JP2005310415A - 燃料電池セパレータの製造方法およびその製造用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型に充填された材料の成形箇所に向けて進退可能な、孔あけ用の部材を金型に設けて成形時に孔あけする際に、孔あけ用の部材に起因するばりの発生の少ない燃料電池セパレータの製造方法およびその製造用金型を提供する。
【解決手段】金型10は、成形されるセパレータに形成されるガス通路とされる孔28に対応する位置に円筒状の先端部を有するピン24を備える。ピン24は、孔20に挿脱可能に挿入される。材料を供給する前は、ピン24が孔20の内部に収容される。材料26の供給を開始した後、材料26内にピン24を進入させて材料26に孔28を形成し、さらに成形を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池セパレータの製造方法およびその製造用金型に関する。
家庭用コージェネ装置や自動車搭載用途等に利用される燃料電池が注目されている。燃料電池は、化学エネルギーを熱エネルギーに変換することなく直接電気エネルギーにして利用するものであり、通常、水素及び酸素の反応によって電気を取出す。燃料電池には、リン酸型燃料電池、固体電解質型燃料電池および固体高分子型燃料電池(PEFC)等いくつかの方式がある。
それぞれの方式の燃料電池において、燃料電池セパレータ(以下、これを単にセパレータということがある。)が使用されている。セパレータは、電極等とともに単位セルを構成する。1個の単位セルは電気出力が小さいため、この単位セルを多数積層したスタックが使用される。セパレータは、導入される水素ガスあるいは酸素ガスを隣り合うセル間で隔離する。
セパレータには、ガスの流路となる溝が多数形成されるとともに、通常セパレータの周縁にガスを外部から導入するための貫通孔(以下、これを単に孔ということがある。)が形成される。セパレータは、燃料電池の集電体として機能するため、例えば10mΩ・cm以下の高い導電性が要求される。セパレータには、さらに、気体透過性、耐酸化性、耐加水分解性、耐熱水性、生成した水を効果的に排水するための親水性等の機能も要求される。
近年、これらセパレータの材料としては、炭素材料系、金属系、導電性ポリマー系など多岐に亘る材料が検討されている。
これらの材料のなかで、導電性や耐熱性等の特性に優れる炭素材料系が広く用いられている。炭素材料系には、黒鉛・樹脂コンパウンド系、膨張黒鉛系、シート状炭素系、ガラス状炭素系など種々のものがある。
これらの炭素材料系セパレータ材料の中で、黒鉛・樹脂コンパウンド系の材料は、成形し易く量産に向いていると考えられる。
この場合、材料が、極高温でないと溶融しない黒鉛を含むコンパウンド系であり、ほとんど流動しないために、製造技術として、材料を加熱、溶融して流動状態とし、閉じた金型に圧入して成形する射出成形法等の成形技術は採用されていない。
また、例えば材料の黒鉛の比率を下げる等して材料の流動性を高めて射出成形法等の成形技術を適用するとしても、上記のようにセパレータの周縁付近に複数の孔を形成する必要があるので、射出成形等の流動成形において避けることのできないウエルドに起因する問題を生じる。
すなわち、射出成形等の場合、成形される材料に向けて、すなわちキャビテイに向けて材料に孔を形成するための突起を設けると、突起と金型側壁の間の複数の流動先端部(これをフローフロントという。)が会合した場所に線状のむらであるウエルド(ウエルドマーク、ウエルドラインともいう。)が発生する。このとき、フローフロント間の密着性が悪いと、ウエルドの部分で割れ等の問題が発生する。炭素材料系セパレータ材料の場合、材料の流動性を高めることには限界があり、また、黒鉛の接着剤として機能する樹脂の比率が低いことによって機械的強度が低下しやすいため、この問題が顕著に生じうる。
なお、上記のように成形時に孔を形成する代わりに、成形後に機械的に孔あけを行う方法も採用されているが、この場合、成形工程の後にさらに孔あけ工程が必要となるため、製造工程が複雑となり、また生産性が低下するという問題がある。また、材料の機械的強度が低いと、孔あけの際に割れを生じるおそれもある。
このため、金型を開いて材料を充填した後、金型を締めて、加圧、加熱して成形する圧縮成形技術が一般的に採用されている。
しかしながら、圧縮成形技術を用いて炭素材料系セパレータを製造する場合においても、セパレータとして要求される高い導電性を満たすために材料の黒鉛配合比率を大きくする必要があり、そのために材料を金型に充填する際に流動しづらい場合がほとんどである。また、例え流動可能な材料であっても、粘度が非常に高いため流動性がよくない。このとき、材料の充填状態が不均一になると、成形されるセパレータの厚み精度が低下し、あるいは機械的強度が小さい箇所を生じてセパレータの割れ等の一因となる。
したがって、適当な手段により材料を金型内に均一に充填することが必須であるが、このことは通常必ずしも容易ではない。特に、セパレータでは、上記のように複数の孔をセパレータの周縁付近に形成するための突起と金型側壁との間の狭い隙間のキャビテイ箇所に材料を十分に充填することは難しい。
このセパレータの孔近傍の割れを解消するために、成形材料を金型内に均一に充填することで、セパレータの機械的強度を向上させる方法が提案されている。
