以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1乃至図13は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は内視鏡装置の概略構成を示すブロック図、図2は電荷増幅型固体撮像素子(以下、CCDと呼ぶ)のブロック図、図3は感度制御パルスφCMDと水平転送パルスφS1、φS2のタイミングチャート、図4はCCD感度に関する電荷増幅部への印加電圧と感度増幅率の関係を示すグラフ、図5はCCD駆動のタイミングチャート、図6は図1の測光回路の構成を示すブロック図、図7は図1の感度制御回路の構成を示すブロック図、図8は図1の測光補正回路の構成を示すブロック図、図9は回転フィルタの構成を示す平面図、図10はCCD感度特性(モニタ出力信号)を示すグラフ、図11はCCD感度特性(S/N特性)を示すグラフ、図12は特殊光観察(蛍光観察)における光源装置の分光特性を示すグラフ、図13は特殊光観察(蛍光観察)における蛍光及び反射光の分光特性を示すグラフである。
(構成)
図1に示すように、第1の実施の形態の内視鏡装置1は、電子内視鏡(以下、内視鏡と略記)2と、プロセッサ3と、モニタ6とを含んで構成される。
内視鏡2は、CCD19を内視鏡先端部15に内蔵している。
プロセッサ3には、前記内視鏡2が着脱自在に接続される。また、プロセッサ3は、信号処理装置4及び光源装置5を内蔵している。尚、光源装置をプロセッサと別体に設けてもよい。
モニタ6は、プロセッサ3に接続され、このプロセッサ3で画像処理された映像信号を表示する。
次に、内視鏡2について詳細に説明する。
内視鏡2は患者体腔内に挿入される細長の挿入部11を有している。
ここで挿入部11は、消化管用、気管支用、頭頸部用(咽頭部用)や膀胱用の場合には軟性部により構成され、腹腔、胸腔や子宮用の場合には硬性部により構成される。
挿入部11の内部にはライトガイド12とCCD駆動信号線13とCCD出力信号線14とが配設されている。
挿入部11の先端部15には、ライトガイド12の先端側、照明レンズ16、対物レンズ17、励起光カットフィルタ18及びCCD19が設けられている。
ライトガイド12は、プロセッサ3に設けられた光源装置5からの照明光を挿入部11の先端部15まで導く。
照明レンズ16は、挿入部11の先端部15に搭載され、ライトガイド12の先端面側に配設されている。
ライトガイド12により光源装置5から導かれてきた照明光は、照明レンズ16を介して被写体に照射される。
対物レンズ17は被写体からの光を結像するものである。
励起光カットフィルタ18は、CCD19の前面に搭載され、特定の波長帯域のみを透過させる。本実施の形態において、この励起光カットフィルタ18は、生体組織から生じる自家蛍光(概ね500nm以上の波長)は透過させ、励起光(概ね470nm以下は透過しない分光特性を有する。
被写体からの反射光及び自家蛍光は、対物レンズ17及び励起光カットフィルタ18を介してCCD19の受光面に結像される。
CCD19は、挿入部11の先端部15に設けられ、対物レンズ17の結像位置に配設されたイメージセンサである。図1では直視状に配設しているが、斜視や側視状に配設も可能である。
また、CCD19は、複数の駆動信号線13を介してプロセッサ3内の信号処理装置4のCCD駆動回路31に接続されている。CCD19は、CCD駆動回路31で生成された駆動信号により電子シャッタ制御、信号電荷の蓄積、感度制御及び読み出しを行う。
対物レンズ17及び励起光カットフィルタ18によりCCD19の受光面に結像された被写体像は、CCD19の各画素で光電変換後に転送されて出力アンプから出力される。このCCD19からの出力信号は複数のCCD出力信号線14を介しプロセッサ3内の信号処理手段4のアナログ処理回路33に供給される。
また、内視鏡2は基端側に記憶装置20を搭載している。記憶装置20は、CPU21とメモリ22とを含んで構成されている。
記憶手段としてのメモリ22は、例えば不揮発性のEEPROM等を用いており、CCD19の感度増幅率特性のデータを格納している。
CPU21は、メモリ22へのデータ読み出し及び書き込み制御を行うとともに、プロセッサ3とのデータの送受(通信)を制御する。
メモリ22には、CCD19の前記感度増幅率特性のデータ以外に、内視鏡に関連する下記のデータ等が格納されている。
この場合の格納データとして、例えば内視鏡機種(種類)名、内視鏡シリアルナンバー、ホワイトバランス設定値{通常光用、特殊光用(複数個)}、内視鏡の鉗子チャンネルの情報、内視鏡の先端部外径データ、内視鏡の挿入部外径データ等がある。
本実施例において信号処理装置4は、CPU30と、CCD駆動回路31と、感度制御回路32と、アナログ処理回路33と、アナログ/デジタル変換器(以下、A/D変換器と呼ぶ)34と、デジタル処理回路35と、測光回路36と、測光補正回路37と、セレクタ40と、同時化メモリ41,42,43と、マトリクス回路44と、デジタル/アナログ変換器(以下、D/A変換器と呼ぶ)45,46,47と、75Ωドライバ48とを有する。
光源装置5は、ランプ50と、絞り51と、絞り制御回路52と、回転フィルタ53と、モータ54と、集光レンズ55と、回転フィルタ切替機構56と、回転フィルタ制御回路57と、モード切替スイッチ58と、明るさ制御スイッチ59とを有する。
内視鏡2がプロセッサ3に接続されると、CPU30は、メモリ22に格納されている各種データをCPU21を介して読み出し制御を行う。この場合、メモリ22に格納されている各種データはCPU21を介してCPU30に出力され、CPU30で各種データの読み出しが行われる。
また、CPU30は、メモリ22から取得したCCD19の感度増幅率特性データをCCD駆動回路31に出力する。
さらに、CPU30は、内視鏡機種名、シリアルNo.やホワイトバランス設定値等をデジタル処理回路35に出力する。
次に、CCD19について詳細に説明する。
本実施例においてCCD19としては、例えば、U.S.PAT.No.5,337,340号”Charge Multiplying Detector(CMD)suitable for small pixel CCD image sensors”に記載されている衝突電離現象を用いた感度可変な固体撮像素子を用いている。
CCD19には、CCD内の水平転送路と出力アンプの間、あるいは、画素毎に電荷増幅部が設けられ、この電荷増幅部にプロセッサから高電界のパルスを印加することにより、信号電荷が強電界からエネルギーを得て価電子帯の電子に衝突し、衝突電離により新たに信号電荷(2次電子)が生成される。
例えば、アバランシェ効果を利用した場合は、パルスの印加で2次電子生成が連鎖反応的に生じるが、衝突電離を利用した場合はアバランシェ効果に対して比較的低電圧のパルス印加で1組の電子−正孔ペアが生成されるのみである。
このCCD19において、電荷増幅部が出力アンプ前段に設けられている場合、印加するパルスの電圧値(振幅)またはパルス数を制御することにより信号電荷数を任意に増幅することが可能である。
一方、電荷増幅部が、画素毎に設けられている場合、印加するパルスの電圧値(振幅)またはパルス数を制御することにより信号電荷数を任意に増幅することが可能である。
そして本実施の形態の場合、CCD19として、図2に示すように、電荷増幅部を水平転送路と出力アンプの間に搭載したFFT(Full Frame Transfer)型のモノクロCCDを用いている。
CCD19は、受光部のイメージエリア60、OB部(Optical Black)61、水平転送路62、ダミー63、電荷増幅部64及び出力アンプ部65を有する。また、電荷増幅部64は水平転送路62のセル数とほぼ同じあるいは約2倍のセル数から構成されている。
また、CCD19は、電荷蓄積部を設けたFT(Frame Transfer)型にしても良い。
イメージエリア60の各画素で生成された信号電荷は、垂直転送パルスΦP1、ΦP2により1水平ライン毎に水平転送路62に転送され、水平転送パルスΦS1、ΦS2によって水平転送路62からダミー63及び電荷増幅部64に転送される。そして、複数のセルから成る電荷増幅部64の各セルに感度制御パルスφCMDが印加されることにより、電荷は各セルを転送されながら1段ずつ順次増幅が行われ、順次出力アンプ部65に転送される。出力アンプ部65は電荷増幅部64からの電荷を電圧に変換して出力する。
尚、感度制御パルスφCMDと水平転送パルスφS1、φS2の位相は図3に示すようにφS1が立ち上がる前にφCMDが立ち上がり、φS1が立ち下がる前にφCMDが立ち下がっている。
電荷増幅部64で得られる感度増幅率は、CCD駆動回路31から電荷増幅部64への感度制御パルスΦCMDの電圧値(振幅)の大きさを変化させることにより可変となっている。電荷増幅部65では各セルにて1段ずつ増幅が行われる。電荷増幅部64で得られる感度増幅率は、図4に示すように印加電圧に対して、ある閾値Vthを上回ると電荷増幅が始まり感度が指数関数的に増幅する特性となる。
尚、感度制御パルスΦCMDが0(V)〜閾値Vthとなる場合には、電荷増幅はされずに信号電荷は電荷増幅部64で転送されるだけである。また、電荷増幅が始まる閾値や印加電圧に対する感度増幅率の急峻度は、CCDパラメータに依存し、設計的に可変である。
図5は通常光モードと特殊光(蛍光観察)モード時のCCD19の駆動信号と出力信号のタイミングチャートであり、図5(a)は通常光モード時の回転フィルタ53の動作、図5(b)は通常光モード時の垂直転送パルスφP1,ΦP2、図5(c)は通常光モード時の水平転送パルスΦS1,ΦS2、図5(d)は通常光モード時の感度制御パルスφCMD、図5(e)は通常光モード時のCCD19からの出力信号、図5(f)は特殊光モード時の回転フィルタ53の動作、図5(g)は特殊光モード時の垂直転送パルスφP1,ΦP2、図5(h)は特殊光モード時の水平転送パルスΦS1,ΦS2、図5(i)は特殊光モード時の感度制御パルスφCMD、図5(j)は特殊光モード時のCCD19からの出力信号をそれぞれ示している。
図5に示すように、CCD駆動回路31は通常光モードと特殊光(蛍光観察)モードにおいてCCD19に駆動信号として垂直転送パルスφP1,ΦP2、水平転送パルスΦS1,ΦS2、図示しない電子シャッタパルスφOFDを出力する。
CCD駆動回路31は、通常光モードの場合にCCD19に供給する感度制御パルスφCMDを出力せず、特殊光(蛍光観察)モードの場合にCCD19に感度制御パルスφCMDを出力している。尚、通常光モード時に感度制御パルスφCMDを出力するが、電圧値をしきい値Vth以下にしても良い。
通常光モード時において、CCD19は図5(a)に示すR、G、Bの露光期間中にCCD19の受光面に被写体から入射された光を光電変換する事により信号電荷として蓄積可能になっている。
図5(a)に示す遮光期間において、CCD駆動回路31は、図5(b)に示す垂直転送パルスφP1,ΦP2、図5(c)に示す水平転送パルスΦS1,ΦS2を出力し、これによりCCD19の読み出しが行われCCD19から図5(e)に示す出力信号が得られる。
ここでCCD駆動回路31は、前述のように通常光モード時に感度制御パルスφCMDを出力しない。
これにより通常光モード時には、電荷増幅部64では電荷増幅は行われず、感度増幅率は1倍(増幅なし)である。
特殊光モード時において、CCD19は図5(f)に示す3波長Ex1,Ex2,Ex3の露光期間中にCCD19の受光面に被写体から入射された光を光電変換する事により信号電荷として蓄積可能になっている。
図5(f)に示す遮光期間、即ちCCD19の読み出し期間において、CCD駆動回路31は、図5(g)に示す垂直転送パルスφP1,ΦP2、図5(h)に示す水平転送パルスΦS1,ΦS2、図5(i)に示す感度制御パルスφCMDを出力し、これによりCCD19の読み出しが行われ図5(j)に示すCCD19から出力信号が得られる。
