JP2005313037A - 排ガス処理装置及び排ガス処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フラッシングの発生を防止することにより、処理ガス性状の悪化を抑えること、粒体の使用量を減らしランニングコストを抑えること、反応室内での圧力損失の増大を防止すること、回収ホッパーの腐食を防止してメンテナンスコストを抑えること、回収ホッパーからの粒体の抜き出しを良好にし運転を安定化すること及び反応器を小型化することが可能な排ガス処理装置及び排ガス処理方法を提供すること。
【解決手段】 粒体排出口33への経路である導出部12aのその内部を流れる排ガスの一部を、粒体排出口33と異なる方向G1に分流して排気し、粒体排出口33を通過するガス量を減らす。
【選択図】 図2


Description

本発明は、排ガス処理装置及び排ガス処理方法に関する。
一般に、各種プラント等から発生する排ガスの処理に対しては、乾式の排ガス処理装置が広く用いられており、特にSOx、NOx、ダストを含む燃焼排ガス等の処理には、乾式の脱硫・脱硝装置を用いた処理が有効である。通常、このような排ガス処理装置では、排ガス中に含まれる有害物質を吸着叉は除去する炭素質吸着材等の粒体が上部から供給され、この粒体に接触するように排ガスが水平方向に導入される直交流式移動層反応器が採用されている。このような反応器は、排ガスの流通を可能とする隔壁により内部が分割され排ガスの流れ方向に隣接し各々に粒体が充填供給される複数の反応室を備えている。
これらの反応室の下部は、下部ホッパー(導出部)を各々備え、この下部ホッパーの下端には、この下部ホッパー内の粒体を排出する例えばロールフィーダー(駆動体)等が各々設けられている。このロールフィーダーは、回転する棒状の回転体であり、下部ホッパーとの間の隙間である粒体排出口から所定量の粒体を反応室外へ排出する。また、反応室の下方には、各ロールフィーダーから排出された粒体を一時貯留する共通の回収ホッパーが、全ロールフィーダーを覆うように設置されている。この回収ホッパーで回収された粒体は、回収ホッパーの下端に設置された抜出口から抜き出される(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−282646号公報
しかしながら、このような排ガス処理装置では、反応器に導入された排ガスの一部が、粒体排出口を通過し、この排ガス流により、ロールフィーダーの回転に関係なく粒体が排出される所謂フラッシングが発生するといった問題がある。
また、このフラッシングにより、以下の問題が引き起こされる。具体的には、上流側の反応室内の粒体を排出する粒体排出口を通過した排ガスが、下流側の反応室内の粒体を排出する粒体排出口を通過するバイパス流が形成され、このバイパス流が、各反応室を順次通過した処理ガスと共に後段へ排出され処理ガスの性状を悪化させるといった問題、上流側の反応室内での粒体の移動速度が増大し、粒体の磨耗が加速され粒体の寿命が短くなり粒体の使用量が増えるといった問題、上流側の反応室でのダストの捕捉が適切に行われず下流側の反応室に多くのダストが流れ込みこの下流側の反応室で圧力損失が増大するといった問題、回収ホッパー内に流れ込んだ排ガスが冷却されてドレン化し、回収ホッパーの腐食を促進させるといった問題、このドレンが回収ホッパー内に溜まり粒体の回収ホッパーからの抜き出しを阻害するといった問題が引き起こされる。
また、下部ホッパーを高さ方向に長くして粒体の堆積量を増やし、排ガスの回収ホッパー内への流れ込みの抵抗とし、フラッシングを防止することが可能であるが、このようにすると、反応器の小型化ができないという問題、粒体の使用量が増えるといった問題がある。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、フラッシングの発生を防止することにより、処理ガス性状の悪化を抑えること、粒体の使用量を減らしランニングコストを抑えること、反応室内での圧力損失の増大を防止すること、回収ホッパーの腐食を防止してメンテナンスコストを抑えること、回収ホッパーからの粒体の抜き出しを良好にし運転を安定化すること及び反応器を小型化することが可能な排ガス処理装置及び排ガス処理方法を提供することを目的とする。
本発明による排ガス処理装置は、反応器内に収容され排ガスに接触する粒体を、回転若しくは移動する駆動体により、当該駆動体と反応器との間に形成される開口である粒体排出口から排出する粒体排出装置を備えた排ガス処理装置において、粒体排出口への経路である導出部のその内部を流れる排ガスを、粒体排出口と異なる方向に分流して排気する分流手段を備えることを特徴としている。
