JP2005314151A - アンモニア合成装置およびアンモニア合成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水素を用いたアンモニア合成装置における水素原子透過膜の透過動作初期における透過効率の低さを改善し、動作開始の初期から安定したアンモニア合成量を確保する。
【解決手段】 アンモニアの合成を行う前の段階において、水素供給室121およびアンモニア反応室124の両方に水素ガスを充満させ、水素原子透過膜122に対する水素の吸蔵を強制的に行い、水素原子透過膜122を水素で飽和させる。その後に水素供給室121に水素ガスを、アンモニア反応室124に窒素ガスを供給し、触媒層123において、原子状水素と原子状窒素とを生成し、両者を反応させてアンモニアを合成する。このアンモニア合成反応開始時において、水素原子透過膜122が水素飽和状態にあるので、水素の透過効率の立ち上がりが良くなり、合成反応の開始直後から最大効率でのアンモニアの生成を行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 アンモニアの合成を行う前の段階において、水素供給室121およびアンモニア反応室124の両方に水素ガスを充満させ、水素原子透過膜122に対する水素の吸蔵を強制的に行い、水素原子透過膜122を水素で飽和させる。その後に水素供給室121に水素ガスを、アンモニア反応室124に窒素ガスを供給し、触媒層123において、原子状水素と原子状窒素とを生成し、両者を反応させてアンモニアを合成する。このアンモニア合成反応開始時において、水素原子透過膜122が水素飽和状態にあるので、水素の透過効率の立ち上がりが良くなり、合成反応の開始直後から最大効率でのアンモニアの生成を行うことができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、アンモニアを合成する技術に係り、特にアンモニアの合成効率を改善する技術に関する。
工業レベルにおいて大規模に行われているアンモニアの合成方法として、ハーバー法がある。ハーバー法は、窒素と水素とからアンモニアを合成するもので、鉄系の3元系触媒を用いて行われる。
この方法において、原料となる水素は、一般的にメタンの水蒸気改質により得ている。水蒸気改質により得たガス(水素ガス)には、アンモニアの合成反応を阻害する一酸化炭素(以下CO)、二酸化炭素(以下CO2)、残留水蒸気さらには硫黄成分等が含まれている。このため、シフト反応により水蒸気とCOとを反応させて水素を取り出すと同時にCOを減らす工程、さらには残留しているCO、CO2および水蒸気硫黄成分を吸着させて除去する工程、といった複雑な工程を必要としている。これら複雑な工程は、製造システムの複雑化や大規模化を招く要因となる。
また、ルテニウム系触媒を用いたアンモニア合成法が提案されている(例えば、関連する技術が開示された特許文献1を参照)。この方法は、ハーバー法よりもより低温・低圧な条件によりアンモニアを合成することができるという優位性がある。この方法においても原料として窒素と水素とが用いられ、また上述したような水素以外の成分を効果的に除去することが必要とされる。
一方アンモニアを利用して、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンからの排気ガス中に含まれる窒素酸化物を除去する技術が知られている。この技術は、エンジンの排気ガス中にアンモニア成分を含有する尿素水溶液等を注入することで、排気ガスの熱によりアンモニアガス、水蒸気および二酸化炭素を生成させ、このアンモニアガスを触媒として、窒素酸化物を水と窒素に還元するものである。ガソリンエンジンやディーゼルエンジンからの排気ガス中から、窒素酸化物を除去することは、環境保全の観点から極めて重要な技術であり、上述した技術の実用化が待ち望まれている。
しかしながら、上述したようなアンモニアの合成技術を利用したアンモニア合成装置を自動車に装備し、ガソリンエンジンからの排気ガスの浄化に利用するには、以下に述べるような改善すべき点があった。
自動車において水素を得る方法としては、ガソリン等の燃料を改質する方法が有望であるが、上述したように改質により得た生成ガスには、水素以外にアンモニアの合成反応を阻害する物質が含まれている。自動車に搭載可能な軽量小型な設備においては、上述したような水素以外の物質を反応や吸着によって多段階の工程を経て除去する方法は、装置の大規模化を招くので好ましくない。
不純物を除去し、純度の高い水素を得る方法として、水素原子透過膜を用いる方法がある。しかしながら、水素原子透過膜は、原料ガスを供給し、水素の透過作用を開始し始めてから、水素の透過効率が高くなるまでに時間を要するという問題があった。このため、始動開始時における水素の供給量が制限され、それ故始動開始時におけるアンモニアの合成効率が低く、ある程度時間が経過しないと、所定の生産量が得られない特性となってしまう。
この水素原子透過膜における水素の透過効率が初期に低いという問題は、以下のような理由により発生する。すなわち、水素原子透過膜を水素が透過する際には、まず接触した原料ガス中の水素分子が水素原子として膜内に貯蔵され、そして、ある程度水素原子の貯蔵が進み、飽和状態になった段階で膜の両面間の差圧によって貯蔵された水素原子が原料ガスの接触面とは反対側の面から膜外に放出され、水素分子に戻る。このようなメカニズムを経るので、同一条件下においては、初期には水素透過量が少なく、徐々に水素透過量が増加してゆき、ある程度の時間が経過した段階で透過量が安定する。
アンモニア合成装置を搭載した自動車においては、エンジンの始動開始から安定したアンモニアの製造が要求される。したがって、上述した水素原子透過膜の透過量が初期に安定しない現象は好ましくない。
また、アンモニア合成装置においては、アンモニア合成量を制御するために、水素原子透過膜における水素原子の透過量を制御する技術が必要とされる。しかしながら、上述した水素の透過量が安定しない段階においては、応答性よく水素の透過量を制御することが困難であった。
本発明は、水素を用いたアンモニア合成装置における水素原子透過膜の透過動作初期における透過効率の低さを改善し、動作開始の初期から安定したアンモニア合成量を確保する技術を提供することを目的とする。また、水素原子透過膜を透過する水素の量を動作開始の初期から安定させることで、動作開始の初期からアンモニアの合成量を応答性よく制御することができる技術を提供することを目的とする。
本発明のアンモニア合成装置は、水素を含む水素含有ガスが供給される水素供給室と、窒素を含む窒素含有ガスが供給されるアンモニア反応室と、前記水素供給室と前記アンモニア反応室との間に設けられた触媒と、前記水素供給室と前記触媒との間に設けられた水素原子透過膜と、前記アンモニア反応室に水素を含む水素含有ガスを供給する水素供給手段とを備えていることを特徴とする。