ここでCCD駆動回路31は、感度制御回路32から供給されるデータに基づいて図5(i)に示す感度制御パルスφCMDの電圧値(振幅)を可変する。そして、CCD駆動回路31は、図5(i)に示す感度制御パルスφCMDを、図5(h)に示す水平転送パルスΦS1,ΦS2に同期した位相関係でCCD19に出力する。
これにより特殊光モード時に、CCD駆動回路31は、電荷増幅部64に印加する感度制御パルスΦCMDの電圧値(振幅)を変化させることにより、所望の感度増幅率が得られるようにCCD19を制御する。
このように、露光期間においてCCD19のイメージエリア60の各画素で電荷が蓄積され、遮光期間に駆動信号がCCD19に出力され、各画素で電荷は、1水平ライン毎に垂直転送パルスΦP1、ΦP2により水平転送路62に転送され、水平転送パルスΦS1、ΦS2によりダミー63、電荷増幅部64、出力アンプ部65に順次転送され、出力アンプ部65で電荷電圧変換後、電圧信号として出力される。
CCD19の露光期間は、特殊光モードの種類により異なり、本実施例では、蛍光観察モードの露光時間(蓄積時間)は通常光モードの約3倍となる。
CCD19は、モード切替スイッチ58から選択された観察モード(モード切替信号)に応じて駆動及び読み出しタイミングが切り替わる。
CCD駆動回路31には、電荷増幅部64に出力する感度制御パルスφCMDの電圧値(振幅)に関連するカウンタ値が感度制御回路32から入力される。また、記憶装置20のメモリ22からCPU21及びCPU30を介して、CCD19の電荷増幅部64の感度増幅率特性(印加電圧と感度増幅率の関係)のデータが入力される。
カウンタ値と電荷増幅部64への印加電圧値の対応関係は、カウンタ値が最小の場合は図4に示す電圧Vth、また、カウンタ値が最大の場合は図4に示す電圧Vmaxとなるように設定され、感度制御回路32からのカウンタ値に対応する感度制御パルスφCMDがVth〜Vmaxの範囲で電荷増幅部64に出力される。感度増幅率特性はCCD毎や駆動信号線のバラツキ等で変化するため、感度制御回路32は、感度制御パルスφCMDの電圧の最小値Vthと最大値Vmaxをカウンタ値の最小値と最大値に一致させる補正手段を有する。
図2に示した電荷増幅部64の感度制御パルスΦCMDの電圧値と感度増幅率の関係は、下記式で表される。
M(V)=C・Exp{α(V−Vth)}…(1)
但し、M(V)はΦCMDの電圧値(振幅)がV(v)の時の感度増幅率、Vthは電荷増幅が開始される閾値電圧、C、α、Vthはデバイス固有の定数である。
例えば、電荷増幅部64への印加電圧値がV(V)の場合、カウンタ値が±1変化すると、カウンタ値変化が1に相当する電圧値をΔV(V)とすると印加電圧V’=V±ΔV(V)となるため、その時の感度増幅率は以下となる。
M(V’)=C・Exp{α(V’−Vth)}
=C・Exp{α(V±ΔV−Vth)}…(2)
また、その時の感度増幅率の変化率は以下となる。
M(V’)/M(V)
=C・Exp{α(V±ΔV−Vth)}/C・Exp{α(V−Vth)}
=Exp(±α・ΔV)…(3)
このような関係式を用いて、CCD駆動回路31は、感度制御パルスφCMDの電圧値から電荷増幅部64の感度増幅率を演算し、感度増幅率を測光補正回路37に出力する。
アナログ処理回路33には、CCD19からのCCD出力信号を増幅するためのプリアンプ及びCCDノイズを低減する為に相関2重サンプリングを行うCDS回路が設けられている。アナログ処理回路33でCDS処理された信号はA/D変換器34に出力され、デジタル信号に変換される。A/D変換器34の出力はデジタル処理回路35に出力される。
デジタル処理回路35は、A/D変換器34から入力された映像信号に対して、クランプ処理、ホワイトバランス処理、色変換処理、電子ズーム処理、ガンマ変換処理及び画像強調処理等の信号処理を施した後、3波長の同時化処理を施して、セレクタ40に出力する。
デジタル処理回路35において、ホワイトバランス処理は、モード切替スイッチ58からのモード切替信号に応じて通常光と複数の特殊光の観察モードで異なる値が設定可能になっている。各観察モードに対応する設定値は、メモリ22に格納されている設定値がCPU30を経由してデジタル処理回路35に入力される。
セレクタ40は、デジタル処理回路35から出力される、通常光モードまたは特殊光モードの時系列の画像を分離して、3軸の同時化メモリ41,42,43に出力する。
同時化メモリ41,42,43は、通常光モードまたは特殊光モードの画像を記憶し、相互に同時に読み出すことで面順次画像を同時化して、マトリクス回路44に出力する。
マトリクス回路44は、モード切替スイッチ58からのモード切替信号に応じ、通常光モードと特殊光モードでは異なる色変換処理を行う。
特殊光モードの場合、マトリクス回路44は、選択された特殊光モード毎に同時化メモリ41,42,43からの各画像に対して所定のマトリクス係数を乗算して合成画像を構築する。マトリクス回路44は、構築した画像をD/A変換器45,46,47に出力する。
通常光モードの場合、マトリクス回路44は、同時化メモリ41,42,43からの各画像に対して色変換処理を施さず、D/A変換器45,46,47に出力する。
D/A変換器45,46,47はマトリクス回路44からの各画像をアナログの映像信号に変換して出力する。
75Ωドライバ48は、D/A変換器45,46,47から入力される通常光モード及び特殊光モード時におけるアナログの映像信号をモニタ6及び図示しない記録装置等の周辺機器に出力する。
測光回路36は、図6に示すようにサブサンプリング回路71と、積分回路72と、輝度信号算出回路73とを有している。
サブサンプリング回路71は、A/D変換器34から入力された各観察モードの各波長に対応する映像信号を間引いて、積分回路72に出力する。本実施の形態では、サブサンプリング回路71でサブサンプリングすることで、後段の積分回路72の回路規模を縮小可能にしている。
積分回路72は、サブサンプリング回路71から入力される通常光モードまたは特殊光モードの画像を、フィールド毎に積分し、各フィールド毎の積分値を算出する。積分回路72は、積分結果を輝度信号算出回路73に出力する。
輝度信号算出回路73は、積分回路72で算出された各波長のフィールド毎の積分値に基づき、輝度信号を算出する。
輝度信号算出回路73による輝度信号算出は、モード切替スイッチ58のモード切替信号に基づき、観察モード毎に異なるようになっている。
通常光モードでは、輝度信号算出回路73は、R、G、Bの各フィールドの積分値をそれぞれ0.3倍、0.59倍、0.11倍した後に加算することで、輝度信号を算出する。
特殊光モードでは、輝度信号算出回路73は、各フィールドの積分値に所定の係数を乗算した後に加算し、輝度信号を算出する。
輝度信号算出回路73により観察モード毎に算出された輝度信号は、感度制御回路32及び測光補正回路37に出力される。
感度制御回路32は、図7に示すように比較回路81と、ルックアップテーブル回路(LUT回路)82と、アップダウンカウンタ83と、デコード回路84とを有している。
LUT回路82は、明るさ制御スイッチ59にて術者により選択されたレベルを目標値に変換し、比較回路81に出力する。
より詳しく説明すると、LUT回路82は、通常光モードと特殊光モードに対応した複数のLUT(Look Up Table)を備え、モード切替スイッチ58から選択された通常光モードまたは複数の特殊光モードのモード切替信号に応じてLUTを切替え選択し、切替え選択したLUTで明るさ制御スイッチ59にて選択されたレベルを目標値に変換し、比較回路81に出力する。
比較回路81は、測光回路36から入力される通常光モード及び特殊光モードの輝度信号と、LUT回路82から入力されるモニタ明るさの目標値を比較し、比較結果をアップダウンカウンタ83に出力する。また、比較回路81は、輝度信号と目標値との差分が大きい場合に、感度増幅率の応答性向上のため、カウント値の増減を大きくする機能を有している。
アップダウンカウンタ83は、比較回路81から入力される輝度信号と明るさの目標値との比較結果に基づきカウンタ値をアップダウンさせる(C’=C±1)。そして、アップダウンカウンタ83は、カウンタ値をCCD駆動回路31及びデコード回路84に出力する。
アップダウンカウンタ83は、デコード回路84から停止信号が入力された場合、カウンタ出力が停止される。また、アップダウンカウンタ83は、モード切替スイッチ58からのモード切替信号が通常光モードの時は、カウンタ出力が停止される。つまり、感度制御回路32は、特殊光モードのみ動作することになる。
デコード回路84は、アップダウンカウンタ83から入力されたカウンタ値からオーバーフロー、アンダーフローを判別し、オーバーフロー、アンダーフローが生じた場合アップダウンカウンタ83に停止信号を出力する。
この場合、記憶装置20のメモリ22に格納されるCCD19の感度増幅率特性のデータは、図4に示すように電荷増幅が開始される閾値Vth〜感度増幅率が最大値となるVmaxまでの領域をアップダウンカウンタ83のカウンタ総数の相当数に分割し、電圧値(振幅)と感度増幅率とをセットで格納したものでもよい。また、印加電圧と感度増幅率M(V)の関係は、M(V)=C・Exp{α(V−Vth)}より、格納データをC、α、VthやVmax等の感度増幅率に関連するパラメータにしても良い。
測光補正回路37は、図8に示すように、測光回路36から入力される通常光モードと特殊光モードにおける輝度信号及びCCD駆動回路31から入力される電荷増幅部64の感度増幅率に基づき、輝度信号を感度増幅率で除算する演算を行う。そして測光補正回路37は、その演算結果を絞り制御回路52に出力する。
測光補正回路37の目的は、入力される輝度信号が電荷増幅部64で感度増幅されたCCD出力値に基づいて算出されているため、輝度信号を感度増幅率で除算することにより感度増幅率1倍(増幅なし)相当の補正された輝度信号を取得することである。
モード切替スイッチ58は、通常光観察または複数の特殊光観察(蛍光観察、狭帯域光観察、赤外光観察等)の中から、いずれかの観察モードを術者が任意に選択可能なスイッチである。
尚、モード切替スイッチ58の設置場所は、プロセッサ3、キーボード、フットスイッチ、内視鏡2、あるいは、両方でもよい。
モード切替スイッチ58にて選択されたモード切替信号(観察モード)は、回転フィルタ切替機構56、回転フィルタ制御回路57、測光回路36、CCD駆動回路31、デジタル処理回路35、マトリクス回路44、感度制御回路32に出力される。
明るさ制御スイッチ59は、モニタ画面の明るさの目標値を複数段階の中から術者が任意に選択可能なスイッチである。
明るさ制御スイッチ59の設置場所は、プロセッサ3のフロントパネルである。
明るさ制御スイッチ59の操作に基づく信号は感度制御回路32及び絞り制御回路52に出力される。
以下、光源装置5について詳細に説明する。
光源装置5のランプ50は、キセノンランプ、ハロゲンランプ、LED、LD(半導体レーザー)等からなり、照明光を発生する。
集光レンズ55は、ランプ50から絞り51と回転フィルタ53を介して導かれる照明光の光束をライトガイド12の後端面に集光する。
絞り51と回転フィルタ53は、ランプ50と集光レンズ55との間に挿入される。回転フィルタ53は、モータ54の回転軸に回転可能に接続されており、回転フィルタ制御回路57により所定の速度で回転制御される。
回転フィルタ制御回路57は、モード切替スイッチ58からのモード切替信号により回転フィルタ53(モータ54)の回転速度を所定の回転速度に制御可能になっている。回転フィルタ制御回路57は観察モードにより回転フィルタ53回転速度を異なるようにしている。回転フィルタ制御回路57は特殊光観察モードの場合の回転速度を通常光モードに対して1/2の回転速度に設定している。
