JP2005315590A - 磁気ディスク欠陥検査方法および検査装置 - Google Patents
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Abstract
磁気ディスクの磁性膜の有無あるいは磁性膜が薄い欠陥等の磁気的な欠陥を検査することによって磁気ディスク検査のスループットを向上させることができる磁気ディスク欠陥検査方法および検査装置を提供することにある。
【解決手段】
この発明は、光−磁気のカー効果により磁気ディスクの磁性膜の残留磁化Brが直線偏光の照射光からの反射光の偏光回転角として得られるので、この発明にあっては、このカー効果を利用して受光器の前に偏光面の回転に応じた光量を通過させる検光子を設けて、この検光子を介して得られる検出値と所定の基準値との差に応じて磁気的な欠陥を検出する。
【選択図】 図2
Description
図5は、従来のディスクの欠陥を検査する、特許文献1に記載されたディスク欠陥検査装置の構成である。
図5の欠陥検査装置10は、回転機構2と検出光学系3および欠陥検出装置41とデータ処理装置50とにより構成される。
検査対象となるディスク1は、回転機構2のスピンドル21に装着されてモータ(M)22の駆動により回転する。これに対して検出光学系3は、その投光系31のレーザ光源311より発生したレーザビームLTを集束レンズ312により集束させ、ディスク1の表面1aにスポットSpを形成し、ディスク1の表面をスポットSpにより照射する。
このスポットSpをディスク1のX軸方向に相対的に移動させることによりスポットSpは、ディスク1の半径Rの方向に移動し、この移動とディスク1の回転とによってスポットSpは、ディスク1の表面をスパイラル走査する。この場合、ディスク1の全走査時間をできるだけ短くするために、スポットSpは、半径方向に長径が対応する楕円形とされる。
なお、ディスク1の半径RのスポットSpの移動は、通常、回転機構2をX軸方向に移動させるディスク1側の移動により行われる。
そして、検出された欠陥の検出信号は、サンプリング回路41bで検出値としてサンプリングしてそれをA/D41cでデジタル値にして、そのときのディスク1上の検査位置を発生する位置データ生成回路41dの位置データとともにデータ処理装置50に入力される。
データ処理装置50は、MPU42と、メモリ43、プリンタ(PR)45、そしてCRTディスプレイ46、さらに入力装置48とコントロールパネル47とが設けられている。また、データ処理装置50のメモリ43には、欠陥データ採取プログラム43aと、欠陥マップ表示プログラム43b、判定基準データ生成プログラム43c、欠陥サイズ検出プログラム43d、そして検出欠陥値/欠陥サイズテーブル43eなどが設けられている。
一方、最近ではハードディスク記憶装置(HDD)の家電製品の適用が拡大してきており、磁気ディスク検査のスループットの向上の要請が大きくなってきている。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決し、かつ、前記の要請に応えるものであって、磁気ディスクの磁性膜の有無あるいは磁性膜が薄い欠陥等の磁気的な欠陥を検査することによって磁気ディスク検査のスループットを向上させることができる磁気ディスク欠陥検査方法および検査装置を提供することにある。
レーザスポットを所定の一定方向の直線偏光光とする偏光子と、受光器の前に設けられ正反射光の偏光面の回転に応じた光量を受光器に受光させる検光子とを備えていて、受光器を介して得られる検出値と所定の基準値との差に応じて前記の欠陥を検出するものである。
これにより、磁気ディスクの磁性膜の有無あるいは磁性膜が薄い欠陥等の磁気的な欠陥について容易に検出することができ、電気的性能検査に近い検査が従来の電気的性能検査をしなくても短時間で可能になる。
したがって、光学的に磁気ディスクの欠陥を検査する場合に、これと併せて磁気ディスクの磁性膜の有無あるいは磁性膜が薄い欠陥等の磁気的な欠陥について検出することで、電気的性能検査を行うディスクの割合を低減することができる。さらには従来のような電気的性能検査に換えてこの発明の前記した構成による磁性膜検査を行うことも可能である。
その結果、磁気ディスク検査のスループットを向上させることができる。