上記発明によれば、窒素が供給されるアンモニア反応室に水素を含む水素含有ガスを供給できるようすることで、アンモニア合成動作の前段階において、水素供給室およびアンモニア反応室に水素を供給し、水素原子透過膜を強制的に水素原子で飽和させることができる。こうすることで、アンモニアの合成動作を開始した時点から水素原子透過膜の水素の透過効率を最大限発揮させることができ、アンモニアの合成効率の立ち上がりを鋭くすることができる。つまり、アンモニアの合成処理の開始時から能力一杯の合成量を確保することができる。
また、水素原子透過膜における水素透過量を合成開始処理の初期から安定させることができるので、アンモニアの合成開始直後から触媒への水素供給量の制御を精密に行うことができる。このため、アンモニアの合成開始直後から水素の供給量の制御による応答性のよいアンモニア合成量の調整を行うことができる。
上記の発明において、水素を含む水素含有ガスには、高純度の水素ガス、水素を主成分とし、さらにその他の成分を含むガスが挙げられる。また、窒素を含む窒素含有ガスには、高純度の窒素ガス、窒素を主成分とし、さらにその他の成分を含むガスが挙げられる。なお、その他の成分としては、例えばアルゴンやヘリウム等の不活性ガスが挙げられるが、酸素等の活性ガスは好ましくない。
本発明のアンモニア合成装置において、アンモニアの合成を行う前の段階において、水素供給室および前記アンモニア反応室に水素を含む水素含有ガスを供給する合成前水素供給手段を備えることは好ましい。この態様においては、アンモニアの合成を開始する前の段階において、水素原子透過膜に水素を十分に吸蔵させ、もうこれ以上水素を吸蔵しない飽和段階に到達させ、その後にアンモニアの合成を行う。この態様によれば、アンモニアの合成開始時点から水素透過膜における水素の透過効率を高くすることができるので、アンモニア合成効率の立ち上がりを改善することができる。つまり、従来技術における合成開始時の合成効率の低さを改善し、合成開始直後から高い合成効率を発揮させることができる。
なお、水素原子透過膜における水素の吸蔵とは、水素原子透過膜中に水素が水素原子として貯蔵されることをいう。
本発明のアンモニア合成装置において、合成前水素供給手段による水素の供給は、アンモニアを合成する時に供給する圧力より高い圧力で行うことは好ましい。この態様によれば、アンモニア合成処理の水素の吸蔵処理における水素の吸蔵速度を速くすることができ、飽和に至るまでの時間を短縮することができる。これにより、装置の起動からアンモニアの合成開始までの準備時間を短縮することができる。
本発明のアンモニア合成装置において、水素供給室およびアンモニア反応室を密閉する密閉手段をさらに備え、アンモニアの合成を停止した後において、水素供給室および前記アンモニア反応室に水素を含む水素含有ガスを供給し、ついで密閉手段により水素供給室およびアンモニア反応室を密閉状態にする構成とすることは好ましい。
この態様によれば、アンモニアの合成動作を終了させ、装置を停止させた後においても、水素原子透過膜の両面に水素が存在する状態が実現される。そして水素原子透過膜が水素で満たされ、水素の吸蔵が飽和した状態を維持することができる。これにより、次にアンモニアの合成を開始する際に水素原子透過膜の水素透過能力を最初から最大限発揮させることができ、アンモニアの合成効率の立ち上がりを良好にすることができる。
本発明のアンモニア合成装置において、水素供給室に窒素を含む窒素含有ガスを供給する窒素供給手段と、水素供給室内の水素を検出する水素検出手段とをさらに備え、水素供給室に窒素を含む窒素含有ガスを供給すると共にアンモニア反応室に水素を含む水素含有ガスを供給し、その際に水素検出手段によって水素原子透過膜から前記水素供給室内に放出された水素を検出する構成とすることは好ましい。
さらにこの態様において、水素原子透過膜からの水素の放出量が安定状態にない場合に水素供給室およびアンモニア反応室に水素を含む水素含有ガスを供給し、水素原子透過膜への水素の吸蔵処理を行う構成とすることは好ましい。
この態様によれば、水素原子透過膜からの水素の放出量が安定状態にある否かを判断することで、水素原子透過膜が水素を十分に吸蔵し、飽和状態にあるか否かを判断する。そして、吸蔵が十分ではなく水素の飽和状態にないと判断された場合に、水素の吸蔵処理を再び行う。こうすることで、利用するガスの純度の違い、動作環境の違い、水素原子透過膜の変質状態の違い等があっても、水素原子透過膜への水素の吸蔵を適切に徹底して行うことができ、確実に水素原子透過膜が水素で飽和した状態を得ることができる。そして、アンモニアの合成動作の鋭い立ち上がりを安定性よく得ることができる。
水素原子透過膜からの水素の放出量が安定状態にあるか否かを判断する手法としては、放出量の時間的な変化を検知する方法が挙げられる。すなわち、水素の吸蔵処理の後に、水素供給室に窒素を、アンモニア反応室に水素を供給すると、水素原子透過膜中に吸蔵されていた水素がアンモニア反応室に供給された水素によって押し出されて水素供給室に放出される。この際、水素供給室には窒素が供給されているので、水素供給室における窒素雰囲気中の水素濃度を検出することで、水素原子透過膜中から放出された水素の量を知ることができる。
仮に吸蔵処理の段階で水素原子透過膜が水素で飽和しているとすると、窒素が供給されている上記水素供給室内への水素原子透過膜からの水素の放出量は一定であり、時間的に変化しない。他方で、水素原子透過膜が水素で飽和していない場合、アンモニア反応室に供給された水素の水素原子透過膜への吸蔵作用が発生し、吸蔵が進むに従って水素供給室への水素の放出量に変化が発生する。すなわちこの場合、アンモニア反応室側から供給される水素の水素原子透過膜への吸蔵が発生するので、初期には水素供給室への水素の放出は少なく、吸蔵が進むにつれ徐々に水素供給室への水素の放出量が多くなる傾向が現れる。つまり、窒素が供給されている水素供給室内への水素原子透過膜からの水素の放出量は時間的に増加傾向を示す。
したがって、窒素が供給されている水素供給室内への水素原子透過膜からの水素放出量の時間的な変化が所定の値以下であるか否かを判断することで、水素原子透過膜が水素を十分に吸蔵し、水素によって飽和しているか否かを判断することができる。つまり、水素放出量が安定していれば、飽和状態にあると判断し、水素放出量が安定していなかれば飽和状態に達していないと判断することができる。
そして、水素の吸蔵が十分に進んでおらず、いまだ許容できるレベルに達していない旨が判断された場合に、再度水素供給室およびアンモニア反応室に水素を供給し、水素原子透過膜への水素の吸蔵処理を行う。こうすることで、水素原子透過膜を水素で飽和させ、それによりアンモニア合成動作の開始時における合成効率の立ち上がりを改善することができる。
水素原子透過膜からの水素の放出量が安定状態にあるか否かを判断する手法としては、放出量が所定の値に達したか否かを判定する方法が挙げられる。水素の吸蔵処理の後に、水素供給室に窒素を、アンモニア反応室に水素を供給すると、上述したように水素原子透過膜から水素供給室側に水素が放出されるが、水素飽和状態においてこの放出量は安定し、一定な値となる。この値は実験的に求めることができるので、水素の放出量が飽和状態と判断される所定の値に達していれば、飽和状態、達していなければ非飽和状態と判断することができる。
