JP2005317423A - 電池容器用めっき鋼板、その電池容器用めっき鋼板を用いた電池容器およびその電池容器を用いた電池 - Google Patents

電池容器用めっき鋼板、その電池容器用めっき鋼板を用いた電池容器およびその電池容器を用いた電池 Download PDF

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Eiji Yamane
栄治 山根
Eiji Okamatsu
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Abstract

【課題】 電池容器内面に黒鉛などを主体とする導電層を形成せずとも、優れた放電特性を有する電池とすることが可能な電池容器用めっき鋼板、それを用いた電池容器およびそれを用いた電池を提供する。
【解決手段】 電池容器用めっき鋼板の電池容器内面となる側に、めっき層中に極微細炭素質を分散した分散めっき層を形成し、次いで熱処理を施して金属層を形成させ、その金属層上に銀または銀を含む化合物からなる層を形成させて電池容器用めっき鋼板とし、この電池容器用めっき鋼板を有底の筒型形状に成形加工して電池容器とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電池容器用めっき鋼板、その電池容器用めっき鋼板を用いた電池容器およびその電池容器を用いた電池に関する。
近年、オーディオ機器やモバイユ電話など、多方面において携帯用機器が用いられ、その作動電源として一次電池であるアルカリ電池、二次電池であるニッケル水素電池、リチウムイオン電池などが多用されている。これらの電池においては、高出力化および長寿命化など、高出力化が常時求められおり、正極および負極活物質を充填する電池容器も電池の重要な構成要素として性能の向上が求められている。例えば、鋼板表面に形成させるニッケルめっき中に黒鉛やカーボンブラックなどの微細炭素質を分散析出させることにより、表面に凹凸を形成させるとともに、導電性に優れる黒鉛粒子を表面に露出させて正極活物質と電池容器内面との接触抵抗を低減させた表面処理鋼板が出願人から提案されている(例えば特許文献1、2、3参照)。
これらの表面処理鋼板を電池容器に成形加工し、正極および負極活物質を充填して電池とする場合、充填する負極活物質との接触抵抗が減少して放電特性が向上し、従来行われていた接触抵抗を減少させるための電池容器内面に黒鉛などを主体とする塗料を塗布して導電層を形成する工程を省略することが可能となった。この微細炭素質を分散析出させためっき層上に黒鉛などを主体とする塗料を塗布すると電池性能はさらに向上する。しかし、黒鉛の塗料の塗布および乾燥においては溶媒が揮散されて環境に悪影響を与え、また余分な塗装工程が必要でコストアップとなるので、黒鉛塗料の塗布を省略してもこのような高い電池性能を発現させることが可能な電池容器用めっき鋼板が求められている。
本発明に関する先行技術文献として以下のものがある。
国際公開第WO00/05437号パンフレット 特開2002−180296号公報 特開2004−076118号公報
本発明は、電池容器内面に黒鉛などを主体とする導電層を形成せずとも、優れた放電特性を有する電池とすることが可能な電池容器用めっき鋼板、それを用いた電池容器およびそれを用いた電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の電池容器用めっき鋼板は、鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板(請求項1)、または
鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケル層、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板(請求項2)、または
鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、ニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板(請求項3)、または
鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、ニッケル−鉄拡散層、ニッケル層、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケル層、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板(請求項4)、または
鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板(請求項5)、または
鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケル層、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板(請求項6)、または
鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、ニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板(請求項7)、または
鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、ニッケル−鉄拡散層、ニッケル層、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケル層、層中に極微細炭素質をおよび微細炭素質分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板(請求項4)であり、
上記(請求項1〜4)の電池容器用めっき鋼板において、前記ニッケル−鉄拡散層、ニッケル−錫拡散層、分散ニッケル層の層中に前記極微細炭素質が0.1〜5重量%の量で分散されてなること(請求項9)、また
上記(請求項5〜8)の電池容器用めっき鋼板において、前記ニッケル−鉄拡散層、ニッケル−錫拡散層、分散ニッケル層の層中に前記極微細炭素質および前記微細炭素質が0.1〜5重量%の量で分散されてなること(請求項10)を特徴とし、また
上記(請求項1〜9)の電池容器用めっき鋼板において、前記極微細炭素質がカーボンナノチューブであること(請求項11)を特徴とし、また
上記(請求項5〜8、10)の電池容器用めっき鋼板において、前記微細炭素質がケッチェンブラックまたはアセチレンブラックであること(請求項12)を特徴とする。
そして、本発明の電池容器は、上記(請求項1〜12)のいずれかの電池容器用めっき鋼板を有底の筒型形状に成形加工してなる電池容器(請求項13)であり、
本発明の電池は、上記(請求項13)の電池容器を用いてなる電池(請求項14)である。
本発明においては、電池容器用めっき鋼板の電池容器内面となる側に、めっき層中に極微細炭素質であるカーボンナノチューブを分散した分散めっき層を形成し、次いで熱処理を施して金属層を形成させ、その金属層上に銀または銀を含む化合物からなる層を形成させることにより、容器内面に黒鉛粉末を主成分とする塗料を塗布せずに用いても、従来の分散めっき層を形成させためっき鋼板を用い、さらに電池容器に成形した後内面に黒鉛を塗布した容器を用いた電池と同等以上の放電特性が得られる。また、電池寿命も向上する。
以下、本発明を詳細に説明する。まず本発明の電池容器用めっき鋼板の基板である鋼板について説明する。基板となる鋼板としては、汎用の低炭素アルミキルド鋼(炭素量0.01〜0.15重量%)、またはニオブやチタンを添加した非時効性の極低炭素アルミキルド鋼(炭素量0.01重量%未満)を用いる。これらの鋼を熱間圧延板を酸洗して表面のスケールを除去した後、冷間圧延し次いで電解洗浄、焼鈍、調質圧延したものを基板として用いる。冷間圧延して電解洗浄後、焼鈍を施さずに基板としてめっきを施し、その後焼鈍してもよい。
このようにして得られる基板である鋼板の両面に金属層を形成させて、本発明の電池容器用めっき鋼板とする。一般に、電池容器用めっき鋼板にめっきを施し次いで拡散熱処理して形成させる金属層としては、ニッケルめっき層や各種のニッケル合金めっき層、または鋼板上にこれらのめっき層を形成させた後、熱処理を施したものなどがあるが、本発明の電池容器用めっき鋼板においては、電池容器の少なくとも内面側となる面にニッケルめっき層中に極微細炭素質であるカーボンナノチューブを分散させた分散ニッケルめっき層、またはニッケルめっき層中に極微細炭素質であるカーボンナノチューブおよびケッチェンブラックやアセチレンブラックなどのカーボンブラックからなる微細炭素質を分散させた分散ニッケルめっき層を鋼板上に形成させ、次いでその上に錫めっき層を形成させ、その後拡散熱処理を施して層中に極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質を分散させたニッケル−鉄拡散層とニッケル−錫拡散層を形成させ、さらにニッケル−錫拡散層上に銀または銀を含む化合物からなる層を形成させることを特徴としている。