JP2005308997A - ズームレンズ及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 可動群を第2レンズ群と第4レンズ群の2つのみとすると共に、第4レンズ群の近距離合焦時の移動量を少なくして小型化と軽量化を図り、且つ、高性能なズームレンズ及び該ズームレンズを使用した撮像装置を提供すること。
【解決手段】 物体側より順に、正負負正正の屈折力を有する第1レンズ群G1から第5レンズ群G5により構成され、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、前記第2レンズ群が像側へ移動し、前記第4レンズ群が前記第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動の補償及び近距離合焦のために光軸方向に移動し、前記第5レンズ群が光軸方向で固定され、開口絞りSが前記第3レンズ群の近傍に配置されたズームレンズ1であり、ftを望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離、f14tを望遠端状態における第1レンズ群乃至第4レンズ群の合成焦点距離として、条件式(1)−0.2<ft/f14t<0.2を満足する。
【選択図】図2
【解決手段】 物体側より順に、正負負正正の屈折力を有する第1レンズ群G1から第5レンズ群G5により構成され、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、前記第2レンズ群が像側へ移動し、前記第4レンズ群が前記第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動の補償及び近距離合焦のために光軸方向に移動し、前記第5レンズ群が光軸方向で固定され、開口絞りSが前記第3レンズ群の近傍に配置されたズームレンズ1であり、ftを望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離、f14tを望遠端状態における第1レンズ群乃至第4レンズ群の合成焦点距離として、条件式(1)−0.2<ft/f14t<0.2を満足する。
【選択図】図2
Description
本発明は新規なズームレンズ及び撮像装置に関する。詳しくは、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像素子により受光する撮像装置に好適なズームレンズ及び該ズームレンズを使用した撮像装置に関する。
従来より、カメラ等の撮像装置における撮像手段として、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementtary Metal Oxide Semiconductor)等の光電変換素子を用いた撮像素子を使用し、撮像素子面上に形成された被写体像を、各光電変換素子によって被写体像の光量を電気的出力に変換して、記録する方法が知られている。
近年の微細加工技術の技術進歩に伴い、中央演算処理装置(CPU)の高速化や記憶媒体の高集積化が図られ、それまでは取り扱えなかったような大容量の画像データを高速処理できるようになってきた。また、撮像素子においても高集積化や小型化が図られ、高集積化により、より高い空間周波数の記録が可能となり、また、小型化により、カメラ全体の小型化が図れるようになってきた。
但し、上述した高集積化や小型化により、個々の光電変換素子の受光面積が狭まり、電気出力の低下に伴ってノイズの影響が大きくなる問題があった。これを防ぐために、光学系の大口径比化により光電変換素子上に到達する光量を増大させたり、各光電変換素子の直前に微小なレンズ素子(所謂、マイクロレンズアレイ)を配置をする試みが為されてきた。上記したマイクロレンズアレイは、隣り合う素子同士の間に至る光束を光電変換素子上へ導く代わりに、レンズ系の射出瞳位置に制約を与えていた。レンズ系の射出瞳位置が光電変換素子に近づく、すなわち、光電変換素子に到達する主光線が光軸となす角度が大きくなると画面周辺部へ向かう軸外光束が光軸に対して大きな角度をなし、その結果、光電変換素子上に到達せず、光量不足を招いてしまうからである。
そこで、従来より、ビデオカメラ用のズームレンズとして、特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載されたズームレンズ等、様々なタイプのズームレンズが提案されてきた。
ところで、上記した特許文献1及び特許文献2に記載されたズームレンズにあっては、合焦時に第1レンズ群が移動するタイプのものであり、第1レンズ群は多くの光量を取り入れるためにレンズ径が大きくならざるを得ず、大口径の第1レンズ群を光軸方向に移動させるために、駆動機構が大きくならざるを得ず、また、大口径レンズ群の移動のための空間も大きなものが必要となり、小型化と軽量化の点で不利である。
また、特許文献3に記載されたズームレンズにあっては、第2レンズ群、第4レンズ群、第5レンズ群の3つのレンズ群が可動であり、これらレンズ群の可動範囲の確保と駆動機構の配置のために鏡筒構造が複雑化すると共に大型化を免れない。
そこで、本発明は上記した点に鑑みて為されたものであり、可動群を第2レンズ群と第4レンズ群の2つのみとすると共に、第4レンズ群の近距離合焦時の移動量を少なくして小型化と軽量化を図り、且つ、高性能なズームレンズ及び該ズームレンズを使用した撮像装置を提供することを課題とする。
本発明ズームレンズは、上記した課題を解決するために、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、正の屈折力を有する第5レンズ群が配列されて構成され、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、前記第1レンズ群が光軸方向で固定され、前記第2レンズ群が像側へ移動し、前記第3レンズ群が光軸方向で固定され、前記第4レンズ群が前記第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動の補償及び近距離合焦のために光軸方向に移動し、前記第5レンズ群が光軸方向で固定され、開口絞りが前記第3レンズ群の近傍に配置され、ftを望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離、f14tを望遠端状態における第1レンズ群乃至第4レンズ群の合成焦点距離として、条件式(1)−0.2<ft/f14t<0.2を満足するようにしたものである。