本発明は、上述したアンモニア合成装置の各機能を実行するアンモニアの合成方法とし把握することもできる。すなわち、本発明は、水素原子透過膜の両面に水素を含む水素含有ガスを供給し、前記水素原子透過膜に水素を吸蔵させる水素吸蔵処理ステップと、水素で飽和された前記水素原子透過膜を介して触媒層に水素を供給するとともに前記触媒層に窒素を供給し、アンモニアを合成するアンモニア合成ステップとを備えることを特徴とするアンモニア合成方法として把握することも可能である。
上記アンモニアの合成方法において、水素吸蔵処理ステップにおける水素を含む水素含有ガスの供給は、アンモニアを合成する時に供給する圧力より高い圧力で行われることは好ましい。
上記アンモニアの合成方法の水素吸蔵処理ステップの後において、水素原子透過膜の一方の面に水素を供給し、同時に他方の面に窒素を供給し、この他方の面から放出される水素を検出するステップと、検出された水素量が安定状態にある場合に水素吸蔵処理ステップを再度実行するステップとをさらに備えることは好ましい。
また上記アンモニアの合成方法において、アンモニア合成ステップを停止するステップと、水素原子透過膜の両面に水素を供給し、水素原子透過膜を水素で満たされた状態にするステップと、水素原子透過膜が水素で満たされた状態を維持するステップとをさらに備えることは好ましい。
また本発明は、触媒層に窒素と水素原子透過膜を介して水素とを供給し、アンモニアを合成する装置であって、水素原子透過膜の両面に水素を供給し、水素原子透過膜に水素を吸蔵させる水素吸蔵処理手段と、水素原子透過膜を介して触媒層の一方の面に水素を供給するとともに触媒層の他方の面に窒素を供給し、アンモニアを合成するアンモニア合成手段とを備えることを特徴とするアンモニア合成装置として把握することも可能である。
本発明によれば、触媒層に水素原子透過膜を介して水素を供給する構成を有するアンモニア合成装置において、アンモニアの合成に先立って、水素原子透過膜の両面に意図的に水素のみを供給し、それにより水素原子透過膜への水素の吸蔵を強制的に行い、水素原子透過膜が水素で飽和した状態を得、その後にアンモニアの合成を開始する。こうすることで、水素を用いたアンモニア合成装置における水素原子透過膜の動作開始初期における透過効率の低さが改善され、動作開始の初期から安定したアンモニア合成量を確保することができる。また、水素原子透過膜を透過可能な水素の量を動作開始の初期から安定させることができるので、水素原子透過膜に供給する水素の供給量を制御することで、動作開始の初期からアンモニアの合成量を応答性よく制御することができる。
(実施形態の構成の概略)
以下、本発明を利用したアンモニア合成装置の一例を説明する。図1は、アンモニア合成装置一例を示す概念図である。図1に示すアンモニア合成装置100は、水素源101、窒素源102、水素流量調整装置103、水素流量調整装置104、窒素流量調整装置105、窒素流量調整装置106、アンモニア合成容器107、水素検出センサ108、アンモニア検出センサ109、流量調整装置110、流量調整装置111、排出管112、排出管113およびECU(エレクトリック・コントロール・ユニット)114を備えている。
以下、本発明を利用したアンモニア合成装置の一例を説明する。図1は、アンモニア合成装置一例を示す概念図である。図1に示すアンモニア合成装置100は、水素源101、窒素源102、水素流量調整装置103、水素流量調整装置104、窒素流量調整装置105、窒素流量調整装置106、アンモニア合成容器107、水素検出センサ108、アンモニア検出センサ109、流量調整装置110、流量調整装置111、排出管112、排出管113およびECU(エレクトリック・コントロール・ユニット)114を備えている。
水素源101は、たとえばガソリンの改質による水素製造手段が採用さえる。水素源101としては、メタン等の炭化水素材料やエタノール等のアルコール類の改質による水素製造手段、電気分解による水素製造手段、水素貯蔵合金を用いた水素貯蔵手段、あるいは高圧水素タンク等を利用することができる。
窒素源102は、たとえば窒素透過膜を用いて空気中から窒素を分離する窒素分離手段が採用される。窒素源102としては、窒素ガス貯蔵容器等を用いても良い。
水素流量調整装置103、水素流量調整装置104、窒素流量調整装置105、窒素流量調整装置106、流量調整装置110および流量調整装置111は、例えば公知のマスフローコントローラが採用される。
アンモニア合成容器107は、水素ガスと窒素ガスとを原料としてアンモニアガスを合成する容器である。アンモニア合成容器107は、水素ガスが供給される水素供給室121、水素供給室121に供給された水素ガスに含まれる不純物を触媒層123に供給しないようにするために水素を選択的に透過する水素原子透過膜122、水素と窒素とを解離吸着させ、アンモニアを合成するための触媒層123、窒素ガスが供給され且つ触媒層123で得られたアンモニアガスが放出されるアンモニア反応室124、水素原子透過膜122および触媒層123の温度を検出する温度センサ125、および水素原子透過膜122と触媒層123とを加熱するヒータ126を備えている。
排出管112からは、未反応の水素ガスとその他不純物成分が排出される、排出管113からは、未反応の窒素ガス、合成されたアンモニアガスおよびその他不純物成分が排出される。
ECU(エレクトリック・コントロール・ユニット)114は、アンモニア合成装置100全体を制御する制御ユニットであり、後述する動作手順を実行する機能を有する。ECU114は、CPU、メモリ、各種インターフェース回路およびタイマ回路を備えている。
水素原子透過膜122としては、例えばパラジウム(Pd)、パラジウム(Pd)と銀(Ag)との合金、パラジウム(Pd)と銅(Cu)との合金等で構成された薄板を採用することができる。また、触媒層123としては、多孔質材料に白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、ウラン(U)、セリウム(Ce)、レニウム(Re)等から選ばれた一種または複数種類のものを担持させた構造のものを採用することができる。
(実施形態の動作)
1.合成開始前の処理
以下、図1に示すアンモニア合成装置100の始動動作の一例を説明する。図2は、アンモニア合成装置において、アンモニア合成処理を行う前の段階に行われる始動動作手順の一例を示すフローチャートである。
1.合成開始前の処理
以下、図1に示すアンモニア合成装置100の始動動作の一例を説明する。図2は、アンモニア合成装置において、アンモニア合成処理を行う前の段階に行われる始動動作手順の一例を示すフローチャートである。