電池容器の外面側となる面には、通常のニッケルめっき層や各種のニッケル合金めっき層、または鋼板上にこれらのめっき層を形成させた後、熱処理を施してなる層を設けてもよいし、上記の電池容器の内面側となる面に形成させる層を設けてもよい。通常、電池容器の内面には、充填する負極活物質との接触抵抗を減少させて放電特性を向上させるために、鋼板にめっき層や上記の分散めっき層を形成させ、またはさらび熱処理を施して鋼板とこれらのめっき層の間に拡散層を形成させた電池容器用めっき鋼板を電池容器に成形加工し、容器内面側のこれらのめっき層の上に黒鉛などを主体とする塗料を塗布して導電層を形成させているが、本発明の電池容器用めっき鋼板を電池容器に成形加工し、正極および負極活物質を充填して電池とした場合は、容器内面の最表面に銀または銀を含む化合物からなる層を形成させることにより、黒鉛塗料を塗布しなくとも従来の黒鉛塗料を塗布した電池容器を用いた場合と同等以上の放電特性が得られる。そのため、この黒鉛塗料の塗布及び乾燥工程を省略することができる。本発明の電池容器用めっき鋼板を電池容器に成形加工し、従来と同様に容器内面に黒鉛塗料を塗布した容器を用いた場合は、放電特性はさらに向上する。また、内部抵抗が低下し、電池寿命が向上する副次効果も得られる。
最表面に銀または銀を含む化合物からなる層を形成させる容器内面となる側の鋼板上に形成させる金属層は下記に示すように構成されていることが好ましい。すなわち鋼板側から下から順に、(a)層中に極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されているもの、(b)層中に極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質を分散した分散ニッケル層、層中に極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されているもの、(c)ニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されているもの、(d)ニッケル−鉄拡散層、ニッケル層、層中に極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質を分散した分散ニッケル層、層中に極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されているもの、のいずれかであることが好ましい。電池容器の外面となる側の鋼板上に形成させる金属層は、鋼板側から下から順に、ニッケル−鉄拡散層、ニッケル層が形成されていることが好ましい。
上記の金属層を形成させるためには、鋼板上にそれぞれの金属層を構成する金属のめっきを施し、次いで熱処理を施して拡散層を形成させる。すなわち、上記の(a)および(b)の場合は鋼板上に分散ニッケルめっき、その上に錫めっきを施し、次いで熱処理する。上記の(c)および(d)の場合は鋼板上にニッケルめっき、その上に分散ニッケルめっき、さらにその上に錫めっきを施し、次いで熱処理する。
分散ニッケルめっき層中に分散させる極微細炭素質としては、平均径が0.4〜1.8nmの単層カーボンナノチューブや平均径が1〜数nmの多層カーボンナノチューブなどを用いることができるが、平均粒径が1nmの前後の単層カーボンナノチューブを用いることが好ましい。極微細炭素質はめっき中に0.1〜5重量%の量で分散されていることが好ましい。
分散ニッケルめっき層中には上記の極微細炭素質のみを分散させてもよいが、これらの極微細炭素質は高価であるので、平均径が10〜60nmのケッチェンブラックや平均径が50〜200nmのアセチレンブラックなどのカーボンブラックからなる微細炭素質を併用して分散させてもよい。極微細炭素質とこれらの微細炭素質を併用する場合は、両者の合計でめっき中に0.1〜5重量%の量で分散されていることが好ましく、0.5〜3重量%の量で分散されていることがより好ましい。これらの極微細炭素質や微細炭素質は疎水性であるので、界面活性剤を用いてめっき液中に分散させる。これらの極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質を分散させためっき液を用いて電解処理することにより、めっき中にこれらの極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質が分散してなる分散めっきが得られる。
