JP2005314491A - 水系エマルション型吸水防止材 - Google Patents
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Abstract
【課題】多孔性材料への浸透性に優れ、長期間にわたって優れた吸水防止効果を発揮すると共に、長期間の保存安定性に優れた水系エマルション型吸水防止材を提供する。
【解決手段】アルキルトリアルコキシシラン(A)、アルキルアルコキシシロキサン(B)およびHLBが15を超える乳化剤(C)を含有する水系エマルション型吸水防止材。
【選択図】なし
【解決手段】アルキルトリアルコキシシラン(A)、アルキルアルコキシシロキサン(B)およびHLBが15を超える乳化剤(C)を含有する水系エマルション型吸水防止材。
【選択図】なし
Description
本発明は、水系エマルション型吸水防止材に関する。さらに詳しくは、主に多孔性材料に適用して該材料の吸水を防止する水系エマルション型吸水防止材に関する。
従来より、多孔性土木建築材料に吸水防止性を付与する方法として、シリコーン系、アクリル系、アクリルシリコーン系、ウレタン系、エステル系、油脂系の樹脂あるいはモノマーを溶解または分散したものを材料に塗布・浸透させ、乾燥(重合)する方法等が知られている。中でもシリコーン系の吸水防止材が使用されることが多い。
シリコーン系の吸水防止材としては、水系のものと溶剤系のものが知られている。水系の吸水防止材としては、アルキルシリコネート系のものが古くより使われているが、吸水防止性能は溶剤系に比べて十分ではなく、また、アルカリ性が強く、取り扱い上の安全性の面で問題がある。一方、溶剤系のものは、火災、爆発や中毒の危険性の面で問題があり、地球環境の保護や資源の活用の面からも、溶剤を使用しない水系であって良好な性能を有する吸水防止材の開発が強く望まれている。
このような水系の吸水防止材としては、アルキルアルコキシシランを水中に乳化させたエマルションが知られている(特許文献1参照)。このエマルションは、分子量500以下という比較的低分子量の加水分解可能なシランから構成されているために相分離を起こしやすく、それを防止してエマルションを安定化させるためにHLB値が4〜15の乳化剤を多量に用いる必要がある。しかしながら、そのために、基材に塗布した際のエマルションは浸透性が不充分で、特に乳化剤が基材表層部に残存しやすく、その結果、基材塗布面の初期撥水性能および吸水防止性能の低下等を引き起こす場合があるという問題がある。
また、アルキルアルコキシシラン、アミノ基を有するアルキルアルコキシシランおよび界面活性剤を含有する有機ケイ素化合物エマルションが知られている(特許文献2参照)。しかしながら、アミノ基を有するアルキルアルコキシシランの安定性が充分ではなく、長期間の保存安定性に未だ改良の余地がある。
特開昭62−197369号公報
特開2002−356672号公報
本発明の課題は、従来公知の水性吸水防止材の欠点を解消し、多孔性材料への浸透性に優れ、長期間にわたって優れた吸水防止効果を発揮すると共に、長期間の保存安定性に優れた水系エマルション型吸水防止材を提供することにある。
本発明は、下記に示すとおりの水系エマルション型吸水防止材を提供するものである。
項1. アルキルトリアルコキシシラン(A)、アルキルアルコキシシロキサン(B)およびHLBが15を超える乳化剤(C)を含有する水系エマルション型吸水防止材。
項2. アルキルトリアルコキシシラン(A)に対するアルキルアルコキシシロキサン(B)の重量比が1:0.05〜1:0.4であって、且つアルキルトリアルコキシシラン(A)とアルキルアルコキシシロキサン(B)との合計量が吸水防止材の1〜80重量%である項1に記載の水系エマルション型吸水防止材。
項3. 乳化剤(C)の含有量が、吸水防止材の0.2〜10重量%である項1または2に記載の水系エマルション型吸水防止材。
項1. アルキルトリアルコキシシラン(A)、アルキルアルコキシシロキサン(B)およびHLBが15を超える乳化剤(C)を含有する水系エマルション型吸水防止材。
項2. アルキルトリアルコキシシラン(A)に対するアルキルアルコキシシロキサン(B)の重量比が1:0.05〜1:0.4であって、且つアルキルトリアルコキシシラン(A)とアルキルアルコキシシロキサン(B)との合計量が吸水防止材の1〜80重量%である項1に記載の水系エマルション型吸水防止材。
