JP2005096361A - レーザー熱転写記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本来の顔料色材のもつ鮮明な色相、つまり印刷物と同等の色相を提供でき、かつ画像形成後の色相の変化が小さく、かつ高感度が得られ、パッケージ、印刷用カラープルーフに用いることができるレーザー熱転写記録材料の提供。
【解決手段】 レーザー熱転写記録材料において、光熱変換層のレーザー光のピーク波長における吸光度Aと光熱変換層の層厚X(μm)の比が、A/X=2.5〜3.2であり、かつ前記吸光度Aが1.0〜2.0であることを特徴とするレーザー熱転写記録材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、レーザー熱転写記録材料に関し、特にレーザー光を用いて高解像度のフルカラー画像を形成する多色画像形成材料に関する。特に、本発明はデジタル画像信号からレーザー記録により、印刷分野におけるカラープルーフ(DDCP:ダイレクト・ディジタル・カラープルーフ)、あるいはマスク画像を作製するのに有用な多色画像形成材料に関する。
グラフィックアート分野では、一般に、本印刷(実際の印刷作業)の前に色分解工程での誤りや色補正の必要性等をチェックするために、色分解フィルムからカラープルーフを作製している。カラープルーフには、中間調画像の高再現性を可能とする高解像力の実現や、高い工程安定性等の性能が望まれている。また、実際の印刷物に近似したカラープルーフを得るために、カラープルーフに使用される材料としては、実際の印刷物に使用される基材や色材としての顔料を用いることが好ましい。また、カラープルーフの作製方法としては、現像液を用いない乾式の方法の要望が高い。
乾式のカラープルーフ作製法として、印刷前工程(プリプレス分野)における電子化システムの普及に伴い、デジタル信号から直接カラープルーフを作製する記録システムが開発されている。このような電子化システムは、特に高画質のカラープルーフを作製するのが目的であり、一般的には、150線/インチ以上の網点画像を再現する。デジタル信号から高画質のプルーフを記録するためには、デジタル信号により変調可能で、かつ記録光を細く絞り込むことが可能なレーザー光を記録ヘッドとして用いる。このため、レーザー光に対して高い記録感度を示し、かつ、高精細な網点を再現可能にする高解像力を示す記録材料の開発が必要となる。
レーザー光を利用した転写画像形成方法に用いられる記録材料としては、支持体上に、レーザー光を吸収して熱を発生する光熱変換層、及び顔料が熱溶融性のワックス、バインダー等の成分中に分散された画像形成層をこの順に有する熱溶融転写シート(特許文献1)や、支持体上に、光熱変換物質を含む光熱変換層、非常に薄層(0.03〜0.3μm)の熱剥離層、色材を含む画像形成層がこの順に設けられたアブレ−ション方式の熱転写シートが開示されている(特許文献2)。
これらの画像形成方法は、受像材料として受像層(接着層)を付設した被転写体を用いることができること、色の異なる画像を次々と受像材料上に転写することによって多色画像が容易に得られること等の利点を有し、さらにはA 2、B2等の大サイズのカラープルーフ(DDCP:ダイレクト・ディジタル・カラープルーフ)を作製するのに有用である。
レーザー光で画像記録をする際に、光熱変換物質として光熱変換層に含まれる赤外吸収色素や赤外吸収色素の分解物が画像形成層に移行し、転写した画像形成層の色が元々の画像形成層の色と異なってしまう場合がある。特にパッケ−ジ分野で使用されるホワイト画像形成層においてはその着色が目立ってしまい、商品価値を著しく損ねてしまう。
そのため光熱変換物質に熱分解しないカーボンブラックを用いることがあった。しかしカーボンブラックを用いた場合、感度が十分に得られないことや、カーボンブラックを含む光熱変換層が熱により破壊された場合、カーボンブラックが記録画像に転写してしまい画像の色相を変化させてしまう問題もあった。そこで、光熱変換物質に赤外線吸収色素等の有機色素を用いながらも着色を最小にし、高感度も得られる手段が望まれていた。
特開平5−58045号公報 特開平6−219052号公報
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、1)熱転写材料は本来の顔料色材のもつ鮮明な色相、つまり印刷物と同等の色相を提供すること、2)画像形成後の色相の変化が小さく、かつ高感度が得られること、3)アート(コート)紙、マット紙、微塗工紙等の本紙またはパッケージに用いる透明プラスチックフィルム等への転写可能、微妙な質感描写や正確な白(ハイキー部)再現が出来ること、4)マルチビームであるレーザー光により、高エネルギーでレーザー記録した場合も、画質が良好であり、安定した転写濃度の画像を受像材料上に形成し得ること。
即ち、前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1)レーザー熱転写記録材料において、光熱変換層のレーザー光のピーク波長における吸光度Aと光熱変換層の層厚X(μm)の比が、A/X=2.5〜3.2であり、かつ前記吸光度Aが1.0〜2.0であることを特徴とするレーザー熱転写記録材料。
3)前記光熱変換層中に、下記の一般式(1)で表される赤外線吸収色素を含有することを特徴とする上記1)記載のレーザー熱転写記録材料。
Figure 2005096361

(一般式(1)中:
Zは、ベンゼン環、ナフタレン環又は複素芳香族環を形成するための原子団を表す。
Tは、−O−、−S−、−Se−、−N(R1)−、−C(R2)(R3)−、または−C(R4)=C(R5)−を表す。ここで、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、アシル基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、またはスルホンアミド基を表す。
Lは、5個または7個のメチン基が共役二重結合によって連結されて生じる3価の連結基を表す。
Mは、2価の連結基を表す。
+は、陽イオンを表す。)
3)前記赤外線吸収色素が式(2)で表されることを特徴とする上記2)記載のレーザー熱転写記録材料。
Figure 2005096361
4)前記画像形成層中に、ホワイト顔料として酸化チタン(TiO2)を含むことを特徴とする上記1)〜3)の何れかに記載のレーザー熱転写記録材料。
本発明は、光熱変換層の吸光度Aと光熱変換層厚X(μm)の比(A/X)及び該吸光度Aを特定の範囲にすることにより、光熱変換色素の分解物による画像形成層の着色を最小限に抑えることとができ、かつ記録時の感度が高く、画質も良好な状態にすることができる。
