JP2005316260A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2005316260A JP2004135857A JP2004135857A JP2005316260A JP 2005316260 A JP2005316260 A JP 2005316260A JP 2004135857 A JP2004135857 A JP 2004135857A JP 2004135857 A JP2004135857 A JP 2004135857A JP 2005316260 A JP2005316260 A JP 2005316260A
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Abstract

【課題】 高硬度高弾性を有する高耐久感光体表面をクリーニングする際に、高温下、低画像比率の画像形成を行った時のクリーニング性能の低下による画像形成不良を起こさない高画質の画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 感光層の表面は25℃/湿度50%環境下でビッカース硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHUが150以上220N/mm以下であり、弾性変形率Woが44%〜65%である感光体表面を有する画像形成装置において、
感光体とクリーニングブレードの摩擦係数μ、
該ブレードの感光体当接の線圧P、
該ブレードエッジ感光体当接部分のゴムの引裂き強度Tr、
感光体静止時に該ブレードが感光体に当接されることによりブレードのエッジがひずむ部分のブレード厚み方向の長さL、
感光体回転時の該ブレード当接ニップ長d、
としたとき、次式;
0.3×10−4×L×Tr>d×μ×P
を満足する画像形成装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、画像形成装置に関し、より詳しくは電子写真感光体と、感光体を帯電する帯電手段と、感光体の帯電面に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、現像剤担持体に担持させた現像剤によって感光体の静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、感光体のトナー像を被転写部材に転写させる転写手段と、トナー像転写後の感光体面の残留トナー粒子を回収するクリーニング手段とを有する画像形成装置に関するものである。
電子写真装置や静電記録装置等に用いられる画像形成方法において、電子写真感光体・静電記録誘電体等の感光体上に潜像を形成する方法についても様々な方法が知られている。
例えば、電子写真法では、潜感光体としての光導電性物質を利用した感光体上を所要の極性・電位に一様に帯電処理した後に、画像パターン露光を施すことにより電気的潜像を形成し、トナーを現像して顕像化し、これを紙等の転写媒体に転写・定着する方法が一般的である。更に、転写工程の後には感光体上に残ったトナーが存在するため、何らかの方法で除去されねばならない。除去方法として最も広く用いられている手段として、ブレードクリーニングがある。これはゴム等の弾性を有するブレード状の部材を感光体表面に押し当ててトナーを除去するものである。
クリーニングブレードの設定や取り付けに対しては、有限要素法・境界要素法を用いた数値解析を行ってクリーニングブレード当接条件を決定する、あるいは光弾性法により、実際のクリーニングブレードにかかる応力を精密に観察して精度良くクリーニングブレードを感光体に当接させるといった方法が知られており、これらの方法によればブレードにクリーニングブレードの押し付けを応力という観点で知ることができ、適切に感光体に当接させることができる(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、クリーニングブレードを感光体に当接させると、その摺擦により感光体が磨耗する、あるいは傷が入るといったデメリットがある。
この問題に対して、最表面層に保護層を設けることにより、磨耗や傷の発生に対して優れた耐久性を有し、高品位の画質を保つことのできる電子写真感光体を用いるものが提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
特に硬化型樹脂による保護層を有する感光体は、HU(ユニバーサル硬さ値)を大きく保ったまま弾性を大きくすることができる。この種の堅さと弾性の両方を有する感光体は、削れに対して強く、高耐久性を有している。このような感光体を用いる画像形成方法では、クリーニングブレード等での摺擦に強いため、感光体の耐久寿命、電位変化を抑えられ、長期に亘って安定した画像出力性能を得ることができる。
特開平5−333755号公報 特開2003−5580号公報 特開平5−181299号公報 特開2002−82469号公報