また、本発明による排ガス処理方法は、反応器内に収容され排ガスに接触する粒体を、駆動体の回転若しくは移動により、当該駆動体と反応器との間に形成される開口である粒体排出口から排出する排ガス処理方法において、粒体排出口への経路である導出部のその内部を流れる排ガスを、粒体排出口と異なる方向に分流して排気することを特徴としている。
このような排ガス処理装置及び排ガス処理方法によれば、導出部内を流れる排ガスの一部が、粒体排出口と異なる方向に分流されて排気され、粒体排出口を通過するガス量が減らされる。
ここで、上記作用を効果的に奏する構成としては、具体的には、分流手段は、粒体排出口から排出される粒体の一部を上方から堰き止めると共に、導出部内を流れる排ガスを上方に分流して排気する分流板を備える構成が挙げられる。
また、上記作用を効果的に奏する他の構成としては、具体的には、分流手段は、導出部に設けられ、当該導出部内を流れる排ガスを排気するガス抜き口である構成が挙げられる。
また、駆動体としては、回転するロールフィーダーが好適である。
このように本発明による排ガス処理装置及び排ガス処理方法によれば、粒体排出口を通過するガス量が減らされるため、フラッシングの発生が防止される。これにより、処理ガス性状の悪化を抑えること、粒体の使用量を減らしランニングコストを抑えること、反応室内での圧力損失の増大を防止すること、回収ホッパーの腐食を防止してメンテナンスコストを抑えること、回収ホッパーからの粒体の抜き出しを良好にし運転を安定化すること及び反応器を小型化することが可能な排ガス処理装置及び排ガス処理方法を提供することができる。
以下、本発明による排ガス処理装置の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は、本発明の第1実施形態に係る排ガス処理装置の反応塔の縦断面図、図2及び図3は、図1中のロールフィーダー、下部ホッパー及び分流板を示す各図である。
第1実施形態の排ガス処理装置は、例えば製鉄所等に設置され、焼結炉から排出される燃焼排ガスに含まれる硫黄酸化物(SO)、窒素酸化物(NO)、塩化水素、水銀等の重金属、ダイオキシン類等の有機塩素化合物及びダスト等の有害成分を除去するものである。
この排ガス処理装置は概略、図1に示すように、有害成分を吸着させる炭素質吸着材(粒体)Pが供給されると共に、処理される排ガスWが導入される反応塔2、有害成分を吸着した炭素質吸着材Pを再生する再生塔(不図示)を備えている。ここで用いられる炭素質吸着材Pは、例えば活性炭、活性コークス、活性チャー等から構成され、排ガス中に含まれる有害成分を吸着する能力、分解する能力を有している。
反応塔2は、その内部に、上下方向に延在する反応器5、この反応器5に排ガスWを供給する排ガス供給室14、反応器5で処理されたガスを後段の煙突(不図示)に排出するガス排出室15を具備している。
以下、反応器5について詳説する。この反応器5は、当該反応器5と排ガス供給室14との隔壁を成す前壁9に排ガス供給口を、反応器5とガス排出室15との隔壁を成す後壁10にガス排出口を備えている。これらの排ガス供給口及びガス排出口は、ガスの通過を可能とするものである。
反応器5の内部は、排ガスWの通過を可能とする開口を有する隔壁19,20を立設して備え、前壁9と隔壁19とに挟まれた前室(反応室)5a、隔壁19と隔壁20とに挟まれた前方主室(反応室)5b、隔壁20と後壁10とに挟まれた後方主室(反応室)5cとに分割されている。反応器5の上部には、前室5a、前方主室5b及び後方主室5cに連通し炭素質吸着材Pが供給される吸着材供給口6が設けられている。
反応器5の下部には、供給された炭素質吸着材Pを下方へ案内する複数の下部ホッパー導出部)12a〜12cが設けられている。この下部ホッパー12a〜12cは、垂設された間隔維持板29と、この間隔維持板29に向かって傾斜する傾斜板31とにより、片側が下方に行くに従って絞られる片絞り形状を成し、下部ホッパー12aは前室5aの下部に、下部ホッパー12bは前方主室5bの下部に、下部ホッパー12cは後方主室5cの下部に、各々接続されている。この下部ホッパー12a〜12cの下端には、炭素質吸着材Pを反応塔2の下部へ排出すべくロールフィーダー21a〜21cが各々配置されている。
このロールフィーダー21a〜21cは、図示しない駆動部に接続され回転する棒状の回転体(駆動体)であり、図2及び図3に示すように、このロールフィーダー21a〜21cの上方に離間する間隔維持板29との隙間に、炭素質吸着材Pが通過する吸着材ゲートH1を形成する。炭素質吸着材Pの排出量は、ロールフィーダー21a〜21cの回転速度及び吸着材ゲートH1の間隔を変化させることで調節可能である。
