JP2005314810A - 高周波焼入れ用鋼 - Google Patents

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【課題】 製品形状へ機械加工した後に高周波焼入れままでも遅れ破壊が発生し難いことから、例えば往復動機関のクランクシャフト用として好適に用いることができる耐遅れ破壊性に優れた高周波焼入れ用鋼を提供する。
【解決手段】 C:0.20%以上0.40%未満、Si:0.35〜2.0%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.030%以下、S:0.005〜0.1%、Cr:0.05〜2.0%、N:0.010%以下、B:0.0003〜0.0030%、Al:0.001〜0.05%を含有し、固溶B:(0.0061×P−0.00001)%以上、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼組成を有する高周波焼入れ用鋼である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高周波焼入れ用鋼に関する。具体的には、本発明は、溶製して素材とした後に熱間鍛造及び機械加工した後に高周波焼入れままでも遅れ破壊が発生し難いことから、例えば往復動機関のクランクシャフト用として好適に用いられる耐遅れ破壊性に優れた高周波焼入れ用鋼に関する。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の往復動機関のクランクシャフトは、コネクティングロッドによって伝達された燃焼工程のピストンの下降運動を回転運動に変換することにより、連続した回転力としてエンジンの出力を取り出すための部品である。このクランクシャフトは、大荷重を受けながら高速回転するため、高い強度や剛性が求められる。このため、クランクシャフトは、一般的に、高炭素鋼やクロムモリブデン鋼さらにはニッケルクロム鋼等からなる素材を型打鍛造した後に、高周波焼入れ及び焼戻しを行ってから、研削等の機械加工を行うことにより、製造されてきた。近年、クランクシャフトは、エンジンのいっそうの高速化に対応するためにさらなる疲労強度の向上が求められるようになっており、このために、焼戻しの低温化又は省略が検討されている。
しかしながら、単に焼戻しの低温化又は省略を行うと、残留応力等により荷重が負荷されてからある時間経過後に突然破壊を生じる現象、すなわち遅れ破壊(時間遅れ破壊)が発生する恐れがある。
この遅れ破壊は、広義には、水素による鋼の脆化又は破壊を意味する。腐食環境下での静的時間遅れ破壊は、通常、応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking)と呼ばれ、鉄地が溶解するアノード反応型のき裂形成と水素を吸収し粒界に沿って割れが進展するカソード反応型のき裂形成とがある。
これに対し、狭義の遅れ破壊は、高周波焼入れを行った焼入れ鋼材に大気環境下で生じる破壊を意味する。すなわち、高周波焼入れ後に焼戻しの低温化又は省略を行って製造されるクランクシャフトは、残留オーステナイトが絶えずマルテンサイトに変態を続けるために膨張し、表面の残留圧縮応力が増大して内部の引張応力を高めてその分布状態を悪化させる。このため、このクランクシャフトには、内部に存在する微少欠陥部に水素の集中が促進されて脆くなるため、遅れ破壊が発生し易くなる。
特許文献1には、C:0.40〜0.70%(本明細書では特にことわりがない限り「%」は「質量%」を意味するものとする)、Si:0.05〜0.8%、Mn:0.5〜2.0%、S:0.01〜0.15%、P:0.01〜0.07%、Cr:0.1〜1.5%、Ti:0.005〜0.05%、Nb:0.005〜0.05%、B:0.0005〜0.005%、Al:0.005〜0.05%、N:0.005〜0.02%を含有する鋼組成を有する鋼を熱間鍛造した後に空冷又は放冷することによりフェライト−パーライト組織とする発明が開示されている。
特開平9−78183号公報
しかしながら、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特許文献1に記載された高周波焼入れ用高靱性熱間非調質鋼に係る発明は、C:0.40〜0.70%、B:0.0005〜0.005%、P:0.01〜0.07%、N:0.005〜0.020%の鋼組成を有しており、C含有量が高いために遅れ破壊感受性が高く、さらにP含有量及びN含有量が高い場合には鋼中の固溶B量に対して粒界のP量が過剰となるとともに粒界にBNの析出が促進されることにより、粒界の靱性が低下して遅れ破壊が発生し易くなる。このため、この発明によっても、高周波焼入れままでも遅れ破壊の発生を十分に抑制して、例えば、往復動機関のクランクシャフト用として好適に用いることができる高周波焼入れ用鋼を提供することはできない。
本発明の目的は、製品形状へ機械加工した後に高周波焼入れままでも遅れ破壊が発生し難いことから、例えば往復動機関のクランクシャフト用として好適に用いることができる耐遅れ破壊性に優れた高周波焼入れ用鋼を提供することである。