鋼板の電池容器内面となる側に形成させた上記の金属層の最表面に形成させる銀または銀酸化物などの銀を含む化合物からなる層における銀の存在量としては、銀として0.01〜1.0g/m 、好ましくは0.05〜0.5g/m であることが好ましい。0.01g/m 未満では放電特性の向上効果に乏しく、1.0g/m を超えてもそれ以上放電特性は向上せず、コスト的に有利でなくなる。
次に、本発明の電池容器用めっき鋼板の製造方法について説明する。上記の低炭素アルミキルド鋼または極低炭素アルミキルド鋼の冷延鋼板を基板とし、これらの基板に上記のニッケルめっき中に上記の極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質を分散させてなる分散ニッケルめっき層を形成させ、その上に錫めっき層を形成させるか、もしくは上記のニッケルめっき層とその上に上記の分散ニッケルめっき層とさらにその上に錫めっき層を形成させ、熱処理を施す。このようにして、層中に極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質が分散したニッケル−鉄拡散層およびニッケル−錫拡散層を形成させるか、またはニッケル−鉄拡散層、もしくはニッケル−鉄拡散層とその上のニッケル層の上に、層中に極微細炭素質または極微細炭素質と微細炭素質が分散したニッケル−錫拡散層を形成させ、次いでさらにこれらの金属層上にフラッシュめっき法などの湿式めっき法や、蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などの乾式めっき法を用いて銀または銀含有化合物からなる層を形成させる。または、上記のようにして金属層を形成させ、次いで銀または銀含有化合物からなる層を形成させた後、再度熱処理を施して最表面に銀含有化合物からなる層を形成させてもよい。さらにまたは、上記のようにして基板上に分散ニッケルめっきと錫めっき、もしくはニッケルめっきと分散ニッケルめっきと錫めっきを施した後、引き続きその上に銀または銀含有化合物からなる層を形成させた後、拡散熱処理を施してもよい。これらの鋼板上に上記のめっき層を形成させ、焼鈍処理を行う工程は、低炭素アルミキルド鋼の冷延鋼板をめっき基板として用いる場合(以下、A工程という)と、極低炭素アルミキルド鋼の冷延鋼板をめっき基板として用いる場合(以下、B工程という)に大別される。
A工程により電池容器用めっき鋼板を製造する場合は、以下のようにして行う。鋼板上に上記の(a)または(b)の構成の金属層を形成させる場合は、低炭素アルミキルド鋼を冷間圧延しアルカリ水溶液中で電解洗浄し、次いで箱型焼鈍または連続焼鈍した後調質圧延し、電池容器外面となる側にニッケルめっきを施し、電池容器内面となる側に上記の分散ニッケルめっきと錫めっきを施し、再度箱型焼鈍法または連続焼鈍法による拡散熱処理を施した後、引き続き電池容器内面となる側のみに銀めっきまたは銀−錫合金めっきを施す。またはその後熱処理として再加熱処理する。もしくは分散ニッケルめっきと錫めっきを施し、引き続き電池容器内面となる側のみに銀めっきまたは銀−錫合金めっきを施した後、拡散熱処理を施す。このようにして、電池容器内面となる側には(a)または(b)の構成の金属層の最表面に銀を含む合金層が形成されてなり、電池容器外面となる側にはニッケル−鉄拡散層とニッケル層が形成された本発明の電池容器用めっき鋼板が得られる。冷間圧延後の焼鈍を箱型焼鈍で行う場合は640〜680℃の温度範囲で5〜20時間均熱することが好ましく、連続焼鈍で行う場合は730〜800℃の温度範囲で0.5〜3分均熱することが好ましい。めっき後の拡散熱処理を箱型焼鈍で行う場合は500〜530℃の温度範囲で5〜10時間均熱することが好ましく、連続焼鈍で行う場合は730〜800℃の温度範囲で0.5〜3分均熱することが好ましい。再加熱処理は、めっき後の拡散熱処理を行った場合は400〜500℃の温度範囲で0.5〜3分熱することが好ましく、めっき後の拡散熱処理を行わない場合は730〜800℃の温度範囲で0.5〜3分均熱することが好ましい。(a)または(b)の構成のどちらの金属層を形成させるかは、分散ニッケルめっき量、錫めっき量、および焼鈍条件や拡散熱処理条件(タイプ、温度、時間)を適宜選択する。
