JP2005314382A - アジド化アミノ糖ヌクレオチド及びその応用 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非天然型アジド化アミノ糖ヌクレオチドを提供する。
【解決手段】
下記式(I)で表されるアジド化アミノ糖ヌクレオチド及びその製造法に関するものである。
【化1】
Figure 2005314382

(I)
(式中、Bは核酸塩基又はその誘導体を示す)
また、糖供与体として上記のアジド化アミノ糖ヌクレオチドを用い、糖転移酵素により受容体糖にN−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル基又はN−アジドアセチル−α−D−ガラクトサミニル基を転移することを特徴とする、N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル基又はN−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル基を含有するオリゴ糖の製造法に関するものである。
さらに、上記アジド化アミノ糖ヌクレオチド又はその誘導体を含有する糖転移酵素阻害剤に関するものである。

Description

本発明は、医薬品等での応用が期待されるアジド化アミノ糖ヌクレオチド、その製造法及び当該化合物の応用に関するものである。
糖鎖は、蛋白質、核酸につぐ第三の生命の鎖であり、生体内において多種多様な構造で存在し、重要な機能・役割を果たしていることが近年の精力的な研究により明らかとなってきている。
生体内における複雑な糖鎖を構成するグリコシド結合の生成に深く関与しているのは、糖と核酸がリン酸基を介して結合した糖ヌクレオチド(これを糖供与体とも呼ぶ)と100種類以上もある糖転移酵素である。この糖転移酵素の働きにより糖ヌクレオシドを介して種々の糖が立体および位置選択的に逐次結合して多種多様な糖鎖が構築されている。
このような糖鎖の生合成は特異的に行われており、例えば細胞が癌化する際、まず糖鎖の一部に異変が生じ上記のグリコシド結合の生成反応により、腫瘍マーカーへと糖鎖が伸張、あるいは変貌していくと考えられている。従って、細胞が本来持つ性質や機能を変えたい時、具体的に例えば癌化への道筋を遮断したい場合には、糖鎖を構築する糖転移酵素の活性を選択的に抑制する方法が1つの手段であると考えられている。
また、細胞表面に発現する糖鎖を人為的に改変あるいは選択的に修飾することも、細胞が本来持つ性質や機能を変える手段として有効と考えられる。その手段としては、糖供与体である糖ヌクレオチドの糖構造を改変し、この改変した糖ヌクレオチドを基質として人工糖鎖を生合成させることであり、またこの合成された人工糖鎖を更に選択的に化学的並びに酵素的に修飾することである。あるいは、修飾並びに改変した人工糖鎖を直接細胞内に取り込ませることも考えられる。
近年、生体内における非天然型の生理活性糖鎖の役割について多くの知見が得られるようになり、糖鎖生物学、糖鎖工学といった研究分野が医薬品分野などへ幅広い応用が期待されるようになってきている。
生理活性を有する糖鎖に不可欠な基本組成単位としてはN−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミンなどのアミノ糖が挙げられる。N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミンなどのアミノ糖は、いわゆるN結合型もしくはO結合型の糖タンパク質、糖脂質などの生体内に存在する糖鎖中に広く分布し、また、細胞内においては多くのタンパク質がN−アセチルグルコサミン単糖とO型で結合していることが知られており、さらに癌化した細胞の糖鎖においてその非還元末端にN―アセチルガラクトサミンが結合していることが報告されており、このようにアミノ糖は細胞内シグナルとして重要な機能を担っていると考えられている。
Curr. Med. Chem., 6(2), 93-116 (1999)
そこで我々は、非天然型糖鎖を用いて癌細胞の増殖並びに転移を阻害することを目的に、N−アセチルグルコサミン又はN−アセチルガラクトサミンの2位のアセチル基に化学反応性の高いアジド基を導入したアジド化アミノ糖ヌクレオチドの創製を検討した。
従来、非天然型の糖を有する糖ヌクレオチドは、種々創製されているが(非特許文献1)、アジド基を導入したアジド化アミノ糖ヌクレオチドは未だに創製されていない。
もし、アジド化アミノ糖ヌクレオチドが創製されれば、(1)このアジド化アミノ糖ヌクレオチドを出発物質として多種多様なアミノ糖ヌクレオチドミミックの合成が可能となること、(2)アミノ糖ヌクレオチドミミックを用いて癌化に特異的に関与する糖転移酵素の選択的な阻害剤の開発が期待できること、(3)アジド化糖ヌクレオチドが糖転移酵素の選択的な糖供与体になる場合には、合成されたアジド化糖含有オリゴ糖のアジド基を、更に化学的あるいは酵素的に修飾することで、癌細胞の増殖・転移を抑えることも十分期待されること、(4)アジド化糖含有オリゴ糖を癌細胞に直接取り込ませることでも癌細胞の増殖・転移の効果が期待できることなど、今後の研究の進展に大きなインパクトをもたらすもの期待される重要な非天然型の糖ヌクレオチドである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、非天然型アジド化アミノ糖ヌクレオチドの合成に始めて成功し、このアジド化アミノ糖ヌクレオチドの誘導体が糖転移酵素に対する阻害活性を確認した。また、糖転移酵素反応を利用することでアジド化糖含有オリゴ糖の合成にも初めて成功した。さらに、収率が低く、非常に煩雑な化学合成法に代えて、酵素的にアジド化アミノ糖ヌクレオチドを合成することに成功し、本発明を完成させた。
したがって、本発明は、下記式(I)で表されるアジド化アミノ糖ヌクレオチドに関するものである。
Figure 2005314382
(I)
(式中、Bは核酸塩基又はその誘導体を示す)
また、本発明は、糖供与体として上記のアジド化アミノ糖ヌクレオチドを用い、糖転移酵素により受容体糖にN−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル基又はN−アジドアセチル−α−D−ガラクトサミニル基を転移することを特徴とする、N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル基又はN−アジドアセチル−α−D−ガラクトサミニル基を含有するオリゴ糖の製造法に関するものである。
さらに本発明は、上記アジド化アミノ糖ヌクレオチド又はその誘導体(たとえば、下記式(II)で表されるヌクレオシド5’−[2−{1H−[1,2,3]−4−カルボキシ−トリアゾリル}アセトアミド−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル]ジホスフェート又はヌクレオシド5’−[2−{1H−[1,2,3]−4−カルボキシ−トリアゾリル}アセトアミド−2−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル]ジホスフェートなど)を含有する糖転移酵素阻害剤に関するものである。
Figure 2005314382

(II)
(式中、Bは核酸塩基又はその誘導体を示す)
また、本発明は、ヌクレオシド5’−トリリン酸とN−アジドアセチルグルコサミン又はN−アジドアセチルガラクトサミンから上記式(I)で表されるアジド化アミノ糖ヌクレオチドを酵素的に製造するにあたり、酵素としてキナーゼ、ムターゼ及び糖ヌクレオチドピロホスホリラーゼから選ばれた2種以上の酵素を使用することを特徴とする、アジド化アミノ糖ヌクレオチドの酵素的製造法に関するものである。
さらに、本発明は、ヌクレオシド5’−モノリン酸とN−アジドアセチルグルコサミン又はN−アジドアセチルガラクトサミンから上記式(I)で表されるアジド化アミノ糖ヌクレオチドを酵素的に製造するにあたり、各種酵素源として酵母菌体、添加酵素としてキナーゼ、ムターゼ及び糖ヌクレオチドピロホスホリラーゼから選ばれた1種以上の酵素を使用することを特徴とする、アジド化アミノ糖ヌクレオチドの酵素的製造法に関するものである。
