JP2005319389A - 分子吸着材、その製造方法及びガス貯蔵装置 - Google Patents

分子吸着材、その製造方法及びガス貯蔵装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリアセチレン誘導体を用いて様々な大きさの分子を吸着して貯蔵できる分子吸着材、その製造方法及びガス貯蔵装置を提供すること。
【解決手段】 分子吸着材は、主鎖がラセン状であり、かつ、側鎖が主鎖のラセンの外側に位置するシス−トランソイド構造を有するポリアセチレン誘導体が凝集した多孔質体を含んで構成される。この多孔質体は、隣接するラセン鎖同士がそのラセン軸を平行にして凝集し、擬ヘキサゴナル又はオルソロンビック結晶構造を有する。また、この多孔質体では、隣接するラセン鎖同士が互いの側鎖によって排斥し合うため、ラセン鎖の中空部のみならず、ラセン鎖同士の間にも空隙即ち細孔を有する。従って、この多孔質体において、その側鎖が大きくなるほど、ラセン鎖同士の間隔が大きくなって平均孔径が大きくなることになる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体を用いた分子吸着材、その製造方法及びガス貯蔵装置に関する。
従来からポリアセチレン誘導体は特異的な物性を示すことが知られており、その特異的な物性に関する様々な報告がこれまでに行われている。例えば、特許文献1には、一般式HC≡C−CO−R(式中のRは炭素数1〜18のアルキル基等)で示されるプロピオル酸エステルのポリマーからなる気体分離膜が記載されている。また、特許文献2には、分子鎖が規則的なラセン構造を有し、光や熱等の物理的刺激によってそのラセン構造の密度が可逆的に変化するポリマーが記載されている。また、特許文献3には、擬ヘキサゴナル(Pseudo-hexagonal:擬六方晶系)構造を持ち、二重結合に基づくπ電子によるスーパーラセン共役構造を有するポリアセチレン誘導体が記載されている。
特開平9−173759号公報 特開2004−27182号公報 特開2004−115628号公報
しかしながら、特許文献1には、ポリアセチレン誘導体からなる気体分離膜が特定のガス例えば酸素を選択的に透過させることが開示されているものの、この酸素を選択的に透過させる機構についての開示はない。従って、特許文献1には、その気体分離膜が分子吸着能力さらにはガス貯蔵能力を有するかについての示唆はない。
また、特許文献2には、プロピオル酸エステルのポリマー即ちポリアセチレン誘導体が色可変材料、有機EL装置の電子供給層を構成する材料、光遮蔽材料、有機半導体、非線形光学材料、磁性材料又は導電性材料等の様々な光学用途やエレクトロニクス用途に好適である、と記載されている。しかし、特許文献2には、ポリアセチレン誘導体を分子吸着材として使用することについての示唆はない。
さらに、特許文献3には、ポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体をクロロホルム又はトルエンの蒸気に短時間暴露すると、その外観が黄色から黒色に変化する、と記載されている。しかし、特許文献3には、その変色の機構についての開示はない。そのため、特許文献3にも、そのポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体が分子吸着能力さらにはガス貯蔵能力を有するかについての示唆はない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ポリアセチレン誘導体を用いて様々な大きさの分子を吸着して貯蔵できる分子吸着材、その製造方法及びガス貯蔵装置を提供することを目的とする。
本発明に係る分子吸着材は、主鎖がラセン状であり、かつ、側鎖が主鎖のラセンの外側に位置するシス−トランソイド構造を有するポリアセチレン誘導体が凝集した多孔質体を含有するものである。
本発明に係る分子吸着材は、前記発明において、前記ポリアセチレン誘導体がポリプロピオル酸メチルであり、水素分子を吸着するものである。
本発明に係る分子吸着材の製造方法は、主鎖がラセン状であり、かつ、側鎖が主鎖のラセンの外側に位置するシス−トランソイド構造のポリアセチレン誘導体を凝集させて多孔質体を形成する際に、前記側鎖の大きさを調節することにより、前記多孔質体の平均孔径を調節するものである。
本発明に係る分子吸着材の製造方法は、主鎖がラセン状であり、かつ、側鎖が主鎖のラセンの外側に位置するシス−トランソイド構造のポリアセチレン誘導体を凝集させた多孔質体をクロロホルム、トルエン、テトラヒドロフラン又はアルコールに暴露することにより、前記多孔質体の平均孔径を調節するものである。
