JP2005313818A - 建設機械における開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機体後部のボンネットを開閉するための開閉装置において、ボンネットの開放姿勢で形成される開口部をできるだけ大きく確保するように構成する。
【解決手段】 機体後部のボンネット13の開閉装置18、19を、ボンネット13に一体的に固定され、前後端部に第一、第二支持部20c、20dが設けられたボンネット側支持プレート20と、リヤフレーム10に設けられる開閉装置用ブラケット17bに一体的に固定され、前後端部に第一、第二支持部21c、21dが設けられた機体本体側支持プレート21と、これら各支持プレート20、21の第一支持部20c、21c同志、第二支持部20d、21d同志をそれぞれ揺動自在に連結する第一、第二リンク22、23とを備えた四点支持のリンク構造とする。
【選択図】 図8

Description

本発明は、油圧ショベル、ホイールローダ等の建設機械における開閉装置の技術分野に属するものである。
一般に、この種建設機械においては、機体本体に対してボンネット(エンジンフード)等の開閉体が設けられており、これら開閉体は、ヒンジ装置を介して機体本体側に取付けられ、開閉自在となるように構成されている。このようなヒンジ装置を用いて開閉体を取り付ける場合、開閉体の端縁と機体本体側の端縁とを突合せ、該突合せ端部同志をヒンジ(蝶番)で連結することが一般的であるが、このようにすると、蝶番が外部に露出することになって外観を損なうという問題がある。
この改善策として、ヒンジ装置を構成する支軸を開閉体側に内装する状態で設けて、外部にヒンジ装置が露出しないようにしたものが提唱されている。
特開2001−163268号公報
ところで、開閉体は可及的に大きく開放された方がメンテナンス等の作業がし易くなるが、前記従来のものは、開閉体に内装される支軸が機体側端縁よりも開閉体側に偏寄した配置構成となっているため、開閉体を開放したとき、該開閉体のヒンジ側の基端が機体の内方に入り込むと同時に、先端側に遠ざかる方向に移動する。この結果、実質的な開口面積は、遠ざかる方向に移動した分、小さくなってしまうことになり、メンテナンス作業をするような場合に作業性がそこなわれるという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、ボンネット等の開閉体を、機体本体を閉鎖する閉鎖姿勢と、基端側を基準として先端側が開放する開放姿勢とに開閉自在に支持する開閉装置を備えて構成される建設機械であって、前記開閉装置は、開閉体の基端側と先端側との第一、第二支持部と、機体本体の基端側と先端側との第一、第二支持部と、開閉体側第一支持部と機体本体側第一支持部とのあいだに揺動自在に連結される第一リンクと、開閉体側第二支持部と機体本体側第二支持部とのあいだに揺動自在に連結される第二リンクとを備えた四点支持のリンク構造とし、開閉体の閉鎖姿勢において、開閉体側と機体本体側との支持部同志は開閉方向略同位置で、かつ、開閉体側支持部が機体本体側支持部よりも基端側に配設され、開閉体は、閉鎖姿勢を略維持した状態で開閉体の開放方向に略平行移動してから開放姿勢に変姿するように構成されているものである。
そして、このようにすることにより、開閉体を、機体本体との係止状態に対応して大きく開放させることができる。
請求項2の発明は、請求項1において、開閉体は、開放姿勢への変姿の過程で先端側に変位するように構成されているものであり、このようにすることにより、開閉体を、機体本体との係止状態に対応して開放させることができる。
請求項3の発明は、請求項1または2において、開閉体は、開放姿勢への変姿の過程で、該開放姿勢への変位を継続する状態で閉鎖方向に略平行移動するように構成されているものであり、このようにすることにより、開閉体を、機体本体との係止状態に対応して開放させることができる。