本発明のアジド化アミノ糖ヌクレオチドは、多種多様なアミノ糖ヌクレオチドミミックを合成するための出発原料として有用である。
また、本発明のアジド化アミノ糖ヌクレオチド及びその誘導体(たとえば、ヌクレオシド5’−[2−{1H−[1,2,3]−4−カルボキシ−トリアゾリル}アセトアミド−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル]ジホスフェート又はヌクレオシド5’−[2−{1H−[1,2,3]−4−カルボキシ−トリアゾリル}アセトアミド−2−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル]ジホスフェートなど)は、通常の糖供与体と競合するため、糖鎖伸長が阻害され、このメカニズムにより、たとえば癌細胞の増殖を防ぐ阻害剤として充分な効果が期待できるものである。
さらに、本発明のアジド化糖ヌクレオチドを糖供与体として合成されたアジド化糖含有オリゴ糖は、分子内にアジド基含有するため、更に化学的あるいは酵素的に修飾することで、癌細胞の増殖・転移を抑えることも十分期待されるものである。
また、本発明の酵素的なアジド化アミノ糖ヌクレオチドの製造法は、化学的な合成法と比較して、簡便な手段で収率よく目的とする化合物を合成することができ、極めて実用的な方法である。特に、水酸基に保護基を有しないアジド化糖の化学的な方法と組み合わせたケモエンザイマチィックな方法で、アジド化糖ヌクレオチドを簡便に調製できることを初めて明らかにしたものであり、産業上極めて有利な方法である。
(1)本発明化合物
本発明化合物は、前記式(I)で表されるアジド化アミノ糖ヌクレオチドである。
Bで示される「核酸塩基」とは、核酸に含まれるピリミジン塩基またはプリン塩基をいう。具体的には、ピリミジン塩基としては、4−アミノ−ピリミジン−2−オン(シトシン)、4−ヒドロキシ−5−メチル−ピリミジン−2−オン(チミン)、4−ヒドロキシ−ピリミジン−2−オン(ウラシル)等が挙げられる。プリン塩基としては、6−アミノプリン(アデニン)、2−アミノ−6−ヒドロキシプリン(グアニン)、2,6−ジヒドロキシプリン(キサンチン)、6−ヒドロキシプリン(ヒポキサンチン)等が挙げられる。
Bで示される「核酸塩基の誘導体」とは、核酸塩基にさらに置換基を有するもの;核酸塩基のピリミジン環またはプリン環に置換しているアミノ基、ヒドロキシ基およびメチル基の一部または全部を水素原子に置換したものまたはこれに置換基を有するもの;ピリミジン環またはプリン環内の窒素原子の一部を炭素原子に置換したデアザ体またはこれに置換基を有するもの;ピリミジン環またはプリン環内の炭素原子の一部を窒素原子に置換したアザ体またはこれに置換基を有するものをいう。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、ハロアルケニル基、アルキニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、水酸基、ヒドロキシアミノ基、アミノキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキルメルカプト基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基などが挙げられ、置換基の数及び位置は特に制限されるものではない。
置換基としてのハロゲン原子としては、塩素、フッ素、ヨウ素、臭素が例示される。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピルなどの炭素数1〜7の直鎖状または分枝鎖状の低級アルキル基が例示される。ハロアルキル基としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ブロモメチル、ブロモエチルなどの炭素数1〜7の直鎖状または分枝鎖状のアルキルを有するハロアルキル基が例示される。アルケニル基としては、ビニル、アリルなどの炭素数2〜7の直鎖状または分枝鎖状のアルケニル基が例示される。ハロアルケニル基としては、ブロモビニル、クロロビニルなどの炭素数2〜7の直鎖状または分枝鎖状のアルケニルを有するハロアルケニル基が例示される。アルキニル基としては、エチニル、プロピニルなどの炭素数2〜7の直鎖状または分枝鎖状のアルキニル基が例示される。アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノなどの炭素数1〜7の直鎖状または分枝鎖状のアルキルを有するアルキルアミノ基が例示される。
アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシなどの炭素数1〜7の直鎖状または分枝鎖状のアルコキシ基が例示される。アルキルメルカプト基としては、メチルメルカプト、エチルメルカプトなどの炭素数1〜7の直鎖状または分枝鎖状のアルキルを有するアルキルメルカプト基が例示される。アリール基としては、フェニル基;メチルフェニル、エチルフェニルなどの炭素数1〜5のアルキルを有するアルキルフェニル基;メトキシフェニル、エトキシフェニルなどの炭素数1〜5のアルコキシを有するアルコキシフェニル基;ジメチルアミノフェニル、ジエチルアミノフェニルなどの炭素数1〜5のアルキルアミノを有するアルキルアミノフェニル基;クロロフェニル、ブロモフェニルなどのハロゲノフェニル基などが例示される。アリールオキシ基としては、上記アリール基を有するアリールオキシ基が挙げられる。
ピリミジン塩基の非天然型誘導体を具体的に例示すれば、5−フルオロシトシン、5−フルオロウラシル、5−クロロシトシン、5−クロロウラシル、5−ブロモシトシン、5−ブロモウラシル、5−ヨードシトシン、5−ヨードウラシル、5−メチルシトシン、5−エチルシトシン、5−メチルウラシル(チミン)、5−エチルウラシル、5−フルオロメチルシトシン、5−フルオロウラシル、5−トリフルオロシトシン、5−トリフルオロウラシル、5−ビニルウラシル、5−ブロモビニルウラシル、5−クロロビニルウラシル、5−エチニルシトシン、5−エチニルウラシル、5−プロピニルウラシル、ピリミジン−2−オン、4−ヒドロキシアミノピリミジン−2‐オン、4−アミノオキシピリミジン−2−オン、4−メトキシピリミジン−2−オン、4−アセトキシピリミジン−2−オン、4−フルオロピリミジン−2−オン、5−フルオロピリミジン−2−オンなどが挙げられる。
プリン塩基の非天然型誘導体を具体的に例示すれば、プリン、6−フルオロプリン、6−クロロプリン、6−メチルアミノプリン、6−ジメチルアミノプリン、6−トリフルオロメチルアミノプリン、6−ベンゾイルアミノプリン、6−アセチルアミノプリン、6−ヒドロキシアミノプリン、6−アミノオキシプリン、6−メトキシプリン、6−アセトキシプリン、6−ベンゾイルオキシプリン、6−メチルプリン、6−エチルプリン、6−トリフルオロメチルプリン、6−フェニルプリン、6−メルカプトプリン、6−メチルメルカプトプリン、6−アミノプリン−1−オキシド、6−ヒドロキシプリン−1−オキシド、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2−アミノ−6−ヨードプリン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−メルカプトプリン、2−アミノ−6−メチルメルカプトプリン、2−アミノ−6−ヒドロキシアミノプリン、2−アミノ−6−メトキシプリン、2−アミノ−6−ベンゾイルオキシプリン、2−アミノ−6−アセトキシプリン、2−アミノ−6−メチルプリン、2−アミノ−6−サイクロプロピルアミノメチルプリン、2−アミノ−6−フェニルプリン、2−アミノ−8−ブロモプリン、6−シアノプリン、6−アミノ−2−クロロプリン(2−クロロアデニン)、6−アミノ−2−フルオロプリン(2−フルオロアデニン)、6−アミノ−3−デアザプリン、6−アミノ−8−アザプリン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−8−アザプリン、6−アミノ−7−デアザプリン、6−アミノ−1−デアザプリン、6−アミノ−2−アザプリンなどが挙げられる。