本発明に係るガス貯蔵装置は、前記発明に係る分子吸着材を具備するものである。
本発明に係るガス貯蔵装置は、前記発明において、前記ポリアセチレン誘導体がポリプロピオル酸メチルであり、水素分子を吸着し貯蔵するものである。
本発明によれば、ラセン状の主鎖に結合する側鎖の大きさを調節してポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体を生成することにより、或いはこの多孔質体をクロロホルム等に暴露することにより、この多孔質体の平均孔径を調節することができる。
また、本発明によれば、ポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体の平均孔径を調節することにより、その多孔質体の内部及び表面に形成される細孔に所望の分子を選択的に吸着させることができる。
さらに、本発明によれば、多孔質体の内部及び表面の細孔に特定の分子を選択的に吸着し蓄える分子吸着材及びこの分子吸着材を利用したガス貯蔵装置が得られる。
本発明者らは、シス−トランソイド構造を有するポリアセチレン誘導体の物性について鋭意研究を行った結果、ポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体が分子吸着機能を有すること、並びにこの多孔質体の平均孔径を調節することによって吸着する分子を選択できることを見出し、本発明を完成するに至った。以下、本発明の実施の形態について、図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。
本発明に係る分子吸着材は、主鎖がラセン状であり、かつ、側鎖が主鎖のラセンの外側に位置するシス−トランソイド構造を有するポリアセチレン誘導体が凝集した多孔質体を含んで構成される。図1に、このポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体の構造を簡略的に示す。図1に示すように、この多孔質体は、隣接するラセン鎖同士がそのラセン軸を平行にして凝集し、擬ヘキサゴナル又はオルソロンビック結晶構造を有する。また、この多孔質体では、隣接するラセン鎖同士が互いの側鎖によって排斥し合うため、ラセン鎖の中空部のみならず、ラセン鎖同士の間にも空隙即ち細孔を有する。従って、この多孔質体において、その側鎖が大きくなるほど、ラセン鎖同士の間隔が大きくなって平均孔径が大きくなることになる。なお、このラセン鎖は、側鎖の大きさやその電気的特性等に依拠して変形するが、凡そ投影図上で120°毎に側鎖を延ばす3/1ラセン構造を有し、1ピッチが3〜5Åである。
この多孔質体における細孔に適当な大きさの分子が入り込めば、分子がその細孔に固定即ち吸着されることになる。つまり、多孔質体の平均孔径に対して分子が大きすぎれば、その分子はその細孔に入り込むことができないため、多孔質体には吸着されない。また、多孔質体の平均孔径に対して分子が小さすぎれば、その分子はその細孔に入り込めるものの、その細孔から抜け出すことも容易であるため、結果として多孔質体には少量しか吸着されない。従って、多孔質体の平均孔径を吸着対象である分子の大きさに合わせて調節すれば、目的とする分子だけを選択的に多孔質体に吸着させることができる。
この多孔質体の平均孔径の調節手段として、第一に、吸着対象である分子の大きさに適合する大きさの側鎖を選択する手段が挙げられる。また、第二の手段として、多孔質体をクロロホルム、トルエン、テトラヒドロフラン又はアルコールの蒸気や溶媒に暴露することによってその平均孔径を大きくする手段が挙げられる。
本発明に係る分子吸着材に吸着させる分子としては、その種類を特に限定されるものではないが、飛散し易く取り扱いの難しい気体例えば水素(H)、ヘリウム(He)、酸素(O)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)及びキセノン(Xe)が挙げられる。この多孔質体に水素を選択的に吸着させるには、その平均孔径を1〜2nmに調節することが好ましく、同様にヘリウムや酸素では1〜2nm、アルゴンでは3〜4nm、クリプトンでは4〜6nm、或いはキセノンでは5〜7nmに調節することが好ましい。