請求項4の発明は、機体後部のボンネットを、機体本体を閉鎖する閉鎖姿勢と、前端側を基準として後端側が上動して開放する開放姿勢とに開閉自在に支持する開閉装置を備えて構成される建設機械であって、前記開閉装置を、ボンネットに一体的に固定され、前端側と後端側とに第一、第二支持部が設けられたボンネット側支持体と、機体本体に一体的に固定され、前端側と後端側とに第一、第二支持部が設けられた機体本体側支持体と、これら支持体の第一支持部同志を揺動自在に連結する第一リンクと、第二支持部同志を揺動自在に連結する第二リンクとを備えた四点支持のリンク構造とし、ボンネットの閉鎖姿勢において、ボンネット側の支持体と機体本体側の支持体とは上下方向略同位置で、かつ、ボンネット側支持体が機体本体側支持体よりも前端側に配設されるとともに、ボンネットの前端部に形成の係止片が機体本体側の係止受け片に前後方向に積層して係止されるものとし、ボンネットは、閉鎖姿勢を略維持した状態で上方に略平行移動して、係止片と係止受け片との係止を解除してから開放するように構成されているものである。
そして、このようにすることにより、ボンネットを、閉鎖姿勢で係止片を機体本体の係止受け片に係止させる構成であっても、係止受け片に邪魔されることなく、大きな開口を確保した状態で開放させることができる。
請求項5の発明は、請求項4において、ボンネットは、開放姿勢への変姿の過程で後端側に変位するように構成されているものであり、このようにすることにより、ボンネットを係止受け片の後方に位置せしめることができ、ボンネットを大きな開口部を確保した状態で開放させることができる。
請求項6の発明は、請求項4または5において、ボンネットは、開放姿勢への変姿の過程で、該開放姿勢への変位を継続する状態で下方に略平行移動して、ボンネットの前端が係止受け片を乗り越えて係止受け片の後方に位置するように構成されているものであり、このようにすることにより、ボンネットを係止受け片を乗り越えて後方に位置せしめることができ、ボンネットを大きな開口部を確保できるとともに、閉鎖操作の操作性を改善できる。
請求項1の発明とすることにより、開閉体を、機体本体との係止状態に対応して大きく開放できる。
請求項2の発明とすることにより、開閉体を、機体本体との係止状態に対応して開放できる。
請求項3の発明とすることにより、開閉体を、機体本体との係止状態に対応して開放できる。
請求項4の発明とすることにより、ボンネットを、機体本体との係止状態を解除し、大きな開口を確保した状態で開放させることができる。
請求項5の発明とすることにより、ボンネットを大きな開口部を確保した状態で開放できる。
請求項6の発明とすることにより、ボンネットを大きな開口部を確保できるとともに、閉鎖操作の操作性を改善できる。
つぎに、本発明の実施の形態について、図1〜9の図面に基づいて説明する。
図面において、1はホイールローダを構成する後部車両であって、該後部車両1には、運転席2、後輪3、キャブ4等の各種部材装置が備えられている。一方、ホイールローダの前部車両5は、バケット6、アーム7、フロントフレーム8等の各種部材装置を備えており、これら前後車両5、1は連結部9を介して左右方向揺動自在に連結されているが、これらの基本的構成は従来通りであるのでその詳細については省略する。
前記後部車両1を構成するリヤフレーム10は、前半部に運転席2を載置するための架台ケース11が一体的に設けられており、リヤフレーム10と架台ケース11とは、本発明の機体本体に相当している。前記架台ケース11の後端縁には、左右両側面から上面に至る部位に凹溝部11aが形成され、該凹溝部11aにおける上側部位の前方部に、キャブ4の後面板4aの下端縁が封止状に嵌入するように設定されており、後面板4aと、凹溝部11aの後側溝側片11bとのあいだには隙間が形成されている。ここで、後側溝側片11bは、上端部にゴム製の封止材11cが設けられているが、該溝側片11bは、本発明の開閉体に相当する後述するボンネット13が閉鎖したとき、ボンネット13を係止する係止片に相当しており、封止材11cはボンネット13内側面に突き当てられるように設定されている。尚、以後の説明において、後側溝側片は係止受け片11bとして説明する。
さらに、前記架台ケース11の後方であって、リヤフレーム10の後部は、各種部材装置が搭載されるエンジンルーム12に構成されており、該エンジンルーム12を前記ボンネット13が覆蓋するように設定されている。