例えば、下向きでマトリックス状に配置され、一定の高さで所定の容積空間が形成された複数の投入口を有する投入部に一旦材料を充填し、本投入部を金型上部に配置後、投入部の下側に位置するスライドプレートを引く抜くことで、金型に均一な材料充填を行なう方法が提案されている(特許文献1参照。)。
また、成形材料を、金型キャビテイ内に、正確に所定量、かつ均一に供給することができる燃料電池のカーボンセパレータの製造装置が提案されている。この装置は、上方に開口するキャビテイを形成する下型およびダイスと、このキャビテイ上方に横方向に進入・後退可能なメッシュと、前記メッシュ上に位置しメッシュに対して相対的に横方向に移動可能でかつキャビテイ上方に横方向に進入・後退可能でありメッシュの目を通してキャビテイに原料を供給する原料収納容器と、を有する(特許文献2参照。)。
しかしながら、これらの方法あるいは装置は、いずれも専用の複雑な構造の材料充填装置が必要である。このため、材料充填装置費用が本体装置費用とは別途に発生すること、装置の汎用性がなく金型毎に材料充填装置を製作しなければならないこと、材料充填に時間を要すること等の問題がある。なお、射出成形等の流動成形と比較すると、材料充填に要する時間は流動成形よりも長い。また、材料充填時は、金型温度を成形温度より低くする必要があるので、材料充填後、金型を成形温度に昇温し、かつ、成形品の離型、材料再充填のため、金型を冷却する必要があり、成形サイクルが射出成形等と比較してかなり長いものとなる。
一方、セパレータの製造方法として、成形段階で溝を加工したセパレータ半製品にさらに孔を加工する方法も提案されている。
この方法は、切削加工を行なって孔を形成するものであるため、成形時に孔形成ための突起部分を金型に設けることに起因する上記の問題は発生しない。しかしながら、この方法では、セパレータの機械的強度が大きくないときには、上記と同様に孔の加工部分に割れが発生したり、あるいは加工面が粗くなったりするおそれがある。また、セパレータの製作に時間がかかり、さらに製作費用も高価であるため、工業的量産には適さない。
そこで、材料充填時間の問題を解決し、成形サイクルを短縮するために、孔や溝を成形段階で一括して形成する際に工夫を加えた方法として、シート状の1次成形体(これをプリフォームという。)を成形後、プリフォームを金型に充填して成形する方法が考案されている。
その一例として、ポリフェニレンスルフィド系樹脂等の非炭素質熱可塑性樹脂と黒鉛粒子や導電性カーボンブラック等の導電剤とを含む樹脂組成物をシート成形し、得られたシートを溝付き金型でスタンピング成形することにより、燃料電池用セパレータを製造する方法がある(特許文献3参照。)。
しかしながら、この方法はプリフォームを成形する手間がかかり、また、プリフォームを製造する専用装置を設ける必要があるため、成形コストが大きくなる。
また、プリフォームを成形した後に、さらに圧縮成形等してセパレータ形状に加工する際に孔あけ加工を適当なタイミングで行う方法が提案されている。
この場合、例えば圧縮成形作業開始後、一定時間経過したときに孔あけを行い、あるいは、圧縮成形作業開始後、プリフォームの温度が所定の温度に達したときに孔あけを行うことが望ましいとされている。この方法によれば、孔の加工部分に割れが発生したり、加工面が粗くなったりするおそれのない、孔の加工面が良好なセパレータが得られるとされている(特許文献4参照。)。
しかしながら、この場合、孔あけ加工を開始するまでに、例えば65sec以上の待ち時間を要し、成形サイクルが長くなる。さらに、孔あけ加工を適当なタイミングで行うことができる時間はかなり短い時間に限られると考えられるために、孔あけ加工を行うタイミングを図ることが煩雑であり、また、実際には適当なタイミングを逸して良好な孔の加工面が得られないおそれがあり、あるいは、孔あけ加工のタイミングがばらつくことによって孔の加工面の品質がばらつくおそれもある。また、他の例と同様に、プリフォームを成形する手間がかかり、また、プリフォームを製造する専用装置を設ける必要があるため、成形コストが大きくなる。なお、孔あけ加工のタイミングを材料の温度で管理するために熱電対を設ける場合には、ポンチを下げて孔を打抜く際に、ポンチが熱電対に当たらないように熱電対を内蔵したパットを下げる必要があるため、金型構造が複雑であり、金型設備が高価となり、また保守管理が煩雑となる問題がある。
上記のように、従来の燃料電池セパレータの製造方法あるいは製造装置は、いずれも、一長一短であり、成形時に孔あけを行いあるいは成形後に孔あけを行うことに起因するセパレータの割れの問題、製造方法あるいは製造装置の複雑化による生産性の低下や製造コストの増大の問題等のいずれかの問題を含むものである。
特許第3356728号公報 特開2003−346829号公報 特開2001−122677号公報 特開2003−22812号公報
特に、上記特許文献4の方法の場合、上記の問題のほかに、成形過程で孔あけ加工を行うためのポンチおよび必要に応じて設ける熱電対を内蔵したパットを上下動させる構造であることに起因する特有の問題がある。
すなわち、上下動するポンチやパットと、ポンチやパットを収容する金型の孔壁との間には機構上、隙間(クリヤランス)が不可避的に存在する。そして、圧縮、加圧しながら、プリフォームが硬化するまえにポンチやパットをキャビテイに進入させるために、孔あけのためにポンチによって排除されたプリフォームがこの隙間に入り込み、成形品にいわゆるばりを発生することになる。
