JP2005318448A - 誘導無線通信システム - Google Patents

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清治 村田
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Abstract

【課題】基地局における移動局からの信号の受信レベルの向上を図ることができる誘導無線通信システムを提供する。
【解決手段】鉄道車両に設けられた二つの移動局車上装置により、音声圧縮情報がディジタル変調された信号が第1の誘導無線周波数の搬送波でFM変調された第1の信号DS1と、上記音声圧縮情報がディジタル変調された信号が第2の誘導無線周波数の搬送波でFM変調された第1の信号DS1と相互に干渉しない第2の信号DS2とが同時に送信される。第1の信号DS1と第2の信号DS2との一方は、鉄道車両の先頭から送信され、他方は後尾から送信される。
【選択図】図2

Description

本発明は、鉄道等で使用される誘導無線通信システムに関するものである。
誘導無線通信は、地上設備の誘導線路と列車移動局装置の車上アンテナとの間で電磁誘導結合を利用する通信手段であり、主に列車移動局車上アンテナと地上誘導線を直接に結合する直接結合方式と、移動局車上アンテナと地上誘導線との間に別の導線(例えば、電
車線)を介在させて高周波電流の2次結合(間接結合)で通信を行う間接結合方式とがあり
、地上鉄道、地下鉄道に広く利用されている。
図8は、従来技術における誘導無線通信システムの概略構成図であり、電車線(トロリ
ー線)を介在させた間接結合方式による通信システムが示されている。図3に示すように
、通信システムは、例えば、運転指令所の指令所装置10と、指令所装置10に通信回線9を介して接続される基地局装置(固定局装置ともいう)7と、サテライト受信局55と、電車線2に沿って敷設される誘導線路4と、鉄道線路上を走行する鉄道列車(電車)1に搭載された移動局車上装置11及び移動局車上装置11に付随する送信アンテナ23及び受信アンテナ24を備えている。
今、電車1から指令所装置10に音声が伝達される場合、移動局車上装置11の送話器12で発せられた乗務員の音声は、通話送信器19での変調により誘導無線周波数f1(
例えば180kHz)の高周波信号(移動局通話送信波:以下、「信号S1」という)に変
換され、送信アンテナ23から電磁放射される。 これによって、信号S1は一旦電車線2に誘導結合され(一次結合)、続いて誘導線4に誘導結合される(二次結合)。信号S1は、誘導線4に誘導結合されると、基地局側で受信された誘導無線波という意味で「基地局受信波」と呼ばれる。
信号S1(二次結合波であるため図面ではS1´として示す)は、線路結合器5から接続ケーブル8を通じて基地局装置7が備える整合器35からHYB(ハイブリッド)36及び36´を経て通話受信器37に入力され、通話の音声信号に復調される。復調された通話の音声信号は、音声信号比較選択回路58から制御装置59を介して、基地局装置7と指令所装置10との間の接続ケーブル9を経て指令所装置10に伝達される。但し、音声信号比較選択回路58には、誘導線4の終端結合器6に接続されたサテライト受信局55内の受信器56で受信された信号S1の復調により得られた音声信号がケーブル57を通じて入力されており、基地局装置7の受信器37とサテライト受信局55の受信器56とで受信復調された各々の音声信号を音声信号比較選択回路58で比較選択し、通話品質の良い方が運転指令所10に接続されるように構成されている。
ケーブル9で指令所装置10に伝達された音声信号は、整合器60,HYB61及び62を経て通話増幅器45で音声増幅された後、指令制御器47を経て、スピーカ48を動作させ、列車乗務員の音声が出力される。
一方、運転指令員の通話音声が指令所装置10から列車1へ伝達される場合、指令所装置10の送受話器49に入力された通話の音声信号は、指令制御器47より音声増幅器50に入力され、HYB61を経て、整合器60から接続ケーブル9を経て、基地局装置7に伝達される。基地局装置7に入力される指令所装置10からの音声信号は制御回路59から通話送信器42に入力され、通話送信器42で変調されることにより誘導無線周波数f3(例えば130kHz)の高周波信号(基地局通話送信波:以下、「信号S3」という)
に変換された後、HYB36から整合器35を経て接続ケーブル8から線路結合器5を通じて誘導線4に送出される。
誘導線4に送出された信号S3は、一旦電車線2に電磁誘導(誘導結合)される(一次結
合)。電車線2に誘導された信号S3は、受信アンテナ24に誘導結合され(二次結合)、
通話受信器26で音声信号に復調されスピーカ30を動作させ、運転指令員の音声が出力される。以上の構成により、列車乗務員と運転指令員との間で音声による相互通話(双方
向通話)を行うことができる。
また、列車1には、通常、列車で何らかの非常事態が発生した場合、指令所装置10及び図示されていない対向列車への防護発報を含む、非常発報(非常警報)用として、誘導無線通話送信周波数f1(信号S1)とは別の1波の誘導無線周波数f2(例えば143kH
z)の高周波信号(移動局非常送信波:以下、「信号S2」という)を送出するための装置
が設備されている。
今、列車1で非常事態が発生し、乗務員が列車1の発報押釦31を押すことにより非常発報信号(例えば487.5Hz)が発せられると、非常発報送信器20で変調されることで誘導無線周波数f2(例えば143kHz)の高周波信号に変換され、図示しない切り替えスイッチを通って、非常発報周波数(例えば143kHz)に同調された送信アンテナ23から、電車線2に電磁放射され、誘導線4に誘導結合する。
誘導線4に誘導結合した信号S2は、基地局装置7の非常受信器38で音声帯域の非常信号音(例えば、487.5Hz)に復調された後、ケーブル9から指令所装置10に伝達される。
指令所装置10に入力された非常発報信号(487.5Hz)は、非常警報増幅器63で信号増幅された後、スピーカ48を動作させて非常信号音を出力させ、外部機器、例えば運行表示盤54に非常警報の各種の情報表示を行うとともに、双方向ケーブル52,53を介して関連設備に非常警報発生の情報伝達を行う。
指令所装置10で電車1からの非常警報音の受信が確認されると、送信器50を経て図示されない発信器から、自動で非常発報応答確認信号音(例えば、352.5Hz)が基地局装置7の通話送信器42で変調され、基地局通話送信周波数f3(例えば130kHz)の信号S3となり、誘導線路4に出力される。
誘導線路4に出力された信号S3は、一旦電車線2を介して列車1の受信アンテナ24に電磁誘導される。受信アンテナ24で受信された非常発報応答確認信号音を含む誘導無線通話受信波の信号S3は、通話受信器26で復調され、非常発報応答確認音(352.