なお、この多孔質体の平均孔径は、X線回折及びX線反射スペクトルデータを解析することによって算出される。従って、多孔質体の平均孔径は、近似的には隣接するラセン鎖のラセン軸間の平均距離ということになる。また、実施例で後述するように、SF(Saito-Foley Model)法と称される吸着分子同士の相互作用、並びに吸着分子と細孔の壁の表面にある原子との静電的引力/反発の相互作用(electrostatic attraction / repulsion interaction)の計算から細孔分布を評価する方法を用いても、この多孔質体の平均孔径を算出することができる。さらに、分子を吸着させた多孔質体のNMR(Nuclear Magnetic Resonance:核磁気共鳴)スペクトルデータを解析することによっても、この多孔質体の平均孔径を算出することができる。
ここで、この多孔質体では、ラセン鎖の中空部と隣接するラセン鎖間の空隙とに細孔が形成されることになり、ラセン鎖の中空部は隣接するラセン鎖間の空隙と比べて小さいため、殆どの分子がラセン鎖間の空隙に吸着されるものと推定される。しかしながら、水素分子であれば、ラセン鎖の中空部に入り込むことが可能と推定される。
この多孔質体の平均孔径を水素分子の吸着に適した1〜2nmに調節するには、前記第一の手段を用いて側鎖に水素がメチル基で置換されたカルボキシ基(メチルエステル:−COOCH)を選択し、かつ、前記第二の手段を用いないことが好ましい。同様に、キセノンに適した5〜7nmに調節するには、第一の手段を用いて側鎖にパラフェノールエーテルを選択し、第二の手段を用いることが好ましい。
前記第一の手段について、側鎖の大きさは、主にその長さを基準に判断される。しかし、側鎖に枝分かれが多い場合や側鎖の立体配座が遷移し易い場合には、側鎖の炭素数に基づいて長さを算出しその大きさを見積もると、実証データとの誤差が大きくなる傾向がある。そのため、この場合は、実証データに基づいて側鎖の大きさを見積もることが好ましい。
なお、クロロホルム、トルエン、テトラヒドロフラン又はアルコールの蒸気や溶媒に暴露した多孔質体を、多量のクロロホルム又はトルエンに溶解させ、その溶液に多孔質体の貧溶媒であるメタノールやエタノール等のアルコール類又はトリエチルアミン(TEA)等を添加して多孔質体を析出させると、多孔質体の平均孔径が暴露前の大きさに修復される。従って、このクロロホルム又はトルエンの蒸気暴露後に前記貧溶媒を用いて平均孔径を修復すれば、多孔質体を他の分子の吸着に再利用することができる。
この多孔質体を構成するポリアセチレン誘導体は、次の一般式(1)、(2)で表される置換アセチレンを重合又は共重合することによって生成される。
HC≡C−CO−R ・・・(1)
HC≡C−Ar−O−R ・・・(2)
なお、一般式(1)、(2)において、重合後に側鎖となる「−R」は、アルキル基に限定されない。また、これらの置換アセチレンの合成方法は、「Y. Mawatari, M. Tabata et al., Macromolecules, 34, 3776-3782 (2001)」等で詳細に説明されている。
一般式(1)、(2)における「−R」即ち側鎖としては、炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐のアルキル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−アミル基、イソ−アミル基、n−ペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチル−2−エチルプロピル基、n−へキシル基、2−エチルへキシル基、2,4,4−トリメチル−2−ペンチル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−デシル基又はステアリル基等が例示される。
また、一般式(1)、(2)における「−R」はシクロアルキル基でもよく、炭素数4〜12、その中でも炭素数5〜10のシクロアルキル基が好ましい。具体的には、プロピオル酸シクロペンチル、プロピオル酸シクロヘキシル、プロピオル酸シクロヘプチル、プロピオル酸シクロオクチル等が例示される。また、このシクロアルキル基の一部が置換されていてもよく、例えばプロピオル酸(4−tert−ブチル)−シクロヘキシル、プロピオル酸(2−イソプロピル−5−メチル)−シクロヘキシル等が挙げられる。
また、一般式(1)、(2)における「−R」はアリール基でもよく、フェニル基、ビフェニル基又はナフチル基等が例示されるが、その中でもプロピオル酸2−メチル−フェニル又はプロピオル酸4−tert−ブチル−フェニル等が好ましい。