項3. 乳化剤(C)の含有量が、吸水防止材の0.2〜10重量%である項1または2に記載の水系エマルション型吸水防止材。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水系エマルション型吸水防止材は、アルキルトリアルコキシシラン(A)、アルキルアルコキシシロキサン(B)およびHLBが15を超える乳化剤(C)を含有する。
本発明で用いられる上記アルキルトリアルコキシシラン(A)において、アルキル基としてはC1〜C18のアルキル基であり、アルコキシル基としてはC1〜C3のアルコキシル基である。アルキルトリアルコキシシラン(A)の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、トリデシルトリメトキシシラン、トリデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ペンタデシルトリメトキシシラン、ペンタデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘプタデシルトリメトキシシラン、ヘプタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。中でも、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランが好適に用いられる。
一方、本発明で用いられるアルキルアルコキシシロキサン(B)は、通常、アルキルトリアルコキシシラン単独あるいはその混合物を水中で加水分解、縮重合反応することにより得られ、種々のアルキルアルコキシシロキサンの混合物である。このようなアルキルアルコキシシロキサンとしては、GE東芝シリコーン株式会社の商品名;TSR165、旭化成ワッカーシリコーン株式会社の商品名;SILRES MSE100等として一般に市販されているものを使用することができる。
前記アルキルトリアルコキシシラン(A)と前記アルキルアルコキシシロキサン(B)の割合は、(A)に対する(B)の重量比(A:B)として、1:0.05〜1:0.4が好ましく、1:0.07〜1:0.3がより好ましく、1:0.1〜1:0.25が特に好ましい。(A)に対する(B)の重量比が0.05未満の場合、エマルションの相分離が起こりやすくなるおそれがある。また、(A)に対する(B)の重量比が0.4を超える場合、得られる水系エマルション型吸水防止材の基材への浸透性が悪くなるおそれがある。
アルキルトリアルコキシシラン(A)とアルキルアルコキシシロキサン(B)との合計量は、前記吸水防止材に対して、1〜80重量%であるのが好ましく、5〜70重量%であるのがより好ましい。(A)と(B)との合計量が1重量%未満の場合、基材に塗布しても十分な浸透深さを得ることができないおそれがあり、長期間にわたっては吸水防止性を維持することができなくなるおそれがある。また、(A)と(B)との合計量が80重量%を超える場合、生成したエマルションが不安定で、相分離を起こすおそれがある。
本発明で用いられる乳化剤(C)としては、HLBが15を超える乳化剤であれば、特に限定されないが、HLBが15を超えて20以下の乳化剤が好ましく、HLBが15を超えて19以下の乳化剤がより好ましい。
本発明で用いられるHLBが15を超える乳化剤(C)としては、例えば、ポリオキシエチレンデシルエーテル(第一工業製薬株式会社の商品名;ノイゲンSD−150〔HLB=16.1〕、SD−300〔HLB=17.9〕、SD−400〔HLB=18.4〕)、ポリオキシアルキレンデシルエーテル(第一工業製薬株式会社の商品名;ノイゲンXL−140〔HLB=15.9〕、XL−160〔HLB=16.3〕、XL−400〔HLB=18.4〕)、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社の商品名;ノイゲンEA−187〔HLB=17.0〕、EA−197〔HLB=17.5〕、EA−207〔HLB=18.7〕)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(第一工業製薬株式会社の商品名;ノイゲンONO.109〔HLB=16.4〕)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(第一工業製薬株式会社の商品名;ソルゲンTW−20〔HLB=16.7〕)、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体(第一工業製薬株式会社の商品名;エパン485〔HLB=17〕)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(日本油脂株式会社の商品名;ノニオンTA−418〔HLB=18〕)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社の商品名;ノニオンNS−240〔HLB=17.8〕)等が挙げられる。