図1の磁気ディスク欠陥検査装置100は、図5の欠陥検査装置10に対してさらにマグネットヘッド5とこれのヘッド支持ブラケット5a、偏光子6、検光子7、そして駆動回路8とが設けられている。そして、回転機構2をX軸方向に移動させるXθテーブル20が設けられ、ディスク1のX方向移動と回転とは駆動回路8により行われる。その制御は、データ処理装置50による。
検出光学系30は、投光系310と受光系320とからなる。投光系310のレーザ光源311より発生したレーザビームLTを偏光子6に通して直線偏光とし、その偏光面が磁性体面に平行となるような振動成分(直線偏光成分)だけを取り出して集束レンズ312により集束させてディスク1の表面1aに照射する。
一方、受光系320の受光器322(APD)の前には、検光子7が設けられている。
スポットSpの照射位置(検査領域)の上部には、ヘッド支持ブラケット5aによりマグネットヘッド5が支持されている。検査領域からの正反射光は、検光子7を経て受光器322(APD)により受光される。
マグネットヘッド5は、このヘッド支持ブラケット5aによりディスク1の表面1aのスポットSpが形成された領域(検査領域)の上部でディスク表面1aから0.5mm程度離れた位置に保持される。
偏光子6と検光子7とはともに偏光プリズム(グラムトムソンプリズム)で構成されている(図4(a)参照)。検光子7は、偏光子6の直線偏光の振動面(磁性体面に平行となる振動成分)に直交する位置からφだけオフセットを持たせてこのオフセット位置の角度に対応する振動面で一定の光量を通過させる(図4参照)。
信号処理回路41は、先に従来技術で説明した欠陥を検出して、検出欠陥値を発生する回路である。これは、受光器322からの出力信号を増幅するアンプ41aと、アンプ41aで増幅された出力信号のうちノイズを越える欠陥についての出力信号についてロータリエンコーダ23からのパルスに応じてピーク値をサンプリングして検出欠陥値を得るサンプリング回路41bと、さらにサンプリングされた検出値をデジタル値にするためのA/Dコンバータ(A/D)41c、そしてロータリエンコーダ23からのパルスを受けてディスク上の位置データを生成する位置データ生成回路41d等からなる。
ところで、この実施例では、図1に示すように、投射角度θTと受光角度θRとは、θT=θRであって、30゜〜60゜程度の範囲のうちのある角度に設定されている。これにより、受光器322(APD)は、散乱光ではなく、偏光された正反射光を受光する。
このスパイラル走査において、図2(a)において矢印で示すように、ディスク1の残留磁化Brの状態がマグネットヘッド5のシーク方向で異なってくる。
なお、図中、矢印の先端側がN極であり、マグネットヘッド5が外周側から内周側へとシークしていく場合と、逆に内周側から外周側へとシークしていく場合とでは、ディスク1の表面1aのスポットSp形成領域(検査領域)に対する残留磁化Brの極性が逆になる。
ディスク1の表面1aは、マグネットヘッド5によりNからSに向かう磁束が発生しているので、マグネットヘッド5のN極側では、N極が下となり、S極が上となる図示する矢印の方向でディスク表面1a(検査領域)が磁化される。これに対してマグネットヘッド5のS極側では、S極が下となり、N極が上となる図示する矢印の方向でディスク表面1a(検査領域)が磁化される。そこで、マグネットヘッド5が外周側から内周側へとシークしていく場合には、N極が先に近づきN極が遠ざかって次にS極が近づくので、図2(a)に矢印で示すように、内周側が先にマグネットヘッド5のN極で磁化されてその残留磁化Brは、N極が下に向かう矢印で示す磁化になる。それがマグネットヘッド5のS極が近づくに従って、その磁化が反転されてN極が上に向かう矢印の磁化に反転される。そのため、検査領域の残留磁化Brは、N極が下に向かう矢印で示す磁化のままになる。
一方、マグネットヘッド5が内周側から外周側へとシークしているときには、ディスク1の表面1aは、前記とは逆にマグネットヘッド5のS極により外周側が先にS極で磁化されてその残留磁化は、S極が下に向かう矢印で示す磁化になる。その後、マグネットヘッド5のN極が近づくにつれて図示するように、その磁化が反転されてN極が下となり、S極が上となる磁化がなされる。そのため、検査領域の残留磁化は、N極が上に向かう矢印で示す磁化になる。
図4は、このような磁化に対するカー効果による偏光光の回転角を光量に変換する検光子7の検出光量との関係の説明図である。