5Hz)として、スピーカ30から出力される。乗務員は非常発報応答確認音を聞くこと
で、非常発報が正常に確立したことを確認することができる。
本発明に関連する先行技術として、例えば、特許文献1に記載された技術がある。
特開2002−246944号公報
前述したそれぞれの機能を満足させるためには、電車1の送信アンテナ23から高周波信号が電車線2に電磁輻射され、電車線2からさらに誘導線路4に電磁誘導されて基地局装置7に到達する高周波受信レベルが常に安定していることが要求される。
しかし、誘導無線の間接結合方式では、電車1の送信アンテナ23で送信した場合、図8に示す如く、電車1の進行方向(図3では紙面の左方向)には、誘導無線高周波電流itは矢印aの如く流れやすい。
一方、列車1の後方に向けては、電車線2から列車1のパンタグラフ34により電車線2寄りの接続線64を介して、誘導無線周波数に対して極めて低インピーダンスになる例えばモータ65のような機器がアースとして機能する鉄道線路(レール)3間に接続線66で負荷される状態となる。このため、電車1の後方に向けては、誘導無線高周波電流itは流れにくく、点線で示した矢印bからの基地局装置7Aに対する電磁誘導は殆ど期待できない。したがって、基地局装置7Aでの信号の受信レベルが不十分となることがあった。
さらに、電車線2は誘導無線周波数(例えば10〜250kHz)に対して低インピーダンスとなる変電所67,68のような、所定間隔で配置される変電所間に架け渡されており、このような変電所が電車線2から誘導線4に対する二次輻射をさらに複雑にし、或る特定区間(場所)では、基地局装置7の受信レベルが極端に落ち込み、通信に支障を来す場合があった。
また、一般に、複数の車両からなる列車(編成)では、進行方向に対して先頭及び最後尾となる車両のそれぞれに上述したような移動局車上装置11,送信アンテナ23及び受信アンテナ24が搭載されている。しかし、指令所装置への送信においては、通常先頭車両に搭載された移動局車上装置11のみが使用され、最後尾車両に搭載された移動局車上装置11Aは使用されない。
ここで、移動局車上装置11と移動局車上装置11Aの各送信器を同時に使用して、電車1の後方における高周波信号の電磁誘導から基地局受信レベルを改善することが考えられる。しかしながら、各送信器から送信される信号の送信周波数を全く同じにできないことからビート音の発生を招来するため、適用することはできなかった。
本発明の目的は、基地局における移動局からの信号の受信レベルの品質の向上を図ることができる誘導無線通信システムを提供することである。
本発明は、鉄道車両に設置された移動局と基地局との間で誘導無線による通信を行う誘導無線通信システムであって、
ディジタル変調された信号が第1の誘導無線周波数の搬送波でさらに変調された第1の信号と、ディジタル変調された信号が第2の誘導無線周波数の搬送波でさらに変調された前記第1の信号と干渉しない第2の信号とを鉄道車両の先頭及び後尾のそれぞれから送信可能な少なくとも第1及び第2の移動局車上装置を備え、
前記第1の移動局車上装置が前記先頭及び後尾の一方から前記第1の信号を送信するときに、前記第2の移動局車上装置が前記先頭及び後尾の他方から前記第1の信号に含まれる情報と同じ情報を含む前記第2の信号を送信する
ことを特徴とする。
鉄道車両は、少なくとも1つの車両から編成され、複数の車両で編成される場合には、先頭及び最後尾車両から第1及び第2の信号がそれぞれ送信される場合と、任意の車両における先頭と後尾とにおいて第1及び第2の信号が送信される場合とを含む。
「ディジタル変調された信号」とは、ディジタル信号が、FSK(Frequency Shift Keying)、MSK(Minimum Shift Keying)、GMSK(Gaussian Minimum Shift Keying)、P
SK(Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、BPSK(Bye Phase Shift Keying)のようなディジタル変調方式によりできるだけ占有周波数帯域幅が
狭くされた信号を指す。「さらなる変調」として、例えば、AM(振幅変調),FM(周波
数変調),PM(位相変調),PCM(パルス符号変調),PWM(パルス変調),PPM(パルス位相変調)等を適用することができる。
第1及び第2の誘導無線周波数は、誘導無線に適用される周波数帯の周波数であれば任意に選択できるが、第1の誘導無線周波数として、例えば、従来から移動局通話送信波として使用されている誘導無線周波数(例えば180kHz)を適用し、第2の誘導無線周波数として、従来から移動局非常送信波として使用されている誘導無線周波数(例えば14
3kHz)を適用することができる。このようにすれば、既存の移動局車上装置の送信器
や送信アンテナを適用することができ、コスト低減を図ることができる。
また、本発明によれば、ディジタル変調により帯域圧縮された信号を誘導無線周波数の搬送波で変調して送信するようにしている。このため、ディジタル変調される信号に音声情報の他にテキストや画像のようなデータ情報を含めることができる。このように、信号に含まれる情報が増加しても、ディジタル変調で帯域が圧縮されるため、第1及び第2の信号の占有周波数帯域幅として、従来の移動局から基地局への送信波で適用されている周波数帯域幅(例えば、送信周波数に対して±3〜4kHz)を適用することができる。これによって、周波数範囲が非常に狭い誘導無線(10〜250kHz、通常100〜250
kHzが使用される)の周波数(帯域)を有効に利用することができる。
本発明は、例えば、第1及び第2の移動局車上装置が、入力された音声情報から音声圧縮信号を生成する音声圧縮信号生成手段と、音声圧縮信号及び入力されたデータ情報をディジタル変調するディジタル変調手段と、ディジタル変調手段によってディジタル変調された信号を第1の誘導無線周波数の搬送波で変調して第1の信号を生成する第1信号生成手段と、ディジタル変調手段によってディジタル変調された信号を第2の誘導無線周波数の搬送波で変調して第2の信号を生成する第2の信号手段と、第1及び第2の信号を送信する送信手段と、第1及び第2の移動局車上装置の一方に入力された音声情報及びデータ情報を他方に伝達する手段と、音声情報及びデータ情報を第1の信号と第2の信号とのいずれで送信するかを選択する選択手段とを備え、前記選択手段は、第1の移動局車上装置で第1及び第2の信号の一方が選択されたときに、第2の移動局車上装置で第1及び第2の信号の他方が選択されるように構成される。 また、好ましくは、本発明における前記第1及び第2の信号は、ディジタル圧縮された音声情報とデータ情報との何れか一方又は双方を含むように構成される。 また、好ましくは、本発明は、前記基地局で受信される前記第1及び第2の信号にそれぞれ含まれる前記音声情報のアナログ信号のうち、音声品質が高いと判断されるアナログ信号が前記鉄道車両の運転指令所に配置される指令所装置の音声出力に接続されるように構成される。このようにすれば、指令所装置の音声出力に接続される音声の品質を高めることが可能となる。
また、好ましくは、本発明は、前記第1及び第2の信号が複数の基地局で受信される場合に、複数の基地局で受信された前記第1及び第2の信号にそれぞれ含まれる前記音声情報のアナログ信号の中から最も音声品質が高いと判断されるアナログ信号が前記鉄道車両の運転指令所に配置された指令所装置の音声出力に接続されるように構成される。このようにすれば、指令所装置の音声出力に接続される音声の品質を高めることができる。
アナログ信号の選択は、信号の受信レベルで判断しても良く、信号の信号対雑音比から判断しても良い。判断は、基地局、複数の基地局の何れか、指令所装置の何れで行われるようにしても良い。また、サテライト受信局が用意され、第1及び第2の信号の少なくとも一方が受信され、基地局にサテライト受信局で受信された第1及び第2の信号の少なく
とも一方に含まれる音声情報のアナログ信号が与えられ、音声品質の判断が行われるようにしても良い。