しかしながら、電子写真方式による画像形成では、感光体を帯電させる際の帯電エネルギーによってNOx、SOx、オゾン等々の種々の帯電による放電生成物が発生し、これらの放電生成物は、感光体上に付着し感光体表面の滑り性を悪化させる原因となる。表面が削れ難い感光体においては、感光体表面の磨耗によるリフレッシュ効果が期待できないために、感光体に当接されたクリーニングブレードと感光体の間で摩擦力が大きくなり易く、感光体駆動トルクアップ、捲れ、ブレードビビリ(振動)、ブレード破壊を引き起こし、クリーニング不良につながり易い。特に塑性変形が小さくてもトータル変形量の大きい、すなわちゴム的な挙動を有している高耐久性を有する感光体の場合は、特にクリーニングブレードとの摩擦が著しく大きくなる。その結果、ブレードやドラムの破壊につながり易く、そういった面で耐久寿命が短くなってしまう。更に、高温環境においてはクリーニングブレードの温度特性によりブレード硬度が柔らかくなり、クリーニングブレードめくれ・破壊といった重大な問題が発生し易い。
また、クリーニングブレードの滑りには潤滑剤としてのトナーの存在が大きく関与している。トナーの潤滑作用は、トナーに外添された潤滑剤によるところが大きく、この潤滑剤がブレードエッジ近傍に蓄積して層を形成し、ブレードと感光体の間に入り込んで潤滑作用を発揮する。この場合には潤滑剤が随時消費されるため、潤滑剤がクリーニングブレードと感光体の間に常に存在しているわけではない。クリーニングブレードと感光体の間にトナーが供給され難い、すなわち低画像比率の画像形成を連続して行った場合には、転写残トナーが少ないためにクリーニングブレードエッジへの潤滑剤の供給が十分でなくなって、ブレードめくれ・破壊が顕著になる。また、潤滑剤層がブレードエッジ近傍に残り易い場合でも、ブレードの振動や感光体表面の凹凸等によりブレードエッジ近傍にいる潤滑剤の層が崩れた時に潤滑剤層の修復が迅速でなく、ブレードと感光体が直接接触する機会が多くなり、ブレードエッジ欠けといった問題が起こり易い。
本発明の目的は、高硬度高弾性を有する高耐久感光体表面をクリーニングする際に、前記のような低画像比率の画像形成を行ったときのクリーニング性能の低下による画像形成不良を起こさない高画質かつ高耐久・長寿命の画像形成装置を提供することにある。
本発明に従って、導電性支持体上に感光層を有し、該感光層の表面は、25℃/湿度50%RHの環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm以上220N/mm以下であり、かつ、弾性変形率Woが44%以上65%以下である電子写真感光体表面と、該感光体の帯電手段と、該感光体の帯電面に静電潜像の形成手段と、該静電潜像をトナー像として現像する手段と、該トナー像を記録媒体に転写する手段と、クリーニングブレードにより転写残トナーを感光体表面からクリーニングする手段と、を有する画像形成装置において、
感光体とクリーニングブレードの摩擦係数をμ、
クリーニングブレードの感光体当接の線圧をP(N/mm)、
クリーニングブレードエッジ感光体当接部分のゴムの引裂き強度をTr(N/mm)、
感光体静止時にクリーニングブレードが感光体に当接されることによりブレードのエッジがひずむ部分のブレード厚み方向の長さをL(mm)、
感光体回転時のクリーニングブレード当接ニップ長をd(mm)
としたとき、次式;
0.3×10−4×L×Tr>d×μ×P
を満足することを特徴とする画像形成装置が提供される。
以上説明したように、本発明によれば、高弾性を有する高耐久感光体のクリーニングに際し、特に高温環境下、低画像比率の画像出力によって転写残トナーが少ない時においてクリーニングブレードの破壊を防止でき、良好なクリーニング性能を維持できる。
本発明者の鋭意検討の結果、クリーニングブレードにかかる応力がクリーニングブレードの破壊に大きく関わっていることを突きとめ、特に最大荷重6mNで押し込んだ時のHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm以上220N/mm以下であり、かつ、弾性変形率Woが44%以上65%以下である高耐久性を有する電子写真感光体を有する画像形成装置において、上記のように構成すれば、低画像比率の画像形成を連続して行って、転写残トナーがクリーニングブレードに供給され難くなっても良好なクリーニング性能を発揮することを見出した。
すなわち、感光体とクリーニングブレードの摩擦係数をμ、クリーニングブレードの感光体当接の線圧をP(N/mm)、クリーニングブレード当接ニップ長をd(mm)、クリーニングブレードエッジ感光体当接部分のゴムの引裂き強度をTr(N/mm)、感光体静止時にクリーニングブレードが感光体に当接されることによりブレードのエッジがひずむ部分のブレード厚み方向の長さをL(mm)、感光体回転時のクリーニングブレード当接ニップ長d(mm)としたとき、次式;
0.3×10−4×L×Tr>d×μ×P
を満足すれば、感光体との摩擦によりブレードエッジにかかる応力をブレード内部で分散させ易くなり、ブレードエッジが破壊され難くなって高い耐久性を持たせることが可能になる。
右辺の(d×μ×P)は摩擦力のパラメータを表しており、左辺のブレードエッジが引裂きに耐えうる力のパラメータ(0.3×10−4×L×Tr)が摩擦力よりも大きくなるとブレードが破壊されるということを意味している。JIS規格にて計測される引裂き強度Trは、折れ曲がったある形状の試験片を用いた場合の数値であり、これを電子写真クリーニングブレードエッジの破壊に適合させるために画像形成装置の実画像出力による耐久試験結果から帰納的に求めた係数〔0.3×10−4〕を乗している。
以下に本発明の画像形成装置の詳細な説明をする。
<画像形成工程>