なお、熱可塑性樹脂材料を射出成形する場合は、上記と同様の孔あけ加工のためにキャビテイ内に進退可能な突出物を設ける例が多く見られるが、この場合、液体等の流動性の高い材料をキャビテイ内に注入して孔あけを行うため、上記のばりの発生はより顕著となる。
上記いずれの場合においても、成形後の成形品(前者の場合はセパレータ)からばりを除去するため、カッター処理、打ち抜き、ドリル処理、サンッドブラストあるいはショットピーニング等の通常の方法によりばり処理を行うことが必要となる。
そして、ばりの発生が著しい場合は、ばりを確実に除去するための処理作業が煩雑となる。
また、前記のように、燃料電池は単位セルを多数積層したスタックの形態で用いるが、このとき、スタックの厚みが大きくならないようにするために、セパレータの厚み精度が厳密に管理されており、例えば、寸法ばらつきが100μm以下とされている。そして、ばり処理が不十分な場合、セパレータの厚みの寸法精度の低下につながる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、キャビテイに対して、すなわち、金型に充填された材料の成形箇所に向けて進退可能な、孔あけ用の部材を金型に設けて成形時に孔あけする際に、孔あけ用の部材に起因するばりの発生の少ない燃料電池セパレータの製造方法およびその製造用金型を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る燃料電池セパレータの製造方法は、炭素および樹脂を主成分とする材料を1対の対向する金型半体を有する金型で成形して燃料電池セパレータを製造する方法において、
円筒状先端部を有する孔あけ部材の該円筒状先端部を、該材料が硬化完了するまでの間に該材料に進入させて該材料に孔を形成することを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池セパレータの製造方法は、前記孔あけ部材を、孔を形成するときまでは、前記円筒状先端部を前記金型の内面と面一に配置しまたは前記材料の成形厚みの70%以下の範囲内で該材料の成形箇所に進入させ、該材料が硬化完了するまでの間に該材料にさらに進入させて該材料に孔を形成することを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池セパレータの製造方法は、前記円筒状先端部の内側が斜面状に形成されていることを特徴とする。
このとき、前記円筒状先端部が刃状に形成されていると、より好適である。
また、本発明に係る燃料電池セパレータの製造方法は、前記孔あけ部材が、前記1対の金型半体のうちの1つの金型半体の内面に突設される第一の孔あけ部材部と、他の1つの金型半体の内面に該材料の成形箇所に対して該第一の孔あけ部材部と対抗する位置から進退可能に設けられる第二の孔あけ部材部とで構成されることを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池セパレータの製造方法は、前記孔あけ部材が、前記1対の金型半体のそれぞれの内面に該材料の成形箇所に対して対抗する位置から進退可能に設けられる1対の孔あけ部材部で構成されることを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池セパレータ製造用金型は、炭素および樹脂を主成分とする材料を1対の対向する金型半体を有する金型で成形して燃料電池セパレータを製造する燃料電池セパレータ製造用金型において、
該材料の成形箇所に対して進退可能な円筒状先端部を有する孔あけ部材を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池セパレータ製造用金型は、前記孔あけ部材が、孔を形成するときまでは、該円筒状先端部を前記金型の内面と面一に配置しまたは前記材料の成形厚みの70%以下の範囲内で該材料の成形箇所に進入させ、該材料が硬化完了するまでの間に該材料にさらに進入させて該材料に孔を形成するように構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池セパレータ製造用金型は、前記円筒状先端部の内側が斜面状に形成されていることを特徴とする。
このとき、前記円筒状先端部が刃状に形成されていると、より好適である。
また、本発明に係る燃料電池セパレータ製造用金型は、前記孔あけ部材が、前記1対の金型半体のうちの1つの金型半体の内面に突設される第一の孔あけ部材部と、他の1つの金型半体の内面に該材料の成形箇所に対して該第一の孔あけ部材部と対抗する位置から進退可能に設けられる第二の孔あけ部材部とで構成されることを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池セパレータ製造用金型は、前記孔あけ部材が、前記1対の金型半体のそれぞれの内面に該材料の成形箇所に対して対抗する位置から進退可能に設けられる1対の孔あけ部材部で構成されることを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池セパレータ製造用金型は、前記材料の成形箇所に対して進退可能に設けられる孔あけ部材部の円筒の内側に、該孔あけ部材部と独立して変位しまたは固定される軸部を有することを特徴とする。