まず、水素流量調整装置103、水素流量調整装置104、窒素流量調整装置105、窒素流量調整装置106、流量調整装置110および流量調整装置111を全て閉鎖状態とする。この状態から、装置が始動されると(ステップS201)、ヒータ126に通電が行われ、水素原子透過膜122および触媒層123の加熱が行われる(ステップS202)。この際、水素原子透過膜122および触媒層123は、例えば150℃に加熱される。
水素原子透過膜122および触媒層123が150℃の温度に達したら、タイマ1を始動(ステップS203)し、予め決められたタイマ1の時間経過のカウントを開始する。また、ステップS203の処理開始に合わせて、水素流量調整装置103および104を開放、窒素流量調整装置105および106を閉鎖、流量調整装置110および111を開放とし、水素供給室121およびアンモニア反応室124の両方に水素源から水素ガスを流す。この際、水素反応室121とアンモニア反応室124における圧力が同じになるように、ECU114によって各流量調整装置における通過流量が制御される。この状態で水素原子透過膜122に対する水素の吸蔵処理が開始される(ステップS204)。
なおこの際、水素で満たされる水素供給室121およびアンモニア反応室124の圧力は、後のアンモニアの合成時における圧力(たとえばほぼ大気圧)よりも大きな値に設定する。こうすることで、水素原子透過膜122に対する水素の吸蔵効率を高め、飽和に至るまでの時間を短縮させることができる。
ステップS204において行われる水素の吸蔵処理というのは、水素供給室121およびアンモニア反応室124の両方に水素ガスを供給し、水素原子透過膜122にその両面から強制的に水素を吸収させて飽和させるための処理のことをいう。
水素の吸蔵処理(ステップS204)を開始したら、ステップS203においてカウントを開始したタイマ1のカウントを読み、所定の時間1が経過したか、を判断する(ステップS205)。所定の時間1が経過していれば、ステップS206に進み、そうでなければステップS205の判断を繰り返す。
ステップS206においては、水素供給室121およびアンモニア反応室124に水素ガスが供給されている状態から、ガスの供給経路を切り替え、水素供給室121に窒素ガスを供給し、アンモニア反応室124に水素ガスを供給する状態への切り替え操作が行われる。
すなわち水素流量調整装置103を閉鎖、水素流量調整装置104を開放、窒素流量調整装置105を開放、窒素流量調整装置106を閉鎖、流量調整装置110および111を開放とする。こうすることで、水素供給室121に窒素源102から窒素ガスが供給され、アンモニア反応室124に水素源101から水素ガスが供給される。
上記流量調整装置の切り替えを行い、水素供給室121内の水素成分が窒素ガスによって十分にパージされた段階で水素検出センサ108によって水素供給室121から排出されたガス(主成分は窒素源102から供給される窒素ガス)中における水素濃度を検出する。この水素濃度を検出することで、水素原子透過膜122からの水素の放出量の計測が行われる(ステップS207)。
ステップS207においては、以下のような理由により水素原子透過膜122からの水素放出量の計測が行われる。すなわちこの段階においては、水素供給室121には、窒素源102から窒素ガスが供給され、水素源101からの水素ガスの供給は絶たれているので、水素検出センサ108によって検出される水素は、水素原子透過膜122に吸蔵されていた状態から水素供給室121に放出されたものとなる。したがって、排出管112中を流れるガス中の水素濃度を水素検出センサ108によって検出することで、水素原子透過膜122からの水素の放出量を知ることができる。
ステップS207の処理を実行するのと同時にタイマ2を始動させ、設定された時間のカウントを開始する(ステップS208)。次にタイマ2によるカウント開始から、設定された所定の時間2が経過したか、を判断し(ステップS209)、所定の時間が経過していればステップS210に進み、そうでなければステップS209の判断を繰り返す。
ステップS210においては、再度ステップS207における処理と同様に水素センサ108を用いた水素原子透過膜122からの水素供給室121への水素放出量が計測される。つまり、ステップS207における計測からタイマ2によって設定された所定時間の経過後に再度水素原子透過膜122からの水素放出量の計測(ステップS210)が行われる。
次にステップS207において計測された値とステップS210において計測された値とを比較し、水素原子透過膜122からの水素放出量の差(計測1と計測2との差)が第1の許容値以下か、が判断される(ステップS211)。ステップS211においては、例えば計測1と計測2との間の差が20%以下であるか否か、が判断される。ステップS211における判断により、水素原子透過膜122における水素の吸蔵状態が判断される。
たとえば、仮にステップS206の段階において、水素原子透過膜122における水素の吸蔵が飽和状態にあるとする。この場合、ステップS207における計測値とステップS210における計測値との差は、理想的にはゼロになる。なぜなら、理想的な状態を考えた場合、水素原子透過膜122への水素の吸蔵が飽和している状態は、アンモニア反応室124側から供給される分だけの水素が水素原子透過膜122から水素供給室121側に押し出される形になるので、水素検出センサ108において検出される水素の量は時間的に変化しないからである。
一方、ステップS206の段階において、水素原子透過膜122における水素の吸蔵が飽和状態になく、いまだ水素を吸蔵する能力がある状態である場合、ステップS207における計測値とステップS210における計測値との間に差が発生する。なぜなら、吸蔵が飽和状態にある場合と異なり、この場合はステップS207の段階においても吸蔵が行われ、その後所定の時間が経過した後のステップS210においては吸蔵がある程度進むので、その段階における吸蔵率は低下し、時間が経過するにしたがい水素の放出量が増大し、それ故にステップS207における計測値に比較して、ステップS210における計測値が大きくなるからである。
この点についてより詳細な説明を加える。図4は、特に水素の飽和処理を施していない水素原子透過膜における水素ガスの透過量の時間変化を示す線図である。図4に示すように時間経過にしたがって水素の透過量が増大し、ある程度の時間が経過した段階で水素の透過量が一定になる。これは、水素の吸蔵が飽和する段階までは水素の透過量が増大してゆき、水素の吸蔵が飽和した段階において水素の透過量が一定になることを意味している。したがって、ステップS211の判断がNOである場合、それは水素の吸蔵が飽和しておらず、吸蔵が進行している状態であることを意味する。
ステップS206〜ステップS211の処理は、水素原子透過膜122からの水素放出の状態が安定状態になっているか否かを検出する処理手順の一形態である。すなわちこの例では、水素放出量の時間経過に対する変化量を検出し、その変化量が所定の値以下あれば、水素原子透過膜122からの水素の放出量がある程度安定した状態にあり、それは水素原子透過膜122が許容される飽和レベルに達していると判断し、そうでない場合、つまり水素の放出量が安定していない場合は、いまだ水素の飽和レベルに達していないと判断している。
