、易接着層上に剛体(直径0.5cm、長さ2cm、材質;真鍮)を載せ、その剛体両端から9cm直下に振り子(重さ15g)を垂らす。両端の振り子を同時に振動させ、振動の振幅の減衰率を測定する。この振幅の減衰率が剛体振り子減衰率である。振幅の振動率は具体的には剛体振り子型粘弾性測定器(オリオンテック(株)社製)により測定することができる。
(e)ヴィカット(Vicat)軟化点は100℃以下であることが好ましく、30以上80以下であることがより好ましい。加熱時の易接着層の変形のしやすさを表す指標となる。この値が100℃以下であると、画像転写時に適切に易接着層が変形し、転写が良好に行われるので好ましい。
上記剛体振り子減衰率、ヴィカット軟化点は、主に易接着層の素材を選択することにより調整することが可能である。
易接着層に用いることができる素材は、例えばニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレンアクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、ポリアミド樹脂、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体等が挙げられる。これらは2種以上の混合物として用いてもよい。
最終転写媒体上での易接着層の厚さは、0.5〜50μmが好ましく、3〜40μmがより好ましい。
易接着層付き離型紙の離型紙としては、各種離型紙を用いることができ、例えば、コンデンサーペーパー等の紙又はポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、あるいはセロファン等が挙げられ、特に耐熱性も高くて好ましいのはポリエステルフィルム(具体例としては、PET〔ポリエチレンテレフタレート〕やPEN〔ポリエチレンナフタレート〕、等)である。
離型紙の厚みは、機械的強度、取扱い易さあるいは入手の容易さから2〜50μmがよいが、熱伝導率、熱伝達率、蓄熱性能等の熱的特性も考慮すると2〜16μmがより好適である。また、離型紙の表面粗さはRzで1〜10μmであることが好ましく、3〜7μmであることがより好ましい。
易接着層付き離型紙には、必要に応じて、離型紙の易接着層が設けられている反対の面にバックコート層を設けて、耐熱性や滑り性を向上させることができる。特に高速熱転写など熱転写条件が厳しい場合にはバックコート層を設けることが好ましい。
易接着層付き離型紙は、例えば、離型紙の一方の面上に、接着層形成用組成物をグラビア、メイヤーバー、ロールコートなどの塗工方法により塗工、乾燥して易接着層を形成することができる。またバックコート層を設ける場合は、離型紙の他方にバックコート層形成用組成物を塗布し、乾燥させればよい。
以上で説明した本発明の画像形成方法の実施態様の例を、図1を参照しつつ説明する。図1の(a)は、易接着層付き離型紙を用いて、易接着層を最終転写媒体の透明支持体に転写する工程を示す概略図であり、(b)は、最終転写媒体の易接着層上に、画像と受像層を転写する工程を示す概略図であり、(c)は転写画像を有する最終転写媒体に転写された画像と受像層を熱処理する工程を示す概略図である。
図1の(a)に示すように、最終転写媒体の透明支持体上への易接着層を転写する工程では、まず、アルミガイド板1の上にカバーシート2を載置し、更にその上に最終転写媒体の透明支持体3を載置する。そして、その上に、易接着層4と離型紙5からなる易接着層付き離型紙6を積層し、更にその上をカバーシート2’で覆う。このようにして得られた積層体31を一対のヒートローラー9、9’の間を通過させ、加熱加圧して、易接着層4を最終転写媒体の透明支持体3上に転写し、離型紙5を剥離して、透明支持体上に易接着層を有する最終転写媒体7を得る。
図1の(b)に示すように、最終転写媒体へ画像と受像層を転写する工程では、まず、アルミガイド板1の上にカバーシート2を載置し、更にその上に、上記で得た透明支持体上に易接着層を有する最終転写媒体7を載置する。そして、その上に、支持体22、クッション層23、画像25が形成されている受像層24からなる受像材料20を積層し、更にその上をカバーシート2’で覆う。このようにして得られた積層体32を一対のヒートローラー9、9’の間を通過させ、加熱加圧して、画像25を受像層24とともに易接着層4上に転写し、受像材料20を剥離して、画像と受像層が転写された最終転写媒体8を得る。
図1の(c)に示すように、熱処理する工程では、まず、アルミガイド板1の上にカバーシート2を載置し、更にその上に、上記で得た画像と受像層が転写された最終転写媒体8を載置し、その上をカバーシート2’で覆う。このようにして得られた積層体33を一対のヒートローラー9、9’の間を通過させ、加熱加圧して、画像と受像層を熱処理する。
なお、本発明の画像形成方法では易接着層を設けない最終転写媒体を用いて上記に準じた方法を実施することができる。
以上で説明した本発明の画像形成方法に用いる受像材料を含む熱転写記録材料について、以下説明する。
受像材料は、画像を再転写することが可能な受像材料であり、この受像材料への画像記録は、熱転写記録であることが好ましく、レーザー熱転写記録であることが、高解像度の画像を形成できる点から、好ましい。
レーザー熱転写記録では、一般に、光熱変換層および画像形成層などを備える熱転写材料と、受像層などを備える受像材料とを用い、該受像材料の受像層上へ画像が記録される。
本発明は、粒子表面にアルミナとシリカを有する酸化チタン、好ましくはアルミナとシリカが被覆されてなる酸化チタンをホワイト顔料として画像形成層に含む熱転写材料を少なくとも用いる。この熱転写材料を熱転写材料Wとも記す。
レーザー熱転写記録により多色画像を形成するためには、熱転写記録材料として、互いに色の異なる画像形成層を有した2種(1種はホワイト)以上の熱転写材料と受像材料を用いる。互いに色の異なる画像形成層を有した熱転写材料は、好ましくは4種以上、更に好ましくは5種以上であり、4種の場合の画像形成層の色は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びホワイト(W)であり、5種の場合の画像形成層の色は、前記のものにブラック(K)を加えたものである。
熱転写材料としては、他にプロセスカラーの組み合わせでは表現できない色、例えば、グリーン(G)、オレンジ(O)、レッド(R)、ブルー(B)、ゴールド(Go)、シルバー(S)、ピンク(P)等を含んでもよい。
本発明用酸化チタンの粒子径は、0.2〜0.4μmであることが好ましい。本発明用酸化チタンの粒子径は、該アルミナとシリカが存在又は被覆された粒子を測定したものであり、TEMによる測定データから、質量平均の粒子径を計算して求める。
該酸化チタンのアルミナとシリカの表面存在量又は被覆量は、被覆された酸化チタンに対する割合であり、5質量%以上であることが必要であるが、6〜9質量%であることが好ましい。
該酸化チタンはルチル型であることが好ましい。
また、本発明は本発明用酸化チタンを用いたことにより、熱転写材料Wの画像形成層は、その画像形成層の記録画像のベタ部をビジュアル(Visual)フィルターで測定した時の反射光学濃度(反射OD)と画像形成層の層厚(μm単位)の比(反射OD/層厚)を0.15以上、更に好ましくは1.60以上とすることができる。この反射ODは、透明被転写体に記録されたベタ画像をブラックバッキング上で測定したもので、例えば、X−rite938(Xrite社製)により測定される。反射ODが小さい程、白色が濃い、即ち、被転写物上に形成した画像を通して不要な色が見え難く、熱転写による画像のみを鮮明に見ることができるという隠蔽性が高いことになるが、反射ODは0.35以上程度が好ましい。
また、本発明では同ホワイト画像の色相を、ブラックバッキング上で例えば、Xrite938によりD502の条件で測定した時に、L*は70以上が好ましく、72以上が更に好ましく、a*は−3.0以上0以下が好ましく、−2.0以上−0.5以下が更に好ましく、b*は−8.0以上−1.0以下が好ましく−6.0以上−3.0以下が更に好ましい。
***は、CIEにより定められたCIELAB色空間のことをさす。L*は明るさを示し、a*、b*は色相を表すが、白の場合はL*が高くa*、b*が0に近いほど白さの程度が高いと言えるが、現実に白インキとして使われる場合、b*が低く若干青みがかった方がむしろ好まれ、この場合はb*が負の値となる。ブラックバッキングは測定サンプルの下に黒色の物体を置きその上で測色をすることをさす。
これによりサンプルを透過した光の反射光が測色されることを防ぎ、サンプルの表面色を正確に測定することができる。ブラックバッキングには、(株)村上色彩技術研究所製CCS−2色彩標準板4BatchBを用いたが、これに限定されるわけではない。
又、同画像の隠蔽率は55%以上であることが好ましく、58%以上が更に好ましい。本発明でいう隠蔽率とは、上記のような測色濃度計を用いて、記録画像のベタ部について、ブラックバッキング上とホワイトバッキング上それぞれでXYZ値を測定し、ブラックバッキング上で測定したY値/ホワイトバッキング上で測定したY値の比を計算し、それを隠蔽率とする。測定はD652の条件で行う。ここで、ホワイトバッキングとしては、例えば、(株)村上色彩技術研究所製CCS−2色彩標準板1BatchBを用いることができる。
また、該ホワイトの画像形成層は、その画像形成層をビジュアル(Visual)フィルターで測定した時の透過濃度と画像形成層の層厚(μm単位)の比(透過濃度/層厚)を0.05以上、更に好ましくは0.1以上とすることができる。透過濃度が大きい程、白色が濃い、即ち、最終転写媒体上に形成した画像を通して不要な色が見え難く、熱転写による画像のみを鮮明に見ることができるという隠蔽性が高いことになるが、透過濃度は0.2以上程度が好ましい。
従って、本発明の熱転写材料Wの画像形成層厚は、2.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上1.5μm以下であることが更に好ましい。本発明では、熱転写材料Wとして本発明用酸化チタンを用いることにより層厚を比較的薄くできるので隠蔽力及び記録感度を共に確保することができる。
熱転写材料Wの画像形成層中に含まれるホワイト顔料としては、本発明用酸化チタンと共に、本発明の効果を維持する範囲で炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等と併用してもよい。
更に、本発明は各熱転写材料の画像形成層および前記受像材料の受像層の水に対する接触角を各々7.0〜120.0°とすることが好ましい。接触角は画像形成層と受像層との相溶性、つまり転写性に関わる指標であり、さらには30.0〜100.0°が好ましい。また、受像層の水に対する接触角は86°以下であることが更に好ましい。接触角を上記範囲とすることにより転写感度を高くすることができ、また記録特性の温湿度依存性を小さくできるという点で好ましい。
また本発明の各層表面の水に対する接触角はコンタクトアングルメ−タ−(Contact Angle Meter)CA-A型(協和界面科学(株)製)を用いて測定した値である。
