JP2005315157A - ポンプ、冷却装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単に組付けることができるポンプを提供する。
【解決手段】CPU31と熱的に接続される受熱面120、ポンプ室118、及び、このポンプ室118の周囲に設けられた3つの取付け部151,152,153を有するポンプハウジング101と、ポンプ室118内に設けられた回転体102と、この回転体102を回転させるモータ103を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えばCPUのような発熱体を液状冷媒を用いて冷却する液冷式の冷却装置に備えられるポンプ、このポンプを備える冷却装置、及びこの冷却装置を備える電子機器に関する。
電子機器に用いられるCPU(Central Processing Unit)は、処理速度の高速化や多機能化に伴って動作中の発熱量が非常に大きくなっており、安定した動作を維持するために冷却を必要としている。
CPUを冷却する冷却装置としては、ヒートシンクを備えたものがある。ヒートシンクは、CPUに冷却風を送るための電動ファンと、この電動ファンを収容するケーシングとを備えている。ケーシングは、発熱体と熱的に接続される受熱面、及び3つ以上の取付け部を有している。このようなヒートシンクは、受熱面をCPUと熱的に接続させた状態で、3つ以上の取付け部において固定される(例えば、特許文献1参照。)。
また、電子機器に用いられるCPUは、処理速度の高速化や多機能化に伴い、動作中の発熱量が増加する傾向にある。この熱対策として、近年、空気よりも遥かに高い比熱を有する液状冷媒を用いてCPUを冷却する、いわゆる液冷式の冷却装置を備えた電子機器が実用化されている。
液冷式の冷却装置としては、接触熱交換型ポンプを備えたものが提案されている。接触熱交換型ポンプは、発熱電子部品と熱的に接続される受熱面を有する偏平な箱状のポンプケーシングと、内周にロータマグネットが設けられたリング状の羽根車と、ロータマグネットの内周側に設けられたモータステータとを備えている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−353670号公報(段落0011〜段落0013、図3) 特許第3452059号公報(段落0038〜段落0043、図2)
特許文献1に記載のような接触熱交換型ポンプでは、ポンプハウジングの4つのコーナー部に取付け部が夫々設けられている。つまり、接触熱交換型ポンプは、受熱面をCPUと熱的に接続させた状態で、4つの取付け部において固定される。
しかしながら、取付け部が多いと、ポンプの取付けが面倒になり易い。そのため、組付けをさらに簡単に行うことができるポンプが求められている。
本発明は、このような事情にもとづいてなされたもので、簡単に組付けることができるポンプ、このポンプを備えた冷却装置、及び、この冷却装置を備えた電子機器の提供を目的とする。
本発明の第1の形態に係るポンプは、発熱体と熱的に接続される受熱面、ポンプ室、及び、3つの取付け部を有するポンプハウジングと、上記ポンプ室内に設けられた回転体と、この回転体を回転させるモータとを具備する。
本発明の第2の形態に係る冷却装置は、放熱部と、上記放熱部に熱的に接続される循環経路と、上記循環経路内に冷媒を強制循環させるとともに、発熱体に熱的に接続される受熱面を有したポンプと、を具備し、上記ポンプは、上記冷媒を上記循環経路に送り出す回転体が収容されるポンプ室と、上記回転体を回転させるモータと、3つの取付け部と、を具備する。
本発明の第3の形態に係る電子機器は、
発熱体を有する筐体と、
放熱部と、この放熱部に熱的に接続される循環経路と、この循環経路内に冷媒を強制循環させるとともに、上記発熱体に熱的に接続される受熱面を有したポンプとを有した冷却装置と、を具備し、
上記ポンプは、
上記受熱面を有するハウジングと、
上記冷媒を上記循環経路に送り出す回転体と、
上記回転体を収容するポンプ室と、
上記回転体を回転させるモータと、
上記ハウジングを上記筐体内に固定する3つの取付け部と、を具備する。
本発明によれば、簡単に組付けることができるポンプ、冷却装置、および電子機器が得られる。
以下、本発明の第一実施形態を、図1乃至図5を参照して説明する。