本発明は、高周波焼入れままでも遅れ破壊を生じないためにC含有量を0.40%未満と低く設定するとともに、高周波焼入れ性能を確保するためにP、N及びB含有量を最適化すれば、高周波焼入れままでも遅れ破壊の発生を防止することができるとともに高周波焼入れ性能も確保でき、これにより、疲労強度及び生産性をいずれも向上することができるという新規な技術思想に基づいてなされたものである。
本発明は、質量%で、C:0.20%以上0.40%未満、Si:0.35〜2.0%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.030%以下、S:0.005〜0.1%、Cr:0.05〜2.0%、N:0.010%以下、B:0.0003〜0.0030%、Al:0.001〜0.05%を含有し、固溶B:(0.0061×P−0.00001)%以上、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼組成を有することを特徴とする高周波焼入れ用鋼である。
本発明は、さらに別の面からは、質量%で、C:0.20%以上0.40%未満、Si:0.35〜2.0%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.030%以下、S:0.04〜0.1%、Cr:0.05〜2.0%、N:0.010%以下、B:0.0003〜0.0030%、Al:0.001〜0.05%を含有し、固溶B:(0.0061×P−0.00001)%以上、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼組成を有することを特徴とする高周波焼入れ用鋼である。
この本発明に係る高周波焼入れ用鋼では、さらに、Ti:0.01〜0.15%、Nb:0.01〜0.10%、Zr:0.01〜0.10%及びV:0.01〜0.20%からなる群から選ばれた1種又は2種以上を含有することが望ましい。
これらの本発明に係る高周波焼入れ用鋼では、さらに、Ca:0.0003%以上0.020%以下を含有することが望ましい。
これらの本発明に係る高周波焼入れ用鋼は、往復動機関のクランクシャフト用として用いられることが、望ましい。
本発明により、製品形状へ機械加工した後に高周波焼入れままでも遅れ破壊が発生し難いことから、例えば往復動機関のクランクシャフト用として好適に用いることができる耐遅れ破壊性に優れた高周波焼入れ用鋼を提供することができる。このため、例えばクランクシャフトの耐遅れ破壊特性を改善して生産能率を落とさずに、その疲労強度を向上することができる。
以下、本発明に係る高周波焼入れ用鋼を実施するための最良の形態を、詳細に説明する。まず、本発明に係る高周波焼入れ用鋼の組成を限定する理由を説明する。
C:0.20%以上0.40%未満
Cは、鋼中にあっては含有量が多くなるほど強度及び硬さを増加し、靱性を低下するという炭化物の形態的効果を通じて破壊感受性が増加する。高周波焼入れ後の硬さは、C含有量に比例して増加するため、遅れ破壊が発生し易くなり、0.40%以上では遅れ破壊の発生頻度が増加する。一方、C含有量が0.20%未満では高周波焼入れ後の表面硬さが低下する等、所望の機械的性質を確保できない。そこで、本実施の形態では、C含有量は0.20%以上0.40%未満と限定する。同様の観点から、C含有量の上限は0.35%であることが望ましく、下限は0.25%であることが望ましい。
Si:0.35%以上2.0%以下
Siは、0.35%以上含有することにより溶製時に脱酸剤として鋼に作用するとともに、強化元素としても芯部硬さの向上に寄与する。しかし、Si含有量が2.0%を超えると芯部の靱性を劣化させるばかりでなく、被削性や冷間鍛造性にも悪影響を及ぼし生産性を低下する。そこで、本発明では、Si含有量は0.35%以上2.0%以下と限定する。同様の観点から、Si含有量の下限は0.5%であることが望ましく、上限は1.5%であることが望ましい。
Mn:0.05%以上2.0%以下
Mnは、0.05%以上含有することにより、強度及び靭性を高めるとともに、焼入れ性を向上してCの共析濃度を上げ、初析フェライトの析出を抑制する。しかし、2.0%を超えて含有すると、ベイナイト組織の生成を招いて耐磨耗性及び被削性を顕著に低下する。そこで、本発明では、Mn含有量は0.05%以上2.0%以下と限定する。同様の観点から、Mn含有量の下限は0.5%であることが望ましく、上限は1.5%であることが望ましい。
P:0.030%以下
Pは、本発明では不可避的不純物であり、P含有量が0.030%を超えるとオーステナイト粒界に粒界偏析を起こし、粒界強度を低下させて遅れ破壊が発生し易くなる。そこで、本発明では、P含有量は0.030%以下と限定する。同様の観点から、P含有量の上限は0.025%であることが望ましい。
S:0.005%以上0.1%以下