HLBが15を超える乳化剤(C)の使用量は、前記吸水防止材の0.2〜10重量%であるのが好ましく、0.5〜7重量%であるのがより好ましい。該乳化剤の使用量が0.2重量%未満の場合、エマルションの相分離が起こりやすくなるおそれがあり、基材内部への浸透性が悪くなるおそれがある。また、該乳化剤の使用量が10重量%を超える場合、初期撥水性および吸水防止性が悪くなるおそれがある。
本発明の水系エマルション型吸水防止材を製造する方法は、特に限定されないが、通常、室温下、水とHLBが15を超える乳化剤(C)との混合液をホモミキサー、ウルトラディスパーザー、高圧ホモジナイザー等で高速撹拌し、次いでアルキルトリアルコキシシラン(A)とアルキルアルコキシシロキサン(B)とを徐々に添加し、引き続き高速撹拌することにより製造することができる。水系エマルション型吸水防止材を製造する際には、防腐剤、防カビ剤、防藻剤、防蟻剤、紫外線吸収剤等を適宜添加してもよい。また、コロイダルシリカ、ヒュームシリカ、フッ素シリコーン系化合物、フッ素系化合物等を適宜添加してもよい。
本発明の水系エマルション型吸水防止材を多孔性材料に塗布するには、ローラー、刷毛、スプレー等を用いる。また、乾燥方法としては、室温下に放置して乾燥させてもよいし、天日乾燥、加熱乾燥によってもよい。
本発明の水系エマルション型吸水防止材を塗布する多孔性材料としては、例えば、多孔性土木建築材料があり、さらに詳しくは、打放しコンクリート、軽量コンクリート、プレキャストコンクリート、軽量発泡コンクリート(ALC)、モルタル、目地モルタル、石綿セメント板、パルプセメント板、木毛セメント板、セメント系押出成形板、ガラス繊維入りセメント板(GRC)、カーボン繊維入りセメント板、珪酸カルシウム板、石膏ボード、ハードボード、漆喰、石膏プラスター、ドロマイトプラスター、ブロック、レンガ、タイル、瓦、天然石、人工石、ガラスウール、ロックウール、セラミックファイバー等の無機質材料を主成分とする材料、および、木材、合板、パーティクルボード等の有機質材料を主成分とする材料が挙げられる。
本発明の水系エマルション型吸水防止材は、基材への浸透性に優れ、長期間にわたって、激しい風雨による雨水の漏水、酸性雨による材料の劣化、汚れのしみ込み、海水による塩害、寒冷地における凍害、材料中の塩の溶出による白華等の水に起因する種々の問題を解決することができる。
本発明の水系エマルション型吸水防止材は、多孔性材料への浸透性に優れ、長期間にわたって優れた吸水防止効果を発揮すると共に、長期間の保存安定性に優れている。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
水69.5重量部とポリオキシエチレンデシルエーテル(第一工業製薬株式会社の商品名;ノイゲンSD−400、HLB=18.4)0.5重量部との混合液をホモミキサーで高速撹拌し、次いでヘキシルトリエトキシシラン27重量部およびアルキルアルコキシシロキサン(GE東芝シリコーン株式会社の商品名;TSR165)3重量部を添加してホモミキサーで高速撹拌し、本発明の水系エマルション型吸水防止材を得た。
水69.5重量部とポリオキシエチレンデシルエーテル(第一工業製薬株式会社の商品名;ノイゲンSD−400、HLB=18.4)0.5重量部との混合液をホモミキサーで高速撹拌し、次いでヘキシルトリエトキシシラン27重量部およびアルキルアルコキシシロキサン(GE東芝シリコーン株式会社の商品名;TSR165)3重量部を添加してホモミキサーで高速撹拌し、本発明の水系エマルション型吸水防止材を得た。
実施例2