図1及び図2は、電子機器としてのポータブルコンピュータ1を開示している。ポータブルコンピュータ1は、コンピュータ本体2と、ディスプレイユニット3とを備えている。コンピュータ本体2は、偏平な箱状の第1の筐体10を備えている。第1の筐体10は、底壁11a、上壁11b、前壁11c、左右の側壁11d,11e、及び、後壁11fを備えている。
図1に示すように、上壁11bは、パームレスト12とキーボード取付け部13とを有している。キーボード取付け部13は、パームレスト12の後方に設けられている。キーボード14は、キーボード取付け部13に取付けられている。前壁11c、左右の側壁11d,11e、及び後壁11fは、第1の筐体10の周方向に沿う周壁を構成している。図2に示すように、第1の筐体10の周壁、例えば後壁11fには、複数の排気口15が形成されている。これら排気口15は、第1の筐体10の幅方向に一列に並んでいる。
図1に示すように、ディスプレイユニット3は、偏平な箱状の第2の筐体20と、表示パネルとしての液晶表示パネル21とを備えている。液晶表示パネル21は、第2の筐体20内に収容されている。液晶表示パネル21は、画像を表示する画面21aを有している。液晶表示パネル21の画面21aは、第2の筐体20の前面に形成された開口部22を通じて、第2の筐体20の外方に露出している。
第2の筐体20は、第1の筐体10の後端部にヒンジ(図示せず)を介して支持されている。そのため、ディスプレイユニット3は、パームレスト12やキーボード14を上方から覆うように倒される閉じ位置と、パームレスト12、キーボード14、及び画面21aを露出させるように起立する開き位置とにわたって回動自在となっている。
図3に示すように、第1の筐体10内には、プリント回路板30が収容されている。図5に示すように、プリント回路板30は、第1の筐体10の底壁11aと平行に配置されている。プリント回路板30の上面には、発熱体としてのCPU31が実装されている。CPU31は、ポータブルコンピュータ1の中枢となるマイクロプロセッサを構成する。
CPU31は、ベース基板32と、このベース基板32の上面の中央部に配置された平面正方形状のICチップ33とを有している。ICチップ33は、処理速度の高速化や多機能化に伴って動作中の発熱量が非常に大きくなっており、安定した動作を維持するために冷却を必要としている。
図3に示すように、このポータブルコンピュータ1は、不凍液のような液状冷媒を用いてCPU31を冷却する液冷式の冷却装置40を搭載している。冷却装置40は、第1の筐体10内に収容されている。冷却装置40は、受熱部及び熱交換器を兼ねるポンプ100、放熱部50、循環経路60、及び電動ファン70等を備えている。
図3乃至図5に示すように、ポンプ100は、循環経路60内に液状冷媒を強制循環させるものであり、受熱部を兼ねるポンプハウジング101と、回転体102と、ロータ103a及びステータ103bを有するモータ103と、制御基板104とを備えている。
ポンプハウジング101は、ハウジング本体110と、受熱部としての受熱板111と、カバー112とを備えている(図4及び図5参照)。ポンプハウジング101は、CPU31よりも一回り大きな平面略正方形状の偏平な箱形であり、4つのコーナー部101a,101b,101c,101dのうちの1つのコーナー部101dに対応する領域が切り欠かれた形状に形成されている(図3参照)。
なお、本実施形態では、ポンプハウジング101は、その重心がポンプハウジング101の中心Oと実質的に一致するように形成されているものとする。また、本実施形態では、ポンプハウジング101の中心Oは、ポンプハウジング101の略正方形状の上面の中心を通る垂線と、ポンプハウジング101の厚み方向中央を通る平面との交点であるとする(図3及び図5参照)。
ハウジング本体110は、下向きに開放された凹部113を有している。ハウジング本体110の上面は、ステータ103bを収容するステータ収容凹部115(図5参照)と、制御基板104を収容する制御基板収容凹部(図示せず)とを有している。
受熱板111は、ハウジング本体110の凹部113の開口端を液密に閉塞させるように、下方からハウジング本体110に取付けられている。ハウジング本体110と受熱板111との間にはO−リング123が設けられている。カバー112は、ステータ収容凹部115及び制御基板収容凹部の開口端を夫々閉塞させるように、上方からハウジング本体110に取付けられている。受熱板111、ハウジング本体110、及びカバー112は、複数のねじ106によって、互いに固定されている。なお、カバー112は、ステータ103b及び制御基板104を覆い隠すとともに、ポンプハウジング101内に収容される液状冷媒の洩れや蒸発を抑制するためのものであり、省略してもよい。
