JP2005316264A - 画像形成方法 - Google Patents

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宜良 梅田
Hiroaki Kawakami
宏明 川上
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政宏 伊藤
Fumihiro Arataira
文弘 荒平
Masayuki Hama
雅之 浜
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Abstract

【課題】耐摩耗性の高い感光体をクリーニングブレードを用いてクリーニングする工程を有する画像形成方法において、クリーニング不良を抑制できるため、高温高湿環境下でも、プロセススピードが速い場合にも、耐久性の高い画像形成方法を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に感光層及び保護層を有し、該保護層表面が、ユニバーサル硬さ値(HU)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ弾性変形率(Wo)が44%以上65%以下である電子写真感光体を帯電する帯電工程、潜像形成工程、現像工程と、転写工程、クリーニング工程を有する画像形成方法において、該クリーニングに用いるクリーニングブレードの電子写真感光体当接面のマイクロ硬度Aが68度以上84度以下、100%モジュラスが40kg/cm2以上、かつ引っ張り強さが370kg/cm2以上であることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方法、静電記録法などを利用した記録方法に用いられる画像形成方法に関し、さらに詳しくは、電子写真感光体及びクリーニングユニットにおいて優れた耐久性を有し、安定した画像を得ることのできる複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成方法に関するものである。
電子写真装置や静電記録装置等に用いられる画像形成方法において、電子写真感光体、静電記録誘電体等の感光体上に潜像を形成する方法についても様々な方法が知られている。
例えば、電子写真方法では、感光体としての光導電性物質を利用した感光体上を所要の極性・電位に一様に帯電処理した後に、画像パターン露光を施すことにより電気的潜像を形成し、トナーを現像して顕像化し、これを紙などの転写媒体に転写、定着する方法が一般的である。
従って、画像形成方法においては、感光体面上のトナー像を転写材に転写し、この時転写せずに残留したトナーを清掃する工程(クリーニング工程)があり、残留トナーを除去する手段として、従来よりゴム質弾性体をクリーニングブレードとして用いている。
このブレードによるクリーニング装置は、簡単な構成であって、トナー除去機能にすぐれているので広く実用化されている。この種のブレード材料としては、耐摩耗性にすぐれるポリウレタンゴムが多く使用されている。
例えば、クリーニングブレードの耐久性向上するものとしてアルカンカルボン酸系ポリエステルとポリイソシアネートとの反応物(特許文献1参照)、イソシアネート含有擬プレオリマーとポリオール系硬化剤を反応させたもの(特許文献2参照)等がある。
一方、電子写真方法に用いられる電子写真感光体(以下、単に感光体と言うことがある)としては、安価、大量生産等の利点から有機系の感光体が汎用されるようになってきている。有機系感光体は、電気的及び機械的特性の双方を満足するために、電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型の感光体として利用される場合が多い。当然のことながら、感光体には適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、更には光学的特性を備えていることが要求される。特に繰り返し使用される感光体の表面には、帯電、画像露光、トナー現像、紙への転写、クリーニングといった様々な電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。
具体的には、摺擦による表面の摩耗や傷の発生に対する耐久性、更には感度低下、電位低下等の電気特性の劣化に対する耐久性も要求される。
このような従来の感光体が有していた問題点を解決する手段として、電荷輸送層用の樹脂を特定の硬化性の樹脂で形成した感光体が知られている(特許文献3参照)。また、電荷輸送層に炭素−炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、熱あるいは光のエネルギーによって反応させて電荷輸送層の硬化膜を形成した感光体が知られている(特許文献4、5参照)。このように、電荷輸送層用の樹脂に硬化性の樹脂を用い電荷輸送層を硬化、架橋することによって、機械的強度が増し、繰り返し使用時の耐削れ性及び耐傷性は大きく向上する。
しかし、このようにして作成した電子写真感光体の表面層の摩擦力は大きく、クリーニングブレードの摩耗等を促進して、クリーニングブレードの耐久性を低下させる作用がある。また、クリ−ニングブレ−ドの反転、ブレ−ドエッジ部の欠けなどによるクリ−ニング不良の発生やクリーニングブレードの鳴きなどの問題が発生しており、十分満足できるクリーニングブレードは開発されていないのが実情である。
このように、画像形成方法における電子写真感光体とクリーニングブレードの耐久性の両立が困難であり、耐削れ性及び耐傷性のある感光体と併用しても十分な耐久性を持つクリーニングブレードの出現が望まれていた。
特開平3−97714号公報 特開平5−278045号公報 特開平2−127652号公報 特開平5−216249号公報 特開平7−72640号公報
上記従来例では、耐削れ性及び耐傷性に強い感光体の表面層は摩擦力が大きいため、クリーニングブレードの反転、ブレードエッジ部の欠けなどによるクリーニング不良が発生することがあった。
本発明の課題は、上述の如き問題点を解決した画像形成方法を提供することである。具体的には高耐久化された感光体と組み合わせても信頼性の高い、すぐれたクリーニングブレードによるクリーニング方法を開発し、耐久性の高い画像形成方法を提供することである。
上記課題は本発明の下記の構成を特徴とする画像形成装置により達成される。