絞り制御回路52は、測光補正回路37から輝度信号が入力され、輝度信号と術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値とを比較する。絞り制御回路52は、この比較結果から、ランプ50と回転フィルタ53の照明光路上に挿入されている絞り51の開閉動作制御により、ライトガイド12の後端面への照明光量を制御する。
回転フィルタ53は、図9に示すように内周部分と外周部分に2組のフィルタセット66,67が設けられた2重構造となっている。
回転フィルタ切替機構56は、ランプ50とライトガイド12の後端面とを結ぶ照明光軸上に回転フィルタ53の内周側の第1のフィルタセット66と外周側の第2のフィルタセット67とのいずれかを選択的に移動させ、回転フィルタ53の全体を移動する機構である。また、回転フィルタ切替機構56は、特殊光観察の種類によって、回転フィルタ53を移動する場合としない場合がある。
通常光モード時に回転フィルタ切替機構56は、内周側のフィルタセット66を照明光軸上に配置する。
特殊光モード時に回転フィルタ切替機構56は、外周側のフィルタセット67を照明光軸上に配置する。
図9に示すように、回転フィルタ53の内周部分の第1のフィルタセット66は、通常光モード用のR、G、Bの3枚のフィルタであり、それぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)の波長帯域を透過する分光特性を有するフィルタ66R,66G,66Bを有する。
外周部分の第2のフィルタセット67には特殊光モード(蛍光観察)用の分光特性を有するEx1、Ex2、Ex3の3枚のフィルタ91,92,93が設けられている。
例えば、本実施の形態では、Ex1のフィルタ91は390〜470nm領域を透過する励起光用フィルタである。
Ex2のフィルタ92は、中心波長550nm付近、半値幅30nm程度の狭帯域でかつ透過率数%程度の分光特性を有する反射光用フィルタである。
Ex3のフィルタ93は、中心波長600nm付近、半値幅30nm程度の狭帯域でかつ透過率数%程度の分光特性を有する反射光用フィルタである。
特殊光モードにおいて、内視鏡2の照明レンズ16から照射される照明光は例えば図12に示すような分光特性を有している。
フィルタ66R、66G、66BはCCD19の露光期間に対応し、各フィルタ66R、66G、66Bの間68に設けられる遮光部は、CCD19の遮光期間(読み出し期間)に対応する。これは第2のフィルタセット67も同様である。
第2のフィルタセット67のそれぞれの大きさは、本実施例では第1のフィルタセット66の約1.5倍に設定している。また、回転フィルタ53の回転速度は、蛍光観察モードは通常光モードの1/2に設定している。特殊光モードの露光時間(蓄積時間)は通常光モードの3倍に設定されている。自家蛍光は非常に微弱光なので露光時間を長くしている。
尚、図9では、通常光用のフィルタ66R、66G、66Bを内周に、特殊光用のフィルタ91,92,93を外周に設けたが、逆の配置でも良い。
また、第2のフィルタセット67のフィルタ開口率を通常光と同じにしても良いし、波長毎に開口率を変えても良い。
(作用)
このような第1の実施の形態の内視鏡装置1の使用方法について以下に説明する。
内視鏡検査を開始するに当たり、術者は複数種類の内視鏡から観察部位や観察の種類に対応した種類の内視鏡2をプロセッサ3に接続する。
これにより、プロセッサ3のCPU30は内視鏡2のCPU21を介してメモリ22に格納されている内視鏡2に関する各種データの読み出しを行う。メモリ22に格納されているCCD19の感度増幅率特性(電圧値と感度増幅率の関係)データは、CPU30を介してCCD駆動回路31に出力される。
次に、通常光モード及び特殊光モード(蛍光観察)における作用を説明する。
術者は、内視鏡2の挿入部10を患者体腔内(気管支、食道、胃、大腸、頭頸部、腹腔、胸腔、膀胱、子宮等)に挿入し、通常光観察を行う。
通常光観察(通常光モード)を行う場合には、回転フィルタ切替機構56は第1のフィルタセット66を照明光路上に配置し、CCD19の感度増幅率は1倍(増幅なし)に設定される。この状態で、ランプ50から照射された照明光が第1のフィルタセット66を透過することにより、R(赤)、G(緑)、B(青)の面順次照明光が生体組織に内視鏡2のライトガイド12を介して照明レンズ16から時系列的に照射される。
測光回路36ではモニタ画面に表示される輝度信号が算出され、感度制御回路32及び測光補正回路37に出力される。また、通常光モードでは感度制御回路32からCCD駆動回路31へのカウンタ出力は停止となっている。このため、CCD駆動回路31からは感度制御パルスφCMDがCCD19に出力されずCCD19は感度増幅率1倍となる。
よって、CCD駆動回路31から測光補正回路37には感度増幅率1倍(増幅なし)のデータが出力される。測光補正回路37では、測光回路36からの輝度信号とCCD駆動回路31からの感度増幅率の除算が行われ、感度増幅率1倍のために、絞り制御回路52には測光回路36からの出力値と同じ値が出力される。
絞り制御回路52は、輝度信号と術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値とを比較し、比較結果(大小関係)に応じて絞り51の開閉制御を行う。輝度信号が目標値よりも明るい場合は絞り51を閉じる方向(ライトガイド12の後端面への照射強度が小さくなる)に動作させ、一方、モニタ画面が目標値よりも暗い場合は絞り51を開ける方向(ライトガイド12の後端面への照射強度が大きくなる)に動作させて、生体組織への照射光の照射強度を変化させることにより、モニタ6の明るさが術者の設定値で維持されるように絞り51の制御による自動調光動作(光源装置の絞り開閉制御による自動利得制御)が行われる。
生体組織からのR、G、Bの反射光はCCD19の受光面(イメージエリア60)に順次入射されて、R、G、Bの反射光に対応するCCD19の出力信号は信号処理装置4に入力され、アナログ処理回路33、デジタル処理回路35で各種信号処理が施され、セレクタ40、同時化メモリ41,42,43、マトリクス回路44、75Ωドライバ48を介してモニタ6や記録装置等の周辺機器に出力される。これによりモニタ6や周辺機器に通常光画像の表示や記録が行われる。
また、デジタル処理回路35では、R、G、Bのホワイトバランス係数はメモリ22に格納されている通常光モードの設定値となる。また、マトリクス回路44において、R、G、B画像は色変換処理が施されずに出力される。
モニタ6に表示される通常光画像の出力信号及びそのS/N特性は、図10及び図11の中で破線の特性が得られる。
蛍光観察(特殊光モード)を行う場合には、術者は、モード切替スイッチ58の複数の観察モードの中から蛍光観察を選択する。この選択指示に伴い、回転フィルタ切替機構56は回転フィルタ53の第2のフィルタセット67を照明光路上に配置する。
光源装置5のランプ50から照射された照明光は回転フィルタ53の第2のフィルタセット67を透過することにより発生するフィルタEx1の励起光である青色光、フィルタEx2の緑照明光、フィルタEx3の赤照明光がそれぞれ集光レンズ55を介してライトガイド12の後端面に入射され、内視鏡2の先端部15に設けられている照明レンズ16から生体組織に、例えば図12に示すような分光特性(スペクトル、強度)を有する照明光として時系列的に照射される。
対物レンズ17には、生体組織への励起光照射による励起光自身の反射光(戻り光)及び励起光により生体組織から発せられた概ね520nm付近にピークを有する微弱な自家蛍光が入射するが、励起光カットフィルタ18により励起光自身の反射光はカットされ、CCD19の受光面には自家蛍光のみが入射する。また、緑及び赤の照明光の反射光は対物レンズ17に入射し、励起光カットフィルタ18を透過してCCD19の受光面に入射する。これにより、CCD19の受光面には図13に示すような自家蛍光と反射光の分光特性の光が入射する。
生体組織からの蛍光、緑及び赤の反射光はCCD19に順次入射され、各波長に対応するCCD出力信号は信号処理装置4に入力され、アナログ処理回路33、デジタル処理回路35で所定の信号処理が施され、セレクタ40、同時化メモリ41,42,43、マトリクス回路44、75Ωドライバ48を介してモニタ6や記録装置に蛍光画像が記録される。また、デジタル処理回路35では、蛍光、緑及び赤反射光の撮像時に、ホワイトバランス係数はメモリ22に格納されている複数の中から蛍光観察用に設定される。また、マトリクス回路44では、例えば各波長の出力は、蛍光はGチャンネル、赤反射光はBチャンネル、緑反射光はRチャンネルに出力されるように所定の色変換が施される。
蛍光観察において、生体組織の観察を行う場合、生体組織の状態や生体組織と内視鏡2の先端との距離の変動などに伴いCCD19への入射光強度が変動し、モニタ6の輝度信号は術者が明るさ制御スイッチ59で選択した目標値(基準値)と一致しなくなる場合が生じる。その場合には、以下のような調光が行われる。
測光回路36では蛍光の波長と反射光の2波長から構築される蛍光画像の輝度信号が算出され、感度制御回路32と測光補正回路37に輝度信号が出力される。感度制御回路32は比較回路81にて術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値と前記輝度信号とが比較し、この比較結果に対応したカウンタ値をアップダウンカウンタ83からCCD駆動回路31に出力する。
CCD駆動回路31は、感度制御パルスφCMDの電圧値を、カウンタ値に対応する電圧として電荷増幅部64に出力する。CCD19の感度増幅率は感度制御パルスφCMDの電圧値に対応して増減し、CCD駆動回路31は、CCD19への入射光強度が変動した分を補うように感度増幅率を増減させてモニタ6の画像の明るさを変化させ、輝度信号が明るさの目標値と一致するように制御を行う。
CCD駆動回路31は、感度制御パルスφCMDの電圧値から電荷増幅部64の感度増幅率を算出し、この算出した感度増幅率を測光補正回路37に出力する。測光補正回路37は、測光回路36からの輝度信号とCCD駆動回路31からの感度増幅率に基づき、[(輝度信号)/(感度増幅率)]の演算を行い、感度増幅率が1倍に補正された輝度信号を絞り制御回路52に出力する。絞り制御回路52は、輝度信号と術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値との比較を行い、この比較結果に応じて絞り51の開閉制御を行う。
この場合、内視鏡装置2としては、輝度信号が目標値よりも明るい場合は絞り51を閉じる方向に動作させ、輝度信号が目標値よりも暗い場合は絞り51を開ける方向に動作させて、生体組織への照射光の照射強度を変化させることにより、モニタ6の明るさが目標値と一致するように絞り51の制御による自動調光動作を行う。
自家蛍光は微弱で生体組織を遠点〜近点にて蛍光観察する場合、十分なモニタの明るさを得るには感度増幅率が数十倍程度となる。そのため、補正された輝度信号は非常に小さくなるため、絞り51は開ける方向に制御され全開位置に保持される。感度制御回路32は、モニタ明るさの目標値と輝度信号とを比較し、この比較結果に応じてCCD駆動回路31から感度制御パルスφCMDの電圧値(振幅)を増減させることにより感度増幅率を増減させて輝度信号を変化させ、輝度信号が明るさの目標値と一致するように制御を行う。この場合には、CCD19の電荷増幅部64の感度増幅率のみによる自動調光動作(電荷増幅部64の感度増幅率による優先制御による調光動作)が行われる。