また、本発明は熱転写材料Wを除く熱転写材料の画像形成層の光学濃度(ODI)と画像形成層の層厚TIの比ODI/TI(μm単位)を1.6以上とすることが好ましく、1.8以上とすることが更に好ましく、2.50以上とすることが特に好ましい。ODI/TIの上限は、特になく大きければ大きいほど好ましいが、現時点では他の特性とのバランスを考慮すると6程度が限界である。
ODI/TIは、画像形成層の転写濃度と転写画像の解像度の指標となる。ODI/TIを上記範囲とすることにより転写濃度が高くかつ解像度の良好な画像を得ることができる。また、画像形成層をより薄膜とすることにより色再現性を向上させることができる。
ODIは熱転写材料から受像材料に転写された画像を更に特菱ア−ト紙に本紙転写したものを、濃度計(X-rite938、X-rite社製)にてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)またはブラック(K)等の各色の色モ−ドにて測定されて得られる反射光学濃度を言う。即ち、本発明に用いるW色以外の任意の色用の各熱転写材料のODIは、レッドフィルター(シアン用フィルター)、ブルーフィルター(イエロー用フィルター)またはグリーンフィルター(マゼンタ用フィルター)を介して測定した場合に最大の値を示すものを意味する。
ODIは、0.5〜3.0が好ましく、0.8〜2.0がより好ましい。
レーザー熱転写型の熱転写記録材料おいては、少なくとも1色の熱転写材料の光熱変換層の、レーザー光のピーク波長、例えば、808nmにおける吸光度Aと光熱変換層の層厚X(μm)の比A/Xを好ましくは2.5〜4.0、より好ましくは2.7〜3.5に制御するとともに前記吸光度Aを好ましくは1.0〜2.0、より好ましくは1.3〜1.7とすることが望ましい。
光熱変換層の吸光度Aと光熱変換層厚X(μm)の比(A/X)及び該吸光度Aを上記特定の範囲にすることにより、光熱変換色素の分解物による画像形成層の着色を最小限に抑えることとができ、かつ記録時の感度が高く、画質も良好な状態にすることができる。比(A/X)が2.5より低いと転写速度が低くなり、4.0より高いと転写画像の黄着色が大きくなる傾向がある。
また、A/Xを上記範囲とすることにより、転写画像の解像度を好ましくは2400dpi以上、更に好ましくは2600dpi以上の解像度で515mm以上×728mm以上のように大サイズで画像を記録することができる。
該吸光度Aは、記録するに際して、使用するレーザー光のピーク波長における光熱変換層の吸光度を言い、公知の分光光度計を用いて測定を行うことができる。本発明では、(株)島津製作所製UV−分光光度計UV−240を用いた。また、上記吸光度Aは支持体込みのものから支持体単独の値を差し引いた値とする。
本発明で用いることができるレーザー熱転写型の熱転写記録材料による熱転写画像は、ドット形状がシャープなので、微細文字の細線がきれよく再現できる。熱転写材料において、レーザー光により発生した熱が、光熱変換層の面方向に拡散ぜずに転写界面まで伝えられ、加熱部/非加熱部の界面で画像形成層をシャープに破断されるために、熱転写材料における光熱変換層の薄膜化と画像形成層の力学特性を制御することが望ましい。
シミュレーションでは、光熱変換層は瞬間的に約700℃に達すると推定され、膜が薄いと変形や破壊がおこりやすい。変形・破壊が起こると光熱変換層が転写層とともに受像材料に転写したり、転写像が不均一になるという実害を生じる。一方、所定の温度を得るには膜中に光熱変換物質を高濃度に存在させねばならず、色素の析出や隣接層への移行といった問題も発生する。
このため、光熱変換特性の優れた赤外吸収色素及びポリアミドイミド系やポリイミド系などの耐熱性バインダーを選定することにより、光熱変換層を約0.5μm以下に薄膜化することが好ましい。
また、一般的には、光熱変換層の変形が起こったり、または画像形成層そのものが高熱により変形すると、受像層に転写した画像形成層はレーザー光の副走査パターンに対応した厚みムラを生じ、そのため画像が不均一になり見かけの転写濃度が低下する。この傾向は画像形成層の厚みが薄いほど顕著である。一方、画像形成層の厚みが厚いとドットのシャープさが損なわれかつ感度も低下する。
この相反する性能を両立させるために、ワックス等の低融点物質を画像形成層に添加することより転写ムラを改良することが好ましい。また、バインダーの代わりに無機微粒子を添加することにより層厚を適正に上げることで、加熱部/非加熱部の界面で画像形成層がシャープに破断するようにし、ドットのシャープさ・感度を保ちつつ転写ムラを改良することができる。
また、一般に、熱転写材料の塗布層が吸湿することで層の力学物性と熱物性が変化し、記録環境の湿度依存性が生じる。
この温湿度依存性を少なくするためは、光熱変換層の色素/バインダー系、および画像形成層のバインダー系を有機溶剤系にすることが好ましい。
そして、印画時の高熱により、赤外吸収色素が光熱変換層から画像形成層に移行すると、色相が変化してしまうので、それを防止するために、前述したように保持力の強い赤外吸収色素/バインダーの組み合わせで光熱変換層を設計することが好ましい。
受像材料と熱転写材料は、画像形成に当たり、真空密着によりドラム上に保持されることが好ましい。この真空密着は両材料の接着力制御により画像を形成しているため受像材料の受像層面と転写材料の画像形成層面のクリアランスに画像転写挙動が非常に敏感なので重要である。ゴミ等異物のきっかけで材料間のクリアランスが広がってしまうと画像欠陥や画像転写ムラが生じてしまう。
このような画像欠陥や画像転写ムラを防止するには、熱転写材料又は受像材料に均一な凹凸をつけることで、エアーのとおりをよくし均一なクリアランスを得ることが好ましい。凹凸をつける方法としては、一般にエンボス処理等の後処理、塗布層へのマット剤添加があるが、製造工程簡略化、材料の経時安定化のためにマット剤添加が好ましい。
これまで述べたようなシャープなドットを確実に再現するため、記録装置側も高精度な設計が要求される。具体的には特開2002−337468号公報の段落(0027)に記載のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
次に、レーザー熱転写型の熱転写記録材料を用いた薄膜熱転写による多色画像形成の機構の概略を図2を用いて説明する。
熱転写材料10の画像形成層16の表面に、受像材料20を積層した画像形成用積層体30を用意する。熱転写材料10は、支持体12と、その上に、光熱変換層14、及び更にその上に、画像形成層16を有し、受像材料20は、支持体22と、その上に、受像層24を有し、熱転写材料10の画像形成層16の表面には、受像層24が接触するように積層される(図2(a))。その積層体30の熱転写材料10の支持体12側から、レーザー光を画像様に時系列的に照射すると、熱転写材料10の光熱変換層14のレーザー光被照射領域が発熱し、画像形成層16との密着力が低下する(図2(b))。その後、受像材料20と熱転写材料10とを剥離すると、画像形成層16のレーザー光被照射領域16’が、受像材料20の受像層24上に転写される(図2(c))。
薄膜熱転写方式は、薄膜の画像形成層を部分的に溶融しない状態またはほとんど溶融しない状態で受像材料に転写する方式である。即ち記録された部分が薄膜として転写するため、極めて解像度の高い熱転写方式である。薄膜熱転写を効率的に行う好ましい方法は、光記録によって光熱変換層内部をド−ム状に変形させ、画像形成層を押し上げ、画像形成層と受像層との密着力を高め、転写しやすくすることである。この変形が大きいと画像形成層を受像層に押しつける力が大きいので転写しやすくなり、一方、変形が小さいと画像形成層を受像層に押しつける力が小さいので十分な転写が出来ない部分が出てくる。そこで薄膜転写に好ましい変形はレーザー顕微鏡(VK8500、キーエンス社製)により観察したもので、この変形の大きさは光熱変換層の記録部の光記録後の増加した断面積(a)と光熱変換層の記録部の光記録前の断面積(b)を加えた値を光熱変換層の記録部の光記録前の断面積(b)で除した値に100を乗じて計算される変形率で評価できる。即ち変形率={(a+b)/(b)}×100である。変形率は110%以上、好ましくは125%以上、更に好ましくは150%以上である。破断伸びを大きくすれば変形率は250%より大きくても良いが、通常は250%程度に押さえることが好ましい。
光照射に用いられるレーザー光の種類、強度、ビ−ム径、パワ−、走査速度等は、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0041)に記載のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。また、レーザーの走査方法としては、円筒外面走査の他、円筒内面走査、平面走査などがある。
多色画像を形成する方法としては、前述したように熱転写材料W以外の色用の熱転写材料を用いて、同一の受像材料上に多数の画像層(画像が形成された画像形成層)を繰返し重ね合せて多色画像を形成してもよく、複数の受像材料の受像層上に一旦画像を形成した後、最終転写媒体へ再転写することにより、最終転写媒体上で多色画像を形成してもよい。
レーザー光照射を用いる多色熱転写記録は、レーザービームを熱に変換しその熱エネルギーを利用して顔料を含む画像形成層を受像材料に転写し、受像材料上に画像を形成し得るものであれば、転写時の顔料、色素乃至画像形成層の状態変化は、特に問わず、固体状態、軟化状態、液体状態、気体状態のいずれの状態をも包含するが、好ましくは固体乃至軟化状態である。レーザー光照射を用いる熱転写記録は、例えば、従来から知られる溶融型転写、アブレーションによる転写、昇華型転写等も包含される。
中でも前述の薄膜転写型、溶融・アブレーション型は印刷に類似した色相の画像を作成するという点で好ましく、少なくとも本発明用酸化チタンを用いる熱転写材料Wは薄膜転写型であることが好ましい。
受像材料上または最終転写媒体上に作成した画像は、紫外線領域に強度をもつ光により後露光処理することも可能である。光ラジカル発生剤を画像形成層に含有させることにより画像形成層中の赤外吸収色素もしくはその分解物による着色を消色させることができる。後露光処理しておくことにより、その後の室内曝光により色相が変化することを防ぐことができる。
後露光処理の光源としては、光ラジカル発生剤が吸収する波長の物が好ましく、蛍光灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等を用いることができる。
以上のレーザー熱転写を行う装置や本発明の画像形成方法を行う熱転写装置を、製版システム上に接続することによって、カラープルーフとしての機能を発揮できるシステムが構築されることになる。システムとしては、ある製版データから出力される印刷物と限りなく近い画質のプリント物が、上記記録装置から出力される必要がある。そこで、色や網点を印刷物と近づけるためのソフトウェアが必要である。具体的なシステム接続としては例えば特開2002−337468号公報の段落(0040)に記載されるものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
