JP2005310618A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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顕 長崎
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Abstract

【課題】帯状の集電体に活物質を塗着した正極板と、帯状の集電体に活物質を塗着した負極板とを、セパレータを介して渦巻き状に捲回してなる極板群を具備し、前記極板群を非水電解液とともに金属製の外装ケースに挿入し、前記極板群の最外周は活物質が塗着されていない正極集電体からなり、その正極集電体が前記外装ケースの内壁と接触している非水電解液二次電池であって、体積効率が高い電池を提供する。
【解決手段】外装ケースの内壁と接触している前記正極集電体表面には、炭素材料と結着材を含む導電性無機化合物層を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、非水電解液二次電池の構成に関するものである
近年、AV機器あるいはパソコン等の電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として、小型、軽量かつ、高エネルギー密度を有する二次電池への要望が高い。このような点で非水電解液二次電池、特にリチウムイオン二次電池は、とりわけ高電圧、高エネルギー密度を有する電池として開発が進んでいる。
リチウムイオン二次電池は、帯状のアルミニウム箔にリチウム含有遷移金属化合物等の正極活物質を形成した正極と、帯状の銅箔にリチウムをインターカレーション、デインターカレーション可能な炭素材料等を形成した負極とをセパレータを介して絶縁した状態で捲回した極板群及び非水電解液を、外装ケースに封入し、開口部を塞ぐ封口板をレーザー溶接で封口する方法が一般的である。このような電池において、体積効率を向上させるために捲回した極板群の巻き軸の中心線を開口面と平行し、正負極板を外装ケース及び電極端子に溶接およびかしめる方法(例えば、特許文献1参照)や、捲回した極板群において電池の扁平面に水平な方向の一方に正極集電体を露出させ、その正極集電体と正極ケースの内底面と溶接し、もう一方の外面に負極集電体を露出させ、その負極集電体と負極ケースの内底面を溶接して扁平形コイン電池内に収納するに方法(例えば、特許文献2,3参照)が提案させている。
特開平7−37605号公報 特開2000−164259号公報 特開2001−68143号公報
しかしながら、更なる電池の小型、薄型化の要望に伴い、捲回した極板群の巻き軸の中心線を開口面と平行して挿入して正負極板を外装ケースや電極端子に溶接及びかしめる方法では、外装ケース内部空間に対して極板群の幅と外装ケース内のクリアランス空間が大きくなり、逆に外装ケース内の体積効率が低下してしまう問題がある。
また、電池パックを収納する機器は一般的に直方体状の形状を有することから、電池パックも直方体状を有し、その場合扁平形コイン電池では、電池パック内の体積効率が低下してしまう問題がある。
本発明はこのような課題を解決し、非水電解液二次電池において、外装ケース内の体積効率を向上させた電池構成を提供するものである。
本発明の電池は、帯状の集電体に活物質を塗着した正極板と、帯状の集電体に活物質を塗着した負極板とを、セパレータを介して渦巻き状に巻いた極板群を具備し、前記極板群を非水電解液とともに金属製の外装ケースに収納し、前記極板群の最外周は活物質が塗着されていない正極集電体からなり、その正極集電体が前記外装ケースの内壁と接触している非水電解液二次電池であって、前記外装ケースの内壁と接触している前記正極集電体には、導電性無機化合物層を形成していることを特徴とするものである。
以上説明したように、本発明の電池は、電極捲回体の最外周部位に位置する正極板の集電体表面に炭素材料と結着材を含む導電性無機化合物層を形成し、外装ケースの内面と直接接触させることにより電気的に導通させることができ、正極リードを削減できるので、極板群の巻き状態を均一にでき、体積効率を向上させた電池を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に正負極の断面の概略図を示し、図2に正負極を渦巻き状に巻回した極板群の断面概略図を示し、その最外周部位およびその近傍の拡大断面図を図3に示す。
本発明の非水電解液二次電池は、帯状の正極集電体1aに正極活物質、結着剤、導電剤で形成した正極合剤層1bを塗着した正極板1と、帯状の負極集電体2aに負極活物質、結着剤で形成した負極合剤層2bを塗着した負極板2とを、セパレータ3を介して渦巻き状に捲回した極板群を有している。この極板群を非水電解液とともに金属製の外装ケース5に挿入している。