前記ボンネット13は、エンジンルーム12の上方を覆う上片部13aと、左右両側部を覆う左右側片部13b、13cと、後方を覆う後片部13dとを備えて一体的に構成されているが、左右側片部13b、13cの前端縁は、前記架台ケース11の凹溝部後側溝側片11bに沿うよう下端ほど前方に偏寄する傾斜状に形成されている。そして、ボンネット13は、エンジンルーム12を閉鎖する閉鎖姿勢から、上片部13aの前端縁を基準として後片部13d側が上方に持ち上げられてエンジンルーム12を外部に露出させる開放姿勢とに開閉自在に構成されている。さらに、ボンネット13の上片部13aと左右側片部13b、13cとの前端縁には、内側に向けて折曲された係止片13eが形成されている。そして、前記係止片13eは、ボンネット13を閉鎖姿勢としたとき、架台ケース凹溝部11aの後側溝側片である係止受け片11bの前方に、前後方向に積層する状態で位置するとともに、上片部13aの内側面が封止材11cに突き当てられるように構成されており、これによって、ボンネット13は、架台ケース11に係止されるとともに、エンジンルーム12を封止するように設定されている。
尚、14はボンネット13をリヤフレーム10にロックするためのロック手段であって、該ロック手段14は、ボンネット13の閉鎖姿勢への変姿で自動ロックされ、所定の開放操作(例えば解錠操作)を行うことでロック解除されるように設定されている。そして、前記ロック手段は、ロック解除に伴い、弾機の付勢力によってボンネット13をリヤフレーム10から僅かに上動させるように設定されるが、該構成は汎用のロック手段によるものであり、ここでの詳細な説明は省略する。
さらに、前記ボンネット13の内側には、上片部13aの前端縁から左右側片部13b、13cの前端縁に沿うようU字形に折曲された連結パイプ体15が配されるが、該連結パイプ体15は、両端部(下端部)15aがそれぞれボンネット左右側片部13b、13cに固定されている。さらに連結パイプ体15の上側部位の左右端からは左右一対の補助パイプ体15bが後方に向けてそれぞれ延出されている。これら補助パイプ15bは、上片部13aから後片部13dに沿って下端縁に至るように配設された下端部位を、後片部13d下端縁に一体的に固定されており、連結パイプ体15の補強をして連結パイプ15とボンネット13との一体化を強化するように設定されている。さらに、連結パイプ体15の上側部位には、該連結パイプ体15と並列に配設される状態で副パイプ体15cが一体的に連結されており、これら並列配設部位の左右両端部に、連結取り付け板15dがそれぞれ設けられている。
一方、16はエンジンルーム12に配されるラジエータであって、該ラジエータ16は、左右方向に長い取り付け用支持体17を介してリヤフレーム10に一体的に固定されている。前記取り付け用支持体17の左右両側部には、左右勝手違いの開閉装置用ブラケット17aがそれぞれ固設されており、これら左右の開閉装置用ブラケット17a(機体本体)と、前記ボンネット13側の左右の取り付け板15dとのあいだに、本発明が実施された左右一対の開閉装置18、19がそれぞれ設けられている。
尚、前記左右の開閉装置18、19は、それぞれ左右勝手違いのものに構成されており、ここでは、ボンネット13の開放姿勢でボンネット13の開放姿勢をロックするロック機構を具備する右側に設けられる開閉装置19について説明し、左側の開閉装置18の構成部材については、図面において右側の開閉装置19と同様の符号を付することで説明を省略する。
前記右側の開閉装置19を構成する機体本体側固定プレート(本発明の機体本体側支持体に相当する)20は、L字状に折曲形成された一方の折曲片20aが、リヤフレーム(機体本体)10側の右側の開閉装置用ブラケット17bに螺着固定されている。前記折曲片20aから起立する他方の折曲片20bは、板面が前後方向を向くように設定されており、該他方折曲片20bには、前後(基端側と先端側と)に位置ズレする状態で貫通孔が開設され、これら貫通孔が機体本体側の第一、第二支持部20c、20dに構成されている。尚、第一支持部20cは、第二支持部20dよりも下方に位置して設けられている。