以下に、本発明で好適に用いられる熱転写材料及び受像材料について更に説明する。
[熱転写材料]
熱転写材料は、支持体上に、少なくとも光熱変換層及び画像形成層を有し、更に必要に応じて、その他の層を有してなる。
(支持体)
熱転写材料の支持体の材料には特に限定はなく、各種の支持体材料を目的に応じて用いることができる。具体的には特開2002−337468号公報の段落(0051)に記載にものが用いられるがこれらに限定されるものではない。
熱転写材料の支持体には、その上に設けられる光熱変換層との密着性を向上させるために、表面活性化処理及び/又は一層又は二層以上の下塗層の付設を行ってもよい。表面活性化処理の例としては、グロー放電処理、コロナ放電処理等を挙げることができる。下塗層の材料としては、支持体と光熱変換層の両表面に高い接着性を示し、かつ熱伝導性が小さく、また耐熱性に優れたものであることが好ましい。そのような下塗層の材料の例としては、スチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ゼラチン等を挙げることができる。下塗層全体の厚さは通常0.01〜2μmである。また、熱転写材料の光熱変換層付設側とは反対側の表面には、必要に応じて、反射防止層や帯電防止層等の各種の機能層の付設、あるいは表面処理を行うこともできる。具体的には特開2002−337468号公報の段落(0053)に記載されているバック層を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
(光熱変換層)
光熱変換層は、光熱変換物質、バインダー、及びマット剤を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
光熱変換物質は、照射される光エネルギーを熱エネルギーに変換する機能を有する物質である。一般的には、レーザー光を吸収することのできる色素(顔料を含む。以下、同様である。)である。赤外線レーザーにより画像記録を行う場合は、光熱変換物質としては、赤外線吸収色素を用いるのが好ましい。前記色素の例としては、カーボンブラック等の黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニン等の可視から近赤外域に吸収を有する大環状化合物の顔料、光ディスク等の高密度レーザー記録のレーザー吸収材料として使用される有機染料(インドレニン染料等のシアニン染料、アントラキノン系染料、アズレン系色素、フタロシアニン系染料)、及びジチオールニッケル錯体等の有機金属化合物色素を挙げることができる。中でも、シアニン系色素は、赤外線領域の光に対して、高い吸光係数を示すので、光熱変換物質として使用すると、光熱変換層を薄層化することができ、その結果、熱転写材料の記録感度をより向上させることができるので好ましい。
光熱変換物質としては、色素以外にも、黒化銀等の粒子状の金属材料等、無機材料を用いることもできる。
本発明においては、光熱変換物質として、下記一般式(1)で表される化合物が、優れた耐熱性を有し、塗布液が経時しても分解することなく吸光度が低下しないことから、極めて好ましく用いられる。
Figure 2006069160
(一般式(1)中:Zは、ベンゼン環、ナフタレン環又は複素芳香族環を形成するための原子団を表す。Tは、−O−、−S−、−Se−、−N(R1)−、−C(R2)(R3)−、又は−C(R4)=C(R5)−を表す。ここで、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基又はアリール基を表し、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、アシル基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、又はスルホンアミド基を表す。Lは、5個又は7個のメチン基が共役二重結合によって連結されて生じる3価の連結基を表す。Mは、2価の連結基を表す。X+は、陽イオンを表す。)
一般式(1)中、Zによって完成される環の例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、キノリン環、ピラジン環、キノキサリン環等を挙げることができる。また、Z上には、更に他の置換基R6を結合させてもよい。このような置換基R6としては、例えば、アルキル基、アリール基、複素環残基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボン酸基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、シアノ基、ニトロ基等の種々の置換基を挙げることができる。そして、Z上に結合される上記置換基の数(p)は、通常、0又は1〜4程度が好ましい。尚、pが2以上であるとき、複数のR6は互いに同じものであっても異なるものであってもよい。
6で表される置換基の中でも、ハロゲン原子(例えば、F、Cl等)、シアノ基、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ドデシルオキシ基、メトキシエトキシ基等)、炭素原子数6〜20の置換若しくは非置換のフェノキシ基(例えば、フェノキシ基、3,5−ジクロロフェノキシ基、2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ基等)、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソブチル基、t−ペンチル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基等)、炭素原子数6〜20の置換若しくは非置換のフェニル基(例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基等)等が好ましい。
前記一般式(1)において、Tは、−O−、−S−、−Se−、−N(R1)−、−C(R2)(R3)−、又は−C(R4)=C(R5)−を表す。この場合、R1、R2、R3、R4及びR5で表される基としては、置換若しくは非置換の、アルキル基、アリール基及びアルケニル基が好ましく、特にアルキル基が好ましい。R1〜R5で表される基の炭素原子数は1〜30が好ましく、特に1〜20が好ましい。
また、これらR1〜R5で表される基が更に置換基を有する場合には、置換基としては、スルホン酸基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルアミド基、アルキルスルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノ基、アルキルカルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル基、アリール基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基等が好ましい。
これらの置換基の中でも、ハロゲン原子(例えば、F、Cl等)、シアノ基、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ドデシルオキシ基、メトキシエトキシ基等)、炭素原子数6〜20の置換若しくは非置換のフェノキシ基(例えば、フェノキシ基、3,5−ジ−クロロフェノキシ基、2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ基等)、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソブチル基、t−ペンチル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基等)又は炭素原子数6〜20の置換若しくは非置換のフェニル基(例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基等)が特に好ましい。R1〜R5としては、炭素原子数1〜8の非置換アルキル基が最も好ましく、Tとしては、−C(CH32−が特に好ましい。
一般式(1)中のLは、5個若しくは7個のメチン基が共役二重結合によって連結されて生じる3価の連結基を表し、置換されていてもよい。即ち、Lは、メチン基が共役二重結合で連結されて生じるペンタメチン基、或いはヘプタメチン基等を表すが、具体的には下記(L−1)〜(L−6)で表される基が好ましい。
Figure 2006069160
上記具体例の中でも、(L−2)、(L−3)、(L−4)、(L−5)及び(L−6)として例示されるトリカルボシアニンを形成する連結基が特に好ましい。上記式(L−1)〜(L−6)において、Yは、水素原子又は1価の基を表す。Yで表される1価の基としては、低級アルキル基(メチル基等)、低級アルコキシ基(メトキシ基等)、置換アミノ基(ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、モルホリノ基、イミダゾリジン基、エトキシカルボニルピペラジン基等)、アルキルカルボニルオキシ基(アセトキシ基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基等)、ジアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(Br、Cl、F等)等が好ましい。
Yで表される基のうち特に好ましいものは水素原子であり、R7及びR8のうち特に好ましいものは、それぞれ水素原子又は低級アルキル基(メチル基等)である。また、前記(L−4)〜(L−6)において、iは1又は2であり、jは0又は1である。Mは、2価の連結基を表し、好ましくは置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキレン基を表す。例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられる。
一般式(1)の中で、X+で表される陽イオンとしては、例えば、金属イオン(Na+、K+)、アンモニウムイオン(例えば、HN+(C253で表されるイオン等)、ピリジニウムイオン等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、下記に示す化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
Figure 2006069160
Figure 2006069160
Figure 2006069160
上記一般式(1)で表される化合物は、通常、カルボシアニン色素を合成する場合と同様にして、容易に合成することができる。即ち、ヘテロ環エナミンを、CH3O−CH=CH−CH=CH−CH(OCH32等のアセタール類あるいはPhN−CH−(CH−CH)−NHPhで表される化合物等と反応させることによって容易に合成することができる。ここでPhはフェニル基を表す。また、これらの化合物の合成方法については、具体的には、特開平5−116450号公報の記載等も参照することができる。