また、本発明撮像装置は、上記した課題を解決するため、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、正の屈折力を有する第5レンズ群が配列されて構成されるズームレンズと、上記ズームレンズにより形成された光学像を撮像する撮像手段と、上記撮像手段が撮像した像を記録する記録手段とを備え、上記ズームレンズにおいて、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、前記第1レンズ群が光軸方向で固定され、前記第2レンズ群が像側へ移動し、前記第3レンズ群が光軸方向で固定され、前記第4レンズ群が前記第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動の補償及び近距離合焦のために光軸方向に移動し、前記第5レンズ群が光軸方向で固定され、開口絞りが前記第3レンズ群の近傍に配置され、ftを望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離、f14tを望遠端状態における第1レンズ群乃至第4レンズ群の合成焦点距離として、条件式(1)−0.2<ft/f14t<0.2を満足するようにしたものである。
従って、本発明にあっては、各種収差が良好に補正されると共に、第4レンズ群の近距離合焦時における移動量が少なくなる。
本発明ズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、正の屈折力を有する第5レンズ群が配列されて構成されるズームレンズにおいて、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、前記第1レンズ群が光軸方向で固定され、前記第2レンズ群が像側へ移動し、前記第3レンズ群が光軸方向で固定され、前記第4レンズ群が前記第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動の補償及び近距離合焦のために光軸方向に移動し、前記第5レンズ群が光軸方向で固定され、開口絞りが前記第3レンズ群の近傍に配置され、ftを望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離、f14tを望遠端状態における第1レンズ群乃至第4レンズ群の合成焦点距離として、条件式(1)−0.2<ft/f14t<0.2を満足することを特徴とする。
また、本発明撮像装置は、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、正の屈折力を有する第5レンズ群が配列されて構成されるズームレンズと、上記ズームレンズにより形成された光学像を撮像する撮像手段と、上記撮像手段が撮像した像を記録する記録手段とを備えた撮像装置であって、上記ズームレンズにおいて、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、前記第1レンズ群が光軸方向で固定され、前記第2レンズ群が像側へ移動し、前記第3レンズ群が光軸方向で固定され、前記第4レンズ群が前記第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動の補償及び近距離合焦のために光軸方向に移動し、前記第5レンズ群が光軸方向で固定され、開口絞りが前記第3レンズ群の近傍に配置され、ftを望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離、f14tを望遠端状態における第1レンズ群乃至第4レンズ群の合成焦点距離として、条件式(1)−0.2<ft/f14t<0.2を満足することを特徴とする。
従って、本発明にあっては、各種収差が良好に補正されて高性能であると共に、第4レンズ群の近距離合焦時における移動量が少なくなり、これによって、小型化と軽量化が達成されたズームレンズを得ることができ、また、該ズームレンズを使用することにより撮像装置の小型化と軽量化を達成でき、さらには、高品質の画像情報を得ることができる。
請求項2及び請求項7に記載した発明にあっては、β2wを広角端状態における第2レンズ群の横倍率、β2tを望遠端状態における第2レンズ群の横倍率として、条件式(2)0.8<β2w・β2t<2を満足するので、歪曲収差がさらに良好に補正されると共に、さらなるレンズ全長の短縮化を図ることが出来る。
請求項3及び請求項8に記載した発明にあっては、f4を第4レンズ群の焦点距離として、条件式(3)0.3<f4/ft<0.8を満足するので、球面収差がさらに良好に補正されると共に、望遠端状態での近距離合焦時に必要な第4レンズ群の移動量をさらに短縮することが出来る。
請求項4、請求項5、請求項9及び請求項10に記載した発明にあっては、開口絞りが前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間に配置され、前記第3レンズ群のもっとも物体側のレンズ面が物体側に凹面を向けると共に、R31を第3レンズ群のもっとも物体側のレンズ面の曲率半径、fwを広角端状態におけるレンズ系全体での焦点距離として、条件式(4)2<|R31|/fw<6を満足するので、第3レンズ群を構成するレンズ同士の偏心に伴う性能劣化を抑えると共に、球面収差をさらに良好に補正することが出来る。
以下に、本発明ズームレンズ及び撮像装置を実施するための最良の形態について添付図面を参照して説明する。
本発明ズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、正の屈折力を有する第5レンズ群を配置して、焦点距離がもっとも短い広角端状態から焦点距離がもっとも長い望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群、第3レンズ群、第5レンズ群が光軸方向で固定であって、第2レンズ群が像側に移動して、第4レンズ群が第2レンズ群の移動に伴って発生する像面位置の変動を補償するとき及び近距離合焦時に移動するとともに、以下のI及びIIの構成を有することにより、各種収差が良好に補正されて高性能であると共に、小型、且つ、軽量であり、さらに、製造時にも安定した光学品質を達成することが可能である。
I.第3レンズ群の近傍に開口絞りを配置する