ステップS211における判断がYESである場合、それは水素原子透過膜122が許容できる範囲の飽和状態にあるものと判断されるので、タイマ1をリセットし(ステップS212)、アンモニアの合成を開始する(ステップS213)。
ステップS213においては、水素流量調整装置103を開放、水素流量調整装置104を閉鎖、窒素流量調整装置105を開放、窒素流量調整装置106を開放、流量調整装置110を開放そして流量調整装置111を開放にし、水素供給室121に水素ガスと窒素ガスとを供給し、アンモニア反応室124に窒素源102から窒素ガスを供給する。こうして、触媒層123において窒素と水素とを反応させアンモニアを合成する。合成されたアンモニアは、アンモニア反応室124に放出され、未反応の窒素ガスの流れによって排出管113に流れ、回収される。なお、水素供給室121には、水素ガスのみを供給してもよい。
上述したアンモニアの合成においては、水素供給室に供給する水素と窒素の混合ガス中における水素ガス分圧を調整することで、水素原子透過膜122を透過し触媒層123に供給される水素の量を調整する。
ステップS211の判断がNOである場合、ステップS214に進みステップS211と同様な判断をより緩やかな判断基準でもって行う。例えば、ステップS211における判断基準として、計測1と計測2との間の差が20%以下であるか、を採用した場合、ステップS214における判断基準として、計測1と計測2との間の差が40%以下であるか、を採用する。
ステップS214における判断がYESであれば、ステップS207以下を再度実行し、そうでなければステップS215に進む。ステップS215においては、タイマ1のカウント時間を再吸蔵処理に適した値に設定し直す(ステップS215)。
ステップS214以下の処理には、以下の意味がある。すなわち、ステップS214における判断がYESである場合、それはある程度飽和点に近い段階に吸蔵が進行していると判断されるので、ステップS207の前段階に戻り、アンモニア反応室124側からの水素の供給による吸蔵処理による手当てを行う。
また、ステップS214における判断がNOである場合、それは飽和点に遠い段階にあると判断されるので、ステップS204の吸蔵処理を再度行う。なおこの際、足りないとはいえ、ある程度の吸蔵は進んでいるはずであるから、ステップS203において設定されるタイマ1のカウント時間より短いカウント時間がステップS215において設定される。
以上説明した処理手順によれば、図1に例示するアンモニア合成装置におけるアンモニア合成処理を開始する前の段階において、水素供給室121およびアンモニア反応室124の両方に水素を供給し、強制的に水素原子透過膜122に水素の吸蔵を行わせる。また、水素の吸蔵状態が飽和レベルにあるか否かを判断する処理を行い、その判断結果に基づいて、できるだけ短時間で効率的に飽和状態に持ってゆく処理が施される。こうすることで、アンモニアの合成処理の開始直後から、最大効率でのアンモニアの合成処理を行うことができる。
仮に図2に示す処理手順を経ずに、水素供給室121に水素ガスを供給し、アンモニア反応室124に窒素ガスを供給して、アンモニアの合成を行った場合、水素供給室121側のみから供給される水素による水素原子透過膜122における水素原子の吸蔵作用が飽和するまで、アンモニアの合成効率が徐々に大きくなる状態となる。この場合、水素原子透過膜122に対する水素の供給が水素供給室121側のみからとなるので、水素の吸蔵飽和に時間を要することになり、アンモニア合成開始初期における装置の立ち上がり特性が図2に示す処理を実行した場合に比較して低くなる。
水素原子透過膜122における水素原子の吸蔵飽和に至る時間は、水素源101から供給される水素ガスの水素純度、環境温度、装置全体の汚染や劣化状態(例えば使用時間が長くなれば、装置各部の汚染や性能劣化は増加する)による影響を受ける。本発明では、図2に例示するように水素原子透過膜における水素原子の吸蔵飽和状態を判定し、吸蔵状態に合わせた再吸蔵処理を行うので、上記環境温度や装置の汚染等に起因する影響があっても、できるだけ短時間の処理でアンモニア合成開始時から最大合成効率を発揮させることができる。
また、図2に示す一連の処理手順を実行することで、アンモニアの合成開始時点から水素原子透過膜122の水素透過能力を安定させることができるので、水素流量調整装置103による水素流量の制御によるアンモニアの合成量の制御を制御性よく、また応答性良く行うことができる。
図2に示す処理手順における水素原子透過膜122の水素の放出が安定状態にあるか否かを判断する処理手順として、水素供給室121側における水素原子透過膜122から放出される水素の量(放出量)の値を計測し、その値が所定のレベルに達したか否かを判断してもよい。水素原子透過膜122が水素を十分に吸蔵し、飽和状態になっていれば、アンモニア反応室124に水素ガスを供給し、水素供給室121に窒素ガスを供給した状態における水素原子透過膜122から水素供給室121に放出される水素の放出量は所定の値で安定する。この所定の値を予め調べておき、その値(またはその値に近い許容できる値)に達したか否かを判断することで、水素原子透過膜122の水素飽和状態を検知することができる。
2.合成終了時の処理
次にアンモニアの合成処理を終了させる際に行われる運転停止処理の動作手順の一例を説明する。図3は、運転停止処理の動作手順の一例を説明するフローチャートである。
次にアンモニアの合成処理を終了させる際に行われる運転停止処理の動作手順の一例を説明する。図3は、運転停止処理の動作手順の一例を説明するフローチャートである。
アンモニア合成装置を停止させるための停止信号をECU114が受信したら、運転停止処理を開始する(ステップS301)。まずヒータ126への通電が停止され、水素原子透過膜122の冷却を開始する(ステップS302)。この段階では、水素供給室121に水素ガスが供給され、アンモニア反応室124に窒素ガスが供給されているので、水素原子透過膜122は空冷される。
水素原子透過膜122が所定の温度に冷却された段階で、水素供給室121およびアンモニア反応室124を水素ガスで充満させる水素充満処理を行う(ステップS303)。ステップS303の水素充満処理は、水素流量調整装置103と104を開放、窒素流量調整装置105と106を閉鎖、流量調整装置108と109を開放することで行われる。
この処理により、アンモニア反応室124内の窒素ガスが水素源101から水素流量調整装置104を介して供給される水素ガスによってパージされ、アンモニア反応室124内が水素ガスによって満たされる。これにより、水素原子透過膜122が水素雰囲気中におかれた状態が得られ、水素原子透過幕122の水素飽和状態が維持される環境が実現される。