(1)導電性支持体上に感光層及び保護層を有し、該保護層表面が、25℃、湿度50%RHの環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のユニバーサル硬さ値(HU)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ弾性変形率(Wo)が44%以上65%以下である電子写真感光体を帯電する帯電工程、帯電された該電子写真感光体に静電潜像を形成させる潜像形成工程と、トナー担持体上に担持されたトナーを該静電潜像に転移させてトナー像を形成させる現像工程と、該電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して、または介さずに転写材に転写させる転写工程、転写工程後に該電子写真感光体上に残った転写残余トナーを該電子写真感光体から除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、該クリーニングに用いるクリーニングブレードの電子写真感光体当接面のマイクロ硬度Aが68度以上84度以下、100%モジュラスが40kg/cm2以上、かつ引っ張り強さが370kg/cm2以上であることを特徴とする画像形成方法。
(2)該保護層表面のユニバーサル硬さ値をHU(N/mm2)、弾性変形率をWo(%)、該クリーニングブレードの電子写真感光体当接面のマイクロ硬度をA(度)としたとき、下記式(1)を満足することを特徴とする(1)に記載の画像形成方法。
50×Wo/HU+58≦A≦50×Wo/HU+63 (1)
(3)該クリーニングブレードが、無機微粒子を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の画像形成方法。
(4)該クリーニングブレードに含有される無機微粒子の含有量が、該クリーニングブレードの質量100質量部に対して5質量部以上15質量部以下であることを特徴とする(3)に記載の画像形成方法。
(5)該クリーニングブレードが、該電子写真感光体に当接するエッジ層と該電子写真感光体に当接しないベース層の2層構造であり、かつエッジ層のマイクロ硬度をA(度)、ベース層のマイクロ硬度をB(度)としたとき、下記式(2)を満足することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成方法。
|A-B|≦4 (2)
(6)該エッジ層が、無機微粒子を含有することを特徴とする(5)に記載の画像形成方法。
(7)該エッジ層に含有される無機微粒子の含有量が、該クリーニングブレードのエッジ層の質量100質量部に対して5質量部以上15質量部以下であることを特徴とする(6)に記載の画像形成方法。
(8)該保護層が、分子内に不飽和重合性官能基を持つ化合物を重合させた正孔輸送性化合物を含有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の画像形成方法。
(9)該不飽和重合性官能基が、下記式(3)で示されるアクリロイルオキシ基または(4)で示されるメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする(8)に記載の画像形成方法。
Figure 2005316264
(10)該不飽和重合性官能基が、下記式(5)で示されることを特徴とする(8)に記載の画像形成方法。
Figure 2005316264
(式中、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を示し、R1は水素原子またはメチル基を示す)
本発明によれば、耐摩耗性の高い感光体と組み合わせても、クリ−ニングブレ−ドの反転、ブレ−ドエッジ部の欠けなどによるクリ−ニング不良やブレードの鳴きを抑制でき、さらに高温高湿環境で画像形成を行った場合や、プロセススピードが速い機械を用いて画像形成を行った場合でも、耐久性の高い画像形成方法を提供できる。
本発明の画像形成方法について添付図面を参照にしながら以下に説明する。図1は本発明の画像形成方法を実施するために用いることができる具体的な装置の一例を示す。なお、図1は、デジタル方式の複写機の概略構成を示す縦断面図である。図1に示す複写機(以下「画像形成装置」という。)は、感光体としてドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)101を備えている。この感光ドラム101は、駆動手段(不図示)によって矢印方向に回転駆動される。感光ドラム101の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、帯電手段102、露光手段103、現像器(現像手段)104、転写帯電器(転写手段)105、分離帯電器106が配設されている。さらに、転写材111の搬送方向(矢印方向)の分離帯電器106の下流側(同図中の左側)には、定着器107が配設されている。
上述の感光ドラム101表面は、一次帯電器102により一様帯電される。次いで、露光手段103から発せられるレーザ光により、イメージ露光が行なわれ、レーザ光照射部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。感光ドラム101上の静電潜像は、現像器104の帯電したトナーによって現像される。現像された感光ドラム101上のトナー像は、矢印方向に搬送される転写材111に、転写帯電器105によって転写される。トナー像転写後の転写材111は、分離帯電器106によって感光ドラム101表面から分離され、定着器107に搬送される。転写材111は、ここで加熱、加圧を受けて、表面にトナー像が定着される。転写後に感光体に残った転写残トナーはクリーニング装置108の感光ドラムにカウンターに当接された弾性を有するクリーニングブレードにより回収除去される。
最初に感光ドラム101について説明する。本発明における感光体の構成は、支持体上に感光層として電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した構成または逆に電荷輸送層、電荷発生層をこの順に積層した構成、さらには電荷発生材料と電荷輸送材料を結着樹脂中に分散した単層より構成されるもののいずれの構成をとることも可能である。前記感光層上には表面保護層を形成する。なかでも、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した機能分離型の感光層上に保護層を形成した構成が好ましい。