このような本発明化合物の中でも、Bがウラシル−1−イルである化合物、具体的には、ウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェート、並びにウリジン5’−[2−{1H−[1,2,3]−4−カルボキシ−トリアゾリル}アセトアミド−2−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル]ジホスフェートが好適である。
本発明化合物は、塩、水和物または溶媒和物の形態であってもよい。そのような塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩またはリチウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩もしくはアンモニウム塩などの任意の塩が例示される。また、水和物または溶媒和物としては、本発明化合物またはその塩1分子に対し、0.1〜10分子の水または溶媒が付着したものを例示することができる。さらに、本発明化合物には、互変異性体などの各種異性体も包含されうる。
(2)本発明化合物の化学的な製造法
本発明化合物は、式(III)化合物で示される単糖からベンジルアミンにより選択的に1位を脱保護することにより式(IV)化合物を得(第1工程)、得られた式(IV)化合物を2−クロロ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−4−オンを用いてα選択的に亜リン酸化して式(V)化合物を得(第2工程)、得られた式(V)化合物を酸化反応に付してリン酸へと変換して式(VI)化合物を得(第3工程)、得られた式(VI)化合物とヌクレオシドモノホスホモルホリデート・4−モルホリン−N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド塩と用いてカップリング反応により保護基を有する式(VII)で表されるアジド化アミノ糖ヌクレオチドを得(第4工程)、保護基を脱保護して本発明のアジド化アミノ糖ヌクレオチド(式(I)化合物)を得る(第5工程)方法により合成することができる。
Figure 2005314382
(III)
Figure 2005314382
(IV)
Figure 2005314382
(V)
Figure 2005314382
(VI)
Figure 2005314382
(VII)
Figure 2005314382
(I)
なお、上記の製造法における中間体得ら(IV)〜(VII)はすべて新規性の化合物であり、式中、Bは核酸塩基又はその誘導体を示す。
第1工程;
出発物質として用いる式(III)化合物のアジドアセチル化グルコサミン又はアジドアセチル化ガラクトサミンは、ハロゲン化酸無水物を用いてグルコサミン又はガラクトサミンのアミノ基をハロゲン化アセチル化した後、アジド基へと変換することで調製することが可能である(Journal of the American Chemical Society (2002), 124, 14893-14902)。
また、ペプチド合成に使われている縮合剤のジフェニルフォスフォリルアジド(DPPA)を用いることで、グルコサミン又はガラクトサミンのアミノ基にアジド酢酸を直接導入し、続けて常法により水酸基をすべてアセチル化することで効率的に目的とする式(III)化合物を合成することもできる。
第1工程は、式(III)化合物を、アセチル基の脱保護法として一般的に用いられているベンジルアミンを用いて常法に従ってアノマー位の脱保護を行うことで、式(IV)化合物を得る工程である。なお、式(IV)化合物の1位水酸基の配位はαであり、これは2位に存在するN−アセチルアミノ基の微妙な関与ではないかと推測される。
第2工程;
第2工程は、リン酸化剤2−クロロ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−4−オンを用いた亜リン酸化反応により式(IV)化合物から式(V)化合物を得る工程である。
2−クロロ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−4−オンを用いた亜リン酸化反応は、文献公知の方法条件で実施することができ(Tetrahedron Letters (1986),27,6271-6274)、反応は立体選択的に反応が進行し、目的とするα体のみを合成することができる。この特異性も、2位に存在するN−アセチルアミノ基の微妙な関与ではないかと推測できる。
第3工程;
第3工程は、式(V)化合物をテトラブチルヒドロペルオキシドを用いた酸化反応に付して式(VI)化合物を得る工程である。
テトラブチルヒドロペルオキシドを用いる酸化反応は、亜リン酸誘導体の酸化反応として通常用いられる反応であるが、第3工程では反応系にヨウ素を触媒量加えることで効率的に反応が進行し、目的とするリン酸化単糖である式(VI)化合物を得ることができる。
第4工程;
第4工程は、式(VI)化合物とヌクレオシドモノホスフェート誘導体とのカップリング反応により保護基を有する式(VII)で表されるアジド化アミノ糖ヌクレオチドを得る工程である。
カップリング反応は、文献公知のモルホリデートを用いた方法条件に従って行うことができる(Journal of Organic Chemistry,(1997),62,2144-2147)。
第5工程;
第5工程は、式(VII)化合物の保護基を脱保護して本発明のアジド化アミノ糖ヌクレオチド(式(I)化合物)を得る工程である。
保護基の除去は、使用した保護基で常用されている方法に従って行うことができる。
このようにして得られた糖ヌクレオチドは、糖ヌクレオチドの通常の単離精製手段(イオン交換クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、塩析など)により単離精製することができる。
(3)本発明化合物の酵素的な製造法
本発明化合物の酵素的な製造法は、酵素だけを使用する方法と酵母菌体と酵素を併用する方法の2つの方法に分類される。
すなわち、ヌクレオシド5’−トリリン酸とN−アジドアセチルグルコサミン又はN−アジドアセチルガラクトサミンから下記式(I)で表されるアジド化アミノ糖ヌクレオチドを酵素的に製造するにあたり、酵素としてキナーゼ、ムターゼ及び糖ヌクレオチドピロホスホリラーゼから選ばれた2種以上の酵素を使用することを特徴とする、アジド化アミノ糖ヌクレオチドの酵素的製造法に関するものである。
Figure 2005314382

(I)
(式中、Bは核酸塩基又はその誘導体を示す)
具体的には、ウリジン5’−トリリン酸(UTP)とN−アジドアセチルグルコサミンを基質とし、グルコキナーゼ、N−アセチルグルコサミンリン酸ムターゼ及びウリジン5’−ジリン酸N−アセチルグルコサミンピロホスホリラーゼを酵素として用い、ウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートを合成する方法が例示される。
また、ウリジン5’−トリリン酸(UTP)とN−アジドアセチルガラクトサミンを基質とし、N−アセチルガラクトサミンキナーゼ及びウリジン5’−ジリン酸N−アセチルグルコサミンピロホスホリラーゼを酵素として用い、ウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−ガラクトサミニル)ジホスフェートを合成する方法も例示される。
一方、酵母菌体と酵素を併用する方法としては、ヌクレオシド5’−モノリン酸とN−アジドアセチルグルコサミン又はN−アジドアセチルガラクトサミンから上記式(I)で表されるアジド化アミノ糖ヌクレオチドを酵素的に製造するにあたり、各種酵素源として酵母菌体、添加酵素としてキナーゼ、ムターゼ及び糖ヌクレオチドピロホスホリラーゼから選ばれた1種以上の酵素を使用することを特徴とする、アジド化アミノ糖ヌクレオチドの酵素的製造法に関する。
具体的には、ウリジン5’−モノリン酸(UMP)とN−アジドアセチルグルコサミンを基質とし、グルコキナーゼ、N−アセチルグルコサミンリン酸ムターゼ、ウリジン5’−ジリン酸N−アセチルグルコサミンピロホスホリラーゼ及び酵母菌体を用い、ウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートを合成する方法が例示される。