受熱板111は、CPU31と向かい合っている。受熱板111の下面は、平坦な受熱面120となっている。受熱板111は、銅、アルムニウム、アルミニウム合金等の熱伝導率の高い金属材料で形成するのが好ましい。
凹部113内には、ハウジング本体110と一体に形成されたリング状の隔壁117が設けられている。ポンプハウジング101の内部、すなわち、ハウジング本体110の凹部113と受熱板111の上面とにより囲まれた領域は、リング状の隔壁117によって、ポンプ室118と、液状冷媒を蓄えるリザーブタンク119とに仕切られている。隔壁117は、上記コーナー部101dと対向する位置に、ポンプ室118とリザーブタンク119とを連通させる第1及び第2の連通孔(図示せず)を有している。
ポンプ室118は、上記コーナー部101dとはポンプハウジング101の中心Oに対して点対称となるコーナー部101bの方向に寄せて設けられている。すなわち、平面略円形状のポンプ室118は、ポンプハウジング101の中心Oに対して、上記コーナー部101dから離れる方向に偏心している。リザーブタンク119は、コーナー部101a,101c,101dの方向からポンプ室118を取り囲むように設けられている。
また、ハウジング本体110は、上記コーナー部101dに、ポンプハウジング101内とポンプハウジング101外とを連通させる第1の連通部としての吐出管131と、ポンプハウジング101内とポンプハウジング101外とを連通させる第2の連通部としての吸込管132とを有している。吐出管131及び吸込管132は、互いに間隔を存して水平に配置されている。吐出管131の下流端及び吸込管132の上流端は、ハウジング本体110を介して外方に突出している。
吐出管131の上流端と隔壁117の第1の連通孔との間には、第1の連通管133aが設けられている。吸込管132の下流端と隔壁117の第2の連通孔との間には、第2の連通管133bが設けられている。第1の連通管133aと第2の連通管133bとは、ユニット化されて、連通管ユニット133を構成している。
すなわち、吐出管131の上流端は、第1の連通管133a及び第1の連通孔を介して、ポンプ室118と連通している。吸込管132の下流端は、第2の連通管133b及び第2の連通孔を介して、ポンプ室118と連通している。なお、第2の連通管133bには、気液分離用の孔134を設けてもよい。その場合、孔134は、ポンプハウジング101の姿勢をいずれの向きに変化させた場合であっても、常にリザーブタンク119に蓄えられた液状冷媒の液面下となるように、その位置を設定するのが好ましい。
回転体102は、ポンプ室118内の液状冷媒を攪拌し、ポンプハウジング101内からポンプハウジング101外(循環経路60)に液状冷媒を送り出すためのものであり、例えばインペラを用いることができる。回転体102は、ポンプ室118内に収容されている。回転体102は、樹脂製であり、円盤状の本体部102bと、この本体部の中心Oを貫通するようにこの本体部102bと一体に形成された回転軸102aとを有している。本体部102bは、受熱板111と対向する面に複数の羽根105を有している。回転体102は、回転軸102aがハウジング本体110の上壁と受熱板122との間に跨るように配置された姿勢で、ハウジング本体110の上壁と受熱板122とに回転自在に支持されている。
モータ103は、回転体102を回転駆動させるためのものである。モータ103を構成するロータ103aは、複数の正極と複数の負極が互いに着磁されたマグネットを有しており、リング状に形成されている。ロータ103aは、回転体102の上面に互いに同軸となるように固定された状態で、ポンプ室118内に収容されている。
ところで、上述したように、ポンプ室118は、ポンプハウジング101の中心Oに対して偏心しているため、このポンプ室118内に配置される回転体102もまた、ポンプハウジング101の中心Oに対して偏心することとなる。すなわち、回転体102の本体部102bの中心Oは、ポンプハウジング101の中心Oに対してずれている。更に詳しくは、回転体102の本体部102bの中心Oを通る垂線(回転軸102aの軸線と一致)L1は、ポンプハウジング101の中心Oを通る垂線L2に対してずれている(図5参照)。