生体組織を拡大〜近点にて蛍光観察しCCD19への入射光強度が大きくなり通常光レベルになると、CCD19に対する感度増幅が不要となる。このため、CCD駆動回路31から測光補正回路37に出力される感度増幅率が1倍となり、測光補正回路37では、輝度信号と感度増幅率の除算が行われ、感度増幅率1倍より絞り制御回路52には測光回路36からの出力値と同じ値が出力される。絞り制御回路52は、輝度信号と術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値との比較を行い、この比較結果に応じて絞り51の開閉制御を行う。輝度信号が目標値よりも明るい場合は絞り制御回路52が絞り51を閉じる方向に動作させ、モニタ画面が目標値よりも暗い場合は絞り制御回路52が絞り51を開ける方向に動作させる。この場合は、絞り51のみによる自動調光動作(絞り開閉動作の優先制御による調光動作)が行われる。
生体組織を近点にて蛍光観察しCCD19への入射光強度が通常光よりも比較的大きくなると、感度増幅率1〜2倍の状況が生じて補正された輝度信号は大きくなる。絞り制御回路52では術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値と補正された輝度信号が同等レベルになる。CCD19への入射光強度が大きくなる方向に変動する場合は、感度増幅率が徐々に小さくなると共に、連動して絞り51も徐々に閉じる方向に動作する。また、CCD19への入射光強度が小さくなる方向に変動する場合は、絞り51が徐々に開く方向に動作すると伴に、連動して感度増幅率も徐々に大きくなる制御となる。この場合は、電荷増幅部64の感度増幅率と絞り51の開閉が連動して同時に動作する自動調光動作(感度増幅率による調光動作と絞り開閉動作の連動制御による調光動作)が行われる。
これにより、モニタ6には図10及び図11の実線に示す出力信号及びそのS/N特性が得られる。自家蛍光領域(図10及び図11におけるCCD入射光強度が0.01[a.u.]付近)では、通常光モードに対し露光時間延長とCCD19の感度増幅率アップにより、感度増幅率1倍、3倍や30倍等の出力信号及びS/N特性が得られる。自家蛍光領域において、通常光観察時の特性(破線)では、モニタ画面は暗く、S/N特性が非常に悪い。しかしながら、感度増幅率を数倍から数十倍に大きくすることにより、モニタ画面は明るく、かつ、高S/N特性(高画質)の蛍光画像(蛍光と反射光の合成画像)が得られる。尚、感度増幅率は印加電圧値(振幅)の制御により任意に増幅可能である。
蛍光観察とは、例えば青色領域の励起光を生体粘膜に照射すると520nm付近にピークを有する自家蛍光が得られ、この自家蛍光強度は正常部位に対して病変部位は小さい特性を利用したものである。また、蛍光観察において、血液の影響、すなわちヘモグロビン吸収帯を鋭敏に捉えられる緑反射光、及び、参照光(血液の影響がない波長帯域)として赤反射光を用いることにより、観察対象部位を撮像して得られる合成画像は、炎症(血液)の影響を除外し、病変の有無を鋭敏に観察可能となる。例えば、蛍光観察により、血管や炎症は正常組織と異なる色に表示され、また、腺腫やガンの部位は正常組織及び炎症や血管とは異なる色で表示される。これらにより、蛍光観察は通常観察に比べて腫瘍性病変の拾い上げが容易となる。
(効果)
このような第1の実施の形態によれば、特殊光モード(蛍光観察)時に、感度可変CCDの感度増幅率と光源の絞りとを適切に連動させて調光動作を行うことで、調光動作の応答性が向上し、蛍光と反射光の合成画像である蛍光画像として、CCD17への入射強度が大きく変動しても画像の飽和を防止してより適切な明るさかつ高画質な画像が得ることができるようになる。
(第2の実施の形態)
図14及び図15は本発明の第2の実施の形態に係り、図14は内視鏡装置の概略構成を示すブロック図、図15は図14の感度制御回路の構成を示すブロック図である。
図14及び図15を用いた第2の実施の形態の説明において、図1乃至図13に示した第1の実施の形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
(構成)
図1乃至図13に示した第1の実施の形態では特殊光モード時における調光動作の際に感度可変CCDの感度増幅率と光源の絞りを連動させていたが、図14及び図15に示す第2の実施の形態の内視鏡装置101では、調光切替回路137を設け、調光動作を、CCD19の感度増幅率の可変または絞り開閉動作のいずれか一方で行うようにしている。
図14に示すように、第2の実施の形態の内視鏡装置101は、内視鏡2と、プロセッサ103と、モニタ6とを有する。
プロセッサ103には、内視鏡2が着脱自在に接続される。また、プロセッサ103は、信号処理装置104及び光源装置105を内蔵している。尚、光源装置105をプロセッサ103と別体に設けてもよい。
モニタ6は、プロセッサ103に接続され、このプロセッサ103で画像処理された映像信号を表示する。
本実施の形態において、信号処理装置104は、CPU30と、CCD駆動回路131と、感度制御回路132と、アナログ処理回路33と、A/D変換器34と、デジタル処理回路35と、測光回路136と、調光切替回路137と、セレクタ40と、同時化メモリ41,42,43と、マトリクス回路44と、D/A変換器45,46,47と、75Ωドライバ48とを有する。
また光源装置105は、ランプ50と、絞り51と、絞り制御回路152と、回転フィルタ53と、モータ54と、集光レンズ55と、回転フィルタ切替機構56と、回転フィルタ制御回路57と、モード切替スイッチ58と、明るさ制御スイッチ59とを有する。
第2の実施の形態において、通常光モードと特殊光(蛍光観察)モードにおける回転フィルタ53の動作(露光、遮光)と、CCD駆動回路131がCCD19に供給する駆動信号のタイミングと、CCD19からの出力信号のタイミングとは、図5に示した第1の実施の形態と同様になっている。
CCD駆動回路131には、後述の感度制御回路132からカウンタ値Cmin〜Cmaxが入力される。
このカウンタ値Cmin〜Cmaxは、感度制御回路132からCCD19の電荷増幅部64(図2参照)に出力する感度制御パルスφCMDの電圧値に関連している。
また、CCD駆動回路131には、記憶装置20のメモリ22からCPU21及びCPU30を介して、CCD19の電荷増幅部64(図2参照)の感度増幅率特性(印加電圧と感度増幅率の関係)のデータが入力される。
カウンタ値Cmin〜Cmaxと電荷増幅部64(図2参照)への印加電圧値Vth〜Vmax(図4参照)の対応は、カウンタ値が最小Cminの場合は電圧Vth、また、カウンタ値が最大Cmaxの場合は電圧Vmaxとなるように設定されている。
そして、CCD駆動回路131は、カウンタ値Cmin〜Cmaxに対応する感度制御パルスφCMDをVth〜Vmaxの範囲で、CCD19の電荷増幅部64(図2参照)に出力する。
尚、CCD19の感度増幅率特性はCCD毎や駆動信号線のバラツキ等で変化するため、CCD駆動回路131には、感度制御パルスφCMD電圧の最小値Vthと最大値Vmaxをカウンタ値の最小Cminと最大Cmaxに一致させる補正手段を設けている。
電荷増幅部64(図2参照)に供給する感度制御パルスΦCMDの電圧値とCCD19の感度増幅率との関係は第1の実施の形態と同じである。
測光回路136において、第1の実施の形態と異なるのは、観察モード毎に算出した輝度信号を、感度制御回路132に加えて絞り制御回路152にも出力することである。
感度制御回路132は、図15のように、比較回路81、LUT回路82、アップダウンカウンタ183及びデコード回路184を有している。
アップダウンカウンタ183は、比較回路81から入力される輝度信号と明るさの目標値との比較結果に基づきカウンタ値Cmin〜Cmaxをアップダウン(C’=C±1)させる。アップダウンカウンタ183は、前記カウンタ値を、CCD駆動回路131、調光切替回路137及びデコード回路184に出力する。また、アップダウンカウンタ183は、デコード回路184から停止信号が入力されるとカウンタ出力を最大値Cmaxで停止する。さらに、アップダウンカウンタ183は、モード切替スイッチ58からのモード切替信号が通常光モードになった場合に、カウンタ出力を最小値Cminにセットして、カウンタ動作を停止する。つまり、感度制御回路132は特殊光モード時のみ動作する。
デコード回路184は、アップダウンカウンタ183から入力されたカウンタ値がオーバーフローしたか否か判別し、オーバーフローの場合にはアップダウンカウンタ183に停止信号を出力する。
ここで、オーバーフローとは、CCD駆動回路131から電荷増幅部64(図2参照)に印加される感度制御パルスφCMDの電圧値(振幅)が最大電圧Vmaxに対応するカウンタ値Cmaxになった場合である。
調光切替回路137は、調光許可信号と調光停止信号との内一方を切替選択してアップダウンカウンタ183に入力する。アップダウンカウンタ183は、調光許可信号入力でカウント動作を開始し、また、調光停止信号入力でカウンタ値Cminのままカウント動作を停止する。
光源装置105において、第1の実施の形態と異なる構成要素は絞り制御回路152のみである。
絞り制御回路152は、測光回路136から輝度信号が入力され、この輝度信号と術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値を比較する。続いて、絞り制御回路152は、前記比較結果に基づいて、ランプ50と回転フィルタ53の光路上に挿入されている絞り51の開閉制御を行い、ライトガイド12の後端面への照明光量を制御する。
また、絞り制御回路152には、調光切替回路137から調光許可信号または調光停止信号が入力される。
絞り制御回路152は、調光許可信号入力により絞り51の開閉制御を開始し、また、調光停止信号入力により絞り51の開閉位置を所定の位置に固定(保持)する。ここで所定の位置とは、ライトガイド12の後端面への入射光強度が最大になるような絞り51の開閉位置を示し、全開(開放)またはそれに近い開閉位置である。
これにより内視鏡装置101の調光方式は、CCD19の感度増幅率の可変と光源装置105の絞り51の開閉動作との2通りあることになるが、調光切替回路137は前記2通りの内どちらか一方の調光方式を決定して切り替えるようになっている。
調光切替回路137には感度制御回路132から感度増幅率を示すカウンタ値Cmin〜Cmaxが入力される。調光切替回路137は感度増幅率1倍に対応するカウンタ値Cminが入力されると感度制御回路132に調光停止信号を出力する。また、調光切替回路137は、感度制御回路132への調光停止信号の出力に同期して絞り制御回路152に調光許可信号を出力する。
調光切替回路137には絞り制御回路152から絞り51の開閉位置情報が入力される。調光切替回路137は絞り51が所定の位置になると絞り制御回路152に調光停止信号を出力する。また、調光切替回路137は絞り制御回路152への調光停止信号の出力に同期して感度制御回路132に調光許可信号を出力する。
調光切替回路137は、感度制御回路132及び絞り制御回路152の両方に調光許可信号または調光停止信号を出力することはなく、一方に調光許可信号を出力している時はもう一方への調光停止信号を出力する。
(作用)
第2の実施の形態の蛍光観察時の調光について説明する。
蛍光観察において、生体組織の観察を行う場合には、生体組織の状態や生体組織と内視鏡2の先端との距離の変動などに伴いCCD19への入射光強度が変動し、モニタ6の明るさ画面平均値は術者が明るさ制御スイッチ59で選択した目標値と一致しなくなる場合が生じる。
この場合、測光回路136は、蛍光の波長と反射光の2波長からなる構築される蛍光画像の輝度信号を算出し、感度制御回路132と絞り制御回路152に輝度信号を出力する。
生体組織を遠点〜近点距離にて蛍光観察を行いCCD19への入射強度が通常光観察時に比べて非常に小さくなる場合は、次のような調光動作が行われる。
