JP2005315992A - 光トランシーバ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造が容易で、設計変更に対する迅速な対応を可能にする。
【解決手段】 複数の光ユニット2を光学的に直列に接続する。各光ユニット2は光−電気変換部3を1つずつ有し、各光−電気変換部3は、それぞれ、互いに異なる波長の光信号と電気信号の変換動作を行う。各光ユニット2は、光−電気変換部3に加えて、光−電気変換部3を収容するユニットケース4と、ユニットケース4に設けられている対を成す光信号入出力部5(5A,5B)と、予め割り当てられた波長の光信号を反射する光学フィルタ6と、集光レンズ7とを有する。各光ユニット2は、それぞれ、入射してきた波長多重光から割り当てられた波長の光信号を分波させ当該光信号を光−電気変換部3で電気信号に変換する光受信機能と、外部から供給された電気信号を光−電気変換部3で光信号に変換して発光出力する光送信機能とのうちの予め定められた一方の機能だけを行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、波長多重光の受信と送信の少なくとも一方を行うことができる光トランシーバ構造に関するものである。
図4には2波長多重光用の光トランシーバモジュールの一例が模式的な断面図により示されている(例えば特許文献1参照)。この光トランシーバモジュール30は、モジュールケース31と、このモジュールケース31のケース壁を貫通してモジュールケース31の外側から内側に引き込まれている光ファイバ32と、モジュールケース31のケース壁に形成された貫通孔に嵌め込まれている受光素子部33および発光素子部34と、モジュールケース31の内部に配置されているコリメート用レンズ35および波長合分波フィルタ36とを有して構成されている。
コリメート用レンズ35は、光ファイバ32からモジュールケース31内に放射された光を平行な光に変換する機能を備えたレンズである。波長合分波フィルタ36は、光ファイバ32からモジュールケース31内に放射された予め定められた波長(ここでは波長λaとする)の光信号を受光素子部33に向けて反射するものである。
受光素子部33は、筐体37と、この筐体37内に内蔵されているフォトダイオード(PD(図示せず))と、波長合分波フィルタ36側から伝送されてきた波長λaの光信号を集光させてPDに導く集光レンズ38とを有して構成されている。また、発光素子部34は、筐体40と、当該筐体40内に内蔵され前記波長λaとは異なる予め定められた波長(ここでは、波長λbとする)の光を発光出力するレーザダイオード(LD(図示せず))と、LDから放射された光を平行光にしてモジュールケース31内に出射するレンズ41とを有して構成されている。なお、受光素子部33には、PDから出力される電気信号を増幅する増幅器が内蔵されている場合がある。また、発光素子部34には、LDから放射される光(レーザ光)をモニタするためのフォトダイオード(モニタ用PD)が内蔵されている場合がある。
このような光トランシーバモジュール30では、例えば、光ファイバ32からモジュールケース31内に波長λaの光信号が放射されると、その光信号はコリメート用レンズ35を通り波長合分波フィルタ36で反射されて受光素子部33に導かれ、さらに、受光素子部33の集光レンズ38で集光されてPDに至る。そして、PDの光−電気変換動作によって、波長λaの光信号に応じた電気信号がPDから出力される。この電気信号は、PDから直接又は増幅器を通して受光素子部33に設けられている端子42を介して外部の電気回路に伝達することができる。
また、例えば外部の電気回路から発光素子部34に設けられている端子43を介して発光素子部34のLDに電気信号が供給されたときには、LDの電気−光変換動作により、その供給された電気信号に応じた波長λbの光信号がLDから発光出力される。この波長λbの光信号は、発光素子部34のレンズ41を通ってモジュールケース31内に出射され、当該出射光は波長合分波フィルタ36を透過しレンズ35により集光されて光ファイバ32に入射する。そして、波長λbの光信号は、光ファイバ32により伝送されていく。