モータ103を構成するステータ103bは、上記ステータ収容凹部115内に収容されている。ところで、ステータ103bは、ハウジング本体110の上壁を介してロータ103aと対応するように設ける必要がある。したがって、ステータ収容凹部115は、ロータ103aと対応する位置に設けられている。すなわち、ステータ収容凹部115は、上記コーナー部101bの方向に寄せて設けられている。制御基板収容凹部は、ステータ収容凹部115を避けた位置に設けられている。
また、ステータ収容凹部115は、ロータ103aの内側に入り込むように形成されている。すなわち、ステータ103bは、ハウジング本体110の上壁を介して、ロータ103aの内側に同軸状に収容されている。ステータ103bは、制御基板104と電気的に接続されている。
ステータ103bに対する通電は、例えば、ポータブルコンピュータ1の電源投入と同時に行われる。この通電により、ステータ103bの周方向に回転磁界が発生し、この磁界とロータ103aとが磁気結合する。この結果、ステータ103bとロータ103aとの間に回転体102の周方向に沿う回転トルクが発生し、回転体102が回転する。
また、ポンプハウジング101は、このポンプ100を第1の筐体10に取付けるための3つの取付け部151,152,153を有している。取付け部151,152,153は、ポンプ室118の周囲、さらに具体的には、ポンプハウジング101の周縁に設けられている。
3つの取付け部151,152,153でポンプ100を第1の筐体10に安定に取付けるためには、3つの取付け部151,152,153は、これらを繋いでなる三角形の領域(図3に二点鎖線で示した領域)内にポンプハウジング101の重心が含まれるように、夫々の位置を設定するのが好ましい。さらに、3つの取付け部151,152,153でポンプ100を第1の筐体10に安定に取付けるためには、3つの取付け部151,152,153は、これらを繋いでなる三角形の領域内に回転体102の中心が含まれるように、夫々の位置を設定するのが好ましい。本実施形態では、3つの取付け部151,152,153は、これらを繋いでなる三角形の領域内に、ポンプハウジング101の中心O(本実施形態では、上述のように、ポンプハウジング101の重心と実質的に一致)、及び、回転体102の本体部102bの中心Oが含まれるように、夫々の位置が設定されている。
また、回転体102は、ポンプハウジング101の中心Oに対して、コーナー部101bの方向、すなわち、辺121aの方向に偏心させた姿勢でポンプ室108内に設けられている。そのため、ポンプハウジング101は、上記辺121aに近い領域よりも上記辺121cに近い領域の方が空間に余裕がある。
したがって、3つの取付け部151,152,153は、以下のように、配置されている。
3つの取付け部151,152,153のうちの2つの取付け部151,152は、平面略正方形状の受熱面120の互いに対向する一対の辺121a,121cのうちの一方の辺121aの両端部に対応する位置、すなわち、コーナー部101a及びコーナー部101bに夫々設けられている。また、3つの取付け部151,152,153のうちの残りの1つの取付け部153は、上記一対の辺121a,121cのうちの他方の辺121cの中間部に対応する位置に設けられている。
コーナー部101aに設けられた第1の取付け部151を構成するために、ハウジング本体110のコーナー部101aに対応する部分、及び、カバー112のコーナー部101aに対応する部分には、夫々、切り欠き部110a,112aが形成されている。また、コーナー部101aに設けられた第1の取付け部151を構成するために、受熱板111のコーナー部101aに対応する部分には、孔部111aが形成されている。
同様に、コーナー部101bに設けられた第2の取付け部152を構成するために、ハウジング本体110のコーナー部101bに対応する部分、及び、カバー112のコーナー部101bに対応する部分には、夫々、切り欠き部110b,112bが形成されている。また、コーナー部101bに設けられた第2の取付け部152を構成するために、受熱板111のコーナー部101bに対応する部分には、孔部111bが形成されている。
辺121cの中間部に対応する位置に設けられた第3の取付け部153を構成するために、ハウジング本体110の辺121cの中間部に対応する部分、及び、カバー112の辺121cの中間部に対応する部分には、夫々、切り欠き部110c,112cが形成されている。また、辺121cの中間部に対応する位置に設けられた第3の取付け部153を構成するために、辺121cの中間部に対応する部分には、孔部111cが形成されている。なお、上記O−リング123は、第3の取付け部153を避けるように設けられている。