図1に本発明の画像形成装置の一例を示す。なお、同図は、デジタル方式の複写機の概略構成を示す縦断面図である。同図に示す複写機は、感光体としてドラム型の電子写真感光体101を備えている。この感光体101は、駆動手段(不図示)によって矢印方向に回転駆動される。感光体101の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、一次帯電手段である帯電ローラ102、露光手段103、現像器(現像手段)104、転写帯電器(転写手段)105が配設されている。更に、転写材111の搬送方向(矢印方向)の転写帯電器105の下流側(同図中の左側)には、定着器106が配設されている。感光体101表面は、一次帯電器102により一様帯電される。次いで、露光手段103から発せられるレーザ光により、イメージ露光が行なわれ、レーザ光照射部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。感光体101上の静電潜像は、現像器104の帯電したトナーによって現像される。現像された感光体101上のトナー像は、矢印方向に搬送される転写材111に、転写帯電器105によって転写される。トナー像転写後の転写材111は定着器106に搬送され、ここで加熱・加圧を受けて、表面にトナー像が定着される。転写後に感光体に残った転写残トナーは、クリーニング装置107のドラムにカウンターに当接された弾性を有するクリーニングブレードにより回収除去される。
クリーニング装置107は、トナー転写後に感光体に残った転写残トナーを回収・清掃する手段である。本発明における感光体上のトナーのクリーニングは、主にポリウレタンゴムからなる弾性ブレードを感光体の回転に対し図1に示すようにカウンターで当接させることにより行われる。クリーニングブレードにて掻き取られたトナーや潤滑剤はすくいシートにより受け取られ、トナー送り羽根やブラシローラ、スクリュー等によって廃トナーボックスに送られる。
<クリーニングブレード>
クリーニングブレードに求められる要件として、感光体やトナーを汚染したり傷つけたりするような物質を含まないこと、耐磨耗性が良いこと、塑性変形が小さいこと、エッジ稜線精度が良いこと、耐候性が良いこと等が挙げられる。
耐磨耗性の観点から、イソシアナートとポリオール及び各種活性水素化合物との重付加反応を経て合成されるウレタンゴムが広く用いられる。
クリーニングブレードの特性を定める種々の物性値のうち、本発明に関わる引裂き強度について述べる。
ゴムの引裂き強度は、切り傷や局部的変形により応力集中して破壊する場合の強さである。従ってクリーニングブレードにおいては、この物性数値が大きいほどエッジが変形して引裂かれること起因するブレードエッジ破壊を抑制できる。
引裂き強度の試験は、JIS K−6252 ゴムの引裂試験方法にて行われる。厚さ2mmのシートを引裂き試験用に打ち抜き、試験装置において試験片が切断するまでの最大引裂力を読む。結果は次式で表示する;
Tr=F/t
Tr=引裂強さ(N/mm)
F:最大引裂力(N)
t:試験片厚さ(mm)
<クリーニングブレード断面応力分布計測方法>
クリーニングブレードエッジ部の応力分布の計測は、光弾性応力分布観察により行う。光弾性は光が透過する媒体において外力により応力が生じたときに応力の方向に応じて複屈折が発生し、偏光を透過させたときに干渉縞が発生する現象である。この干渉縞の形や色から応力に関する知見を得ることができる。
本発明はこの光弾性現象を利用して、クリーニングブレード断面の応力分布を求め、これより得られた応力分布と高耐久感光体のクリーニング性能との間に関係があることを見出したことによるものである。
クリーニングブレード断面の応力分布を観察するには、クリーニングブレードを2.0mm〜50mm幅の短冊状に切断して、図2に示すような構成で2つの偏光フィルターを介して光を透過させてその透過光を観察する。ブレード幅は応力分布が見え易い幅とし、感度の高いものほど幅を短くして複屈折の影響を抑え、応力縞が見えるようにする。
光源にはDOLAN−JENNER社製ハロゲンランプPL−800とライトガイドとしてファイバー束径3.2mmの光ファイバーを用いた。偏光フィルターには3M社製の円偏光フィルムを用いた。映像の取り込みと解析にはKEYENCE社製VH−8000デジタルマイクロスコープ及び長距離レンズVH−Z35を用いた。これらをキヤノン製GP405本体又は同寸法の枠体冶具に図2の構成となるように配備し、感光体に当接されたクリーニングブレード応力分布観察を行った。GP405及び枠体冶具におけるクリーニング装置はクリーニングブレードが任意に付け替え可能になっている。
観察されるクリーニングブレード断面の代表的な応力分布を図3に示す。図3において、Lの部分の応力縞はブレードエッジが感光体に押し当たることにより受ける応力ひずみによるものであり、そのひずみ応力はブレードエッジより長さLまでおよんでいる。この部分が小さいほどエッジに応力が集中していることを示し、大きいほど広い範囲で応力を受け止めていることになる。
高耐久の感光体表面をクリーニングする上で発生するブレードエッジ破壊は、感光体とブレードエッジとの摩擦力が不均一になってそのままエッジがもがれてエッジ欠ける場合と、図4のように感光体の回転によってエッジが下流側に引っ張られて裂け目ができ、その後裂け目より先端側がちぎれてブレードエッジがなくなるというものがある。
特に後者のエッジ裂けによる欠けはエッジ破壊の度合いが大きく、クリーニングに致命的な欠けとなり易い。このときに応力ひずみ範囲の狭いエッジであるとブレード全体でエッジの引っ張りに対抗することができずエッジが引きちぎられて欠けとなり易い。また、クリーニングブレードに引裂き強度の弱い材料を用いても裂けによるエッジ破壊が進行し易い。