一方、ボンネット13の取り付け板15d側には、開閉装置19のボンネット側固定プレート(本発明のボンネット側支持体に相当する)21が一体的に連結されており、ボンネット13の開閉作動に伴いボンネット13とともに一体的に変位するように設定されている。前記固定プレート21はL字状に折曲形成されており、一方の脚片21aが連結パイプ体15側の取り付け板15dに螺着固定されている。さらに、ボンネット側固定プレート21の一方の折曲片21aから下方に向く他方の折曲片21bは、板面が前後方向を向くように設定されており、該他方折曲片21bに、ボンネット13の閉鎖姿勢において前後(基端側と先端側と)に位置ズレする状態で貫通孔が開設され、これら貫通孔がボンネット13側の第一、第二支持部21c、21dに構成されている。尚、第一支持部21cは、第二支持部21dよりも下方に位置して設けられている。
そして、これら機体本体側固定プレート20とボンネット側固定プレート21とのあいだは、両端部が各固定プレート20、21の第一支持部20c、21c同志にそれぞれ揺動自在に連結された第一リンク22と、両端部が各固定プレート20、21の第二支持部20d、21d同志にそれぞれ揺動自在に連結された第二リンク23とにより連結されており、このようにして、開閉装置19は、各第一、第二支持部20c、20d、21c、21dによる四点支持のリンク機構に構成されている。尚、開閉装置19は、ボンネット13を閉鎖姿勢とした状態において、ボンネット側固定プレート21と機体本体側固定プレート21とが上下方向略同位置になるように配設されているとともに、ボンネット側固定プレート21が機体本体側固定プレート21よりも前方に位置する位置関係で配設されており、さらには、機体本体側第一、第二支持部20c、20dは、ボンネット側第一、第二支持部21c、21よりもそれぞれ僅かに下位(低位)に位置していて、第一、第二リンク22、23とは、前端側が上位(高位)に位置する傾斜姿勢となるように設定されている。
このように構成された開閉装置19は、ロック手段14が解除され、ボンネット13に上方に向く開放作動力が作用したとき、第一、第二リンク22、23の機体本体側支持部20c、20dを基準とする上方揺動に追随させる状態で、ボンネット13を開放させるように設定されている。
さらに、24はボンネット13を開放姿勢に維持するためのストッパ機構24であって、本実施の形態では右側の開閉装置19に設けられているが、該ストッパ機構24は、左右何れの開閉装置18、19に設けられていてもよく、両者に設けることも勿論可能である。
前記ストッパ機構24は、第一リンク22のボンネット側固定プレート21に対向(積層)する部位に設けられており、先端が第一リンク22を貫通してボンネット側固定プレート折曲片21bの板面に突き当てられるストッパピン24aと、該ストッパピン24aを折曲片21b側に向けて押圧するように付勢する弾機24bと、折曲片21bのボンネット13開放姿勢においてストッパピン24aが対向する部位に開設されたロック孔21eとを備えて構成されている。そして、ボンネット13の開放に伴い折曲片21bと第一リンク22とが相対揺動することに伴い、ストッパピン24aは先端が折曲片21bの板面を摺動し、ボンネット13が開放姿勢となることに追随して、ストッパピン24aが折曲片21bのロック孔21cに嵌入するように設定されており、これによって、第一リンク22の揺動規制を行い、もって、ボンネット13を前記開放姿勢に姿勢規制する(ロックする)ように設定されている。
尚、ストッパ手段24は、ストッパピン24aの基端側に設けられた操作ロッド24cを引き操作することによりロック解除がなされ、ボンネット13の姿勢規制を解除するように設定されている。
つぎに、左右の開閉装置18、19によるボンネット13の開閉作動を図8、9の作用説明図に基づいて説明する。
前述したように、ボンネット13の閉鎖姿勢では、係止片13eが架台ケース11側の係止受け片11bに前側から積層しており、ボンネット13は架台ケース11に係止され、かつ、エンジンルーム12の防水が有効に図られている。この閉鎖姿勢において、第一、第二リンク22、23は、前端側が上位に位置する傾斜姿勢となっており、ロック手段14のロック解除がなされたときに、ロック手段14に設けられた付勢弾機を受けて、第一、第二リンク22、23の前端側が上方揺動を開始する作動(ボンネット13の上動作動)が円滑になされるように構成されている。
そして、前記僅かに上動した状態から、ボンネット後片部13dを持ち上げて(開放(上動)操作して)ボンネット13を開放する場合、該持ち上げ力を受けたボンネット13は、左右の開閉装置18、19の四点支持のリンク機構による揺動規制を受ける状態で上動を行うように設定されている。