このような構成のポンプ100は、例えば、ポンプハウジング101の中心OをCPU31の中心O(ICチップ33の中心と同じ)と合わせた状態で、CPU31を上方から覆うようにプリント回路板30上に置かれている。なお、ポンプハウジング101の中心OをCPUの中心Oと合わせるとは、ポンプハウジング101の中心Oを通る垂線L2がCPUの中心Oを通ることを意味している。
図5に示すように、ポンプ100のポンプハウジング101は、プリント回路板30とともに第1の筐体10の底壁11aに固定されている。底壁11aは、上述した取付け部151,152,152に対応する位置にボス部17を有している。ボス部17は、底壁11aから上向きに突出している。これらボス部17の先端面にプリント回路板30が重ねられている。なお、図5中符号34は、プリント回路板30を下面から補強する補強板を示している。
ポンプ100を第1の筐体10に取付けるための取付け機構は、上述した取付け部151,152,153の他、3つの筒状のインサート143、3つのコイルばね144、3つのC−リング145、及び、3つのねじ146等を備えて構成されている。インサート143は、上端に、周方向に沿って水平方向外側に張り出す張り出し部143aを有している。また、インサート143は、周方向に沿う溝部143bを有している。
ポンプ100は、以下のようにして、CPU31に押付けられた状態で固定されている。なお、図5では、取付け部152における取付け構造のみを示しているが、取付け部151,153においても同様の構造で取付けられている。
まず、各コイルばね144の内部に夫々インサート143を貫通させる。これらインサート143を受熱板111の孔部111a,111b,111cに夫々挿入する。各インサート143の溝部143bをポンプ100の受熱面120よりも下方に位置させる。各インサート143の溝部143bに、抜け止め用のC−リング145を夫々嵌める。これにより、各インサート143は、対応するコイルばね144により張り出し部143aが受熱板111から離れる方向に付勢された状態で、ポンプ100の取付け部151,152,155に対応する位置に取付けられる。
ICチップ33の上面、又は、受熱面120のICチップ33に対応する領域のいずれかに導電性グリース(図示せず)を塗布し、ポンプハウジング101の受熱面120をICチップ33と対向させる。各インサート143内にねじ146を夫々貫通させ、プリント回路板30上の各ボス部17にねじ込む。これにより、各インサート143が各ボス部17に固定されるとともに、各コイルばね144の弾性でポンプ100がICチップ33に押付けられる。これにより、ICチップ33は、導電性グリースを介してポンプハウジング101の受熱面120に熱的に接続される。
図3に示すように、放熱部50は、放熱部本体51と、放熱部本体51と熱的に接続された複数の放熱フィン57とを備えている。放熱部本体51は、液状冷媒が流通する略U字状のパイプで構成されている。放熱部本体51は、冷媒入口54と冷媒出口(図示せず、図3において冷媒入口54の紙面奥側に設けられている)とを有して、内部に液状冷媒が流通するように構成されている。つまり、前記パイプの一方の開口端が冷媒入口54、他方の開口端が冷媒出口となっている。すなわち、放熱部50が有するパイプ(放熱部本体51)は、循環経路60の一部をなしている(循環経路60については、後に詳しく述べる。)。
放熱部本体51は、冷媒入口54が上、冷媒出口が下になるように、略U字状のパイプを90°回転させた姿勢(横倒しにした姿勢)で第1の筐体10内に収容されている。放熱フィン57は、例えば、アルミニウム合金や銅等の熱伝導性に優れた金属材料で形成されている。放熱フィン57は、四角い板状に形成されている。放熱フィン57は、互いに間隔を存して平行に配置されている。各放熱フィン57は、放熱部本体51に半田付けされている。
放熱部50は、放熱フィン57を第1の筐体10の排気口15と対向させた姿勢で、第1の筐体10内に収容されている。また、放熱部50には、一対のブラケット58が半田付けされている。これらブラケット58は、第1の筐体10の底壁11aから突出するボス部(図示せず)にねじ止めされている。このようにすることにより、放熱部50は、第1の筐体10の底壁11aに固定されている。