鋼板上に上記の(c)または(d)の構成の金属層を形成させる場合は、低炭素アルミキルド鋼を冷間圧延しアルカリ水溶液中で電解洗浄した後に箱型焼鈍または連続焼鈍し、次いで調質圧延し、電池容器外面となる側にニッケルめっきを施し、電池容器内面となる側に上記のニッケルめっきと分散ニッケルめっきと錫めっきを施し、再度箱型焼鈍法または連続焼鈍法による拡散熱処理を施した後、引き続き電池容器内面となる側のみに銀めっきまたは銀−錫合金めっきを施す。またはその後熱処理として再加熱処理する。もしくはニッケルめっきと分散ニッケルめっきと錫めっきを施し、引き続き電池容器内面となる側のみに銀めっきまたは銀−錫合金めっきを施した後、拡散熱処理を施す。このようにして、電池容器内面となる側には(c)または(d)の構成の金属層の最表面に銀を含む合金層が形成されてなり、電池容器外面となる側にはニッケル−鉄拡散層とニッケル層が形成された本発明の電池容器用めっき鋼板が得られる。冷間圧延後の焼鈍を箱型焼鈍で行う場合は640〜680℃の温度範囲で5〜20時間均熱することが好ましく、連続焼鈍で行う場合は730〜800℃の温度範囲で0.5〜3分均熱することが好ましい。めっき後の拡散熱処理を箱型焼鈍で行う場合は500〜530℃の温度範囲で5〜10時間均熱することが好ましく、連続焼鈍で行う場合は730〜800℃の温度範囲で0.5〜3分均熱することが好ましい。再加熱処理は、めっき後の拡散熱処理を行った場合は400〜500℃の温度範囲で0.5〜3分熱することが好ましく、めっき後の拡散熱処理を行わない場合は730〜800℃の温度範囲で0.5〜3分均熱することが好ましい。(c)または(d)の構成のどちらの金属層を形成させるかは、ニッケルめっき量、分散ニッケルめっき量、錫めっき量、および焼鈍条件や拡散熱処理条件(タイプ、温度、時間)を適宜選択する。
B工程により電池容器用めっき鋼板を製造する場合は、以下のようにして行う。鋼板上に上記の(a)または(b)の構成の金属層を設ける場合は、極低炭素アルミキルド鋼を上記と同様の工程を経て電解洗浄し、電池容器外面となる側にニッケルめっきを施し、電池容器内面となる側に分散ニッケルめっきと錫めっきを施し、その後連続焼鈍し、次いで調質圧延する。そして電池容器内面となる側にのみ銀めっき、または銀−錫合金めっきを施す。または分散ニッケルめっきと錫めっきを施し、その上に銀めっき、または銀−錫合金めっきを施し、その後連続焼鈍し、次いで調質圧延する。このようにして、電池容器内面となる側には(a)または(b)の構成の金属層の最表面に銀を含む合金層が形成されてなり、電池容器外面となる側には鉄−ニッケル拡散層、ニッケル層が形成された本発明の電池容器用めっき鋼板が得られる。連続焼鈍は730〜800℃の温度範囲で0.5〜3分均熱することが好ましい。(a)または(b)の構成のどちらの金属層を形成させるかは、分散ニッケルめっき量、錫めっき量、および焼鈍条件や拡散熱処理条件(タイプ、温度、時間)を適宜選択する。
鋼板上に上記の(c)または(d)の構成の金属層を設ける場合は、極低炭素アルミキルド鋼を上記と同様の工程を経て電解洗浄し、電池容器外面となる側にニッケルめっきを施し、電池容器内面となる側にニッケルめっきと分散ニッケルめっきと錫めっきを施し、その後連続焼鈍し、次いで調質圧延する。そして電池容器内面となる側にのみ銀めっき、または銀−錫合金めっきを施す。またはニッケルめっきと分散ニッケルめっきと錫めっきを施し、その上に銀めっき、または銀−錫合金めっきを施し、その後連続焼鈍し、次いで調質圧延する。このようにして、電池容器内面となる側には(c)または(d)の構成の金属層の最表面に銀を含む合金層が形成されてなり、電池容器外面となる側には鉄−ニッケル拡散層、ニッケル層が形成された本発明の電池容器用めっき鋼板が得られる。連続焼鈍は730〜800℃の温度範囲で0.5〜3分均熱することが好ましい。(c)または(d)の構成のどちらの金属層を形成させるかは、ニッケルめっき量、分散ニッケルめっき量、錫めっき量、および焼鈍条件や拡散熱処理条件(タイプ、温度、時間)を適宜選択する。
本発明の電池容器用めっき鋼板は上記のようにして得られる。本発明の電池容器は上記電池容器用めっき鋼板を、絞り加工法、絞りしごき加工法(DI加工法)、絞りストレッチ加工法(DTR加工法)、または絞り加工後ストレッチ加工としごき加工を併用する加工法を用いて、有底の筒型形状に成形加工して得られる。筒型形状としては底面が円、楕円、または長方形や正方形などの多角形の形状であり、用途に応じて側壁の高さを適宜選択した筒型形状に成形加工する。このようにして得られる電池容器に正極、負極活物質等を充填して電池とする。
以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。
[電池容器用めっき鋼板の作成]