反応塔2の下部には、図1に示すように、下部ホッパー12a〜12cから排出された炭素質吸着材Pを回収する回収ホッパー2bが、ロールフィーダー21a〜21cを覆うように設置され、その下端に回収された炭素質吸着材Pを反応塔2外へ抜き出すための吸着材抜出ノズル32が取り付けられている。
ここで、特に本実施形態にあっては、前室5a内の炭素質吸着材Pを排出するロールフィーダー21aの上方には、図2及び図3に示すように、吸着材ゲートH1を通過する炭素質吸着材Pの一部を上方から堰き止めると共に、吸着材ゲートH1を通過する排ガスWの一部を上方に分流して排気する分流板(分流手段)3が設けられている。
この分流板3は、間隔維持板29の外側に離間して垂設された垂直板3aと、この垂直板3aの下端から間隔維持板29とロールフィーダー21aとの間の隙間に入り込むように傾斜して伸びる張出板3bとから構成されている。垂直板3aは、間隔維持板29との隙間に、排ガスWの一部を上方G1に流す排気経路を形成し、張出板3bは、炭素質吸着材Pを堰き止めると共にロールフィーダー21aとの隙間に、炭素質吸着材Pを排出する吸着材排出口33(粒体排出口)を形成している。分流板3は、例えばボルト締め等により、その垂直板3aが間隔維持板29の下部に固定されている。
次に、このように構成された排ガス処理装置を用いての排ガス処理方法について説明する。系外からアンモニアと共に供給された排ガスWは、図1に示すように、排ガス供給室14、前壁9を通り、反応器5内に導入され、各反応室5a〜5c内を順次通過し、上部から供給され各反応室5a〜5c内に各々堆積すると共にロールフィーダー21a〜21cから排出されることで徐々に下方へ移動する炭素質吸着材Pの移動層と接触し、この接触の際に、排ガス中のSO等の硫黄分は、排ガス中の水分と反応して生成される硫酸の形や、この硫酸がアンモニアと反応して生成される硫酸アンモニウム塩の形で炭素質吸着材Pに吸着され、排ガス中のNOは、炭素質吸着材Pの触媒作用によりアンモニアと反応してNに還元され、排ガス中のダイオキシンは、炭素質吸着材Pに吸着され、さらに、排ガス中の煤塵等のダストは、炭素質吸着材Pにより濾過集塵され、このような処理がなされたガスは後壁10を通過して、ガス排出室15に導出され、後段の煙突から大気に放出される。
一方、硫黄分、ダスト等の有害成分を吸着した炭素質吸着材Pは、下部ホッパー12a〜12c内を各々通り、図2及び図3に示すように、下方へ移動し吸着材ゲートH1を通過して、ロールフィーダー21a〜21cの回転により一定量排出される。ロールフィーダー21a〜21cから各々排出された炭素質吸着材Pは、図1に示すように、回収ホッパー2bに集められて、吸着材抜出ノズル32を通して抜き出され、後段の例えばコンベア等の移送機により再生塔に供給され、この再生塔に供給された炭素質吸着材Pは、この炭素質吸着材Pに吸着する有害成分等が除去され、脱硫性能等の処理性能が回復し再生され、このような再生がなされた炭素質吸着材Pは、再び反応器5に供給される。
ここで、反応器5に導入された排ガスWは、炭素質吸着材Pの移動層を通過するに従って、そのガス圧が低下し、前室5a内と後方主室5c内とで圧力差が生じ、排ガスWの一部が炭素質吸着材Pと共に下部ホッパー12a内に流入する。しかしながら、図2及び図3に示すように、吸着材ゲートH1を通過する炭素質吸着材Pの一部が分流板3の張出板3bにより堰き止められ、吸着材ゲートH1を通過する排ガスは、その一部が分流板3により、上方G1に分流されて排気され、吸着材排出口33を通過するガス量が減らされ、フラッシングの発生が防止されている。
このように第1実施形態の排ガス処理装置及び排ガス処理方法では、吸着材排出口33を通過するガス量が減らされ、フラッシングが防止されている。これにより以下の問題が解決される。具体的には、前室5aから後方主室5cに流れるバイパス流が減らされ、処理ガス性状の悪化が抑えられる。また、炭素質吸着材Pの前室5aでの移動速度が制御可能となり炭素質吸着材Pの磨耗が防止され、炭素質吸着材Pの使用量が減らされランニングコストを抑えることが可能となる。また、前室5aでの炭素質吸着材Pの堆積量が制御可能となり、前室5aでのダストの捕集が適切に行われ、後方主室5cへの過剰なダスト流入が防止されて、後方主室5cでの圧力損失の増大が防止される。また、排ガスの回収ホッパー2bへの流れ込みが減少し、ホッパー2bの腐食が防止されメンテナンスコストが抑えられる。また、排ガスの回収ホッパー2b内への流入が減らされるため、ドレンの発生が抑止され、回収ホッパー2bからの炭素質吸着材Pの抜き出しを良好にし運転を安定化することができる。また、フラッシング防止を目的として下部ホッパー12aを高さ方向に長くする必要が無く反応器5を小型化することが可能となる。