光熱変換物質の分解温度が高く分解されにくければ、その分解物の着色によるカブリの故障を防止できるという観点から、光熱変換物質の分解温度は、200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましい。該分解温度が200℃より低いと光熱変換物質の分解により、その分解物の着色がカブリとなり、画質を低下させることがある。
光熱変換層に含有されるバインダーとしては、ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂が好ましい。
ポリアミドイミド樹脂に関しては、溶媒に溶解し、かつバインダーとして機能するものであれば、特に種類に制御はないが、支持体上に層を形成し得る強度を少なくとも有し、高い熱伝導率を有する樹脂が好ましい。
また、バインダーとしてのポリアミドイミドは、熱分解温度(TGA法(熱質量分析法)で10℃/分の昇温速度で、空気気流中で5%質量減少する温度)が400℃以上のポリアミドイミドが好ましく、前記熱分解温度が500℃以上のものがより好ましい。また、ポリアミドイミドは、200〜400℃のガラス転移温度を有するのが好ましく、250〜350℃のガラス転移温度を有するのがより好ましい。ガラス転移温度が200℃より低いと、形成される画像にカブリが発生する場合があり、400℃より高いと、樹脂の溶解性が低下し、生産効率が低下する場合がある。
なお、光熱変換層のバインダーの耐熱性(例えば、熱変形温度や熱分解温度)は、光熱変換層上に設けられる他の層に使用される材料と比較して、より高いのが好ましい。
好ましく用いられるポリアミドイミドは、下記一般式(2)で表されるポリアミドイミドである。
Figure 2006069160
上記一般式(2)中、Rは2価の連結基を表す。2価の連結基の好ましい具体例を下記する。
Figure 2006069160
Figure 2006069160
なかでも、(6)、(7)、(11)、(14)の連結基が好ましい。
また、これらの二価の連結基は、単独であってもよいし複数個が結合したものであってもよい。
一般式(2)で表されるポリアミドイミドの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されポリスチレン換算値として、3000〜50000が好ましく、10000〜25000がより好ましい。
光熱変換層のバインダーとしてはポリアミドイミド樹脂と他の樹脂を併用してもよい。併用する樹脂としては、たとえば特開2002−337468号公報の段落(0062)に記載されているものが用いられ、好ましくはポリイミド樹脂である。併用率は重量比で5〜50%が好ましく、更に好ましくは10〜30%である。
光熱変換層に含有されるマット粒子としては、たとえば特開2002−337468号公報の段落(0074)に記載されているものが好ましく、特にシリカ、シリコーン樹脂粒子が好ましい。
シリコーン樹脂粒子はシリカ粒子に比べ比重が小さいため、液安定性が高くより好ましい。ただし、シリコーン樹脂粒子はシリカ粒子に比べ、粒子径分布が広く、かつ複数個のマット剤粒子が凝集した巨大粒子が含まれることが多い。このような凝集物が存在すると、この部分の画像記録がおこらず、白ヌケ状の欠陥が発生する場合がある。このため、分級処理により凝集物が除去されたマット剤を用いることが好ましい。マット剤の分級処理の方法としては、粒子を分級し得る方法であれば各種方法を適宜採用することができる。その例として、ふるいによる分級、乾式気流分級機による方法、湿式気流分級機による方法等が挙げられる。中でも乾式気流分級機による方法が、湿式気流分級機による方法に比べ、排水対策が不要でより簡便であり、かつふるいより精度、効率が高いため好ましく採用される。
結果として、平均粒径が0.5〜5μmである粒子からなり、かつ長軸方向の長さが15μm以上の粒子又は凝集物の含有率が100ppm以下であるようなマット剤が好ましい。更に好ましくは平均粒径が、1.1〜3μmの範囲であり、かつ長軸方向の長さが15μm以上の粒子又は凝集物の含有率が20ppm以下である。この平均粒径は例えば、粒子を走査型電子顕微鏡で撮影することにより求めることができる。マット剤の添加量は0.1〜100mg/m2が好ましい。
光熱変換層にビニルピロリドン共重合体を添加することにより、熱転写材料の感度アップや、印画画像のエッジシャープネスを向上させることができる。
ビニルピロリドン共重合体のこのような機能を有する共重合成分としては、ポリイミド樹脂やポリアミド樹脂と相溶しないものであれば、特に制限はないが、酢酸ビニル、スチレン、オレフィン、アクリル酸及びメタクリル酸が特に好ましい。これら成分は、1種以上がビニルピロリドン共重合体の共重合成分となり得る。ビニルピロリドン共重合体において、共重合成分の割合は、モル比でビニルピロリドン:共重合成分=50以上100未満:0より大で50以下が好ましく、更には60〜90:10〜40が好ましい。
ビニルピロリドン重合体又はビニルピロリドン共重合体の質量平均分子量は、2000〜500000が好ましく、更には10000〜250000が好ましい。
ビニルピロリドン共重合体の好ましい例としては、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/スチレン共重合体、ビニルピロリドン/1−ブテン共重合体、ビニルピロリドン/アクリル酸共重合体等が挙げられる。
ビニルピロリドン重合体及び/又はビニルピロリドン共重合体を光熱変換層に含有させる態様は、特に制限はなく任意である。光熱変換層において、主バインダーとビニルピロリドン重合体及び/又はビニルピロリドン共重合体との配合比は、主バインダーに対して0.1〜30質量%が好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。
光熱変換層には、更に必要に応じて、界面活性剤、増粘剤、帯電防止剤等が添加されてもよい。
光熱変換層は、光熱変換物質とバインダーとを溶解し、これに必要に応じてマット剤及びその他の成分を添加した塗布液を調製し、これを支持体上に塗布し、乾燥することにより設けることができる。
光熱変換層は、0.03〜1.0μmであるのが好ましく、0.2〜0.7μmであるのがより好ましい。また、光熱変換層は、波長808nmの光に対して、1.0〜2.0の光学濃度を有していると、画像形成層の転写感度が向上するので好ましい。
(画像形成層)
画像形成層は、受像材料に転写されて画像を形成するための顔料を少なくとも含有し、更に、層を形成するためのバインダー、及び所望により、その他の成分を含有する。
顔料としては、前記イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)などのプロセスカラーの顔料を初め、ホワイト(W)、グリーン(G)、オレンジ(O)、レッド(R)、ブルー(B)、ゴールド(Go)、ピンク(P)、その他金属光沢色などの各色の顔料が用いられる。
本発明の画像形成方法に用いられる熱転写材料Wのホワイト顔料は、前記したように本発明用酸化チタンが少なくとも包含される。
金属光沢色の熱転写材料用の顔料について詳述する。顔料の金属粒子としては、アルミニウム、金、青銅、銅、亜鉛、鉄、銀、鉛、錫、チタン、クロム等が挙げられ、中でもアルミニウム粒子が特に好ましい。
これらの金属粒子の大きさは、その粒径が小さすぎると黒っぽくなって金属光沢が低下し、また金属粒子の厚さが厚いと画像形成層も厚くなり好ましくない。金属粒子の大きさ、形状は、粒子の厚みが0.04〜0.7μm、粒径が2〜30μmであることが好ましく、更には厚みが0.05〜0.1μm、粒径が3〜15μmのものが好ましい。更に、金属粒子は厚さと長さの比が1:2〜1:2000の平板状であることが好ましく、1:20〜1:2000の平板状であることが更に好ましく、1:50〜1:500の平板状であることが特に好ましい。
上記のホワイト顔料や金属粒子を画像形成層に含む熱転写材料は、従来のプロセスカラ−や特色の熱転写材料と合わせて、多色画像の形成に用いられるが、画像形成層に金属粒子とともに、従来のプロセスカラーや特色の顔料を含有させて用いることもできる。
従来のプロセスカラーや特色の顔料については、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0080)記載のものが用いられるがこれらに限定されるものではない。
また、ホワイトの画像形成層は、蛍光増白剤を含有することが好ましい。この蛍光増白剤は、紫外線を吸収し、可視部短波領域(400〜450nm)周辺に紫青色から青緑色の蛍光を発して、黄色味を打ち消し、その白さを増大させるものであることが好ましい。具体的には、Ca、Ba、Mg、Zn、Cdなどの酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩を主成分として、Mn、Ag、Cu、Sb、Pbなどの活性剤を1〜0.01%添加した蛍光顔料、ベンゾオキサゾール系、スチルベン系、イミダゾール系、ナフタルイミド系等の有機物が挙げられる。中でもベンゾオキサゾール系の化合物、さらにはビスベンゾオキサゾールチオフェンが好ましい。
画像形成層のバインダーとしては、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0085)記載のものが用いられるがこれらに限定されるものではない。
画像形成層は、以下の(1)〜(4)の成分を前記その他の成分として含有することができる。
(1)ワックス類
ワックス類としては、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0087)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
(2)可塑剤
可塑剤としては、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0090)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
(3)光ラジカル発生剤
光ラジカル発生剤としては、光重合開始等に用いられる公知のものを使用することができるが、300〜500nm、特に300〜450nm、更には300〜400nmに吸収ピークを持つ有機化合物が、そのものの着色が少ないという点で好ましい。具体的には活性ハロゲン化合物、活性エステル化合物、有機過酸化物、ロフィンダイマー、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、アジニウム塩、ボレート塩、ケタール類、芳香族ケトン、ジケトン類、チオ−ル、アゾ化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物等があるが、アシルフォスフィンオキサイド化合物、例えばビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が好ましい。
光ラジカル発生剤の添加量は通常、0.01〜10mmol/m2、好ましくは0.1〜1mmol/m2である。
(4)その他
画像形成層は、更に、上記の成分の他に、界面活性剤、無機あるいは有機微粒子(シリカゲル等)、オイル類(アマニ油、鉱油等)、増粘剤、帯電防止剤等を含有してもよい。
