図1ないし図22は本発明の実施例1に係わり、図1は内視鏡装置の概略構成を示すブロック図、図2は図1のCCDの構成を示すブロック図、図3は図1のCCDに印加される信号におけるΦCMD、ΦS1、ΦS2のタイミングチャート、図4は図1のCCDのCCD感度に関する電荷増幅部印加電圧と感度増幅率の関係を示す説明図、図5は図1のCCDのCCD感度に関する電荷増幅部印加パルスと感度増幅率の関係を示す説明図、図6は特殊光モード時の図1のCCDの駆動のタイミングチャート、図7は通常光モード時の図1のCCDの駆動のタイミングチャート、図8は図1のCCDのCCD感度特性(モニタ出力信号)を示すグラフ、図9は図1のCCDのCCD感度特性(S/N特性)を示すグラフ、図10は図1のRGB回転フィルタの構成を示す平面図、図11は図10のRGB回転フィルタによる蛍光観察における光源装置の分光特性を示すグラフ、図12は図1のCCD感度制御部及びCCD駆動部の構成を示すブロック図、図13は蛍光観察における蛍光及び反射光の分光特性を示すグラフ、図14は図12のCCD感度制御部の処理の流れを示すフローチャート、図15は図14の処理で生成される感度制御パルスφCMDの第1のパルスパターンを示す図、図16は図14の処理で生成される感度制御パルスφCMDの第2のパルスパターンを示す図、図17は図14の処理で生成される感度制御パルスφCMDの第3のパルスパターンを示す図、図18は図14の処理で生成される感度制御パルスφCMDの第4のパルスパターンを示す図、図19は図14の処理で生成される感度制御パルスφCMDの第5のパルスパターンを示す図、図20は図14の処理を説明する説明図、図21は図14の処理の変形例のフローチャート、図22は図21の処理を説明する説明図である。
以下、本実施例を備えた内視鏡装置の構成を説明する。図1に示すように、実施例1を備えた内視鏡装置1は、患者の体腔内に挿入される医療用の電子内視鏡(以下、内視鏡と略記)2と、この内視鏡2が着脱自在に接続され、内視鏡2に照明光を供給すると共に、映像信号の処理を行うプロセッサ3と、内視鏡画像を表示するモニタ6とを備えて構成される。
プロセッサ3は、実施例1の内視鏡用信号処理装置(以下、単に信号処理装置と略記)4と、光源装置5 を内蔵している。なお、光源装置5をプロセッサ3とは別体に設けても良い。
プロセッサ3の映像出力端子もしくは映像信号出力端には、モニタ6が接続され、このモニタ6は、プロセッサ3の信号処理装置4により画像処理により生成された映像信号が入力され、この映像信号に対応する内視鏡画像を表示する。
内視鏡2は、患者体腔内に挿入される細長の挿入部10を有している。ここで挿入部10は、消化管用、気管支用、頭頸部用(咽頭部用)や膀胱用の場合には軟性部材により構成され、腹腔、胸腔や子宮用の場合には硬性部材により構成される。
この挿入部10の内部には、照明光を伝送するライトガイド11が挿通されている。このライトガイド11の後端は、プロセッサ3の光源装置5に着脱自在で接続され、このライトガイド11の後端には光源装置5から照明光が供給される。
このライトガイド11の後端に供給された照明光は、このライトガイド11により、その先端面に伝送される。このライトガイド11の先端面は、挿入部10の先端部12内に配置され、このライトガイド11の先端面からさらに対向する照明窓に取り付けた照明レンズ13を介して、体腔内の患部等の被写体側に照射される。
この先端部12には、照明窓に隣接して観察窓が設けられており、この観察窓には被写体像を結像する対物レンズ14が取り付けてあり、その結像位置には撮像手段としての固体撮像素子であるCCD19が配置されている。なお、対物レンズ14とCCD19との間の光路中には、蛍光観察の場合に用いられる励起光をカットする励起光カットフィルタ15が配置されている。
CCD19の前面側に配置された励起光カットフィルタ15は、特定の波長帯域のみを透過する。本実施例においては、この励起光カットフィルタ15は、生体組織から発せられる自家蛍光(おおむね500nm以上の波長)を透過し、励起光を透過しないでカットする分光特性を有する。
被写体からの反射光及び自家蛍光は、対物レンズ14及び励起光カットフィルタ15を介してCCD19の受光面に結像される。
挿入部10の先端部12内に配置されたCCD19は、挿入部10内に挿通されたCCD駆動信号線16と接続されると共に、CCD19付近に配置したプリアンプ18を介してCCD出力信号線17と接続されている。
挿入部10の先端部12に配置されたCCD19は、対物レンズ14の結像位置に配設されたイメージセンサである。図1では直視状に配設されているが、斜視や側視状に配設することも可能である。
また、CCD19は、駆動信号線16を介してプロセッサ3内の信号処理装置4のCCD駆動部31に接続されている。CCD19は、CCD駆動部31で生成された駆動信号により電子シャッタ制御、感度制御及び読み出しを行う。
対物レンズ14及び励起光カットフィルタ15によりCCD19の受光面に結像された被写体像は、CCD19の各画素で光電変換後に、転送されて出力アンプから出力される。このCCD19からの出力信号は、プリアンプ18により増幅された後、挿入部10内に挿通されたCCD出力信号線17を経て、コネクタ部から、該コネクタ部が着脱自在に接続されるプロセッサ3内の信号処理装置4の映像信号処理回路38を構成するアナログ処理回路33に入力される。
また、内視鏡2は、挿入部10の基端側のコネクタ部等にに記憶装置20を搭載している。この記憶装置20は、例えばCPU21とメモリ22とから構成されている。
メモリ22は、例えば不揮発性のEEPROM等を用いており、データを記憶する事ができる。
CPU21は、メモリ22へのデータ読み出し及び書き込み制御を行うとともに、プロセッサ3内のCPU30と、データの送受(通信)を制御する。