図4は、本発明の第2実施形態に係るロールフィーダー、下部ホッパー及びガス抜き口を示す部分断面斜視図、図5は、図4に示すロールフィーダー、下部ホッパー及びガス抜き口の側断面図である。この第2実施形態の排ガス処理装置が第1実施形態の排ガス処理装置と違う点は、分流手段を分流板3に代えてガス抜き口43とした点と、吸着材排出口を吸着材ゲートH2とした点である。図4及び図5に示すように、このガス抜き口43は、間隔維持板29の下部に並列して複数設けられ、排ガスの通過を可能とするものである。
この第2実施形態の排ガス処理装置によれば、下部ホッパー12a内を流れる排ガスの一部が、ガス抜き口43により、水平方向G2に分流されて排気され、吸着材排出口H2を通過するガス量が減らされるため、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
なお、第2実施形態のガス抜き口43は、円形、矩形、スリット状、網目状でも良く、ルーバーを備える構成としても良い。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態にあっては、下部ホッパー12a〜12cの下端にロールフィーダー21a〜21cを備える構成としているが、水平方向に回転する円盤状の駆動体や、また、それ以外の回転落下式粒体排出装置を備える構成としても良く、また、例えばベルトコンベアのように移動する駆動体を備える構成であっても良い。
また、上記実施形態では、下部ホッパー12aの下端にのみ分流手段3,43を設置しているが、下部ホッパー12b,12cの下端に分流手段3,43を設置しても良い。
また、上記実施形態では、排ガス処理装置を、製鉄所等の焼結炉から排出される燃焼排ガスの処理に適用したが、発電ボイラー等のその他のボイラー、セメント焼結炉、各種化学プラント及び焼却炉等から排出される排ガスの処理に適用しても良い。
本発明の第1実施形態に係る排ガス処理装置の反応塔の縦断面図である。 図1中のロールフィーダー、下部ホッパー及び分流板を示す部分断面斜視図である。 図2に示すロールフィーダー、下部ホッパー及び分流板の側断面図である。 本発明の第2実施形態に係るロールフィーダー、下部ホッパー及びガス抜き口を示す部分断面斜視図である。 図4に示すロールフィーダー、下部ホッパー及びガス抜き口の側断面図である。
符号の説明
3…分流板(分流手段)、5…反応器、12a…下部ホッパー(導出部)、21a…ロールフィーダー(回転体;駆動体)、33…吸着材排出口(粒体排出口)、43…ガス抜き口(分流手段)、H2…吸着材ゲート(粒体排出口)、P…炭素質吸着材(粒体)、W…排ガス。

Claims (5)

  1. 反応器内に収容され排ガスに接触する粒体を、回転若しくは移動する駆動体により、当該駆動体と反応器との間に形成される開口である粒体排出口から排出する排ガス処理装置において、
    前記粒体排出口への経路である導出部のその内部を流れる排ガスを、前記粒体排出口と異なる方向に分流して排気する分流手段を備えることを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 前記分流手段は、前記粒体排出口から排出される前記粒体の一部を上方から堰き止めると共に、前記導出部内を流れる排ガスを上方に分流して排気する分流板を備えることを特徴とする請求項1記載の排ガス処理装置。
  3. 前記分流手段は、前記導出部に設けられ、当該導出部内を流れる排ガスを排気するガス抜き口であることを特徴とする請求項1記載の排ガス処理装置。
  4. 前記駆動体は、回転するロールフィーダーであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の排ガス処理装置。
  5. 反応器内に収容され排ガスに接触する粒体を、駆動体の回転若しくは移動により、当該駆動体と反応器との間に形成される開口である粒体排出口から排出する排ガス処理方法において、
    前記粒体排出口への経路である導出部のその内部を流れる排ガスを、前記粒体排出口と異なる方向に分流して排気することを特徴とする排ガス処理方法。
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