ステップS303の後、アンモニア検出センサ109によって排出管113内を流れるガス中に含まれるアンモニアの濃度を検出する(ステップS304)。次にステップS304において検出したアンモニア濃度が許容値以下か、を判断し(ステップS305)、アンモニア濃度が許容値以下であれば、全ての流量調整装置を閉鎖し、アンモニア合成容器107を密閉状態とする(ステップS306)。そしてアンモニア合成装置としての運転を停止する(ステップS307)。排出管113内を流れるガス中に含まれるアンモニアの濃度が所定の濃度を超えている場合、ステップS305からステップS304の前段階に戻り、再度ステップS304を実行する。
図3に示す処理手順を実行することで、運転の停止後において水素供給室121およびアンモニア反応室124が水素ガスによって満たされ、それにより水素原子透過膜122の水素の吸蔵状態を飽和状態に維持するような環境が設定される。そのため、運転の停止後に合成処理を再始動させる場合、水素原子透過膜122における水素の吸蔵状態が高められているので、初期から高い合成効率を得ることができる。
このようなアンモニア合成処理運転の停止時における工夫は、自動車やトラックのように状況によっては頻繁にエンジンを停止、あるいはシステム全体を停止するような動作が行われるシステムにアンモニア合成装置を組み込んだ場合に有用となる。
(タイマの設定時間について)
以下、図2のステップS203、ステップS208およびステップS215において設定されるタイマのカウント時間の決め方の一例について説明する。
以下、図2のステップS203、ステップS208およびステップS215において設定されるタイマのカウント時間の決め方の一例について説明する。
図4は、特に水素の飽和処理を施していない水素原子透過膜に対して、一方の面に一定量・一定温度の水素ガスを供給した場合における水素ガスの透過量の時間変化を示す線図である。
図4に示されるように、時間経過と共に水素の吸蔵が進行するので、水素の透過量は多くなり、ある段階で水素透過量が一定となる。水素透過量が一定となるのは、時間経過と共に水素原子透過膜中に水素原子が捕捉されてゆき、ある段階でその捕捉量が飽和状態(吸蔵の飽和状態)になるからである。なお、ここで水素の透過量は、例えば単位面積を単位時間に透過する水素の量によって表される。
図2のステップS203におけるタイマ1のセット時間(設定するカウント時間)は、水素透過量が飽和する時間付近から選択することが好ましい。なお、図4に示す線図は、供給する水素ガスの温度や水素原子透過膜の温度によって変わるので、タイマ1のセット時間は、使用条件に合わせて実験的に最適な値を求める必要がある。
図2のステップS208におけるタイマ2のセット時間は、タイマ1のセット時間に比較して短くてよい。これは、タイマ2のセット時間は、水素透過量に時間的な変化があるかを確認するために時間であるからである。タイマ2のセット時間は、例えばタイマ1のセット時間の5〜10%程度を目安に設定すればよい。
図2のステップS215における処理は、タイマ1のセット時間をより短い時間にセットし直す処理である。ステップS215が実行されるのは、既に水素原子透過膜に対する水素の吸蔵処理が施されているが、それが十分ではなく、さらに水素の吸蔵処理が必要であると判断される場合である。この場合、ある程度の吸蔵が行われているので、初期設定されているタイマ1の設定時間では長すぎ、飽和に達した後もステップS204の処理が行われてしまう可能性が高くなる。このことは、アンモニアの合成開始までの前処理時間が長くなる要因となるので好ましくない。
そこで、ステップS215において、タイマ1のカウント時間の設定をより短い時間に書き換え、最短でアンモニアの合成を開始できるようにする。こうすることで、より短時間でのアンモニア合成処理の開始と、アンモニア合成処理開始後における合成効率の素早い立ち上がりとを両立することができる。
ステップ215において書き換えられるタイマ1のカウント時間の設定値は、初期設定されているタイマ1の30〜50%を目安に決めればよい。
(水素原子透過膜を飽和させる利点)
以下、水素原子透過膜における水素の吸蔵状態をできるだけ早く飽和させる利点について説明する。図5は水素原子透過膜が水素で飽和している状態における水素ガスの供給面側と排出面側との間における差圧(横軸)と水素の透過量(縦軸)との関係を示す線図である。
以下、水素原子透過膜における水素の吸蔵状態をできるだけ早く飽和させる利点について説明する。図5は水素原子透過膜が水素で飽和している状態における水素ガスの供給面側と排出面側との間における差圧(横軸)と水素の透過量(縦軸)との関係を示す線図である。
水素原子透過膜は、水素原子によって飽和すると、図5に示されるように、水素ガスの差圧に対してリニアに水素透過量が変化する。一方、触媒層への水素の供給量を制御することで、アンモニアの合成量を制御することができるから、上記水素分圧差の調整により、アンモニア合成量を精度良く制御することができることになる。このように、水素原子透過膜をできるだけ早い段階で水素によって飽和させておくことで、アンモニア合成反応の開始直後からアンモニア合成量の生成量を高い精度で制御することができる。
なお、水素原子透過膜における水素吸蔵の飽和前の段階は、水素透過量が時間経過にしたがって変化するので、アンモニア合成量を精度良く調整することは困難となる。したがって、本発明のアンモニア合成前における水素原子透過膜に対する強制水素飽和処理を行わない場合、水素の吸蔵が飽和するまで、アンモニアの生成量を調整することが困難となる不便さがある。
また、水素原子透過膜を水素で強制的に飽和させる他の利点は、温度変化によるアンモニア合成量への影響を低減できる点にある。以下の点に関して説明を加える。
図6は、水素の飽和前段階における水素原子透過膜の水素透過量、温度および経過時間の関係を示す線図である。図6には、線601で示される温度変化と、この温度変化に応答して変化する水素透過量(水素原子透過膜を透過する水素量)の変化(線602)とが示されている。
図6には、線601で示される一定時間経過毎に所定の幅で温度を下げて行く温度制御を行った際における水素透過量の変化が線602で示されている。なお、温度制御は、供給する水素ガスの温度を制御することで行った。
図6に示されるように、温度が一定であると、水素透過量は時間経過に従って徐々に増加してゆく。しかしながら、温度が下がると、水素透過量は大きく低下し、また温度一定状態において水素透過量が増加してゆく。また時間が経過するにしたがって、水素透過量の増加率は小さく増加に飽和傾向が現れる。これは、水素原子透過膜に吸蔵された水素量が飽和状態に近づくためである。
図6を見れば理解されるように、水素原子透過膜における水素の吸蔵状態が飽和する前の段階においては、水素透過量は温度の影響を非常に強く受ける。このことは、温度変化の激しい環境におけるアンモニアの合成においては、水素透過量が安定しない要因となる。また、一定温度においても、水素透過量が安定しないため、透過量の制御ができない。
他方で、以下に説明するように水素原子透過膜中における水素原子の吸蔵状態が飽和している場合、水素透過量はそれ程温度変化の影響を受けない。図7に示すのは、水素の飽和段階における水素原子透過膜の水素透過量、温度および経過時間の関係を示す線図である。