II.第4レンズ群を射出する光束が平行に近い状態となるように構成する
本発明ズームレンズにおいては、レンズ系を5つのレンズ群で構成し、第2レンズ群がバリエータ、第4レンズ群が第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償するというコンペンゼーションの機能とフォーカスの機能を担っている。
II.第4レンズ群を射出する光束が平行に近い状態となるように構成する
本発明ズームレンズにおいては、レンズ系を5つのレンズ群で構成し、第2レンズ群がバリエータ、第4レンズ群が第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償するというコンペンゼーションの機能とフォーカスの機能を担っている。
特に、第3レンズ群を負の屈折力とすることで、第2レンズ群の負の屈折力を弱めて広角端状態における負の歪曲収差を補正可能としている。
また、第1レンズ群は像面から離れているため、レンズ径が他のレンズ群より大きい。このため、本発明ズームレンズにおいては、第1レンズ群を光軸方向で固定することにより、大型のレンズ群の移動空間と駆動力の大きいレンズ駆動機構を不要として、鏡筒構造の小型化と簡略化を図っている。
ズームレンズにおいては、開口絞りの配置が重要である。
一般的に、各レンズ群を通過する軸外光束の高さを積極的に変化させた方がレンズ位置状態が変化する際に発生する軸外収差の変動を良好に補正しやすい。ところが、各レンズ群を通過する軸外光束の高さを積極的に変化させるとレンズ径が大きくなるため、開口絞りの前後に可動のレンズ群を配置することにより、レンズ径の大型化をせずにレンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正している。これは複数のレンズ群が軸外光束の高さを変化させることにより、1つ1つのレンズ群での軸外光束の高さの変化が少なくても同じ効果が得られるからである。
以上ような見地から、本発明ズームレンズにおいては、第3レンズ群の近傍に開口絞りを配置している。
このように配置することにより、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、可動群である第2レンズ群を通過する軸外光束が徐々に光軸に近づくと共に、同じく可動群である第4レンズ群を通過する軸外光束が変化するようにして、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を抑えている。
本発明においては、近距離合焦時に第4レンズ群が移動する。
第4レンズ群の横倍率をβ4とする時、物点がδだけ移動する時に、第5レンズ群に対する物点位置を一定にするために必要な第4レンズ群の移動量Δは
Δ=β42 /(β42 −1)・δ
で算出される。この時、β4が0の時と無限大の時に極値を持ち、|β4|<1の時、第4レンズ群は物体側へ移動して、β4=0の時に移動量が極値となり、|β4|>1の時、第4レンズ群は像側へ移動して、1/β4=0の時に移動量が極値となる。
Δ=β42 /(β42 −1)・δ
で算出される。この時、β4が0の時と無限大の時に極値を持ち、|β4|<1の時、第4レンズ群は物体側へ移動して、β4=0の時に移動量が極値となり、|β4|>1の時、第4レンズ群は像側へ移動して、1/β4=0の時に移動量が極値となる。
本発明においては、第4レンズ群の横倍率β4の逆数を0に近づける、つまり、第4レンズ群を射出する光束が平行光に近い状態とすることにより、近距離合焦時に必要な移動量を減らして、オートフォーカス動作の高速化や駆動機構の簡略化による小型化と軽量化を図っている。
そのために、本発明ズームレンズは、下記条件式(1)を満足することが必要である。
(1)−0.2<ft/f14t<0.2
但し、
ft:望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
f14t:望遠端状態における第1レンズ群乃至第4レンズ群の合成焦点距離
とする。
但し、
ft:望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
f14t:望遠端状態における第1レンズ群乃至第4レンズ群の合成焦点距離
とする。
条件式(1)は上記条件IIを数値限定するための条件を規定するものである。
本発明ズームレンズにおいては、近距離合焦時に第4レンズ群が像側へ移動するが、この場合、上記したように、第4レンズ群の横倍率β4の逆数が0に近い方が好ましい。望遠端状態と広角端状態を比較した場合、特に、望遠端状態において、近距離被写体に対する第4レンズ群に対する物点(すなわち、第1レンズ群から第3レンズ群により形成される像点)の移動量が大きいため、近距離合焦時に必要な第4レンズ群の移動量が大きくなる。
上記したように、近距離合焦時に第4レンズ群の移動量を減らすには、第4レンズ群を射出する光束が平行光に近い、つまり、第1レンズ群から第4レンズ群までの合成焦点距離f14tの逆数がレンズ系全体の焦点距離fに対して0に近いことが必要である。
以上のことから、条件式(1)は近距離合焦時に必要な移動量を適切に設定するもので、条件式(1)の上限値を上回った場合にも、下限値を下回った場合にも、近距離合焦時に必要な第4レンズ群の移動量が大きくなってしまうため、好ましくない。
本発明ズームレンズにあっては、以上のように構成することにより、小型化及び軽量化を達成すると共に、良好な結像性能、特に、広角端状態における歪曲収差を良好に補正し、良好なる結像性能を得ることができた。
本発明ズームレンズにおいては、レンズ位置状態の変化に伴うコンペンゼーションを行うのに必要な第4レンズ群の移動量を減らし、オートフォーカス動作の高速化や駆動機構の簡略化をより一層図るために、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2)0.8<β2w・β2t<2
但し、
β2w:広角端状態における第2レンズ群の横倍率
β2t:望遠端状態における第2レンズ群の横倍率
とする。
但し、
β2w:広角端状態における第2レンズ群の横倍率
β2t:望遠端状態における第2レンズ群の横倍率
とする。
条件式(2)は第2レンズ群の横倍率を規定する条件式である。