本発明に係る燃料電池セパレータの製造方法は、円筒状先端部を有する孔あけ部材の円筒状先端部を、材料が硬化完了するまでの間に材料に進入させて材料に孔を形成し、また、本発明に係る燃料電池セパレータ製造用金型は、材料の成形箇所に対して進退可能な円筒状先端部を有する孔あけ部材を備える。このため、孔あけ部材によって排除される材料の大半が孔あけ部材の周辺に押し出されることなく孔あけ部材の円筒状先端部内に止まるため、孔あけ部材と金型(金型の孔壁)の間の隙間に浸入する材料の量が軽減され、これにより、成形品に形成される孔の周辺のばりの発生が少ない。
特に、孔あけ部材の円筒状先端部の内側が斜面状に形成され、かつ刃状に形成され、また、孔あけ部材の円筒の内側に、孔あけ部材部と独立して変位しまたは固定される軸部を設けると、孔あけの際に押し出される材料が、円筒の外側よりも内側により押し出されやすく、またこのとき、円筒の内側に押し出された材料が円筒と軸部の間の隙間に入るため、円筒の外側と金型の間の隙間、すなわち、孔あけ部材と金型の間の隙間に入り込む材料の量が一層軽減され、ばりの発生が一層軽減される。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態例に何ら限定されるものではない。また、各図において、構造を判りやすくするため、セパレータ固有の溝は表示しておらず、溝の説明も省略している。また、本発明は溝の有無によって何ら限定されるものではない。
まず、本発明の実施の形態の第一の例に係る燃料電池セパレータの製造方法および燃料電池セパレータ製造用金型(以下、単に方法および金型ということがある。)について圧縮成形タイプを例に取り、図1〜図4を参照して説明する。なお、本発明は、圧縮成形タイプに限らず、射出成形、射出圧縮成形あるいはトランスファー成形等の流動性の高い材料の成形に用いるいずれのタイプにも適用可能であり、材料の流動性の程度等に応じて適宜成形方法および金型種類のタイプを選択することができる。
本発明の実施の形態の第一の例に係る圧縮成形タイプの金型10は、図1に概略構成を示すように、上金型(金型半体)12、中金型14および下金型(金型半体)16で構成される。型締めした状態の上金型12、中金型14および下金型16の内部に成形材料(以下、単に材料という。)を充填して成形するための製品が成形される箇所(成形材料の成形箇所、キャビテイ)18が形成される。
下金型16には、製品が成形される箇所18側の内面に開口する単一または複数の孔20が形成される。この孔20は、成形される燃料電池セパレータ(以下、単にセパレータという。)に形成されるガス通路とされる孔(後で説明する図4の参照符号28の孔参照。)に対応する位置に設けられる。図示しない駆動機構によって上下動する固定部22に固着して、孔20ごとに、円筒状先端部(図1〜図4では表れていない。後述する。)を有するピン(孔あけ部材)24が設けられ、ピン24は挿脱可能に孔20に挿入される構造とされている。ここで、円筒状先端部の円筒状とは、内部が中空の円筒状あるいは内部が中空の円柱状をいう。ピン24と下金型16の孔壁との間には、ピン24を円滑に動作させることが可能な範囲で極力間隔を狭く設定された隙間(クリヤランス)が設けられる(図1〜図4では表れていない。)。
ピン24は、本実施の形態例とは逆に、上金型12に設けてもよい。ピン24の詳細については以下の製造方法の手順と合わせてさらに説明する。なお、図1を始めとする全図において、理解を容易にするために、金型構造のうちピンおよび固定部のみにハッチング模様を施し、また、材料に梨地模様を施すが、他は白抜き表示する。
駆動機構は、金型10や金型10に付帯する設備に設置した上下動装置等を用いることができる。また、駆動方法は、手動、油圧、電動、空気圧あるいはその他の適宜の方法を用いることができる。
金型10を用いた燃料電池セパレータの製造方法について以下説明する。
図1に示した金型10は、材料を金型10内の製品が成形される箇所18に供給する前の状態のものである。金型10は、下動する固定部22とともにピン24が、製品が成形される箇所18から後退して孔20の内部、言い換えれば下金型16の内部に収容されている。
そして、ピン24の先端部は下金型16の製品が成形される箇所18に向いた内面とほぼ同一面上に位置し、下金型16の内面側からは、通常の孔あけ部材のような突起物が突出していない。より正確には、先端部の円筒の内側の分だけ、下金型16の内面に後退した形態となっている。このとき、ピン24の先端部は下金型16の製品が成形される箇所18に進入していてもよい。その進入長さは成形品厚みの70%以下であり、より望ましくは成形品厚みの50%以下である。
材料は、例えば、黒鉛と熱硬化性樹脂を主成分とする粉体品を用いる。
図2に示すように、上金型12を開いて、上記の材料26を下金型16に供給し、所定量、ほぼ均一に充填する。このとき、材料26は、常温で取り扱ってもよく、また、予熱したものを用いてもよい。
材料26を下金型16に充填した後、図3に示すように、上金型12を締めて、適宜の手段で加熱された金型10を介して材料26を加熱する。
材料26を金型10に供給開始した以降、材料26の硬化が完了するまでの間に、望ましくは、金型10の製品が成形される箇所18のほぼ全体に材料26を充填した直後に、より望ましくは、材料26を充填した後、上金型12を締めた直後に、固定部22を上動させて、製品が成形される箇所18内、言い換えれば材料26内にピン24を進入させて材料26に孔28を形成する。