また、本発明における保護層は硬化後に電荷輸送能を有している必要があるが、前記不飽和重合性官能基を有する化合物を用いる場合、該化合物が電荷輸送能力を有さない場合においては、電荷輸送材料や導電性材料の添加により電荷輸送能を確保することが好ましく、一方前記不飽和重合性官能基を有する化合物自体が電荷輸送能を有する場合においては、この限りではない。ただし、保護層の膜硬度や種々の電子写真特性の点からして、後者のような電荷輸送能を有する化合物を使用するのがより好ましい。更に、電荷輸送能を有する化合物の中でも、電子写真プロセスや材料の汎用性の点からして、正孔輸送能を有する化合物が更に好ましい。
本発明における感光体の保護層について説明する。感光体の保護層のユニバーサル硬さ値(以下HU(N/mm2))が150以上220以下であり、かつ弾性変形率が44%以上65%以下の感光体を用いることで、感光体表面の機械的劣化が抑制され、表面層の摩耗量、感光体の傷が低減され、感光体の高耐久化が図られる。
一般的に膜の硬度は外部応力に対する変形量が小さいほど高く、電子写真感光体も当然の如く鉛筆硬度やビッカース硬度が高いものが機械的劣化に対する耐久性が向上すると考えられている。しかしながら、これらの測定により得られる硬度が高いものが必ずしも耐久性の向上を望めたわけではなく、上記の範囲が良好であることが分かった。
HUと弾性変形率を切り離してとらえることはできないが、例えばHUが220N/mm2を超えるものであるとき、弾性変形率が44%未満であるとクリーニングブレードや帯電、転写ローラに挟まれた紙粉やトナー等が感光体の弾性力が不足しているが故に、また、弾性変形率が65%より大きいと弾性変形率は高くても当接圧を一定にした場合弾性変形量は小さくなってしまうが故に、結果として局部的に大きな圧力がかかるため傷が発生しやすくなり、感光体の摩耗量も増大してしまう。よって、HUが高いものが必ずしも感光体として最適ではないと考えられる。
また、HUが150N/mm2未満で弾性変形率が65%を超える場合、例え弾性変形率が高くても塑性変形量も大きくなってしまい、クリーニングブレードや帯電、転写ローラに挟まれた紙粉やトナーが擦られることで削れたり、また細かい傷が発生したりするため耐久寿命が短くなってしまう。
HU及び弾性変形率は、圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読し連続的硬さを求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した。圧子は対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用した。荷重の条件は最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1sの保持時間で273点)測定した。なお、測定は25℃、湿度50%RHの環境下で行った。
出力チャートの概略を図2に、本発明の電子写真感光体を測定した例を図3に示す。縦軸は荷重(mN)で横軸は押し込み深さh(μm)であり、段階的に荷重を増加させ6mNまで荷重をかけ、その後同様に段階的に荷重を減少させた結果である。
HUは、6mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式(6)によって規定される。
図3の測定結果を以下に示す。
Wt [nJ] 2.14
We [nJ] 1.13 52.72%
Wr [nJ] 1.10 47.28%
E/(1−u^2) [GPa] 4.56 +/− 0.002
H plast. [N/mm^2] 379 +/ 1
hr [μm] 0.773 +/− 0.001
Figure 2005316264
弾性変形率は圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めたものであり、下記式(7)からその値は求まる。全仕事量Wt(nW)は図2中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表され、弾性変形の仕事量We(nW)はC−B−D−Cで囲まれる面積で表される。
弾性変形率(Wo)=We/Wt ×100(%) (7)
上記のような高耐久な感光体を用いる場合に、感光体に付着した帯電生成物の影響によるクリーニング性の悪化が問題になりやすいため、それらの帯電生成物を除去させることが必要になってくる。
そこで、保護層に潤滑材としてフッ素原子含有樹脂を含有させることにより感光体の表面の滑り性、撥水性を高めることができ、繰り返し使用時の帯電、現像、転写等による表面層の化学的劣化に伴う転写効率や滑り性の低下、さらには感度低下、電位低下などの電気特性の劣化を防ぎ、繰り返し使用時においてもフィルミング、融着、クリーニング不良、画像ボケ/流れ等の画像不良の発生を抑えることが可能となる。
感光体の保護層に含まれるフッ素原子含有樹脂微粒子に関して説明する。
潤滑剤としてはポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素原子含有樹脂、球状のアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂などの粉末や酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物粉末などが知られている。特に、フッ素原子を多量に含むフッ素原子含有樹脂は表面エネルギ−が著しく小さいので潤滑剤としての効果が大きい。本発明において用いられるフッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。保護層に含有させるフッ素原子含有樹脂の割合は、保護層の全質量に対して5%以上50%以下が好ましい。また、フッ素原子含有樹脂微粒子の長径の平均径は0.05μm以上1.0μm以下であることが好ましい。表面層を塗布する際に用いられる塗料は、前記フッ素原子含有樹脂微粒子を分散させることにより得られる。分散の方法としては、ボールミル、超音波、ペイントシェーカー、レッドデビル、サンドミルなどの方法が用いられる。