また、ウリジン5’−モノリン酸(UMP)とN−アジドアセチルガラクトサミンを基質とし、N−アセチルガラクトサミンキナーゼ、ウリジン5’−ジリン酸N−アセチルグルコサミンピロホスホリラーゼ及び酵母菌体を用い、ウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−ガラクトサミニル)ジホスフェートを合成する方法も例示される。
上記方法で使用する酵素、すなわちキナーゼ、ムターゼ及び糖ヌクレオチドピロホスホリラーゼはすべて公知の酵素であり、それらの酵素は特定の由来のものに限定されず、動物由来、植物由来、微生物由来など、すべての由来のものを使用することができる。その中でも特に、酵素調製の簡便性などの点から微生物由来のものを使用するのが好ましい。
また、酵素の遺伝子がクローン化されている場合には、そのクローン化された酵素遺伝子を用いて常法により大腸菌などを宿主として大量生産させ、当該組換え菌より当該酵素を調製することも可能である。
このような酵素は、当該活性を有する限りどのような形態であってもよい。具体的には、微生物の菌体、該菌体の処理物または該処理物から得られる酵素調製物などが挙げられる。
微生物の菌体の調製は、当該微生物が生育可能な培地を用い、常法により培養後、遠心分離等で集菌する方法で行うことができる。具体的に、バシラス属または大腸菌類に属する細菌を例に挙げ説明すれば、培地としてはブイヨン培地、LB培地(1%トリプトン、0.5%イーストエキストラクト、1%食塩)または2xYT培地(1.6%トリプトン、1%イーストエキストラクト、0.5%食塩)などを使用することができ、当該培地に種菌を接種後、約30〜50℃で約10〜50時間程度必要により撹拌しながら培養し、得られた培養液を遠心分離して微生物菌体を集菌することにより糖転移活性を有する微生物菌体を調製することができる。
微生物の菌体処理物としては、上記微生物菌体を機械的破壊(ワーリングブレンダー、フレンチプレス、ホモジナイザー、乳鉢などによる)、凍結融解、自己消火、乾燥(凍結乾燥、風乾などによる)、酵素処理(リゾチームなどによる)、超音波処理、化学処理(酸、アルカリ処理などによる)などの一般的な処理法に従って処理して得られる菌体の破壊物または菌体の細胞壁もしくは細胞膜の変性物が挙げられる。
酵素調製物としては、上記菌体処理物から糖転移活性を有する画分を通常の酵素の精製手段、例えば塩析処理、等電点沈澱処理、有機溶媒沈澱処理、透析処理、各種クロマトグラフィー処理などを施して得られる粗酵素または精製酵素を使用することができる。
また、酵素以外に酵母を併用する場合には、市販のパン酵母あるいはワイン酵母などを使用することができる。このような酵母菌体は、生酵母、乾燥酵母いずれであってもかまわないが、反応収率の点からは乾燥酵母を用いるのが好ましい。添加量は1〜10%(w/v)、好ましくは2〜5%の範囲から適宜設定できる。
基質として使用するヌクレオチド5’−モノリン酸又はヌクレオチド5’−トリリン酸は、市販の製品を使用することができ、使用濃度としては5〜200mM、好ましくは20〜100mMの範囲から適宜設定できる。
また、N−アジドアセチルグルコサミン又はN−アジドアセチルガラクトサミンも市販品又は実施例に示す方法で調製したもを使用することができ、使用濃度としては5〜200mM、好ましくは20〜100mMの範囲から適宜設定できる。
すなわち、N−アジドアセチルグルコサミン又はN−アジドアセチルガラクトサミンの簡便な調製法としては、2−アジド酢酸エチルをエタノールなどのアルコール系有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウムなどのアルカリを添加後、この液にグルコサミン又はガラクトサミンを添加し反応させるという簡便な方法で、目的とするN−アジドアセチルグルコサミン又はN−アジドアセチルガラクトサミンを調製することができる。
酵素反応は、リン酸緩衝液などの緩衝液(pH6〜9)中、上記各種酵素を0.5ユニット/ml以上、好ましくは1〜5ユニット/ml使用し、20〜30℃、好ましくは223〜28℃で24〜68時間程度、必要により撹拌しながら反応させることにより実施できる。
なお、酵素だけを使用する場合には、反応系にATPなどのエネルギー源を添加し、また酵素と酵母菌体を併用する場合には、グルコース、フラクトースなどの糖類、酢酸、クエン酸などの有機酸をエネルギー源として添加するのが好ましい。
このようにして得られた糖ヌクレオチドは、糖ヌクレオチドの通常の単離精製手段(イオン交換クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、塩析など)により単離精製することができる。
(4)本発明化合物の応用
本発明のアジド化アミノ糖ヌクレオチド及びその誘導体は、通常の糖供与体と競合するため、糖転移酵素による糖鎖伸長が阻害され、このメカニズムにより、たとえば癌細胞の増殖を防ぐ阻害剤として充分な効果が期待できるものである。
アジド化アミノ糖ヌクレオチドの誘導体としては、種々の誘導体を例示することができ、糖転移酵素による糖鎖伸長において、通常の糖供与体(糖ヌクレオチド)と競合し、糖鎖伸長を阻害する性質を有する限り、特別のものに限定されない。
具体的に、そのような誘導体としては、本発明のアジド化アミノ糖ヌクレオチドをアセチレン誘導体と反応することによりトリアゾール環へと変換したヌクレオシド5’−[2−{1H−[1,2,3]−4−カルボキシ−トリアゾリル}アセトアミド−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル]ジホスフェート又はヌクレオシド5’−[2−{1H−[1,2,3]−4−カルボキシ−トリアゾリル}アセトアミド−2−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル]ジホスフェート(式(II)化合物:式中、Bは核酸塩基又はその誘導体を示す)などトリアゾール化アミノ糖ヌクレオチドを例示することができる。
Figure 2005314382
(II)
さらに、本発明のアジド化糖ヌクレオチドを糖供与体として合成されたアジド化糖含有オリゴ糖は、分子内にアジド基含有するため、更に化学的あるいは酵素的に修飾することで、癌細胞の増殖・転移を抑えることも十分期待される。
このようなアジド化糖含有オリゴ糖は、本発明のアジド化アミノ糖ヌクレオシドを糖供与体とし、糖転移酵素、具体的にはβ1,3−N−アセチルグルコサミン転移酵素を用い、受容体の糖(単糖又はオリゴ糖)にN−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル基又はN−アジドアセチル−α−D−ガラクトサミニル基を転移することで調製することができる。
反応に用いる転移酵素としては、N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル基、あるいはN−アジドアセチル−α−D−ガラクトサミニル基を転移できるものであれば特に制限されるものではないが、特にN−アジドアセチル−α−D−ガラクトサミン転移活性も有することが知られているβ1,3−N−アセチルグルコサミン転移酵素が使用に好ましい。また、転移酵素は特定の由来のものに限定されず、動物由来、植物由来、微生物由来など、すべての由来のものを使用することができるが、酵素調製の簡便性、糖ヌクレオチドに対する基質特異性などの点から微生物由来のものを使用するのが好ましい。また、使用する転移酵素遺伝子がクローン化されている場合には、そのクローン化された転移酵素遺伝子を用いて常法により大腸菌などを宿主として大量生産させ、当該組換え菌より当該酵素を調製することも可能である。
このような転移酵素は、当該活性を有する限りどのような形態であってもよい。具体的には、微生物の菌体、該菌体の処理物または該処理物から得られる酵素調製物などが挙げられる。