例えば、基地局は、第1及び第2の信号を受信する手段と、第1及び第2の信号をそれぞれディジタル変調された信号に復調する手段と、ディジタル変調された信号に含まれる音声圧縮信号から音声情報のアナログ信号を生成する手段と、生成された音声情報のアナログ信号の信号対雑音比(S/N比)を求め、信号対雑音比が良い方を選択する信号選択手段とを備え、指令所装置は、選択された音声情報のアナログ信号を音声出力に接続するように構成される。
また、好ましくは、本発明は、前記第1及び第2の移動局車上装置の少なくとも一方は、少なくとも1つの基地局から、ディジタル変調された信号が第3の誘導無線周波数の搬送波でさらに変調された第3の信号と、前記ディジタル変調された信号が第4の誘導無線周波数の搬送波でさらに変調された前記第3の信号と相互に干渉しない第4の信号とを受信し、これらの第3及び第4の信号にそれぞれ含まれる同一の音声情報のアナログ信号から音声品質が高い方のアナログ信号を選択するように構成することができる。
例えば、移動局車上装置は、第3及び第4の信号を受信する手段と、第3及び第4の信号の受信レベルを比較し、受信レベルが良い方を選択する手段と、選択された信号から音声情報のアナログ信号を生成して移動局車上装置の音声出力に接続する手段とを含むように構成される。
第1〜4の信号は、搬送波の誘導無線周波数が相互に異なるように選択される。例えば、第3の誘導無線周波数として、従来基地局から移動局への通話の送信波として使用されている基地局通話送信波(例えば130kHz)の誘導無線周波数を適用することができる。この場合、第4の誘導無線周波数として、上記の180kHz、143kHz、130kHzのいずれとも干渉しない誘導無線周波数(例えば、160や200kHz)が選択される。また、第4の誘導無線周波数として、従来の移動局車上装置が有している送信周波数143kHzの信号を受信する構成を使用できるように、143kHzを適用しても良い。但し、この場合は、第2の信号の送信と第4の信号の送信とが重ならないようにする必要がある。
また、好ましくは、本発明は、前記第1及び第2の移動局車上装置から送信される第1及び第2の信号は、前記鉄道車両の軌道に沿って設けられた導線に誘導結合した後、前記導線に沿って設けられ区間分割された複数の誘導線に誘導結合し、各誘導線に接続された基地局で受信されるように構成される。
また、好ましくは、本発明は、前記第1及び第2の移動局車上装置から送信される第1及び第2の信号は、撚架された二線式の誘導線に密結合され、誘導線に接続された基地局で受信されるように構成される。
また、本発明は、上述した誘導無線通信システムと同様の特徴を持つ、誘導無線通信方法として特定することができる。
また、本発明は、通話送信波と非常送信波の送信周波数の異なる2波に対応した送受信装置を、地上及び列車に設備して、必要に応じて何れかの1波を使用して、地上指令所装置と列車車上送受信装置との間で、例えば通話送受信波では車上乗務員と地上運転指令員との連絡通話、非常発報応答確認、列車乗客と運転指令員との非常通報連絡通話、運転指令員から列車車内放送装置を介して、列車乗客に車内案内放送等の音声情報伝達を行い、非常送信波では列車からの非常発報、防護発報、デッドマン情報、列車搭載機器の状態情
報・故障情報等の信号情報伝達を行う誘導無線式列車無線装置において、
前記音声情報信号と前記各種データ信号情報をそれぞれディジタル化して一体とし、列車の先頭車両及び後部車両に設備された、前記車上送受信装置の通話送信器及び非常送信器に同時に変調入力し、且つ前記前後部の車上送受信装置の通話送信波及び非常送信波を同時に送信することを特徴とした
ディジタル変調式誘導無線通信システムとして特定可能である。
また、本発明は、前記指令所と列車間の情報伝達用の無線連絡音声通話、非常通報音声連絡通話、車内放送音声、自動案内放送音声のディジタル音声信号は適度に音声圧縮を行うことにより、ディジタル符号化された各種制御信号とを、同一送信周波数の同一送信変調器に入力して、従来の誘導無線周波数及び周波数帯域を変えることなく、通信を行うことを特徴とした誘導無線通信システムとして特定可能である。
また、本発明は、前記列車の前後部の車上送信器からそれぞれ異なる送信周波数でアンテナから送信された車上送信波を、誘導線を介して地上に設備された1局以上の固定局で2周波を同時受信し、ディジタル音声信号を復調し、アナログ音声信号に変換した後、音声信号と雑音とを比較して、通話音声品質の高い通話音声に接続することを特徴とした、誘導無線通信システムとして特定可能である。
また、本発明は、前記列車の前後部の車上送信器からそれぞれ異なる送信周波数でアンテナから送信された車上送信波を、誘導線を介して地上の例えば数キロメートル以上離れて設備された複数局の固定局で2周波を同時受信し、ディジタル音声信号を復調し、アナログ音声信号に変換した後、複数局のアナログ信号と雑音とを比較して、通話音声品質の高い通話音声に接続することを特徴とした、誘導無線通信システムとして特定可能である。
また、本発明は、前記地上に設備された特定の通信区間を受け持つ誘導線に接続された複数の固定局から、前記周波数の異なる例えば通話送信波と非常送信波を同時に車上受信装置に向け送信し、車上受信装置でディジタル音声信号を復調し、アナログ音声信号に変換した後、前記前後部のアナログ音声信号と雑音とを比較して、通話音声品質の高い通話音声に接続することを特徴とした、誘導無線通信システムとして特定可能である。
本発明によれば、基地局における移動局からの信号の受信レベルの向上を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。実施形態は例示であり、実施形態で示される構成は、本発明の構成を限定しない。
〔第1実施形態〕
図1及び図2は、本発明による誘導無線通信システムの第1実施形態の構成例を示す図である。図3は、誘導無線通信システムの作用説明図である。
図1において、誘導無線通信システムは、地上設備として、鉄道車両の運転指令所に設置される指令所装置100と、指令所装置に通信回線を介して接続される複数の基地局装置110(図1では基地局装置110A及び110Bを例示)とを備える。また、誘導無線通信システムは、基地局装置と誘導無線により通信を行う、電車線2から電力を受電して線路3上を走行する鉄道車両(この例では、電車1)内に設置された、複数の移動局車上装置120を備えている。
電車1は、複数台の車両(図1では、車両1−1,1−2,・・・1−6を例示)から編成されており、電車1の進行方向に対して先頭となる車両1−1に移動局車上装置120A(第1の移動局車上装置に相当)が設けられ、最後尾となる車両1−6に移動局車上装置120B(第2の移動局車上装置に相当)が設けられている。
移動局車上装置120A及び120Bは、同じ構成を有している。移動局車上装置120Aを例として説明すると、移動局車上装置120Aは、指令所との連絡通話を行うためのマイク121A及びスピーカ121Bを有する送受話器121と、モニタスピーカ122と、非常信号を通報するための非常信号発報スイッチ123と、受報表示灯124と、電車1に係る様々なディジタルデータ(例えば、列車番号等)を出入力する外部機器125とを有している。
これらの装置は、移動局制御装置126に接続されている。移動局制御装置126は、送話増幅器127、受話増幅器128、及びデータ線129を介してモデムモジュール130に接続されている。移動局制御装置126は、自身に接続された機器からの信号の接続処理を行う。
モデムモジュール130は、通話の音声信号や非常発報信号を音声圧縮した後にディジタル変調したり、列車外部装置からのディジタルデータをディジタル変調したり、基地局側から受信される信号を復調したりする。
具体的には、モデムモジュールは、図2に示すように、アナログ−ディジタル変換器(
A/D及びD/A変換器)1301と、A/D及びD/A変換器1301からのディジタ
