JP2013027835A - 排ガス処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排ガス処理装置において、ホッパの内壁斜面の磨耗を防ぎ、ホッパの長寿命化を図ると共に、炭素質吸着材の細粒化を防ぎ、炭素質吸着材の補給量を少なくし、且つ吸着塔圧損を小さくする。
【解決手段】ホッパの内壁斜面3aに、ロールフィーダにより排出された炭素質吸着材Cを一定量せき止め、一定量を超える炭素質吸着材Cを越流させて落下させるための堰5を立設することにより、炭素質吸着材Cが内壁斜面3aへ直接衝突することを防止し、それにより内壁斜面3aの磨耗を防ぎ、ホッパの長寿命化を図ると共に、炭素質吸着材Cの細粒化を防ぎ、炭素質吸着材Cの補給量を少なくし、且つ吸着塔圧損を小さくする。
【選択図】図2
【解決手段】ホッパの内壁斜面3aに、ロールフィーダにより排出された炭素質吸着材Cを一定量せき止め、一定量を超える炭素質吸着材Cを越流させて落下させるための堰5を立設することにより、炭素質吸着材Cが内壁斜面3aへ直接衝突することを防止し、それにより内壁斜面3aの磨耗を防ぎ、ホッパの長寿命化を図ると共に、炭素質吸着材Cの細粒化を防ぎ、炭素質吸着材Cの補給量を少なくし、且つ吸着塔圧損を小さくする。
【選択図】図2
Description
本発明は、排ガス処理装置に関する。
従来、排ガスを処理するための乾式脱硫脱硝装置として、例えば特許文献1に記載のように、吸着塔内に反応室を設け、この反応室内に炭素質吸着材を上部から供給して炭素質吸着材が下方へ向かう移動層を形成し、この移動層に排ガスを通過させて、排ガスの脱硫脱硝処理を行うものが知られている。
この反応室の下部には、反応室内の炭素質吸着材を排出するためのロールフィーダが設けられている。そして、このロールフィーダを覆うようにホッパが設けられ、ロールフィーダにより排出された炭素質吸着材は、ホッパ内壁斜面に沿って落下し、最下部から適宜排出される。
しかしながら、このような排ガス処理装置においては、ロールフィーダにより排出された炭素質吸着材が、ホッパの内壁斜面に衝突する。このため、ホッパの内壁斜面が磨耗し、ホッパの長寿命化が図れず、ホッパを長寿命化するためには高価な耐磨耗鋼を使用する必要が生じると共に、炭素質吸着材が割れて細粒化し、炭素質吸着材の補給量が多くなり、吸着塔圧損も大きくなる。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、ロールフィーダから排出された炭素質吸着材によりホッパの内壁斜面が磨耗することがなく、高価な耐磨耗鋼を使用せずにホッパの長寿命化を図ることができると共に、炭素質吸着材が割れて細粒化することがなく、炭素質吸着材の補給量が少なく、且つ吸着塔圧損も小さい排ガス処理装置を提供することを目的とする。
本発明による排ガス処理装置は、排ガスの流路に設けられ、有害物質を除去するための炭素質吸着材が内部に充填されている反応室と、反応室の下部に設けられ、反応室から炭素質吸着材を排出するロールフィーダと、ロールフィーダを覆うように設けられ、ロールフィーダにより排出されその内壁斜面に沿って落下した炭素質吸着材を排出手段へ導くホッパと、を備えた排ガス処理装置であって、ホッパの内壁斜面には、ロールフィーダにより排出された炭素質吸着材を一定量せき止め、一定量を超える炭素質吸着材を越流させて落下させるための堰が立設されていることを特徴とする。
これによれば、ロールフィーダにより排出された炭素質吸着材を排出手段へ導くホッパの内壁斜面には堰が立設され、ロールフィーダにより排出された炭素質吸着材は一定量となるまでせき止められて堰の上に堆積するため、ロールフィーダにより排出された炭素質吸着材は、堆積した炭素質吸着材に衝突し、ホッパの内壁斜面に直接衝突することがなくなる。したがって、ロールフィーダから排出された炭素質吸着材によりホッパの内壁斜面が磨耗することがなく、高価な耐磨耗鋼を使用せずにホッパの長寿命化を図ることができると共に、炭素質吸着材が割れて細粒化することがなく、炭素質吸着材の補給量が少なく、且つ吸着塔圧損も小さい排ガス処理装置が得られる。
また、堰は、内壁斜面を構成する傾斜壁の傾斜方向に沿って複数並設され、堰の高さ及び堰同士の間隔は、炭素質吸着材の傾斜壁に対する落下点に少なくとも1個の炭素質吸着材が存在するように、ホッパの傾斜壁の斜面角度あるいは稜角と、炭素質吸着材の粒径及び安息角と、に基づいて幾何学的に決定されることを特徴とすることが好ましい。これによれば、炭素質吸着材の粒子の落下点において炭素質吸着材が確実に存在するように堰の高さ及び間隔を決定することができるため、ホッパの内壁斜面の磨耗や炭素質吸着材の割れ及び細粒化をより確実に防止することができる。