本発明の電子写真感光体の感光層は、導電性支持体上に形成される。支持体は、導電性を有するものであればよい。例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金をドラム状またはシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
本発明においては、支持体と感光層の間にバリアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることができる。下引き層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。
下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチン等が挙げられる。下引き層は、これらの材料をそれぞれに適した溶剤に溶解した溶液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成される。膜厚は0.1〜2μm程度であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体が機能分離型の電子写真感光体である場合には、電荷発生層及び電荷輸送層を積層する。電荷発生層に用いる電荷発生材料としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属及び結晶系、具体的には例えばα、β、γ、εまたはX型等の結晶型を有するフタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン及びアモルファスシリコン等が挙げられる。
電荷発生層は前記電荷発生材料を0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライターまたはロールミル等の方法で均一に分散し、得られた分散液を塗布し、乾燥することによって形成されるか、または前記電荷発生材料の蒸着膜等、単独組成の膜として形成される。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明における前記不飽和重合性官能基(連鎖重合性官能基)を有する正孔輸送性化合物は、前述した電荷発生層上に電荷輸送層として、もしくは電荷発生層上に電荷輸送物質と結着樹脂からなる電荷輸送層を形成した後に正孔輸送能力を有する表面保護層として用いることができる。いずれの場合も前記表面層の形成方法は、前記正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合反応をさせるのが一般的であるが、前もって該正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させて硬化物を得た後に、再度溶剤中に分散または溶解させて、表面層を形成することも可能である。これらの溶液を塗布する方法は、例えば、浸漬コーティング法、スプレイコーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法などが知られているが、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法が好ましい。
また蒸着、プラズマその他の公知の製膜方法が適宜選択できる。
本発明において不飽和重合性基(連鎖重合性基)を有する正孔輸送性化合物は放射線により重合させることが好ましい。放射線による重合の最大の利点は重合開始剤を必要としない点であり、これにより非常に高純度な三次元感光層の作製が可能となり、良好な電子写真特性が確保される点である。また、短時間でかつ効率的な重合反応であるが故に生産性も高く、さらには放射線の透過性のよさから、厚膜である場合や添加剤などの遮蔽物質が膜中に存在する際の硬化阻害の影響が非常に小さいことなどが挙げられる。ただし、連鎖重合性基の種類や中心骨格の種類によっては重合反応が進行しにくい場合があり、その際には影響のない範囲内での重合開始剤の添加は可能である。この際使用する放射線とは電子線及びγ線である。電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びラミナー型などいずれの形式も使用することができる。電子線を照射する場合に、本発明の感光体においては電気特性及び耐久性能を発現させる上で照射条件が非常に重要である。本発明において、加速電圧は300kV以下が好ましく、最適には150kV以下である。また線量は5kGy以上500kGy以下の範囲、より好ましくは5kGy以上250kGy以下の範囲である。加速電圧が500kGyを越えると、感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾向にある。また、線量が5kGyより小さい場合には硬化が不十分となりやすく、線量が多い場合には感光体特性の劣化が起こりやすい傾向にある。
本発明はこのように導電性支持体上に感光層及び保護層を形成し、この保護層のHUが150以上220以下であり、かつ弾性変形率が44%以上65%以下の感光体を用いることで、感光体表面の機械的劣化が抑制され、表面層の摩耗量、感光体の傷が低減され、感光体の高耐久化が図られるため、従来のクリーニングブレードを改良する必要が生じた。つまり、感光体の耐久性が向上したため、摩耗しにくくなり、帯電等の影響により劣化した感光体表面が摩耗により更新されにくく、画像流れが生じやすいこと、感光体の耐久性に対してクリーニングブレードエッジが損傷を受けやいすことが考えられる。本発明のクリーニングブレードは、上記課題に対して有効であり、クリーニングユニットに複雑な構成を必要としないものである。
次にクリーニング工程について説明する。図1の108はトナー転写後に感光体に残った転写残トナーを回収・清掃するクリーニング装置である。本発明の如く、各物性値の適正範囲、無機微粒子含有ブレード、2層構造ブレードを見出したことにより、優れたクリーニングブレードと、高耐久化が図られた感光体の組み合わせを効率良く得ることができる。
本発明におけるクリーニングブレードのマイクロ硬度を68度以上84度以下、100%モジュラスが40kg/cm2以上、引っ張り強さが370kg/cm2以上の範囲で用いることにより、クリーニングブレードの欠け等が抑制される。