すなわち、この光トランシーバモジュール30においては、受光素子部33が、光信号を受信し当該光信号を電気信号に変換する光受信機能を行い、発光素子部34が、電気信号を光信号に変換して発光出力する光送信機能を行う構成であり、光信号の送信と受信の両方を行うことができるものである。
図5には3波長以上の波長多重光の光トランシーバモジュールの一例が模式的な断面図により示されている(例えば特許文献2参照)。この光トランシーバモジュール45は、電気信号を光信号に変換し当該光信号を発光出力する光送信機能と、受光した光信号を電気信号に変換する光受信機能とのうちの予め選択された一方の機能を備えた3つ以上の光モジュール46と、送受信ユニット47とを有し、これら光モジュール46と送受信ユニット47が共通のケーシング48に設けられている構成を備えている。なお、図5中の符号49(49a〜49d)は、予め定められた波長の光信号を反射しそれ以外の波長光は透過するフィルタを示す。符号50は、光ファイバが挿通されているフェルールを示している。
特開2003−167170号公報 特表2003−524789号公報
図4の構成では、光ファイバ32と、受光素子部33との間の光信号の経路はモジュールケース31内の空間部に形成されることから、光ファイバ32から放射され光合分波フィルタ36で反射された光を受光素子部33が高い光結合効率でもって受光することができるように、光ファイバ32に対する受光素子部33の配設位置の調整が必須である。また同様に、光ファイバ32と、発光素子部34との間の光結合も空間結合タイプであることから、光ファイバ32に対する発光素子部34の配設位置の調整は必須である。
例えば、受光素子部33と発光素子部34の位置調整は次に示すようにして行われる。例えば、受光素子部33および発光素子部34は、モジュールケース31の貫通孔に僅かに動くことができる状態で嵌め込まれる。受光素子部33の位置調整を行う際には、光ファイバ32から光を放射し、モジュールケース31の貫通孔に嵌め込まれている受光素子部33の位置をずらしながら、受光素子部33での受光状態をモニタして、受光素子部33が最も良好に光ファイバ32の光を受光できる受光素子部33の配設位置を調べる。この位置調整により得られた適切な位置に受光素子部33を固定すべく、受光素子部33はモジュールケース31に例えば溶接固定される。
また、発光素子部34の位置調整を行う際には、例えば、モジュールケース31の貫通孔に嵌め込まれている発光素子部34に発光動作を行わせ、その発光素子部34の位置をずらしながら、発光素子部34から光ファイバ32に入射する光量をモニタして、光ファイバ32に最も良好に光を入射させることができる発光素子部34の配設位置を調べる。この位置調整により得られた適切な位置に発光素子部34を固定すべく、発光素子部34はモジュールケース31に例えば溶接固定される。
このような受光素子部33と発光素子部34の位置調整を同時に行うことは非常に難しい。このため、受光素子部33の位置調整と、発光素子部34の位置調整とを別々に行うこととなり、受光素子部33および発光素子部34の位置調整に多くの時間を要するという問題が生じる。また、受光素子部33の位置調整と、発光素子部34の位置調整とを別々に行うことにより次に示すような問題も生じる。
例えば、受光素子部33の位置調整を行って当該受光素子部33をモジュールケース31に溶接固定した後、発光素子部34の配設位置の調整を行って当該発光素子部34をモジュールケース31に溶接固定することとする。この場合、発光素子部34とモジュールケース31の溶接に起因してモジュールケース31が僅かに変形するために、先に位置調整を行った受光素子部33の配設位置がずれて、光ファイバ32と受光素子部33との光結合効率が悪化してしまう虞があった。このような問題のために、図4に示されるような単純な構造であっても、受光素子部33と発光素子部34を両方共に、光結合効率良く光ファイバ32に光結合させることは難しかった。例えば波長多重光の波長数の増加に対応するため等の理由により光トランシーバモジュールの構造が複雑化すると、ますます、光ファイバと、受光素子部や発光素子部とを効率良く光結合させることが難しくなり、光トランシーバモジュールの歩留まりが悪化するという問題が生じる。