メモリ22には、通常光モード時における、R、G、Bの3波長の蓄積時間(電子シャッタ速度)、及び特殊光モード(蛍光観察)時におけるEx1(蛍光)、Ex2(緑反射光)、Ex3(赤反射光)の3波長の蓄積時間(電子シャッタ速度)が格納されている。 また、メモリ22には、蓄積時間の代わりに電荷クリア時間やR,G,BやEx1,Ex2,Ex3の3波長の蓄積時間比を格納しても良い。
メモリ22において、蛍光の波長と反射光の2波長では、蛍光の波長の蓄積時間は反射光の2波長の蓄積時間よりも長く設定されている。
メモリ22に格納される通常光モードのR,G,Bの3波長の蓄積時間は、CCD19のような感度可変CCDでない一般的なCCDが搭載されている内視鏡よりも短い時間が設定されている。
メモリ22に格納される特殊光モードの3波長の蓄積時間として、複数の内視鏡の種類(気管支用、上部消化管用、下部消化管用、頭頸部用、膀胱用等)によってそれぞれ最適な蓄積時間が設定されている。これは、部位毎に得られる蛍光強度と反射光強度は異なる為であり、それらが同等レベルの強度となるように蓄積時間が部位別に3波長間で設定されている。
メモリ22には、前記蓄積時間のデータ以外にも、内視鏡に関連する他のデータ等が格納されている。波長間のCMD増幅率の比率に関するデータもまたメモリ22に格納されている。
この場合の格納データは、例えば内視鏡機種(種類)名、内視鏡シリアルナンバー、ホワイトバランス設定値{通常光用、特殊光用(蛍光観察)}、内視鏡がプロセッサに接続され電源投入された回数、内視鏡の鉗子チャンネルの情報、内視鏡の先端部外径データ、内視鏡の挿入部外径データ、CCD19の増幅率特性データ等からなり、これらデータがスコープIDとしてメモリ22に格納されている。
本実施例において信号処理装置4は、CPU30と、CCD駆動部31と、CCD感度制御部32と、アナログ処理回路33と、アナログ/デジタル変換器(以下、A/D変換器と呼ぶ)34と、デジタル処理回路35と、デジタル/アナログ変換器(以下、D/A変換器と呼ぶ)36と、測光部37とを有する。
光源装置5は、ランプ40と、絞り41と、絞り制御部42と、RGB回転フィルタ43と、モータ44と、集光レンズ45と、回転フィルタ切替部46と、RGB回転フィルタ制御部47と、モード切替部50とを含んで構成されている。
内視鏡2がプロセッサ3に接続されると、CPU30は、メモリ22に格納されているスコープIDの各種データをCPU21を介して読み出し制御を行う。この場合、メモリ22に格納されているスコープIDの各種データはCPU21を介してCPU30に出力され、CPU30でスコープIDの各種データの読み出しが行われる。
また、CPU30は、メモリ22から取得したスコープIDの通常光モードと特殊光モード(蛍光観察)時の3波長の蓄積時間データをCCD駆動部31に出力する。
さらに、CPU30は、スコープIDの内視鏡機種名、シリアルNo.やホワイトバランス設定値(通常光用、特殊光用)等をデジタル処理回路35に出力する。
さらにまた、CPU30は、スコープIDのCCD19の増幅率特性データをCCD感度制御部32に出力する。CPU30は、明るさ設定スイッチ99によりユーザが設定した明るさ設定値を入力し、明るさ設定値に基づく明るさ目標値をCCD感度制御部32、絞り制御部42に出力する。
次に、CCD19について詳細に説明する。
本実施例において、CCD19として、例えば、米国特許5,337,340号公報”Charge Multiplying Detector(CMD)suitable for small pixel CCD image sensors”に記載されている衝突電離現象を用いた感度可変なCCDを用いている。
CCD19には、CCD内の水平転送路と出力アンプの間、あるいは、画素毎に電荷増幅部が設けられ、この電荷増幅部にプロセッサから駆動信号(パルス)を印加することにより、信号電荷が強電界からエネルギーを得て価電子帯の電子に衝突し、衝突電離により新たに信号電荷(2次電子)が生成される。
例えば、アバランシェ効果を利用した場合は、1パルスの印加で2次電子生成が連鎖反応的に生じるが、衝突電離を利用した場合は比較的低電圧な1パルスの印加で1組の電子−正孔ペアが生成されるのみであり、パルスを順次印加することで2次電子を順次生成する。
このCCD19においては、印加するパルスの電圧値(振幅)またはパルス数を制御することにより信号電荷数を任意に増幅することが可能である。
そして、本実施例の場合、CCD19として、図2に示すように、電荷増幅部を水平転送路と出力アンプの間に搭載したFFT(Full Frame Transfer)型のモノクロCCDを用いている。
CCD19は、イメージエリア60、OB(Optical Black)エリア61、水平転送路62、ダミー部63、電荷増幅部64、出力アンプ部65を有する。また、電荷増幅部64は水平転送路62のセル数とほぼ同じセル数あるいは約2倍のセル数から構成されている。
イメージエリア60の各画素で生成された信号電荷は、垂直転送パルスΦP1、ΦP2により1水平ライン毎に水平転送路62に転送され、水平転送パルスΦS1、ΦS2によって水平転送路62からダミー部63及び電荷増幅部64に転送される。
そして、複数のセルから成る電荷増幅部64の各セルに感度制御パルスφCMDが印加されることにより、電荷は各セルを転送されながら1段ずつ順次増幅が行われ、順次出力アンプ部65に転送される。出力アンプ部65は電荷増幅部64からの電荷を電圧に変換して出力する。
OBエリア61は、イメージエリア60と同じフォトダイオードにより構成され、その感光面をメタルにより遮光して、このOBエリア61の出力レベルを黒レベルに設定するために使用できるようにしている。
また、ダミー部63は、イメージエリア60及びOBエリア61の画素からの信号を転送する際に用いられる。このダミー部63についても、出力レベルを黒レベルに設定するために使用できるようにする。