本発明では、ホワイト顔料を画像形成層に含む熱転写材料を白地に用いると、受像層上に形成されたその他の色の熱転写材料による多色画像を透明プラスチックフィルムへ転写したときに、形成された白地上での多色画像が、鮮明かつ本来の色相が見え、パッケージとして有効な多色画像形成材料を提供することができる。
本発明のレーザー熱転写記録材料は、レーザー熱転写型多色画像形成材料を構成することができる。レーザー熱転写型多色画像形成材料は、少なくとも1色の熱転写材料の光熱変換層において、レーザー光のピーク波長における吸光度Aと光熱変換層の層厚X(μm)の比を、A/X=2.5〜3.2、好ましくは2.8〜3.1に制御すると共に前記吸光度Aを1.0〜2.0、好ましくは1.3〜1.75とすることを特徴とし、このことにより上記効果を奏することができる。
該吸光度Aは、記録するに際して、使用するレーザー光のピーク波長における光熱変換層の吸光度を言い、公知の分光光度計を用いて測定を行うことができる。本発明では、(株)島津製作所製UV−分光光度計UV−240を用いた。また、上記吸光度Aは支持体込みのものから支持体単独の値を差し引いた値とする。
また、A/Xを上記範囲とすることにより、転写画像の解像度を好ましくは2400dpi以上、更に好ましくは2600dpi以上の解像度で515mm以上×728mm以上のように大サイズで画像を記録することができる。
本発明の多色画像形成材料は、少なくとも互いに色の異なる画像形成層を有した2種の熱転写材料と受像材料から構成できる。互いに色の異なる画像形成層を有した熱転写材料は、好ましくは3種以上、更に好ましくは5種以上であり、3種の場合の画像形成層の色は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)であり、5種の場合の画像形成層の色は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)及びホワイト(W)であることが好ましい。熱転写材料としては、他にプロセスカラーの組み合わせでは表現できない色、例えば、グリーン(G)、オレンジ(O)、レッド(R)、ブルー(B)、ゴールド(Go)、シルバー(S)、ピンク(P)等を含んでもよい。
そして、本発明はそれら色の少なくとも1色の熱転写材料のA/X及びAが上記範囲であることが好ましく、かつ光熱変換層は光熱変換物質として赤外線吸収色素を含むことが好ましく、特に前記一般式(1)で表される赤外線吸収色素を含むことが好ましい。この場合、熱転写材料の画像形成層の色は、酸化チタンをホワイト顔料の主成分としたホワイト(W)であることが好ましい。
ホワイトを呈する画像形成層は、少なくとも酸化チタンを含有し、その画像形成層の記録画像のベタ部をビジュアル(Visual)フィルターで測定した時の反射光学濃度(反射OD)が0.6以下であることが好ましく、0.4以下であることが更に好ましい。この反射ODは、透明被転写体に記録されたベタ画像をブラックバッキング上で測定したもので、例えば、X−rite938により測定される。尚、反射ODが小さい程、ホワイトが濃い、即ち、被転写物上に形成した画像を通して不要な色が見え難く、熱転写による画像のみを鮮明に見ることができるという隠蔽性が高いことになる。
ホワイトを呈する画像形成層は、酸化チタンのみを含有してもよいし、その他の顔料を併用してもよい。併用される顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられ、中でも酸化チタンが好ましく、特にルチル型が好ましい。
画像形成層に用いられるルチル型酸化チタンの質量平均粒子径は、0.2〜0.35μmが好ましく、0.27〜0.32μmが更に好ましい。
本発明の多色画像形成材料に用いる少なくとも1色の熱転写材料の画像形成層、特にホワイト用画像形成層の層厚は、2.0μm以下であることが好ましく、1.8μm以下であることが更に好ましい。
本発明のレーザー熱転写型多色画像形成材料を用いた多色画像形成方法は、熱転写材料の画像形成層と受像材料の受像層とを対向して重ね合わせ、レーザー光を照射して、画像形成層のレーザー光照射領域を受像材料の受像層上へ転写して画像記録する工程を有する。
該画像記録する工程では、熱転写材料の使用順序は、特に制限はないが、W用熱転写材料を用い、かつ透明被転写体に多色画像を形成する場合には、W用熱転写材料を最後に用いることにより、受像層上に順じW色以外の色画像を重ね最上層にW色ベタ画像を設けることにより、該最上層と透明被転写体とを重ね合わせて受像層と共に多色画像を透明被転写体へ再転写できるので鮮明な多色画像を見ることができるため好ましい。
ところで、このようにして形成された熱転写画像は、ドット形状がシャープなので、微細文字の細線がきれよく再現できる。レーザー光により発生した熱が、面方向に拡散ぜずに転写界面まで伝えられ、加熱部/非加熱部の界面で画像形成層がシャープに破断する。このために、熱転写材料における光熱変換層の薄膜化と画像形成層の力学特性を制御する。
シミュレーションでは、光熱変換層は瞬間的に約700℃に達すると推定され、膜が薄いと変形や破壊がおこりやすい。変形・破壊が起こると光熱変換層が転写層とともに受像材料に転写したり、転写像が不均一になるという実害を生じる。一方、所定の温度を得るには膜中に光熱変換物質を高濃度に存在させねばならず、色素の析出や隣接層への移行といった問題も発生する。
このため、光熱変換特性の優れた赤外吸収色素及びポリイミド系などの耐熱性バインダーを選定することにより、光熱変換層を約1.0μm以下に薄膜化することが好ましい。
また、一般的には、光熱変換層の変形が起こったり、または画像形成層そのものが高熱により変形すると、受像層に転写した画像形成層はレーザー光の副走査パターンに対応した厚みムラを生じ、そのため画像が不均一になり見かけの転写濃度が低下する。この傾向は画像形成層の厚みが薄いほど顕著である。一方、画像形成層の厚みが厚いとドットのシャープさが損なわれかつ感度も低下する。
この相反する性能を両立させるために、ワックス等の低融点物質を画像形成層に添加することより転写ムラを改良することが好ましい。また、バインダーの代わりに無機微粒子を添加することにより層厚を適正に上げることで、加熱部/非加熱部の界面で画像形成層がシャープに破断するようにし、ドットのシャープさ・感度を保ちつつ転写ムラを改良することができる。
また、一般に、熱転写材料の塗布層が吸湿することで層の力学物性と熱物性が変化し、記録環境の湿度依存性が生じる。
この温湿度依存性を少なくするためは、光熱変換層の色素/バインダー系、および画像形成層のバインダー系を有機溶剤系にすることが好ましい。