また、一般式(1)、(2)における「−R」は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基における水素の一部若しくは全部がハロゲンで置換されていてもよく、例えばフッ素原子で置換された2,2,2−トリフルオロエチル基、n−パーフルオロブチル−2−エチル基、n−パーフルオロオクチル−2−エチル基、4−トリフルオロメチル−シクロヘキシル基、2−トリフルオロメチル−フェニル基又は2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基等であってもよい。
さらに、一般式(1)、(2)における「−R」は、親水性基を有していてもよい。この親水性基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホキシド基又はアミノ基等が例示される。
この多孔質体は、前記置換アセチレンを既知の重合方法を用いて重合又は共重合させることによって得られる。この重合に際して、ロジウム(Rh)錯体を触媒として用いることが好ましい。Rh錯体としては、[Rh(norbornadiene)Cl]2、[Rh(cyclooctadiene)Cl]2又は[Rh(bis-cyclooctene)Cl]2等が例示され、その中でも[Rh(norbornadiene)Cl]2が好適である。なお、タングステン(W)やモリブデン(Mo)等の金属系の触媒を用いてもよい。
また、この重合に際して、ポリアセチレン誘導体の溶解度の低い貧溶媒例えばアルコール、アミン、アセトニトリル、エーテル、酢酸エステル、アセトン、水又はn−ヘキサン等を用いることが好ましい。また、アミンを含むアルコール、トルエン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド又は超臨界液体炭酸ガス等の混合溶媒を用いて、前記置換アセチレンを室温付近で数時間掛けて重合してもよい。
このようにして重合されたポリアセチレン誘導体は溶媒中で凝集して沈殿するため、この沈殿物を回収して乾燥させれば、多孔質体が得られる。得られた多孔質体は、そのままの状態で分子吸着材として使用できるが、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン誘導体又は紙等の天然若しくは合成繊維、或いはガラス若しくはアルミナ等の無機繊維と組み合わせて複合化してもよい。また。この分子吸着材の形状としては、バルク体、織布、不織布又は分子薄膜等が例示される。
このように、本発明に係る分子吸着材は、吸着対象の分子を選択的に吸着して貯蔵できるため、飛散し易く危険で取り扱いの難しい気体の貯蔵容器に適している。また、本発明に係る分子吸着材は、吸着対象の分子に接触させるだけで自動的に吸着を行い、また熱や振動を加えるだけで吸着した分子を細孔から容易に離脱させるため、その取り扱いがきわめて容易である。また、本発明に係る分子吸着材は、パラジウム合金等の水素貯蔵合金に見られるような重く、吸着した水素分子を解離するための特別な操作を要し、合金が粉末化する等の問題を生じない。そこで、本発明に係る分子吸着剤を例えば車両の座席構造材として利用すれば、取り扱いに注意を要する水素分子でさえも安全に貯蔵し運搬することができる。従って、本発明に係る分子吸着材をガス貯蔵用容器や機械部品の構成材として用いれば、軽量で、かつ、安全で、かつ、繰り返し利用が容易なガス貯蔵装置を得ることができる。
なお、本発明に係る分子吸着材は、分子の吸着と離脱とを繰り返すことにより、その結晶化度が上昇して(カラムナー化する)細孔構造が一層強固になり、分子の吸着量が増加する特徴を有する。
以下、実施例により、本発明に係る分子吸着材及びその製造方法について、さらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
シリコンゴム製の封止シール付き2口U字管に、その一方の口から重合触媒である[Rh(norbornadiene)Cl]2を20mmol入れ、ここに乾燥した窒素ガスを通して窒素置換を十分に行った。また、シリンジを用いて先ほどと同じ口から、所定量のメタノールを含有する乾燥テトラヒドロフラン溶液を重合溶媒に添加した。さらに、シリンジを用いて先ほどと異なる口から、重合触媒にプロピオル酸メチルが触れないように、減圧蒸留法で精製したプロピオル酸メチル(東京化成工業社製)4mlを注入した。そして、このU字管を40度の恒温漕に浸した後に、内容物を十分混合してからプロピオル酸メチルを重合させた。重合開始から24時間経過後、U字管の内容物を大量のメタノールに投入してポリプロピオル酸メチルを沈殿させた。この沈殿物を回収してテトラヒドロフラン−メタノール系で再沈殿精製した後、減圧乾燥してポリプロピオル酸メチルの凝集したバルク体(多孔質体)を生成した。