循環経路60は、第1の管61と、第2の管62と、放熱部50が有するパイプ(放熱部本体51)とを備えている。すなわち、放熱部本体51は、放熱部50と循環経路60とを兼ねている。第1の管61は、ポンプ100の吐出管131と放熱部50の冷媒入口54とを繋いでいる。第2の管62は、ポンプ100の吸込管132と放熱部50の冷媒出口とを繋いでいる。このため、液状冷媒は、第1の管61と第2の管62とを通じで、ポンプ100と放熱部50との間を循環するようになっている。
電動ファン70は、放熱部50に冷却風を送風するためのものであり、放熱部50の直前に配置されている。電動ファン70は、ファンケーシング71と、ファンケーシング71内に収容された遠心式のインペラ72とを備えている。ファンケーシング71は、冷却風を吐出する吐出口71aを有している。吐出口71aは、ダクト73を介して、放熱部50に連なっている。
インペラ72は、例えば、ポータブルコンピュータ1の電源投入時やCPU31の温度が所定の温度に達した時に図示しないモータによって回転駆動される。これにより、ファンケーシング71の吐出口71aから放熱部50に向けて冷却風が供給される。
次に、冷却装置40の動作について説明する。
ポータブルコンピュータ1の使用中、CPU31のICチップ33が発熱する。ICチップ33が発する熱は、ポンプ100の受熱面120を介してポンプハウジング101に伝わる。ポンプハウジング101の凹部113(ポンプ室118及びリザーブタンク119)は液状冷媒で満たされているので、液状冷媒がポンプハウジング101に伝えられた熱の多くを吸収する。
モータ103のステータ103bに対する通電は、ポータブルコンピュータ1の電源投入と同時に行われる。これにより、ステータ103bとロータ103aとの間に回転トルクが発生し、ロータ103aが回転体102を伴って回転する。回転体102が回転すると、ポンプ室118内の液状冷媒が加圧されて吐出管131から吐き出されるとともに、第1の管61を介して冷媒入口54から放熱部50内に導かれる。ポンプハウジング101での熱交換により加熱された液状冷媒は、放熱部50中を冷媒入口54側から冷媒出口側に向かって流通し、その過程で液状冷媒に吸収されたICチップ33の熱が放熱フィン57に伝わる。
ポータブルコンピュータ1の使用中に電動ファン70のインペラ72が回転すると、ファンケーシング71の吐出口71aから放熱部50に向けて冷却風が吹出す。この冷却風は、互いに隣り合う放熱フィン57の間を通り抜ける。これにより、放熱フィン57や放熱部本体51が冷やされ、放熱フィン57や放熱部本体51に伝えられた熱の多くが、冷却風の流れに乗じて、排気口15から第1の筐体10の外部に放出される。
放熱部50で冷やされた液状冷媒は、第2の管62を介してポンプハウジング101の吸込管132に導かれる。この液状冷媒は、吸込管132からリザーブタンク119に戻される。リザーブタンク119に戻された液状冷媒は、ポンプ室118に吸込まれる間、再びICチップ33の熱を吸収する。このようなサイクルを繰り返すことで、ICチップ33の熱が放熱部50に順次移送され、この放熱部50を通過する冷却風の流れに乗じて第1の筐体10の外部に放出される。
以上のように、本実施形態のポンプ100は、3つの取付け部151,152,153を有するポンプハウジング101を備えている。つまり、本実施形態のポンプ100は、従来のポンプよりも取付け部が少ないため、ポンプ100を簡単に組付けることができる。
しかも、3つの取付け部151,152,153は、これらを繋いでなる三角形の領域内に回転体102の中心Oが含まれるように、夫々の位置が設定されている。そのため、ポンプハウジング101を取付け部151,152,153において固定することで、回転体102の回転に伴う振動を良好に受け止めることができる。したがって、取付け部が3箇所であっても、ポンプ100を安定した状態で固定することができるため、ポンプ性能を損なうことなく、このポンプ100をポータブルコンピュータ1等に実装させることが可能である。
さらに、3つの取付け部151,152,153は、これらを繋いでなる三角形の領域内にポンプハウジング101の中心Oが含まれるように、夫々の位置が設定されている。そのため、ポンプハウジング101を取付け部151,152,153において固定することで、ポンプハウジング101を安定した状態で固定することができる。したがって、このポンプ100によれば、ポンプ性能を損なうことなく、これをポータブルコンピュータ等に実装することが可能である。