画像形成層は、顔料と前記バインダー等とを溶解又は分散した塗布液を調製し、これを光熱変換層上(光熱変換層上に下記感熱剥離層が設けられている場合は、該層上)に塗布し、乾燥することにより設けることができる。
前記熱転写材料の光熱変換層の上には、光熱変換層で発生した熱の作用により気体を発生するか、付着水等を放出し、これにより光熱変換層と画像形成層との間の接合強度を弱める感熱材料を含む感熱剥離層を設けることができる。そのような感熱材料としては、それ自身が熱により分解若しくは変質して気体を発生する化合物(ポリマー又は低分子化合物)、水分等の易気化性気体を相当量吸収若しくは吸着している化合物(ポリマー又は低分子化合物)等を用いることができる。これらは併用してもよい。
熱により分解若しくは変質して気体を発生するポリマーの例としては、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0097)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
感熱剥離層の感熱材料として低分子化合物を用いる場合には、バインダーと組み合わせることが望ましい。バインダーとしては、上記のそれ自身が熱により分解若しくは変質して気体を発生するポリマーを用いることもできるが、そのような性質を持たない通常のバインダーを使用することもできる。感熱剥離層は、光熱変換層を、そのほぼ全面にわたって被覆していることが望ましく、その厚さは一般に0.03〜1μmであり、0.05〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。
なお、前記熱転写材料には、独立した感熱剥離層を設ける代わりに、前記の感熱材料を光熱変換層塗布液に添加して光熱変換層を形成し、光熱変換層と感熱剥離層とを兼ねるような構成とすることもできる。
次に、前記熱転写材料と組み合わされて使用され得る受像材料について説明する。
[受像材料]
(層構成)
受像材料は、通常、支持体と、その上に、1以上の受像層が設けられ、所望により、支持体と受像層との間にクッション層、剥離層等のいずれか1層又は2層以上を設けた構成である。また、支持体の受像層とは反対側の面に、バック層を有すると、搬送性の点で好ましい。
(支持体)
支持体としては、特に制限はなく、プラスチック、金属、ガラス、樹脂コート紙、紙、及び各種複合体等のような通常のシート状の基材等が挙げられる。具体的には特開2002−337468号公報の段落(0102)に記載のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
受像材料の支持体の厚さは、通常10〜400μmであり、25〜200μmであるのが好ましい。また、支持体の表面は、受像層(あるいはクッション層)との密着性、又は熱転写材料の画像形成層との密着性を高めるために、コロナ放電処理、グロー放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
(受像層)
受像材料の表面には、画像形成層を転写し、これを固定するために、支持体上に、受像層を1層以上設けることが好ましい。受像層は具体的には特開2002−337468号公報の段落(0106)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
(その他の層)
支持体と受像層との間に、クッション層を設けてもよい。クッション層を設けると、レーザー熱転写時に画像形成層と、受像層の密着性を向上させ、画質を向上させることができる。また、記録時、熱転写材料と受像材料の間に異物が混入しても、クッション層の変形作用により、受像層と画像形成層の空隙が小さくなり、結果として白ヌケ等の画像欠陥サイズを小さくすることもできる。更に、画像を転写形成した後、これを最終転写媒体に転写する場合、その最終転写媒体凹凸表面に応じて受像表面が変形するため、受像層の転写性を向上することができ、印刷物との近似性も向上させることができる。
クッション層は、受像層に応力が加えられた際に変形し易い構成であり、前記効果を達成するには、低弾性率を有する材料、ゴム弾性を有する材料あるいは加熱により容易に軟化する熱可塑性樹脂からなるのが好ましい。クッション層の弾性率としては、室温で好ましくは0.5MPa〜1.0GPa、特に好ましくは1MPa〜0.5GPa、より好ましくは10〜100MPaである。また、ゴミ等の異物をめり込ませるためには、JIS K2530で定められた針入度(25℃、100g、5秒)が10以上であることが好ましい。また、クッション層のガラス転移温度は80℃以下、好ましくは25℃以下、軟化点は50〜200℃が好ましい。これらの物性、例えば、Tgを調節するために可塑剤をバインダー中に添加することも好適に行うことができる。
クッション層のバインダーとして用いられる具体的な材料としては、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、天然ゴム等のゴム類の他に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、可塑剤入り塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。尚、クッション層の厚みは使用する樹脂その他の条件により異なるが、通常3〜100μm、好ましくは10〜52μmである。
受像層とクッション層はレーザー記録の段階までは接着している必要があるが、画像を最終転写媒体に転写するために、剥離可能に設けられている。剥離を容易にするためには、クッション層と受像層の間に剥離層を厚み0.1〜2μm程度で設けることも好ましい。層厚が大きすぎるとクッション層の性能が現われ難くなるため、剥離層の種類により調整することが必要である。剥離層のバインダーとしては、具体的にポリオレフィン、ポリエステル、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマール、ポリパラバン酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、エチルセルロース、ニトロセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ウレタン樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン,アクリロニトリルスチレン等のスチレン類及びこれら樹脂を架橋したもの、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アラミド等のTgが65℃以上の熱硬化性樹脂及びそれら樹脂の硬化物が挙げられる。硬化剤としてはイソシアナート、メラミン等の一般的硬化剤を使用することができる。
上記物性に合わせて剥離層のバインダーを選ぶとポリカーボネート、アセタール、エチルセルロースが保存性の点で好ましく、更に受像層にアクリル系樹脂を用いるとレーザー熱転写後の画像を再転写する際に剥離性良好となり特に好ましい。又、別に、冷却時に受像層との接着性が極めて低くなる層を剥離層として利用することができる。具体的には、ワックス類、バインダー等の熱溶融性化合物や熱可塑性樹脂を主成分とする層とすることができる。熱溶融性化合物としては、特開昭63−193886号公報に記載の物質等がある。特にマイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックスなどが好ましく用いられる。熱可塑性樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等のエチレン系共重合体、セルロース系樹脂等が好ましく用いられる。
このような剥離層には添加剤として、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、アミド類、高級アミン等を必要に応じて加えることができる。剥離層の別の構成は、加熱時に溶融又は軟化することによって、それ自体が凝集破壊することで剥離性を持つ層である。このような剥離層には過冷却物質を含有させることが好ましい。過冷却物質としては、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリオキシエチレン、ベンゾトリアゾール、トリベンジルアミン、バニリン等が挙げられる。更に、別の構成の剥離性層では、受像層との接着性を低下させるような化合物を含ませる。このような化合物としては、シリコーンオイルなどのシリコーン系樹脂;テフロン(登録商標)、弗素含有アクリル樹脂等の弗素系樹脂;ポリシロキサン樹脂;ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマール等のアセタール系樹脂;ポリエチレンワックス、アミドワックス等の固形ワックス類;弗素系、燐酸エステル系の界面活性剤等を挙げることができる。剥離層の形成方法としては、前記素材を溶媒に溶解又はラテックス状に分散したものをブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、等の塗布法、ホットメルトによる押出しラミネーション法などが適用でき、クッション層上に塗布し形成することができる。又は、仮ベース上に前記素材を溶媒に溶解又はラテックス状に分散したものを、上記の方法で塗布したものとクッション層とを貼り合わせた後に仮ベースを剥離して形成する方法がある。
熱転写シートと組み合わされる受像シートは、受像層がクッション層を兼ねた構成であってもよく、その場合は、受像シートは、支持体/クッション性受像層、あるいは支持体/下塗り層/クッション性受像層の構成であってもよい。この場合も、最終転写媒体への再転写が可能なようにクッション性受像層が剥離可能に設けられる。この場合、最終転写媒体へ再転写後の画像は光沢に優れた画像となる。尚、クッション性受像層の厚みは5〜100μm、好ましくは10〜40μmである。
受像層と隣接する上記クッション層、剥離層、クッション性受像層等の層の表面粗さRaは、0.05〜3.5μmが好ましく、0.08〜2μmが特に好ましく、同層の表面粗さRzは、0.5〜9μmが好ましく、0.8〜8.0μmが特に好ましい。
上記受像層と隣接する層には、必要に応じてマット剤、離型剤、導電剤、界面活性剤、酸化防止剤、UV吸収剤等を添加することができる。中でも、離型剤は重要で、例えば、マット剤を添加下場合、剥離表面積が増大した分、剥離力は大きくなる方向にあり、最適な剥離力になるように従来公知の各種離型剤を該層に添加することは好ましい態様である。離型剤は、受像層を設ける際に受像層に移行性の少ないものが好ましい。これにより、移行による画像の転写性の変化を防ぐことができる。
バック層には具体的には特開2002−337468号公報の段落(0119)に記載のものが用いられるがこれらに限定されるものではない。
前記熱転写材料と前記受像材料は、熱転写材料の画像形成層と受像材料の受像層とを重ね合わせた積層体として、画像形成に利用される。