この場合、調光切替回路137は、感度制御回路132に調光許可信号を出力し、また、絞り制御回路152に調光停止信号を出力する。
感度制御回路132は、比較回路81にて術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値と輝度信号とを比較し、この比較結果に応じてアップダウンされたカウンタ値Cmin〜Cmaをアップダウンカウンタ183からCCD駆動回路131及び調光切替回路137に出力する。
CCD駆動回路131は、電荷増幅部64(図2参照)に印加する感度制御パルスφCMDとして、前記アップダウンされたカウンタ値Cmin〜Cmaxに対応する電圧Vth〜Vmaxを出力する。感度制御パルスφCMDの電圧の増減に応じてCCD19の感度増幅率は増減し、感度制御回路132は、CCD19への入射光強度が変動した分を補うよう輝度信号を変化させ、輝度信号が明るさの目標値と一致するように自動利得制御を行う。
また、絞り制御回路152には調光切替回路137から調光停止信号が入力されているために、絞り制御回路152は絞り51の開閉動作を強制的に停止し、絞り51は所定位置に固定(保持)される。これにより、ライトガイド12の後端面への照射強度は最大値となる。
生体組織に対して拡大〜近点距離にて蛍光観察を行いCCD19への入射強度が通常光観察時と同等レベルになった場合には、次のような調光動作が行われる。
この場合、調光切替回路137は、絞り制御回路152に調光許可信号を出力し、感度制御回路132に調光停止信号を出力する。
絞り制御回路152は、輝度信号と術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値とを比較し、比較結果に応じて絞り51の開閉動作の制御を行う。
絞り制御回路152は、輝度信号が目標値よりも明るい場合は絞り51を閉じる方向に動作させ、モニタ画面が目標値よりも暗い場合は絞り51を開ける方向に動作させる。これにより、絞り制御回路152は、生体組織への照射光の照射強度を変化させてモニタ画面の明るさが術者の目標値に維持されるように制御を行う。
一方、感度制御回路132には、調光切替回路137から調光停止信号が入力されているため、アップダウンカウンタ183は強制的に停止され、CCD駆動回路131及び調光切替回路137にはカウンタ値Cminが出力され、CCD19の感度増幅率は1倍に固定される。
生体組織を近点距離付近にて蛍光観察を行うとともにCCD19への入射強度が通常光観察時と比べて比較的小さい場合、次のような調光動作が行われる。
この場合、調光切替回路137は、絞り制御回路152と感度制御回路132に調光許可信号(調光停止信号)を状況に応じて交互に出力する。
感度増幅率1〜2倍の状態にてCCD19への入射光強度が小さくなる方向に変動する場合には、CCD駆動回路131からの感度制御パルスφCMDの電圧値は徐々に減少し、それに応じてCCD19の感度増幅率も減少して感度増幅率1倍となる。アップダウンカウンタ183から調光切替回路137に出力されるカウンタ値は感度増幅率1倍に対応するCminとなるので、調光切替回路137は感度制御回路132に調光停止信号を出力してアップダウンカウンタ183の動作を停止させる。これにより、CCD駆動回路131へのカウンタ出力はCminに固定され、CCD19の感度増幅率は1倍に固定される。一方、調光切替回路137は絞り制御回路152に調光許可信号を出力して絞り51の開閉動作を許可し、絞り制御回路152は、輝度信号と術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値とを比較し、この比較結果に応じて絞り51の開閉動作の制御を行う。
絞り51が動作した状態においてCCD19への入射光強度が大きくなる方向に変動する場合には、絞り51は開く方向に動作し所定の位置となる。そして、絞り制御回路152から調光切替回路137に出力される絞り位置情報は所定位置となり、調光切替回路137は絞り制御回路152に調光停止信号を出力して絞り51の開閉位置を所定の位置に固定する。一方、調光切替回路137は、感度制御回路132に調光許可信号を出力してアップダウンカウンタ183のカウンタ動作を許可し、感度制御回路132は、輝度信号と術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値とを比較し、比較結果に応じてカウンタ値のアップダウンによりCCD駆動回路131が出力する感度制御パルスφCMDの電圧値を増減させてCCD19の感度増幅率を増減させる制御を行う。
(効果)
このような第2の実施の形態によれば、特殊光モード(蛍光観察)時に、感度可変CCDの感度増幅率と光源の絞りとを適切に切り分けて調光動作を行うことより、蛍光と反射光の合成画像である蛍光画像として、CCDへの入射強度が大きく変動しても画像の飽和を防止してより適切な明るさかつ高画質な画像が得る事ができるようになる。
(第3の実施の形態)
図16乃至図21は本発明の第3の実施の形態に係り、図16は内視鏡装置の概略構成を示すブロック図、図17はCCDの駆動のタイミングチャート、図18は狭帯域光観察における光源装置の分光特性を示すグラフ、図19は狭帯域光観察における反射光の分光特性を示すグラフ、図20はCCD感度特性(モニタ出力信号)を示すグラフ、図21はCCD感度特性(S/N特性)を示すグラフである。
図16乃至図21を用いた本発明の第3の実施の形態の説明において、図1乃至図13に示した第1の実施の形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
(構成)
図16に示すように、第3の実施の形態の内視鏡装置201は、特殊光モードとして狭帯域光観察に対応したものであり、内視鏡202と、プロセッサ203と、モニタ6とを有している。
プロセッサ203には、前記内視鏡202が着脱自在に接続される。また、プロセッサ203は、信号処理装置204及び光源装置205を内蔵している。尚、光源装置205をプロセッサ203と別体に設けてもよい。
内視鏡202は患者体腔内に挿入される細長の挿入部211を有している。
挿入部211の内部にはライトガイド12とCCD駆動信号線13とCCD出力信号線14とを配設している。
挿入部211の先端部215には、ライトガイド12の先端側、照明レンズ16、対物レンズ17及びCCD19が設けられている。但し、第3の実施の形態では、先端部215には、励起光カットフィルタを設けていない。
ライトガイド12は、プロセッサ203に設けられた光源装置205からの照明光を挿入部211の先端部215まで導く。
被写体からの光は対物レンズ17を介してCCD19の受光面に結像される。
また、CCD19は、駆動信号線13を介してプロセッサ203内の信号処理装置204のCCD駆動手段231に接続されている。CCD19は、CCD駆動回路231で生成された駆動信号により電子シャッタ制御及び信号電荷の蓄積を行う。
対物レンズ17を透過してCCD19の受光面に結像された被写体像は、CCD19の各画素で光電変換後に転送されて出力アンプから出力される。
CCD19からの出力信号はCCD出力信号線14を介しプロセッサ203内の信号処理手段204のアナログ処理回路33に出力される。
内視鏡202は記憶装置220を搭載している。記憶装置220は、CPU221と不揮発性のメモリ222とから構成されている。
CPU221は、メモリ222へのデータ読み出し/書き込み制御及びプロセッサ203とのデータの送受(通信)を制御する。
記憶手段としてのメモリ222には、通常光モード時における、R、G、Bの3波長の蓄積時間(電子シャッタ速度)、及び特殊光モード(狭帯域光観察)時における3波長の蓄積時間(電子シャッター速度)が格納されている。
本実施の形態において、信号処理装置204は、CPU30と、CCD駆動回路231と、感度制御回路32と、アナログ処理回路33と、A/D変換器34と、デジタル処理回路35と、測光回路36と、測光補正回路37と、セレクタ40と、同時化メモリ41,42,43と、マトリクス回路44と、D/A変換器45,46,47と、75Ωドライバ48とを有する。
また、光源装置205は、ランプ50と、絞り51と、絞り制御回路52と、回転フィルタ253と、モータ54と、集光レンズ55と、回転フィルタ切替機構256と、回転フィルタ制御回路257と、モード切替スイッチ58と、明るさ制御スイッチ59と、フィルタ切替機構281と、オプションフィルタ282とを有している。
図17は3波長の内、1波長分のCCD19の駆動信号と出力信号のタイミングチャートであり、図17(a)は回転フィルタ253の動作、図17(b)は垂直転送パルスφP1,ΦP2、図17(c)は特殊光モード時の感度制御パルスφCMD、図17(d)は水平転送パルスΦS1,ΦS2、図17(e)はCCD19からの出力信号をそれぞれ示している。
図17において、CCD19は、図17(a)に示す露光期間において、CCD19の受光面に被写体から入射された光を光電変換により信号電荷として蓄積可能になっている。
図17(a)に示す遮光期間において、CCD駆動手段131は、CCD19に、図17(b)に示す垂直転送パルスφP1,ΦP2、図17(d)に示す水平転送パルスΦS1、ΦS2(d)、図17(c)に示す感度制御パルスφCMD(特殊光モード時)を出力する。
CCD19は、露光期間で蓄積された信号電荷を1水平ライン毎に、図17(b)に示す垂直転送パルスφP1,ΦP2により水平転送路に転送し、図17(d)に示す水平転送パルスΦS1,ΦS2によってCCD19の出力アンプに順次転送し、出力アンプで電荷電圧変換して図17(e)に示す出力信号として出力する。
ここで、本実施の形態では、通常光モードと特殊光(狭帯域光観察)モードで、露光時間(蓄積時間)が同一となるように回転フィルタ253の透過部と遮光部を形成している。
また、CCD19の感度制御パルスφCMDを除く駆動信号とCCD19の出力のタイミングは通常光モードと特殊光(狭帯域光観察)モードで同一である。
回転フィルタ253は、ランプ50と集光レンズ55の照明光路上に挿入され、モータ54の回転軸に接続され、回転フィルタ制御回路257により所定の速度で回転する。
回転フィルタ制御回路257は回転フィルタ253(モータ54)の回転速度を任意に制御可能である。本実施の形態では、回転フィルタ制御回路257による特殊モード(狭帯域光観察)の回転速度は通常光モードと同一である。
回転フィルタ切替機構256は、ランプ50とライトガイド12の後端面とを結ぶ照明光軸上に回転フィルタ253の内周側の第1のフィルタセットと外周側の第2のフィルタセットとを選択的に移動させ、回転フィルタ253全体を移動する機構である。回転フィルタ切替機構256は、特殊光観察の種類によって、回転フィルタ253を移動する場合としない場合がある。回転フィルタ切替機構256は、通常光と同じように狭帯域光観察では回転フィルタ253を移動させない。
オプションフィルタ282は、回転フィルタ253によるR、G、Bの広帯域波長に対して、少なくとも1波長の帯域が制限された透過特性を有するフィルタである。
本実施の形態では、オプションフィルタ282は、以下のような3峰性の透過特性を有している。
オプションフィルタ282のB’の透過特性は中心波長415nm、半値幅30nmとなっている。オプションフィルタ282のG’の透過特性は中心波長540nm、半値幅30nmとなっている。オプションフィルタ282のR’の透過特性は中心波長620nm、半値幅30nmとなっている。
オプションフィルタ282がランプ50とライトガイド12の後端面とを結ぶ照明光軸上に挿入されると、ランプ50から照射された照明光はオプションフィルタ282及び回転フィルタ253を透過し、図18の実線で示すような狭帯域な分光特性の照明光がライトガイド12の後端面に入射される。また、図18の破線は回転フィルタ253によるR、G、Bの広帯域な分光特性を示している。