なお、本実施例に用いるCCD19においては、感度制御パルスφCMDと水平転送パルスφS1、φS2の位相は、図3に示すように、感度制御パルスφCMDと水平転送パルスφS1は逆相、感度制御パルスφCMDと水平転送パルスφS2は同相となっている。
電荷増幅部64で得られる感度増幅率は、CCD駆動部31から電荷増幅部64への感度制御パルスΦCMDの電圧値(振幅)の大きさを変化させることにより可変となる。電荷増幅部64で得られる感度増幅率は、図4に示すように電荷増幅部64への印加電圧に対して、ある閾値Vthを上回ると電荷増幅が始まり感度が指数関数的に増幅する特性となっている。また、電荷増幅部64で得られる感度増幅率は、図5に示すように感度制御パルスΦCMDのパルス数に対しても感度が指数関数的に増幅する特性となっている。
なお、感度制御パルスΦCMDのパルス数に対して感度は指数関数的に増幅するが、感度制御パルスΦCMDが0(V)〜閾値Vthでは、信号電荷の増幅はされないで電荷増幅部64において転送されるだけである。
また、上述したように、感度制御パルスΦCMDの電圧値(振幅)の大きさにより指数関数の急峻度は変化するが、電圧を増加させれば同じCMD増倍率を得る際に更に少ないパルス数で良く、電圧を小さくすれば同じCMD増倍率を得るには多くのパルス数が必要となる。
さらに、感度制御パルスΦCMDの電圧値(振幅)の大きさを閾値Vthを超えた電圧値に保持した状態で、感度制御パルスΦCMDのパルス数を増加させれば、保持した電圧値(振幅)の大きさで設定された感度を指数関数的に増幅させることになり、感度制御パルスΦCMDのパルス数を減少させれば、保持した電圧値(振幅)の大きさで設定された感度を指数関数的に減少させることになる。
CCD19には、電子シャッタ機能が設けられている。電子シャッタの動作原理は、一般のCCDと同じように、例えばオーバーフロードレイン(Over Flow Drain)に印加するパルスの電圧値(振幅)によるオーバーフロー特性の変化を利用した基板排出形である。
オーバーフロードレインに印加する電子シャッタ用のパルスφOFDがCCD19に入力(Hレベル)されている期間は、CCD19の画素内の信号電荷(含ノイズ電荷)は基板に排出されて、CCD19の画素に信号電荷は蓄積されない。
電子シャッタパルスφOFDがCCD19に入力されていない期間は、CCD19の画素に信号電荷が蓄積される。
また、φOFDのパルス幅やパルス数として任意の値が設定可能なため、CCD19の信号電荷の蓄積時間は任意の時間で制御可能である。
図6は特殊光モード時の3波長の内、1波長分のCCD19の駆動信号と出力信号を示すタイミングチャートであり、図6(a)は特殊光モード時のRGB回転フィルタ43の動作、図6(b)は特殊光モード時の垂直転送パルスφP1,ΦP2、図6(c)は特殊光モード時の感度制御パルスφCMD、図6(d)は特殊光モード時の水平転送パルスΦS1,ΦS2、図6(e)は特殊光モード時の電子シャッタパルスφOFD、図6(f)は特殊光モード時のCCD19の出力信号をそれぞれ示している。
図7は通常光モード時の3波長の内、1波長分のCCD19の駆動信号と出力信号のタイミングチャートを示し、図7(a)は通常光モード時のRGB回転フィルタ43の動作、図7(b)は通常光モード時の垂直転送パルスφP1,ΦP2、図7(c)は通常光モード時の感度制御パルスφCMD、図7(d)は通常光モード時の水平転送パルスΦS1,ΦS2、図7(e)は通常光モード時の電子シャッタパルスφOFD、図7(f)は通常光モード時のCCD19の出力信号をそれぞれ示している。
CCD駆動部31は、CCD19に対し駆動信号として、垂直転送パルスφP1,ΦP2、感度制御パルスφCMD、水平転送パルスΦS1,ΦS2、電子シャッタパルスφOFDを出力する。
ここで、図6及び図7において、1サイクルとは、3波長の内1波長分のサイクルを示しており、RGB回転フィルタ43の1/3回転分の動作を示している。
期間TE(特殊光モード)、TE’(通常光モード)は露光期間である。CCD19は、この露光期間中にCCD19受光面に被写体から入射された光を光電変換により信号電荷として蓄積可能になっている。
また、期間TD(特殊光モード)、TD’(通常光モード)は、イメージエリア60にそれぞれ期間TE、TE’で蓄積された信号電荷を、1水平ライン毎に垂直転送パルスφP1,ΦP2により水平転送路62に転送し、水平転送パルスΦS1,ΦS2によってダミー部63、電荷増幅部64、出力アンプ部65に順次転送して、出力アンプ部65で電荷電圧変換して出力する期間である。
特殊光モード時において、RGB回転フィルタ43には、1サイクルにおいて図6(a)に示す露光期間TEと遮光期間TDが設定されている。
図6(e)に示す電子シャッタパルスφOFDは、図6(a)に示す露光期間TEの初めにCCD19の画素の電荷クリアを行うためのハイレベルのパルス期間TCとなり、その後、ローレベルに立ち下がり、CCD19の画素に電荷を蓄積させる電荷蓄積期間TAとなる。
図6(a)に示す遮光期間TD、即ちCCD19の読み出し期間TDにおいて、CCD駆動部31は、図6(b)に示す垂直転送パルスφP1,ΦP2、図6(c)に示す感度制御パルスφCMD、図6(d)に示す水平転送パルスΦS1,ΦS2を出力し、これによりCCD19の読み出しが行われ図6(f)に示すCCD19の出力信号が得られる。また、CCD19は、図7に示す2相駆動(ΦP1,ΦP2)だけでなく、単相駆動(図示しないΦP)であってもよい。また、図示しない画素毎にリセットするΦRSTを持っていても良い。
ここでCCD駆動部31は、図6(c)に示す感度制御パルスφCMDに対し、CCD感度制御部32から供給されるデータに基づいて電圧値(振幅)を可変している。CCD駆動部31は、図6(c)に示す感度制御パルスφCMDを、図6(d)に示す水平転送パルスΦS1,ΦS2との位相関係でCCD19に出力する。