また、図5に示される構成も、図4に示される構成と同様に、各光モジュール46および送受信ユニット47と、フェルール50の光ファイバとの光結合は空間結合タイプであることから、光ファイバに対する各光モジュール46および送受信ユニット47の配設位置の調整は必須である。図5に示される構成では、光モジュール46の配設数が図4の構成よりも増えるために、各光モジュール46や送受信ユニット47の位置調整に要する時間がより増加する。また、複数のフィルタが設けられ各フィルタにより光路が僅かずつずれてしまう等の原因のために各光モジュール46や送受信ユニット47の位置調整がより一層難しくなる。このため、各光モジュール46および送受信ユニット47と、光ファイバとの光結合効率の向上は非常に難しく、また、歩留まりはより一層悪くなるものであった。
さらに、図5に示される構成では、送信あるいは受信する波長光の数が変更になったときには、その変更に応じて、光モジュール46の組み合わせやその配設数の変更およびケーシング48の変更等を行うことにより、設計変更に対応することができる。しかしながら、例えばケーシング48の設計等に手間と時間が掛かるので、設計変更に対して迅速に対応することができない。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、製造が容易で、しかも、波長光の数の変更にも迅速に対応することができる光トランシーバ構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明は、光信号と電気信号の変換を行う光―電気変換部が内蔵されている複数の光ユニットを有し、これら各光ユニットの光―電気変換部は、それぞれ、互いに異なる予め定められた波長の光信号と電気信号の変換動作を行う構成と成し、全ての光ユニットは光学的に直列に接続されている構成を備えた波長多重光用の光トランシーバ構造であって、各光ユニットは、それぞれ、割り当てられた波長の光―電気変換部を収容するユニットケースと、このユニットケースの対向し合うケース壁にそれぞれ配設される対を成す光信号入出力部と、ユニットケース内においての対を成す光信号入出力部間の基幹光信号伝送経路上に介設され割り当てられた波長の光信号を反射して基幹光信号伝送経路と光―電気変換部との間に光信号経路を形成しそれ以外の波長光は透過する光学フィルタと、対を成す光信号入出力部のうちの一方側からユニットケース内に出射された光信号を集光させて他方側の光信号入出力部に入射させる集光レンズとを有し、各光ユニットは、それぞれ、光信号入出力部を通して入射してきた波長多重光から割り当てられた波長の光信号を分波させ当該光信号を光―電気変換部で電気信号に変換する光受信機能と、外部から供給された電気信号を光―電気変換部において割り当てられた波長の光信号に変換して発光出力する光送信機能とのうちの予め選択された一方側の機能を行う構成と成しており、複数の光ユニットの光信号入出力部間の光結合により、波長多重光の送信と受信の少なくとも一方を可能にした構成であることを特徴としている。
この発明の光トランシーバ構造によれば、互いに異なる波長の光信号に対応した複数の単波長対応型の光ユニットを組み合わせていくことにより、波長多重光に対応できる構成とした。接続し合う光ユニットの光信号入出力部間を空間部を介さずに直接的に光結合させる構成とすることにより、光ユニットを接続相手の別の光ユニットに接続する際に、それら光ユニット間の光結合は空間結合タイプではないので、空間結合タイプの場合に見られるような面倒な位置調整作業が不要であり、光ユニット同士を簡単に組み合わせることができる。これにより、光トランシーバ構造を容易に構築することができる。