<感光体とクリーニングブレードの摩擦係数の測定方法>
摩擦係数が高いとクリーニングブレード及び感光体の寿命が短くなるので、摩擦係数を小さくする必要がある。また摩擦係数が小さ過ぎても、トナーのすり抜けに不利になる。感光体表層に潤滑剤を添加したり、クリーニングブレード表層を改質することによって摩擦係数を適正な範囲に抑えることができる。なお本発明における摩擦係数は、動摩擦係数のことであり、動摩擦係数(μ)の測定は、HEIDON社製の表面試験機(型式HEIDON−14)により測定される。ブレードを一定の荷重(g)で感光体に押し当て、感光体面と平行に動いている時に加わる力を測定する。動摩擦係数はブレードが動いている時の
{感光体に加わる力(g)}/{ブレードに加えた荷重(g)}
で得られる。ブレードは10mm×30mm×1.2〜3.0mmにカットし荷重20g、当接角度22.5°、当接幅10mmにて測定した。クリーニングブレード固定装置の概略断面図を図5に示す。動摩擦係数測定は、表面試験機本体の検出部に接続されたクリーニングブレード固定部材303で固定されたクリーニングブレード302を感光ドラム301に当接させた後、クリーニング感光ドラム301を回転させる装置(不図示)にセットし矢印方向に回転させ、回転する感光ドラムに加わる力を検出することより行う。検出された動摩擦係数のデータが振れている場合には平均値をとる。
<クリーニングブレード当接ニップ計測方法>
一般にクリーニングブレードの感光体に対する当接ニップは、ゴム硬度が柔らかいほどニップ幅が長くなり易く、摩擦力も大きくなり易い。逆に当接ニップ幅が短いとクリーニング性の観点からエッジ及び当接の仕方に高い精度が求められることになる。
クリーニングブレードエッジ当接部のニップ幅は応力分布の計測を用いた時と同じようにクリーニングブレード断面エッジ部を感光体回転中に顕微鏡により拡大観察して計測する。
<感光体製造方法>
本発明で用いる表面が25℃/湿度50%RHの環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm以上220N/mm以下であり、かつ、弾性変形率Woが44%以上65%以下である高耐久性を有する電子写真感光体について作製方法を含めて詳細に記述する。
本発明にかかる電子写真感光体は、主に積層構造を有することが好ましく、特には支持体上に電荷発生層、電荷輸送層が順に設け、更に最表面に保護層を設けていることが好ましい。また、支持体と電荷発生層の間に、結着層、更には干渉縞防止等を目的とする下引き層を設けてもよい。
支持体としては、支持体自身が導電性を持つもの、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金又はステンレス等を用いることができ、その他にアルミニウム、アルミニウム合金又は酸化インジウム−酸化スズ合金等を真空蒸着によって被膜形成された層を有する前記支持体やプラスチック、導電性微粒子(例えば、カーボンブラック、酸化スズ、酸化チタン及び銀粒子等)を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体、導電性結着樹脂を有するプラスチック等を用いることができる。
また、支持体と感光層の間には、バリアー機能と接着機能を持つ結着層(接着層)を設けることができる。結着層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良及び感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。結着層には、カゼイン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン又は酸化アルミニウム等によって形成できる。結着層の膜厚は、5μm以下が好ましく、特には0.1〜3μmが好ましい。
本発明に用いられる電荷発生材料としては、(1)モノアゾ、ジスアゾ及びトリスアゾ等のアゾ系顔料、(2)金属フタロシアニン及び非金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、(3)インジゴ及びチオインジゴ等のインジゴ系顔料、(4)ペリレン酸無水物及びペリレン酸イミド等のペリレン系顔料、(5)アンスラキノン及びピレンキノン等の多環キノン系顔料、(6)スクワリリウム色素、(7)ピリリウム塩及びチアピリリウム塩類、(8)トリフェニルメタン系色素、(9)セレン、セレン−テルル及びアモルファスシリコン等の無機物質、(10)キナクリドン顔料、(11)アズレニウム塩顔料、(12)シアニン染料、(13)キサンテン色素、(14)キノンイミン色素、(15)スチリル色素、(16)硫化カドミウム及び(17)酸化亜鉛等が挙げられる。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂及び塩過ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独・混合あるいは共重合体ポリマーとして1種又は2種以上用いることができる。
電荷発生層用塗料に用いる溶剤は、使用する樹脂や電荷発生材料の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としては、アルコール類、スルホキシド類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族ハロゲン化炭化水素類又は芳香族化合物等を用いることができる。