微生物の菌体の調製は、当該微生物が生育可能な培地を用い、常法により培養後、遠心分離等で集菌する方法で行うことができる。具体的に、バシラス属または大腸菌類に属する細菌を例に挙げ説明すれば、培地としてはブイヨン培地、LB培地(1%トリプトン、0.5%イーストエキストラクト、1%食塩)または2xYT培地(1.6%トリプトン、1%イーストエキストラクト、0.5%食塩)などを使用することができ、当該培地に種菌を接種後、約30〜50℃で約10〜50時間程度必要により撹拌しながら培養し、得られた培養液を遠心分離して微生物菌体を集菌することにより糖転移活性を有する微生物菌体を調製することができる。
微生物の菌体処理物としては、上記微生物菌体を機械的破壊(ワーリングブレンダー、フレンチプレス、ホモジナイザー、乳鉢などによる)、凍結融解、自己消火、乾燥(凍結乾燥、風乾などによる)、酵素処理(リゾチームなどによる)、超音波処理、化学処理(酸、アルカリ処理などによる)などの一般的な処理法に従って処理して得られる菌体の破壊物または菌体の細胞壁もしくは細胞膜の変性物が挙げられる。
酵素調製物としては、上記菌体処理物から糖転移活性を有する画分を通常の酵素の精製手段、例えば塩析処理、等電点沈澱処理、有機溶媒沈澱処理、透析処理、各種クロマトグラフィー処理などを施して得られる粗酵素または精製酵素を使用することができる。
反応液に添加する受容体の糖(単糖又はオリゴ糖)は、合成目的のオリゴ糖に応じて適宜選択すれば良く、特に制限されるものではない。
受容体糖及び糖供与体としてのアジド化アミノ糖ヌクレオチドの使用濃度としては、約1〜200mMが好ましい。
本発明のアジド化糖含有オリゴ糖の合成反応は、トリス塩酸緩衝液、リン酸緩衝液等の各種緩衝液を用い、糖転移酵素を好ましくは約0.001ユニット/ml以上、さらに好ましくは約0.01ユニット/ml添加し、好ましくは約50℃以下、より好ましくは約5〜50℃で約1〜50時間程度、必要により撹拌しながら反応させることにより実施できる。
本発明のアジド化糖含有オリゴ糖を具体的に例示すれば、下記式(VIII)で表されるN−アジドアセチル−α−D−グルコサミニルβ1−3ラクトース又はN−アジドアセチル−α−D−ガラクトサミニルβ1−3ラクトースを例示することができ、この三糖は、糖供与体として本発明のアジド化アミノ糖ヌクレオシドを、受容体としてラクトースを、糖転移酵素としてN−アジドアセチル−α−D−ガラクトサミン転移活性も有するβ1,3−N−アセチルグルコサミン転移酵素を用いることで合成することができる。
Figure 2005314382
(VIII)
このようにして得られたアジド化糖含有オリゴ糖は、オリゴ糖の通常の単離精製手段(イオン交換クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、塩析など)により単離精製することができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明がこれに限定されないことは明らかである。なお、DNAの調製、制限酵素による切断、T4DNAリガーゼによるDNA連結、並びに大腸菌の形質転換法は全て「Molecular Cloning」(Maniatisら編、Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York (1982))に従って行った。また、制限酵素、AmpliTaq DNAポリメラーゼ、T4 DNAリガーゼはタカラバイオ(株)より入手した。
実施例1
(1)1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−N−アジドアセチル−D−グルコサミンの合成
2−アジド酢酸エチル(1.3g、10mmol)をエタノール(20ml)に溶解し、0.1M水酸化ナトリウム水溶液(100ml)を添加した後、室温で10分間攪拌した。反応溶液にグルコサミン塩酸塩(2.2g、10mmol)を添加し、さらに30分攪拌した。反応溶液の溶媒を減圧濃縮することにより除去し、さらにDMFを加え減圧濃縮することを三回繰り返すことで水を除去した。反応残留物をDMF(10ml)に溶解し、トリエチルアミン(1.4ml、10mmol)とジフェニルフォスフォリルアジド(2.2ml、10mmol)を加え、室温で20時間攪拌した。反応溶液にピリジン(20ml)、4ジメチルアミノピリジン(1g、8.2mmol)を加え、さらに無水酢酸(10ml)をゆっくり添加し室温で5時間攪拌した。反応溶液にメタノールを加え反応を停止し、反応溶媒を減圧濃縮により除去した。シリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/2)で精製することにより標記化合物(2.9g,収率67%)を得た。
H−NMR δ(CDCl):2.05,2.06,2.10,2.22(12H,sx4)(4xAc),3.94(2H,s)(−CH),4.02−4.11(2H,m)(H−5,H−6a),4.28(1H,dd,J=3.3,11.8Hz)(H−6b),4.45(1H,m)(H−2),5.22(1H,t,J=9.6Hz)(H−4),5.30(1H,t,J=10.6Hz)(H−3),6.21(1H,d,J=1.9Hz)(H−1),6.44(1H,d,J=8.8Hz)(NH).
(2)3,4,6−トリ−O−アセチル−N−アジドアセチル−α−D−グルコサミンの合成
1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−N−アジドアセチルグルコサミン(980mg,2.3mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、ベンジルアミン(300μl,2.7mmol)を添加し室温で1日攪拌した。反応溶液の溶媒を減圧濃縮することにより除去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/2)で精製することにより標記化合物(850mg,収率96%)を得た。
H−NMR δ(CDCl):2.03,2.05,2.11(9H,sx3)(3xAc),3.95(2H,s)(−CH),4.10−4.16(2H,m)(H−6a,H−6b),4.22(1H,m)(H−5),4.30(1H,dt,J=3.6,10.5Hz)(H−2),5.15(1H,t,J=9.5Hz)(H−4),5.29(1H,d,J=2.6Hz)(H−1),5.35(1H,t,J=9.9Hz)(H−3),6.69(1H,d,J=9.3Hz)(NH).
(3)N−アジドアセチル−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコサミニルホスファイトトリエチルアミン塩の合成
N−アジドアセチル−3,4,6−トリ−O−アセチル−グルコサミン(590mg、1.5mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、トリエチルアミン(422μl、3.0mmol)と2−クロロ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−4−オン(338mg、1.7mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残留物にテトラヒドロフランを加え、沈殿物をろ過により除去した。ろ液を減圧濃縮し溶媒を除去した後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)で精製することにより標記化合物(689mg、収率83%)を得た。
H−NMR δ(CDCl):2.01,2.04,2.09(9H,sx3)(3xAc),3.86(1H,d,J=16.3Hz)(−1/2CH),3.90(1H,d,J=16.3Hz)(−1/2CH),4.10−4.13(1H,m)(H−6a),4.22(1H,dd,J=3.7,12.3Hz)(H−6b),4.29(1H,m)(H−5),4.37(1H,m)(H−2),5.20(1H,t,J=9.8Hz)(H−4),5.37(1H,t,J=10.2Hz)(H−3),5.62(1H,dd,J=3.2,8.6Hz)(H−1),7.21(1H,d,J=9.7Hz)(NH).