このとき、上記した成形品厚みの70%以下の進入長さでピン24の先端部を下金型16の製品が成形される箇所18に進入させるタイミングは、材料26の硬化が完了する前であればいつでもよい。例えば、材料26を充填した直後にあるいはさらにその前の時点である材料供給を開始した後に、充填を完了する直前からピン24を製品が成形される箇所18に進入させてもよい。後者の材料の充填を完了する前であって材料供給を開始した後にピン24を材料26に進入させる場合は、材料の充填が完了するまでは、ピン24の進入量、言い換えれば突出高さを、成形品厚み(成形厚み)の70%以下としておくことで、ピン24の製品が成形される箇所18内への突出部分が材料26を均一に充填するときの妨げとなることがない。
望ましくは、供給される材料26が、製品が成形される箇所18内のほぼ全体に行き渡って均一に充填された直後にピン24の進入を開始する。そして、加熱されて樹脂が溶融した材料26の流動を妨げることなく、材料26の樹脂が均一に溶融した以降、硬化を始める前までに材料26の孔28を形成する。
より望ましくは、材料26を製品が成形される箇所に充填後、上金型12を締め、規定の成形圧力をかけた直後に、ピン24の進入を開始する。材料26の樹脂が均一に溶融した以降、硬化を始める前までに材料26の孔28を形成する。
なお、いずれの場合も、上金型12を締め、規定の成形圧力をかけた後は、速やかにピン24の進入を終了させることが望ましい。
材料26内にピン24を進入させることにより、ピン24の径寸法に応じた孔28が材料26に形成されるとともに、ピン24によって切り取られた材料26が、ピン24の円筒状の先端部内に取り込まれる。従来のような円柱状のピンを材料内に押し込んで孔を形成するときには、ピンによって排除される材料がピンの周辺部に押し出され、ピンと金型の孔壁の間の隙間に流れこんで、成形後にばりを顕著に発生しやすいが、本発明によれば、孔28をあけるために取り除かれてピンの周辺部に押し出される材料26の量が相対的に軽減されるため、ピンと金型の孔壁の間の隙間に流れこんで発生するばりが軽減される。
孔あけ作業を完了するまでのピン24の最大進入量は、ピン24が上金型12に当たる0.5mm手前から上金型12に当たるまでの範囲が好ましい。ピン24を上金型12に当たる0.5mmよりもさらに手前の位置までしか進入させない場合、セパレータとなる成形品(後で説明する図5の参照符号30の成形品参照。)の孔28の上端に薄ばり状に残った部分(図示せず。)の後処理が煩雑となる。
ピン24を材料26に進入させて材料26の孔28の形成が完了した後、図4に示すように、ピン24を成形品30から後退させて、再び孔20内に収容する。このとき、ピン24の先端部の円筒箇所の内側に取り込まれた材料は、ピン24とともに材料から引き抜かれる。そして、さらに加熱、圧縮し、成形を完了する。なお、ピン24を成形品30から後退させるタイミングは、成形品30がほぼ硬化した時点から、成形品30を取出す前までに、後退が完了していればよい。成形品30の硬化が不充分な状態でピン24を後退させると成形した孔28が変形し、成形品30を取出す時にピン24が成形品30に進入したままであると、離型が難しくなる。
成形完了後、図5に示すように、金型10を分解、型開きして成形されたセパレータ(以下、成形品と同じ参照符号を付す。)30を取り出す。このとき、ピン24をセパレータ30から引き抜いた状態でセパレータ30を金型10から取り出すため、取り出し作業を容易に行うことが出来る。
なお、この場合、金型10を分解する代わりに突出ピンでセパレータ30を押し出す構造としてもよい。また、セパレータ30の離型が容易なときは、ピン24を下金型16内に後退させる工程を省略して、ピン24を製品が成形される箇所18内に突出させた状態のままとしてもよい。
また、セパレータ30の離型を容易にするために、外部離型剤を用いてもよい。外部離型剤の種類は、シリコン系、フッ素系、ワックス類、金属石鹸類、ステアリン酸類等公知のものを使用できる。外部離型剤の塗布方法は、固形や粉体、顆粒状のものを直接塗布するする方法やスプレー塗布する方法等の適宜の方法を用いることができる。
金型10から取り出したセパレータ30の孔28の周辺には、ばりが少なく、あるいはばりがほとんど発生しない。なお、薄ばり状に残った部分があるときは、カッター処理、打ち抜き、ドリル処理、サンドブラストあるいはショットピーニング等の通常の方法によりばり処理を行う。このとき、ばりが少ないため、ばり処理も簡易に行うことができる。
ここで、孔あけ部材であるピン24についてさらに説明する。
ピン24は、円筒状の先端部を種々の形態にしたものを用いることができる。
例えば、図6−1に示すように、下金型16に固定され、あるいはピンとは別に上下動する支持軸(軸部)32を外嵌する円筒状のピン24aに形成する。このとき、先端部の円筒の内側を斜面状(図6−1中、矢印S1で示す。)に形成するとともに、さらに、先端部を刃状(図6−1中、矢印S2で示す。)とする。
ピン24aの外壁と下金型16の孔壁の間には前記のように隙間(図6−1中、矢印C1で示す。)が形成されており、また、ピン24aの内壁と支持軸32の間にも、ピン24aの円滑な動作に支障のない範囲で間隔を狭く設定される隙間(図6−1中、矢印C2で示す。)が形成される。
この場合、孔あけの際に材料へのピン24への進入を容易に行うことができる。そして、ピン24aによって切り取られた材料(孔あけ残渣)が、ピン24aの内側の傾斜面に案内されて刃の内側(図7−1中、参照符号34aで示す。)に容易に取り込まれ、ピン24aの外周に流れ出す量は多くない。刃の内側に入った材料の孔あけ残渣は、成形後、例えばピン24eを下動したときに支持軸32によって刃の内側から押し出すことができ、掃除も容易である。また、ピン24aは、支持軸32に支持された状態で上下動するため強度上の問題もない。