また、この発明の構成では、光通信に使用する波長多重光に関する設計変更が生じた場合に、光ユニットの組み合わせを変更するだけで設計変更に応じた光トランシーバ構造を得ることができるので、設計変更に対して簡単かつ迅速に対応することができる。
さらに、この発明の構成では、各光ユニットにおいては、それぞれ、光信号入出力部と、光−電気変換部との光結合は空間結合タイプであるが、各光ユニットが内蔵する光−電気変換部の数はただ1つであることから、光信号入出力部に対して、そのただ1つの光−電気変換部が空間部を介して効率良く光結合できるように、光−電気変換部の配設位置の調整を行い当該調整により得られた適切な位置に光−電気変換部を固定することは容易である。このため、光ユニットの歩留まりを向上させることができる。また、各光ユニットにおける光信号入出力部と光−電気変換部との光結合効率の向上を容易に図ることができることから、各光ユニットでの光損失を小さく抑制することができる。
さらに、各光ユニットが内蔵する光−電気変換部の数はただ1つであることから、各光ユニットの小型化を図ることができる。光ユニットの小型化により、各光ユニットをそれぞれ回路基板に直接的に搭載することが容易となり、基板上の配線の自由度が増し、最短距離で回路基板の回路に配線することが可能となる。配線長が長いと、外部からの悪影響を受けて電気信号にノイズが乗り易いという問題が生じる。これに対して、光ユニットを直接的に回路基板に搭載して配線長を短くできる構成とすることにより、電気信号に乗るノイズを低減することができる。また、光ユニットを回路基板に直接的に搭載する構成によって、本発明の光トランシーバ構造およびそれに電気的に接続する回路基板を備えた装置の小型化を促進させることができる。また、そのような装置の製造工程の簡略化を図ることができる。
光ユニットのユニットケースの対向し合うケース壁の一方側には、光信号入出力部の配設位置に筒状のスリーブが貫通形成され、このスリーブには、光信号入出力部として機能するフェルールがユニットケース内側からスリーブの途中位置まで挿入された態様でもって設けられており、接続相手の光ユニットの光信号入出力部であるフェルールがそのスリーブ内に挿入されることで、接続し合う光ユニットのフェルールの接続端面同士が互いに当接し両フェルールに挿通されている光ファイバ同士が光学的に接続される構成を備えることによって、光ユニット同士の接続が非常に容易となり、光トランシーバ構造の組み立て作業に要する時間の短縮を図ることができる。
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
図1(a)には第1実施形態例の光トランシーバ構造が模式的な断面図により示されている。この第1実施形態例の光トランシーバ構造1は波長多重光の受信部として機能するものであり、光学的に直列に接続されている2つの光ユニット2(2A,2B)を有して構成されている。図1(b)には、それら光ユニット2A,2Bの接続を解消した状態が模式的に示されている。
この第1実施形態例では、各光ユニット2(2A,2B)は、それぞれ、光受信機能を行うものであり、これら各光ユニット2(2A,2B)は、それぞれ、光信号と電気信号の変換を行う光−電気変換部3と、この光−電気変換部3を収容するユニットケース4と、このユニットケース4の互いに対向し合うケース壁4a,4bにそれぞれ配設された対を成す光信号入出力部5(5A,5B)と、ユニットケース4の内部空間部に配設されている光学フィルタ6および集光レンズ7とを有して構成されている。
この第1実施形態例では、光−電気変換部3は受光モジュールと成しており、当該光−電気変換部3は、光信号を電気信号に変換する受光素子(例えばフォトダイオード(PD)(図示せず))がケース(例えばCANケース)8の内部に収容配置されている構成を有している。この光−電気変換部3のケース8の底壁には、内部の受光素子で発生した電気信号を外部に導くための端子9が突出形成され、また、ケース8の頂壁には、光−電気変換部3に向けて伝送されてきた光信号を集光してケース8の内部の受光素子に導くレンズ10が設けられている。