このように本発明によれば、ロールフィーダから排出された炭素質吸着材によりホッパの内壁斜面が磨耗することがなく、高価な耐磨耗鋼を使用せずにホッパの長寿命化を図ることができると共に、炭素質吸着材が割れて細粒化することがなく、炭素質吸着材の補給量が少なく、且つ吸着塔圧損も小さい排ガス処理装置が得られる。
以下、本発明に係る排ガス処理装置の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の排ガス処理装置は、例えば石炭焚きボイラや焼結機等から排出される排ガスを処理するために設けられ、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、水銀等の重金属、ダイオキシン類等の有害物質及びダスト等を除去するものである。
この排ガス処理装置は、概略、図1に示すように、有害物質を除去するための炭素質吸着材C(図2参照)が供給されると共に、処理される排ガスが導入される吸着塔10、有害物質を吸着した炭素質吸着材Cを再生し吸着塔10へ戻して再度使用するための再生塔(不図示)を備えている。ここで用いられる炭素質吸着材Cは、例えば活性炭、活性チャー、活性コークス等であり、排ガス中に含まれる有害物質を除去する能力を有している。
吸着塔10は、その内部に反応室1を有している。この反応室1は、図示左から右へ矢印Gのように流れる排ガスの流路に設けられ、上記炭素質吸着材Cが内部に充填されている。反応室1は、その内部に設けられる壁によって区画され、排ガスの導入側から前室1A、中室1B及び後室1Cの順に並ぶ3つの区画を有し、排ガスは、これら前室1A、中室1B、後室1Cを順次通過する。反応室1においては、矢印C1、矢印C2及び矢印C3のように、上部から炭素質吸着材Cが充填され、この炭素質吸着材Cが下方に移動できる移動層を形成している。そして、反応室1においては、前室1A、中室1B及び後室1Cの内部にそれぞれ充填された炭素質吸着材Cによって排ガス中の有害物質が除去される。
前室1Aの下部には前室ロールフィーダ(ロールフィーダ)2Aが設けられ、中室1Bの下部には中室ロールフィーダ(ロールフィーダ)2Bが設けられ、後室1Cの下部には後室ロールフィーダ(ロールフィーダ)2Cが設けられる。前室ロールフィーダ2Aは前室1Aから炭素質吸着材Cをホッパ3へ矢印C4で示すように排出し、中室ロールフィーダ2Bは中室1Bから炭素質吸着材Cをホッパ3へ矢印C5で示すように排出し、後室ロールフィーダ2Cは後室1Cから炭素質吸着材Cをホッパ3へ矢印C6で示すように排出する。以下、前室ロールフィーダ2A、中室ロールフィーダ2B及び後室ロールフィーダ2Cをロールフィーダ2と総称する。
ホッパ3は、ロールフィーダ2により排出された炭素質吸着材Cをロータリーバルブ(排出手段)4へ導くためのものであり、ロールフィーダ2を覆うように構成される。ホッパ3の材料としては、例えば一般の鉄などを用いることができる。後述するように、ここでは特に耐磨耗鋼を用いる必要はない。
ロータリーバルブ(排出手段)4は、ホッパ3の内壁斜面を構成する傾斜壁3aに沿って落下した炭素質吸着材Cをホッパ3から排出するためのものであり、ホッパ3の底部に設けられる。なお、ロータリーバルブ4により排出された炭素質吸着材Cは、前述した再生塔へ向けて搬送され、再生塔内で加熱及び冷却による再生処理を受けて、再び反応室1の上部へ供給され、反応室1内において上から下へ向かう移動層を形成する。
以下、図2を参照して、ホッパ3について、より詳細に説明する。図2は図1中のホッパ3の傾斜壁を拡大して示す図である。
ホッパ3の下部は、例えば四角錐状を成し、底部に向かうに従い絞られる傾斜壁(内壁斜面)3aを有する。この傾斜壁3aは、水平面に対して斜面角度あるいは稜角θをなすように構成される。
特に本実施形態では、傾斜壁3aに、堰5が立設されている。堰5は、ロールフィーダ2により排出された炭素質吸着材Cを一定量せき止め、一定量を超える炭素質吸着材Cを越流させて落下させるためのものである。堰5は、傾斜壁3aに対して垂直高さHを有しており、傾斜壁3aの傾斜方向に沿って、一定の間隔Lで複数並設されている。
なお、傾斜壁3aと堰5のなす角度βは、90度とすることが好ましい。これは、堰5の角度βを90度より小さくすると、90度の場合と同量の炭素質吸着材Cを堆積させるためには高さHを延ばす必要があり、必要な材料の量が増えてコストが高くなり、また、堰5の角度βを90度より大きくすると、堆積させた炭素質吸着材Cが滑り落ちてしまい、これを防止するには堰5の角度βを90度より小さくした場合と同様に高さHを延ばす必要があり、必要な材料の量が増えてコストが高くなるからである。ここで、堰5の材料としては、摂氏100度以上の耐熱性がある材質、例えば鉄を用いることができる。