熱転写材料と受像材料との積層体は、各種の方法によって形成することができる。例えば、熱転写材料の画像形成層と受像材料の受像層とを重ねて、加圧加ヒートローラーに通すことによって容易に得ることができる。この場合の加熱温度は160℃以下、もしくは130℃以下が好ましい。また、積層体を得る別の方法として、前述した真空密着法も好適に用いられる。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、文中で特に断りのない限り「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
−熱転写材料Wの作製−
[バック層の形成]
[バック第1層塗布液の調製]
アクリル樹脂の水分散液 2部
(ジュリマーET410、固形分20質量%、日本純薬(株)製)
帯電防止剤(酸化スズ−酸化アンチモンの水分散物) 7.0部
(平均粒径:0.1μm、17質量%)
ポリオキシエチレンフェニルエーテル 0.1部
メラミン化合物 0.3部
(スミチックスレジンM−3、住友化学工業(株)製)
蒸留水 合計が100部に
なるよう調製した
[バック第1層の形成]
厚さ75μmの2軸延伸したポリエチレンテレフタレート支持体(両面のRaは0.01μm)の一方の面(裏面)にコロナ処理を施し、バック第1層塗布液を乾燥層厚みが0.03μmになるよう塗布した後180℃で30秒間乾燥して、バック第1層を形成した。支持体の長手方向のヤング率は450Kg/mm2(≒4.4GPa)で、幅方向のヤング率は500Kg/mm2(≒4.9GPa)である。支持体の長手方向のF−5値は、10Kg/mm2(≒98MPa)、支持体幅方向のF−5値は、13Kg/mm2(≒127.4MPa)であり、支持体の100℃、30分での熱収縮率は長手方向が0.3%で、幅方向が0.1%である。破断強度は長手方向が20Kg/mm2(≒196MPa)で、幅方向が25Kg/mm2(≒245MPa)、弾性率は400Kg/mm2(≒3.9GPa)である。
[バック第2層塗布液の調製]
ポリオレフィン 3.0部
(ケミパールS−120、27質量%、三井石油化学(株)製)
帯電防止剤(酸化スズ−酸化アンチモンの水分散物) 2.0部
(平均粒径:0.1μm、17質量%)
コロイダルシリカ 2.0部
(スノーテックスC、20質量%、日産化学(株)製)
エポキシ化合物 0.3部
(ディナコールEX−614B、ナガセ化成(株)製)
蒸留水 合計が100部に
なるよう調製した
[バック第2層の形成]
バック第1層の上にバック第2層塗布液を乾燥層厚が0.03μmになるよう塗布した後170℃で30秒間乾燥して、バック第2層を形成した。
[光熱変換層の形成]
[光熱変換層用塗布液の調製]
下記の各成分をスターラーで攪拌しながら混合して、光熱変換層用塗布液を調製した。
[光熱変換層用塗布液組成]
・赤外線吸収色素 7.6部
(一般式(1)で表される化合物(I−17))
・ポリアミドイミド 29.3部
(一般式(2)において、Rが前記(6)である化合物)
・エクソンナフサ 5.8部
・N−メチルピロリドン(NMP) 1500部
・メチルエチルケトン 360部
・界面活性剤 0.5部
(「メガファックF−176PF」、大日本インキ化学工業社製、F系界面活性剤)
・下記組成のマット剤分散物 14.1部
マット剤分散物の調製
平均粒径1.5μmの真球シリカ微粒子(日本触媒(株)製シーホスターKE−P150)10部、分散剤ポリマー(アクリル酸エステルスチレン共重合体ポリマー。ジョンソンポリマー(株)製ジョンクリル611)2部、メチルエチルケトン16部及びNメチルピロリドン64部を混合し、これと直径2mmのガラスビーズ30部を容量200mlのポリエチレン製容器にいれてペイントシェーカー(東洋精機製)で2時間分散してシリカ微粒子の分散物を得た。
[支持体表面への光熱変換層の形成]
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)の一方の表面上に、上記光熱変換層用塗布液をワイヤーバーを用いて塗布した後、塗布物を120℃のオーブン中で2分間乾燥して、該支持体上に光熱変換層を形成した。得られた光熱変換層の波長808nmにおける光学濃度を(株)島津製作所製UV−分光光度計UV−240で測定したところ、OD=0.93であった。層厚は、走査型電子顕微鏡により光熱変換層の断面を観察したところ、平均で0.3μmであった。
[画像形成層の形成]
[ホワイト画像形成層用塗布液の調製]
下記の各成分を、ニーダーのミルに入れ、少量の溶剤を添加しつつ剪断力を加え、分散前処理を行った。その分散物に、更に溶剤を加えて、最終的に下記組成となるように調製し、サンドミル分散を2時間行い、ホワイト顔料分散母液を得た。
[ホワイト顔料分散母液組成]
・n−プロピルアルコール 234.4部
・ポリビニルブチラール 22.7部
(「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製)
・酸化チタン(詳細は表1記載) 100部
次に、下記の成分をスターラーで攪拌しながら混合して、ホワイト画像形成層用塗布液を調製した。
[ホワイト画像形成層用塗布液組成]
・n−プロピルアルコール 792.82部
・メチルエチルケトン 288.55部
・ワックス系化合物
(ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 2.04部
(ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 2.04部
(ラウリル酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 2.04部
(パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 2.04部
(オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)2.04部
(エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」、日本化成(株)製)2.04部
・ロジン 5.91部
(「KE−311」、荒川化学(株)製)
(成分:樹脂酸80〜97%;樹脂酸成分:アビエチン酸30〜40%、ネオアビエチン酸10〜20%、ジヒドロアビエチン酸14%、テトラヒドロアビエチン酸14%)
・ホワイト顔料分散母液 537.20部
・界面活性剤 17.10部
(「メガファックF−780F」、固形分30%、大日本インキ化学工業社製)
[光熱変換層表面へのホワイト画像形成層の形成]
前記光熱変換層の表面に、上記ホワイト画像形成層用塗布液をワイヤーバーを用いて1分間塗布した後、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、光熱変換層の上にホワイト画像形成層を形成した。この画像形成層の塗布の際、その反射ODが0.30になるよう層厚を調整した。以上の工程により、支持体上に、光熱変換層及びホワイト画像形成層が、この順で設けられた熱転写材料Wを作製した。
熱転写材料Wのホワイト画像形成層の層厚を測定したところ、平均で0.8μmであった。
得られた画像形成層の物性は以下のようであった。
画像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g以上が好ましく、具体的には200g以上であった。
水の接触角は48.1°であった。
−熱転写材料Yの作製−
上記熱転写材料Wの作製において、ホワイト画像形成層用塗布液の代わりに、下記組成のイエロー画像形成層用塗布液を用いた以外は、熱転写材料Wの作製と同様にして、熱転写材料Yを作製した。得られた熱転写材料Yの画像形成層の層厚は、0.42μmであった。
[イエロー顔料分散母液組成]
イエロー顔料組成1:
・ポリビニルブチラール 7.1部
(「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製)
・Pigment Yellow(ピグメントイエロー) 180(C.I.No.21290) 12.9部
(「Novoperm Yellow(ノボパームイエロー) P−HG」、クラリアントジャパン(株)製)
・顔料分散剤 0.6部
(「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製)
・n−プロピルアルコール 79.4部
[イエロー顔料分散母液組成]
イエロー顔料組成2:
・ポリビニルブチラール 7.1部
(「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製)
・Pigment Yellow(ピグメントイエロー) 139(C.I.No.56298) 12.9部
(「Novoperm Yellow(ノボパームイエロー) M2R 70」、クラリアントジャパン(株)製)
・顔料分散剤 0.6部
(「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製)
・n−プロピルアルコール 79.4部
[イエロー画像形成層用塗布液組成]
・上記イエロー顔料分散母液 126部
イエロー顔料組成1:イエロー顔料組成2=95:5(部)
・ポリビニルブチラール 4.6部
(「エスレックB BL一SH」、積水化学工業(株)製)
・ワックス系化合物
(ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 0.7部
(べヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 0.7部
(ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 0.7部
(パルミチン酸アミド「ダイヤミットKP」、日本化成(株)製) 0.7部
(エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」、日本化成(株)製) 0.7部
(オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)0.7部
・ノニオン系界面活性剤 0.4部
(「ケミスタット1100」、三洋化成(株)製)
・ロジン 2.4部
(「KE−311」、荒川化学(株)製)
・界面活性剤 0.8部
(「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製)
・n−プロピルアルコール 793部
・メチルエチルケトン 198部
得られた画像形成層の物性は以下のようであった。
画像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g以上が好ましく、具体的には200g以上であった。
表面のスムースター値は23℃、55%RHで0.5〜50mmHg(≒0.0665〜6.65kPa)が好ましく、具体的には2.3mmHg(≒0.31kPa)であった。
表面の静止摩擦係数は0.2以下が好ましく、具体的には0.1であった。
表面エネルギーは24mJ/m2であった。水の接触角は108.1°であった。
露光面の光強度が1000W/mm2以上のレーザー光で1m/sec以上の線速度で記録した時の光熱変換層の変形率は150%であった。