これにより特殊光モード時に、CCD駆動部31は、電荷増幅部64に印加する感度制御パルスΦCMDの電圧値(振幅)を変化させ、所望の感度増幅率が得られるようにCCD19を制御する。
通常光モード時において、RGB回転フィルタ43は、1サイクルにおいて図7(a)に示す露光期間TE’と遮光期間TD’が設定されている。
図7(e)に示す電子シャッタパルスφOFDは、図7(a)に示す露光期間TE’初めにCCD19の画素の電荷クリアを行うためのハイレベルのパルス期間TC’となり、その後、ローレベルに立ち下がり、CCD19の画素に電荷を蓄積させる電荷蓄積期間TA’となる。
図7(a)に示す遮光期間TD’、即ちCCD19の読み出し期間TD’において、CCD駆動部31は、図7(b)に示す垂直転送パルスφP1,ΦP2、図7(d)に示す水平転送パルスΦS1,ΦS2を出力し、これによりCCD19の読み出しが行われ図7(f)に示すCCD19の出力信号が出力される。
ここでCCD駆動部31は、通常光モード時には、図7(c)に示すように感度制御パルスφCMDを出力しない。または、電圧値Vth程度の感度制御パルスΦCMDを出力するようにしてもよい。
これにより通常光モード時には、電荷増幅部64では電荷増幅は行われず、感度増幅率は1倍となる。
なお、通常光モード時に感度増幅を実施してもよいことはいうまでもない。
また、CCD19に用いたような感度可変CCDを搭載していない内視鏡がプロセッサ3に接続された場合は、CCD駆動部31は、図7に示した通常光モード時の動作を行う。
図6(e)及び図7(e)に示す電子シャッタパルスφOFDは、各画素で蓄積された電荷を基板に排出させるパルスであり、露光期間開始から期間時間終了(遮光期間開始)まで任意のパルス幅または複数のパルス数で出力される。
図6及び図7に示す期間TE,TE’はCCD19のイメージエリア60で被写体像の蓄積が可能な期間であるが、図6(e)及び図7(e)に示す電子シャッタパルスφOFDが出力されている期間TC,TC’は信号電荷は蓄積されない。そして、図6(e)及び図7(e)に示す電子シャッタパルスφOFDが出力されなくなるとCCD19の各画素に信号電荷が蓄積開始される。蓄積開始から遮光期間が始まるまでの期間TA(=期間TE−期間TC)(特殊光モード)、TA’(=期間TE’−期間TC’)(通常光モード)が実質的な蓄積時間となる。
各波長の電子シャッタパルスφOFDは、CPU30からの各波長の蓄積時間に基づいたパルス幅またはパルス数がCCD19に出力される。
例えば、特殊光モード時の3波長Ex1,Ex2,Ex3とすると、メモリ22に格納の特殊光モード時の3波長間の蓄積時間がTA(Ex1)=TE、TA(Ex2)=0.2*TE、TA(Ex3)=0.1*TEの場合は、これらのデータがCPU30を介してCCD駆動部31に供給され、CCD駆動部31からCCD19に出力される電荷クリアの電子シャッタパルスφOFDのパルス幅は、OFD(Ex1)=0*TE、OFD(Ex2)=0.8*TE、OFD(Ex3)=0.9*TEとなる。
また、メモリ22に格納の通常光モード時の3波長間の蓄積時間が例えばTA’(R)=0.7*TE’、TA’(G)=0.7*TE’、TA’(B)=0.7*TE’の場合は、これらのデータがCPU30を介してCCD駆動部31に供給され、これらのデータに基づいてCCD駆動部31からCCD19に電子シャッタパルスφOFDが出力される。電荷クリアを行う電子シャッタパルスφOFDのパルス幅は、OFD(R)=OFD(G)=OFD(B)=0.3*TE’となる。
上述したようにCCD19の出力信号は映像信号処理回路38によってデジタルの映像信号が生成され、D/A変換器36によりアナログの映像信号に変換された後、モニタ6等に出力される。
この場合、映像信号処理回路38におけるデジタル処理回路35において処理されるホワイトバランス処理や色変換処理は、通常光モードと特殊光モード(蛍光観察)のそれぞれの観察モードで異なり、デジタル処理回路35は、モード切替部50からのモード切替信号に応じて異なる処理を施している。
特殊光モード(蛍光観察)における色変換処理においては、蛍光の波長と反射光の2波長に対して一定のマトリックス係数が乗算され、蛍光の波長と反射光の2波長の合成画像が構築される。
また、ホワイトバランス処理において、メモリ22に格納されている設定値がCPU30経由でデジタル処理回路35に入力されることで、通常光モードと特殊光モード(蛍光観察)で異なるホワイトバランスが設定される。
測光部37には、アナログ処理回路33からの映像信号が入力され、通常光モードと特殊光モード(蛍光観察)における3波長の明るさの画面平均値を算出する。
ここで、測光部37は、モード切替部50からのモード切替信号に応じて、画面平均値の算出法が通常光モードと特殊光モード(蛍光観察)で異なる動作を行う。
通常光モードでは、測光部37は、R、G、Bの3波長に対する画面平均値から輝度信号を算出し、光源装置5の絞り制御部42に出力する。
また、特殊光モード(蛍光観察)では、測光部37は、Ex1,Ex2、Ex3の3波長に対する画面平均値を算出し、蛍光の波長と反射光の2波長からなる合成画像の画面平均値を生成し、CCD感度制御部32及び絞り制御部42に出力する。
CCD感度制御部32は、特殊光モード時にCCD19に設けられる電荷増幅部64を制御してAGC(Auto Gain Control)を行う。CCD感度制御部32は、CCD19の受光面に入射する被写体の強度変化に対応し、CCD19からの出力信号レベルの平均が所望の値となるようにCCD19の電荷増幅部64の感度増幅率の制御を行う。