クリーニングブレードのマイクロ硬度が68度より小さいと、ゴムブレードの表面硬さが低く、感光体との摺擦によってブレードの欠けによるクリーニング不良が生じやすくなる。また、84度より大きくなるとゴムブレードの表面硬さが高いため感光体表面への傷の原因となる。
100%モジュラスが40kg/cm2より小さいと圧力不足や弾性体の腰が弱く、クリーニングブレードの接触面積が大きくなり、摩擦力が増加し、摺動性が悪くなるため、エッジの欠けやブレードのビビリ・鳴きが生じやすい。
本発明において100%モジュラスとは伸びが100%の時の引っ張り強さを意味する。
引っ張り強さが370kg/cm2より小さいとブレード耐久性が低くなり、伸びが小さすぎると、しなやかさが足りなくなり追随性が悪化する。
さらに、鋭意検討した結果、感光体保護層表面のユニバーサル硬さ値をHU(N/mm2)、弾性変形率をWo(%)、クリーニングブレードの感光体当接面のマイクロ硬度をA(度)としたとき、下記式
50×Wo/HU+58≦A≦50×Wo/HU+63 (1)
が成り立つマイクロ硬度の範囲で用いることにより、ブレード欠け及び感光体の傷を防ぐことがより図られる。
式(1)は図4の斜線部分を表しており、図4は横軸にWo/HU、縦軸にマイクロ硬度Aをとり良好なクリーニング性を満たす領域を斜線部分で示している。Wo/HUの値は150N/mm2≦HU≦220N/mm2、44%≦Wo≦65%から算出して、1/5≦Wo/HU≦13/30の範囲になる。この範囲でWo/HUの値が大きくなれば感光体は硬く削れにくくなるため、クリーニングブレードへの負荷が大きくなる。そこで、クリーニングブレードの耐久性をより伸ばすために、感光体のWo/HUの値が大きくなれば、クリーニングブレードのマイクロ硬度も高くなる傾向であることが分かった。すなわち、本発明のような耐摩耗性の高い感光体を用いる場合、クリーニング性を長期間満足させるには、感光体のWo/HUとクリーニングブレードのマイクロ硬度は図4の斜線範囲がより好ましいことが鋭意検討の結果分かった。
本発明のドラムを用いて式(1)よりマイクロ硬度Aを算出し、そのマイクロ硬度値が式(1)の範囲より小さいとブレード欠けが生じやすい傾向にあり、またマイクロ硬度値が式(1)の範囲より大きいとブレードの摺擦による感光体の傷が発生してしまいやすい傾向である。
本発明のごとく、各物性値の適正範囲を見いだしたことにより、優れたクリーニングブレードと高耐久化が図られた感光体の組み合わせを効率良く得ることができる。
尚、マイクロ硬度は、温度23℃、湿度50%の環境下で直径0.16mm、高さ0.5mmの針をゴムブレードに押し当てた時の荷重を測定しブレードの表面部分の硬さを求められるマイクロ硬度計SMD−1を用いて測定した。測定は、10点平均で行った。その他の物性値の測定法は、JISK-6251加硫ゴム物性試験方法に準じ測定した。
本発明において使用するゴムブレード弾性体としては前記の諸特性を比較的容易に得られることからポリウレタン弾性体が好ましい。ポリウレタン弾性体としては、一般にイソシアネートとポリオール及び各種水素含有化合物との付加反応を経て合成されるポリウレタンが用いられており、ポリオール成分として、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオールやアジペート系ポリオール、ポリカプロラクタム系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等のポリエステル系ポリオールを用い、ポリイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルイジンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートを用いてウレタンプレポリマーを調製し、これに硬化剤を加えて、所定の型内に注入し、架橋硬化させた後、常温で熟成することによって製造されている。上記硬化剤としては、1,4−ブタンジオール等の二価アルコールとトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールとが併用される。
更に、ポリウレタン弾性体には、上記の条件を満たす範囲で無機微粒子を含有させても良い。無機微粒子の含有量がブレード原料全体量100質量部に対して5〜15質量部であるものがより好ましい。特に、無機微粒子が金属酸化物であるものが好ましく、金属酸化物としては、カーボン(C)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO)、などの1種類以上を使用することができる。
ポリウレタン弾性体に無機微粒子を含有させることにより、マイクロ硬度の制御がしやすくなり、さらに無機微粒子が表面に露出することで滑り性が大きくなるためブレード欠けを抑制される。
無機微粒子の含有量が5質量部より少ないと無機微粒子が表面に露出しにくいため滑りにくくなり、15質量部より多いと酸化チタンの凝集によりブレードのエッジ精度が悪くなりやすい傾向がある。
図5には本発明で用いられる単層のクリーニングブレードの断面図を示し、支持金具と一体型に形成されたポリウレタンゴムからなるブレードを示している。図5において、tはブレードの厚さ(mm)、Lはブレードの支持端からブレード先端までの自由長(mm)の長さを示している。
また、ポリウレタン弾性体は2層構造であってもよく、図6においてクリーニングブレードが感光体と接触するエッジ層と接触しないベース層を示している。
この時、エッジ層のマイクロ硬度Aとベース層のマイクロ硬度Bとの差の絶対値|A-B|が4度以下であることがより好ましい。
|A-B|が4度より大きくなると、ブレードの鳴き、ビビリが大きくなる傾向がある。
更に、2層構造ポリウレタン弾性体のエッジ層には、単層ブレード同様に無機微粒子を含有させても良く、無機微粒子の含有量がエッジ層の質量100質量部に対して5〜15質量部であるものがより好ましい。特に、無機微粒子が金属酸化物であるものが好ましく、金属酸化物としては、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO)、などの1種類以上を使用することができる。
単層ブレード同様に、2層構造ポリウレタン弾性体のエッジ層に無機微粒子を含有させることにより、エッジ層のマイクロ硬度の制御がしやすくなり、さらに無機微粒子が表面に露出することで滑り性が大きくなるためブレード欠けを抑制される。