本発明において、第4レンズ群はコンペンゼーションとフォーカスの2つの機能を同時にこなす。確かに、条件式(1)を満足することにより、近距離合焦時に必要な第4レンズ群の移動量を減らすことは可能だが、コンペンゼーションの分だけストロークが必要であるため、ズーミング時のフォーカス追従性を高め、また、第4レンズ群の駆動量を減らすには、コンペンゼーションに必要な第4レンズ群の移動量を減らすことが肝要である。
コンペンゼーションとは、上記したように、第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償することであり、第4レンズ群の移動量を減らすためには、第2レンズ群の横倍率を適切に設定することが肝要である。
広角端状態と望遠端状態で第4レンズ群が同じ位置となる場合、第4レンズ群の移動量がもっとも少なくなるが、この状態では、第2レンズ群により形成される像点位置が広角端状態と望遠端状態で同じ、すなわち、広角端状態における第2レンズ群の横倍率β2wと望遠端状態における第2レンズ群の横倍率β2tの積β2w・β2tが1である。
本発明においては、第4レンズ群の移動量がコンペンゼーションとフォーカスの2つのパラメータにより決まるため、β2w・β2tが必ずしも1である必要は無い。
条件式(2)の上限値を上回った場合、望遠端状態で第3レンズ群と第4レンズ群とが接近しすぎてしまい、充分なスペースが確保できなくなってしまう。
逆に、条件式(2)の下限値を下回った場合、広角端状態で第2レンズ群の発散作用が強まって、負の歪曲収差を良好に補正することができなくなってしまう。
なお、第4レンズ群がコンペンゼーションとフォーカス時に移動する範囲が狭いほど、第3レンズ群と第5レンズ群との間の間隔を狭めることができ、レンズ全長の短縮化が可能となる。さらなるレンズ全長の短縮を図るには条件式(2)の下限値を0.95とすることが望ましい。
本発明ズームレンズにおいては、さらなる高性能化と近距離合焦時に必要な第4レンズ群の移動量の短縮化とのバランスを図るために、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)0.3<f4/ft<0.8
但し、
f4:第4レンズ群の焦点距離
とする。
但し、
f4:第4レンズ群の焦点距離
とする。
条件式(3)は第4レンズ群の焦点距離を規定する条件式である。
条件式(3)の上限値を上回った場合、望遠端状態で近距離合焦時に必要な第4レンズ群の移動量が大きくなりすぎてしまうため、好ましくない。
逆に、条件式(3)の下限値を下回った場合、第4レンズ群単独で発生する負の球面収差が増大してしまうため、光学性能のさらなる高性能化が難しくなってしまう。
本発明ズームレンズにおいては、さらなる高性能化と小型化とのバランスを図るために、開口絞りが第2レンズ群と第3レンズ群との間に配置され、第3レンズ群のもっとも物体側のレンズ面が物体側に凹面を向けることが望ましく、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)2<|R31|/fw<6
但し、
R31:第3レンズ群のもっとも物体側のレンズ面の曲率半径
fw:広角端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
とする。
但し、
R31:第3レンズ群のもっとも物体側のレンズ面の曲率半径
fw:広角端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
とする。
条件式(4)は第3レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径を規定する条件式である。
条件式(4)の上限値を上回った場合、第3レンズ群の像側レンズ面での発散作用が強まるため、製造時に発生する偏心に伴う性能劣化が大きくなり、特に、広角端状態で画面周辺部における性能劣化が大きくなってしまう。
逆に、条件式(4)の下限値を下回った場合、第3レンズ群において発生する正の球面収差が増大してしまい、光学性能のさらなる高性能化が難しくなってしまう。
本発明ズームレンズにおいては、第1レンズ群を物体側から順に配列された、負レンズと正レンズとの接合正レンズ及び物体側に凸面を向けた正レンズにより構成することにより、望遠端状態におけるレンズ全長をさらに短縮しながら高性能化を図ることが可能である。
第2レンズ群を、像側に強い凹面を向けた負レンズと、該負レンズの像側に配置した少なくともそれぞれ1枚以上の負レンズと正レンズによって構成することが望ましい。このように構成することにより、もっとも物体側に配置される負レンズが広角端状態における軸外収差を良好に補正し、その像側に配置されるレンズによって軸上収差を補正することで、収差補正上の機能が分離して、さらなる高性能化を図ることができる。
本発明においては、非球面レンズを用いることにより、より高い光学性能が実現できる。特に、第5レンズ群に非球面を導入することによって、中心性能のさらなる高性能化が可能となる。また、第2レンズ群に非球面レンズを用いることにより、広角端状態において発生する画角によるコマ収差の変動をさらに良好に補正することが可能となる。
さらに、複数の非球面を用いることでより高い光学性能が得られることは言うまでもない。
ところで、本発明ズームレンズにおいて、第1レンズ群乃至第5レンズ群までのレンズ群のうち、1つのレンズ群、あるいは1つのレンズ群のうちの一部のレンズを光軸にほぼ垂直な方向にシフトさせることにより、像をシフトさせることも可能であり、カメラのブレを検出する検出系、上記レンズ群をシフトさせる駆動系、検出系の出力に従って駆動系にシフト量を与える制御系と組合せることにより、防振光学系として機能させることが可能である。特に、本発明ズームレンズにおいては、第5レンズ群の一部、あるいは全体を光軸にほぼ垂直な方向にシフトさせることにより、少ない収差変動で像をシフトさせることが可能である。
また、レンズ系の像側にモアレ縞の発生を防ぐためにローパスフィルタを配置したり、撮像素子の分光感度特性に応じて赤外カットフィルタを配置することも勿論、可能である。
さらに、本発明ズームレンズを、焦点距離状態が連続的に存在しないバリフォーカルズームレンズに適用できることはいうまでもない。
次に、幾つかの実施の形態及び各実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例について説明する。
なお、各実施形態において、非球面は、yを光軸からの高さ、xをサグ量、cを曲率、κを円錐定数、A、B、C、D…を非球面係数として、以下の数1式で表される。