そして、印画時の高熱により、赤外吸収色素が光熱変換層から画像形成層に移行すると、色相が変化してしまうのを防止するために、前述したように保持力の強い赤外吸収色素/バインダーの組み合わせで光熱変換層を設計することが好ましい。
受像材料と熱転写材料は、真空密着によりドラム上に保持されることが好ましい。この真空密着は両材料の接着力制御により画像を形成しているため受像材料の受像層面と転写材料の画像形成層面のクリアランスに画像転写挙動が非常に敏感なので重要である。ゴミ等異物のきっかけで材料間のクリアランスが広がってしまうと画像欠陥や画像転写ムラが生じてしまう。
このような画像欠陥や画像転写ムラを防止するには、熱転写材料または受像材料に均一な凹凸をつけることで、エアーのとおりをよくし均一なクリアランスを得ることが好ましい。
凹凸をつける方法としては、一般にエンボス処理等の後処理、塗布層へのマット剤添加があるが、製造工程簡略化、材料の経時安定化のためにマット剤添加が好ましい。
これまで述べたようなシャープなドットを確実に再現するため、記録装置側も高精度な設計が要求される。具体的には特開2002−337468号公報の段落(0027)に記載のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
次に、レーザーを用いた薄膜熱転写による多色画像形成の機構の概略を図1を用いて説明する。
熱転写材料10の画像形成層16の表面に、受像材料20を積層した画像形成用積層体30を用意する。熱転写材料10は、支持体12と、その上に、光熱変換層14、及び更にその上に、画像形成層16を有し、受像材料20は、支持体22と、その上に、受像層24を有し、熱転写材料10の画像形成層16の表面には、受像層24が接触するように積層される(図1(a))。その積層体30の熱転写材料10の支持体12側から、レーザー光を画像様に時系列的に照射すると、熱転写材料10の光熱変換層14のレーザー光被照射領域が発熱し、画像形成層16との密着力が低下する(図1(b))。その後、受像材料20と熱転写材料10とを剥離すると、画像形成層16のレーザー光被照射領域16’が、受像材料20の受像層24上に転写される(図1(c))。
前記レーザー光の照射に使われるレーザーヘッドは、2本以上のレーザービームを同時に照射するマルチビームレーザーであることが好ましい。
光照射に用いられるレーザー光の種類、強度、ビ−ム径、パワ−、走査速度等は、具体的には以下のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
使用されるレーザー光は、アルゴンイオンレーザ光、ヘリウムネオンレーザ光、ヘリウムカドミウムレーザ光等のガスレーザ光、YAGレーザー光等の固体レーザー光、半導体レーザー光、色素レーザー光、エキシマレーザ光等の直接的なレーザー光が利用される。あるいは、これらのレーザー光を二次高調波素子を通して、半分の波長に変換した光等も用いることができる。多色画像形成方法においては、出力パワーや変調のし易さ等を考慮すると、半導体レーザー光を用いることが好ましい。多色画像形成方法では、レーザー光は、光熱変換層上でのビーム径が5〜50μm(特に6〜30μm)の範囲となるような条件で照射することが好ましく、また走査速度は1m/秒以上(特に3m/秒以上)とすることが好ましい。
多色画像を形成する方法としては、前述したように複数の熱転写材料を用いて、同一の受像材料上に多数の画像層(画像が形成された画像形成層)を繰返し重ね合せて多色画像を形成してもよく、複数の受像材料の受像層上に一旦画像を形成した後、被転写体へ再転写することにより、多色画像を形成してもよい。
レーザー光照射を用いる熱転写記録は、レーザービームを熱に変換しその熱エネルギーを利用して顔料を含む画像形成層を受像材料に転写し、受像材料上に画像を形成し得るものであれば、転写時の顔料、色素乃至画像形成層の状態変化は、特に問わず、固体状態、軟化状態、液体状態、気体状態のいずれの状態をも包含するが、好ましくは固体乃至軟化状態である。レーザー光照射を用いる熱転写記録は、例えば、従来から知られる溶融型転写、アブレーションによる転写、昇華型転写等も包含される。
中でも前述の薄膜転写型、溶融・アブレーション型は印刷に類似した色相の画像を作成するという点で好ましい。
また、記録装置で画像を印刷された受像材料を、被転写体に転写する工程を行うため、通常、熱転写装置を使用する。受像材料と被転写体を重ねて熱と圧力をかけると両者が接着し、その後、被転写体から受像材料を引き剥がすと、画像を含んだ受像層だけが被転写体上に残る。
以上の装置を、製版システム上に接続することによって、カラープルーフとしての機能を発揮できるシステムが構築されることになる。システムとしては、ある製版データから出力される印刷物と限りなく近い画質のプリント物が、上記記録装置から出力される必要がある。そこで、色や網点を印刷物と近づけるためのソフトウェアが必要である。具体的なシステム接続としては例えば特開2002−337468号公報の段落(0049)に記載されるものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
以下に、上記システムの記録装置に好適に用いられる熱転写材料及び受像材料について説明する。
[熱転写材料]
熱転写材料は、支持体上に、少なくとも光熱変換層及び画像形成層を有し、更に必要に応じて、その他の層を有してなる。
(支持体)
熱転写材料の支持体の材料には特に限定はなく、各種の支持体材料を目的に応じて用いることができる。具体的には特開2002−337468号公報の段落(0051)に記載にものが用いられるがこれらに限定されるものではない。
熱転写材料の支持体には、その上に設けられる光熱変換層との密着性を向上させるために、表面活性化処理及び/又は一層又は二層以上の下塗層の付設を行ってもよい。表面活性化処理の例としては、グロー放電処理、コロナ放電処理等を挙げることができる。下塗層の材料としては、支持体と光熱変換層の両表面に高い接着性を示し、かつ熱伝導性が小さく、また耐熱性に優れたものであることが好ましい。そのような下塗層の材料の例としては、スチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ゼラチン等を挙げることができる。下塗層全体の厚さは通常0.01〜2μmである。また、熱転写材料の光熱変換層付設側とは反対側の表面には、必要に応じて、反射防止層や帯電防止層等の各種の機能層の付設、あるいは表面処理を行うこともできる。具体的には特開2002−337468号公報の段落(0053)に記載されているバック層を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
(光熱変換層)