−熱転写材料Mの作製−
上記熱転写材料Wの作製において、ホワイト画像形成層用塗布液の代わりに、下記組成のマゼンタ画像形成層用塗布液を用いた以外は、熱転写材料Wの作製と同様にして、熱転写材料Mを作製した。得られた熱転写材料Mの画像形成層の層厚は、0.38μmであった。
[マゼンダ顔料分散母液組成]
マゼンタ顔料組成1;
・ポリビニルブチラール 12.6部
(「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化点57℃)
・Pigment Red(ピグメントレッド) 57:1 15.0部
(C.I.No.15850:1)
(「Symuler Brilliant Carmine(シムラーブリリアントカーミン) 6B−229」、大日本インキ化学工業(株)製)
・顔料分散剤 0.6部
(「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製)
・n−プロピルアルコール 80.4部
[マゼンダ顔料分散母液組成]
マゼンタ顔料組成2;
・ポリビニルブチラール 12.6部
(「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化点57℃)
・Pigment Red(ピグメントレッド) 57:1 15.0部
(C.I.No.15850:1)
(「Lionol Red(リオノールレッド) 6B−4290G」、東洋インキ製造(株)製)
・顔料分散剤 0.6部
(「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製)
・n−プロピルアルコール 79.4部
[マゼンタ画像形成層用塗布液組成]
・上記マゼンタ顔料分散母液 163部
マゼンタ顔料組成1:マゼンタ顔料組成2=95:5(部)
・ポリビニルブチラール 4.0部
(「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化点57℃)
・ワックス系化合物
(ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.0部
(ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 2.0部
(パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 1.0部
(エルカ酸アミド「ダイヤミンドL−200」、日本化成(株)製) 1.0部
(オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.0部
・ノニオン系界面活性剤 0.7部
(「ケミスタット1100」、三洋化成(株)製)
・ロジン 4.6部
(「KE−311」、荒川化学(株)製)
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 2.5部
(「NKエステル A−TMMT」、新中村化学(株)製)
・界面活性剤 1.3部
(「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製)
・n−プロピルアルコール 848部
・メチルエチルケトン 246部
得られた画像形成層の物性は以下のようであった。
画像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g以上が好ましく、具体的には200g以上であった。
表面のスムースター値は23℃、55%RHで0.5〜50mmHg(≒0.0665〜6.65kPa)が好ましく、具体的には3.5mmHg(≒0.47kPa)であった。
表面の静止摩擦係数は0.2以下が好ましく、具体的には0.08であった。
表面エネルギーは25mJ/m2であった。水の接触角は98.8°であった。
露光面の光強度が1000W/mm2以上のレーザー光で1m/sec以上の線速度で記録した時の光熱変換層の変形率は160%であった。
−熱転写材料Cの作製−
上記熱転写材料Wの作製において、ホワイト画像形成層用塗布液の代わりに、下記組成のシアン画像形成層用塗布液を用いた以外は、熱転写材料Wの作製と同様にして、熱転写材料Cを作製した。得られた熱転写材料Cの画像形成層の層厚は、0.45μmであった。
[シアン顔料分散母液組成]
シアン顔料組成1:
・ポリビニルブチラール 12.6部
(「エスレックB BL‐SH」、積水化学工業(株)製)
・Pigment Blue(ピグメントブルー) 15:4 15.0部
(C.I.No.74160)
(「Cyanine Blue(シアニンブルー) 700−10FG」、東洋インキ製造(株)製)
・顔料分散剤 0.8部
(「PW−36」、楠本化成(株)製)
・n−プロピルアルコール 110部
[シアン顔料分散母液組成]
シアン顔料組成2:
・ポリビニルブチラール 12.6部
(「エスレックB BL‐SH」、積水化学工業(株)製)
・Pigment Blue(ピグメントブルー) 15 15.0部
(C.I.No.74160)
(「Lionol Blue(リオノールブルー) 7027」、東洋インキ製造(株)製)
・顔料分散剤 0.8部(「PW−36」、楠本化成(株)製)
・n−プロピルアルコール 110部
[シアン画像形成層用塗布液組成]
・上記シアン顔料分散母液 118部
シアン顔料組成1:シアン顔料組成2=90:10(部)
・ポリビニルブチラール 5.2部
(「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製)
・無機顔料「MEK−ST」 1.3部
・ワックス系化合物
(ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.0部
(ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.0部
(ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.0部
(パルミチン酸アミド「ダイヤミンドKP」、日本化成(株)製) 1.0部
(エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」(日本化成(株)製) 1.0部
(オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.0部
・ロジン 2.8部
(「KE−311」、荒川化学(株)製)
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 1.7部
(「NKエステル A−TMMT」、新中村化学(株)製)
・界面活性剤 1.7部
(「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製)
・n−プロピルアルコール 890部
・メチルエチルケトン 247部
得られた画像形成層の物性は以下のようであった。
画像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g以上が好ましく、具体的には200g以上であった。
表面のスムースター値は23℃、55%RHで0.5〜50mmHg(≒0.0665〜6.65kPa)が好ましく、具体的には7.0mmHg(≒0.93kPa)であった。
表面の静止摩擦係数は0.2以下が好ましく、具体的には0.08であった。
表面エネルギーは25mJ/m2であった。水の接触角は98.8°であった。
露光面の光強度が1000W/mm2以上のレーザー光で1m/sec以上の線速度で記録した時の光熱変換層の変形率は165%であった。
−熱転写材料Kの作製−
上記熱転写材料Wの作製において、ホワイト画像形成層用塗布液の代わりに、下記組成のブラック画像形成層用塗布液を用いた以外は、熱転写材料Wの作製と同様にして、熱転写材料Kを作製した。得られた熱転写材料Kの画像形成層の層厚は、0.60μmであった。
[ブラック画像形成層用塗布液の調製]
下記の各成分を、ニーダーのミルに入れ、少量の溶剤を添加しつつ剪断力を加え、分散前処理を行った。その分散物に、更に溶剤を加えて、最終的に下記組成となるように調製し、サンドミル分散を2時間行い、顔料分散母液を得た。
[ブラック顔料分散母液組成]
組成1
・ポリビニルブチラール 12.6部
(「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製)
・Pigment Black(ピグメントブラック) 7 4.5部
(カーボンブラック C.I.No.77266)
(「三菱カーボンブラック #5」、三菱化学(株)製、PVC黒度:1)
・分散助剤 0.8部
(「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製)
・n−プロピルアルコール 79.4部
組成2
・ポリビニルブチラール 12.6部
(「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製)
・Pigment Black(ピグメントブラック) 7 10.5部
(カーボンブラック C.I.No.77266)
(「三菱カーボンブラック MA100」、三菱化学(株)製、PVC黒度:10)
・分散助剤 0.8部
(「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製)
・n−プロピルアルコール 79.4部
次に、下記の成分をスターラーで攪拌しながら混合して、ブラック画像形成層用塗布液を調製した。
[ブラック画像形成層用塗布液組成]
・上記ブラック顔料分散母液 185.7部
組成1:組成2=70:30(部)
・ポリビニルブチラール 11.9部
(「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製)
・ワックス系化合物
(ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.7部
(ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.7部
(ラウリル酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.7部
(パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 1.7部
(エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」、日本化成(株)製) 1.7部
(オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.7部
・ロジン 11.4部
(「KE−311」、荒川化学(株)製)
(成分:樹脂酸80〜97%;樹脂酸成分:アビエチン酸30〜40%、ネオアビエチン酸10〜20%、ジヒドロアビエチン酸14%、テトラヒドロアビエチン酸14%)
・界面活性剤 2.1部
(「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製)
・無機顔料 7.1部