堰5によってせき止められた炭素質吸着材Cは、堰5の上に一定量だけ堆積し、山C7を形成する。山C7の斜面は、水平面に対して安息角αをなす。また、堰5の上に堆積する一定量を越えてロールフィーダ2から排出された炭素質吸着材Cは、堰5の真下に落下し、落下点Pにおいて、1つ下方の山C7に衝突する。
堰5の高さHと堰5同士の間隔Lとは、以下のようにして決定される。すなわち、落下点Pにおいて、少なくとも1個の炭素質吸着材Cが存在し、落下してきた炭素質吸着材Cが傾斜壁3aに直接衝突することがないように決定される。傾斜壁3aの斜面角度あるいは稜角θ、炭素質吸着材Cの粒径x及び安息角αがそれぞれ所与のものであるとすると、落下点Pにおいて少なくとも1個の炭素質吸着材Cが存在するようにするには、堰5の高さHと堰5同士の間隔Lのうち一方を決定すると、他方は幾何学的に決定される。
次に、このように構成された排ガス処理装置の作用について説明する。
反応室1の前室1A、中室1B及び後室1Cを排ガスが通過することで有害物質を吸着した炭素質吸着材Cは、ロールフィーダ2により、ホッパ3の傾斜壁3aに向かって排出される。
ここで、排出された炭素質吸着材Cは、堰5によって、一定量がせき止められて山C7を形成し、一定量を越えた炭素質吸着材Cは、堰5を越流して落下する。このため、山C7が一旦形成されると、その後に排出された炭素質吸着材Cは、傾斜壁3aに直接衝突することがない。
このように、ホッパ3の内壁斜面を構成する傾斜壁3aに堰5が立設され、ロールフィーダ2により排出された炭素質吸着材Cは一定量となるまでせき止められて堰5の上に堆積するため、ロールフィーダ2により排出された炭素質吸着材Cは、堆積した炭素質吸着材Cに衝突し、ホッパ3の傾斜壁3aに直接衝突することがなくなる。したがって、ロールフィーダ2からの炭素質吸着材Cによりホッパ3の傾斜壁3aが磨耗することがなく、高価な耐磨耗鋼を使用せずにホッパ3の長寿命化を図ることができると共に、炭素質吸着材Cが割れて細粒化することがなく、炭素質吸着材Cの補給量を少なくでき、且つ吸着塔圧損も小さくすることができる。
また、堰5は、傾斜壁3aの傾斜方向に沿って複数並設され、堰5の高さH及び堰5同士の間隔Lは、炭素質吸着材Cの傾斜壁3aに対する落下点Pに少なくとも1個の炭素質吸着材Cが存在するように、ホッパ3の傾斜壁3aの斜面角度あるいは稜角θと、炭素質吸着材Cの粒径x及び安息角αと、に基づいて幾何学的に決定されるため、炭素質吸着材Cの粒子の落下点Pにおいては炭素質吸着材Cが確実に存在し、従って、ホッパ3の傾斜壁3aの磨耗や炭素質吸着材Cの割れ及び細粒化をより確実に防止することができる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、反応室1から炭素質吸着材Cをホッパ3へ排出するための排出手段として、ロールフィーダ2に代えてベルトコンベアなどを用いることもできる。また、炭素質吸着材Cをホッパ3から排出するための排出手段として、ロータリーバルブ4に代えてベルトコンベアなどを用いることもできる。
1…反応室、1A…前室、1B…中室、1C…後室、2…ロールフィーダ、2A…前室ロールフィーダ(ロールフィーダ)、2B…中室ロールフィーダ(ロールフィーダ)、2C…後室ロールフィーダ(ロールフィーダ)、3…ホッパ、3a…傾斜壁、4…ロータリーバルブ(排出手段)、5…堰、10…吸着塔。
Claims (2)
- 排ガスの流路に設けられ、有害物質を除去するための炭素質吸着材が内部に充填されている反応室と、前記反応室の下部に設けられ、前記反応室から前記炭素質吸着材を排出するロールフィーダと、前記ロールフィーダを覆うように設けられ、前記ロールフィーダにより排出されその内壁斜面に沿って落下した前記炭素質吸着材を排出手段へ導くホッパと、
を備えた排ガス処理装置であって、
前記ホッパの前記内壁斜面には、前記ロールフィーダにより排出された前記炭素質吸着材を一定量せき止め、一定量を超える炭素質吸着材を越流させて落下させるための堰が立設されていることを特徴とする排ガス処理装置。 - 前記堰は、前記内壁斜面を構成する傾斜壁の傾斜方向に沿って複数並設され、
前記堰の高さ及び前記堰同士の間隔は、前記炭素質吸着材の前記傾斜壁に対する落下点に少なくとも1個の前記炭素質吸着材が存在するように、前記ホッパの前記傾斜壁の斜面角度あるいは稜角と、前記炭素質吸着材の粒径及び安息角と、に基づいて幾何学的に決定されることを特徴とする、請求項1に記載の排ガス処理装置。
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