CCD感度制御部32には、測光部37から蛍光画像と反射光の合成画像の画面平均値が入力され、その画面平均値と術者が任意に設定したモニタの明るさ設定値に基づく明るさ目標値を比較する。CCD感度制御部32の詳細な構成及び作用は後述する。
なお、術者は図示しない光源装置5または信号処理装置4に設けられた明るさ設定部からモニタ画面の任意の明るさの目標値を設定可能である。CCD感度制御部32は、前記画面平均値と明るさ設定値(目標値)を比較し、比較結果(大小関係)に基づき、CCD駆動部31からCCD19の電荷増幅部64に出力する感度制御パルスΦCMDの電圧値(振幅)及びパルス数を算出してCCD駆動部31に出力する。
ここで、CCD感度制御部32のAGC制御原理について以下に説明する。図4に示した電荷増幅部64の感度制御パルスΦCMDの電圧値及びパルス数と感度増幅率の関係は、下記式で近似される。
M(V)=C・Exp{α(V−Vth)}・Exp(βP)…(1)
但し、M(V)は感度制御パルスΦCMDの電圧値(振幅)がV(v)の時の感度増幅率、Vthは電荷増幅が開始される閾値電圧、Pは感度制御パルスΦCMDのパルス数、C、α、β、Vthは設計的に可変なデバイス固有の定数である。
ある強度の被写体をCCDで撮像する場合、感度制御パルスφCMDの電圧値及びパルス数の増減により画像の画面平均値が指数関数的に変化することを利用し、CCD感度制御部32は、被写体からの蛍光と反射光強度の変化に対し、合成された蛍光画像の画面平均値と術者が設定したモニタ明るさと目標値が一致するように感度制御パルスφCMDの電圧値(振幅)の大きさ及びパルス数を変化(増減)させる。また、CCD感度制御部32は、感度制御パルスφCMDの電圧値が閾値以下の場合に印加電圧が0(V)となるように、CCD駆動部31を制御する。
図8及び図9は、電荷増幅部64に入力される感度制御パルスφCMDにより、感度増幅率を変化させた場合のモニタ6に表示される被写体強度に対する信号出力及びS/N特性を示している。
これらの図に示すように、微弱光領域(被写体強度が小さい)において、感度増幅率1倍(増幅なし)では、モニタ上での明るさは暗く、画質(S/N)は低いが、感度増幅率を大きくするに従いモニタは明るく、かつ、高画質となる特性を有する。
モード切替部50は、通常光モードと特殊光モード(蛍光観察)のどちらかの観察モードを術者が任意に選択可能なスイッチである。
モード切替部50の設置場所は、プロセッサ3、光源装置5、内視鏡2、図示しないキーボードやフットスイッチあるいはこれら全てに設けられても良い。
モード切替部50からのモード切替信号は、回転フィルタ切替部46,RGB回転フィルタ制御部47、測光部37、CCD駆動部31、CCD感度制御部32、デジタル処理回路35に出力される。
次に、光源装置5について詳細に説明する。ランプ40は、キセノンランプ、ハロゲンランプ、LED、LD(半導体レーザ)等からなる照明光を発生する。
集光レンズ45は、ランプ40から絞り41とRGB回転フィルタ43を介して導かれる照明光の光束をライトガイド11の後端面に集光する。
絞り41とRGB回転フィルタ43は、ランプ40と集光レンズ45との間に挿入される。RGB回転フィルタ43は、モータ44の回転軸に回転可能に接続されており、RGB回転フィルタ制御部47により所定の速度で回転制御される。
RGB回転フィルタ制御部47は、モード切替部50からのモード切替信号によりRGB回転フィルタ43(モータ44)の回転速度を所定の回転速度に制御可能になっている。RGB回転フィルタ制御部47は特殊光モード時の回転速度を通常光モードよりも遅くして露光時間を延長することも可能である。
絞り制御部42には、測光部37から画面平均値が入力され、その画面平均値と術者が任意に設定したモニタ明るさ目標値を比較する。なお、術者は図示しない光源装置5や信号処理装置4に設けられた明るさ設定部からモニタ画面の明るさを任意に設定可能である。
絞り制御部42は、前記比較結果(大小関係)から、ランプ40とRGB回転フィルタ43の間に配置されている絞り41の開閉動作を制御することにより、ライトガイド11の後端面への光量を制御する。
RGB回転フィルタ43は、図10に示すように内周部分と外周部分に2組のフィルタセット48、49を有する2重構造となっている。
図1に示すように回転フィルタ切替部46は、ランプ40とライトガイド11の後端面とを結ぶ照明光の光軸上に図10に示すRGB回転フィルタ43の内周側の第1フィルタセット48と外周側の第2フィルタセット49とのいずれかを選択的に移動させ、RGB回転フィルタ43全体を移動して照明光路上に配置させる。
通常光モード時に回転フィルタ切替部46は、ランプ40からの照明光路上に内周側のフィルタセット48を配置する(ランプ40からの光ビームP1(図10の実線)を内周側のフィルタセット48に入射させる)。
特殊光モード時に回転フィルタ切替部46は、ランプ40からの照明光路上に外周側のフィルタセット49を配置する(ランプ40からの光ビームP2(図10の破線)を外周側のフィルタセット49に入射させる)。
図10に示すように、RGB回転フィルタ43の内周部分の第1フィルタセット48は、通常光モード用のR、G、Bの3枚のフィルタであり、赤(R)、緑(G)、青(B)の波長帯域を透過する分光特性を有するフィルタ48R,48G,48Bを有する。
外周部分の第2のフィルタセット49には特殊光モード(蛍光観察)用の分光特性を有するEx1、Ex2、Ex3の3枚のフィルタ51,52,53が設けられている。
例えば、本実施の形態では、Ex1のフィルタ51は390〜470nm領域を透過する励起光用フィルタである。
Ex2のフィルタ52は、中心波長550nm付近、半値幅10nm程度の狭帯域でかつ透過率数%程度の分光特性を有する反射光用フィルタである。
Ex3のフィルタ53は、中心波長600nm付近、半値幅10nm程度の狭帯域でかつ透過率数%程度の分光特性を有する反射光用フィルタである。