図1は本発明ズームレンズの各実施の形態の屈折力配分を示している。すなわち、上側のW軸上の位置がレンズ位置状態が広角端状態にあるときの各レンズ群の位置を示し、下側のT軸上の位置がレンズ位置状態が望遠端状態にあるときの各レンズ群の位置を示し、また、両端が閉じた矢印は屈折力が正であることを、両端が開いた矢印は屈折力が負であることを、それぞれ示し、さらに、広角端状態と望遠端状態との間を結ぶ線のうち破線は当該レンズ群が固定であることを示し、実線は可動であることを示している。要するに、ズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3、正の屈折力を有する第4レンズ群G4、正の屈折力を有する第5レンズ群G5が配列されて構成され、広角端状態より望遠端状態への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間の空気間隔が減少するように、第2レンズ群G2が像側へ移動する。この時、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3、第5レンズ群G5は固定であって、第4レンズ群G4が第2レンズ群G2の移動に伴う像面位置の変動を補正するように移動すると共に近距離合焦時に像側へ移動する。
図2は、本発明ズームレンズの第1の実施の形態1のレンズ構成を示しており、第1レンズ群G1は物体側より順に配列された、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL11及び物体側に凸面を向けた正レンズL12により構成され、第2レンズ群G2は物体側より順に配列された、像側に凹面を向けた負レンズL21及び両凹形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL22により構成され、第3レンズ群G3は物体側より順に配列された、両凹レンズと両凸レンズとの接合レンズL3により構成され、第4レンズ群G4は両凸レンズL4により構成され、第5レンズ群G5は物体側より順に配列された、両凸レンズL51、像側に凹面を向けた負レンズL52及び両凸レンズと物体側に凹面を向けた負レンズとの接合正レンズL53により構成される。そして、開口絞りSが第3レンズ群G3の物体側に配置され、レンズ位置状態の変化時に固定である。さらに、第5レンズ群G5と結像面IMGとの間に物体側より順にプリズムP及びローパスフィルタLPFが配置されている。
上記第1の実施の形態にかかるズームレンズ1に具体的数値を当て嵌めた数値実施例1における各値を表1に示す。
なお、表1において、「si」は物体側から数えてi番目の面、「ri」は物体側から数えてi番目の面の曲率半径、「di」は物体側から数えてi番目の面とi+1番目の面との間の面間隔、「dF」はローパスフィルタLPFの厚み、「dP」はプリズムPの厚み、「ni」は物体側から数えてi番目のレンズを構成する材質のd線(λ=587.6nm))における屈折率、「nF」はローパスフィルタLPFを構成する材質のd線における屈折率、「nP」はプリズムPを構成する材質のd線における屈折率、「νi」は物体側から数えてi番目のレンズを構成する材質のアッベ数、「νF」はローパスフィルタLPFを構成する材質のアッベ数、「νP」はプリズムPを構成する材質のアッベ数をそれぞれ示すものとする。なお、表におけるこれら文字の持つ意味は以下の各数値実施例においても同じである。
ズームレンズ1において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の面間隔d5、第2レンズ群G2と絞りSとの間の面間隔d10、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の面間隔d14及び第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間の面間隔d14はレンズ位置状態が変化する際に可変である。そこで、数値実施例1におけるこれら各面間隔d5、d10、d14、d16の広角端状態、中間焦点位置状態、望遠端状態における各数値を焦点距離、Fナンバー、画角(2ω(度))と共に表2に示す。
ズームレンズ1において、第4レンズ群G4を構成する凸レンズL4の物体側の面s15及び第5レンズ群G5を構成するレンズのうちの接合レンズL53の物体側の面s21は非球面で構成される。そこで、数値実施例1におけるこれら各面s15、s21の4次、6次、8次、10次の各非球面係数A、B、C、Dを表3に示す。
数値実施例1における条件式対応値を表4に示す。
図3乃至図5は数値実施例1の無限遠合焦状態での諸収差図をそれぞれ示し、図3は広角端状態(f=2.939)、図4は中間焦点距離状態(f=6.804)、図5は望遠端状態(f=27.562)における諸収差図を示す。これら各収差図において、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。コマ収差図においてAは画角をそれぞれ示す。
各収差図から、数値実施例1は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
図6は、本発明ズームレンズの第2の実施の形態2のレンズ構成を示しており、第1レンズ群G1は物体側より順に配列された、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL11及び物体側に凸面を向けた正レンズL12により構成され、第2レンズ群G2は物体側より順に配列された、像側に凹面を向けた負レンズL21及び両凹形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL22により構成され、第3レンズ群G3は物体側より順に配列された、両凹レンズと両凸レンズとの接合レンズL3により構成され、第4レンズ群G4は両凸レンズL4により構成され、第5レンズ群G5は物体側より順に配列された、両凸レンズL51、像側に凹面を向けた負レンズL52及び物体側に凹面を向けた負レンズと両凸レンズとの接合正レンズL53により構成される。そして、開口絞りSが第3レンズ群G3の物体側に配置され、レンズ位置状態の変化時に固定である。さらに、第5レンズ群G5と結像面IMGとの間に物体側より順にプリズムP及びローパスフィルタLPFが配置されている。
上記第2の実施の形態にかかるズームレンズ2に具体的数値を当て嵌めた数値実施例2における各値を表5に示す。