また、本実施形態のポンプ100によれば、回転体102の中心Oがポンプハウジング101の中心Oからずれている。そのため、ポンプハウジング101の中心OがICチップ33の中心Oと実質的に一致するように、ポンプ100をプリント回路板30上等に固定することで、ポンプハウジング101を安定した状態で固定しつつ、ICチップ33のような発熱体を良好に冷却することができる。
すなわち、ICチップ33等の発熱体の熱をより多く液状冷媒に吸収させるためには、発熱体を、ポンプハウジング101を挟んで液状冷媒の流れの速い位置と対向させるのが好ましい。ポンプ室118内においては、回転体102の中心Oから離れている程、液状冷媒の流れが速い。
したがって、本実施形態のポンプ100を採用し、ポンプハウジング101の中心OがICチップ33の中心Oと実質的一致するように、このポンプ100をプリント回路板30上に固定することで、ICチップ33を、ポンプハウジング101を挟んで液状冷媒の流れの速い位置と対向させることができる。しかも、ポンプハウジング101の中心OとICチップ33の中心Oとが実質的一致しているため、ポンプ100を安定した姿勢でプリント回路板30上に固定することができる。
さらに、本実施形態のポンプ100では、回転体102の中心Oがポンプハウジング101の中心Oからずれているため、上記辺121aに近い領域よりも上記辺121cに近い領域の方が空間に余裕がある。したがって、3つの取付け部151,152,153のうちの2つの取付け部151,152を、受熱面120が有する一対の辺121a,121cのうちの一方の辺121aの両端部に対応する位置に夫々設け、残りの1つの取付け部153を、上記一対の辺121a,121cのうちの他方の辺121cの中間部に対応する位置に設けることで、空間を有効的に利用して取付け部151,152,153を配置してなるポンプ100が得られる。したがって、ポンプとしての性能を確保しつつ、ポンプ100を小型化することができる。また、本実施形態のように、ポンプハウジング101内にリザーブタンク119を設けるような場合には、リザーブタンク119の容量を多く確保することができる。
さらに、本実施形態のポンプ100では、回転体102の中心Oがポンプハウジング101の中心Oからずれているため、上記辺121cの両端部付近もまた、空間に余裕がある。したがって、ポンプハウジング101内とポンプハウジング101外とを連通させる吐出管131及び吸込管132を、上記辺121cの一端部に設けることで、空間を有効的に利用して吐出管131及び吸込管132を配置してなるポンプ100が得られる。したがって、ポンプとしての性能を確保しつつ、ポンプ100を小型化することができる。
本実施形態の冷却装置40によれば、3つの取付け部151,152,153を有するポンプ100を備えている。したがって、従来のポンプを採用した場合と比べて組立が簡単であり、組付け時間(組立時間)を短縮することができる。
また、本実施形態のポータブルコンピュータ1によれば、ポンプ100は、3つの取付け部151,152,153において第1の筐体10に固定されている。したがって、従来のポンプを採用した場合と比べてポンプの組付け時間を短縮することができる。しかも、CPU31は、非常に多くのピン(電気的接続部)を有しており、配線が複雑である。本実施形態のように。3箇所で固定するポンプ100を採用することで、従来のポンプを採用した場合と比べて配線の引き回しを容易に行うことができる。しかも、ポンプ100を採用することで、従来のポンプを実装する場合と比べてボス部17を少なくすることができる。したがって、第1の筐体10に対するさらなる高密度実装が可能となる。
なお、本発明のポンプは、ポータブルコンピュータのような電子機器や、これに搭載される冷却装置だけでなく、他の装置にも広く用いることができる。さらに、本発明の電子機器は、ポータブルコンピュータに限定されるものではなく、発熱体及びこの発熱体を冷却する冷却装置を備えるような機器に広く用いることができる。
本発明の一実施形態に係るポータブルコンピュータを示す斜視図。 図1のポータブルコンピュータを第1の筐体の排気口側から見た斜視図。 第1の筐体内に収容された冷却装置を示す平面図。 ポンプを分解して示す斜視図。 図3中V−V線に沿って示す断面図。
符号の説明
1…ポータブルコンピュータ(電子機器)、 10…第1の筐体(筐体)、 31…CPU(発熱体)、 40…冷却装置、 50…放熱部、 60…循環経路、 100…ポンプ、 101…ポンプハウジング、 102…回転体、 102a…回転軸 103…モータ、 103a…ロータ、 103b…ステータ、 120…受熱面、 118…ポンプ室、 131…吐出管(連通部)、 132…吸込管(連通部)、 151,152,153…取付け部