また、ピン24は、図6−2に示すように、先端部に凹部34bを形成するとともに、先端部の傾斜面である環状部分を刃状に形成したピン24bであってもよい。なお、図6−2では、図6−1で示した下金型16は省略している。
この場合、ピン24b自体が十分な強度を有し、また、構造が簡単である。但し、凹部34bに孔あけ残渣が入ったとき、掃除が若干煩雑となる。
つぎに成形材料26について、さらに詳細に説明する。
材料26は、粉体を金型10の製品が成形される箇所18全体に充填する方法に代えて、図7に示すように、製品が成形される箇所18の中央部に嵩高に配置してもよい。また、材料26の形態を上記の粉体状のものに代えて、顆粒状としたものやペレット状にしたものを用いてもよく、あるいは、図8に示すように、タブレット状の材料26aとしてもよい。なお、材料26の流動性が低い場合は、材料26を金型10の製品が成形される箇所18全体に均一に充填し、セパレータの溝形状や厚み段差に応じて、不要材料の除去や、材料の追加充填を行うことが望ましい。
材料26の原料は、前記のように黒鉛紛と樹脂とを混合、混練したものを好適に用いることができる。
使用する黒鉛粉は高い導電性を示すものであれば特に制限はなく、例えば、メソカーボンマイクロビーズなどの炭素質を黒鉛化したもの、石炭系コークスや石油系コークスを黒鉛化したもの、ホウ素、珪素、鉄およびこれらの化合物等の触媒作用で黒鉛化したもの、等方性黒鉛のような特殊炭素材料、天然黒鉛やキッシュ黒鉛等を用いることができるほか、さらに黒鉛電極の加工粉や導電性カーボンブラック等も用いることができる。
また、材料26の原料である黒鉛に代えて、ガラス状炭素や等方性炭素等の硬質炭素材等の他の炭素(炭素材料)を用いることもできる。
これらの黒鉛粉を単独でまたは2種以上を重量比で40:60〜90:10、好ましくは70:30〜80:20の割合で混合して使用することができる。また、2種以上の粒度分布を有する黒鉛粉を使用してもよく、例えば平均粒径50〜300μmの大粒径黒鉛粉と、平均粒径50μm未満、好ましくは5〜20μmの小粒径黒鉛粉とを重量比で40:60〜90:10、好ましくは70:30〜80:20の割合で配合してもよい。
樹脂は、耐熱性で、混練可能な程度に低粘度である樹脂であれば特に制限はなく、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用できる。
熱硬化性樹脂は、例えばフェノール樹脂、フルフリルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の樹脂を使用することができる。樹脂粘度については、黒鉛粉をできるだけ多量に混練させて導電性を高めるためには低粘度であることがよく、例えばエポキシ樹脂は、樹脂単独であるいは硬化剤等が配合される場合は配合された状態で、150℃における粘度が1〜500mPa・sであり、25℃において固体又は3Pa・s以上の粘度であることが好ましい。なお、エポキシ樹脂硬化促進剤としては、アミン類、イミダゾール類、ウレア類、有機ホスフィン類、ルイス酸等の公知の促進剤が使用できる。
熱可塑性樹脂は、例えばポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール等を使用することができる。
樹脂原料と、黒鉛粉もしくは必要に応じて黒鉛粉のほかに配合する硬化剤等を含む原料の配合割合は、樹脂に対して黒鉛粉等は2〜15倍量であることが、必要な導電性を与える観点から好ましい。樹脂が多すぎても、少なすぎても固有抵抗が増大するので、より好ましくは3〜8倍量の範囲にするとよい。一般に、樹脂の割合が多すぎると黒鉛粉同士の接触が阻害されて導電性が低下し、少なすぎると所定の強度を有する成形体が得られなくなる傾向となる。なお、黒鉛粉と樹脂の混合は、これらを同時に混合してもよく、2種類以上の粒度分布を有する黒鉛粉を使用する場合には、その黒鉛粉を事前に混合したのち、樹脂と混合してもよい。
また、黒鉛粉と樹脂の他に、改質用添加剤及び他の導電性フィラー等を本発明の効果を妨げない範囲で配合することもできる。
改質用添加剤としては、流動パラフィン等の液体、あるいは、カルナバワックス、低分子量ポリエチレンワックス、ステアリン酸亜鉛等の粉体状離型剤、酸化防止剤、可塑剤、その他の各種添加剤が挙げられる。また、界面活性剤や親水性樹脂等の親水性を補助する添加剤を本発明の効果を妨げない範囲で併用してもよい。
材料は、各原料を混錬した後において平均粒径50μm以下、特に20〜40μmに解砕又は粉砕することが好ましい。材料をタブレット化する際は、タブレット化装置に掛かりやすい形状に混練後に調整してもよい。その調整方法は、粉砕、解砕等、特に制約を受けるものではない。
黒鉛粉と樹脂とを混練してなる粉粒体は、所定の粒度分布に調整するとよく、その粒度分布をロジンラムラー分布(Rosin-Rammler’s distribution)の式:
R=100exp(−ad)
(式中、Rは分布量累積値の篩上(%)、dは粒径(μm)、aは定数を示す。)で表したとき、nの値が1.2〜2.0、特に1.3〜1.6の範囲にすることが好ましい。この場合の粒度測定は篩分け法による。ロジンラムラー分布の式において、粉粒体が正規分布をとるとき、nは分布の広狭を示し、nが大きいほどシャープな分布を示す。nの値が1.2未満であると、分布が広すぎて大粒子が含まれ成形品の表面に荒れが生じる傾向となり、一方nの値が2.0を超えると、分布がシャープになって比重が上がらず、抵抗が高くなる傾向となる。尚、n値の制御は、分級条件、粉砕機やその運転条件を選定することにより可能である。