ズームレンズ2において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の面間隔d5、第2レンズ群G2と絞りSとの間の面間隔d10、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の面間隔d14及び第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間の面間隔d14はレンズ位置状態が変化する際に可変である。そこで、数値実施例2におけるこれら各面間隔d5、d10、d14、d16の広角端状態、中間焦点位置状態、望遠端状態における各数値を焦点距離、Fナンバー、画角(2ω(度))と共に表6に示す。
ズームレンズ2において、第4レンズ群G4を構成する凸レンズL4の物体側の面s15及び第5レンズ群G5を構成するレンズのうちの接合レンズL53の像側の面s23は非球面で構成される。そこで、数値実施例2におけるこれら各面s15、s25の4次、6次、8次、10次の各非球面係数A、B、C、Dを表7に示す。
数値実施例2における条件式対応値を表8に示す。
図7乃至図9は数値実施例2の無限遠合焦状態での諸収差図をそれぞれ示し、図7は広角端状態(f=2.939)、図8は中間焦点距離状態(f=6.804)、図9は望遠端状態(f=27.562)における諸収差図を示す。これら各収差図において、非収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。コマ収差図においてAは画角をそれぞれ示す。
各収差図から、数値実施例2は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
図10は、本発明ズームレンズの第3の実施の形態3のレンズ構成を示しており、第1レンズ群G1は物体側より順に配列された、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL11及び物体側に凸面を向けた正レンズL12により構成され、第2レンズ群G2は物体側より順に配列された、像側に凹面を向けた負レンズL21及び両凹形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL22により構成され、第3レンズ群G3は物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL3により構成され、第4レンズ群G4は物体側より順に配列された、両凸レンズと物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとの接合レンズL4により構成され、第5レンズ群G5は物体側より順に配列された、像側に凹面を向けた負レンズと両凸レンズとの接合正レンズL5により構成される。そして、開口絞りSが第3レンズ群G3の物体側に配置され、レンズ位置状態の変化時に固定である。さらに、第5レンズ群G5と結像面IMGとの間に物体側より順にプリズムP及びローパスフィルタLPFが配置されている。
上記第3の実施の形態にかかるズームレンズ3に具体的数値を当て嵌めた数値実施例3における各値を表9に示す。
ズームレンズ3において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の面間隔d5、第2レンズ群G2と絞りSとの間の面間隔d10、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の面間隔d13及び第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間の面間隔d16はレンズ位置状態が変化する際に可変である。そこで、数値実施例3におけるこれら各面間隔d5、d10、d13、d16の広角端状態、中間焦点位置状態、望遠端状態における各数値を焦点距離、Fナンバー、画角(2ω(度))と共に表10に示す。
ズームレンズ3において、第4レンズ群G4を構成する接合レンズL4の物体側の面s14及び第5レンズ群G5を構成する接合レンズL5の像側の面s19は非球面で構成される。そこで、数値実施例3におけるこれら各面s14、s19の4次、6次、8次、10次の各非球面係数A、B、C、Dを表11に示す。
数値実施例3における条件式対応値を表12に示す。
図11乃至図13は数値実施例3の無限遠合焦状態での諸収差図をそれぞれ示し、図7は広角端状態(f=2.939)、図8は中間焦点距離状態(f=6.804)、図9は望遠端状態(f=27.562)における諸収差図を示す。これら各収差図において、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。コマ収差図においてAは画角をそれぞれ示す。
各収差図から、数値実施例3は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
図14に本発明撮像装置の実施の形態を示す。
この実施の形態にかかる撮像装置10は、図14に示すように、大きく分けると、カメラ部20と、カメラDSP(Digital Signal Processor)30と、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)40と、媒体インターフェース(以下、媒体I/Fという。)50と、制御部60と、操作部70と、LCD(Liquid Crystal Display)80と、外部インターフェース(以下、外部I/Fという。)90を備えるとともに、記録媒体100が着脱可能とされている。
記録媒体100は、半導体メモリーを用いたいわゆるメモリーカード、記録可能なDVD(Digital Versatile Disk)や記録可能なCD(Compact Disc)等の光記録媒体、磁気ディスクなどの種々のものを用いることができるが、この実施の形態においては、記録媒体100として、例えば、メモリーカードを用いるものとして説明する。