基板として、表1に化学組成を示す低炭素アルミキルド鋼(I)および極低炭素アルミキルド鋼(II)の冷間圧延板(厚さ0.25mm)を用い、低炭素アルミキルド鋼(I)を用いた場合は下記の1〜6で示す工程を経て、極低炭素アルミキルド鋼(II)を用いた場合は下記の7〜10で示す工程を経て、それぞれ電池容器用めっき鋼板を作成した。なお、下記の1〜10の工程においては容器内面となる側にめっきを施した場合を示しており、容器外面となる側には下記の1〜6の工程においては焼鈍後に、下記の7〜10の工程においては電解洗浄後にニッケルめっきを施す。
1)冷間圧延→電解洗浄→焼鈍(箱型または連続焼鈍)→調質圧延→分散ニッケルめっ き→錫めっき→拡散熱処理(箱型または連続焼鈍)→銀めっきまたは銀−錫合金め っき→最表面に銀を含む合金層形成
2)冷間圧延→電解洗浄→焼鈍(箱型または連続焼鈍)→調質圧延→分散ニッケルめっ き→錫めっき→拡散熱処理(箱型または連続焼鈍)→銀めっきまたは銀−錫合金め っき→再加熱処理(箱型または連続焼鈍)→最表面に銀を含む合金層形成
3)冷間圧延→電解洗浄→焼鈍(箱型または連続焼鈍)→調質圧延→分散ニッケルめっ き→錫めっき→銀めっきまたは銀−錫合金めっき→再加熱処理(箱型または連続焼 鈍)→最表面に銀を含む合金層形成
4)冷間圧延→電解洗浄→焼鈍(箱型または連続焼鈍)→調質圧延→ニッケルめっき→ 分散ニッケルめっき→錫めっき→拡散熱処理(箱型または連続焼鈍)→銀めっきま たは銀−錫合金めっき→最表面に銀を含む合金層形成
5)冷間圧延→電解洗浄→焼鈍(箱型または連続焼鈍)→調質圧延→ニッケルめっき→ 分散ニッケルめっき→錫めっき→拡散熱処理(箱型または連続焼鈍)→銀めっきま たは銀−錫合金めっき→再加熱処理(箱型または連続焼鈍)→最表面に銀を含む合 金層形成
6)冷間圧延→電解洗浄→焼鈍(箱型または連続焼鈍)→調質圧延→ニッケルめっき→ 分散ニッケルめっき→錫めっき→銀めっきまたは銀−錫合金めっき→再加熱処理( 箱型または連続焼鈍)→最表面に銀を含む合金層形成
7)冷間圧延→電解洗浄→分散ニッケルめっき→錫めっき→連続焼鈍→調質圧延→銀め っきまたは銀−錫合金めっき→最表面に銀を含む合金層形成
8)冷間圧延→電解洗浄→分散ニッケルめっき→錫めっき→銀めっきまたは銀−錫合金 めっき→連続焼鈍→調質圧延→最表面に銀を含む合金層形成
9)冷間圧延→電解洗浄→ニッケルめっき→分散ニッケルめっき→錫めっき→連続焼鈍 →調質圧延→銀めっきまたは銀−錫合金めっき→最表面に銀を含む合金層形成
10)冷間圧延→電解洗浄→ニッケルめっき→分散ニッケルめっき→錫めっき→銀めっき または銀−錫合金めっき→連続焼鈍→調質圧延→最表面に銀を含む合金層形成
Figure 2005317423
上記の1〜10に示した工程におけるニッケルめっき、分散ニッケルめっき、錫めっき、銀めっき、銀−錫合金めっきは以下に示す条件で行った。
<ニッケルめっき>
浴組成 硫酸ニッケル 300g/L
塩化ニッケル 40g/L
ホウ酸 30g/L
ピット抑制剤(ラウリル硫酸ナトリウム) 0.4mL/L
陽極 ニッケルペレット(チタンバスケットに充填し、ポリプロピレン製アノード バッグ装着)
撹拌 空気撹拌
pH 4〜4.6
浴温 55〜60℃
電流密度 20A/dm
<分散ニッケルめっき(A)>
浴組成 硫酸ニッケル 300g/L
塩化ニッケル 40g/L
ホウ酸 30g/L
カーボンナノチューブ(平均径1.2nm) 1g/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム(分散剤) 5mL/L
ピット抑制剤(ラウリル硫酸ナトリウム) 2mL/L
陽極 ニッケルペレット(チタンバスケットに充填し、ポリプロピレン製アノード バッグ装着)
撹拌 空気撹拌
pH 4〜4.6
浴温 55〜60℃
電流密度 10A/dm
<分散ニッケルめっき(B)>
浴組成 硫酸ニッケル 300g/L
塩化ニッケル 40g/L
ホウ酸 30g/L
カーボンナノチューブ(平均径1.2nm) 0.3g/L
ケッチェンブラック(平均径25nm) 0.7g/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム(分散剤) 5mL/L
ピット抑制剤(ラウリル硫酸ナトリウム) 2mL/L
陽極 ニッケルペレット(チタンバスケットに充填し、ポリプロピレン製アノード バッグ装着)
撹拌 空気撹拌
pH 4〜4.6
浴温 55〜60℃
電流密度 10A/dm
<分散ニッケルめっき(C)>
浴組成 硫酸ニッケル 300g/L
塩化ニッケル 40g/L
ホウ酸 30g/L