また、前記プロピオル酸メチルの代わりにプロピオル酸エチル(東京化成工業社製)を使用する以外は同様にして、ポリプロピオル酸エチルの凝集したバルク体を生成した。
このようにして生成したポリプロピオル酸メチルのバルク体とポリプロピオル酸エチルのバルク体とについて、次のようにして単位重量当たりの水素分子吸着量を測定した。
[水素分子吸着量の測定]
日本ベル社製 BELSORP28SAを用いて定容量法により、ポリプロピオル酸メチルのバルク体とポリプロピオル酸エチルのバルク体との水素分子吸着量をそれぞれ測定した。具体的には、ポリプロピオル酸メチルのバルク体とポリプロピオル酸エチルのバルク体とを、ヘリウムを充填した別々のチャンバー内にそれぞれ室温で所定時間放置した後、それぞれのチャンバー内を真空排気した。なお、このポリプロピオル酸メチルのバルク体とポリプロピオル酸エチルのバルク体に、ヘリウムは吸着されない。その後、真空のチャンバー内に水素を所定量注入して、その注入直後の圧力と300s経過時(平衡時)の圧力とを測定し、それらの測定値の差に基づいて、ポリプロピオル酸メチルのバルク体とポリプロピオル酸エチルのバルク体とに吸着された単位重量当たりの水素ガス容量(0°,101.3kPa換算値)を算出した。そして、この水素の注入及び吸着量の算出を、それぞれのチャンバー内の圧力が101.3kPa(最高圧)になるまで繰り返し行った。
続いて、前記最高圧に到達後、それぞれのチャンバーに充填されている水素を所定量ずつ排気しながら、その排気直後の圧力と排気後300s経過時(平衡時)の圧力とを測定し、それらの測定値の差に基づいて、ポリプロピオル酸メチルのバルク体とポリプロピオル酸エチルのバルク体とに吸着された単位重量当たりの水素ガス容量(0°,101.3kPa換算値)を算出した。
図2に、前記水素分子吸着量の測定における一連の測定結果をグラフで示す。なお、図2において、「○」は、ポリプロピオル酸メチルのバルク体について真空排気時から最高圧に達するまでの水素分子吸着量を示す。同様に、「●」は、ポリプロピオル酸メチルのバルク体について最高圧時から減圧完了まで、「△」は、ポリプロピオル酸エチルのバルク体について真空排気時から最高圧に達するまで、「▲」は、ポリプロピオル酸エチルのバルク体について最高圧時から減圧完了まで、の水素分子吸着量をそれぞれ示す。
表1に、ポリプロピオル酸メチルのバルク体とポリプロピオル酸エチルのバルク体とのそれぞれについて、真空排気時(吸着前)、最高圧時及び減圧完了時(減圧後)における水素分子吸着量を、バルク体の単位重量当たりの水素ガス容量(0°,101.3kPa換算値)で示す。
Figure 2005319389
図2及び表1から明らかなように、ポリプロピオル酸メチルのバルク体の水素分子吸着量は、ポリプロピオル酸エチルの5倍以上である。ここで、ポリプロピオル酸メチルとポリプロピオル酸エチルとが側鎖の大きさでのみ相違することに鑑みれば、ポリプロピオル酸メチルの凝集した多孔質体に吸着された水素分子の殆どは、隣接するラセン鎖間の空隙に吸着されているものと推定される。つまり、この水素分子吸着量の測定結果から、ポリアセチレン誘導体の側鎖の大きさを調節することにより、ポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体に吸着させる分子を選択できることが判る。
また、図2及び表1から明らかなように、ポリプロピオル酸メチルのバルク体とポリプロピオル酸エチルのバルク体とには、最高圧からほぼ真空にまで減圧されてもなお相当量の水素分子が吸着されている。このことから、ポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体は、その表面や内部の空隙に分子を抱え込んでいるだけでなく、しっかりと保持して固定していることが判る。
なお、ポリプロピオル酸メチルの凝集した多孔質体に対して水素分子が凡そ8ml/g(0°,101.3kPa換算)の比率で吸着されるため、この多孔質体に対する吸着された水素分子の重量百分率は0.07%となる。さらに、図2に示すグラフの傾きを参考に、ポリプロピオル酸メチルの凝集した多孔質体に水素分子を5MPaで吸着させると、その重量百分率は3.5%となる。ちなみに、市販の鋼鉄製の圧力容器に20MPaで充填された水素分子の重量百分率は凡そ1%であり、パラジウム合金等の水素貯蔵合金に1MPaで貯蔵される水素分子の重量百分率は2%であると報告されている。
(実施例2)