図7には、線701で示されるように供給する水素ガスの温度を変化させた場合に、線702で示されるような水素透過量の変化が観察されたデータが示されている。図7から読み取ることができるように、水素原子透過膜中における水素原子の吸蔵状態が飽和状態であると、温度が大きく変化しても水素原子透過膜の水素透過能力がそれ程変化しない。
このことは、温度変化の大きい環境で使用されるアンモニア合成装置において、温度変化にあまり影響されずに、アンモニアの合成量を安定して確保することができることを意味する。このように水素原子透過膜をできるだけ早い段階において水素で飽和させておくことで、温度変化の影響を受けにくいアンモニアの合成を行うことができる。また、この飽和状態においては、一定温度において、水素透過量が安定しているため、水素透過量の制御が容易となる。
(実施形態の優位性)
以上述べたように、本実施形態においては、まずアンモニアの合成を行う前の段階において、水素供給室121およびアンモニア反応室124の両方に水素ガスを充満させ、水素原子透過膜122に対する水素の吸蔵を強制的に行い、水素原子透過膜122を水素で飽和させる。そして、その後に水素供給室121に水素ガスを、アンモニア反応室124に窒素ガスを供給し、触媒層において、原子状水素と原子状窒素とを生成し、両者を反応させてアンモニアを合成する。この際、このアンモニア合成反応開始時において、水素原子透過膜122が水素飽和状態にあるので、水素の透過量の立ち上がりが良く、合成反応の開始直後から最大効率でのアンモニアの生成を行うことができる。
以上述べたように、本実施形態においては、まずアンモニアの合成を行う前の段階において、水素供給室121およびアンモニア反応室124の両方に水素ガスを充満させ、水素原子透過膜122に対する水素の吸蔵を強制的に行い、水素原子透過膜122を水素で飽和させる。そして、その後に水素供給室121に水素ガスを、アンモニア反応室124に窒素ガスを供給し、触媒層において、原子状水素と原子状窒素とを生成し、両者を反応させてアンモニアを合成する。この際、このアンモニア合成反応開始時において、水素原子透過膜122が水素飽和状態にあるので、水素の透過量の立ち上がりが良く、合成反応の開始直後から最大効率でのアンモニアの生成を行うことができる。
この点についてさらに説明を加える。図8は、水素原子透過膜に対する水素の飽和操作を行った場合におけるアンモニア合成量の立ち上がり特性(801)と、飽和操作を行わなかった場合のアンモニア合成量の立ち上がり特性(802)とを示した線図(イメージ図)である。
飽和操作を行った場合、特性801で示されるように、飽和操作を行うための時間の間は、アンモニアの合成は行われないが、飽和操作終了後は、すぐに最大合成能力を発揮して所定量のアンモニアを得ることができる。
これに対して、飽和操作を行わなかった場合、特性802で示されるように、水素原子透過膜が水素で飽和するまでの間、アンモニアの合成効率がじわじわと増加する特性となる。この場合、装置の動作開始時点からアンモニアの合成を開始できるが、その量は初期において微量であり、また時間経過にしたがって徐々に合成量が増加する立ち上りとなる。よって、装置の始動開始から所定のアンモニア合成量を得るまでに時間が必要であり、始動開始直後からアンモニアを使用する用途には向いていない。
また、図3に示す運転停止処理を行った場合、次の運転開始時における水素の飽和処理を省略することができ、さらに運転再開時から最大効率でアンモニアを合成することができる優位性が得られる。
(実施形態の構成の具体例)
以下、図1に示すアンモニア合成装置におけるアンモニア合成容器107の具体的な構造の一例を説明する。図9は、アンモニア合成容器1の概要を示す斜視図である。図9(a)は装置の全体を示し、図9(b)は図9(a)の符号11の部分を拡大したものを示す。図10は、アンモニア合成容器1の構造を示す分解斜視図である。図11は、図9(a)のX−X線で切った断面を示す断面図である。
以下、図1に示すアンモニア合成装置におけるアンモニア合成容器107の具体的な構造の一例を説明する。図9は、アンモニア合成容器1の概要を示す斜視図である。図9(a)は装置の全体を示し、図9(b)は図9(a)の符号11の部分を拡大したものを示す。図10は、アンモニア合成容器1の構造を示す分解斜視図である。図11は、図9(a)のX−X線で切った断面を示す断面図である。
図1に示すアンモニア合成容器1は、アンモニアを合成する機能を有する単位セルとなる。アンモニア合成容器1は、窒素ガスが供給されるアンモニア反応室側部材2、ガスケット3、触媒層41および水素原子透過膜42の積層体から構成される反応層4、ガスケット5および水素ガスが供給される水素供給室側部材6が順に積層された構造を有している。
アンモニア反応室側部材2は、窒素ガス導入口2aおよび窒素ガス排出口2bを備えている。窒素ガス排出口2bからは、合成されたアンモニアも排出される。水素供給室側部材6は、水素ガス導入口6aおよび水素ガス排出口6bを備えている。アンモニアガス反応室側部材2および水素供給室側部材6は、耐腐食性および耐圧性を考慮してステンレス(SUS316)で構成されている。
触媒層41は、多孔質支持体に触媒として機能する活性物質を保持させた多孔質構造を有する。触媒層41は、水素ガスおよび窒素ガスを吸着解離させ、原子状の水素および窒素を生成する機能を有する。本実施形態においては、触媒層41として、多孔質構造のマグネシア(MgO)に活性物質としてルテニウム(Ru)を保持させたものを用いている。
触媒層41を構成する多孔質支持体(多孔質担体)としては、マグネシア(MgO)、アルミナ(Al2O3)、セリア(CeO2)、シリカ(SiO2)、活性炭等から選ばれた一種または複数種類の材料、あるいはこれらの材料の複数種類からなる化合物を利用することができる。
水素原子透過膜42は、パラジウム(Pd)の薄板により構成されている。ガスケット3および5は、耐圧性、耐食性、耐熱性を考慮してカーボンでアルミナを挟んだ構造のものを採用している。なお、ガスケット3および5は、カーボン製に限定されない。
触媒層41を構成する活性物質としては、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、ウラン(U)、セリウム(Ce)、レニウム(Re)等から選ばれた一種または複数種類のものを採用することができる。また、触媒層41にカリウム(K)、セシウム(Cs)等の化合物を添加して、触媒活性を高めてもよい。
以下、触媒層41の作製方法について説明する。ここでは活性物質としてルテニウム(Ru)、多孔質支持体としてマグネシア(MgO)を選択した場合の例を説明する。この場合、まずルテニウム化合物の粉末、THF溶液を所定の割合で配合し、この溶液にマグネシアの粉末を添加配合して調製する。そして、この調製物を水素原子透過膜42の片面に所定量塗布し、所定の温度で乾燥および焼成させる。こうして水素原子透過膜42と一体となった膜状の触媒層41を得る。なお、マグネシアの出発材料として水酸化マグネシウム(Mg(OH2))を使用することも可能である。