特殊光モードにおいて、内視鏡2の照明レンズ13から照射される照明光は例えば図11に示すような分光特性を有している。
フィルタ48R、48G、48Bは、CCD19の露光期間に対応し、各フィルタ48R、48G、48Bの間54に設けられる遮光部は、CCD19の遮光期間(読み出し期間)に対応する。これは第2フィルタセット49も同様である。
特殊光観察用の第2フィルタセット49のそれぞれの大きさは、通常光観察用の第1フィルタセット48よりも大きくしてある。これは、特殊光観察時には通常光観察時よりも露光時間を長くするためである。
なお、図10では通常光用のフィルタ48R、48G、48Bを内周に、特殊光用のフィルタ51,52,53を外周に設けたが、逆の配置でも良い。
本実施例において、記憶装置20のメモリ22はCCD19が電荷を蓄積する蓄積時間を複数記憶する記憶部となっている。
また、CCD駆動部31は、この記憶部に蓄積されている蓄積時間に基づいて前記撮像素子の蓄積時間の制御を行う駆動部となっている。
なお、前記複数の蓄積時間とは、通常光モードと特殊モードそれぞれにおける蓄積時間、及び通常光モードと特殊モードそれぞれにおける3波長各々の蓄積時間のことを示している。
次に、本実施例のプロセッサ3のCCD感度制御部32及びCCD駆動部31の構成を図12を用いて詳細に説明する。
図12に示すように、CCD感度制御部32は、比較部101、第1のアップダウンカウンタ(以下、U/Dカウンタと記す)102、スイッチ103、第2のU/Dカウンタ104、電圧/パルス選択部105等を備えて構成される。
比較部101は、測光部37からの画面平均値とCPU37からの明るさ目標値を比較し、比較結果に基づき 1画素分のUP信号及びDOWN信号を出力する。
第1のU/Dカウンタ102は、比較部101からのUP信号及びDOWN信号に基づき、感度制御パルスΦCMDの電圧値(振幅)VHを設定するカウント値であるVH設定信号を増減させて、スイッチ103を介して該VH設定信号をCCD駆動部31に出力する。
スイッチ103は、電圧/パルス選択部105からのVHリセット信号に基づき、第1のU/Dカウンタ102からのカウント値とカウント値0(GNDレベル)を切り替えてCCD駆動部31に出力する。
第2のU/Dカウンタ104は、比較部101からのUP信号及びDOWN信号に基づき、感度制御パルスΦCMDのパルス数Pを設定するカウント値であるP設定信号を増減させて、該P設定信号をCCD駆動部31に出力する。
電圧/パルス選択部105は、UP信号及びDOWN信号、VH設定信号、P設定信号を入力し、第1のU/Dカウンタ102でのカウント処理をカウント設定信号にて制御し、第2のU/Dカウンタ104でのカウント処理をカウント保持信号にて制御すると共に、スイッチ103にVHリセット信号を出力する。
CCD駆動部31は、D/A変換器110、アンプ111、電源部112、タイミングジェネレータ(以下、T.G.と記す)113、CCDドライバ114等を備えて構成される。
D/A変換器110は、CCD感度制御部32からのスイッチ103の出力信号をアナログ信号に変換する。
アンプ111は、Vminを基準としてD/A変換器110からの出力信号に基づきVH制御信号を出力する。
電源部112は、アンプ111からのVH制御信号に基づき感度制御パルスΦCMDの電圧値(振幅)VHの電力を生成し駆動電力としてCCDドライバ114に出力する。
T.G.113は、CCD感度制御部32からのP設定信号に基づき感度制御パルスΦCMDのパルスパターンを生成してCCDドライバ114に出力する。
CCDドライバ114は、T.G.113からのパルスパターンの上限をVH、下限を所定のVLとしてCCD19に出力する。
このような構成された本実施例の作用について説明する。
内視鏡検査を開始するに当たり、術者は、複数種類の内視鏡の中から観察部位に対応した種類の内視鏡2をプロセッサ3に接続する。これにより、プロセッサ3のCPU30は、内視鏡2の記憶装置20のCPU21を介してメモリ22に格納されている内視鏡2に関する各種データの読み出しを行う。
そして、各種データの一つである内視鏡の種類に応じた通常光モードと特殊光モード(蛍光観察)のそれぞれの3波長のCCD19における電荷蓄積時間もメモリ22からCPU30に読み出される。この電荷蓄積時間データは、観察モードに応じてCCD駆動部31に出力される。
次に、通常光モード及び特殊光モード(蛍光観察)の作用を説明する。
術者は、内視鏡2の挿入部10を患者体腔内(気管支、食道、胃、大腸、腹腔、胸腔、膀胱、子宮等)に挿入し、観察を行う。
通常光観察(通常光モード)を行う場合には、回転フィルタ43は第1フィルタセット48が照明光路上に配置され、CCD19の感度増幅率は1倍(感度増幅なし)に設定される。ランプ40から照射される照明光は、第1フィルタセット48を透過することにより、R(赤)、G(緑)、B(青)の面順次照明光が生体組織に内視鏡2のライトガイド11を介して照明レンズ13から時系列的に照射される。
CCD駆動部31は、CPU30から入力される通常光モード時のR、G、Bの蓄積時間データに基づき、CCD19にR、G、Bの反射光の各露光時間に電子シャッタパルスφOFDを出力し、電荷クリアされるパルス期間を制御し、所望の蓄積時間制御を行う。
CCD19における画素の電荷の蓄積時間は、感度可変CCDを搭載していない一般的な内視鏡よりも短い。自家蛍光は微弱なため、CCD19の受光面への入射光量を大きくする必要があり、例えばライトガイド11は一般的な内視鏡よりも本数を多くしたり、対物レンズ14は、一般的な内視鏡に使用されるものよりも明るいレンズが搭載された設計となっている。
そのため、通常光観察を行うと、一般的な内視鏡に比べてCCD19の受光面への入射強度は大きくなるため、蓄積時間を短くすることにより入射量を調整するように、内視鏡の種類に応じて蓄積時間が設定されている。