フィルタ切替機構281は、オプションフィルタ282全体を移動する機構で、ランプ50とライトガイド12の後端面とを結ぶ照明光軸上にオプションフィルタ282を移動(挿脱)させる。
フィルタ切替機構281は、モード切替スイッチ58からのモード切替信号(狭帯域光)に対応して動作する。
フィルタ切替機構281は、通常光モードの場合にはオプションフィルタ282は照明光路上から外し、特殊光モード(狭帯域光観察)の場合にはオプションフィルタ282を照明光路上に配置する。
(作用)
このような第3の実施の形態の内視鏡装置201の使用方法について以下に説明する。
内視鏡検査を開始するに当たり、術者は複数種類の内視鏡から観察部位や観察の種類に対応した種類の内視鏡202をプロセッサ203に接続する。プロセッサ203のCPU30は内視鏡202の記憶装置220のCPU221を介してメモリ222に格納されている内視鏡202に関する各種データの読み出しを行う。メモリ222に格納されているCCD19の感度増幅率特性(電圧値と感度増幅率の関係)データは、CPU30を介してCCD駆動回路231に出力される。
次に、特殊光モードとして用いた狭帯域光観察における作用を説明する。
狭帯域光観察を行う場合には、術者は、モード切替スイッチ58の複数の観察モードの中から狭帯域光観察を選択する。それに同期して、フィルタ切替機構281が動作し、オプションフィルタ282がランプ50とライトガイド12の照明光路上に配置される。また、回転フィルタ切替機構256は動作せず、回転フィルタ253は通常光観察時と同じ第1のフィルタセットが照明光路上に配置される。
光源装置205のランプ50から照射された照明光はオプションフィルタ282及び回転フィルタ253の第1のフィルタセットを透過し、図18に示すようなR’、G’、B’の波長領域の狭帯域光の照明光が、集光レンズ55を介してライトガイド12の後端面に入射され、内視鏡202の先端部211に設けられている照明レンズ16から生体組織に時系列的に照射される。
CCD19の受光面には、対物レンズ17を介して生体組織に照射した狭帯域光の反射光(戻り光)が入射する。この場合、CCD19の受光面には、図19に示すような分光特性を有する光が入射する。
図19に示す生体組織からの青(B2)、緑(G2)及び赤(R2)の狭帯域反射光はCCD19に順次入射され、各波長に対応するCCD19の出力信号は信号処理装置204に入力され、アナログ処理回路33、デジタル処理回路35で所定の信号処理が施され、セレクタ40、同時化メモリ41,42,43、マトリクス回路44、75Ωドライバ48を介してモニタ6や周辺機器に出力され、狭帯域反射光画像が表示及び記録される。
また、デジタル処理回路35では、青、緑及び赤の狭帯域反射光の撮像時のホワイトバランス係数は、メモリ222に格納されている複数の中から狭帯域光観察用に設定される。また、マトリクス回路44では、各波長の画像間で所定の色変換が施される。
このような狭帯域光観察において、生体組織の観察を行う場合には、生体組織の状態や生体組織と内視鏡2の先端との距離の変動などに伴いCCD19への入射光強度が変動し、モニタ6の輝度信号は術者が明るさ制御スイッチ59で選択した目標値と一致しなくなる場合が生じる。その場合には、以下のような調光が行われる。
測光回路36は、3波長の狭帯域反射光から構築される狭帯域光画像の輝度信号を算出し、感度制御回路32と測光補正回路37に輝度信号を出力する。感度制御回路32は、比較回路(図7の比較回路81参照)にて術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値と輝度信号とを比較し、この比較結果に対応してアップダウンカウンタ(図7のアップダウンカウンタ83参照)がアップダウンしたカウンタ値をCCD駆動回路231に出力する。CCD駆動回路231は、CCD19の電荷増幅部64(図2参照)に出力する感度制御パルスφCMDを前記アップダウンされたカウンタ値に対応する電圧値にする。これにより、CCD19の感度増幅率は、感度制御パルスφCMDの電圧値に対応して増減し、内視鏡装置201全体では、CCD19への入射光強度が変動した分を補うようにCCD19の感度増幅率を増減させてモニタ6の明るさを変化させ、輝度信号が明るさの目標値と一致するように制御が行われる。
CCD駆動回路231は、電荷増幅部64(図2参照)の感度増幅率を測光補正回路37に出力する。測光補正回路37では、測光回路36からの輝度信号とCCD駆動回路231からの感度増幅率に基づき、[(輝度信号)/(感度増幅率)]の演算を行い、感度増幅率が1倍の状態における輝度信号を絞り制御回路52に出力する。
絞り制御回路52は、前記輝度信号と術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値とを比較し、この比較結果に応じて絞り51の開閉制御を行う。
絞り制御回路52は、輝度信号が目標値よりも明るい場合は絞り51を閉じる方向に動作させ、輝度信号が目標値よりも暗い場合は絞り51を開ける方向に動作させて、生体組織への照射光の照射強度を変化させることにより、モニタ6の明るさが目標値と一致するように絞り51の制御による自動調光動作を行う。
ここで、狭帯域光の反射光は、通常光に対して弱いため、生体組織を遠点〜近点にて狭帯域光観察する場合に十分なモニタの明るさを得るには感度増幅率が数十倍程度となる。そのため、測光補正回路37により補正された輝度信号は非常に小さくなるため絞り51は開ける方向に制御され全開位置に保持される。感度制御回路32では、モニタ6の明るさの目標値と前記輝度信号を比較し、比較結果に応じてCCD駆動回路231に対して感度制御パルスφCMDの電圧値(振幅)を増域させる制御を行うことにより、CCD19の感度増幅率を増減させて輝度信号を変化させ、輝度信号が明るさの目標値と一致するように制御を行う。この場合には、CCD19の電荷増幅部64(図2参照)の感度増幅率のみによる自動調光動作(電荷増幅部64の感度増幅率を優先制御することによる調光制御)が行われる。
生体組織を拡大〜近点にて狭帯域光観察しCCD19への入射光強度が大きくなり通常光レベルになった場合には、CCD19の感度増幅が不要となる。すると、CCD駆動回路231から測光補正回路37に出力される感度増幅率が1倍となり、測光補正回路37では、感度増幅率1倍を用いて、輝度信号と感度増幅率の除算が行われるので、絞り制御回路52には測光回路36からの出力値と同じ値が出力される。
絞り制御回路52は、輝度信号と術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値とを比較し、この比較結果に応じて絞り51の開閉制御を行う。輝度信号が目標値よりも明るい場合は絞り51を閉じる方向に動作させ、輝度信号が目標値よりも暗い場合は絞り51を開ける方向に動作させる制御が行われる。この場合は、絞り51のみによる自動調光動作(光源装置の絞り開閉動作を優先制御することによる調光動作)が行われる。
生体組織を近点にて狭帯域光観察し、CCD19への入射光強度が通常光よりも比較的大きくなると、感度増幅率1〜2倍の状況が生じて、測光補正回路37で補正された輝度信号は大きくなる。絞り制御回路52では術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値と補正された輝度信号が同等レベルになる。
これにより、CCD19への入射光強度が大きくなる方向に変動する場合は、CCD19の感度増幅率が徐々に小さくなると共に、連動して絞り51も徐々に閉じる方向に動作する。
また、CCD19への入射光強度が小さくなる方向に変動する場合は、絞り51が徐々に開く方向に動作すると共に、連動して感度増幅率も徐々に大きくなる制御となる。この場合には、電荷増幅部64(図2参照)の感度増幅率と絞り51の開閉が連動して同時に動作する自動調光動作(CCDの感度増幅率と光源装置の絞り開閉動作の連動制御による調光動作)が行われる。
モニタ6には図20及び図21の実線に示す出力信号及びそのS/N特性が得られる。狭帯域光領域(図20及び図21におけるCCD入射光強度が0.01〜0.1[a.u.]付近)では、通常光モードに対しCCD19の感度増幅率アップにより、感度増幅率1倍、3倍や30倍等の出力信号及びS/N特性が得られる。狭帯域光領域では、感度増幅率1倍の場合、モニタ画面は暗く、S/N特性が非常に悪い。しかしながら、感度増幅率を数倍、数十倍に大きくすることにより、モニタ画面は明るく、かつ、高S/N特性(高画質)の狭帯域光画像が得られる。尚、感度増幅率は印加電圧値(振幅)の制御により任意の値に増幅可能である。
狭帯域光観察は、生体組織に特に青色領域(短波長側)の波長幅が制限された狭帯域光を照明することにより、例えば消化管であれば粘膜表層(浅層)の微細構造や毛細血管像を、通常光観察に比べて鋭敏に捉えられることが特徴である。
これは、粘膜の深さ方向への光の深達度は波長依存性があり、短波長ほど散乱の影響により深達度が小さい(浅い)こと、及び、粘膜(生体)には415nm付近にヘモグロビンの大きな吸収帯があるため、特に400〜450nm付近の狭帯域光を照射すると、粘膜表層の微細構造及び毛細血管を特異的に検出できるためである。従って、通常光観察では非常に観察しづらい粘膜表層の構造や毛細血管の走行パターンが、狭帯域光観察を用いることで非常に明瞭に描出可能となる。粘膜表層の微細構造や毛細血管の走行パターンを例えば拡大観察等で詳細に観察を行うことによって、腫瘍/非腫瘍、良性腫瘍/悪性腫瘍等の質的診断等を容易にすることが可能となる。
(効果)
このような第3の実施の形態によれば、特殊光モード(狭帯域光観察)時に、調光制御を感度可変CCD19の感度増幅率と光源装置205の絞り51を適切に連動させることで、狭帯域光画像として、CCD19への入射強度が大きく変動しても画像の飽和を防止してより適切な明るさかつ高画質な画像が得る事ができるようになる。
(第4の実施の形態)
図22及び図23は本発明の第4の実施の形態に係り、図22は内視鏡装置の概略構成を示すブロック図、図23は図22の感度制御回路の構成を示すブロック図である。
図22及び図23を用いた第4の実施の形態の説明において、図16乃至図21に示した第3の実施の形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
(構成)
図16乃至図21に示した第3の実施の形態では特殊光モード時における調光動作の際に感度可変CCDの感度増幅率と光源の絞りを連動させていたが、第4の実施の形態の内視鏡装置301では、調光切替回路337を設け、調光動作を、CCD19の感度増幅率の可変または絞り51の開閉動作のいずれかで行うようにしている。
図22に示すように、第4の実施の形態の内視鏡装置301は、内視鏡202と、プロセッサ303と、モニタ6とを有する。
プロセッサ303には、前記内視鏡202が着脱自在に接続される。また、プロセッサ303は、信号処理装置304及び光源装置305を内蔵している。尚、光源装置305をプロセッサ303と別体に設けてもよい。
モニタ6は、プロセッサ303に接続され、このプロセッサ303で画像処理された映像信号を表示する。
本実施の形態において信号処理装置304は、CPU30と、CCD駆動回路331と、感度制御回路332と、アナログ処理回路33と、A/D変換器34と、デジタル処理回路35と、測光回路336と、調光切替回路337と、セレクタ40と、同時化メモリ41,42,43と、マトリクス回路44と、D/A変換器45,46,47と、75Ωドライバ48とを有する。