光熱変換層は、光熱変換物質、バインダー、及び必要に応じてマット剤を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
光熱変換物質は、照射される光エネルギーを熱エネルギーに変換する機能を有する物質である。一般的には、レーザー光を吸収することのできる色素(顔料を含む。以下、同様である。)である。赤外線レーザーにより画像記録を行う場合は、光熱変換物質としては、赤外線吸収色素を用いるのが好ましい。前記色素の例としては、カーボンブラック等の黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニン等の可視から近赤外域に吸収を有する大環状化合物の顔料、光ディスク等の高密度レーザー記録のレーザー吸収材料として使用される有機染料(インドレニン染料等のシアニン染料、アントラキノン系染料、アズレン系色素、フタロシアニン系染料)、及びジチオールニッケル錯体等の有機金属化合物色素を挙げることができる。中でも、シアニン系色素は、赤外線領域の光に対して、高い吸光係数を示すので、光熱変換物質として使用すると、光熱変換層を薄層化することができ、その結果、熱転写材料の記録感度をより向上させることができるので好ましい。
光熱変換物質として、優れた耐熱性を有し、塗布液が経時しても分解することなく吸光度が低下しないことから、前記一般式(1)で表される赤外線吸収色素が極めて好ましく、特にポリアミドイミド樹脂と組み合わせると有効である。
式(1)中、Zによって完成される環の例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、キノリン環、ピラジン環、キノキサリン環等を挙げることができる。また、Z上には、更に他の置換基R6を結合させてもよい。このような置換基R6としては、例えば、アルキル基、アリール基、複素環残基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボン酸基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、シアノ基、ニトロ基等の種々の置換基を挙げることができる。そして、Z上に結合される上記置換基の数(p)は、通常、0又は1〜4程度が好ましい。尚、pが2以上であるとき、複数のR6は互いに同じものであっても異なるものであってもよい。
6で表される置換基の中でも、ハロゲン原子(例えば、F、Cl等)、シアノ基、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ドデシルオキシ基、メトキシエトキシ基等)、炭素原子数6〜20の置換若しくは非置換のフェノキシ基(例えば、フェノキシ基、3,5−ジクロロフェノキシ基、2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ基等)、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソブチル基、t−ペンチル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基等)、炭素原子数6〜20の置換若しくは非置換のフェニル基(例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基等)等が好ましい。
前記一般式(1)において、Tは、−O−、−S−、−Se−、−N(R1)−、−C(R2)(R3)−、又は−C(R4)=C(R5)−を表す。この場合、R1、R2、R3、R4及びR5で表される基としては、置換若しくは非置換の、アルキル基、アリール基及びアルケニル基が好ましく、特にアルキル基が好ましい。R1〜R5 で表される基の炭素原子数は1〜30が好ましく、特に1〜20が好ましい。
また、これらR1〜R5で表される基が更に置換基を有する場合には、置換基としては、スルホン酸基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルアミド基、アルキルスルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノ基、アルキルカルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル基、アリール基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基等が好ましい。
これらの置換基の中でも、ハロゲン原子(例えば、F、Cl等)、シアノ基、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ドデシルオキシ基、メトキシエトキシ基等)、炭素原子数6〜20の置換若しくは非置換のフェノキシ基(例えば、フェノキシ基、3,5−ジ−クロロフェノキシ基、2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ基等)、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソブチル基、t−ペンチル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基等)又は炭素原子数6〜20の置換若しくは非置換のフェニル基(例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基等)が特に好ましい。R1〜R5としては、炭素原子数1〜8の非置換アルキル基が最も好ましく、Tとしては、−C(CH32−が特に好ましい。
一般式(1)中のLは、5個若しくは7個のメチン基が共役二重結合によって連結されて生じる3価の連結基を表し、置換されていてもよい。即ち、Lは、メチン基が共役二重結合で連結されて生じるペンタメチン基、或いはヘプタメチン基等を表すが、具体的には下記(L−1)〜(L−6)で表される基が好ましい。
Figure 2005096361
上記具体例の中でも、(L−2)、(L−3)、(L−4)、(L−5)及び(L−6)として例示されるトリカルボシアニンを形成する連結基が特に好ましい。上記式(L−1)〜(L−6)において、Yは、水素原子又は1価の基を表す。Yで表される1価の基としては、低級アルキル基(メチル基等)、低級アルコキシ基(メトキシ基等)、置換アミノ基(ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、モルホリノ基、イミダゾリジン基、エトキシカルボニルピペラジン基等)、アルキルカルボニルオキシ基(アセトキシ基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基等)、ジアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(Br、Cl、F等)等が好ましい。