図4(b)に示すように、カー効果による光量変化は、カー角に対して放物線Aで示すような特性になる。そこで、検光子7を偏光子6の直線偏光の振動面(磁性体面に平行となる振動成分)に直交する位置からφだけオフセットを持たせてこのオフセット位置の振動面で一定の光量を通過させる。これにより検光子7により偏光光の回転角を光量に変換する。
このようなオフセットφを検光子7に設けると、カ−効果によりディスク1の表面1aの検査領域の残留磁化方向で、入射光の直線偏光面が反射光において±θ回転する。その回転量θの大きさは、ディスク1の表面1aの残留磁化Brの磁力に対応している。
そこで、検査領域の残留磁化Brの状態とその大きさとに応じて回転角θが図4(b)に示すように±θとして増減して、それに応じて受光器322から得られる検出信号が増減する。
また、直線偏光された反射光がθ=0゜のときを基準とし、そのときの検出光量受光する受光器322(APD)の受光光の検出信号の検出値を基準値RFとすれば、マグネットヘッド5が内側シークしたときには、基準値RFより上側のレベルの検出信号が得られ、マグネットヘッド5が外側シークしたときには、基準値RFより下側のレベルの検出信号が得られる(図3参照)。受光器322の受光光量の増減で磁化されたディスク1の表面1aの検査領域の残留磁化Brの極性とその大きさとを検出できる。
データ処理装置50のMPU42は、測定データ採取プログラム44aを実行して、まず、外周側から内周側へとシークするようにスパイラル走査プログラム44bをコールして走査方向を設定し、スポットSpによりスパイラル走査し、この走査に応じて信号処理回路41からの検出欠陥値のA/D変換値と、検出位置データとを順次受けて、メモリ43の作業領域あるいは所定の記憶領域Aに内周シーク測定データとして記憶する。
ディスク1の全面走査が終了すると、次に内周側から外周側へとシークするようにスパイラル走査プログラム44bをコールして走査方向を設定し、スポットSpによりスパイラル走査し、この走査に応じて信号処理回路41からの検出欠陥値のA/D変換値と、位置データとを順次受けて、メモリ43の作業領域あるいは別の記憶領域Bに外周シーク測定データとして記憶する。
スパイラル走査プログラム44bは、これがMPU42に実行されたときには、スピンドル21を回転駆動して回転機構2をX軸方向にマグネットヘッド5が外周側から内周側へとシークするように駆動する制御信号と、逆に、外周側から内周側へとシークするように駆動する制御信号とを駆動回路8に送出して、それぞれにスパイラル走査を行う。
その結果、図3に示すような、内周シーク測定データAS,外周シーク測定データBSが記憶領域A,Bにそれぞれに記憶され、得られる。
この処理が終了すると、次に、MPU42は、判定基準データ生成プログラム44cをコールして実行する。
この処理が終了すると、次に、MPU42は、欠陥検出プログラム44dをコールして実行する。
欠陥検出プログラム44dは、これがMPU42に実行されたときには、位置データを参照してディスク1上の同じ位置にある検査領域(検出位置)における内周シーク測定データASと外周シーク測定データBSとの差S(S=AS−BS)を算出して、さらに差Sと基準値Rとの差ΔS(ΔS=S−R)を測定位置に対応して算出してメモリ43に記憶する。
そして、差ΔSが正のときにΔS>Raのときには、正側エラーであり、ΔSが負のときにΔS<−Rbのときには、負側エラーであると判定して、それぞれのフラグを付けてその検出位置とともに差ΔSを欠陥データとして作業領域あるいは外部記憶装置(図示せず)等に記憶する。なお、Ra,Rbは、基準値Rに対する%でそれぞれ算出された値であり、例えば、Ra=R×110%,Rb=R×90%である。
なお、差ΔSの値が90%以下で50%程度のときには磁性膜が薄い欠陥となり、50%以下のときには、磁性膜がない状態として検出できる。したがって、Rbの値の設定により種々の磁性膜の状態を磁気的な欠陥として検出することが可能である。逆にRaの値の設定により磁性膜の厚いところが検出でき、磁性膜のむらや突起のような種々の磁性膜の状態を磁気的な欠陥として検出することが可能である。
なお、この場合、ディスクの映像を加えて欠陥の大きさの映像をその位置とともにマップ表示してもよい。
また、実施例では、スパイラル走査の例を挙げているが、走査は、XY走査であってもよいことはもちろんである。