水49重量部とポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社の商品名;ノイゲンEA−207、HLB=18.7)1重量部との混合液をホモミキサーで高速撹拌し、次いでヘキシルトリエトキシシラン40重量部およびアルキルアルコキシシロキサン(旭化成ワッカーシリコーン株式会社の商品名;SILRES MSE100)10重量部を添加してホモミキサーで高速撹拌し、本発明の水系エマルション型吸水防止材を得た。
水49重量部とポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社の商品名;ノイゲンEA−207、HLB=18.7)1重量部との混合液をホモミキサーで高速撹拌し、次いでヘキシルトリエトキシシラン40重量部およびアルキルアルコキシシロキサン(旭化成ワッカーシリコーン株式会社の商品名;SILRES MSE100)10重量部を添加してホモミキサーで高速撹拌し、本発明の水系エマルション型吸水防止材を得た。
実施例3
水31.5重量部とポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(日本油脂株式会社の商品名;ノニオンTA−418、HLB=18)1.5重量部との混合液をホモミキサーで高速撹拌し、次いでオクチルトリエトキシシラン55重量部およびアルキルアルコキシシロキサン(GE東芝シリコーン株式会社の商品名;TSR165)12重量部を添加してホモミキサーで高速撹拌し、本発明の水系エマルション型吸水防止材を得た。
水31.5重量部とポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(日本油脂株式会社の商品名;ノニオンTA−418、HLB=18)1.5重量部との混合液をホモミキサーで高速撹拌し、次いでオクチルトリエトキシシラン55重量部およびアルキルアルコキシシロキサン(GE東芝シリコーン株式会社の商品名;TSR165)12重量部を添加してホモミキサーで高速撹拌し、本発明の水系エマルション型吸水防止材を得た。
比較例1
水65重量部とポリオキシアルキレンデシルエーテル(第一工業製薬株式会社の商品名;ノイゲンXL−50、HLB=11.6)5重量との混合液をホモミキサーで高速撹拌し、次いでオクチルトリエトキシシラン27重量部およびアルキルアルコキシシロキサン(GE東芝シリコーン株式会社の商品名;TSR165)3重量部を添加してホモミキサーで高速撹拌し、水系エマルション型吸水防止材を得た。
水65重量部とポリオキシアルキレンデシルエーテル(第一工業製薬株式会社の商品名;ノイゲンXL−50、HLB=11.6)5重量との混合液をホモミキサーで高速撹拌し、次いでオクチルトリエトキシシラン27重量部およびアルキルアルコキシシロキサン(GE東芝シリコーン株式会社の商品名;TSR165)3重量部を添加してホモミキサーで高速撹拌し、水系エマルション型吸水防止材を得た。
比較例2
水53重量部とポリオキシアルキレンデシルエーテル(第一工業製薬株式会社の商品名;ノイゲンXL−50、HLB=11.6)7重量部との混合液をホモミキサーで高速撹拌し、次いでヘキシルトリエトキシシラン40重量部を添加してホモミキサーで高速撹拌し、水系エマルション型吸水防止材を得た。
水53重量部とポリオキシアルキレンデシルエーテル(第一工業製薬株式会社の商品名;ノイゲンXL−50、HLB=11.6)7重量部との混合液をホモミキサーで高速撹拌し、次いでヘキシルトリエトキシシラン40重量部を添加してホモミキサーで高速撹拌し、水系エマルション型吸水防止材を得た。
比較例3
水55重量部とポリオキシエチレンデシルエーテル(第一工業製薬株式会社の商品名;ノイゲンSD−30、HLB=10.0)15重量部との混合液をホモミキサーで高速撹拌し、次いでアルキルアルコキシシロキサン(GE東芝シリコーン株式会社の商品名;TSR165)30重量部を添加してホモミキサーで高速撹拌し、水系エマルション型吸水防止材を得た。
水55重量部とポリオキシエチレンデシルエーテル(第一工業製薬株式会社の商品名;ノイゲンSD−30、HLB=10.0)15重量部との混合液をホモミキサーで高速撹拌し、次いでアルキルアルコキシシロキサン(GE東芝シリコーン株式会社の商品名;TSR165)30重量部を添加してホモミキサーで高速撹拌し、水系エマルション型吸水防止材を得た。
[評価方法]
(1)保存安定性
実施例および比較例で得られた水系エマルション型吸水防止材100mlを200ml容のガラス製容器に入れ、40℃で静置し、6ヶ月間、エマルションの相分離の状態を目視により観察した。結果を表1に示す。