そして、カメラ部20は、光学ブロック21、CCD(Charge Coupled Device)22、前処理回路23、光学ブロック用ドライバ24、CCD用ドライバ25、タイミング生成回路26等を備えたものである。ここで、光学ブロック21は、レンズ、フォーカス機構、シャッター機構、絞り(アイリス)機構などを備えたものである。そして、光学ブロック21中のレンズには、上記したズームレンズ1、2、3等の本発明にかかるズームレンズが使用される。また、R、G、Bそれぞれの色毎に分解された画像を取り入れた後、各色の画像を重ね合わせて一のカラー画像情報を生成する場合には、図2、図6、図10レンズ構成図におけるプリズムPの位置に色分解プリズムを挿入すると共に、該色分解プリズムによって分解されたR、G、B各色毎に個別のCCD22が設けられる。この場合、ローパスフィルタLPFは各CCDの直前(物体側)に挿入しても良いし、或いはまた、色分解プリズムの物体側に挿入しても良い。
また、制御部60は、CPU(Central Processing Unit)61、RAM(Random Access Memory)62、フラッシュROM(Read Only Memory)63、時計回路64等が、システムバス65を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータであり、この実施の形態の撮像装置10の各部を制御することができるものである。
ここで、RAM62は、処理の途中結果を一時記憶するなど主に作業領域として用いられるものである。また、フラッシュROM63は、CPU61において実行する種々のプログラムや、処理に必要になるデータなどが記憶されたものである。また、時計回路64は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供することができるとともに、撮影日時などを提供するなどのことができるものである。
そして、画像の撮影時においては、光学ブロック用ドライバ24は、制御部60からの制御に応じて、光学ブロック21を動作させるようにする駆動信号を形成し、これを光学ブロック21に供給して、光学ブロック21を動作させるようにする。光学ブロック21は、光学ブロック用ドライバ24からの駆動信号に応じて、フォーカス機構、シャッター機構、絞り機構が制御され、被写体の画像を取り込んで、これをCCD22に対して提供する。
CCD22は、光学ブロック21からの画像を光電変換して出力するものであり、CCD用ドライバ25からの駆動信号に応じて動作し、光学ブロック21からの被写体の画像を取り込むとともに、制御部60によって制御されるタイミング生成回路26からのタイミング信号に基づいて、取り込んだ被写体の画像(画像情報)を電気信号として前処理回路23に供給する。
なお、上述したように、タイミング生成回路26は、制御部60からの制御に応じて、所定のタイミングを提供するタイミング信号を形成するものである。また、CCD用ドライバ25は、タイミング生成回路26からのタイミング信号に基づいて、CCD22に供給する駆動信号を形成するものである。
前処理回路23は、これに供給された電気信号の画像情報に対して、CDS(Correlated Double Sampling)処理を行って、S/N比を良好に保つようにするとともに、AGC(Automatic Gain Control)処理を行って、利得を制御し、そして、A/D(Analog/Digital)変換を行って、デジタル信号とされた画像データを形成する。
前処理回路23からのデジタル信号とされた画像データは、カメラDSP30に供給される。カメラDSP30は、これに供給された画像データに対して、AF(Auto Focus)、AE(Auto Exposure)、AWB(Auto White Balance)などのカメラ信号処理を施す。このようにして種々の調整がされた画像データは、所定の圧縮方式でデータ圧縮され、システムバス65、媒体I/F50を通じて、この実施の形態の撮像装置10に装填された記録媒体100に供給され、後述もするように記録媒体100にファイルとして記録される。
また、記録媒体100に記録された画像データは、タッチパネルやコントロールキーなどからなる操作部70を通じて受け付けたユーザーからの操作入力に応じて、目的とする画像データが媒体I/F50を通じて記録媒体100から読み出され、これがカメラDSP30に供給される。
カメラDSP30は、記録媒体100から読み出され、媒体I/F50を通じて供給されたデータ圧縮されている画像データについて、そのデータ圧縮の解凍処理(伸張処理)を行い、解凍後の画像データをシステムバス65を通じて、LCDコントローラ81に供給する。LCDコントローラ81は、これに供給された画像データからLCD80に供給する画像信号を形成し、これをLCD80に供給する。これにより、記録媒体100に記録されている画像データに応じた画像が、LCD80の表示画面に表示される。
なお、画像の表示の形態は、ROMに記録された表示処理プログラムに従う。つまり、この表示処理プログラムは後述するファイルシステムがどのような仕組みで記録されているのか、どのように画像を再生するのかというプログラムである。
また、この実施の形態にかかる撮像装置10には、外部I/F90が設けられている。この外部I/F90を通じて、例えば、外部のパーソナルコンピュータと接続して、パーソナルコンピュータから画像データの供給を受けて、これを自機に装填された記録媒体100に記録したり、また、自機に装填された記録媒体100に記録されている画像データを外部のパーソナルコンピュータ等に供給したりすることもできるものである。
また、外部I/F90に通信モジュールを接続することにより、例えば、インターネットなどのネットワークに接続して、ネットワークを通じて種々の画像データやその他の情報を取得し、自機に装填された記録媒体100に記録したり、あるいは、自機に装填された記録媒体100に記録されているデータを、ネットワークを通じて目的とする相手先に送信したりすることもできるものである。
また、外部のパーソナルコンピュータやネットワークを通じて取得し、記録媒体に記録した画像データなどの情報についても、上述したように、この実施の形態の撮像装置において読み出して再生し、LCD80に表示してユーザーが利用することももちろんできるようにされている。
なお、外部I/F90は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394、USB(Universal Serial Bus)などの有線用インターフェースとして設けることも可能であるし、光や電波による無線インターフェースとして設けることも可能である。すなわち、外部I/F90は、有線、無線のいずれのインターフェースであってもよい。