カーボンナノチューブ(平均径1.2nm) 0.2g/L
アセチレンブラック(平均径120nm) 0.8g/L
ベンゼンスルホン酸ナトリウム(分散剤) 5mL/L
ピット抑制剤(ラウリル硫酸ナトリウム) 2mL/L
陽極 ニッケルペレット(チタンバスケットに充填し、ポリプロピレン製アノード バッグ装着)
撹拌 空気撹拌
pH 4〜4.6
浴温 55〜60℃
電流密度 10A/dm
<錫めっき>
浴組成 硫酸第一錫 30g/L
フェノールスルホン酸 60g/L
エトキシ化αナフトール 5g/L
ホウ酸 30g/L
陽極 錫板
撹拌 めっき浴の循環
浴温 55〜60℃
電流密度 10A/dm
<銀めっき>
浴組成 銀含有有機酸塩(ダインシルバー−NEC) 200g/L
有機酸(錯塩:ダインシルバー−AGI) 500g/L
有機添加剤(ダインシルバー−AGH) 25g/L
陽極 銀板
撹拌 めっき浴の循環
pH 2.5〜3.5
浴温 40〜45℃
電流密度 1A/dm
<銀−錫合金めっき>
浴組成 銀−錫合金めっき浴(ディップソールTS-3200(Sn-3.5wt%Ag共晶合金用、 ディップソール(株)製)
陽極 錫板
撹拌 めっき浴の循環
浴温 22〜45℃
電流密度 2A/dm
以上のようにして表2及び表3に示す電池容器用めっき鋼板の試料(試料番号1〜10)を作成した。表4及び表5に示すように、比較用に層中に炭素質を分散した金属層を形成させない試料(試料番号11、13、15)および最表面に銀または銀含有化合物を形成させない試料(試料番号12、14、16)を作成した。さらに、層中に炭素質を分散した金属層を形成させず、最表面に銀または銀含有化合物を形成させない試料(従来品:試料番号17)も作成した。
Figure 2005317423
Figure 2005317423
Figure 2005317423
Figure 2005317423
[電池容器の作成]
これらの試料番号1〜17の試料から57mm径でブランクを打ち抜いた後、鉄−ニッケル合金層とニッケル層のみを設けた側が容器外面となるようにして、10段の絞り加工により、外径13.8mm、高さ49.3mmの円筒形のLR6型電池(単三型電池)容器に成形加工した。
[電池の作成]
この電池容器を用いて、以下のようにしてアルカリマンガン電池を作成した。二酸化マンガンと黒鉛を10:1の比率で採取し、水酸化カリウム(10モル)を添加混合して正極合剤を作成した。次いで、この正極合剤を金型中で加圧して所定寸法のドーナツ形状の正極合剤ペレットに成形し、上記の電池容器に圧挿入した。なお、一部の電池容器は、内面に黒鉛粉末を主成分とする塗料を塗布したものを用いた。次に、負極集電棒をスポット溶接した負極板を電池容器に装着した。次いで、ビニロン製織布からなるセパレータを、電池容器に圧挿入した正極合剤ペレットの内周に沿うようにして挿入し、亜鉛粒と酸化亜鉛を飽和させた水酸化カリウムからなる負極ゲルを電池容器内に充填した。さらに、負極板に絶縁体のガスケットを装着して電池容器内に挿入した後、カシメ加工を施してアルカリマンガン電池を作成した。
[特性評価]
以上のようにして試料番号1〜18の試料から作成した電池容器を用いて作成した電池の特性を、以下のようにして評価した。
<短絡電流>
電池を80℃で3日間放置した後、電池に電流計を接続して閉回路を設けて電流値を測定し、これを短絡電流とした。短絡電流が大きいほど特性が良好であることを示す。
<放電特性>
電池を80℃で3日間放置した後、電池を1.5Aの一定電流に放電し、電圧が0.9Vに到達するまでの時間を放電時間として測定した。放電時間が長いほど放電特性が良好であることを示す。
<間歇放電特性>
重付加間歇放電の評価として、2Aで0.5秒放電した後に0.25Aで29.5秒放電する操作を1サイクルとして、このサイクルを繰り返し、電圧が1.0Vに到達するまでのサイクル数を測定した。サイクル数が多いほど間歇放電特性が良好であることを示す。これらの特性評価結果を表6に示す。
Figure 2005317423
表6に示すように、電池容器内面となる側に極微細炭素質を含有させた金属層を形成させるとともに、最表面に銀を含む合金層を形成させた本発明の電池容器用めっき鋼板を用いた電池においては、極微細炭素質を含有させた金属層のみを形成させた電池容器用めっき鋼板や、極微細炭素質を含有しない金属き層上の最表面に銀を含む合金層を形成させた電池容器用めっき鋼板を用いた場合よりも優れた短絡電流、放電特性、間歇放電特性が得られた。また本発明の電池容器用めっき鋼板を用いた電池の容器内面に黒鉛塗料を塗布した場合は、さらに短絡電流、放電特性、間歇放電特性が向上した。