電荷発生層は、前記の電荷発生材料を質量基準で0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共に、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター又はロールミル等の方法で充分に分散し、塗布、乾燥されて形成される。その膜厚は、5μm以下が好ましく、特には0.01〜1μmの範囲が好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤及び公知の電荷発生材料を必要に応じて添加することもできる。
用いられる電荷輸送材料としては、各種トリアリールアミン系化合物、各種ヒドラゾン系化合物、各種スチリル系化合物、各種スチルベン系化合物、各種ピラゾリン系化合物、各種オキサゾール系化合物、各種チアゾール系化合物及び各種トリアリールメタン系化合物等が挙げられる。
電荷輸送層を形成するのに用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及び不飽和樹脂等から選ばれる樹脂が好ましい。特に好ましい樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹脂及びジアリルフタレート樹脂が挙げられる。
電荷輸送層は、一般的には前記の電荷輸送材料と結着樹脂を溶剤に溶解し、塗布して形成する。電荷輸送材料と結着樹脂との混合割合(質量比)は、2:1〜1:2程度である。溶剤としては、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチルや酢酸エチル等のエステル類、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、クロロホルム及び四塩化炭素等の塩素系炭化水素類、テトラヒドロフランやジオキサン等のエーテル類等が用いられる。この溶液を塗布する際には、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法及びスピンナーコーティング法等のコーティング法を用いることができ、乾燥は10℃〜200℃が好ましく、より好ましくは20℃〜150℃の範囲の温度で、5分〜5時間が好ましく、より好ましくは10分〜2時間の時間で送風乾燥又は静止乾燥下で行うことができる。
電荷輸送層は、上述の電荷発生層と電気的の接続されており、電界の存在下で電荷発生層から注入された電荷キャリアを受け取ると共に、これらの電荷キャリアを保護層との界面まで輸送する機能を有している。この電荷輸送層は、電荷キャリアを輸送する限界があるので必要以上に膜厚を厚くすることができないが、5〜40μmが好ましく、特には7〜30μmの範囲が好ましい。
更に、電荷輸送層中に酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤及び公知の電荷輸送材料を必要に応じて添加することもできる。
本発明では更に、この電荷輸送層の上に前記保護層を塗布、硬化させて成膜することで、表面が25℃/湿度50%RHの環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm以上220N/mm以下であり、かつ、弾性変形率Woが44%以上65%以下の感光体が完成される。
<保護層形成方法>
上記条件を満足させる電子写真感光体の保護層として、下記式で示すような同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合した化合物を含有する保護層がある。
Figure 2005316260
式中、Aは正孔輸送性基を示す。P1及びP2は連鎖重合性官能基を示す。P1とP2は同一でも異なってもよい。Zは置換基を有してもよい有機残基を示す。a、b及びdは0又は1以上の整数を示し、a+b×dは2以上の整数を示す。また、aが2以上の場合P1は同一でも異なってもよく、dが2以上の場合P2は同一でも異なってもよく、またbが2以上の場合、Z及びP2は同一でも異なってもよい。
前記同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させることで、その保護層中において、正孔輸送能を有する化合物は少なくとも二つ以上の架橋点をもって3次元架橋構造の中に共有結合を介して取り込まれる。前記正孔輸送性化合物はそれのみを重合させる、又は他の連鎖重合性基を有する化合物と混合させることのいずれもが可能であり、その種類/比率は全て任意である。ここでいう他の連鎖重合性基を有する化合物とは、連鎖重合性基を有する単量体又はオリゴマー/ポリマーのいずれもが含まれる。正孔輸送性化合物の官能基とその他の連鎖重合性化合物の官能基が同一の基又は互いに重合可能な基である場合には、両者は共有結合を介した共重合3次元架橋構造をとることが可能である。両者の官能基が互いに重合しない官能基である場合には、感光層は少なくとも二つ以上の3次元硬化物の混合物又は主成分の3次元硬化物中に他の連鎖重合性化合物単量体又はその硬化物を含んだ物として構成されるが、その配合比率/製膜方法をうまくコントロールすることで、IPN(Inter Penetrating Network)すなわち相互進入網目構造を形成することも可能である。
本発明において、保護層には潤滑材としてフッ素原子含有樹脂、フッ化カーボン、ポリオレフィン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種を含有さてもよく、その好ましい化合物としては以下の物が挙げられる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