(4)N−アジドアセチル−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコサミニルリン酸2トリエチルアミン塩の合成
N−アジドアセチル−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコサミニルホスファイト(350mg、0.63mmol)をテトラヒドロフランに溶解し、イオン交換カラムクロマトグラフィ(Amberlite IR120、Hフォーム)によりリン酸塩を遊離した。溶出液を減圧濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(15ml)に溶解した。5.0Mテトラブチルヒドロペルオキシド溶液(600μl,3mmol)、ヨウ素(10mg,0.039mmol)添加し、室温で11時間攪拌した。硫化ジメチルを加えることにより反応を停止し、混合物を減圧濃縮することにより溶媒を除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム/メタノール/トリエチルアミン=100/100/1)で精製することによりN−アジドアセチル−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコサミニルリン酸2トリエチルアミン塩(266mg,収率63%)を得た。
H−NMR δ(CDCl):2.01,2.02,2.07(9H,sx3)(3xAc),3.90(1H,d,J=16.0Hz)(−1/2CH),3.95(1H,d,J=16.0Hz)(−1/2CH),4.13(1H,dd,J=12.3,2.1Hz)(H−6a),4.22(1H,dd,J=3.2,12.3Hz)(H−6b),4.31(1H,dd,J=2.1,3.2Hz)(H−5),4.44(1H,m)(H−2),5.20(1H,t,J=9.8Hz)(H−4),5.34(1H,t,J=10.0Hz)(H−3),5.57(1H,dd,J=3.2,7.7Hz)(H−1),7.77(1H,d,J=7.9Hz)(NH).
(5)ジアンモニウムウリジン5’−(N−アジドアセチル−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートの合成
N−アジドアセチル−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコサミニルリン酸2トリエチルアミン塩(26mg,0.039mmol)にピリジン(2ml)に溶解した。ウリジンモノホスホモルホリデート・4−モルホリン−N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド塩(32mg,0.47mmol)とテトラゾール(3mg,0.47mmol)を加え室温で2日間攪拌した。水を加えた後減圧濃縮することにより反応溶媒を除去し、イオン交換カラムクロマトグラフィ(現アマシャムバイオサイエンス社製デアエセルロース)(展開溶媒:炭酸水素アンモニウム緩衝液=0.01M〜0.2M)により分取を行い、減圧濃縮した。残留物をゲル濾過クロマトグラフィ(セファデックスG−10)により脱塩処理を行い、ジアンモニウムウリジン5’−(N−アジドアセチル−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートを(19mg,収率60%)得た。
H−NMR δ(CDCl):2.00,2.05,2.11(9H,sx3)(3xAc),3.95(1H,d,J=16.1Hz)(−1/2CH),4.06(1H,d,J=16.1Hz)(−1/2CH),4.12−4.42(9H,m)(H−6a,H−6b,H−5,H−2,rib−H’−2,rib−H’−3,rib−H’−4,rib−H’−5a,rib−H’−5b),5.11(1H,t,J=9.8Hz)(H−4),5.21(1H,t,J=9.9Hz)(H−3),5.60(1H,dd,J=3.4,7.0Hz)(H−1),5.94(1H,s)(rib−H’−1),5.95(1H,d,J=3.6Hz)(Uridine−H−5),7.98(1H,d,J=4.0Hz)(Uridine−H−6).
(6)ジアンモニウムウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートの合成
ジアンモニウムウリジン5’−(N−アジドアセチル−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェート(75mg,0.093mmol)を水(5ml)に溶解し、25%アンモニア水溶液を(5ml)を加え室温で3時間攪拌した。減圧濃縮することにより反応溶媒を除去しジアンモニウムウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートを(63mg,収率100%)得た。
H−NMR δ(CDCl):3.53(1H,t,J=9.6Hz)(H−4),3.78(1H,dd,J=7.5,4.5Hz)(H−6a),3.80(1H,t,J=9.6Hz)(H−3),3.85(1H,dd,J=2.1,12.5Hz)(H−6b),3.91(1H,m)(H−5),4.03(2H,m)(H−2,−1/2CH),4.12(1H,d,J=16.3Hz)(−1/2CH),4.14−4.36(5H,m)(rib−H’−2,rib−H’−3,rib−H’−4,rib−H’−5a,rib−H’−5b),5.51(1H,dd,J=3.3,7.3Hz)(H−1),5.95(1H,s)(rib−H’−1),5.94(1H,d,J=7.7Hz)(Uridine−H−5),7.82(1H,d,J=8.0Hz)(Uridine−H−6).
実施例2
ジアンモニウムウリジン5’−[2−{1H−[1,2,3]−4カルボキシ−トリアゾリル}アセトアミド−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル]ジホスフェートの合成
ジアンモニウムウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェート(6.4mg,0.093mmol)をMeOH(3ml)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(35μl、0.2mmol)、プロピオール酸(6μl、0.097mmol)、ヨウ化銅(2mg、0.011mmol)を加え室温で3時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残留物をゲル濾過クロマトグラフィ(セファデックスG−10)により精製することでジアンモニウムウリジン5’−(2−{1H−[1,2,3]−4カルボキシ−トリアゾリル}アセトアミド−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル)ジホスフェートを(4.1mg,収率50%)得た。
H−NMR δ(CDCl):3.53(1H,t,J=9.8Hz)(H−4),3.90(3H,m)(H−3,H−6a,H−6b),3.94(1H,m)(H−5),4.07(1H,m)(H−2),4.14−4.36(5H,m)(rib−H’−2,rib−H’−3,rib−H’−4,rib−H’−5a,rib−H’−5b),5.34(1H,d,J=16.7Hz)(−1/2CH),5.44(1H,d,J=16.7Hz)(−1/2CH),5.55(1H,dd,J=3.5,7.3Hz)(H−1),5.93(1H,d,J=4.1Hz)(rib−H’−1),5.89(1H,d,J=8.2Hz)(Uridine−H−5),7.89(1H,d,J=8.2Hz)(Uridine−H−6),8.27(1H,s)(triazol−H−4)
実施例3
(1)Haemophilus ducreyi β1,3−N−アセチルグルコサミン転移酵素をコードするlgtA遺伝子のクローニング
Haemophilus ducreyi 35000HPの染色体DNA(ATCC 700724D)を鋳型として、以下に示す2種類のプライマーDNAを常法に従って合成し、PCR法によりHaemophilus ducreyi lgtA遺伝子(EMBL / GENEBANK / DDBJ DATA BANKS、Accession No. AF536817)を増幅した。
プライマー(A):5'- ttccatggtgacaactttagtgtcagttttgatttgtgct -3'
プライマー(B):5'- atgtcgaccatgctgatttggaataacggg -3'