Sは含有量が増すことにより硫化物として析出して被削性を改善する。しかし、S含有量が0.005%未満ではその効果が十分でなく、0.1%を超えると鋼中に硫化物の個数が増加し、研削割れの発生頻度が増加するとともに、Sの増加により熱間加工性が低下する。そこで、本発明では、S含有量は0.005%以上0.1%以下と限定する。同様の観点から、S含有量は、0.04%以上0.1%以下が望ましく、0.04%以上0.06%以下であることがより望ましい。
Cr:0.05%以上2.0%以下
Crは、0.05%以上含有することにより、フェライト率の低減及びAc変態点及びAc変態点を低下するとともに、Ac変態点及びAc変態点間隔を狭めてマルテンサイト粒界へのベイナイト析出、未固溶フェライトの残存がなくなることにより、均一なマルテンサイトを得ることが可能となる。しかし、2.0%を超えて含有するとベイナイト組織の生成を招き、耐磨耗性及び被削性を顕著に低下させる。そこで、本発明では、Cr含有量は0.05%以上2.0%以下と限定する。同様の観点から、Cr含有量の下限は0.1%であることが望ましく、上限は1.5%であることが望ましい。
N:0.010%以
Nは、本発明においては重要な役割を果たす元素である。N含有量が0.010%以下であれば、粒界の固溶N量が減少しBNの形成を防ぎ固溶Bが多くなり、粒界強度が向上し遅れ破壊の発生を防止できる。そこで、本発明では、N含有量は0.010%以下と限定する。同様の観点から、N含有量の上限は0.008%であることが望ましい。
B:0.0003%以上0.0030%以下
Bは、本発明において重要な役割を果たす元素である。B含有量が0.0003%以上であると、固溶状態でオーステナイト粒界に偏析を起こしP、Cu等の脆化元素を粒界から排除して粒界の強度を増加させる。しかし、B含有量が0.0030%を超えると、逆に粒界強度の低下を招く。そこで、本発明では、B含有量は0.0003%以上0.0030%以下と限定する。同様の観点から、B含有量の下限は0.0005%であることが望ましく、上限は0.0030%であることが望ましい。
Al:0.001%以上0.05%以下
Alは、脱酸作用及び結晶粒微細化作用を奏するとともに、鋼中でNと結合してAlNとなり、固溶Nを完全に固定し、BN析出を防止する。しかし、Al含有量が0.05%を超えると、このような効果は飽和し、むしろ靱性を低下させる。そこで、本発明では、Al含有量は0.001%以上0.05%以下と限定する。同様の観点から、Al含有量の下限は0.01%であることが望ましい。
固溶B:(0.0061×P−0.00001)%以上
Bは、オーステナイト粒界に偏析を起こしP、Cu等の脆化元素を粒界から排除し粒界強度を増加させる作用を奏するが、P添加量に応じて遅れ破壊の発生を抑制するのに必要な固溶状態にある固溶B量が変動する。溶製時に、Al含有量とTi、Nb、Zr又はVのうちの1つか2つ以上の元素の添加量を調整することにより粒界に偏析する固溶B量を調整することができる。
固溶Bは、全B量を測定し、電解抽出法で窒化物を抽出し、両者の差を求めることにより、求めた。Pとの関係から固溶Bが(0.0061×P−0.00001)%以上であれば、遅れ破壊を発生しない。そこで、本発明では、固溶Bは(0.0061×P−0.00001)%以上と限定する。同様の観点から、固溶Bの下限は、0.0002%以上であることが望ましい。
Ti:0.01%以上0.15%以下、Nb:0.01%以上0.10%以下、Zr:0.01%以上0.10%以下、及び、V:0.01%以上0.20%以下からなる群から選ばれた1種又は2種以上
本発明では、Ti、Nb、Zr又はVは、いずれも、必要に応じて添加される任意添加元素である。これらの元素を1種単独で、又は2種以上を組み合わせて添加することにより、鋼中でNと結合して炭窒化物を析出させることにより固溶Nを完全固定して、BNの析出防止を図ることができる。
そこで、これらの元素を添加する場合には、鋼中で炭窒化物を形成するための必要量添加すればよく、Ti:0.01%以上0.15%以下、V:0.01%以上0.20%以下、Nb:0.01%以上0.10%以下、Zr:0.01%以上0.10%以下と限定する。
Ca:0.0003%以上0.020%以下
本発明では、Caは必要に応じて添加される任意添加元素である。Caは、0.0003%以上含有することにより被削性を高める。しかし、0.020%を超えて含有してもかかる効果は飽和し、コストが嵩むばかりである。
そこで、Caを添加する場合には、その含有量は0.0003%以上0.020%以下と限定することが望ましい。
残部Fe及び不可避的不純物
上記以外の組成は、Fe及び不可避的不純物である。不可避的不純物としては、上述したP以外に、Ni、Mo、Cuがある。Ni及びMoは、遅れ破壊に対し特に影響はないため、Ni含有量は0.30%以下、Mo含有量は0.15%以下とすることが望ましい。また、CuもPと同様に粒界強度を低下させ遅れ破壊を発生し易くなるため、Cu含有量は0.30%以下であることが望ましい。
本実施の形態の高周波焼入れ用鋼は、このような鋼組成を有するが、特にC含有量を0.20%以上0.40%未満と低く設定するとともにP含有量を0.030%以下に制限し、固溶B≧(0.0061×P−0.00001)%と限定することにより、オーステナイトを安定化してマルテンサイトへの変態を抑制するとともに固溶Bにより粒界を強化し、同時に粒界へのPの偏析を防止し、これにより、高周波焼入れままでも遅れ破壊を生じないとともに高周波焼入れ性能も確保できる。