光−電気変換部3は、ユニットケース4の底壁部に形成された貫通孔に、レンズ10の形成側をケース内側に向けて嵌め込まれ、光−電気変換部3の端子9はユニットケース4よりも外側に突き出し配置されている。この光−電気変換部3は、後述する光学フィルタ6を利用して、光信号入出力部5(5A)と光結合するものである。当該光−電気変換部3と光信号入出力部5Aの光結合は空間結合タイプであることから、光信号入出力部5Aに対して光−電気変換部3が光結合効率良く光結合できるように光−電気変換部3の位置調整が行われた後に光−電気変換部3のケース8がユニットケース4に例えば溶接固定されている。
対を成す光信号入出力部5A,5Bは、ユニットケース4の対向するケース壁4a,4bに互いに対向させて設けられており、これら光信号入出力部5A,5Bは、それぞれ、光ファイバ12が挿通されているフェルール13により構成されている。この第1実施形態例では、ユニットケース4の対向し合うケース壁4a,4bのうちの一方側(図1の例ではケース壁4b)には、光信号入出力部5(フェルール13)の配設位置に、筒状のスリーブ14が一端側を外側に突き出した態様でもって貫通形成されている。このスリーブ14には、フェルール13が、ユニットケース4の内側から当該スリーブ14の途中位置まで挿入された態様でもって配設されている。
また、他方側のケース壁4aには、光信号入出力部5(フェルール13)の配設位置に、スリーブ14が嵌まる嵌合部15が形成されており、この嵌合部15内に、フェルール13がユニットケース4の内側から外側に貫通させて配設されている。
この第1実施形態例では、例えば、光ユニット2Aのスリーブ14を、接続相手の光ユニット2Bの嵌合部15に嵌め込むことにより、その光ユニット2Bの嵌合部15内に配置されているフェルール13が、光ユニット2Aの外側から当該光ユニット2Aのスリーブ14内に挿入される。これにより、光ユニット2A側のフェルール13と、光ユニット2B側のフェルール13との接続端面同士が互いに当接し合い光ファイバ12が光接続する構成と成している。すなわち、この第1実施形態例では、接続し合う光ユニット2のうちの一方側のスリーブ14を他方側の光ユニット2の嵌合部15に嵌め込むだけで、光ユニット2の接続を簡単に行うことができる。また、この第1実施形態例では、ユニットケース4のケース壁4bに配設されているフェルール13の接続端面は、スリーブ14の外側端よりも内側に引っ込んだ位置に配置されているので、フェルール13の接続端面に汚れが付着し難い構造となっている。
光学フィルタ6は、対を成す光信号入出力部5A,5B間に形成される基幹光信号伝送経路17に介設され、予め定められた波長の光信号を反射して基幹光信号伝送経路17と光−電気変換部3との間に光信号経路18を形成し、それ以外の波長光は透過するものである。この第1実施形態例では、各光ユニット2の光学フィルタ6は、それぞれ、互いに異なる波長の光信号を反射する構成となっている。ここでは、光ユニット2Aの光学フィルタ6が反射する光信号の波長をλ1とし、光ユニット2Bの光学フィルタ6が反射する光信号の波長を、λ1とは異なるλ2とする。
集光レンズ7は、対を成す光信号入出力部5A,5Bのうちの一方側の光信号入出力部5からユニットケース4の内部空間部に出射された光信号を他方側の光信号入出力部5に集光して入射させるためのものである。集光レンズとして機能することができるレンズには様々な種類があり、例えば、ユニットケース4の大きさや、ユニットケース4内におけるレンズの配設構造等の様々な点を考慮して、何れの種類のレンズをも集光レンズ7として利用してもよいが、ここでその一例を挙げると、集光レンズ7として、例えば球レンズを利用することができる。