PCRによるlgtA遺伝子の増幅は、反応液50μl (50 mM塩化カリウム、10mMトリス塩酸(pH8.3)、1.5mM塩化マグネシウム、0.001% ゼラチン、0.2mM dATP、0.2mM dGTP、0.2mM dCTP、0.2mM dTTP、鋳型DNA 0.1 μg、プライマーDNA(A)(B)各々 0.2 mM、AmpliTaq DNAポリメラーゼ 2.5ユニット)を現タカラバイオ社製 DNA Thermal Cyclerを用いて、熱変性(94℃、30秒)、アニーリング(55℃、45秒)、伸長反応(72℃、2分)のステップを25回繰り返すことにより行った。
遺伝子増幅後、反応液をフェノール/クロロホルム(1:1)混合液で処理し、水溶性画分に2倍容のエタノールを添加しDNAを沈殿させた。沈殿回収したDNAを文献(Molecular Cloning、前述)の方法に従ってアガロースゲル電気泳動により分離し、1.0 kb相当のDNA断片を精製した。該DNAを制限酵NcoI及びSalIで切断し、同じく制限酵素NcoI及びSalIで消化したプラスミドpTrc99A(現アマシャムバイオサイエンス社より入手)とT4DNAリガーゼを用いて連結した。連結反応液を用いて大腸菌(E. coli) K12株 JM109菌を形質転換し、得られたアンピシリン耐性形質転換体よりプラスミドpTrc-HDGnTを単離した。
pTrcHD−GnTは、pTrc99Aのtrcプロモーター下流のNcoI-SalI切断部位にHaemophilus ducreyi lgtA構造遺伝子を含有するNcoI-SalI DNA断片が挿入されたものである。
(2)β1,3-N-アセチルグルコサミン転移活性を有する酵素タンパク質の調製
プラスミドpTrc-HDGnTを保持する大腸菌JM109菌を、100μg/mlのアンピシリンを含有する2xYT培地 50mlに植菌し、37℃で振とう培養した。1×10個/mlに達した時点で、培養液に最終濃度0.5 mMになるようにIPTGを添加し、20℃で20時間振とう培養を続けた。培養終了後、遠心分離(9,000xg, 20分)により菌体を回収し、5mlの緩衝液(50mM トリス塩酸(pH 7.5)、0.5M塩化ナトリウム、5mMメルカプトエタノール、10%(w/v)グリセロール、0.2%(w/v)CHAPS)に懸濁した。超音波処理を行って菌体を破砕し、さらに遠心分離(20,000xg、10分)により菌体残さを除去した。
このように得られた上清画分を酵素液とし、酵素液におけるβ1,3−N−アセチルグルコサミン転移活性を測定した結果を対照菌(pTrc99Aを保持する大腸菌K12株 JM109)と共に下記表1に示す。なお、本発明におけるβ1,3-アセチルグルコサミン転移酵素活性の単位(ユニット)は、以下に示す方法でUDP−N−アセチルグルコサミンとラクトースからのラクトーN−トリオース(LNT−2)の合成活性を測定、算出したものである。
<活性の測定と酵素単位の算出>
10mM塩化マグネシウム、10mM塩化マンガン、20mMラクトース、UDP−N−アセチルグルコサミンを含有する100mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)に、β1,3−N−アセチルグルコサミン転移酵素を添加して30℃で4.5時間反応させた。また、β1,3−N−アセチルグルコサミン転移酵素の代わりにpTrc99Aを保持する大腸JM109株の菌体破砕液を用い同様の反応を行い、これをコントロールとした。
反応液に1/10容量の1M水酸化ナトリウムを添加することにより反応を停止し、これを希釈した後、Dionex DX−300装置による分析を行った。分離には日本ダイオネクス社製のCarboPacPA1カラムを用い、溶出液として脱イオン水、0.2M水酸化ナトリウム水溶液および1M酢酸ナトリウム水溶液を用いた。DX−300分析結果から反応液中のLNT−2量をラクトース換算で算出し,30℃で1分間に1μmoleのN-アセチルラクトサミンを合成する活性を1単位(ユニット)としてβ1,3−N−アセチルグルコサミン転移酵素活性を算出した。
Figure 2005314382
(3)ジアンモニウムウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートのβ1,3−N−アセチルグルコサミン転移酵素活性に対する影響
10 mM塩化マグネシウム、10 mM塩化マンガン、20mM ラクトース、10mM UDP−N−アセチルグルコサミン並びに10 mMジアンモニウムウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートを含有する100mMトリス塩酸塩緩衝液(pH7.5)に、上記(2)により調製したβ1,3−N−アセチルグルコサミン転移活性を有する酵素液(0.012units/ml反応液)を添加し、30℃で、24時間反応を行った。コントロールとして10 mMジアンモニウムウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートなしの反応も行った。
反応液を90℃、3分間の熱処理を行った後、遠心分離(20,000×g、10分)により不溶性画分を除去した。Dionex DX−300による分析を行ったところ、4.825mMのLNT−2の生成を確認した。なお、コントロールでは5.948mMのLNT−2が生成した。
(4)ジアンモニウムウリジン5’−[2−{1H−[1,2,3]−4カルボキシ−トリアゾリル}アセトアミド−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル]ジホスフェートのβ1,3−N−アセチルグルコサミン転移酵素に対する影響
10 mM塩化マグネシウム、10 mM塩化マンガン、20 mM ラクトース、10 mM UDP−N−アセチルグルコサミン並びに10 mMジアンモニウムウリジン5’−[2−{1H−[1,2,3]−4カルボキシ−トリアゾリル}アセトアミド−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル]ジホスフェートを含有する100 mMトリス塩酸塩緩衝液(pH7.5)に、上記(2)により調製したβ1,3−N−アセチルグルコサミン転移活性を有する酵素液(0.012units/ml反応液)を添加し、30℃で、25時間反応を行った。コントロールとして10 mMジアンモニウムウリジン5’−[2−{1H−[1,2,3]−4カルボキシ−トリアゾリル}アセトアミド−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル]ジホスフェートなしの反応も行った。
反応液を90℃、3分間の熱処理を行った後、遠心分離(20,000xg、10分)により不溶性画分を除去した。Dionex DX−300による分析を行ったところ、1.238mMのLNT−2の生成を確認した。なお、コントロールでは4.754mMのLNT−2が生成したことから74%の生成阻害が認められた。
実施例4
N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニルβ1−3ラクトースの酵素合成
10mM塩化マグネシウム、10 mM塩化マンガン、20mM ラクトース、10mMジアンモニウムウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートを含む100mMトリス塩酸塩緩衝液(pH7.5)に、上記実施例2により調製したβ1,3−N−アセチルグルコサミン転移活性を有する酵素液(0.012units/ml反応液)を添加し、30℃で、24時間反応を行った。
反応液を90℃、3分間の熱処理を行った後、遠心分離(20,000xg、10分)により不溶性画分を除去した。Dionex DX−300による分析を行ったところ、糖受容体であるラクトースの減少から約3mMのN−アジドアセチル−α−D−グルコサミニルβ1−3ラクトースの生成が推定された。さらに当該処理液をダウエックス50W(H)(ダウケミカル社製)、IRA410(OH)(ローム・アンド・ハース社製)樹脂に通液し、減圧乾燥により乾固させた後、蒸留水で再度溶解させた試料をESI−イオントラップ質量分析装置(日立ハイテクノロジー社製)を用いて分析を行った結果、[M+Na](m/z610)及び[M+K](m/z626)のピークを検出したころから、N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニルβ1−3ラクトースが生成したことを確認した。
実施例5:酵素法によるウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートの合成
(1)酵素液の調製