ル信号を圧縮/伸張する(音声圧縮/伸張を行う)CODEC(Coder-Decoder)1302と
、CODEC1302及び4値FSK(Frequency Shift Keying)モデム1304とが接続される制御部1303とを有している。A/D及びD/A変換器1301及びCODEC1302が、音声圧縮信号生成手段(音声情報のアナログ信号生成手段)に相当し、4値FSKモデム1304がディジタル変調手段(ディジタル変調された信号の復調手段)に相当する。
制御部1303は、CODEC1302からのディジタル圧縮された音声信号や、データ線129からのデータ信号を4値FSKモデム1304に接続する。また、4値FSKモデム1304からのデータ信号をデータ線129に送出し、音声信号をCODEC1302に送出する。
4値FSKモデム1304は、制御部1303からのディジタル信号に対するディジタル変調(4値FSK)を行い、ディジタル信号の伝送帯域幅を圧縮し、送信器131及び132へ出力する。また、4値FSKモデム1304は、受信器133及び134からの信号を復調し、制御部1303へ出力する。
モデムモジュール130には、通話音声信号、非常発報信号、データ信号を基地局(指
令所)へ送るための送信器131及び送信器132が接続されている。送信器131及び
送信器132は、切替スイッチ135及び136をそれぞれ介して、送信アンテナ137に接続されている。送信器131が第1の信号生成手段に相当し、送信器132が第2の信号生成手段に相当し、切替スイッチ135及び136が第1及び第2の信号の選択手段に相当し、送信アンテナ137が送信手段に相当する。
送信器131は、フィルタ、FM変調器、増幅器などからなり、モデムモジュール130から出力されるディジタル変調信号を、第1の誘導無線周波数である、例えば180k
Hzの搬送波(第1の搬送波)でFM変調(Frequency Moderation)し、増幅して出力する。なお、180kHzは、従来、通話音声のアナログ信号を基地局へ送信するために使用される移動局通話送信波としての送信周波数である。
一方、送信器132は、フィルタ、FM変調器、増幅器を有しており、モデムモジュール130から出力されるディジタル変調信号を、第2の誘導無線周波数である、例えば143kHzの搬送波(第2の搬送波)でFM変調し、増幅して出力する。なお、143kHzは、従来、非常警告音などの非常発報に係る信号を基地局へ送信するために使用される移動局非常送信波としての送信周波数である。
第1及び第2の信号は、その占有周波数帯域幅は、移動局通話送信波及び移動局非常送信波の周波数帯域幅として使用されていた送信周波数に対して±3〜4kHzになるように生成される。
本実施形態では、第1の誘導無線周波数(180kHz)を用いて、電車(列車)1の乗務員から地上の運転指令所員への連絡通話、電車1の乗客との非常連絡通話、電車1の車内案内放送を行う。また、第2の誘導無線周波数(143kHz)を用いて、非常発報、防護発報、デッドマン情報、列車搭載機器の状態情報・故障情報を電車1から運転指令所に伝達するために使用する。切替スイッチ135及び136は、例えば、移動局制御装置126による制御によって、一方のみが閉じるように構成されている。例えば、移動局制御装置126は、送受話器121がフックオンにされたことを示す信号や、送受話器121からの音声信号を検出したときに切替スイッチ135を閉じて切替スイッチ136を開き、非常信号発報スイッチ123がオンにされたことを示す信号(非常発報信号)を検出したときに切替スイッチ136を閉じて切替スイッチ135を開くように構成される。
或いは、切替スイッチ135及び136は、乗務員の手動操作によって、一方が閉じて他方が開いた状態にされる。これによって、送信器131及び132の一方の出力のみが、送信アンテナ137に伝達され、電磁輻射される。
送信アンテナ137から送出される第1の搬送波による誘導無線信号(以下、ディジタ
ル信号が変調された信号という意味で「信号DS1」と呼ぶ:第1の信号に相当)と、第
2の搬送波による誘導無線信号(以下、「信号DS2」と呼ぶ:第2の信号に相当)とは、送信周波数が異なり、相互に干渉しない性質を持つ。
電車線2の近傍には、導線としての電車線2に沿って、所定の距離で区間分割された誘導線4(4a、4b)が設けられており、各誘導線4の両端には、線路結合器5と終端結合器6とが設けられている。各線路結合器5は、接続ケーブル8を介して基地局装置110A、110Bに接続されている。
信号DS1及びDS2のそれぞれは、送信アンテナ137から電磁輻射されると、一旦電車線2に誘導結合し(一次結合)、さらに、電車線2から誘導線4に誘導結合し(二次結
合)、誘導結合した誘導線4に接続された線路結合器5を介して基地局装置110で受信
される。このような、いわゆる間接結合方式による誘導無線通信で、各移動局車上装置110A、110Bからの信号DS1及び信号DS2が少なくとも1つの基地局装置110に伝達されるように構成されている。
一方、各基地局装置110からは、第3の誘導無線周波数の搬送波(第3の搬送波)でFM変調された信号(以下、「信号DS3」と呼ぶ)、及び第4の誘導無線周波数の搬送波でFM変調された信号(以下、「信号DS4」と呼ぶ)が出力され、誘導線4から電磁放射され、電車線2に誘導結合した後、移動局車上装置120で受信されるように構成されてい
る。
また、移動局車上装置120は、基地局装置110からの誘導無線信号を受信するための受信アンテナ139を有している。受信アンテナ139には、ハイブリッド(HYB)を介して受信器133及び134が接続されている。受信器133及び134は、信号選択回路133Aに接続されており、信号選択回路133Aは、モデムモジュール130に接続されている。
受信アンテナ139は非同調で、電車線2との間の誘導結合により、複数の送信周波数の誘導無線信号を同時に受信可能となっている。受信器133は、信号DS3を検波し、復調し、増幅して信号選択回路133Aに入力する。一方、受信器134は、信号DS4を検波し、復調し、増幅して信号選択回路133Aに入力する。
信号選択回路133Aは、受信器133及び134から入力される信号の受信レベルを比較し、受信レベルが高い方の信号のみをモデムモジュール130に入力する。
通常、移動局車上装置120が先頭車両と最後尾車両との双方に設けられている場合では、先頭車両の移動局車上装置120(ここでは120A)が乗務員によって使用される。
移動局車上装置120Aと移動局車上装置120Bとの間は、例えば、電車1の車両1−1〜1−6間に亘って引き通された引き通し線101で接続されている。移動局車上装置120Aの送受話器121のマイクに入力された通話音声信号、非常信号発報スイッチ123の押し下げによって生成される音声域の非常発報信号、列車外部装置125から入力されるデータ信号は、移動局制御装置126から引き通し線101を通じて移動局車上装置120Bの移動局制御装置126に入力される。
このとき、移動局車上装置120Aからの通話音声信号及び非常発報信号は、増幅器127Aを通じてモデムモジュール130Aに入力され、データ信号はデータ線129Aを通じてモデムモジュール130Aに入力される。これによって、移動局車上装置120Aからの信号は、4値FSK変調された信号に変換され、送信器131A及び132Aに入力され、信号DS1及びDS2が生成される。
このとき、切替スイッチ135A及び136Aの状態は、移動局車上装置120Aにおける切替スイッチ135及び136の状態と逆の状態にされる。例えば、手動でスイッチの状態が逆になるように操作しても良く、一方の移動局車上装置の移動局制御装置から切替スイッチの状態を示す信号が一方の移動局制御装置から引き通し線101を通じて他方の移動局車上装置の移動局制御装置に伝達され、切替スイッチの状態が制御される(移動
局車上装置間で切替スイッチの状態が逆になるように連動する)ようにしても良い。
したがって、移動局車上装置120Aの送信アンテナ137から信号DS1及びDS2の一方が出力される場合には、移動局車上装置120Bの送信アンテナ137Aからは、信号DS1及びDS2の他方が電磁輻射される。