この実施例では、ポリプロピオル酸メチル、ポリプロピオル酸エチル及びポリプロピオル酸プロピルについて、ミクロ細孔分布測定とBET(Brunauer-Emmett-Teller)法による比表面積測定とを行った。なお、これらの測定に使用する試料は、前記実施例1におけるポリプロピオル酸メチルの凝集したバルク体(多孔質体)の生成方法と同様の方法で生成した。
[ミクロ細孔分布測定]及び[BET比表面積測定]
本実施例で生成した前記3種の多孔質体について、Quantachrome社製の全自動ガス吸着量測定装置AUTOSORB−1MPを用いて、ヘリウムガスで死容量補正を行った後に、窒素ガスを温度77.4Kで吸着させてSF法によるミクロ細孔(細孔径2nm以下)分布を測定した。この測定では、ポリプロピオル酸メチルについては1.04nmであったが、ポリプロピオル酸エチル及びポリプロピオル酸プロピルについてはミクロ細孔領域にシャープな分布が観測されなかった。ちなみに、本実施例では、メソ孔(細孔径2〜50nm)及びマクロ孔(細孔径50nm以上)の分布は測定しなかった。
また、前記3種の多孔質体について、上記の全自動ガス吸着量測定装置AUTOSORB−1MPを用いて、ヘリウムガスで死容量補正を行った後に、窒素ガスを温度77.4Kで吸着させることにより、BET法による比表面積を測定した。
このSF法によるミクロ細孔分布の測定結果とBET比表面積の測定結果とを、下記「表2」に共に示す。
Figure 2005319389
本実施例におけるSF法による測定結果から、ポリプロピオル酸エチルの凝集した多孔質体とポリプロピオル酸プロピルの凝集した多孔質体とには、細孔径2nm以下のミクロ細孔があまり形成されていないことが判る。さらに、本実施例における測定結果と表1に示す水素分子吸着量とを勘案すると、水素分子は、細孔径2nm以下のミクロ細孔に選択的に吸着されることが判る。
(実施例3)
この実施例では、ハロゲン置換された側鎖を有する置換アセチレンを重合した場合に、ポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体の平均孔径がどのように変化するかを確認した。この実施例では、ハロゲンとして塩素(Cl)、臭素(Br)及びヨウ素(I)を使用した。
先ず、2−ハロゲン化エチルアルコールとプロピオル酸とをパラトルエンスルホン酸の存在下で脱水反応させ、さらに減圧蒸留することにより、プロピオル酸ハロゲン化エチル(以下、「XEPA」と表記する、「X」はハロゲン)を生成した。このXEPAを、実施例1と同じ条件で重合することにより、poly(XEPA)を生成した。
そして、生成したpoly(XEPA)それぞれの物性を、以下のようにして測定した。2つのK−806LカラムとRI検出器とを具備するJASCO社製 GPC900−1を用いて、数平均分子量(Mn:number-average molecular weight)を測定した。また、JEOL社製 JNM−A400IIを用いて、クロロホルム−dとテトラメチルシランとを溶媒としてH−NMRを測定した。また、ISV−469を具備するJASCO社製 V570を用いて、拡散反射紫外線スペクトルを測定した。また、JEOL社製 FEIXGを用いて、電子スピン共鳴ESRを測定した。また、JOEL社製 JDX−300を用いて、X線回折パターンを記録した。これらの測定結果及びその解析結果を、下記「表3」にまとめて示す。
Figure 2005319389
この実施例では、ポリプロピオル酸臭素化エチルpoly(BrEPA)及びポリプロピオル酸ヨウ素化エチルpoly(IEPA)については、X線回折パターンを明確に記録できなかったため、それらの凝集した多孔質体の平均孔径を算出することができなかった。しかし、ポリプロピオル酸エチルpoly(EPA)及びポリプロピオル酸塩素化エチルpoly(ClEPA)についての平均孔径に鑑みれば、ポリアセチレン誘導体の側鎖に原子半径の大きな原子が結合することにより、その多孔質体の平均孔径が大きくなることが判る。従って、この実施例の測定結果及びその解析結果から、ポリアセチレン誘導体の側鎖を大きくするほど、ポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体の平均孔径を大きくできることが判る。
(実施例4)
この実施例では、側鎖を徐々に大きくすることにより、ポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体の平均孔径がどのように変化するか、並びにこの多孔質体をクロロホルムの蒸気に暴露することにより、その平均孔径がどのように変化するかを確認した。