図9において、曲線Xは第一リンク22前端部の揺動軌跡、曲線Yは第二リンク23前端部の揺動軌跡を示しており、開閉装置19のリンク作動により第一、第二リンク22、23の前端部が前記各曲線X、Y上を揺動することに追随するボンネット側固定片21と、ボンネット13の係止片13e部位との開閉過程における位置関係を、A段階〜I段階の九つの段階について示している。前記図面に示すように、ボンネット13の開放初期段階では、ボンネット13に開放操作の力(上動力)が作用することにより、該開放操作力を受けた開閉装置19は、ボンネット側固定片21全体を、略直上方向に平行移動させる状態となるように第一、第二リンク22、23を揺動させるように設定されている。これによって、ボンネット側固定片21と一体に揺動するボンネット13は、閉鎖姿勢を維持した状態でリヤフレーム9に対して上方に平行移動するように離間(略平行移動)し、しかして、ボンネット係止片13eが架台ケース11側の係止受け片11bの上方に位置するように設定されている(図9においてA段階からD段階への変位)。
前記状態から、さらなる開放操作がなされると、ボンネット側固定片21は前端側を基準として後端部が次第に起立する姿勢となる一方で、後方へ変位するように設定されており(図9において、E段階からH段階)、これを受けて、ボンネット側固定片21と一体に揺動するボンネット13は、前端を基準として後端が上動する開放姿勢に変姿するとともに、前端側の係止片13eが係止受け片11bの上方を、係止受け片11beの後方に位置するまで変位するように設定されている。
そして、係止片13が係止受け片11bの後方に位置する状態から、さらなる開放操作がなされると、ボンネット側固定片21はさらに前端を基準として後端が起立する姿勢となる一方で、固定片21全体が下方に変位するように設定されており(図9において、H段階からI段階)、これを受けて、ボンネット側固定片21と一体に揺動するボンネット13は、エンジンルーム12を開放する開放姿勢となるとともに、係止片13eの後方側において下方に変位して、係止片13eと係止受け片11bとが上下方向同位置となって並列する位置関係となるように設定されている。
これによって、ボンネット13は、係止片13eが架台ケース11側の係止受け片11bの前側に積層して架台ケース11に係止される閉鎖姿勢から、係止片13eが係止受け片11bを乗り越えて後方に変位した状態で開放されるように設定されており、ボンネット13の開放により大きな開口部を確保することができるとともに、開放姿勢においてボンネット13が下動し、しかも、後方に変位するように設定され、ボンネット13の後方に立つオペレータがボンネット13を閉鎖操作するのが容易になるように構成されている。
叙述の如く構成された本形態において、ボンネット13は、エンジンルーム12を構成するリヤフレーム10に対し、リヤフレーム10側とボンネット13とのあいだに配された左右の開閉装置18、19を介して開放作動することになるが、この場合に、開閉装置18、19は機体本体側固定プレート20の第一、第二支持部20c、20dとボンネット側固定プレート21の第一、第二支持部21c、21dとの四支持部を、第一、第二リンク22、23で揺動自在に連結したリンク機構に構成され、かつ、機体本体側固定プレート20とボンネット側固定プレート21とが、ボンネット13の閉鎖姿勢において上下方向略同位置に位置するように配設されている。このため、ボンネット13は、開放初期段階において閉鎖姿勢を維持した状態で開放側に略平行移動するように離間することになり、ボンネット係止片13eを架台ケース係止受け片11bに係止させる構成であっても、係止片13eが係止受け片11bの上方に退避することができて、ボンネット13を係止片13eに邪魔されることなく開放させることができる。
そして、開放作動の過程で、開閉装置18、19のリンク作動により、ボンネット13を開放姿勢に変姿させながらボンネット13全体を後方に変位させ、その後、下方に変位させるので、ボンネット13は、閉鎖姿勢において係止片13eが係止受け片11bに係止して、機体本体への係止と防水が図られる構成となっているものでありながら、係止受け片11bに邪魔されることなくボンネット13の開放姿勢で大きな開口部を確保することができる。