Yで表される基のうち特に好ましいものは水素原子であり、R7及びR8のうち特に好ましいものは、それぞれ水素原子又は低級アルキル基(メチル基等)である。また、前記(L−4)〜(L−6)において、iは1又は2であり、jは0又は1である。Mは、2価の連結基を表し、好ましくは置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキレン基を表す。例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられる。
一般式(1)の中で、X+で表される陽イオンとしては、例えば、金属イオン(Na+、K+)、アンモニウムイオン(例えば、HN+(C253で表されるイオン等)、ピリジニウムイオン等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、下記に示す化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
Figure 2005096361
Figure 2005096361
Figure 2005096361
上記一般式(1)で表される化合物は、通常、カルボシアニン色素を合成する場合と同様にして、容易に合成することができる。即ち、ヘテロ環エナミンを、CH3O−CH=CH−CH=CH−CH(OCH32等のアセタール類あるいはPhN−CH−(CH−CH)−NHPhで表される化合物等と反応させることによって容易に合成することができる。ここでPhはフェニル基を表す。また、これらの化合物の合成方法については、具体的には、特開平5−116450号公報の記載等も参照することができる。
光熱変換物質としては、色素以外にも、黒化銀等の粒子状の金属材料等、無機材料を用いることもできる。
光熱変換層に含有されるバインダーとしては、たとえば特開2002−337468号公報の段落(0062)に記載されているものが好ましく、特にポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂が好ましい。
光熱変換層に含有されるマット粒子としては、たとえば特開2002−337468号公報の段落(0074)に記載されているものが好ましく、特にシリカ、シリコーン樹脂粒子が好ましい。
マット剤の粒径は、通常、0.3〜30μmであり、好ましくは0.5〜20μmであり、添加量は0.1〜100mg/m2が好ましい。
光熱変換層には、更に必要に応じて、界面活性剤、増粘剤、帯電防止剤等が添加されてもよい。
光熱変換層は、光熱変換物質とバインダーとを溶解し、これに必要に応じてマット剤及びその他の成分を添加した塗布液を調製し、これを支持体上に塗布し、乾燥することにより設けることができる。
光熱変換層の層厚Xは、A/Xの関係から0.3〜0.8μmであるのが好ましい。
(画像形成層)
画像形成層は、受像材料に転写されて画像を形成するための顔料およびバインダーを少なくとも含有し、更にその他の成分を含有することができる。
顔料は一般に有機顔料と無機顔料とに大別され、前者は特に塗膜の透明性に優れ、後者は一般に隠蔽性に優れる等の特性を有しているので、用途に応じて、適宜選択すればよい。前記熱転写材料を印刷色校正用に用いる場合には、印刷インキに一般に使用されるイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックと一致するか、あるいは色調が近い有機顔料が好適に使用される。具体的には特開2002−337468号公報の段落(0080)記載のものが用いられるがこれらに限定されるものではない。またパ−ケ−ジ分野では、前記のようにホワイトインキに対応する無機顔料も使用することができる。その他にも、メタリック色調のための金属粉、蛍光顔料等も用いる場合がある。
前記顔料の平均粒径としては、0.03〜1μmが好ましく、0.05〜0.5μmがより好ましい。
画像形成層のバインダーとしては、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0085)記載のものが用いられるがこれらに限定されるものではない。
前記画像形成層は、以下の(1)〜(3)の成分を含有することができる。
(1)ワックス類
ワックス類としては、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0087)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
(2)可塑剤
可塑剤としては、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0090)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
(3)その他
画像形成層は、更に、上記の成分の他に、界面活性剤、無機あるいは有機微粒子(金属粉、シリカゲル等)、オイル類(アマニ油、鉱油等)、増粘剤、帯電防止剤等を含有してもよい。
画像形成層は、顔料と前記バインダー等とを溶解又は分散した塗布液を調製し、これを光熱変換層上(光熱変換層上に下記感熱剥離層が設けられている場合は、該層上)に塗布し、乾燥することにより設けることができる。
前記熱転写材料の光熱変換層の上には、光熱変換層で発生した熱の作用により気体を発生するか、付着水等を放出し、これにより光熱変換層と画像形成層との間の接合強度を弱める感熱材料を含む感熱剥離層を設けることができる。そのような感熱材料としては、それ自身が熱により分解若しくは変質して気体を発生する化合物(ポリマー又は低分子化合物)、水分等の易気化性気体を相当量吸収若しくは吸着している化合物(ポリマー又は低分子化合物)等を用いることができる。これらは併用してもよい。
熱により分解若しくは変質して気体を発生するポリマーの例としては、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0097)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
感熱剥離層の感熱材料として低分子化合物を用いる場合には、バインダーと組み合わせることが望ましい。バインダーとしては、上記のそれ自身が熱により分解若しくは変質して気体を発生するポリマーを用いることもできるが、そのような性質を持たない通常のバインダーを使用することもできる。感熱剥離層は、光熱変換層を、そのほぼ全面にわたって被覆していることが望ましく、その厚さは一般に0.03〜1μmであり、0.05〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。