先ず、「Tabata et al., Chem. Phys, 1999.200, 265」に記載された方法を用いて、パラメトキシフェニルアセチレン(以下、「p−MeOPA」)、パラエトキシフェニルアセチレン(以下、「p−EtOPA」)、p−n−ブトキシフェニルアセチレン(以下、「p−n−BuOPA」)、p−n−ヘキシルオキシフェニルアセチレン(以下、「p−n−HexOPA」)、p−n−オクトキシフェニルアセチレン(以下、「p−n−OctOPA」)、p−n−デカンオキシフェニルアセチレン(以下、「p−n−C10OPA」)、p−n−ドデカンオキシフェニルアセチレン(以下、「p−n−C12OPA」)及びp−n−テトラデカンオキシフェニルアセチレン(以下、「p−n−C14OPA」)をそれぞれ生成した。そして、生成したこれらのアセチレン誘導体を、実施例1と同じ条件で重合することにより、側鎖の大きさが異なるポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体をそれぞれ生成した。
そして、これらの多孔質体の物性を、以下のようにして測定した。Shodex社製 KF−806Lカラムを2つ具備するゲル透過クロマトグラフィー(JASCO社製 GPC900)を用いて、Mn及びMnに対する重量平均分子量(Mw:weight-average molecular weight)の比(Mw/Mn)を測定した。また、JEOL社製 JNM−A 400MHzを用いて、クロロホルム−dを溶媒としてH−NMRを測定した。また、JASCO社製 TSR−401を用いて、514.5nmのアルゴンレーザーでラマンスペクトルを測定した。また、JASCO社製 V570を用いて、拡散反射紫外線−近赤外線スペクトルを測定した。また、JOEL社製 JDX−3500を用いて、X線回折パターンを記録した。
さらに、これらの多孔質体を、クロロホルムの蒸気に暴露した後に、再度JOEL社製 JDX−3500を用いて、X線回折パターンを記録した。これらの測定結果及びその解析結果を、下記「表4」にまとめて示す。
Figure 2005319389
表4から明らかなように、ポリアセチレン誘導体の側鎖が大きくなるに従って、多孔質体の平均孔径が大きくなることが判る。従って、この実施例の解析結果から、ポリアセチレン誘導体の側鎖を大きくするほど、ポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体の平均孔径を大きくできることが判る。
また、表4から明らかなように、ポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体をクロロホルムの蒸気で暴露すると、その平均孔径が大きくなることが判る。従って、この実施例の解析結果から、ポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体をクロロホルム又はトルエンの蒸気で暴露することにより、その多孔質体の平均孔径を調節できることが判る。
(実施例5)
本実施例では、側鎖がパラフェノールエーテルであるポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体をトルエン溶媒に浸漬した場合に、その多孔質体の平均孔径がどのように変化するかを129Xe NMRのスペクトルを測定することによって確認した。
先ず、図3及び図4に示す構造からなるpoly(ps2MBPA)の凝集した多孔質体を公知の手段により生成し、生成した多孔質体の一部を取り分けてトルエン溶媒に浸漬した。そして、この溶媒処理前の多孔質体と溶媒処理後の多孔質体をそれぞれ個別にNMRチューブ(Wilmad社製 Type513-7 JYH-7、テフロン(登録商標)バルブ付、外径10mm)に入れ、これらのNMRチューブを脱気した後に液体窒素で冷却した。この冷却中に、室温に戻したときの内圧が0.5MPaとなるように、これらのNMRチューブにキセノン(冷却中は固体)をそれぞれ投入した。そして、これらのNMRチューブを室温に戻して24時間放置した後に、日本電子社製 GX400NMRを用いて、30°パルスを照射するシングルパルス法で、スピンさせることなく、観測周波数110.4MHz、積算回数約3000回に設定して、溶媒処理前の多孔質体と溶媒処理後の多孔質体との129Xe NMRスペクトルをそれぞれ測定した。図3に溶媒処理前の多孔質体についてのスペクトルを、図4に溶媒処理後の多孔質体についてのスペクトルを示す。