この極板群の最外周は活物質が塗着されていない正極集電体1aの表面に、炭素材料と結着材を含む導電性無機化合物層4を形成し、外装ケースの内面と直接接触させることにより電気的に導通させている。
導電性無機化合物層に用いる炭素材料としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、グラファイト、黒鉛、炭素繊維等を単独、或いは二種類以上の混合物が好ましい。
導電性無機化合物層に用いる結着材は、使用する溶剤や電解液に対して安定な材料であれば、特に限定されないが、例えば、フッ素系結着材やアクリルゴム、変性アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプロピレンゴム、ブタジエンゴム、アクリル系重合体、ビニル系重合体等を単独、或いは二種類以上の混合物または共重合体を用いる。フッ素系結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体(P(VDF−HFP))やポリテトラフルオロエチレン樹脂のディスパージョン等が好ましい。
導電性無機化合物層に用いる炭素材料は、非水電解液に対して耐性があり、 また電池の充放電を繰り返すことによって、電解液中に溶解することがないことから、充放電を繰り返しても安定して電気的導通が保たれる。
正極活物質としては、例えば、リチウムイオンをゲストとして受け入れ得るリチウム含有遷移金属化合物が使用される。例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムから選ばれる少なくとも一種類の金属とリチウムとの複合金属酸化物、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiCoxNi(1-x)2(0<x<1)、LiMn24、LiFePO4等が好ましい。
正極集電体として、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、ラス加工やエッチング処理された箔を用いる。
正極合剤に用いる結着剤としては、使用する溶剤や電解液に対して安定な材料であれば、特に限定されないが、例えば、フッ素系結着材やアクリルゴム、変性アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプロピレンゴム、ブタジエンゴム、アクリル系重合体、ビニル系重合体等を単独、或いは二種類以上の混合物または共重合体として用いることができる。フッ素系結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体(P(VDF−HFP))やポリテトラフルオロエチレン樹脂のディスパージョン等が好ましい。
正極合剤に用いる導電剤としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、グラファイト、黒鉛、炭素繊維等を単独、或いは二種類以上の混合物が好ましい。
負極活物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、有機高分子化合物(フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を焼成することにより得られる炭素材料、コークスやピッチを焼成することにより得られる炭素材料、或いは人造グラファイト、天然グラファイト等が好ましく、その形状としては、球状、鱗片状、塊状のものを用いることができる。
負極集電体として用いる銅または銅合金は、特に限定されるものではなく、圧延箔、電解箔などが挙げられ、その形状も箔、孔開き箔、エキスパンド材、ラス材等であっても構わないが、その厚みは引張り強度が強いほど好ましいが、厚くなると電池内部の空隙体積が少なくなり、エネルギー密度が低下するので20μm以下が好ましく、8〜15μmの範囲がより好ましい。
負極合剤に用いる結着材は正極の結着材と同様のものを使用することができる。
負極板の最内周部位に負極合剤層を塗布せずに負極リード2cを溶接されている。
負極リードとしては、ニッケル、鉄/ニッケルメッキ、銅または銅合金が好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
《実施例1》