Claims (13)

  1. 発熱体と熱的に接続される受熱面、ポンプ室、及び、3つの取付け部を有するポンプハウジングと、
    上記ポンプ室内に設けられた回転体と、
    この回転体を回転させるモータとを具備することを特徴とするポンプ。
  2. 上記3つの取付け部は、これらを繋いでなる三角形の領域内に上記ポンプハウジングの重心が含まれるように、夫々の位置が設定されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
  3. 上記3つの取付け部は、これらを繋いでなる三角形の領域内に上記回転体の中心が含まれるように、夫々の位置が設定されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
  4. 上記回転体の中心が上記ポンプハウジングの中心からずれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポンプ。
  5. 上記ポンプハウジングの受熱面は、互いに対向する一対の辺を有しており、
    上記3つの取付け部のうちの2つの取付け部は、上記一対の辺のうちの一方の辺の両端部に対応する位置に夫々設けられているとともに、上記3つの取付け部のうちの残りの1つの取付け部は、上記一対の辺のうちの他方の辺の中間部に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポンプ。
  6. 上記ポンプハウジングの受熱面は、互いに対向する一対の辺を有しており、
    上記回転体は、上記ポンプハウジングの中心に対して上記一対の辺のうちの一方の辺の方向に偏心させた姿勢でポンプ室内に設けられており、
    上記3つの取付け部のうちの2つの取付け部は、上記一対の辺のうちの一方の辺の両端部に対応する位置に夫々設けられているとともに、上記3つの取付け部のうちの残りの1つの取付け部は、上記一対の辺のうちの他方の辺の中間部に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポンプ。
  7. 上記ポンプハウジングは、上記一対の辺のうちの他方の辺の一端部に、上記ポンプハウジング内と上記ポンプハウジング外とを連通させる連通部を有していることを特徴とする請求項6に記載のポンプ。
  8. 放熱部と、
    上記放熱部に熱的に接続される循環経路と、
    上記循環経路内に冷媒を強制循環させるとともに、発熱体に熱的に接続される受熱面を有したポンプと、を具備し、
    上記ポンプは、
    上記冷媒を上記循環経路に送り出す回転体が収容されるポンプ室と、
    上記回転体を回転させるモータと、
    3つの取付け部と、
    を具備したことを特徴とする冷却装置。
  9. 上記3つの取付け部は、これらを繋いでなる三角形の領域内に上記ポンプハウジングの重心が含まれるように、夫々の位置が設定されていることを特徴とする請求項8に記載の冷却装置。
  10. 上記3つの取付け部は、これらを繋いでなる三角形の領域内に上記回転体の中心が含まれるように、夫々の位置が設定されていることを特徴とする請求項8に記載の冷却装置。
  11. 発熱体を有する筐体と、
    放熱部と、この放熱部に熱的に接続される循環経路と、この循環経路内に冷媒を強制循環させるとともに、上記発熱体に熱的に接続される受熱面を有したポンプとを有した冷却装置と、を具備し、
    上記ポンプは、
    上記受熱面を有するハウジングと、
    上記冷媒を上記循環経路に送り出す回転体と、
    上記回転体を収容するポンプ室と、
    上記回転体を回転させるモータと、
    上記ハウジングを上記筐体内に固定する3つの取付け部と、
    を具備することを特徴とする電子機器。
  12. 上記3つの取付け部は、これらを繋いでなる三角形の領域内に上記ハウジングの重心が含まれるように、夫々の位置が設定されていることを特徴とする請求項11に記載の電子機器。
  13. 上記3つの取付け部は、これらを繋いでなる三角形の領域内に上記回転体の中心が含まれるように、夫々の位置が設定されていることを特徴とする請求項11に記載の電子機器。
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