図3ではスペクトルのピークが204ppmに、一方図4では196ppmに現れている。ここで、気相のケミカルシフトはその圧力と比例関係があるため、これらのスペクトルの実測値には、この圧力に依拠する補正を加える必要がある。具体的には、0.1MPa当たり0.54ppmの補正が必要である。従って、本実施例では、NMRチューブにおける内圧が0.5MPaであるから、0.54×5=2.7ppmを補正値として実測値に加える必要がある。その結果、溶媒処理前の多孔質体についてのスペクトルのピークは206.7ppmに、溶媒処理後の多孔質体についてのスペクトルのピークは198.7ppmに現れることになる。この補正後のスペクトルに基づいて、これらの多孔質体がいずれもアモルファスであると仮定すれば、その平均孔径は溶媒処理前では5.12Åと、溶媒処理後では5.32Åとなる。
ここで、図3及び図4に示すスペクトルにおいて、200ppm付近に現れるピークは、多孔質体に吸着されたキセノンに対応するものであり、一方0ppm付近に現れるピークは、気相のキセノンに対応するものである。従って、図3及び図4に示すスペクトルから、トルエン溶媒処理によって平均孔径が大きくなることにより、多孔質体に一層多くのキセノンが吸着されるようになることが判る。
また、図3及び図4に示す129Xe NMRスペクトルから、溶媒処理前の多孔質体は、二元収着型即ち主鎖付近と側鎖付近との両方でキセノンが収着しており、主鎖と側鎖とが交じり合った状態で、比較的アモルファスであると考えられる。一方、溶媒処理後の多孔質体は、ゴム状で主鎖が密であり、側鎖末端のアルキル基付近に自由体積が存在し、主鎖と側鎖とが相分離して細孔の大きさが比較的揃っていると考えられる。
(参考例)
この参考例では、ポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体を加圧することにより、その多孔質体の物性にどのような変化が現れるか確認した。この参考例では、フェニルアセチレンを公知の手段により重合し、ポリフェニルアセチレンを生成した。そして、生成したポリフェニルアセチレンの物性を、実施例4と同じ装置及び条件で測定した。
さらに、生成したポリフェニルアセチレンを10MPa及び20MPaで加圧した後、それらの物性を実施例4と同じ装置及び条件で再度測定した。これらの測定結果及びその解析結果を、下記「表5」にまとめて示す。
Figure 2005319389
表5から明らかなように、ポリフェニルアセチレンの凝集した多孔質体を加圧する圧力が高くなるほど、その多孔質体のMw/Mnが1に近くなり、またその多孔質体の結晶化度が低下することが判る。なお、Mw/Mnが1に近くなるほど、ポリアセチレン誘導体の分子量のばらつきが小さくなったことを示す。
本発明に係る分子吸着材は、ガス貯蔵装置の他、色可変材料、有機EL装置の電子供給層を構成する材料、光遮蔽材料、熱線遮蔽材、リチウム電池材料、熱電素子、太陽電池材料、有機半導体、非線形光学材料、磁性材料及び導電性材料等に利用することができる。
本発明のポリアセチレン誘導体の凝集した多孔質体の構造を簡略的に示す図 本発明に係る実施例1における水素分子吸着量の測定結果を示す図 本発明に係る実施例5における溶媒処理前の多孔質体についての129Xe NMRスペクトルを示す図 本発明に係る実施例5における溶媒処理後の多孔質体についての129Xe NMRスペクトルを示す図

Claims (6)

  1. 主鎖がラセン状であり、かつ、側鎖が主鎖のラセンの外側に位置するシス−トランソイド構造を有するポリアセチレン誘導体が凝集した多孔質体を含有する分子吸着材。
  2. 前記ポリアセチレン誘導体がポリプロピオル酸メチルであり、水素分子を吸着する請求項1記載の分子吸着材。
  3. 主鎖がラセン状であり、かつ、側鎖が主鎖のラセンの外側に位置するシス−トランソイド構造のポリアセチレン誘導体を凝集させて多孔質体を形成する際に、前記側鎖の大きさを調節することにより、前記多孔質体の平均孔径を調節する分子吸着材の製造方法。
  4. 主鎖がラセン状であり、かつ、側鎖が主鎖のラセンの外側に位置するシス−トランソイド構造のポリアセチレン誘導体を凝集させた多孔質体をクロロホルム、トルエン、テトラヒドロフラン又はアルコールに暴露することにより、前記多孔質体の平均孔径を調節する分子吸着材の製造方法。
  5. 請求項1記載の分子吸着材を具備するガス貯蔵装置。
  6. 前記ポリアセチレン誘導体がポリプロピオル酸メチルであり、水素分子を吸着して貯蔵する請求項5記載のガス貯蔵装置。
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