単層構造、2層構造ポリウレタン弾性体に用いられるクリーニングブレードの形状は特に限定されず種々のものが用いられるが、その具体例として図7に本発明で用いられるブレード例(a)、(b)、(c)を示す。
支持部材としては特に限定されず、例えば、剛体の金属、弾性を有する金属、プラスチック、セラミック等から製造されたもの等を挙げることができる。これらの支持部材のなかでは、剛体の金属が好ましく用いられる。
本発明に適用されるトナーは、特に限定されず、粉砕法、重合法等により製造される。
また、現像手段としては特に限定されず、一成分現像法、二成分現像法等が挙げられる。
本発明のトナーを二成分系現像剤として用いる場合にはキャリア粉と混合して用いられる場合には、トナーとキャリア粉との混合比はトナー濃度として0.1質量%以上50質量%以下、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下が望ましい。
本発明に使用しうるキャリアとしては、公知のものが全て使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面フッ素系樹脂、ビニル系樹脂或いはシリコーン系樹脂等で処理したものなどが挙げられる。
以下に本発明の実施例を具体的に示すが、これらに限られるものではない。まず、本発明の画像形成方法に使用される感光体とブレードについての具体例を示す。なお実施例中の部は質量部を表す。
本発明の画像形成方法を実施するための画像形成装置として、レーザービームを用いた有機感光体デジタル複写機(キヤノン社製:GP405)を用意した。該装置の概略は、感光体の帯電手段として帯電ローラを備え、現像手段として感光体上の現像剤と感光体が非接触であって一成分ジャンピング現像方法を採用した一成分現像器を備え、転写手段として帯電ローラを備え、ブレードクリーニング手段、帯電前露光手段を備える。また、感光体帯電器及び、クリーニング手段、感光体は一体型のユニットとなっている。プロセススピードは210mm/sである。該装置を以下のように改造を施した。
まず、感光体、ブレードを下記に示す感光体、ブレードに入れ替え、ドラム上電位の設定は、現像コントラストで250V、バックコントラストは180Vとなるようにドラム上の暗、明電位から、帯電、現像の直流電圧を変えることにより調整した。
なお、一次帯電の交流電圧の周波数は1.8kHzのサイン波で、初期に交流電流が2.2mAとなるような定電流制御となるようにVppが可変となるような印加電圧とした。
≪積層感光体試料の作成≫
<感光体製造例1>
直径30mm×357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とし、それに、以下の材料より構成される塗料を支持体上に浸漬コーティング法で塗布し、140℃で30分熱硬化して、膜厚が18μmの導電層を形成した。
導電性顔料:SnO2コート処理硫酸バリウム 10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部
バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部
レベリング材:シリコーンオイル 0.001部
溶剤:メタノール、メトキシプロパノール0.2/0.8 15部
次に、この上にN−メトキシメチル化ナイロン3部及び共重合ナイロン3部をメタノール65部及びn−ブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬コーティング法で塗布して、膜厚が0.7μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折のブラック角2θ±0.2°の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン4部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学製)2部及びシクロヘキサノン80部を直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、酢酸エチル80部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬コーティング法で塗布して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次いで下記(1)構造式のスチリル化合物7部
Figure 2005316264
及びポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ800、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)10部をモノクロロベンゼン105部よびジクロロメタン35部の混合溶媒中に溶解して調製した電荷輸送層用塗料を用いて、前記電荷発生層上に膜厚が10μmの電荷輸送層を形成し、支持体、導電層、中間層、電荷発生層、電荷輸送層からなる4層の感光体を得た。
次に、表面保護層として下記(2)の正孔輸送性化合物を電子線照射により重合させた化合物を含有する表層を塗工し硬化させて、有機感光ドラムを作成した。
Figure 2005316264
この正孔輸送性化合物35部をn−プロピルアルコール65部に溶解し、さらにテトラフルオロエチレン微粒子を15部添加して、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた表面保護層用塗料を調製した。この塗料を前記4層感光体上に塗布したのち、弾性変形率(Wo)とユニバーサル硬さ値(HU)が表1のa−1〜a−5の値になるように、酸素濃度10ppmの雰囲気下で電子線をそれぞれ照射した。その後、その雰囲気下でそれぞれ加熱処理を行い、保護層の膜厚が3μmの電子写真感光体a−1〜a−5を得た。
<感光体製造例2>
表面保護層として実施例1における式(2)に示される化合物を下記式(3)に示される正孔輸送性化合物に代えた以外は、実施例1と同様にして、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた表面保護層用塗料を調製した。この塗料を前記4層感光体上に塗布したのち、弾性変形率(Wo)とユニバーサル硬さ値(HU)が表1のa−6の値になるように、酸素濃度10ppmの雰囲気下で電子線を照射した。その後、その雰囲気下で加熱処理を行い、保護層の膜厚が3μmの電子写真感光体a−6を得た。