フッ素原子含有樹脂として好ましいものは、ビニルフルオライド、ビニリデンフルオロライド、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロプロピレン及びパーフルオロアルキルビニルエーテルより選ばれる化合物の重合体もしくは共重合体樹脂や樹脂微粒子が挙げられる。
フッ化カーボンは、(CF)n、(CF)nで表される化合物が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂として好ましいものは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂等のホモポリマー樹脂、エチレン−プロピレン共重合体及びエチレン−ブテン共重合体等のコポリマー樹脂や樹脂粉体が挙げられる。これらの潤滑材は、それぞれ単独でも2種以上を任意の割合で用いることも可能である。また、保護層には前記潤滑材の分散剤、分散助剤、その他の各種添加剤、界面活性剤等を含有してもよい。
保護層に潤滑材としてフッ素原子含有樹脂、フッ化カーボン、ポリオレフィン系樹脂のうち少なくとも1種を含有させることにより感光体の表面の滑り性、撥水性を高めることができ、繰り返し使用時の帯電、現像、転写等による表面層の化学的劣化に伴う転写効率や滑り性の低下、更には感度低下、電位低下等の電気特性の劣化を防ぎ、繰り返し使用時においてもフィルミング、融着、クリーニング不良、画像ボケ/流れ等の画像不良の発生を抑えることが可能となる。特に好ましくはフッ素原子含有樹脂であると更に好適な結果が得られる。
本発明において保護層に含有させる潤滑材の割合は、表面層となる層の全質量に対し、1〜70%が好ましく、より好ましくは5〜50%である。潤滑材が70%より多いと表面層となる層の機械的強度が低下し易く、1%より少ないと表面層となる層の撥水性、滑り性が充分ではなくなることがある。
本発明においては、前記連鎖重合性基を有する正孔輸送性化合物の硬化物を含有する保護層に、電荷輸送材料を含有させることも可能である。
前記保護層の形成方法は、前記正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合反応をさせるのが一般的であるが、前もって前記正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させて硬化物を得た後に、再度溶剤中に分散又は溶解させて、保護層を形成することも可能である。これらの溶液を塗布する方法は、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法等が知られているが、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法が好ましい。
本発明において連鎖重合性基を有する正孔輸送性化合物は、放射線により重合させることが好ましい。放射線による重合の最大の利点は重合開始剤を必要としない点であり、これにより非常に高純度な三次元感光層の作製が可能となり、良好な電子写真特性が確保される点である。また、短時間でかつ効率的な重合反応であるがゆえに生産性も高く、更には放射線の透過性の良さから、厚膜時や添加剤等の遮蔽物質が膜中に存在する際の硬化阻害の影響が非常に小さいこと等が挙げられる。ただし、連鎖重合性基の種類や中心骨格の種類によっては重合反応が進行し難い場合があり、その際には影響のない範囲内での重合開始剤の添加は可能である。この際使用する放射線とは、電子線及びγ線である。電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びラミナー型等いずれの形式も使用することができる。電子線を照射する場合に、本発明にかかる感光体においては電気特性及び耐久性能を発現させる上で照射条件が非常に重要である。加速電圧は250kV以下が好ましく、最適には150kV以下である。また線量は好ましくは10kGy〜1000kGyの範囲である。加速電圧が上記を超えると、感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾向にある。また、線量が上記範囲よりも少ない場合には硬化が不十分となり易く、線量が多い場合には感光体特性の劣化が起こり易い。
<感光体表面物性評価方法>
前述のとおり作製した硬度試験用の感光体を25℃/湿度50%RHの環境下に24時間放置した後、前述した微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて、Hu及び弾性変形率Woを求めた。
本発明におけるHU(ユニバーサル硬さ値)及び弾性変形率Woは、圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読し連続的硬さを求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した。圧子は対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用した。荷重の条件は、最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1sの保持時間で273点)測定した。出力チャートの概略を図6に、本発明にかかる電子写真感光体を測定した例を図7に示す。縦軸は荷重(mN)で横軸は押し込み深さh(μm)であり、段階的に荷重を増加させ6mNまで荷重をかけ、その後同様に段階的に荷重を減少させた結果である。HU(ユニバーサル硬さ値:以下HUと呼ぶ)は、6mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式によって規定される。