基地局装置110A、110Bは、同じ構成を有している。基地局装置110Aを例に説明すると、基地局装置110Aは、線路結合器5と接続ケーブル8を介して接続される整合器140と、整合器140に接続されるハイブリッド141と、ハイブリッド141にハイブリッド142Aを介して接続される受信器143及び144と、ハイブリッド141にハイブリッド142Bを介して接続される送信器145A及び145Bと、受信器143及び144,並びに送信器145A及び145Bと接続されるモデムモジュール146と、モデムモジュール146に接続される光メディアコンバータ(OMC)147とを
備えている。
受信器143は、ハイブリッド141及び142Aを通じて入力される信号DS1を復調し、増幅してモデムモジュール146に出力する。一方、受信器144は、ハイブリッド141及び142Aを通じて入力される信号DS2を復調し、増幅してモデムモジュール146に出力する。受信器143及び144が第1及び第2の信号をそれぞれディジタル変調された信号に復調する手段に相当する。
送信器145Aは、モデムモジュール146から出力されるディジタル変調信号に対して第3の誘導無線周波数である、例えば130kHzの搬送波(第3の搬送波)でFM変調し、増幅して出力する。送信器145Aから出力される信号が上記した信号DS3である。送信器145Aが第3の信号生成手段に相当する。なお、130kHzは、従来、基地局から移動局へ通話を送信するために使用されていた基地局通話送信波の誘導無線周波数である。
送信器145Bは、モデムモジュール146から出力されるディジタル変調信号に対して、第4の誘導無線周波数である、例えば、160や200kHzの搬送波(第4の搬送
波)でFM変調し、増幅して出力する。送信器145Bから出力される信号が上記した信
号DS4である。送信器145Bが第4の信号生成手段に相当する。
信号DS3及びDS4は、ハイブリッド142B及び141を通じて線路結合器5から誘導線4にから電磁放射され、電車線2に一旦誘導結合した後、移動局車上装置120の受信アンテナ139で受信される。なお、第3及び第4の信号は、周波数帯域幅が、第1及び第2の信号と同様に、送信周波数に対して±3〜4kHzとなるように生成される。
モデムモジュール146は、図2に示すように、4値FSKモデム1401A,1401B,1401Cと、制御部1402と、CODEC(Coder-Decoder)1403A及び1
403Bと、ディジタル−アナログ変換器(D/A)1404A及び1404Bと、信号選択回路1405と、CODEC1406とを備えている。
4値FSKモデム(以下、単に「モデム」と表記する)1401A〜Cは、上述したモデム1304と同様の構成を持つ。制御部1402は、OMC147から入力される信号をモデム1401Aに入力する。また、制御部1402は、モデム1401Cから入力される音声圧縮信号(モデムで復調された通話音声及び非常警報音のディジタル信号)をCODEC1403Aへ出力し、データ信号をOMC147へ出力する。また、制御部1402は、モデム1401Bから入力される音声圧縮信号をCODEC1403Bへ出力し、データ信号をOMC147へ出力する。
CODEC1403A及び1403Bは、音声圧縮信号を伸張してD/A変換器1404A及び1404Bにそれぞれ出力する。D/A変換器1404A及び1404Bは、伸張された音声のディジタル信号をアナログ信号に変換し、信号選択回路1405に入力する。
信号選択回路1405は、D/A変換器1404A及び1404Bから入力される音声のアナログ信号の信号対雑音比(S/N比)を比較し、S/N比が良い方のアナログ信号のみをA/D変換器1406に入力する。A/D変換器1406は、音声のアナログ信号をディジタル信号に変換し、CODEC1407は音声のディジタル信号を音声圧縮してOMC147に入力する。
なお、モデム1401B及び1401C,CODEC1403A及び1403B,D/
A変換器1404A及び1404Bが、ディジタル変調された信号に含まれる音声圧縮信号から音声情報のアナログ信号を生成する手段に相当し、信号選択回路1405が信号選択手段に相当する。また、A/D変換器1406及びCODEC1407は、選択された音声情報のアナログ信号を音声圧縮信号に変換する手段として機能する。 OMC147は、光−電気変換モジュールと、電気−光変換モジュールとを有しており、光ケーブル148を介して入力される光信号を光−電気変換モジュールで電気信号に変換して制御部1402に与える。一方、OMC147は、制御部1402からのデータ信号とCODEC1407の音声のディジタル信号とを電気−光変換モジュールで光信号に変換し、光ケーブル148に送出する。
指令所装置100は、マイク151A及びスピーカ151Bを有する送受話器151と、指令制御器152と、送話増幅器153と、A/D及びD/A変換器154と、CODEC155と、OMC157と、受信増幅器158と、スピーカ159とを備えている。
以上の誘導無線通信システムでは、図1に示す如く、電車1の車両1−1に搭載された移動局車上装置120Aと、車両1−6に搭載された移動局車上装置120Bとの間を、車両間の引き通し線101で接続している。これにより、例えば、移動局制御装置126−126A間が接続される。
例えば車両1−1の移動局車上装置120Aを用いて通話送信及び非常送信を行う場合には、音声通話の音声(例えば300〜2700Hz)のアナログ信号と非常発報(例えば
487.5Hz)の非常警報音などのアナログ信号は、移動局制御装置126から送話増
幅器127で音声増幅された後、モデムモジュール130に与えられる。
外部機器125等からのディジタル外部信号(データ情報のディジタル信号:データ信
号)は、移動局制御装置126により、直接モデムモジュール130に加えられる。モデ
ムモジュール130は、音声通話の音声のアナログ信号(音声アナログ信号)及び非常発報の非常警報音などのアナログ信号(非常発報アナログ信号)を音声圧縮信号に変換し、音声圧縮信号及びデータ信号を4値FSK変調されたディジタル変調信号に変換し、送信器131及び132に出力する。送信器131は、ディジタル変調信号を第1の搬送波でFM変調した信号DS1を生成し、送信器132は、ディジタル変調信号を第2の搬送波でFM変調した信号DS2を生成する。このとき、切替スイッチ135及び136の状態に応じて、信号DS1及びDS2の一方のみが送信アンテナ137から電磁輻射される。
ところで、移動局制御装置126に入力される音声アナログ信号,非常発報アナログ信号,データ信号は、引き通し線101を通じて車両1−6に搭載された移動局車上装置120Aの移動局制御装置126Aに入力される。すると、移動局車上装置120Aでは、移動局車上装置120と同様の動作が行われ、信号DS1及びDS2の他方が送信アンテナ137Aから電磁輻射される。
図1及び3に示す例では、移動局車上装置120で切替スイッチ135のみが閉じられて信号DS1が送出され、移動局車上装置120Aで切替スイッチ136Aのみが閉じられて信号DS2が送出された例が示されている。もちろん信号DS1とDS2とは逆であっても良い。
このように、先頭の車両1−1からは、第1の搬送波で変調された信号DS1が送信され、最後尾の車両1−6からは、第2の搬送波で変調された信号DS2が送信される。
図3において、先頭の車両1−1からの信号DS1は、電車線2に一次結合すると、紙面の左側に高周波電流itとして流れ、矢印aで示すように、電車1の前方に位置する変
電所67を伝って線路3に流れる。そして、線路を流れる高周波電流itは、モータ64Aを伝ってパンタグラフ34Aからその前方への電車線2に回り込む状態となる。したがって、信号DS1は、変電所67とパンタグラフ34Aとの間における電車線2の範囲で、誘導線4aにのみ二次結合する状態となる。