測光部37はモニタ画面に表示される輝度信号を算出し、絞り制御部42に出力する。絞り制御部42は、輝度信号と術者が設定したモニタ明るさの基準値(目標値)との比較を行い、比較結果(大小)に応じて絞り41の開閉制御を行う。
この絞り制御部42は、モニタ画面(輝度信号)が基準値よりも明るい場合は、絞り41を閉じる方向(ライトガイド11の後端面への照射強度が小さくなる)に動作させる。一方、モニタ画面が基準値よりも暗い場合は、絞り41を開ける方向(ライトガイド11の後端面への照射強度が大きくなる)に動作させる。このように、内視鏡装置1は、生体組織への照射強度を変化させることで、モニタ6の明るさが術者の設定値で維持されるように、絞り41の制御による自動調光動作(光源装置5の絞り開閉制御による調光)を行う。
生体組織からのR、G、Bの反射光は、CCD19に順次入射される。CCD19からのR,G、Bの反射光に対応するCCD出力信号は、信号処理装置4に入力され、アナログ処理回路33、デジタル処理回路35で各種信号処理が施され、モニタ6や記憶部等の周辺機器に出力される。これにより、モニタ6や周辺機器に通常光画像の表示や記録が行われる。
モニタ6には、図8及び図9に示すような感度増幅率1倍に対応する出力信号及びS/N特性が得られる。
蛍光観察(特殊光モード)を行う場合には、術者は、モード切替部50を構成する内視鏡2やプロセッサ3に設けられているモード切替スイッチ等により、特殊光モード(蛍光観察)を選択する。この選択指示に伴い、回転フィルタ切替部46は、RGB回転フィルタ43の第2フィルタセット49を照明光路上に配置する。また、絞り制御部42は、CCD19への入射光強度が小さいために絞り41をほぼ全開の位置に保持する。
内視鏡2が生体組織に近接〜拡大した場合は、CCD19への蛍光の入射強度が大きくなり、電荷増幅部64の感度増幅率が1倍(増幅なし)でもモニタ画面が飽和となる場合がある。その場合は、絞り制御部42は、絞り41を閉じる方向に制御し、これにより被写体への照射光量を調整する制御が行われる。
光源装置5のランプ40から照射された照明光は、RGB回転フィルタ43の第2のフィルタセット49を透過することにより発生する、フィルタEx1の励起光である青色帯域、フィルタEx2の緑狭帯域光、フィルタEx3の赤狭帯域光が、それぞれ集光レンズ45を介してライトガイド11の後端面に入射され、内視鏡2の先端部12に搭載されている照明レンズ13から生体組織に例えば図11に示すような分光特性(スペクトル、強度)を有する照明光として順次に照射される。
CCD駆動部31は、CPU30から入力される特殊光モード(蛍光観察)時の蛍光、緑反射光、赤反射光のそれぞれの蓄積時間データに基づき、CCD19に蛍光の波長と反射光の2波長の撮像時に電子シャッタパルスφOFDの電荷クリアするパルス幅(期間)を制御し、所望の蓄積時間となるように制御する。蛍光の波長と反射光の2波長の蓄積時間は、反射光の2波長よりも蛍光の方が長いため、電子シャッタパルスφOFDのパルス幅は蛍光よりも反射光の2波長の方が長くなる。
自家蛍光強度は、反射光強度に対して非常に微弱であり、また、蛍光の波長と反射光の2波長の強度比は、部位毎に異なるため、例えば図11に示すような照射光を正常な生体組織に照射すると、CCD19の受光面にある部位(複数の内視鏡の種類の一種類)では例えば図13に示すような自家蛍光の波長と反射光の2波長のスペクトルが得られる。
ここで、各波長の強度比は、例えば、おおよそ 蛍光:緑反射光(緑狭帯域):赤反射光(赤狭帯域)=1:5:10と仮定する。
特殊光モード時の各波長の蓄積時間TAは、例えば 蛍光=TE、緑反射光は0.2*TE、赤反射光は0.1*TEがメモリ22に格納されており、蛍光の波長と反射光の2波長をこの蓄積時間で撮像すると各波長では同等レベルの画面平均値となる。このように蛍光は、反射光の2波長よりも長い蓄積時間で撮像される。また、他の部位で蛍光と反射光の強度比が大きく異なればCPU30は、その強度比を考慮して蛍光の波長と反射光の2波長の蓄積時間を算出する。メモリ22には内視鏡の種類毎に最適な蓄積時間データが格納されている。
測光部37は、モニタ画面の明るさに関連する蛍光と反射光の合成画像の画面平均値を算出し、この結果を、CCD感度制御部32と絞り制御部42に出力する。
CCD感度制御部32は、画面平均値と術者が設定したモニタ明るさの基準値(目標値)とを比較し、比較結果(大小)に応じてCCD19の電荷増幅部64の感度増幅率の制御を行うために、CCD駆動部31からCCD19に出力される感度制御パルスφCMDの電圧値(振幅)及びパルス数を後述するように制御する。
CCD感度制御部32により、明るさが変化する被写体に対して、モニタ6の明るさを術者の設定値(目標値)に維持できるようにCCD19の電荷増幅部64の感度増幅率を変化させて自動利得動作(電荷増幅部64の感度増幅率制御によるAGC)が行われる。また、CCDの温度変化により感度増幅率が変化しても、モニタ6の明るさを術者の設定値(目標値)に維持できるように、CCD19の電荷増幅部64の感度増幅率を変化させる自動利得制御が行われる。
対物レンズ14には、生体組織への励起光照射による励起光自身の反射光及び励起光により生体組織から発せられた概ね520nm付近にピークを有する自家蛍光が入射されるが、励起光カットフィルタ15により励起光自体はカットされ、CCD19の受光面には自家蛍光のみが入射する。また、緑狭帯域及び赤狭帯域の照明光に対する反射光は、対物レンズ14に入射し、励起光カットフィルタ15を透過してCCD19の受光面に入射する。
生体組織からの蛍光、緑反射光、赤反射光は、CCD19に順次入射される。CCD19からの各波長に対応するCCD出力信号は、信号処理装置4に入力され、アナログ処理回路33、デジタル処理回路35で各種所定の信号処理が施され、モニタ6やパーソナルコンピュータ等の周辺機器において蛍光画像の表示や記憶が行われる。