つぎに、成形条件についてさらに説明する。
金型温度は、エポキシ樹脂系の材料を例に取れば、50〜250℃好ましくは80〜210℃とする。このとき、金型温度を一定に保持して材料充填から成形品取出しまで行う方法や、材料充填時や製品取り出し時に金型温度を下げる方法を採用してもよい。
成形時間は、0.5〜20分好ましくは1〜10分である。
成形圧力は、50〜1000kg/cm、好ましくは、100〜700kg/cm2である。
つぎに、本発明の実施の形態の第二の例に係る燃料電池セパレータの製造方法および燃料電池セパレータ製造用金型について図9および図10を参照して説明する。
本発明の実施の形態の第二の例に係る金型10aは、図9に示すように、下金型16に第一の例に係る金型と同様の先端部が円筒状のピン(第一の孔あけ部材部)24が設けられるとともに、製品が成形される箇所18を介してピン24と対向する位置の上金型12aの箇所にも下金型16の孔20と同様の孔62が形成され、孔62を挿脱可能な、先端部が円筒状のピン(第二の孔あけ部材部)64およびピン64を上下動させる固定部66が設けられる。
図10に示すように、上金型12aを締めて成形を開始すると、下金型16のピン24は第一の例のピン24と同様な動きをし、このとき、上金型12aのピン64は固定部66とともに、好ましくはピン24の動きと合わせて下動して製品が成形される箇所18側に進入し、材料26に孔28を形成する。この場合、孔あけを行うときまでは、ピン24およびピン64はそれぞれの先端部を金型10aの内面と面一の位置に配置し、あるいは、ピン24およびピン64の合計の進入長さを成形品厚みの70%以下、より望ましくは成形品厚みの50%以下とする。
上下の金型12a、16にピン24、64を設けることで、1基当たりのピン24、64の進入量をそれぞれ小さくでき、短時間、且つ低負荷で孔をあけることが可能となり、短時間で硬化するコンパウンドへの対応がより好適となる。また、打ち抜ききれずに材料26が薄膜状に残った場合でも、薄膜部分は孔の中にあるので、処理が容易であり、かつ処理跡は目立たない。
つぎに、本発明の実施の形態の第三の例に係る燃料電池セパレータの製造方法および燃料電池セパレータ製造用金型について図11および図12を参照して説明する。
本発明の実施の形態の第三の例に係る金型10bは、下金型16に設けられたピン24と対向する上金型12bのピン24に対応する箇所に、補助孔あけ部材(孔あけ部材部)84を設ける点が第一の例に係る金型10と異なる。
すなわち、金型10bは、図11に示すように、下金型16に第一の例に係る金型と同様の先端部が円筒状のピン24が設けられるとともに、製品が成形される箇所18を介してピン24と対向する位置の上金型12bの箇所に固定した、円筒状の補助孔あけ部材84を設ける(図11、図12では円筒の中空形状は現れていない。)。補助孔あけ部材84の高さは、成形品厚みの70%以下であり、より望ましくは成形品厚みの50%以下である。離型時に補助孔あけ部材84にセパレータが固着しない程度の適度の寸法に補助孔あけ部材84の高さを設定する。また、材料に孔を形成するまえにピン24を予め製品を成形する箇所に突き出させておくときは、ピン24の進入長さと補助孔あけ部材84の高さの合計寸法が成形品厚みの70%以下、より望ましくは成形品厚みの50%以下となる範囲内で、ピン24の進入長さと補助孔あけ部材84の高さを設定する。
図12に示すように、上金型12bを締めて成形を開始すると、下金型16のピン24は第一の例のピン24と同様な動きをして材料26に進入し、このとき、上金型12bの補助孔あけ部材84もピン24と反対側から材料26に進入する。そして、材料26の内部でピン24および補助孔あけ部材84が突き当たることで、材料26に孔28が形成される。これにより、本発明の実施の形態の第二の例に係る金型10aと同様の効果を得ることができる。また、特に、補助孔あけ部材(孔あけ部材部)84が上金型12bに突設されており、補助孔あけ部材84と上金型12bとの間に隙間がないため、セパレータ30の補助孔あけ部材84側にはばりが発生しない。また、本発明の実施の形態の第二の例と同様に、打ち抜ききれず材料26が薄膜状に残った場合でも、薄膜部分は孔の中にあるので、処理が容易であり、かつ処理跡は目立たない。
なお、本実施の形態例とは逆に、上金型にピンを設け、下金型に固定した補助孔あけ部材を設けてもよい。
本実施の形態に係る製造方法および金型によれば、形成される孔の周辺にばりの発生の少ないセパレータを得ることができる。
また、割れの生じにくい孔を有するセパレータを簡便にかつ短時間で製造することができ、例えば、嵩密度1.80g/cm以上、固有抵抗100mΩcm以下、曲げ強度30MPa以上、気体透過率1×10−14cm以下の物性を備え、さらに厚み精度(ばらつき)100μm以下の極めて優れた物性を示すセパレータを得ることができる。