正極板には、活物質としてコバルト酸リチウム、導電材としてアセチレンブラック、結着材としてポリフッ化ビリニデン、溶剤としてN−メチルピロリドンからなる正極合剤層をアルミニウム箔製正極集電体に塗布し、最外周部分には正極合剤層を塗布しない正極集電体露出部分を設け、その表面に炭素材料として黒鉛、結着材としてポリフッ化ビリニデン、分散溶媒としてN−メチルピロリドンを塗布、乾燥して導電性無機化合物層を形成した後、圧延した。
次に、負極板は活物質としてグラファイト、結着材としてスチレンブタジエンゴム、増粘材としてカルボキシメチルセルロース水溶液からなる負極合剤層を銅箔製負極集電体に塗布後、乾燥、圧延した。その後負極合剤層を塗布しない部位に負極リードをスポット溶接した。
非水電解液としては、エチレンカーボネート30体積%、エチルメチルカーボネート50体積%、プロピオン酸メチル20体積%の混合溶媒中に、電解質としてヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を1.0モルの濃度になるように溶解した電解液を調整した。
このようにして得られた正極板と負極板とを厚さ20μmのポリプロピレン製セパレータを介して絶縁した状態で捲回し、最外周部位に正極の集電体表面に導電性無機化合物層が形成されている部位が位置するように電極捲回体を作製した。そして、この電極捲回体を角型のアルミニウム製の外装ケース内に挿入して、外装ケースの内面と直接接触させることにより電気的に導通させた。
そして、封口板と負極リードを溶接し、電解液を所定量注液した後、封口板と外装ケースをレーザー溶接により封口を行って、電池容量が850mAhの非水電解液二次電池を作製した。
《比較例1》
正極板の最外周部分には正極合剤層を塗布しない正極集電体露出部分を設け、その表面に導電性無機化合物層を形成しなかった以外は、、実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
このようにして作製した実施例1および比較例1の電池各5個を用いて、850mA(1.0ItA相当)の充電レートで電池電圧が4.2Vに達するまで定電流充電を行い、その後、4.2Vの定電圧で電流が42.5mA(0.05ItA相当)になるまで定電圧充電した後、850mA(1.0ItA相当)の放電電流で3.0Vまで放電させる充放電を繰り返した。1サイクル目および100サイクル目の充電終了時において、1kHzの交流を印加してインピーダンスを測定したときの平均値を算出し、充放電サイクルに伴う電池のインピーダンスの変化を調べた結果を表1に示す。
Figure 2005310618
表1に示すように実施例1は、比較例1と比べて1サイクル目、100サイクル目とも電池のインピーダンスが小さいことから、長期にわたり電気的導通が保たれており、放電特性が安定した非水電解液二次電池が得られることが明らかになった。
これに対して、正極最外周部位に導電性無機化合物層を塗布していない比較例1の電池は、実施例1と比較例1の電池に対して、1サイクル目から電池インピーダンスが大きく、更に100サイクル目までの電池インピーダンスの増加量も大きかった。
本発明の非水電解液二次電池における正極、負極の一例を模式的に示す断面図 本発明の非水電解液二次電池における捲回極板群の一例を模式的に示す断面図 図2に示す捲回極板群の最外周およびその近傍を拡大して模式的に示す断面図
符号の説明
1 正極板
1a 正極集電体
1b 正極合剤層
2 負極板
2a 負極集電体
2b 負極合剤層
2c 負極リード
3 セパレータ
4 導電性無機化合物層
5 外装ケース

Claims (1)

  1. 帯状の集電体に活物質を塗着した正極板と、帯状の集電体に活物質を塗着した負極板とを、セパレータを介して渦巻き状に捲回してなる極板群を具備し、前記極板群を非水電解液とともに金属製の外装ケースに挿入し、前記極板群の最外周は活物質が塗着されていない正極集電体からなり、その正極集電体が前記外装ケースの内壁と接触している非水電解液二次電池であって、前記外装ケースの内壁と接触している前記正極集電体表面には、炭素材料と結着材を含む導電性無機化合物層が形成されている非水電解液二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013058566A1 (en) * 2011-10-20 2013-04-25 Sk Innovation Co.,Ltd. Secondary battery
WO2017208534A1 (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 株式会社村田製作所 二次電池

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