この第1実施形態例の光トランシーバ構造1は上記のように構成されている。この光トランシーバ構造1の各光ユニット2(2A,2B)は、例えば、図1(a)の点線に示されるように回路基板20に直接的に搭載される。つまり、回路基板20には、予め定められた光ユニット配置部分に、端子挿通用の孔部が設けられており、その端子挿通用の孔部に各光ユニット2(2A,2B)の対応する端子9が挿通され、例えば、端子9が回路基板20にはんだ接続される。このはんだ接続により、各光ユニット2(2A,2B)が回路基板20に固定されると共に、回路基板20に形成されている電気回路に各光ユニット2(2A,2B)を電気的に接続させることができる。
この第1実施形態例の光トランシーバ構造1の構成では、光ユニット2Aの光信号入出力部5Aが光ファイバを介して光信号処理回路(図示せず)に接続され、光ユニット2Bの光信号入出力部5Bは光信号の終端器(図示せず)に接続される。例えば、光信号処理回路から、少なくとも波長λ1,λ2の波長光を含む波長多重光が伝送されてきて、当該波長多重光が光ユニット2Aの光信号入出力部5Aからユニットケース4の内部空間部に出射されると、当該波長多重光のうち、波長λ1の光信号は光学フィルタ6で反射されて分波され光−電気変換部3に至る。そして、その波長λ1の光信号が光−電気変換部3の受光素子(例えばPD)で受光され、受光素子の光−電気変換動作により、波長λ1の光信号に応じた電気信号が受光素子から出力される。その電気信号は端子9を介して光ユニット2Aから例えば回路基板20の電気回路に伝達される。
また、波長λ1以外の波長光は光ユニット2Aの光学フィルタ6を透過し集光レンズ7により集光されて光信号入出力部5Bのフェルール13内の光ファイバ12に入射する。この光ファイバ12内に入射した波長光は、当該光ファイバ12内を伝搬し、さらに、光ユニット2Bの光信号入出力部5Aを構成するフェルール13の光ファイバ12に入り込む。そして、当該光ファイバ12から光ユニット2Bのユニットケース4の内部空間部に出射される。この出射光のうち、波長λ2の光信号は光学フィルタ6で反射されて分波され、光−電気変換部3に至る。そして、この波長λ2の光信号は光−電気変換部3の受光素子で受光され、受光素子の光−電気変換動作により、波長λ2の光信号に応じた電気信号が受光素子から出力される。その電気信号は端子9を介して光ユニット2Bから例えば回路基板20の電気回路に出力される。なお、光ユニット2Bの光学フィルタ6を透過した光は、集光レンズ7を介して光信号入出力部5Bに入射し、当該光信号入出力部5Bから終端器に出力される。
以下に、第2実施形態例を説明する。なお、この第2実施形態例の説明では、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
この第2実施形態例の光トランシーバ構造1は、波長多重光の送受信部として機能することができるものであり、例えば、図2に示されるように、光学的に直列に接続されている3つの光ユニット2(2A,2B,2C)を有して構成されている。
光ユニット2A,2Bは、第1実施形態例に示した光ユニット2A,2Bと同様な構成を持ち、光受信機能を行うものである。光ユニット2Cは、光ユニット2A,2Bとほぼ同様な構成となっているが、光ユニット2A,2Bの光−電気変換部3(3P)は受光モジュールにより構成されているのに対して、光ユニット2Cを構成する光−電気変換部3(3L)は発光モジュールにより構成されていて、光送信機能を行うものである。この第2実施形態例では、その光ユニット2Cの光−電気変換部3(3L)の外観形状や寸法は、光ユニット2A,2Bの光−電気変換部3(3P)とほぼ同様であるが、光−電気変換部3(3L)においては、光−電気変換部3(3P)の受光素子に代えて、発光素子(例えばレーザダイオード(LD)(図示せず))が内蔵されている。
また、光ユニット2Cの光学フィルタ6は、光ユニット2A,2Bの光学フィルタ6が反射する波長λ1,λ2以外の予め定められた波長λ3の波長光を反射する構成と成している。