一方、最後尾の車両1−6からの信号DS2は、電車線2に一次結合すると、紙面の左方向に高周波電流ieとして流れる。このとき、高周波電流ieは、パンタグラフ34Bからモータ64Bを伝わって線路3に短絡し、パンタグラフ34Bよりも前方には殆ど流れない。しかし、線路3に流れた高周波電流ieは、矢印cに示すように、電車1の後方に位置する変電所68を伝って電車線2に回り込み、電車線2を紙面の左方向へ向かって流れる。これによって、信号DS2は、パンタグラフ34Bと変電所68との間における電車線2の範囲で、誘導線4に二次結合する。図3では、誘導線4a及び4bに二次結合する。
これによって、パンタグラフ34Aの後方における電車線2に対し、先頭の車両1−1から送信される情報と同一の情報を含む誘導無線信号を結合することができ、誘導線4b(基地局装置110B)における音声信号や非常発報信号の受信レベルの向上を図ることができる。
また、誘導線4aに誘導結合される信号DS1及びDS2は、相互に送信周波数が異なる信号であるので、誘導線4aに同時に結合しても、相互に干渉せず、基地局装置110Aにて受信されることになる。
基地局装置110で信号DS1及びDS2が受信された場合には、基地局装置110は、信号DS1及びDS2に含まれる通話音声や非常警報音のような音声情報のうち、音声品質の良いもののみが指令所装置100に伝送される。
図2に示すように、基地局装置110に入力された信号DS1及びDS2は、受信器143及び144でそれぞれ復調されてモデム1401C及び1402Bに入力され、モデム1401C及び1402Bで音声圧縮信号及びデータ信号に復調される。
モデム1401Cで復調された信号DS1の音声圧縮信号は、制御部1402を介して、CODEC1403A及びD/A変換器1404Aにより通話音声や非常警報音などの音声のアナログ信号に変換されて信号選択回路1405に入力される。モデム1401Bで復調された信号DS2の音声圧縮信号は、制御部1402を介して、CODEC1403B及びD/A変換器1404Bにより通話音声や非常発報音などの音声のアナログ信号に変換されて信号選択回路1405に入力される。
信号選択回路1405は、入力された各アナログ信号のS/N比を比較し、S/N比の良い方のアナログ信号をA/D変換器1406に出力する。アナログ信号は、A/D変換された後、CODEC1407で音声圧縮信号に変換され、OMC147で光信号に変換され、光ケーブル148を通って指令所装置100へ伝送される。なお、復調されたデータ信号も、OMC147で光信号に変換されて指令所装置100へ伝送される。
なお、信号DS1及びDS2の少なくとも一方が複数の基地局装置110に受信された場合には、何れか一つの基地局装置110で各信号DS1及びDS2に含まれる音声のアナログ信号のうち、S/N比の最も良いものが選択されて指令所装置100に伝送されるようにしても良い。例えば、図2に示すように、他の基地局(サテライト受信局)からの音声のアナログ信号が信号選択回路1405に入力されるようにしても良い。
指令所装置100では、OMC157での光電変換により電気信号に変換されたデータ信号は、指令所装置100から外部の機器に伝達される。一方、OMC157での光電変換により電気信号に変換された音声圧縮信号は、CODEC155で伸張され、D/A及びA/D変換器154で音声のアナログ信号に変換され、受話増幅器158で増幅された後、指令制御器152に入力される。
指令制御器152は、通話音声のアナログ信号を送受話器151のスピーカ151Bに接続する。これによって、通話音声がスピーカ151Bから出力され、乗務員の音声が運転指令所の運転指令員に伝達される。一方、指令制御器152は、非常警報音などのアナログ信号を非常警報のスピーカ159に接続する。これによって、非常警報音などがスピーカ159から出力され、電車1からの非常発報が運転指令員に通知される。
一方、運転指令員の音声が指令所装置100から電車1へ伝達される場合、指令所装置100の送受話器151のマイク151Aから入力された音声信号は、送話増幅器153で増幅され、D/A及びA/D変換器154でディジタル信号に変換され、CODEC155で音声圧縮信号に変換された後、OMC157から光ケーブル148を通じて基地局装置110に伝達される。
基地局装置110では、OMC147から制御部1402を介してモデム1401Aに接続され、ディジタル変調された後、送信器145A及び145Bに入力され、それぞれ信号DS3、DS4に変換され、ハイブリッド142B,141及び線路結合器5を経て誘導線4から電磁放射される。
信号DS3及びDS4は、一旦電車線2に誘導結合した後、電車1の例えば移動局車上装置120の受信アンテナ136にて受信される。受信された信号DS3及びDS4は、ハイブリッド138を経て受信器133及び134にそれぞれ入力され、復調されて信号選択回路133Aに入力される。
信号選択回路133Aは、入力された信号DS3及びDS4の復調信号のうち、受信レベルが良い方の復調信号をモデムモジュール130のモデム1304に入力する。
モデム1304に入力された復調信号は、モデム1304での復調処理により、音声圧縮信号に変換され、CODEC1302で伸張された後、A/D及びD/A変換器1301で音声のアナログ信号に変換され、受話増幅器で増幅された後、移動局制御装置126により送受話器121のスピーカ121Aに接続され、音声として出力される。これによって、乗務員は運転指令員の音声を聞くことができる。以上の構成により列車乗務員と運転指令員との間で音声による相互通話が出来る。このとき、移動局車上装置120の信号選択回路133Aで受信レベルの良い方の信号が選択されることで、音声品質の良い信号をスピーカ121Aに接続することができる。
また、指令所装置100は、上記した非常警報音のような非常発報信号が受信の受信が確認されると、非常発報応答確認信号音(例えば、352.5Hz)を移動局車上装置120宛に送信する。この非常発報応答確認信号音は、指令所装置100,基地局装置110,及び移動局車上装置120で運転指令所員の音声と同様に取り扱われる。即ち、基地局装置110は、非常発報応答確認信号音を含む第3及び第4の信号を生成し、移動局車上装置120へ送信する。移動局車上装置120では、第3及び第4の信号のうちの受信レベルの良い方が選択され、これに対する復調処理により、非常発報応答確認信号音のアナログ信号が生成される。移動局制御装置126は、当該アナログ信号をスピーカ122に接続する。これによって、スピーカ122から非常発報応答確認信号音が出力され、乗務員は非常発報が正常に確立したことを確認できる。
上述した実施形態では、一方の移動局車上装置に入力された通話音声や非常警報音などの音声のアナログ信号を他方の移動局車上装置に引き通し線101を介して伝達する構成とした。この構成に代えて、図2に示すように、モデムモジュール内のCODEC1302で生成された音声圧縮信号が制御部1303から引き通し線101を介して他方の移動局車上装置の制御部1303に伝送するようにしても良い。この場合には、ノイズに対する品質の向上を期待できる。
また、引き通し線101は、例えば電車1に通常設備されている、運転士と車掌間の、いわゆる乗務員連絡装置のケーブルと兼用しても良い。
また、実施形態では、従来使用されていた通話及び非常発報の送信周波数(例えば18
0kHzと143kHz)と周波数帯域幅(±3〜4kHz)を使用するので、送信器13
1及び132,受信器133及び134,並びに送信アンテナ137及び受信アンテナ139として、従来の移動局車上装置に適用されていたものをそのまま使用することができる。
また、信号DS1と信号DS2とに同じ情報を含めてほぼ同時に送信することによって、上述したように基地局装置の受信レベルの改善を図ることができるとともに、移動局車上装置を二重系とすることになるので、機器の信頼度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、音声情報とともに画像情報のようなデータを車上と地上との間で送受信することができる。