3種類の酵素(枯草菌グルコキナーゼ、酵母N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)リン酸ムターゼ、ならびに大腸菌UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ)を含む酵素液を文献(Okuyama, K., et al., Biosci. Biotechnol. Biochem.,64(2),386-392(2000))に記載の方法で調製した。なお、各酵素活性も前述の文献記載の方法で測定した。
(2)N−アジドアセチル−D−グルコサミンの合成
2−アジド酢酸エチル(5.3g、41mmol)をエタノール(41mL)に溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液(41mL)を添加した後、室温で10分間攪拌した。反応溶液にグルコサミン塩酸塩(8.0g、37mmol)を添加し、さらに30分攪拌した。反応溶液の溶媒を減圧濃縮することにより除去し、さらにジメチルホルムアミドを加え減圧濃縮することを三回繰り返すことで水を除去した。反応残留物をDMF(50mL)に溶解し、トリエチルアミン(5.7mL、41mmol)とジフェニルフォスフォリルアジド(8.7mL、41mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応溶媒を減圧濃縮により除去し、残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(WakogelR 50C18、20mL、展開溶媒:水)で精製することにより標記化合物(5.6g,収率58%)を得た。
(3)ウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートの合成
100mMトリス塩酸緩衝液(pH7.8)、10mM塩化マグネシウム、0.1mM EDTA、5mM 5’−UTP・3Na、5mM N−アジドアセチル−D−グルコサミン、5mM 5’−ATP・3Na、20μMグルコース−1,6−二リン酸、3.7ユニット/mLグルコキナーゼ、2.5ユニット/mL GlcNAcリン酸ムターゼ、および1.1ユニット/mL UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼを含む溶液0.5mLを調製し、37℃で反応を行った。
反応途中の反応液を適当量採取し、5分間煮沸後遠心分離してその上清を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析に供した。分離にはYMC社製 Hydrosphere C18HS-302カラム(φ4.6×150mm)を用い、カラム温度は40℃で、溶出液としてアセトニトリルを2%(v/v)含む0.2Mトリエチルアミン−リン酸(pH6.0)を用いた。反応開始4時間後の反応液の分析を行った結果、4.3mMのウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートの合成が確認された(対N−アジドアセチル−D−グルコサミンモル収率86%)。
実施例6:乾燥酵母と酵素を用いたウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートの合成
400mMグルコース、100mM N−アジドアセチル−D−グルコサミン、100mM 5’−UMP、200mM リン酸カリウム(pH8.0)、10mM塩化マグネシウム、5%(w/v)乾燥パン酵母(オリエンタル酵母工業)、4.9ユニット/mLグルコキナーゼ、3.3ユニット/mL GlcNAcリン酸ムターゼ、および1.5ユニット/mL UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼを含む溶液5mLを調製し、撹拌しながら23℃で合成反応を実施した。反応開始16,24,40,48時間目に2Mのグルコース溶液を0.1mLずつ反応液に添加した。経時的に反応液の一部を採取し、HPLC分析を行った。ウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートの合成量は反応開始から経時的に増加し、反応64時間で54.6mMに達した(対N−アジドアセチル−D−グルコサミンモル収率54.6%)。

Claims (12)

  1. 下記式(I)で表されるアジド化アミノ糖ヌクレオチド。
    Figure 2005314382

    (I)
    (式中、Bは核酸塩基又はその誘導体を示す)
  2. Bがウラシル−1−イルである、請求項1記載の化合物。
  3. 糖供与体として請求項1記載のアジド化アミノ糖ヌクレオチドを用い、糖転移酵素により受容体糖にN−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル基又はN−アジドアセチル−α−D−ガラクトサミニル基を転移することを特徴とする、N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル基又はN−アジドアセチル−α−D−ガラクトサミニル基を含有するオリゴ糖の製造法。
  4. 請求項1記載のアジド化アミノ糖ヌクレオチド又はその誘導体を含有する糖転移酵素阻害剤。
  5. 誘導体が、下記式(II)で表されるヌクレオシド5’−[2−{1H−[1,2,3]−4−カルボキシ−トリアゾリル}アセトアミド−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル]ジホスフェート又は5’−[2−{1H−[1,2,3]−4−カルボキシ−トリアゾリル}アセトアミド−2−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル]ジホスフェートである、請求項3記載の阻害剤。

    Figure 2005314382


    (II)
    (式中、Bは核酸塩基又はその誘導体を示す)
  6. Bがウラシル−1−イルである、請求項5記載の阻害剤。
  7. ヌクレオシド5’−トリリン酸とN−アジドアセチルグルコサミン又はN−アジドアセチルガラクトサミンから下記式(I)で表されるアジド化アミノ糖ヌクレオチドを酵素的に製造するにあたり、酵素としてキナーゼ、ムターゼ及び糖ヌクレオチドピロホスホリラーゼから選ばれた2種以上の酵素を使用することを特徴とする、アジド化アミノ糖ヌクレオチドの酵素的製造法。
    Figure 2005314382

    (I)
    (式中、Bは核酸塩基又はその誘導体を示す)
  8. ウリジン5’−トリリン酸(UTP)とN−アジドアセチルグルコサミンを基質とし、グルコキナーゼ、N−アセチルグルコサミンリン酸ムターゼ及びウリジン5’−ジリン酸N−アセチルグルコサミンピロホスホリラーゼを酵素として用い、ウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートを合成する、請求項7記載の製造法。
  9. ウリジン5’−トリリン酸(UTP)とN−アジドアセチルガラクトサミンを基質とし、N−アセチルガラクトサミンキナーゼ及びウリジン5’−ジリン酸N−アセチルグルコサミンピロホスホリラーゼを酵素として用い、ウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−ガラクトサミニル)ジホスフェートを合成する、請求項7記載の製造法。
  10. ヌクレオシド5’−モノリン酸とN−アジドアセチルグルコサミン又はN−アジドアセチルガラクトサミンから下記式(I)で表されるアジド化アミノ糖ヌクレオチドを酵素的に製造するにあたり、各種酵素源として酵母菌体、添加酵素としてキナーゼ、ムターゼ及び糖ヌクレオチドピロホスホリラーゼから選ばれた1種以上の酵素を使用することを特徴とする、アジド化アミノ糖ヌクレオチドの酵素的製造法。
    Figure 2005314382
    (I)
    (式中、Bは核酸塩基又はその誘導体を示す)
  11. ウリジン5’−モノリン酸(UMP)とN−アジドアセチルグルコサミンを基質とし、グルコキナーゼ、N−アセチルグルコサミンリン酸ムターゼ、ウリジン5’−ジリン酸N−アセチルグルコサミンピロホスホリラーゼ及び酵母菌体を用い、ウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−グルコサミニル)ジホスフェートを合成する、請求項10記載の製造法。
  12. ウリジン5’−モノリン酸(UMP)とN−アジドアセチルガラクトサミンを基質とし、N−アセチルガラクトサミンキナーゼ、ウリジン5’−ジリン酸N−アセチルグルコサミンピロホスホリラーゼ及び酵母菌体を用い、ウリジン5’−(N−アジドアセチル−α−D−ガラクトサミニル)ジホスフェートを合成する、請求項10記載の製造法。




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