この第2実施形態例では、光トランシーバ構造1の上記以外の構成は第1実施形態例と同様であり、この第2実施形態例の光トランシーバ構造1においても、第1実施形態例と同様に、各光ユニット2(2A,2B,2C)が、例えば回路基板20に直接的に搭載される。
また、この第2実施形態例では、例えば、光ユニット2Aの光信号入出力部5Aが例えば光ファイバを介して光信号処理回路(図示せず)に接続され、光ユニット2Cの光信号入出力部5Bが光信号の終端器に接続される。例えば、光信号処理回路から、少なくとも波長λ1,λ2の光信号を含む波長多重光が伝送されてきて、その波長多重光が光ユニット2Aの光信号入出力部5Aから光ユニット2Aのユニットケース4の内部空間部に放射されると、第1実施形態例で述べたように、光ユニット2Aにおいて、その波長多重光から波長λ1の光信号が分波され当該波長λ1の光信号に応じた電気信号が光ユニット2Aの光−電気変換部3(3P)から端子9を通して例えば回路基板20の電気回路に出力される。また、光ユニット2Bにおいて、波長λ2の光信号が分波されて当該波長λ2の光信号に応じた電気信号が光ユニット2Bの光−電気変換部3(3P)から端子9を通して例えば回路基板20の電気回路に出力される。なお、波長λ1,λ2,λ3以外の波長光は、光ユニット2Cの光信号入出力部5Bから終端器に出力される。
また、例えば、回路基板20の電気回路から電気信号が光ユニット2Cの端子9を通って光ユニット2Cの光−電気変換部3(3L)に供給されると、光−電気変換部3(3L)の発光素子の光−電気変換動作により、その供給された電気信号に応じた光信号が発光素子から発光出力される。この光信号は、光−電気変換部3(3L)から光ユニット2Cのユニットケース4の内部空間部に出射され、光学フィルタ6で反射されて光信号入出力部5Aに入射する。そして、その光信号は、光ユニット2Cの光信号入出力部5Aから光ユニット2Bの光信号入出力部5Bに伝送され、当該光信号入出力部5Bから、光ユニット2Bのユニットケース4の内部の基幹光信号伝送経路17と、光ユニット2Bの光信号入出力部5Aと、光ユニット2Aの光信号入出力部5Bと、光ユニット2Aのユニットケース4の内部の基幹光信号伝送経路17と、光ユニット2Aの光信号入出力部5Aとを順に通り、その光ユニット2Aの光信号入出力部5Aから光信号処理回路に向けて出力される。
なお、この発明は第1や第2の各実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得るものである。例えば、第1や第2の各実施形態例では、接続し合う光ユニット2の光信号入出力部5を構成するフェルール13の接続端面同士が当接することにより、光ユニット2間が光学的に接続される構成であったが、例えば、図3に示されるように、接続し合う光ユニット2間は、フェルール13から引き出された光ファイバ21を介して光学的に接続される構成としてもよい。
また、第1や第2の各実施形態例では、光トランシーバ構造1を構成する全ての光ユニット2は同一直線上に配列配置される構成であったが、例えば、上記したように、接続し合う光ユニット2間を、フェルール13から引き出された光ファイバを利用して光学的に直列に接続する構成とすることによって、光ファイバの柔軟性により、全ての光ユニット2を同一直線上に配列配置しなくとも済む。このことから、このような場合には、例えば、回路基板に搭載されている電子部品の配置位置や回路パターンの形成位置等を考慮した適宜な位置に、各光ユニット2をそれぞれ配設してよく、全ての光ユニット2を同一直線上に配置しなくとも構わない。
さらに、第1実施形態例では、光信号の受信部として機能する光トランシーバ構造の例を示し、第2実施形態例では、光信号の送受信部として機能する光トランシーバ構造の例を示したが、例えば、第2実施形態例に示したような光信号の送信機能を行う複数の光ユニット2Cだけが組み合わされて成る光信号の送信部として機能する送信専用の光トランシーバ構造を構成してもよいものである。