さらに、実施例では、磁性膜の欠陥を検査する磁気ディスク欠陥検査方法および装置を中心に説明しているが、これ以前の磁気ディスクの検査工程として図5に示すような光学的に磁気ディスクの欠陥を検査する検査装置による検査工程があって、そこで、電気的な性能も含めて光学的に磁気ディスクの欠陥が検査なされ、この検査ではじかれた磁気ディスクに対してこの発明の磁性膜の欠陥を検査する磁気ディスク欠陥検査方法および検査装置による検査工程があってもよい。もちろん、図5から分かるように、1つの検査装置にこれらの検査方法がすべて行われてもよい。
2…回転機構、10,100…欠陥検査装置、
21…スピンドル、22…モータ、
3…検出光学系、31,310…投光系、
311…レーザ光源、312…集束レンズ、
32,320…受光系、321…集光レンズ、
322…受光器(ADP等)、
4…欠陥検出処理部、5…マグネットヘッド、
5a…ヘッド支持ブラケット、6…偏光子、
7…検光子、8…駆動回路、
41…信号処理回路、
40,50…データ処理装置、
41a…アンプ、41b…サンプリング回路、
41c…A/Dコンバータ(A/D)41c、
41d…位置データ生成回路、
42…MPU、43…メモリ、44…データ処理装置、
45…プリンタ(PR)、46…ディスプレイ、
44a…測定データ採取プログラム、
44b…スパイラル走査プログラム、
44c…判定基準データ生成プログラム、
44d…欠陥検出プログラム、
44e…検出欠陥値/欠陥サイズ判定プログラム、
LT…レーザビーム、Sp…スポット。
Claims (6)
- レーザスポットを磁気ディスクの表面に照射しかつ照射された前記レーザスポットの位置の前記ディスクの表面の上部に磁石を配置して前記レーザスポットとともに前記磁石を前記ディスクに対して相対的に移動させて前記ディスクの表面を走査し、前記レーザスポットの正反射光を受光器により受光してこの受光器の出力信号に応じて検出値を得てこの検出値に応じて前記磁気ディスクの磁気的な欠陥を検出する欠陥検査装置であって、
前記レーザスポットを所定の一定方向の直線偏光光とする偏光子と、
前記受光器の前に設けられ前記正反射光の偏光面の回転に応じた光量を前記受光器に受光させる検光子とを備え、
前記受光器を介して得られる前記検出値と所定の基準値との差に応じて前記欠陥を検出する磁気ディスク欠陥検査方法。 - さらに、前記検光子は偏光プリズムであり、前記検出値が得られた前記ディスク上の位置を前記検出値とともに採取して、採取された多数の前記検出値の平均値を前記所定の基準値とする請求項1記載の磁気ディスク欠陥検査方法。
- 前記検光子は、前記偏光面の回転角の増減に応じて前記光量が増減するものであり、前記磁石が前記ディスクを外周から内周へとシークして得られる前記検出値を第1の測定値とし、前記磁石が前記ディスクを内周から外周へとシークして得られる前記検出値を第2の測定値として得て、前記検出値が得られた前記ディスク上の位置における前記第1の測定値と前記第2の測定値との差を第1の差とし、前記第1の測定値により得られる前記平均値を第1の基準値とし、前記第2の測定値により得られる前記平均値を第2の基準値として得て、前記第1の基準値と前記第2の基準値との差を第2の差とし、前記第1の差と前記第2の差に応じて前記欠陥を検出する請求項2記載の磁気ディスク欠陥検査方法。
- さらに、プロセッサとメモリとを有し、前記プロセッサは、所定のプログラムの実行により前記第1の測定値および前記第2の測定値をデータとして前記メモリに記憶する処理をし、さらに前記第1および第2の基準値を1トラックあるいは数トラックの平均値として算出して前記第1および第2の差を算出する請求項3記載の磁気ディスク欠陥検査方法。
- 光学的に磁気ディスクの欠陥を検査する検査工程と前記請求項1〜4のうちのいずれか1項記載の磁気ディスク欠陥検査方法とからなる磁気ディスク欠陥検査方法。
- 請求項1〜5のうちのいずれか1項記載の磁気ディスク欠陥検査方法を用いる磁気ディスク欠陥検査装置。
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JPWO2016084261A1 (ja) * | 2014-11-28 | 2017-09-21 | 株式会社日立製作所 | 欠陥検査装置及び欠陥検査方法 |
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