尚、前記熱転写材料には、独立した感熱剥離層を設ける代わりに、前記の感熱材料を光熱変換層用塗布液に添加して光熱変換層を形成し、光熱変換層と感熱剥離層とを兼ねるような構成とすることもできる。
次に前記熱転写材料と組み合わされて使用され得る受像材料について説明する。
[受像材料]
(層構成)
受像材料は、通常、支持体と、その上に、1以上の受像層が設けられ、所望により、支持体と受像層との間にクッション層、剥離層、及び中間層のいずれか1層又は2層以上を設けた構成である。また、支持体の受像層とは反対側の面に、バック層を有すると、搬送性の点で好ましい。
(支持体)
支持体としては、特に制限はなく、プラスチック、金属、ガラス、樹脂コート紙、紙、及び各種複合体等のような通常のシート状の基材等が挙げられる。具体的には特開2002−337468号公報の段落(0102)に記載のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
受像材料の支持体の厚さは、通常10〜400μmであり、25〜200μmであるのが好ましい。また、支持体の表面は、受像層(あるいはクッション層)との密着性、又は熱転写材料の画像形成層との密着性を高めるために、コロナ放電処理、グロー放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
(受像層)
受像材料の表面には、画像形成層を転写し、これを固定するために、支持体上に、受像層を1層以上設けることが好ましい。受像層は具体的には特開2002−337468号公報の段落(0106)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
(その他の層)
支持体と受像層との間に、クッション層を設けてもよい。クッション層を設けると、レーザー熱転写時に画像形成層と、受像層の密着性を向上させ、画質を向上させることができる。また、記録時、熱転写材料と受像材料の間に異物が混入しても、クッション層の変形作用により、受像層と画像形成層の空隙が小さくなり、結果として白ヌケ等の画像欠陥サイズを小さくすることもできる。更に、画像を転写形成した後、これを別に用意した被転写体に転写する場合、紙凹凸表面に応じて受像表面が変形するため、受像層の転写性を向上することができ、また被転写物の光沢を低下させることによって、印刷物との近似性も向上させることができる。
クッション層は、具体的には特開2002−337468号公報の段落(0112)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
受像層とクッション層はレーザー記録の段階までは接着している必要があるが、画像を被転写体に転写するために、剥離可能に設けられていることが好ましい。剥離を容易にするためには、クッション層と受像層の間に剥離層を厚み0.1〜2μm程度で設けることも好ましい。層厚が大きすぎるとクッション層の性能が現われ難くなるため、剥離層の種類により調整することが必要である。
剥離層は具体的には特開2002−337468号公報の段落(0114)に記載されているものを用いるが、これらに限定されるものではない。
前記熱転写材料と組み合わされる受像材料は、受像層がクッション層を兼ねた構成であってもよく、その場合は、受像材料は、支持体/クッション性受像層、あるいは支持体/下塗り層/クッション性受像層の構成であってもよい。この場合も、被転写体への再転写が可能なようにクッション性受像層が剥離可能に設けられていることが好ましい。この場合、被転写体へ再転写後の画像は光沢に優れた画像となる。
尚、クッション性受像層の厚みは5〜100μm、好ましくは10〜40μmである。
また、受像材料には、支持体の受像層が設けられている面とは反対側の面に、バック層を設けると、受像材料の搬送性が良化するので好ましい。前記バック層には、界面活性剤や酸化錫微粒子等による帯電防止剤、酸化珪素、PMMA粒子等によるマット剤を添加すると、記録装置内での搬送性を良化させる点で好ましい。
前記添加剤はバック層のみならず、必要によって受像層その他の層に添加することもできる。添加剤の種類についてはその目的により一概には規定できないが、例えば、マット剤の場合、平均粒径0.5〜10μmの粒子を層中、0.5〜80%程度添加することができる。帯電防止剤としては、層の表面抵抗が23℃、50%RHの条件で1012Ω以下、より好ましくは109Ω以下となるように、各種界面活性剤、導電剤の中から適宜選択して用いることができる。
バック層には具体的には特開2002−337468号公報の段落(0119)に記載のものが用いられるがこれらに限定されるものではない。
前記熱転写材料と前記受像材料は、熱転写材料の画像形成層と受像材料の受像層とを重ね合わせた積層体として、画像形成に利用され得る。
熱転写材料と受像材料との積層体は、各種の方法によって形成することができる。例えば、熱転写材料の画像形成層と受像材料の受像層とを重ねて、加圧加熱ローラに通すことによって容易に得ることができる。この場合の加熱温度は160℃以下、もしくは130℃以下が好ましい。
積層体を得る別の方法として、前述した真空密着法も好適に用いられる。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。尚、文中で特に断りのない限り「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
−熱転写材料W(ホワイト)の作製−
[バック層の形成]
[バック第1層塗布液の調製]
アクリル樹脂の水分散液 2部
(ジュリマーET410、固形分20質量%、日本純薬(株)製)
帯電防止剤(酸化スズ−酸化アンチモンの水分散物) 7.0部
(平均粒径:0.1μm、17質量%)
ポリオキシエチレンフェニルエーテル 0.1部
メラミン化合物 0.3部
(スミチックスレジンM−3、住友化学工業(株)製)
蒸留水 合計が100部になるよう調製した
[バック第1層の形成]
厚さ75μmの2軸延伸したポリエチレンテレフタレート支持体(両面のRaは0.01μm)の一方の面(裏面)にコロナ処理を施し、バック第1層塗布液を乾燥層厚みが0.03μmになるよう塗布した後180℃で30秒間乾燥して、バック第1層を形成した。
[バック第2層塗布液の調製]
ポリオレフィン 3.0部
(ケミパールS−120、27質量%、三井石油化学(株)製)
帯電防止剤(酸化スズ−酸化アンチモンの水分散物) 2.0部
(平均粒径:0.1μm、17質量%)
コロイダルシリカ 2.0部
(スノーテックスC、20質量%、日産化学(株)製)
エポキシ化合物 0.3部
(ディナコールEX−614B、ナガセ化成(株)製)
蒸留水 合計が100部になるよう調製した