本実施の第一の例に係る金型において成形材料を充填する前の状態を示す概略図である。 本実施の第一の例に係る金型において成形材料を充填したときの状態を示す概略図である。 本実施の第一の例に係る金型を型締めして孔を形成するときの状態を示す概略図である。 本実施の第一の例に係る金型で孔を形成した後、ピンを材料から抜いた状態を示す概略図である。 成形後、本実施の第一の例に係る金型を型開きした状態を示す概略図である。 本実施の形態例に係るピンのさらに他の一例を示す図である。 本実施の形態例に係るピンのさらに他の一例を示す図である。 本実施の第一の例に係る製造方法において、材料を金型の中央に配置した例を説明するための金型の概略図である。 本実施の第一の例に係る製造方法において、ペレット状の材料を金型に配置した例を説明するための金型の概略図である。 本実施の第二の例に係る金型において成形材料を充填したときの状態を示す概略図である。 本実施の第二の例に係る金型を型締めして孔を形成するときの状態を示す概略図である。 本実施の第三の例に係る金型において成形材料を充填したときの状態を示す概略図である。 本実施の第三の例に係る金型を型締めして孔を形成するときの状態を示す概略図である。
符号の説明
10、10a、10b 金型
12、12a、12b 上金型
14 中金型
16 下金型
22、46、66 固定部
24、24a、24b、44、64 ピン
26、26a 材料
30 成形品
32 支持軸
84 補助孔あけ部材

Claims (13)

  1. 炭素および樹脂を主成分とする材料を1対の対向する金型半体を有する金型で成形して燃料電池セパレータを製造する方法において、
    円筒状先端部を有する孔あけ部材の該円筒状先端部を、該材料が硬化完了するまでの間に該材料に進入させて該材料に孔を形成することを特徴とする燃料電池セパレータの製造方法。
  2. 前記孔あけ部材を、孔を形成するときまでは、前記円筒状先端部を前記金型の内面と面一に配置しまたは前記材料の成形厚みの70%以下の範囲内で該材料の成形箇所に進入させ、該材料が硬化完了するまでの間に該材料にさらに進入させて該材料に孔を形成することを特徴とする請求項1記載の燃料電池セパレータの製造方法。
  3. 前記円筒状先端部の内側が斜面状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池セパレータの製造方法。
  4. 前記円筒状先端部が刃状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の燃料電池セパレータの製造方法。
  5. 前記孔あけ部材が、前記1対の金型半体のうちの1つの金型半体の内面に突設される第一の孔あけ部材部と、他の1つの金型半体の内面に該材料の成形箇所に対して該第一の孔あけ部材部と対抗する位置から進退可能に設けられる第二の孔あけ部材部とで構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池セパレータの製造方法。
  6. 前記孔あけ部材が、前記1対の金型半体のそれぞれの内面に該材料の成形箇所に対して対抗する位置から進退可能に設けられる1対の孔あけ部材部で構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池セパレータの製造方法。
  7. 炭素および樹脂を主成分とする材料を1対の対向する金型半体を有する金型で成形して燃料電池セパレータを製造する燃料電池セパレータ製造用金型において、
    該材料の成形箇所に対して進退可能な円筒状先端部を有する孔あけ部材を備えることを特徴とする燃料電池セパレータ製造用金型。
  8. 前記孔あけ部材が、孔を形成するときまでは、該円筒状先端部を前記金型の内面と面一に配置しまたは前記材料の成形厚みの70%以下の範囲内で該材料の成形箇所に進入させ、該材料が硬化完了するまでの間に該材料にさらに進入させて該材料に孔を形成するように構成されていることを特徴とする請求項7記載の燃料電池セパレータ製造用金型。
  9. 前記円筒状先端部の内側が斜面状に形成されていることを特徴とする請求項7または8に記載の燃料電池セパレータ製造用金型。
  10. 前記円筒状先端部が刃状に形成されていることを特徴とする請求項9記載の燃料電池セパレータ製造用金型。
  11. 前記孔あけ部材が、前記1対の金型半体のうちの1つの金型半体の内面に突設される第一の孔あけ部材部と、他の1つの金型半体の内面に該材料の成形箇所に対して該第一の孔あけ部材部と対抗する位置から進退可能に設けられる第二の孔あけ部材部とで構成されることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の燃料電池セパレータ製造用金型。
  12. 前記孔あけ部材が、前記1対の金型半体のそれぞれの内面に該材料の成形箇所に対して対抗する位置から進退可能に設けられる1対の孔あけ部材部で構成されることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の燃料電池セパレータ製造用金型。
  13. 前記材料の成形箇所に対して進退可能に設けられる孔あけ部材部の円筒の内側に、該孔あけ部材部と独立して変位しまたは固定される軸部を有することを特徴とする請求項11または12に記載の燃料電池セパレータ製造用金型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016182713A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 株式会社ファルテック 樹脂成形用金型および樹脂成形方法

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