本発明の電池容器内面となる側に極微細炭素質を含有させた金属層を形成させるとともに、最表面に微量の銀を含む合金層を形成させてなる電池容器用めっき鋼板を用いた電池は、容器内面に黒鉛塗料を塗布せずに用いても従来の容器内面に黒鉛塗料を塗布した容器を用いた場合よりも優れた短絡電流、放電特性、間歇放電特性を示す。そのため、黒鉛塗料を塗布および乾燥する工程を省略することが可能となり、低コストで電池を製造できる。また本発明の電池容器用めっき鋼板を用いた電池の容器内面に黒鉛塗料を塗布した場合は、さらに短絡電流、放電特性、間歇放電特性が向上するので、高性能電池を提供することができる。

Claims (14)

  1. 鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板。
  2. 鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケル層、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板。
  3. 鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、ニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板。
  4. 鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、ニッケル−鉄拡散層、ニッケル層、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケル層、層中に極微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板。
  5. 鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板。
  6. 鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケル層、層中に極微細炭素質をおよび微細炭素質分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板。
  7. 鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、ニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケルと鉄とが拡散してなるニッケル−鉄拡散層、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板。
  8. 鋼板の電池容器内面となる側の鋼板上に下から順に、ニッケル−鉄拡散層、ニッケル層、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケル層、層中に極微細炭素質および微細炭素質を分散した分散ニッケルと錫とが拡散してなるニッケル−錫拡散層、銀または銀含有化合物からなる層が形成されてなることを特徴とする電池容器用めっき鋼板。
  9. 前記ニッケル−鉄拡散層、ニッケル−錫拡散層、分散ニッケル層の層中に前記極微細炭素質が0.1〜5重量%の量で分散されてなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の電池容器用めっき鋼板。
  10. 前記ニッケル−鉄拡散層、ニッケル−錫拡散層、分散ニッケル層の層中に前記極微細炭素質および前記微細炭素質が0.1〜5重量%の量で分散されてなることを特徴とする、請求項5〜8のいずれかに記載の電池容器用めっき鋼板。
  11. 前記極微細炭素質がカーボンナノチューブであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の電池容器用めっき鋼板。
  12. 前記微細炭素質がケッチェンブラックまたはアセチレンブラックであることを特徴とする、請求項5〜8、10のいずれかに記載の電池容器用めっき鋼板。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電池容器用めっき鋼板を有底の筒型形状に成形加工してなる電池容器。
  14. 請求項13に記載の電池容器を用いてなる電池。

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