[バック第2層の形成]
バック第1層の上にバック第2層塗布液を乾燥層厚が0.03μmになるよう塗布した後170℃で30秒間乾燥して、バック第2層を形成した。
<光熱変換層の形成>
[光熱変換層用塗布液1の調製]
下記の各成分をスターラーで攪拌しながら混合して、光熱変換層用塗布液1を調製した。
[光熱変換層用塗布液1組成]
・下記構造の赤外線吸収色素 4.9部
Figure 2005096361
・ポリアミト゛イミド樹脂(15%N-メチルピロリドン溶液) 180部
(「バイロマックスHR-11N」、東洋紡(株)製)
・1.5μシリコ−ン粒子 1.11部
(「トスパ−ル120」、東芝シリコ−ン(株)製)
・ポリビニルピロリドン−スチレン共重合体 3.41部
(「アンタラ430」、ISP(株)製)
・N−メチルピロリドン(NMP) 1023部
・メチルエチルケトン 690部
・メタノ−ル 98部
・界面活性剤 0.23部
(「メガファックF−780F」、大日本インキ化学工業社製、F系界面活性剤)
[支持体表面への光熱変換層の形成]
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)の一方の表面上に、上記光熱変換層用塗布液をワイヤーバーを用いて塗布した後、塗布物を120℃のオーブン中で2分間乾燥して、該支持体上に光熱変換層を形成した。得られた光熱変換層の波長808nmにおける光学濃度を(株)島津製作所社製UV−分光光度計UV−240で測定したところ、OD=1.71であった。層厚は、走査型電子顕微鏡により光熱変換層の断面を観察したところ、平均で0.60μmであった。
<光熱変換層表面への画像形成層の形成>
前記光熱変換層の表面に、下記ホワイト画像形成層用塗布液をワイヤーバーを用いて1分間塗布した後、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、光熱変換層の上にホワイト画像形成層を形成した。
得られた熱転写材料Wの画像形成層の層厚は、1.50μmであった。
[ホワイト顔料分散母液組成]
・ポリビニルブチラール 2.7部
(「エスレックB BL‐SH」、積水化学工業(株)製)
・ルチル型酸化チタン 35.0部
(「JR805」、テイカ(株)製 質量平均粒子径0.29μm)
・分散助剤 0.35部
(「ソルスパース20000」、アビシア(株)製)
・n−プロピルアルコール 62.0部
[ホワイト画像形成層用塗布液組成]
・上記ホワイト顔料分散母液 1203部
・2,5−ビス[2−(5−t−ブチルベンゾオキサゾリル)]チオフェン
(蛍光増白剤 Uvitex OB チバスペシャルティーケミカルズ(株))
2.8部
・ワックス系化合物
(ステアリン酸アミド「ニュートロン2」日本精化(株)製) 5.7部
(ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」日本化成(株)製) 5.7部
(ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」日本化成(株)製) 5.7部
(パルミチン酸アミド「ダイヤミンドKP」日本化成(株)製) 5.7部
(エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」日本化成(株)製) 5.7部
(オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」日本化成(株)製)5.7部
・ロジン 80.3部
(「KE−311」、荒川化学(株)製)
(成分:樹脂酸80〜97%;樹脂酸成分:アビエチン酸30〜40%、ネオアビエチン酸10〜20%、ジヒドロアビエチン酸14%、テトラヒドロアビエチン酸14%)
・界面活性剤 16部
(「メガファックF−780F」、固形分30%、大日本インキ化学工業社製)
・n−プロピルアルコール 1600部
・メチルエチルケトン 580部
−受像材料の作製−
下記の組成のクッション層用塗布液及び受像層用塗布液を調製した。
1)クッション層用塗布液
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
(主バインダ−)
(「ソルバインCL2」、日信化学(株)製)
・可塑剤 10部
(「パラプレックスG−40」、CP.HALL.COMPANY社製)
・界面活性剤(フッ素系:塗布助剤) 0.5部
(「メガファックF−178K」、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 60部
・トルエン 10部
・N,N−ジメチルホルムアミド 3部
2)受像層用塗布液
・ポリビニルブチラール 8部
(「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製)
・帯電防止剤 0.7部
(「サンスタット2012A」、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.1部
(「メガファックF−476」、大日本インキ化学工業(株)製)
・n−プロピルアルコール 20部
・メタノール 20部
・1−メトキシ−2−プロパノール 50部
試験塗布機を用いて、白色PET支持体(「ルミラー#130E58」、東レ(株)製、厚み130μm)上に、上記のクッション層形成用塗布液を塗布し、塗布層を乾燥し、次に受像層用塗布液を塗布し、乾燥した。乾燥後のクッション層の層厚が約20μm、受像層の層厚が約2μmとなるように塗布量を調節した。下記のレーザー光による画像記録に用いた。
(実施例2)
実施例1において、光熱変換層の波長808nmにおける吸光度が1.48になるように層厚を調整した以外は同様にして実施例2を行った。又、光熱変換層の層厚は0.50μmであった。
(実施例3)
実施例1において、光熱変換層の波長808nmにおける吸光度が1.15になるように層厚を調整した以外は同様にして実施例3を行った。又、光熱変換層の層厚は0.39μmであった。
(実施例4)
実施例1において、赤外線吸収色素を下記の化合物に替えた光熱変換層用塗布液2を用いたことと、光熱変換層の層厚を調整した以外は、実施例1と同様にして実施例4を行った。波長808nmにおける吸光度が1.71になるように光熱変換層の層厚を調整した。光熱変換層の層厚は0.63μmであった。
赤外線吸収色素
NK−2014(日本感光色素(株)製) 4.85部
(比較例1〜2)
実施例1において、光熱変換層の層厚を調整した以外は同様にして比較例1、2を行った。比較例1、2の波長808nmにおける吸光度はそれぞれ2.20と0.87であった。また、光熱変換層の層厚はそれぞれ、0.77μmと0.30μmであった。
(比較例3〜6)