Figure 2005316264
<感光体製造比較例3>
実施例1において、表面保護層として構造式(2)の正孔輸送性化合物35部をn−プロピルアルコール65部に溶解し、さらにテトラフルオロエチレン微粒子を15部添加して、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた表面保護層用塗料を調製した。この塗料を前記4層感光体上に塗布したのち、弾性変形率(Wo)とユニバーサル硬さ値(HU)が表1のa−7の値になるように、酸素濃度10ppmの雰囲気下で電子線を照射した。その後、その雰囲気下で加熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして、保護層の膜厚が3μmの電子写真感光体a−7を得た。
<感光体製造比較例4>
実施例1において、表面保護層として構造式(2)の正孔輸送性化合物45部をn−プロピルアルコール55部に溶解し、さらにテトラフルオロエチレン微粒子を5部添加して、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた表面保護層用塗料を調製した。この塗料を前記4層感光体上に塗布したのち、弾性変形率(Wo)とユニバーサル硬さ値(HU)が表1のa−8の値になるように、酸素濃度10ppmの雰囲気下で電子線を照射した。その後、その雰囲気下で加熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして、保護層の膜厚が3μmの電子写真感光体a−8を得た。
下記の表1に感光体特性をまとめる。
Figure 2005316264
≪クリーニングブレードの作製≫
クリーニング装置は、厚さ(t)2.0mmの板型に成型したクリーニングブレードを感光ドラムの回転に対しカウンターで当接させることにより行われる。クリーニングブレードのドラムへの当接角は24°、進入量は0.75mm、ブレードの接着固定位置から先端までの距離(自由長L)は5mmである。
2層構造ブレードのエッジ層の厚さは0.5mm、ベース層の厚さは1.5mmである。
使用したクリーニングブレードの各物性値を表2に示す。表2において単層ブレードのマイクロ硬度は、「エッジ層のマイクロ硬度A」に記載している。また、2層構造のブレードのマイクロ硬度は、「エッジ層のマイクロ硬度A」と「ベース層のマイクロ硬度B」にそれぞれ記載している。
Figure 2005316264
上記の画像形成装置を用いて、感光体a−1〜a−8とクリーニングブレードb−1〜b−14を表3の如く組み合わせて以下に示す評価方法に従い評価1)〜5)を行った。
評価1)
32.5℃/10%RHの環境下で画像比率0.5%のA4横通紙を1枚間欠で行い、クリーニングブレード初期摺動時の反転状況を複写機本体からクリーニングユニットを取り出して観察した。
クリーニングブレードの捲れを以下の評価項目に従い評価を行った。
A:ブレード捲れは発生しない。
B:ブレード捲れが発生した。
評価2)
30℃/80%RHの環境下で画像比率2%のA4横通紙を1枚間欠で5万枚耐久を行い、感光体回転時と停止時のクリーニングブレード鳴き・びびりを観察した。
クリーニングブレードの鳴き・びびりを以下の評価項目に従い評価を行った。
A:ブレードの鳴き・びびりは発生しない。
B:ブレードの停止時に若干鳴き・びびりが発生したが、実用は可能。
C:ブレード回転時、停止時に鳴き・びびりが発生したため実用は難しい。
評価3)
30℃/80%RHの環境下で画像比率2%のA4横通紙5万枚耐久を行い、1000倍の光学顕微鏡を用いてブレード長手方向全域を観察し、ブレードの状態を以下の評価項目に従って評価を行った。クリーニングブレードの欠けの幅と深さの積を用いて以下の評価項目に従い評価を行った。
A:ブレード欠けは見られない。
B:ブレード欠けの幅と深さの積が30μm2未満で、トナーのすり抜けは見られなく画像に影響なし。
C:ブレード欠けの幅と深さの積が30μm2以上100μm2未満で、トナーのすり抜けは見られなく画像に影響なし。
D:ブレード欠けの幅と深さの積が100μm2以上で、トナーがすり抜けて画像不良が起こるため実用は不可能。
評価4)
15℃/10%RHの環境下で画像比率2%のA4横通紙10万枚耐久を行い、耐久後のドラム傷の状態を以下の評価項目に従い評価を行った。
A:傷は存在しない。
B:深さ1μm以下の軽微な傷が存在する。
C:深さ1μm以上3μm以下の傷はあるが、電荷輸送(CT)層に達しておらず、画像には影響なし。
D:傷が深く、CT層に到達しており、出力画像に影響を及ぼす。
評価5)
15℃/10%RH環境下で感光体上にトナーを5秒に1秒間、ドラム長手全域に現象させるように現像、バックコントラストの時間制御を現像バイアスで調整し、転写を解除した状態で1次帯電を印加して1時間の空回転を行い、空回転前後の一定交流電圧印加で帯電ローラの帯電交流電流値を測定し(トナーがすり抜けて帯電ローラが汚れると抵抗が高くなり帯電電流が低下する現象が生じる)空回転後の電流の低下量を評価することで以下の評価項目に従い評価を行った。
A:耐久後の帯電電流の低下電流が0.10mA未満で、出力画像には影響なし。
B:耐久後の帯電電流の低下電流が0.10mA以上0.3mA未満で、出力画像には影響なし。
C:耐久後の帯電電流の低下電流が0.3mA以上で、出力画像に影響を及ぼす。
以下に実施例、比較例の評価1)〜5)の結果を示す。
Figure 2005316264
実施例2及び比較例12で、耐摩耗性の高い感光体で固定してクリーニングブレードの評価を行った。クリーニングブレードのマイクロ硬度Aが68度より小さいと摩擦力の高い感光体を用いた場合、ゴムブレードの表面硬さが弱いため摺擦によるブレード欠けが生じた。また、実施例5及び比較例11でマイクロ硬度Aが84度より大きいと、ゴムブレードの表面硬さが強いため感光体の傷が生じた。さらに、実施例3及び比較例9、10において100%モジュラスが40kg/cm2より小さく、または引っ張り強さが370kg/cm2より小さいと、大きな応力を受けるブレードのエッジ部分の耐久性が低くなり、ブレード欠けが生じた。つまり、マイクロ硬度Aが68度以上84度以下、100%モジュラスが40kg/cm2以上、かつ引っ張り強さが370kg/cm2以上で、耐摩耗性の高い感光体を用いた場合でもブレード欠けを抑制することができ、転写残トナーのすり抜けなどによるクリーニング不良を防ぐのに有効であることが分かった。