Figure 2005316260
弾性変形率Woは圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めたものであり、下記式からその値は求まる;
弾性変形率Wo=We/Wt×100(%)
全仕事量Wt(nW)は図6中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表され、弾性変形の仕事量We(nW)はC−B−D−Cで囲まれる面積で表される。
前述の如く、有機電子写真感光体に求められる性能として機械的劣化に対する耐久性の向上が挙げられる。一般的に膜の硬度は外部応力に対する変形量が小さいほど高く、電子写真感光体も当然の如く鉛筆硬度やビッカース硬度が高いものが機械的劣化に対する耐久性が向上すると考えられている。しかしながら、これらの測定により得られる硬度が高いものが必ずしも耐久性の向上を望めたわけではなかった。
鋭意検討の末、HUと弾性変形率Woの値が、ある範囲の場合に特に高温高湿度環境下において感光体表面層の機械的劣化が起こり難くなることを見出し、本発明に至った。すなわち、ビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHUが150N/mm以上220N/mm以下であり、かつ、弾性変形率Woが44%以上65%以下である電子写真感光体を用いることによって飛躍的に向上した。
HUと弾性変形率Woを切り離してとらえることはできないが例えばHUが220N/mmを超えるものであるとき、高温下等でクリーニングブレードとの摩擦が大きくなったとき等において、弾性変形率Woが44%未満であると感光体の弾性力が不足しているが故に、弾性変形率Woが65%より大きいと弾性変形率は高くても弾性変形量は小さくなってしまうが故に、結果として局部的に大きな圧力がかかって深い傷が発生してしまう。よって、HUが高いものが必ずしも感光体として最適ではないと考えられる。
また、HUが150N/mm未満で弾性変形率Woが65%を超えるもの場合、たとえ弾性変形率が高くても塑性変形量も大きくなってしまいクリーニングブレードや帯電ローラに挟まれた紙粉やトナーが擦られることで削れたり細かい傷が発生したりしてしまう。
本実施例では感光体表面に保護層を形成させた感光体を得た。なお、実施例中の「部」は「質量部」を示す。
<感光体製造例>
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウム合金)を支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
次に、電荷発生材料としてCuKαの特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の28.1°に最も強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶3部とポリビニルブチラール2部をシクロヘキサノン100部に添加し、1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これにメチルエチルケトン100部を加えて希釈して電荷発生層用塗料を調製し、上記下引き層上に、この電荷発生層用塗料を浸漬塗布し、90℃で10分間乾燥して、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成した。
次いで、下記式に示される電荷輸送材料化合物7部
Figure 2005316260
及びポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)10部を、モノクロロベンゼン105部/ジクロロメタン35部の混用溶媒に溶解した。この溶液を、前記電荷発生層上に浸漬塗布し、110℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が13μmの電荷輸送層を形成した。
次に、電荷輸送層の上に保護層を形成させた。本実施例では反転現像を用いており、感光体は直径30mmのアルミニウムシリンダー上に前述したように3層を重ねた後、表面保護層として下記式で示される正孔輸送性化合物を電子線照射により重合させた化合物を含有する表層を塗工し硬化させた有機感光体である。
Figure 2005316260
この正孔輸送性化合物45部をn−プロピルアルコール55部に溶解し、更にポリテトラフルオロエチレン微粒子(PTFE)を0〜30部添加して、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた表面保護層用塗料を調製した。この塗料を前記4層感光体上に塗布したのち、加速電圧150KV、線量100kGyの条件で電子線を照射し、膜厚3μmの保護層を形成し、電子写真感光体を得た。更に、3000番のラッピングテープにて感光体表面を研磨して周方向の凹凸を作り、表面粗さを調整した。PTFE含有量を調整して得られた感光体A〜Cの表面物性を表1に示す。
Figure 2005316260
<クリーニングブレード>