光熱変換層用塗布液1の赤外線吸収色素を下記のように変更した光熱変換層用塗布液3を用いることと、層厚の調整を下記のように行った以外は、実施例1と同様にして比較例3〜6を行った。
赤外線吸収色素(実施例1と同一) 6.40部
比較例3〜比較例6は波長808nmにおける吸光度が、それぞれ1.63、1.37、1.09、0.78になるように光熱変換層の層厚を調整した。光熱変換層の層厚はそれぞれ、0.47μm、0.40μm、0.31μm、0.24μmであった。
(比較例7〜10)
光熱変換層用塗布液1の赤外線吸収色素を下記のように変更した光熱変換層用塗布液4を用いることと、層厚の調整を下記のように行った以外は、実施例1と同様にして比較例7〜10を行った。
赤外線吸収色素(実施例1と同一) 8.15部
比較例7〜比較例10は波長808nmにおける吸光度が、それぞれ1.58、1.30、0.97、0.75になるように光熱変換層の層厚を調整した。光熱変換層の層厚はそれぞれ、0.39μm、0.33μm、0.26μm、0.19μmであった。
(比較例11〜14)
光熱変換層用塗布液1の赤外線吸収色素を下記のように変更した光熱変換層用塗布液5を用いることと、層厚の調整を下記のように行った以外は、実施例1と同様にして比較例11〜14を行った。
赤外線吸収色素(実施例1と同一) 2.43部
比較例11〜比較例14は波長808nmにおける吸光度が、それぞれ1.91、1.70、1.37、1.08になるように光熱変換層の層厚を調整した。光熱変換層の層厚はそれぞれ、1.19μm、1.00μm、0.79μm、0.60μmであった。
上記画像形成材料の性能を以下により評価した。
−転写画像の形成−
富士写真フィルム社製レ−ザ−熱転写プリンタ−「Luxel FINALPROOF5600」を用いて前記受像材料と前記熱転写材料Wを用い、受像材料上にホワイトベタ画像を形成した。23℃、50%RH下、記録エネルギーは、434mJ/cm2で以下の通り行った。
直径1mmの真空セクション孔(3cm×8cmのエリアに1個の面密度)が開けられている直径38cmの回転ドラムに、上記で作製した受像材料(56cm×79cm)を巻き付け、真空吸着させた。次いで、61cm×84cmに切断した前記熱転写材料Kを前記受像材料から均等にはみ出すように重ね、スクイーズローラーでスクイーズさせつつ、セクション孔に空気が吸引されるように密着、積層させた。セクション孔が塞がれた状態での減圧度は、1気圧に対して−150mmHg(≒81.13kPa)であった。前記ドラムを回転させ、ドラム上での積層体の表面に、外側から波長808nmの半導体レーザー光を、光熱変換層の表面で7μmのスポットになるように集光し、回転ドラムの回転方向(主走査方向)に対して、直角方向に移動させながら(副走査)、積層体へレーザーにより画像の記録を行った。レーザー照射条件は、以下の通りである。また、本実施例で使用したレーザービームは、主走査方向に5列、副走査方向に3列の平行四辺形からなるマルチビーム2次元配列からなるレーザービームを使用した。
ドラム回転数 500rpm
副走査ピッチ 6.35μm
なお、画像サイズは515mm×728mm、解像度は2600dpiである。
さらに富士写真フイルム社製ラミネ−タFPL760Tを用いて、前記ベタ画像と受像層を透明プラスチックフィルム(メリネックスM709、50μm厚、帝人デュポンフィルム(株)製)へに再転写させた。
得られた画像を以下により評価し、結果を表1に示した。
1)着色
印画物のベタ部をホワイトバッキング上、D502の測定条件で、X−rite938(X−rite社製)によりL***の測定を行った。b*値が小さいほど赤外線吸収色素の分解物による黄色成分が少ないことを示し、好ましい。
色相の評価は、以下の基準に従った。
○:好ましい白さを有する(b*≦5.0)。
×:視覚に黄色味を感じ好ましくない(b*≧5.6)
△:5.0<b*<5.6
2)画質
×:ベタ部、網点部に転写していないスジヌケが見られる。
○:ベタ部、網点部に転写していないスジヌケは見られず、良好な網点形状が得られている。
Figure 2005096361
本発明により、白画像として好ましい色相を得るとともに、画質にもすぐれた熱転写記録材料を得た。
レーザーを用いた薄膜熱転写による画像形成の機構の概略を説明する図である。
符号の説明
10 熱転写材料
12 支持体
14 光熱変換層
16 画像形成層
16’記号レーザー光被照射領域
20 受像材料
22 受像材料用支持体
24 受像層
30 積層体

Claims (4)

  1. レーザー熱転写記録材料において、光熱変換層のレーザー光のピーク波長における吸光度Aと光熱変換層の層厚X(μm)の比が、A/X=2.5〜3.2であり、かつ前記吸光度Aが1.0〜2.0であることを特徴とするレーザー熱転写記録材料。
  2. 前記光熱変換層が一般式(1)で表される赤外線吸収色素を含有することを特徴とする請求項1記載のレーザー熱転写記録材料。
    Figure 2005096361

    (一般式(1)中:
    Zは、ベンゼン環、ナフタレン環又は複素芳香族環を形成するための原子団を表す。
    Tは、−O−、−S−、−Se−、−N(R1)−、−C(R2)(R3)−、または−C(R4)=C(R5)−を表す。ここで、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、アシル基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、またはスルホンアミド基を表す。
    Lは、5個または7個のメチン基が共役二重結合によって連結されて生じる3価の連結基を表す。
    Mは、2価の連結基を表す。
    +は、陽イオンを表す。)
  3. 前記赤外線吸収色素が式(2)で表されることを特徴とする請求項2に記載のレーザー熱転写記録材料。
    Figure 2005096361
  4. 前記画像形成層中に、ホワイト顔料として酸化チタン(TiO2)を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のレーザー熱転写記録材料。
JP2003335450A 2003-09-26 2003-09-26 レーザー熱転写記録材料 Withdrawn JP2005096361A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI483854B (zh) * 2007-06-28 2015-05-11 Cabot Corp 包含改良顏料之光熱轉換層

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