さらに、光トランシーバ構造を構成する光ユニット2の組み合わせの数は、第1や第2の各実施形態例の構成に限定されるものではなく、例えば、4つ以上の光ユニット2を組み合わせて光トランシーバ構造1を構成してもよい。また、光信号の送受信を行うことが可能な光トランシーバ構造において、光受信機能を行う光受信用の光ユニット2の数と、光送信機能を行う光送信用の光ユニット2の数とは、それぞれ、適宜設定してよいものであるし、また、それら光受信用の光ユニット2と光信号送信用の光ユニット2との配列順も適宜設定してよいものである。
さらに、第1と第2の各実施形態例では、図1や図2に示されるように、ユニットケース4のケース壁4aに設けられているフェルール13は、その接続端面が、ユニットケース4の外壁面とほぼ面一となるように、配設されていたが、例えば、ケース壁4aのフェルール13は、その接続端面がユニットケース4の外壁面よりも引っ込んだ位置となるように配設される構成としてもよい。このようにフェルール13の接続端面がユニットケース4の外壁面よりも引っ込んだ分、フェルール13の接続端面の汚れや損傷を軽減することができる。
第1実施形態例を説明するためのモデル図である。 第2実施形態例を説明するためのモデル図である。 その他の実施形態例を説明するためのモデル図である。 光トランシーバモジュールの一例を説明するためのモデル図である。 3波長以上の波長多重光に対応できる光トランシーバモジュールの一例を説明するためのモデル図である。
符号の説明
1 光トランシーバ構造
2 光ユニット
3 光−電気変換部
4 ユニットケース
5 光信号入出力部
6 光学フィルタ
7 集光レンズ
12 光ファイバ
13 フェルール
14 スリーブ
17 基幹光信号伝送経路

Claims (2)

  1. 光信号と電気信号の変換を行う光―電気変換部が内蔵されている複数の光ユニットを有し、これら各光ユニットの光―電気変換部は、それぞれ、互いに異なる予め定められた波長の光信号と電気信号の変換動作を行う構成と成し、全ての光ユニットは光学的に直列に接続されている構成を備えた波長多重光用の光トランシーバ構造であって、各光ユニットは、それぞれ、割り当てられた波長の光―電気変換部を収容するユニットケースと、このユニットケースの対向し合うケース壁にそれぞれ配設される対を成す光信号入出力部と、ユニットケース内においての対を成す光信号入出力部間の基幹光信号伝送経路上に介設され割り当てられた波長の光信号を反射して基幹光信号伝送経路と光―電気変換部との間に光信号経路を形成しそれ以外の波長光は透過する光学フィルタと、対を成す光信号入出力部のうちの一方側からユニットケース内に出射された光信号を集光させて他方側の光信号入出力部に入射させる集光レンズとを有し、各光ユニットは、それぞれ、光信号入出力部を通して入射してきた波長多重光から割り当てられた波長の光信号を分波させ当該光信号を光―電気変換部で電気信号に変換する光受信機能と、外部から供給された電気信号を光―電気変換部において割り当てられた波長の光信号に変換して発光出力する光送信機能とのうちの予め選択された一方側の機能を行う構成と成しており、複数の光ユニットの光信号入出力部間の光結合により、波長多重光の送信と受信の少なくとも一方を可能にした構成であることを特徴とする光トランシーバ構造。
  2. ユニットケースの対向し合うケース壁の一方側には、光信号入出力部の配設位置に筒状のスリーブが貫通形成され、各光ユニットの光信号入出力部は、光ファイバが挿通されているフェルールにより構成され、当該フェルールは、ユニットケース内側から前記スリーブの途中位置まで挿入された態様でもって設けられ、接続相手の光ユニットのフェルールは前記スリーブ内にユニットケース外側から挿入されてスリーブ内の両フェルールの接続端面同士が互いに当接し合い光ファイバが光接続することにより、光ユニット同士が光学的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の光トランシーバ構造。
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