本実施例に使用する引裂き強度を変化させたポリウレタン樹脂のクリーニングブレードa〜hのエッジ部分のゴムの引裂き強度を表2に示す。また、引裂き強度30(N/mm)と64(N/mm)のブレードは、板の厚みを1.2mm、2mm、3mmと変えたものを作製した。更に、クリーニングブレードhのドラム当接面の反対面にもう一枚ゴム硬度98度の高硬度のゴム0.5mm厚を張り合わせて補強したものを作製した。これをクリーニングブレードiとし、表2にあわせて示す。
Figure 2005316260
応力分布範囲長さLは、ブレード先端の厚みにより変化し、ブレード材質を変えることによってもわずかに変化した。なお、圧力を増加させると応力分布縞の本数は増加したが、応力分布範囲長さLはほとんど変化しなかった。
<評価方法>
評価項目はブレードめくれ、ブレード欠け、ドラム磨耗速度の3点である。実施環境は温度30℃/湿度80%RHの高湿環境(H/H)で行った。
キヤノン製デジタル複写機GP405改造機により評価した。GP405改造機はクリーニングブレードの厚み・圧力を変更可能に改造されており、また、バネによる定荷重法によりブレード当接されるように改造されている。
トナーはGP405用トナーを用い、画出し条件は、1枚間欠通紙で0.5%の横線原稿を10000枚とし、10000終了時点で評価した。
以下に各々の評価基準を示し、評価結果を表3〜表5に示す。
ブレード欠け評価基準
・◎ ほとんど欠けなし
・○ カット面えぐれは見られるものの欠けに発展せず
・△ エッジ欠けが僅かに存在して僅かに帯電手段にトナーが付着するが、目に見える画像不良にならない
・× 大きな欠けが存在し、画像上見えるすり抜けが発生
なお本発明の不等式は変形させると以下の式になる;
0.3×10−4>(d×μ×P)/(L×Tr)
したがって、表3〜表5には(d×μ×P)/(L×Tr)の数値を記載して実施例及び比較例を比較した。
Figure 2005316260
Figure 2005316260
Figure 2005316260
実施例1〜26に示されるように、0.3×10−4×L×Tr>d×μ×Pを満足できれば、感光体との摩擦によりクリーニングブレードエッジにかかる応力が分散して局所的な応力発生を極力防ぐことができ、ブレード欠けによる画像不良を抑止できる。
実施例11〜14,23〜26に示されるようにTrが65N/mm以上であれば、ブレードカット面の引裂きに対して強くなるので、ブレードカット面のえぐれが発生し難く、エッジまで破棄される欠けを抑止し、耐久性をもたせることができる。
実施例13,14,25,26に示されるように、クリーニングブレード当接面の反対面に高硬度ゴム部材の補強を行えばブレードエッジがドラム回転方向に引きずり込まれ難くなって、更に欠けに対して強くなる。
本発明の画像形成装置の概略断面図である。 光弾性によるブレード断面応力分布観測方法を示す概略図である。 代表的なブレード断面の応力分布観測結果を示す図である。 ブレードエッジ破壊過程を表す概略断面図である。 感光体とクリーニングブレードの動摩擦係数を測定する装置の概略断面図である。 本発明にかかる電子写真感光体の弾性率を測定する出力チャートの概略図である。 本発明にかかる電子写真感光体の弾性率を測定した例である。
符号の説明
101 感光体
102 帯電ローラ
103 露光装置
104 現像装置
105 転写部材
106 定着装置
107 クリーニング装置
111 転写媒体
201 感光体
202 クリーニングブレード
203 レンズ+CCD
204 光源(光ファイバー)
301 感光体
302 クリーニングブレード
401 感光体
402 クリーニングブレード
501 感光体
502 クリーニングブレード
503 ブレードホルダー

Claims (3)

  1. 導電性支持体上に感光層を有し、該感光層の表面は、25℃/湿度50%RHの環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm以上220N/mm以下であり、かつ、弾性変形率Woが44%以上65%以下である電子写真感光体表面と、該感光体の帯電手段と、該感光体の帯電面に静電潜像の形成手段と、該静電潜像をトナー像として現像する手段と、該トナー像を記録媒体に転写する手段と、クリーニングブレードにより転写残トナーを感光体表面からクリーニングする手段と、を有する画像形成装置において、
    感光体とクリーニングブレードの摩擦係数をμ、
    クリーニングブレードの感光体当接の線圧をP(N/mm)、
    クリーニングブレードエッジ感光体当接部分のゴムの引裂き強度をTr(N/mm)、
    感光体静止時にクリーニングブレードが感光体に当接されることによりブレードのエッジがひずむ部分のブレード厚み方向の長さをL(mm)、
    感光体回転時のクリーニングブレード当接ニップ長をd(mm)
    としたとき、次式;
    0.3×10−4×L×Tr>d×μ×P
    を満足することを特徴とする画像形成装置。
  2. クリーニングブレードエッジ感光体当接部分の引裂き強度Trが65N/mm以上である請求項1に記載の画像形成装置。
  3. クリーニングブレードのドラム当接面の反対面のゴム硬度が当接面部分よりも大きい請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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