光源装置305は、ランプ50と、絞り51と、絞り制御回路352と、回転フィルタ253と、モータ54と、集光レンズ55と、回転フィルタ切替機構256と、回転フィルタ制御回路257と、モード切替スイッチ58と、明るさ制御スイッチ59と、フィルタ切替機構281と、オプションフィルタ282とを有する。
通常光モードと特殊光(狭帯域光観察)モードにおける回転フィルタ253の動作(露光、遮光)と、CCD駆動回路331がCCD19に供給する駆動信号のタイミングと、CCD19からの出力信号のタイミングは、図17乃至図21に示した第3の実施の形態と同様になっている。
CCD駆動回路331には、感度制御回路332からカウンタ値Cmin〜Cmaxが入力される。
カウンタ値Cmin〜Cmaxは、感度制御回路332からCCD19の電荷増幅部64(図2参照)に出力する感度制御パルスφCMDの電圧値に関連している。
また、CCD駆動回路331には、メモリ222からCPU221及びCPU30を介して、CCD19の電荷増幅部64(図2参照)の感度増幅率特性(印加電圧と感度増幅率の関係)のデータが入力される。
カウンタ値Cmin〜Cmaxと電荷増幅部64(図2参照)への印加電圧値Vth〜Vmax(図4参照)の対応は、第2の実施の形態と同様に、カウンタ値が最小Cminの場合は電圧Vth、また、カウンタ値が最大Cmaxの場合は電圧Vmaxとなるように設定されている。
そして、CCD駆動回路331は、カウンタ値Cmin〜Cmaxに対応する感度制御パルスφCMDをVth〜Vmaxの範囲でCCD19の電荷増幅部64(図2参照)に出力する。
尚、CCD駆動回路331は、感度制御パルスφCMD電圧の最小値Vthと最大値Vmaxをカウンタ値の最小Cminと最大Cmaxに一致させる補正手段を有する。
第4の実施の形態において、電荷増幅部64(図2参照)の感度制御パルスΦCMDの電圧値と感度増幅率の関係は第3の実施の形態と同じである。
第4の実施の形態の測光回路336で第3の実施の形態と異なるのは、観察モード毎に算出された輝度信号を感度制御回路332に追加して絞り制御回路352にも出力することである。
感度制御回路332は、図23のように、比較回路381と、LUT回路382と、アップダウンカウンタ383と、デコード回路384とを有している。
アップダウンカウンタ383は、比較回路381から入力される輝度信号と明るさの目標値との比較結果に基づきカウンタ値Cmin〜Cmaxをアップダウン(C’=C±1)させる。
アップダウンカウンタ383は、カウンタ値をCCD駆動回路331、調光切替回路337及びデコード回路384に出力する。また、アップダウンカウンタ383は、デコード回路384から停止信号が入力されるとカウンタ出力を最大値Cmaxで停止する。また、アップダウンカウンタ383は、モード切替スイッチ58からのモード切替信号が通常光モード時は、カウンタ出力を最小値Cminにセットしカウンタ動作を停止する。つまり、感度制御回路332は特殊光モード時のみ動作する。
デコード回路384は、アップダウンカウンタ383から入力されたカウンタ値Cmin〜Cmaxからオーバーフロー(第2の実施の形態で説明)か否か判別し、オーバーフローの場合はアップダウンカウンタ383に停止信号を出力する。
調光切替回路337は、調光許可信号と調光停止信号との内一方を切替選択してアップダウンカウンタ383に入力する。アップダウンカウンタ383は、調光許可信号入力でカウント動作を開始し、また、調光停止信号入力でカウンタ値Cminのままカウント動作を停止する。
第4の実施の形態の光源装置305で第3の実施の形態の光源装置205と異なるのは絞り制御回路352のみである。
絞り制御回路352は、測光回路336から輝度信号が入力され、輝度信号と術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値を比較する。比較結果から、絞り制御回路352は、ランプ50と回転フィルタ253の光路上に挿入されている絞り51の開閉動作制御を行い、ライトガイド12の後端面への照明光量を制御する。
また、絞り制御回路352には、調光切替回路337から、調光許可信号または調光停止信号が入力される。絞り制御回路352は、調光許可信号入力により絞り51の開閉動作制御を開始し、また、調光停止信号入力により絞り51を所定の位置(第2の実施の形態で説明)に固定(保持)する。
プロセッサ303の調光方式はCCD19の感度増幅率の可変と光源装置305の絞り51の開閉動作の2通りあるが、調光切替回路337は2通りのどちらか一方の調光方式を決定及び切り替える回路である。
調光切替回路337には感度制御回路332から感度増幅率を示すカウンタ値Cmin〜Cmaxが入力される。調光切替回路337は感度増幅率1倍に対応するカウンタ値Cminが入力されると感度制御回路332に調光停止信号を出力する。また、調光切替回路337は、感度制御回路332への調光停止信号の出力に同期して絞り制御回路352に調光許可信号を出力する。
調光切替回路337には絞り制御回路352から絞り51の開閉位置情報が入力される。調光切替回路337は絞り51が所定の位置になると絞り制御回路352に調光停止信号を出力する。また、調光切替回路337は絞り制御回路352への調光停止信号の出力に同期して感度制御回路332に調光許可信号を出力する。
調光切替回路337は、感度制御回路332及び絞り制御回路352の両方に調光許可信号または調光停止信号を出力することはなく、一方に調光許可信号を出力している時はもう一方への調光停止信号を出力する。
(作用)
このような第4の実施の形態の内視鏡装置301の使用方法について以下に説明する。
以下、狭帯域光観察時の調光について説朋する。
狭帯域光観察を行う場合には、術者は、モード切替スイッチ58の複数の観察モードの中から狭帯域光観察を選択する。それに同期して、フィルタ切替機構281が動作し、オプションフィルタ282がランプ50とライトガイド12の照明光路上に配置される。また、回転フィルタ切替機構256は動作せず、回転フィルタ253は通常光観察時と同じ第1のフィルタセットが照明光路上に配置される。
狭帯域光観察において、生体組織の観察を行う場合、生体組織の状態や生体組織と内視鏡202先端距離の変動などに伴いCCD19への入射光強度が変動し、モニタ6の画面平均値は術者が明るさ制御スイッチ59で選択した目標値と一致しなくなる場合が生じる。
測光回路336は、3波長の狭帯域光から構築される狭帯域光画像の輝度信号を算出し、感度制御回路332と絞り制御回路352に輝度信号を出力する。
生体組織を遠点〜近点距離にて狭帯域光観察を行いCCD19への入射強度が通常光観察時に比べて非常に小さくなる場合は、次のような調光動作が行われる。
調光切替回路337は、感度制御回路332に調光許可信号を出力し、絞り制御回路352に調光停止信号を出力する。感度制御回路332は、比較回路381にて術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値と輝度信号とを比較し、この比較結果に応じてアップダウンしたカウンタ値Cmin〜Cmaxをアップダウンカウンタ383からCCD駆動回路331及び調光切替回路337に出力する。
CCD駆動回路331は、電荷増幅部64(図2参照)に印加する感度制御パルスφCMDをアップダウンされたカウンタ値Cmin〜Cmaxに対応する電圧Vth〜Vmaxで出力する。
CCD19は、感度制御パルスφのCMD電圧の増減に応じて感度増幅率は増減し、感度制御回路332は、CCD19への入射光強度が変動した分を補うよう輝度信号を変化させ、輝度信号が明るさの目標値と一致させるように自動利得制御を行う。
また、絞り制御回路352には調光切替回路337から調光停止信号が入力されているために、絞り制御回路352は絞り51の開閉動作を強制的に停止し、絞り51は所定位置に固定される。これにより、ライトガイド12の後端面への照射強度は最大値となる。
生体組織に対して拡大〜近点距離にて狭帯域光観察を行いCCD19への入射強度が通常光観察時と同等レベルになる場合には、次のような調光動作が行われる。
この場合、調光切替回路337は、絞り制御回路352に調光許可信号を出力し、感度制御回路332に調光停止信号を出力する。
絞り制御回路352は、輝度信号と術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値とを比較し、比較結果に応じて絞り51の開閉動作の制御を行う。
絞り制御回路352は、輝度信号が目標値よりも明るい場合は絞り51を閉じる方向に動作させ、モニタ画面が目標値よりも暗い場合は絞り51を開ける方向に動作させる。これにより、絞り制御回路352は、生体組織への照射光の照射強度を変化させてモニタ6の画面の明るさが術者の目標値に維持されるように制御を行う。
一方、感度制御回路332には、調光切替回路337から調光停止信号が入力されているため、アップダウンカウンタ383は強制的に停止され、CCD駆動回路331及び調光切替回路337にはカウンタ値Cminが出力され、CCD19の感度増幅率は1倍で固定となる。
生体組織を近点距離付近にて狭帯域光観察を行いCCD19への入射強度が通常光観察時と比べて比較的小さい場合、次のような調光動作が行われる。
調光切替回路337は、絞り制御回路352と感度制御回路332に調光許可信号(調光停止信号)を状況に応じて交互に出力する。
感度増幅率1〜2倍の状態にてCCD19への入射光強度が小さくなる方向に変動する場合には、CCD駆動回路331からの感度制御パルスφCMDの電圧値は徐々に減少し、それに応じてCCD19の感度増幅率も減少して感度増幅率が1倍となる。アップダウンカウンタ383から調光切替回路337に出力されるカウンタ値は感度増幅率1倍に対応するCminとなるので、調光切替回路337は感度制御回路332に調光停止信号を出力してアップダウンカウンタ383の動作を停止させる。これにより、CCD駆動回路331へのカウンタ出力はCminに固定され、CCD19の感度増幅率は1倍に固定される。一方、調光切替回路337は絞り制御回路352に調光許可信号を出力して絞り51の開閉動作を許可し、絞り制御回路352は、輝度信号と術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値とを比較し、この比較結果に応じて絞り51の開閉動作の制御を行う。
絞り51が動作した状態においてCCD19への入射光強度が大きくなる方向に変動する場合には、絞り51は開く方向に動作し所定の位置となる。そして、絞り制御回路352から調光切替回路337に出力される絞り位置情報は所定位置となり、調光切替回路337は絞り制御回路352に調光停止信号を出力して絞り51の開閉位置を所定の位置に固定する。一方、調光切替回路337は、感度制御回路332に調光許可信号を出力してアップダウンカウンタ383のカウンタ動作を許可し、感度制御回路332は、輝度信号と術者が明るさ制御スイッチ59で選択した明るさの目標値とを比較し、比較結果に応じてカウンタ値のアップダウンによりCCD駆動回路331が出力する感度制御パルスφCMDの電圧値を増減させてCCD19の感度増幅率を増減させる制御を行う。
(効果)
このような第4の実施の形態によれば、特殊光モード(狭帯域光観察)時に、調光制御を感度可変CCD19の感度増幅率と光源の絞りを適切に切り分けて動作させることより、狭帯域光画像として、CCD19への入射強度が大きく変動しても画像の飽和を防止してより適切な明るさかつ高画質な画像が得る事ができるようになる。
(変形例)
また、第1及び第4の実施の形態では、電荷増幅部を画素毎に搭載しても良い。その場合、電荷増幅はプロセッサからCCDの電荷増幅部に感度制御パルスの印加を行うことで可能となり、感度増幅率は感度制御パルスの電圧値またはパルス数の制御により可能となる。