(1)保存安定性
実施例および比較例で得られた水系エマルション型吸水防止材100mlを200ml容のガラス製容器に入れ、40℃で静置し、6ヶ月間、エマルションの相分離の状態を目視により観察した。結果を表1に示す。
(2)塗布外観、浸透深さおよび吸水比
JIS R−5201に準じたJISモルタル(70mm×70mm×20mm)を供試体として使用し、これに実施例および比較例で得られた吸水防止材を300g/m2の割合で全面塗布した。なお、何も塗布しないものを対照とした。得られた供試体を温度20℃、相対湿度65%RHの恒温恒湿器内で7日間養生した後、塗布外観を目視により観察し、さらに浸透深さを測定した後、以下に示す吸水比の性能試験に供した。次に、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社の商品名;デューサイクルサンシャインスーパーロングライフウェザーメーターWEL−SUN−DCH型)を用いて、ブラックパネル温度63℃、湿度50%、降雨条件60分中12分降雨の試験条件で、促進耐候性試験を実施した。2000時間経過後、4000時間経過後の供試体を、以下に示す吸水比の性能試験に供した。
JIS R−5201に準じたJISモルタル(70mm×70mm×20mm)を供試体として使用し、これに実施例および比較例で得られた吸水防止材を300g/m2の割合で全面塗布した。なお、何も塗布しないものを対照とした。得られた供試体を温度20℃、相対湿度65%RHの恒温恒湿器内で7日間養生した後、塗布外観を目視により観察し、さらに浸透深さを測定した後、以下に示す吸水比の性能試験に供した。次に、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社の商品名;デューサイクルサンシャインスーパーロングライフウェザーメーターWEL−SUN−DCH型)を用いて、ブラックパネル温度63℃、湿度50%、降雨条件60分中12分降雨の試験条件で、促進耐候性試験を実施した。2000時間経過後、4000時間経過後の供試体を、以下に示す吸水比の性能試験に供した。
塗布外観
得られた塗布供試体の表面の濡れ色状態を、無塗布供試体と比較した。結果を表2に示す。
得られた塗布供試体の表面の濡れ色状態を、無塗布供試体と比較した。結果を表2に示す。
浸透深さ
得られた塗布供試体を2分割し、その分割面に水を噴霧し、水が浸透していない部分の厚さを測定した。結果を表2に示す。
得られた塗布供試体を2分割し、その分割面に水を噴霧し、水が浸透していない部分の厚さを測定した。結果を表2に示す。
吸水比
得られた塗布供試体および無塗布供試体を、塗布面を下にして水中に浸漬(浸漬深さ5mm)し、24時間後に取り出し、余剰水を乾いた布で拭き取った後、重量(g)を測定し、下式により吸水比を算出した。結果を表3に示す。なお、吸水比が0.1以下の場合、吸水防止性に優れていると判断できる。
吸水比=[塗布供試体の水浸漬後の重量(g)−塗布供試体の水浸漬前の重量(g)]/[無塗布供試体の水浸漬後の重量(g)−無塗布供試体の水浸漬前の重量(g)]
得られた塗布供試体および無塗布供試体を、塗布面を下にして水中に浸漬(浸漬深さ5mm)し、24時間後に取り出し、余剰水を乾いた布で拭き取った後、重量(g)を測定し、下式により吸水比を算出した。結果を表3に示す。なお、吸水比が0.1以下の場合、吸水防止性に優れていると判断できる。
吸水比=[塗布供試体の水浸漬後の重量(g)−塗布供試体の水浸漬前の重量(g)]/[無塗布供試体の水浸漬後の重量(g)−無塗布供試体の水浸漬前の重量(g)]
Claims (3)
- アルキルトリアルコキシシラン(A)、アルキルアルコキシシロキサン(B)およびHLBが15を超える乳化剤(C)を含有する水系エマルション型吸水防止材。
- アルキルトリアルコキシシラン(A)に対するアルキルアルコキシシロキサン(B)の重量比が1:0.05〜1:0.4であって、且つアルキルトリアルコキシシラン(A)とアルキルアルコキシシロキサン(B)との合計量が吸水防止材の1〜80重量%である請求項1に記載の水系エマルション型吸水防止材。
- 乳化剤(C)の含有量が、吸水防止材の0.2〜10重量%である請求項1または2に記載の水系エマルション型吸水防止材。
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