(「MEK−ST」、30%メチルエチルケトン溶液、日産化学(株)社製)
・n−プロピルアルコール 1050部
・メチルエチルケトン 295部
得られたブラック画像形成層用塗布液中の粒子を、レーザー散乱方式の粒度分布測定器を用いて測定したところ、平均粒径0.25μmであり、1μm以上の粒子の割合は、0.5%であった。
得られた画像形成層の物性は以下のようであった。
画像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g以上が好ましく、具体的には200g以上であった。
表面のスムースター値は9.3mmHg(1.24kPa)であった。
表面の静止摩擦係数は0.2以下が好ましく、具体的には0.08であった。
表面エネルギーは29mJ/m2であった。水の接触角は94.8°であった。反射光学濃度は1.82であり、層厚が0.60μmで、OD/層厚は3.03であった。
露光面の光強度が1000W/mm2以上のレーザー光で1m/sec以上の線速度で記録した時の光熱変換層の変形率は168%であった。
−受像材料の作製−
下記の組成のクッション層用塗布液及び受像層用塗布液を調製した。
1)クッション層用塗布液
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
(主バインダ−)
(「MPR−TSL」、日信化学(株)製)
・可塑剤 10部
(「パラプレックスG−40」、CP.HALL.COMPANY社製)
・界面活性剤(フッ素系:塗布助剤) 0.5部
(「メガファックF−177」、大日本インキ化学工業(株)製)
・帯電防止剤(4級アンモニウム塩) 0.3部
(「SAT−5 Supper(IC)」、日本純薬(株)製)
・メチルエチルケトン 60部
・トルエン 10部
・N,N−ジメチルホルムアミド 3部
2)受像層用塗布液
・ポリビニルブチラール 8部
(「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製)
・帯電防止剤 0.7部
(「サンスタット2012A」、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.1部
(「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製)
・n−プロピルアルコール 20部
・メタノール 20部
・1−メトキシ−2−プロパノール 50部
小幅塗布機を用いて、白色PET支持体(「ルミラー#130E58」、東レ(株)製、厚み130μm)上に、上記のクッション層形成用塗布液を塗布し、塗布層を乾燥し、次に受像層用塗布液を塗布し、乾燥した。乾燥後のクッション層の層厚が約20μm、受像層の層厚が約2μmとなるように塗布量を調節した。白色PET支持体はボイド含有ポリエチレンテレフタレート層(厚み:116μm、空隙率:20%)とその両面に設けた酸化チタン含有ポリエチレンテレフタレート層(厚み:7μm、酸化チタン含有量:2%)との積層体(総厚み:130μm、比重:0.8)からなるボイド含有プラスチック支持体である。作製した材料は、ロール形態で巻き取り、1週間室温で保存後、下記のレーザー光による画像記録に用いた。
得られた受像層の物性は以下のようであった。
表面粗さRaが0.4〜0.01μmが好ましく、具体的には0.02μmであった。
受像層の表面のうねりが2μm以下が好ましく、具体的には1.2μmであった。
受像層の表面のスムースター値は23℃、55%RHで0.5〜50mmHg(≒0.0665〜6.65kPa)が好ましく、具体的には0.8mmHg(≒0.11kPa)であった。
受像層表面の静止摩擦係数は0.8以下が好ましく、具体的には0.37であった。
受像層表面の表面エネルギーは29mJ/m2であった。水の接触角は85°であった。
以上の通りの熱転写材料W、Y、M、CおよびK並びに受像材料からなる多色熱転写記録材料を得、以下の転写画像の形成に用いた。
−転写画像の形成−
画像形成システムは、記録装置としてLuxel FINALPROOF 5600を用い、以下のようにして受像材料上に転写画像を得た。なお、画像サイズは515mm×728mm、画像解像度は2600dpiである。
直径1mmの真空セクション孔(3cm×8cmのエリアに1個の面密度)が開けられている直径38cmの回転ドラムに、上記で作製した受像材料(56cm×79cm)を巻き付け、真空吸着させた。次いで、61cm×84cmに切断した前記熱転写材料Kを前記受像材料から均等にはみ出すように重ね、スクイーズローラーでスクイーズさせつつ、セクション孔に空気が吸引されるように密着、積層させた。セクション孔が塞がれた状態での減圧度は、1気圧に対して−150mmHg(≒81.13kPa)であった。前記ドラムを回転させ、ドラム上での積層体の表面に、外側から波長808nmの半導体レーザー光を、光熱変換層の表面で7μmのスポットになるように集光し、回転ドラムの回転方向(主走査方向)に対して、直角方向に移動させながら(副走査)、積層体へレーザーにより画像の記録を行った。レーザー照射条件は、以下の通りである。また、本実施例で使用したレーザービームは、主走査方向に5列、副走査方向に3列の平行四辺形からなるマルチビーム2次元配列からなるレーザービームを使用した。
レーザーパワー 110mW
ドラム回転数 500rpm
副走査ピッチ 6.35μm
環境温湿度 20℃40%, 23℃50%, 26℃65%の3条件
露光ドラムの直径は360mm以上が好ましく、具体的には380mmのものを用いた。
前記熱転写材料Kを用いたレーザー記録が終了した積層体を、ドラムから取り外し、熱転写材料Kを受像材料から手で引き剥がしたところ、何れの条件も熱転写材料Kの画像形成層の光照射領域のみが、熱転写材料Kから受像材料に転写されているのが確認された。
また、上記熱転写材料Kに代えて順次熱転写材料C、M及びYを用いて像様にレーザー光を画像形成層上に照射し、照射領域を受像材料上に順次転写、積層し、所定の多色画像を受像材料上に形成し、更にこの多色画像上に熱転写材料Wのベタ記録を行った。
−透明支持体への画像及び受像層の再転写−
透明支持体(メリネックス709、帝人デュポンフィルム(株)製)と、前記画像記録された受像材料を重ね、さらにその両側をカバーシート(表面Raが0.02μm、Rzが0.15μm、受像材料との静止摩擦係数が0.27である表面処理ポリエステルシート;東洋メタライジング社製「セラピール#100S」)で挟み、さらに下側に厚み1mmのアルミ板を重ね、富士フィルム社製ラミネーター「FL760Tエクストラ」で処理し(加熱温度125℃、加圧圧力4.5N/cm)、受像材料のクッション層/受像層間で剥離し、透明支持体上に画像及び受像層を再転写した。
−熱処理−
上記で得られた、透明支持体に画像及び受像層を転写したものの両側を、上記カバーシート(セラピール#100S)で挟み、さらに下側に厚み1mmのアルミ板を重ね、富士フィルム社製ラミネーター「FL760Tエクストラ」で熱処理した(熱処理温度:120℃、熱処理圧力:20N/cm)。
(実施例2〜6)
実施例1において、熱処理条件を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様である。
(実施例7)
実施例1において、カバーシートをテイジンPSフィルム(Ra:0.49μm)に変更した以外は、実施例1と同様である。
(比較例1)
実施例1において、熱処理を実施しなかった。
(比較例2)
実施例1において、熱転写材料Wの画像形成層の酸化チタン(JR805)を酸化チタン(JR600E、アルミナ被覆)に変更した以外は、実施例1と同様である。
(比較例3)
実施例1において、熱転写材料Wの画像形成層の酸化チタン(JR805)を酸化チタン(JA1、アナターゼ型で被覆なし)に変更した以外は、実施例1と同様である。
以上の例で得られた画像につき、以下の評価を行った。
−評価方法と評価結果−
1.感度
Wベタ画像を記録し、ベタ画像がスキマなく埋まるのに必要なレーザー光の照射エネルギーを求めた。
2.光沢度の評価
熱処理後の多色画像につき評価した。グラビア印刷と近似性がある、光沢度50〜160を実用レベル(△)とした。さらに、近ましい70〜90を優レベル(○)とした。
3.隠蔽性
隠蔽率:前記方法によった。
また、下記の評価も行った。
○:パッケージ用途を想定した時に十分な隠蔽性を有する。
×:パッケージ用途を想定した時に隠蔽性が十分ではなく、透明支持体を通して反対側が透けるため好ましくない。
Figure 2006069160
3つの温湿度条件とも同様の結果が得られた。本発明用酸化チタンを用いた本発明の感度は、それを用いていない比較例2及び3の感度よりも向上していることが分かる。また、本発明の実施例は、光沢感及び隠蔽性が両立して優れる。比較例1は、本発明用酸化チタンを用いても熱処理を施していないので、光沢感が劣る。比較例2及び3は、熱処理を施しているが、酸化チタンが本発明用酸化チタンではないので感度及び隠蔽性が劣る。
本発明の実施態様の例を示す概略図である。 レーザーを用いた薄膜熱転写による画像形成の機構を示す概略図である。
符号の説明
1 アルミガイド板
2 カバーシート
2' カバーシート
3 最終転写媒体の透明支持体
4 易接着層
5 離型紙
6 易接着層付き離型紙
7 透明支持体上に易接着層を有する最終転写媒体
8 画像が転写された最終転写媒体
9 ヒートローラー
9' ヒートローラー
10 熱転写材料
12 支持体
14 光熱変換層
16 画像形成層
16' レーザー光被照射領域
20 受像材料
22 受像材料用支持体
23 クッション層
24 受像層
25 画像
30〜33 積層体

Claims (6)

  1. 粒子表面にアルミナとシリカを有する酸化チタンを含む画像が受像層上に記録された受像材料を最終転写媒体と対面させて、前記画像と受像層を最終転写媒体上に転写する工程、次いで転写された画像と受像層を熱処理する工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記熱処理前後で光沢度が、20〜100増加することを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  3. 前記熱処理時に、表面粗さRaが0.001〜0.2μmの面を受像層と接触させることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成方法。
  4. 前記熱処理は、80〜150℃にて、10〜50N/cmで加圧することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の画像形成方法。
  5. 前記最終転写媒体のベック平滑度が50秒以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像形成方法。
  6. 前記最終転写媒体は透明支持体であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の画像形成方法。
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