また、第1及び第4の実施の形態では、カウンタ値が最小となる値を感度増幅率1倍(増幅なし)となる感度制御パルスの電圧値(振幅)に対応させたが、カウンタ値が最小となる値を感度増幅率を1倍以外の所定の感度増幅率となる電圧値(振幅)に対応させても良い。
また、第1乃至第4の実施の形態では、カウンタ値の±1変化に対して電荷増幅部への印加電圧値が線形的に±ΔV(V)となる例を示したが、カウンタ値と印加電圧の変化分を非線形にしても良い。例えば、カウンタ値が小さい領域(感度増幅率が小さい領域)では印加電圧の変化分を大きくさせ、一方、カウンタ値が大きい領域(感度増幅率が大きい領域)では印加電圧の変化分を小さくさせるなど各種適用可能である。
また、第1乃至第4の実施の形態では、内視鏡先端に1つの固体撮像素子であるCCDを搭載した例を示したが、内視鏡先端に2つのCCDを搭載し、第1のCCDを通常光モード用、第2のCCDを特殊光モード用にしても良い。その場合、内視鏡の内部または内視鏡とプロセッサを接続するケーブルの内部にリレー等からなるCCD駆動信号や読み出し信号のCCD切替手段を設けて、モード切替回路からのモード切替信号に応じて各観察モードに対応するCCDの駆動及び読み出しを行えば良い。この場合、例えば、2つのCCDの共通する複数の信号を機械式や電気式の複数のリレーを用いて切替え、2つのCCDで共通しない信号はCCDとプロセッサの間で接続する事ができる。このようにする事によって、プロセッサと内視鏡を接続するケーブル本数を減らすことが出来る。また、プロセッサ内に2つのCCDに対応したCCD駆動及び読み出し回路を設けても良い。2CCDタイプとする効果は、通常光観察を行う場合、CCD前面に励起光カットフィルタを設けなくても良いため、より良い色再現性が得られるようになる事である。
また、第1乃至第4の実施の形態ではCCDを内視鏡先端部に搭載したが、内視鏡内に画像を伝送するイメージファイバが設けられたファイバースコープの外部(挿入部以外の場所)にCCDを搭載し、一体型としたハイブリッド型の構成や着脱自在型の構成にしても良い。効果として、CCDを内視鏡先端に設けなくてよいことから、挿入部外径を細径にできるようになる。
また、第1乃至第4の実施の形態では、通常光観察に比べて弱い入射光を撮像するために感度可変なCCDを用いたが、更なる高S/N特性で撮像するために、蓄積時間の延長や、CCD内で周辺画素を加算するピクセルビニング読み出し等を組み合わせたり、プロセッサ内で複数フィールド画像を加算等の演算処理を行ったりしても良い。
また、第1乃至第4の実施の形態では、感度増幅率特性データを内視鏡に搭載の記憶装置に格納したが、感度増幅率特性データはプロセッサに格納しても良い。
また、第1及び第2の実施の形態では、蛍光観察の3波長を蛍光、緑反射光、赤反射光としたが、励起光及び反射光の波長数、波長帯域、透過率等の選択や組み合わせは、各種適用可能であり、蛍光のみ画像取得しても良い。
また、第1及び第2の実施の形態では、蛍光観察の特殊波長として自家蛍光と反射光の例を示したが、自家蛍光に限らず薬剤蛍光と反射光の組み合わせでも良い。その場合、励起光や反射光の波長数、波長帯域等の選択や組み合わせは各種適用可能であり、薬剤蛍光のみ画像取得しても良い。
また、第3及び第4の実施の形態では、狭帯域光の3波長を青、緑、赤のそれぞれの狭帯域光としたが、波長の帯域を制限して狭帯域とする波長数、中心波長等の選択や組み合わせは各種適用可能である。
また、第3及び第4の実施の形態では、狭帯域光を生成するフィルタをオプションフィルタに設けたが、回転フィルタの第2のフィルタセットに設けても良い。この場合には、通常光用R、G、Bフィルタとの組合せは不要となるので、狭帯域とする波長数、中心波長等の選択や組み合わせの自由度は広がる。例えば、青色領域に3波長を設け少なくとも1波長を狭帯域光することや、紫外光〜可視光の帯域において少なくとも1波長を狭帯域にすることが考えられる。
また、第1乃至第4の実施の形態では、特殊光モードの例として蛍光観察と狭帯域光観察の例を示したが、例えば、800nm付近に強い吸収帯を有するICG(インドシアニングリーン)を生体組織に静注し、800nm付近の波長帯域(ICG吸収の程度を主に観察)と900nm付近の波長帯域(参照光の役割)の複数の波長を生体組織に照射して、その反射光を観察する赤外観察もフィルタの波長特性を変えることにより可能となる。尚、赤外観察時に照明する波長数、波長帯域等の選択や組み合わせは各種適用可能である。
また、第1乃至第4の実施の形態では、通常光観察時は固体撮像素子の感度増幅制御を停止させていたが、通常光観察時でも特殊光観察時と同様に固体撮像素子の感度増幅制御を行うことも可能である。
また、第1乃至第4の実施の形態では、調光動作をCCDの感度増幅率制御と光源の絞り制御を適切に組み合わせたが、更に、電子シャッタを組み合わせても良い。
さらに、第1乃至第4の実施の形態において、アナログ処理回路33のプリアンプのゲイン値を、観察モードに応じて切り替える機構にしても良い。この構成の場合、通常光モードに対して特殊光モードの前記プリアンプのゲイン値は大きく設定されている。モード切替スイッチ58の操作に同期して前記プリアンプのゲインを切り替えることにより、通常光に対して特殊光のCCD出力信号が前記プリアンプにより大きく増幅される。
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施の形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
(付記項1) パルス状の信号が供給されて生成された電荷を増幅することで感度を可変可能な固体撮像素子を有する内視鏡と、
前記固体撮像素子が被写体像を結像するために被写体に照明光を照射する光源装置と、
前記固体撮像素子を駆動するとともに固体撮像素子が電荷増幅を行う為に、固体撮像素子に対してパルス状の信号を供給する駆動回路と、
前記固体撮像素子からの出力信号を処理する信号処理回路と、
前記固体撮像素子からの出力信号の測光を行う測光回路と、
この測光回路からの測光信号に基づいて前記固体撮像素子の感度増幅率を制御して自動利得制御を行う感度制御回路と、
前記測光信号を前記固体撮像素子の感度増幅率で補正する演算を行う測光補正回路と、
前記測光補正回路によって補正された測光信号に基づいて前記光源装置の絞りを制御して調光を行う絞り制御回路と、
を備えたことを特徴とする内視鏡装置。
(付記項2) パルス状の信号が供給されて生成された電荷を増幅することで感度を可変可能な固体撮像素子を有する内視鏡と、
前記固体撮像素子が被写体像を結像するために被写体に照明光を照射する光源装置と、
前記固体撮像素子を駆動するとともに、この固体撮像素子に対して電荷増幅の為のパルス状の信号を供給する駆動回路と、
前記固体撮像素子からの出力信号を処理する信号処理回路と、
前記固体撮像素子からの出力信号の測光を行う測光回路と、
この測光回路の測光結果に基づいて、前記固体撮像素子の感度増幅率を制御して自動利得制御を行う感度制御回路と、
前記測光結果に基づいて前記光源装置の絞りを制御して調光を行う絞り制御回路と、
前記固体撮像素子の感度増幅率制御による自動利得制御と光源装置の絞り制御とのいずれか一方を動作させる調光切替回路と、
を備えたことを特徴とする内視鏡装置。
(付記項3) 前記固体撮像素子は、供給される前記パルス状の信号により衝突電離が生じ前記パルス状の信号の振幅またはパルス数の制御によって生成された電荷を増幅して感度を可変とする電荷増幅部を有することを特徴とする付記項1または2に記載の内視鏡装置。
(付記項4) 電荷増幅部は、水平転送路と出力アンプの間又は画素毎に設けられていることを特徴とする付記項3に記載の内視鏡装置。
(付記項5) 前記光源装置は、通常光観察を行う通常光と特殊光観察を行う複数の特殊光とを切り替えて照明可能であることを特徴とする付記項1乃至4のいずれかに記載の内視鏡装置。
(付記項6) 通常光観察を行う通常光モードと特殊光観察を行う特殊光モードの観察モードを切り替えるモード切替手段を有することを特徴とする付記項1乃至5のいずれかに記載の内視鏡装置。
(付記項7) 前記特殊光モードは、蛍光観察であることを特徴とする付記項6に記載の内視鏡装置。
(付記項8) 前記複数の特殊光は、蛍光用の励起光と反射光用の照明光であることを特徴とする付記項5乃至7のいずれかに記載の内視鏡装置。
(付記項9) 前記複数の特殊光は、蛍光用の青色励起光と反射光用の緑領域及び赤領域の照明光であることを特徴とする付記項5乃至7のいずれかに記載の内視鏡装置。
(付記項10) 前記特殊光モードは狭帯域観察であることを特徴とする付記項6に記載の内視鏡装置。
(付記項11) 前記複数の特殊光は、少なくとも1波長の波長帯域が制限された狭帯域照明光であることを特徴とする付記項5乃至7のいずれかに記載の内視鏡装置。
(付記項12) 前記複数の特殊光は、青、緑、赤の領域に少なくとも1波長の波長帯域が制限された狭帯域光であることを特徴とする付記項5乃至7のいずれかに記載の内視鏡装置。
(付記項13) 前記特殊光モードは、赤外観察であることを特徴とする付記項6に記載の内視鏡装置。
(付記項14) 前記複数の特殊光は、近赤外域の照明光であることを特徴とする付記項5乃至7のいずれかに記載の内視鏡装置。
(付記項15) 前記特殊光モードは、薬剤蛍光観察であることを特徴とする付記項6に記載の内視鏡装置。
(付記項16) 前記複数の特殊光は、蛍光用の励起光と反射光用の照明光であることを特徴とする付記項5乃至7のいずれかに記載の内視鏡装置。
(付記項17) 前記測光補正回路は、前記測光回路からの測光信号を前記感度制御回路からの前記固体撮像素子の感度増幅率で除算演算を行うことを特徴とする付記項1、3乃至16のいずれかに記載の内視鏡装置。
(付記項18) 前記測光切替回路は、前記固体撮像素子の感度増幅率が所定の値になると感度増幅制御を固定して絞り制御回路に絞り制御の許可信号出力し、もしくは、絞り位置が所定の位置になると絞り位置を所定の開閉位置に固定して前記固体撮像素子の感度増幅率制御の許可信号を出力することを特徴とする付記項2乃至17のいずれかに記載の内視鏡装置。
(付記項19) 前記感度増幅率の所定の値は、1倍であること特徴とする付記項18に記載の内視鏡装置。
(付記項20) パルス状の信号が供給され、生成された電荷を増幅する事で感度を可変可能な撮像素子を有する内視鏡と、
被写体に光を照射する為の光源と、
前記被写体に照射される光量の調整を行う為の絞りと、
前記撮像素子の感度を可変する為に、前記撮像素子に対して前記パルス状の信号を可変して供給する駆動手段と、
前記撮像素子からの出力信号の測光を行う測光手段と、
前記測光手段による測光結果に基づき、前記撮像素子の電荷増幅率を制御する事で前記撮像素子の感度を制御する感度制御手段と、
前記測光手段による測光結果を前記電荷増幅率に基づき補正する測光補正手段と、
前記測光補正手段により補正された測光信号に基づいて前記絞りを制御する絞り制御手段と、
前記撮像素子からの出力信号の処理を行う信号処理手段と、
を備えた事を特徴とする内視鏡装置。
(付記項21) パルス状の信号が供給され、生成された電荷を増幅する事で感度を可変可能な撮像素子を有する内視鏡と、
被写体に光を照射する為の光源と、
前記被写体に照射される光量の調整を行う為の絞りと、
前記撮像素子の感度を可変する為に、前記撮像素子に対して前記パルス状の信号を可変して供給する駆動手段と、
前記撮像素子からの出力信号の測光を行う測光手段と、
前記測光結果に基づき、前記撮像素子の電荷増幅率を制御する事で固体撮像素子の感度を制御する感度制御手段と、
前記測光結果に基づいて前記絞りを制御する絞り制御手段と、
所定の条件に応じて前記感度制御手段による前記撮像素子の感度制御もしくは前記絞り制御装置による前記絞りの制御のいずれか一方を選択的に動作させる調光切替手段と、
前記固体撮像素子からの出力信号の処理を行う信号処理手段と、
を備えた事を特徴とする内視鏡装置。