さらに、実施例1〜16及び比較例1〜8で、本発明の感光体の弾性変形率(Wo)、ユニバーサル硬さ値(HU)から下記式
50×Wo/HU+58≦A≦50×Wo/HU+63 (1)
を用いてクリーニングブレードのマイクロ硬度Aを算出し、その範囲に属するクリーニングブレードを組み合わせることによって、感光体とブレードの耐久性がより上がることが分かった。
さらに実施例17、18より、ブレードに含有する酸化チタン量が5質量%以上にすることによりブレード表面に酸化チタン微粒子が存在するためブレード欠けを抑制するのに有効であることが分かった。また、実施例20、21よりブレードに含有する酸化チタン量が15質量%以下にすることにより酸化チタンの凝集によるエッジ精度の悪化を防ぐことができる。つまり、ブレードに含有する無機微粒子の量は5質量%以上15質量%以下がより好ましいことが分かった。
本発明の画像形成装置を表す概略断面図。 膜特性出力チャートの一例。 感光体保護層の膜特性測定の一例。 感光体のWo/HUとブレードのマイクロ硬度Aの関係。 1層構成クリーニングブレードの形状例の概要断面図。 2層構成クリーニングブレードの形状例の概要断面図。 2層構成クリーニングブレードの取り付け方と、自由長を説明する断面図。
符号の説明
101:感光体
102:帯電ローラ
103:露光装置
104:現像装置
105:転写部材
106:分離部材
107:定着装置
108:クリーニング装置
111:転写媒体

Claims (10)

  1. 導電性支持体上に感光層及び保護層を有し、該保護層表面が、25℃、湿度50%RHの環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のユニバーサル硬さ値(HU)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ弾性変形率(Wo)が44%以上65%以下である電子写真感光体を帯電する帯電工程、帯電された該電子写真感光体に静電潜像を形成させる潜像形成工程と、トナー担持体上に担持されたトナーを該静電潜像に転移させてトナー像を形成させる現像工程と、該電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して、または介さずに転写材に転写させる転写工程、転写工程後に該電子写真感光体上に残った転写残余トナーを該電子写真感光体から除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、該クリーニングに用いるクリーニングブレードの電子写真感光体当接面のマイクロ硬度Aが68度以上84度以下、100%モジュラスが40kg/cm2以上、かつ引っ張り強さが370kg/cm2以上であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 該保護層表面のユニバーサル硬さ値をHU(N/mm2)、弾性変形率をWo(%)、該クリーニングブレードの電子写真感光体当接面のマイクロ硬度をA(度)としたとき、下記式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
    50×Wo/HU+58≦A≦50×Wo/HU+63 (1)
  3. 該クリーニングブレードが、無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 該クリーニングブレードに含有される無機微粒子の含有量が、該クリーニングブレードの質量100質量部に対して5質量部以上15質量部以下であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 該クリーニングブレードが、該電子写真感光体に当接するエッジ層と該電子写真感光体に当接しないベース層の2層構造であり、かつエッジ層のマイクロ硬度をA(度)、ベース層のマイクロ硬度をB(度)としたとき、下記式(2)を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法。
    |A-B|≦4 (2)
  6. 該エッジ層が、無機微粒子を含有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
  7. 該エッジ層に含有される無機微粒子の含有量が、該クリーニングブレードのエッジ層の質量100質量部に対して5質量部以上15質量部以下であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 該保護層が、分子内に不飽和重合性官能基を持つ化合物を重合させた正孔輸送性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 該不飽和重合性官能基が、下記式(3)で示されるアクリロイルオキシ基または(4)で示されるメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
    Figure 2005316264
  10. 該不飽和重合性官能基が、下記式(5)で示されることを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
    Figure 2005316264
    (式中、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を示し、R1は水素原子またはメチル基を示す)
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JP2011197107A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Fuji Xerox Co Ltd プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

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