また、上述した実施形態では、基地局装置110にて、第3の誘導無線周波数(143
kHz)と第4の誘導無線周波数(160又は200kHz)を用意し、これらで第3及び
第4の信号を送信するようにしている。このような構成に代えて、第4の誘導無線周波数として、移動局車上装置に防護発報用として従来から設備されている143kHzの受信装置を適用することができる。但し、この場合には、第2の誘導無線周波数と第4の誘導無線周波数とが同じ周波数となるため、基地局と移動局との間で同時に第2及び第4の信号が送信されないようにする必要がある。このため、例えば、移動局車上装置120で第4の信号(143kHz)が受信されている間は、移動局車上装置120は第2の信号(1
43kHz)を送出しないように構成される。
また、上述した実施形態では、基地局装置110が第3及び第4の信号を送出しているが、次のような変形が可能である。例えば、移動局車上装置120A及び120Bがそれぞれ第3及び第4の信号を受信した場合に、受信された信号が移動局車上装置120A及び120Bの一方に伝達され、受信レベルが比較され、受信レベルの良い方が選択されて音声出力に接続されるようにしても良い。或いは、移動局車上装置120A及び120で受信された第3及び第4の信号に含まれる音声圧縮信号又は音声圧縮信号が伸張及びD/A変換されたアナログ信号が移動局車上装置120Aと120Bとの一方に伝達され、伝達された側の移動局車上装置120で信号のS/N比が比較され、S/N比の良い方の信号が音声出力に接続されるようにしても良い。このような変形が行われる場合、基地局装置110は、移動局車上装置120に対し、第3及び第4の信号の一方のみを送信するように構成することができる。また、移動局車上装置120も、第3及び第4の信号の一方のみを受信する構成を備えていれば良い。
また、基地局装置110において、第1及び第2の信号の受信レベルが比較されて、受信レベルが良い方の信号が指令所装置100に伝達されるように構成しても良い。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態は、第1実施形態と同様の構成を有するので、異なる構成についてのみ説明する。第2実施形態は、基地局と移動局車上装置とが密結合方式により送受信を行う構成である点で、第1実施形態と異なる。
図4及び図5は、第2実施形態と比較される従来の密結合方式による地上誘導線布設方法を示す図である。密結合方式では、地上誘導線として、鉄道車両の軌道(線路)に沿って、結合器間に2本の誘導線を張り渡している。そして、保守用ガソリンカーの収容場所,扉,通路等の誘導線を設けることができない区間がある場合には、当該区間と隣接する区間の結合器同士を同軸ケーブルで接続している。
このような地上誘導線の構成を持つ場合には、電車の一車両に対し、先頭の両側面と、後尾の両側面とに、2つずつ送信アンテナが設けられる。一方の側面に設けられた二つのアンテナ(図4ではアンテナA及びB)は、上りと下りとの一方において使用され、他方の側面に設けられた二つのアンテナ(図4ではC及びD)は、上りと下りの他方において使用される。
各側面に設けられた二つのアンテナA及びBと、アンテナC及びDとは、それぞれ、ハイブリッド(HYB)201,202を介して移動局車上装置203A,203Bに接続される。そして、例えば上り方向においては、移動局車上装置203Aが使用され、基地局へ送信すべき信号が各アンテナA及びBから誘導線へ送信されるようにし、下り方向においては、移動局車上装置203Bが使用され、基地局へ送信すべき信号が各アンテナC及びDから誘導線へ送信されるようにしている。
車両200−nの一側面の先頭と後尾とに二つのアンテナが設けられているのは次の理由による。もし仮に、車両200−nの一側面に対するアンテナが先頭側の1つだけ(例
えば送信アンテナAだけ)であり、アンテナAと誘導線との位置関係が図4に示すような
状態であったとすると、アンテナAから区間1の誘導線には信号を誘導結合することができるが、区間2の誘導線には信号を誘導結合することができない。
また、誘導線を布設できない区間に設けられている同軸ケーブルは、アンテナからの信号を受信できないので、アンテナが一つだけであったとすると、布設不能区間ではアンテナからの信号を基地局側で受信できないことになる。このため、車両の一側面の先頭と後尾とに2つのアンテナを設け、少なくとも一方のアンテナからの信号が誘導線で受信できるようにしている。
一方、密結合方式では、二本の誘導線を撚架すれば、ノイズを除去できることが知られている。しかしながら、上記したような構成においては、以下の理由により誘導線を撚架することができなかった。
即ち、図5に示すように、密結合方式では、アンテナは、二本の誘導線にそれぞれ接近するアンテナループを持つように構成される。このとき、各アンテナループと誘導線との誘導結合により、二本の誘導線に逆方向の電流が流れるようにアンテナループが配置される。
例えば、図5に示すアンテナAは、アンテナループA1とA2とにおいて対向する向きに電流が流れるように構成され、アンテナループA1と誘導結合する誘導線には紙面の左側に向かって電流が流れ、アンテナループA2と誘導結合する誘導線には紙面の右側に向かって電流が流れる。アンテナBは、アンテナループB1と、アンテナループB2とを有する。
アンテナA及びBには、移動局車上装置203(図5では203A)からは、同じ送信周波数の誘導無線信号(高周波電流)が流れるように構成されている。ここで、図5に示すように、二つのアンテナA及びB間に、撚架点が位置している場合を想定する。
この場合、撚架点を境として、各アンテナA及びBのアンテナループと誘導線との位置関係が逆になる。即ち、アンテナループA1と誘導結合する誘導線がアンテナB2と誘導結合するようになり、アンテナループA2と誘導結合する誘導線がアンテナループB1と誘導結合する状態となる。
すると、アンテナループA2との誘導結合によって誘導線を右向きに流れる受信電流と、アンテナループB1との誘導結合によって誘導線を左向きに流れる受信電流とが生じる。これらの受信電流は送信周波数が同じであるので、受信電流の位相をキャンセルしてしまう。このように、二本のアンテナに同じ送信周波数の信号を流す場合には、撚架を行うことができなかった。
第2実施形態は、このような問題に鑑みなされたものである。図6及び図7は、誘導無線通信システムの第2実施形態に係る構成例を示す図である。図6において、地上誘導線の構成は、図4に示したものとほぼ同様である。但し、区間1及び2に設けられた誘導線には、それぞれ1回ずつ撚架が行われている(破線の楕円で囲まれた部分を参照)。
電車200の車両200−nには、従来と同様に、両側面における先頭と後尾とのそれぞれに、アンテナA〜Dが設けられている。また、車両200−nには、本発明に係る二つの移動局車上装置213A及び213Bが搭載されている。
移動局車上装置213Aは、スイッチ212Aを介して、アンテナA及びCの一方に送信信号を接続するように構成されており、移動局車上装置213Bは、アンテナB及びDの一方に送信信号を接続するように構成されている。
スイッチ212Aとスイッチ212Bとは切替動作が連動するように構成されており、スイッチ212AがアンテナAを選択しているときは、スイッチ212BがアンテナBを選択し、スイッチ212AがアンテナCを選択しているときは、スイッチ212BがアンテナDを選択するように構成されている。ここでは、アンテナA及びBが選択されている。
移動局車上装置213A及び213Bは、それぞれ、第1実施形態で説明したような、ディジタル変調された音声圧縮信号やデータ信号が、相互に干渉しない2種類の誘導無線周波数の搬送波で変調(例えばFM変調)された信号DS1及びDS2と同様の信号をそれぞれアンテナへ向けて出力することができる。二種類の誘導無線周波数として、例えば、第1実施形態で説明した180kHzと143kHzとを選択することができる。