このため、本発明によれば耐疲労特性及び生産性をいずれも向上することができる。
このように、本発明により、製品形状へ機械加工した後に高周波焼入れままでも遅れ破壊が発生し難いことから、例えば往復動機関のクランクシャフト用として好適に用いることができる耐遅れ破壊性に優れた高周波焼入れ用鋼材を提供できる。
表1に示す化学組成を有する鋼材を容量50kgの真空誘導加熱炉で溶製し、直径210mmのインゴットにした。このインゴットを通常の方法で1250℃に加熱した後、熱間鍛造して65mmの丸棒に鍛伸した。なお、鍛造仕上げ温度は1000℃とし、熱間鍛造後は室温まで大気放冷した。
大気放冷後、試験片の表面に垂直に切断した面を研磨して被検面とし適当な腐食方法により被検面を腐食し、顕微鏡により組織を確認した。全ての試料の組織は、いずれも、フェライト−パーライト組織であった。
そして、この丸棒に通常の方法により旋削加工を施して、外径60mm、内径50mm、高さ80mmのパイプを作製し、高さ方向の中央で50mm幅の全肉厚にHV 450となるように高周波焼入れを施した。なお、HVは49.03Nの試験力の条件で測定した。
その後、遅れ破壊の評価のため4.1%塩酸に10分間浸漬して割れの有無を確認する遅れ破壊の加速試験を行った。結果を表1にあわせて示す。表1の「4.1%HCl(10分)割れ」の欄における○印は割れなしを示し、×印は割れありを示す。
Figure 2005314810
表1における鋼No.1〜14は、いずれも、固溶B≧(0.0061×P−0.00001)%を満足しない、あるいは本発明で規定するその他の条件を満足しないため、耐遅れ破壊性及び硬度を両立することができなかった。
これに対し、表1における鋼No.15〜24は、いずれも、本発明で規定する条件を全て満足するため、耐遅れ破壊性及び硬度を両立することができた。
さらに、表1における鋼No.2は、固溶B≧(0.0061×P−0.00001)%を満足するもののC含有量が0.45%と本発明の上限を超えるため、オーステナイトを安定化できないためマルテンサイトへの変態を抑制することができず、また固溶Bにより粒界を強化することができず、遅れ破壊が発生した。また、鋼No.14は、固溶B≧(0.0061×P−0.00001)%を満足するもののP含有量が0.035%と本発明の上限を超えるため、粒界強化する以上に粒界脆化元素であるPが粒界に多く偏析し、遅れ破壊が発生した。
図1は、本例で得られた結果にもとづきP(%)と固溶B(BE)%との関係を示すグラフである。同図に示すように、本発明の鋼においては、P:0.030%以下かつ固溶B≧(0.0061×P−0.00001)%を満足すれば、遅れ破壊は発生しない。
実施例における結果にもとづき、P(%)と固溶B(BE)%との関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.20%以上0.40%未満、Si:0.35〜2.0%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.030%以下、S:0.005〜0.1%、Cr:0.05〜2.0%、N:0.010%以下、B:0.0003〜0.0030%、Al:0.001〜0.05%を含有し、固溶B:(0.0061×P−0.00001)%以上、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼組成を有することを特徴とする高周波焼入れ用鋼。
  2. 質量%で、C:0.20%以上0.40%未満、Si:0.35〜2.0%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.030%以下、S:0.04〜0.1%、Cr:0.05〜2.0%、N:0.010%以下、B:0.0003〜0.0030%、Al:0.001〜0.05%を含有し、固溶B:(0.0061×P−0.00001)%以上、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼組成を有することを特徴とする高周波焼入れ用鋼。
  3. さらに、質量%で、Ti:0.01〜0.15%、Nb:0.01〜0.10%、Zr:0.01〜0.10%及びV:0.01〜0.20%からなる群から選ばれた1種又は2種以上を含有する請求項1または2に記載された高周波焼入れ用鋼。
  4. さらに、Ca:0.0003%以上0.020%以下を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載された高周波焼入れ用鋼。
  5. 往復動機関のクランクシャフト用として用いられる請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された高周波焼入れ用鋼。
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