また、デジタル処理回路35では、蛍光、緑反射光、赤反射光の撮像時にホワイトバランス係数は、メモリ22に格納されている通常光モードとは異なる特殊光モード(蛍光観察)の設定値に切り換えられる。また、色変換処理では、例えば各波長の出力は、蛍光はGチャンネル、赤反射光はBチャンネル、緑反射光はRチャンネルに出力されるように色変換が施される。
これにより、モニタ6には、図8及び図9に示すような任意の感度増幅率に対応する出力信号及びS/N特性が得られる。特に微弱光領域において、CCD19の電荷増幅部64への感度制御パルスφCMDの電圧値(振幅)を変え、感度増幅率を大きくすることにより、モニタ6には、感度増幅率3倍や10倍等に相当する出力信号及びS/N特性が得られる。なお、感度増幅率は、3倍、10倍のみならず、感度制御パルスφCMDの電圧値(振幅)を制御する事により任意の値に増幅可能である。
蛍光観察は、例えば青色領域の励起光を粘膜に照射すると520nm付近にピークを有する自家蛍光が得られ、この自家蛍光の強度比は正常部位に対して病変部位は小さい特性を利用したものである。
なお、励起光は青色領域の光に限らず、紫外光やレーザ光でもよい。また薬剤を用いた蛍光観察にも適用可能である。
また、血液の影響、すなわちヘモグロビン吸収帯を鋭敏に捉えられる緑反射光、及び、参照光(血液の影響がない波長帯域)として赤反射光を用いることにより、観察対象部位を撮像して得られる合成画像は、炎症(血液)の影響を除外した病変の有無が鋭敏に検出可能な画像となる。例えば、蛍光観察により、炎症や過形成は正常組織と同じ色に表示され、腺腫やガンの部位は正常組織とは異なる色で表示される。これらにより、通常観察に比べて腫瘍性病変の拾い上げが容易となる。
次に、本実施例のプロセッサ3のCCD感度制御部32の作用について図14のフローチャートを用い、図12及び図15〜図22を参照して以下に説明する。
図14に示すように、ステップS1にて電圧/パルス制御部105がVHリセット信号によりスイッチ103においてVHを0にリセットすると共に、第2のU/Dカウンタ104によるパルス制御を開始する。
そして、ステップS2にて第2のU/Dカウンタ104において測光部37の測光結果に基づくUP信号及びDOWN信号によりP設定信号の値を増減させて感度制御パルスΦCMDのパルス数Pの増減を実行する。
ステップS3にて術者が設定した明るさ目標値に基づく比較部101の比較結果に基づきP設定信号(パルス数P)が所定のパルス値に収束したかどうか判断し、収束せずにP設定信号に変化がある場合にはステップS2に戻り、P設定信号が変化せず収束すると、ステップS4に進む。
ステップS4では、電圧/パルス制御部105が第2のU/Dカウンタ104で収束した収束パルス数PのP設定信号をカウント保持信号にて保持させると共に、第1のU/Dカウンタ102による電圧制御を開始する。
そして、ステップS5にて電圧/パルス制御部105はUP信号及びDOWN信号により画面平均値が明るさ目標値に対して暗いかどうか判断し、暗い場合にはステップS6にて感度制御パルスΦCMDの電圧値(振幅)VHを設定するVH設定信号をアップしてステップS9に進む。
また、画面平均値が明るさ目標値に対して暗くない場合には、ステップS7にて画面平均値が明るさ目標値に対して明るいかどうか判断し、明るい場合にはステップS8にてVH設定信号(電圧値(振幅)VH)をダウンしてステップS9に進み、明るくない場合、すなわち画面平均値が明るさ目標値になった場合には処理を終了する。
そして、ステップS9にてVH設定信号(電圧値(振幅)VH)が収束したかどうか判断し、収束せずにVH設定信号に変化がある場合にはステップS5に戻り、VH設定信号が変化せず収束すると処理を終了する。
上記の処理により収束したきP設定信号(パルス数P)で、かつ収束したVH設定信号(電圧値(振幅)VH)のCCD駆動部31に出力することで、CCD駆動部31が感度制御パルスΦCMDを生成しCCD19を駆動する。
パルス数制御を先に実施するメリットは、パルス数でゲイン制御すると、パルス数により最小分解能であるステップ毎のゲイン制御となり精度が出ないが、目標ゲイン付近まではパルス数でゲイン制御を行い、その後は電圧値でゲイン制御を行うことで、目標ゲインがパルス数のステップ間に存在する場合においても、精度よくゲイン制御を行うことができる。
図15はパルス数Pが最大値、例えば256であるときの感度制御パルスΦCMDのパルスパターンを示し、図16及び図17はパルス数Pが1<P<256のときの感度制御パルスΦCMDのパルスパターンを示している。
また、図18及び図19に示すように、感度制御パルスΦCMDの電圧値(振幅)は、2値あるいは3値でもよい。
このように本実施例では、図20に示すように、第2のU/Dカウンタ104でのパルス制御の選択を行い、目標値付近までゲインが達した後、第1のU/Dカウンタ102での電圧制御の選択をし、感度制御パルスΦCMDの電圧値(振幅)(φCMD HIGH電源)の調整を行ない、ゲインの微調整を行うことので、従来のような電圧制御のみに比較し、急峻な変化を有するゲイン特性に対しても、目標値の明るさに精度良く制御することができる。
また、パルス数制御とφCMD High電源調整を組み合わせることによって、CCD駆動部31のD/A変換器110のリファレンス電圧を小さくすることができたため、ピット数の小さいD/A変換器を使用しても制御することが可能になる。
なお、図21のステップS21〜S29に示すような処理を行い、図22に示すように、第1のU/Dカウンタ102での電圧制御を選択を行い、目標値付近までゲインが達した後、第2のU/Dカウンタ104でのパルス制御を選択をし、感度制御パルスΦCMDのパルス数の調整を行ない、ゲインの微調整を行うようにしてもよい。