信号DS1及びDS2と同様の信号を出力する構成として、第1実施形態で説明した移動局車上装置120の構成を適用することが可能である。例えば、移動局車上装置213Aに通話音声が入力されると、移動局車上装置213Aは信号DS1及びDS2の一方(
例えばDS1)と同様の信号を生成し、アンテナAへ出力する。
このとき、移動局車上装置213Aに入力された通話音声のアナログ信号又はその音声圧縮信号が、信号線214を通じて移動局車上装置213Bに入力される。すると、移動局車上装置213Bは、信号DS1及びDS2の他方(例えばDS2)と同様の信号を生成し、アンテナBへ出力する。
すると、図7に示すように、アンテナAのアンテナループA1及びA2に信号DS1の高周波電流が送信電流として流れるとともに、アンテナBのアンテナループB1及びB2に信号DS2の高周波電流が送信電流として流れる。基地局は、結合器を介して誘導線へ誘導無線信号を送信する送信器と、結合器を介して誘導線から誘導無線信号を受信する受信器215とを備えている。
この場合、信号DS1とDS2とは、送信周波数が異なり、相互に干渉しない性質を持つ。このため、図7に示すように、アンテナAとアンテナBとの間に撚架箇所が位置するようになっても、アンテナAから誘導結合により誘導線を流れる電流と、アンテナBからの誘導結合により誘導線を流れる電流とが互いを打ち消し合うことがない。したがって、撚架によるノイズ除去によって、基地局の受信器215での受信ノイズの減少を図ることができ、通信品質の向上を図ることができる。
図1は、本発明による誘導無線通信システムの第1実施形態の一例を示すブロック構成図である。 図2は、本発明による誘導無線通信システムの第1実施形態の一例(移動局車上装置、基地局装置、指令所装置)を示すブロック構成図である。 図3は、第1実施形態の作用説明図である。 図4は、本発明による誘導無線通信システムの第2実施形態と比較すべき従来の密結合方式による誘導無線通信システムの構成例を示す図である。 図5は、図4に示した密結合方式において、誘導線を撚架した場合の問題を示す図である。 図6は、本発明による誘導無線通信システムの第2実施形態の構成例を示す図である。 図7は、第2実施形態の作用説明図である。 技術の背景(従来技術)を示す図である。
符号の説明
1 電車
2 電車線(導線)
4 誘導線
100 指令所装置
110A,110B 基地局装置
120A,120B 移動局車上装置
126 移動局車上装置
130,146 モデムモジュール
131,132 送信器
133,134 受信器
133A 信号選択回路
135,136 切替スイッチ
137 送信アンテナ
139 受信アンテナ
1301 D/A及びA/D変換器
1302,1403A,1403B CODEC
1303,1402 制御部
1304,1401A,1401B,1401C 4値FSKモデム
1404A,1404B ディジタル−アナログ変換器
1405 信号選択部

Claims (10)

  1. 鉄道車両に設置された移動局と基地局との間で誘導無線による通信を行う誘導無線通信システムであって、
    ディジタル変調された信号が第1の誘導無線周波数の搬送波でさらに変調された第1の信号と、ディジタル変調された信号が第2の誘導無線周波数の搬送波でさらに変調された前記第1の信号と干渉しない第2の信号とを鉄道車両の先頭及び後尾のそれぞれから送信可能な少なくとも第1及び第2の移動局車上装置を備え、
    前記第1の移動局車上装置が前記先頭及び後尾の一方から前記第1の信号を送信するときに、前記第2の移動局車上装置が前記先頭及び後尾の他方から前記第1の信号に含まれる情報と同じ情報を含む前記第2の信号を送信する
    ことを特徴とする誘導無線通信システム。
  2. 前記第1及び第2の信号は、ディジタル圧縮された音声情報とデータ情報との何れか一方又は双方を含む
    請求項1記載の誘導無線通信システム。
  3. 前記基地局で受信される前記第1及び第2の信号にそれぞれ含まれる前記音声情報のアナログ信号のうち、音声品質が高いと判断されるアナログ信号が前記鉄道車両の運転指令所に配置される指令所装置の音声出力に接続される
    請求項2記載の誘導無線通信システム。
  4. 前記第1及び第2の信号が複数の基地局で受信される場合に、複数の基地局で受信された前記第1及び第2の信号にそれぞれ含まれる前記音声情報のアナログ信号の中から最も音声品質が高いと判断されるアナログ信号が前記鉄道車両の運転指令所に配置された指令所装置の音声出力に接続される
    請求項2記載の誘導無線通信システム。
  5. 前記第1及び第2の移動局車上装置の少なくとも一方は、少なくとも1つの基地局から、ディジタル変調された信号が第3の誘導無線周波数の搬送波でさらに変調された第3の信号と、前記ディジタル変調された信号が第4の誘導無線周波数の搬送波でさらに変調された前記第3の信号と相互に干渉しない第4の信号とを受信し、これらの第3及び第4の信号にそれぞれ含まれる同一の音声情報のアナログ信号から音声品質が高い方のアナログ信号を選択する
    請求項1〜4の何れかに記載の誘導無線通信システム。
  6. 前記第1及び第2の移動局車上装置から送信される第1及び第2の信号は、前記鉄道車両の軌道に沿って設けられた導線に誘導結合した後、前記導線に沿って設けられ区間分割された複数の誘導線の少なくとも1つに誘導結合し、各誘導線に接続された基地局で受信される
    請求項1〜5の何れかに記載の誘導無線通信システム。
  7. 前記第1及び第2の移動局車上装置から送信される第1及び第2の信号は、撚架された二線式の誘導線に密結合され、誘導線に接続された基地局で受信される
    請求項1〜5の何れかに記載の誘導無線通信システム。
  8. 前記第1の信号は、移動局から基地局への通話送信に適用されている第1の誘導無線周波数及び誘導無線周波数帯域幅を用いて生成され、前記第2の信号は移動局から基地局への非常発報の送信に適用されている第2の誘導無線周波数及び誘導無線周波数帯域幅を用いて生成される
    請求項1〜7の何れかに記載の誘導無線通信システム。
  9. 第1及び第2の移動局車上装置は、
    入力された音声情報から音声圧縮信号を生成する音声圧縮信号生成手段と、
    音声圧縮信号及び/又は入力されたデータ情報をディジタル変調するディジタル変調手段と、
    ディジタル変調手段によってディジタル変調された信号を第1の誘導無線周波数の搬送波で変調して第1の信号を生成する第1信号生成手段と、
    ディジタル変調手段によってディジタル変調された信号を第2の誘導無線周波数の搬送波で変調して第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、
    第1及び第2の信号を送信する送信手段と、
    第1及び第2の移動局車上装置の一方に入力された音声情報及びデータ情報を他方に伝達する手段と、
    第1の信号と第2の信号とのいずれを前記送信手段で送信するかを選択する選択手段とを備え、
    前記選択手段は、第1の移動局車上装置で第1及び第2の信号の一方が選択されたときに、第2の移動局車上装置で第1及び第2の信号の他方が選択されるように構成される
    請求項1〜8の何れかに記載の誘導無線通信システム。
  10. 前記基地局は、第1及び第2の信号を受信する手段と、
    第1及び第2の信号をそれぞれディジタル変調された信号に復調する手段と、
    ディジタル変調された信号に含まれる音声圧縮信号から音声情報のアナログ信号を生成する手段と、
    生成された音声情報のアナログ信号の信号対雑音比を求め、信号対雑音比が良い方を選択する信号選択手段とを備え、
    前記指令所装置は、選択された音声情報のアナログ信号を音声出力に接続するように構成される
    請求項3記載の誘導無線通信システム。
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