以上説明した各部材は、図10に示す状態で積層され、アンモニア合成容器1を構成している。なお、各部材は図示しない締結手段(ボルト)によって固定される。
次にアンモニア反応室側部材2と水素供給室側部材6の構造の詳細について説明する。図11に示すように、アンモニア反応室側部材2の水素供給室側部材6に対向する面側には、凹部2cが形成され、水素供給室側部材6のアンモニア反応室側部材2に対向する面側には、凹部6cが形成されている。この構造に関しては、図10にも記載されている。すなわち図10には、アンモニア反応室側部材2の水素供給室側部材6に対向する面側に、凹型にくりぬかれた凹部2cが形成されている構造が記載されている。
図11に示すように、水素ガス(H2)は、水素ガス導入口6aから凹部6cに流れ込み、水素原子透過膜42(図9参照)に接触し、さらに水素原子透過膜42を透過して、触媒層41に供給される。水素原子透過膜42を透過しなかった残りの水素ガスは、水素ガス排出口6bから排出される。他方、窒素ガス(N2)は、窒素ガス導入口2aから導入されて凹部2cに流れ込み、触媒層41に接触する。凹部2cに導入された窒素ガスの一部はアンモニアガスの合成に利用され、残部は未反応ガスとして窒素ガス排出口2bから排出される。
触媒層41においては、水素および窒素の吸着解離が行われ、原子状の水素および窒素が生成される。触媒層41における活性物質の表面に吸着解離した原子状の水素および窒素は活性な状態にあるので、互いに反応してアンモニア(NH4)が合成される。合成されたアンモニアは、未反応の窒素ガスの流れにより運ばれ、窒素ガス排出口2bから排出される。
本発明は、アンモニアを合成する技術に利用することができる。本発明は、燃焼装置からの排気ガス中に含まれる窒素酸化物を分解除去するガス浄化技術におけるアンモニアの発生源としての利用に適している。例えば、本発明は、自動車の排気ガス浄化システムに組み込んで利用することができる。
101…水素源、102…窒素源、103…水素流量調整装置、104…水素流量調整装置、105…窒素流量調整装置、106…窒素流量調整装置、107…アンモニア合成容器、108…水素検出センサ、109…アンモニア検出センサ、110…流量調整装置、111…流量調整装置、112…排出管、113…排出管、114…ECU(エレクトリック・コントロール・ユニット)、121…水素供給室、122…水素原子透過膜、123…触媒層、124…アンモニア反応室、125…温度センサ、126…ヒータ、1…アンモニア合成容器、2…アンモニア反応室側部材、3…ガスケット、4…反応層、41…触媒層、42…水素原子透過膜、5…ガスケット、6…水素供給室側部材、2a…窒素ガス導入口、2b…窒素ガス排出口、6a…水素ガス導入口、6b…水素ガス排出口、2c…凹部、6c…凹部。
Claims (10)
- 水素を含む水素含有ガスが供給される水素供給室と、
窒素を含む窒素含有ガスが供給されるアンモニア反応室と、
前記水素供給室と前記アンモニア反応室との間に設けられた触媒と、
前記水素供給室と前記触媒との間に設けられた水素原子透過膜と、
前記アンモニア反応室に水素を含む水素含有ガスを供給する水素供給手段と
を備えていることを特徴とするアンモニア合成装置。 - アンモニアの合成を行う前の段階において、
前記水素供給室および前記アンモニア反応室に水素を含む水素含有ガスを供給する合成前水素供給手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のアンモニア合成装置。 - 前記合成前水素供給手段による水素を含む水素含有ガスの供給は、アンモニアを合成する時に供給する圧力より高い圧力で行うことを特徴とする請求項2に記載のアンモニア合成装置。
- 前記水素供給室および前記アンモニア反応室を密閉する密閉手段をさらに備え、
アンモニアの合成を停止した後において、
前記水素供給室および前記アンモニア反応室に水素を含む水素含有ガスを供給し、ついで前記密閉手段により前記水素供給室および前記アンモニア反応室を密閉状態にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアンモニア合成装置。 - 前記水素供給室に窒素を含む窒素含有ガスを供給する窒素供給手段と、
前記水素供給室内の水素を検出する水素検出手段と
をさらに備え、
前記水素供給室に窒素を含む窒素含有ガスを供給すると共に前記アンモニア反応室に水素を含む水素含有ガスを供給し、その際に前記水素検出手段によって前記水素原子透過膜から前記水素供給室内に放出された水素を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアンモニア合成装置。 - 前記水素原子透過膜からの水素の放出量が安定状態にない場合に前記水素供給室および 前記アンモニア反応室に水素を含む水素含有ガスを供給し、前記水素原子透過膜への水素の吸蔵処理を行うことを特徴とする請求項5に記載のアンモニア合成装置。
- 水素原子透過膜の両面に水素を含む水素含有ガスを供給し、前記水素原子透過膜に水素を吸蔵させる水素吸蔵処理ステップと、
水素で飽和された前記水素原子透過膜を介して触媒層に水素を供給するとともに前記触媒層に窒素を供給し、アンモニアを合成するアンモニア合成ステップと
を備えることを特徴とするアンモニア合成方法。 - 前記水素吸蔵処理ステップにおける水素を含む水素含有ガスの供給は、アンモニアを合成する時に供給する圧力より高い圧力で行われることを特徴とする請求項7に記載のアンモニア合成方法。
- 前記水素吸蔵処理ステップの後において、
前記水素原子透過膜の一方の面に水素を供給し、同時に他方の面に窒素を供給し、前記他方の面から放出される水素を検出するステップと、
前記検出された水素量が安定状態にない場合に前記水素吸蔵処理ステップを再度実行するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項7または8に記載のアンモニア合成方法。 - 前記アンモニア合成ステップを停止するステップと、
前記水素原子透過膜の両面に水素を供給し、前記水素原子透過膜を水素で満たされた状態にするステップと、
前記水素原子透過膜が水素で満たされた状態を維持するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のアンモニア合成方法。
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JP2004133086A JP2005314151A (ja) | 2004-04-28 | 2004-04-28 | アンモニア合成装置およびアンモニア合成方法 |
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2004
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