しかもこのものでは、ボンネット13が開放姿勢になったとき、係止片13eが係止受け片11bを乗り越えた下方に位置しているとともに、後方に位置ズレしているので、ボンネット13の後側に立ってメンテナンス等を行うオペレータが、ボンネット13を閉鎖しようとしたとき、ボンネット後片部13dに手が届きやすく、閉鎖操作の操作性が向上するという利点もある。
ホイールローダの側面図である。 要部の側面断面図である。 図3(A)、(B)、(C)はそれぞれボンネットの背面図、正面図、底面図である。 要部の背面図である。 図5(A)、(B)、(C)はそれぞれ右側の開閉装置の平面図、側面図、底面図である。 図6(A)、(B)、(C)はそれぞれ右側の開閉装置の斜視図、側面図、正面図である。 図7(A)、(B)、(C)はそれぞれ左側の開閉装置の平面図、側面図、斜視図である。 ボンネットの開閉状態を説明する側面断面図である。 ボンネットの開閉作動におけるボンネットとボンネット側固定片との変位状態を説明する要部側面図である。
符号の説明
1 後部車両
10 リヤフレーム
11 架台ケース
11b 係止受け片
13 ボンネット
13e 係止片
14 ロック手段
15 連結パイプ体
17 取り付け用支持体
18 開閉装置
20 機体本体側固定プレート
20c 第一支持部
21 ボンネット側固定プレート
21d 第二支持部
22 第一リンク
23 第二リンク
24 ストッパ機構

Claims (6)

  1. ボンネット等の開閉体を、機体本体を閉鎖する閉鎖姿勢と、基端側を基準として先端側が開放する開放姿勢とに開閉自在に支持する開閉装置を備えて構成される建設機械であって、前記開閉装置は、開閉体の基端側と先端側との第一、第二支持部と、機体本体の基端側と先端側との第一、第二支持部と、開閉体側第一支持部と機体本体側第一支持部とのあいだに揺動自在に連結される第一リンクと、開閉体側第二支持部と機体本体側第二支持部とのあいだに揺動自在に連結される第二リンクとを備えた四点支持のリンク構造とし、開閉体の閉鎖姿勢において、開閉体側と機体本体側との支持部同志は開閉方向略同位置で、かつ、開閉体側支持部が機体本体側支持部よりも基端側に配設され、開閉体は、閉鎖姿勢を略維持した状態で開閉体の開放方向に略平行移動してから開放姿勢に変姿するように構成されている建設機械における開閉装置。
  2. 請求項1において、開閉体は、開放姿勢への変姿の過程で先端側に変位するように構成されている建設機械における開閉装置。
  3. 請求項1または2において、開閉体は、開放姿勢への変姿の過程で、該開放姿勢への変位を継続する状態で閉鎖方向に略平行移動するように構成されている建設機械における開閉装置。
  4. 機体後部のボンネットを、機体本体を閉鎖する閉鎖姿勢と、前端側を基準として後端側が上動して開放する開放姿勢とに開閉自在に支持する開閉装置を備えて構成される建設機械であって、前記開閉装置を、ボンネットに一体的に固定され、前端側と後端側とに第一、第二支持部が設けられたボンネット側支持体と、機体本体に一体的に固定され、前端側と後端側とに第一、第二支持部が設けられた機体本体側支持体と、これら支持体の第一支持部同志を揺動自在に連結する第一リンクと、第二支持部同志を揺動自在に連結する第二リンクとを備えた四点支持のリンク構造とし、ボンネットの閉鎖姿勢において、ボンネット側の支持体と機体本体側の支持体とは上下方向略同位置で、かつ、ボンネット側支持体が機体本体側支持体よりも前端側に配設されるとともに、ボンネットの前端部に形成の係止片が機体本体側の係止受け片に前後方向に積層して係止されるものとし、ボンネットは、閉鎖姿勢を略維持した状態で上方に略平行移動して、係止片と係止受け片との係止を解除してから開放するように構成されている建設機械における開閉装置。
  5. 請求項4において、ボンネットは、開放姿勢への変姿の過程で後端側に変位するように構成されている建設機械における開閉装置。
  6. 請求項4または5において、ボンネットは、開放姿勢への変姿の過程で、該開放姿勢への変位を継続する状態で下方に略平行移動して、ボンネットの前端が係止受け片を乗り越えて係止受け片の後方に位置するように構成されている建設機械における開閉装置。
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