このように、この実施の形態にかかる撮像装置10は、被写体の画像を撮影して、当該撮像装置10に装填された記録媒体100に記録することができるとともに、記録媒体100に記録された画像データを読み出して、これを再生し、利用することができるものである。また、外部のパーソナルコンピュータやネットワークを通じて、画像データの提供を受けて、これを自機に装填された記録媒体100に記録したり、また、読み出して再生したりすることもできるものである。
なお、上記撮像装置10において、撮像手段としてCCDを示したが、本発明撮像装置における撮像手段がCCDに限られることを意味するものではない。CCDの他に、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)やその他の撮像素子を使用することもできる。
なお、上記した各実施の形態及び数値実施例における各部の具体的形状や構造及び数値は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
小型で高性能を要求されるビデオカメラ等の撮像装置に利用して好適である。
1…ズームレンズ、2…ズームレンズ、3…ズームレンズ、G1…第1レンズ群、G2…第2レンズ群、G3…第3レンズ群、G4…第4レンズ群、G5…第5レンズ群、S…開口絞り、s15…第3レンズ群の最も物体側のレンズ面(ズームレンズ1、2において)、s14…第3レンズ群の最も物体側のレンズ面(ズームレンズ3において)、10…撮像装置、22…CCD(撮像素子)、100…記録媒体(記録手段)
Claims (10)
- 物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、正の屈折力を有する第5レンズ群が配列されて構成されるズームレンズにおいて、
広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、前記第1レンズ群が光軸方向で固定され、前記第2レンズ群が像側へ移動し、前記第3レンズ群が光軸方向で固定され、前記第4レンズ群が前記第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動の補償及び近距離合焦のために光軸方向に移動し、前記第5レンズ群が光軸方向で固定され、
開口絞りが前記第3レンズ群の近傍に配置され、
以下の条件式(1)を満足することを特徴とするズームレンズ。
(1)−0.2<ft/f14t<0.2
但し、
ft:望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
f14t:望遠端状態における第1レンズ群乃至第4レンズ群の合成焦点距離
とする。 - 以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
(2)0.8<β2w・β2t<2
但し、
β2w:広角端状態における第2レンズ群の横倍率
β2t:望遠端状態における第2レンズ群の横倍率
とする。 - 以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項2に記載のズームレンズ。
(3)0.3<f4/ft<0.8
但し、
f4:第4レンズ群の焦点距離
とする - 開口絞りが前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間に配置され、前記第3レンズ群のもっとも物体側のレンズ面が物体側に凹面を向けると共に、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項2に記載のズームレンズ。
(4)2<|R31|/fw<6
但し、
R31:第3レンズ群のもっとも物体側のレンズ面の曲率半径
fw:広角端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
とする。 - 開口絞りが前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間に配置され、前記第3レンズ群のもっとも物体側のレンズ面が物体側に凹面を向けると共に、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項3に記載のズームレンズ。
(4)2<|R31|/fw<6
但し、
R31:第3レンズ群のもっとも物体側のレンズ面の曲率半径
fw:広角端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
とする。 - 物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、正の屈折力を有する第5レンズ群が配列されて構成されるズームレンズと、上記ズームレンズにより形成された光学像を撮像する撮像手段と、上記撮像手段が撮像した像を記録する記録手段とを備えた撮像装置であって、
上記ズームレンズにおいて、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、前記第1レンズ群が光軸方向で固定され、前記第2レンズ群が像側へ移動し、前記第3レンズ群が光軸方向で固定され、前記第4レンズ群が前記第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動の補償及び近距離合焦のために光軸方向に移動し、前記第5レンズ群が光軸方向で固定され、
開口絞りが前記第3レンズ群の近傍に配置され、
以下の条件式(1)を満足することを特徴とする撮像装置。
(1)−0.2<ft/f14t<0.2
但し、
ft:望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
f14t:望遠端状態における第1レンズ群乃至第4レンズ群の合成焦点距離
とする。 - 以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
(2)0.8<β2w・β2t<2
但し、
β2w:広角端状態における第2レンズ群の横倍率
β2t:望遠端状態における第2レンズ群の横倍率
とする。 - 以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
(3)0.3<f4/ft<0.8
但し、
f4:第4レンズ群の焦点距離
とする - 開口絞りが前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間に配置され、前記第3レンズ群のもっとも物体側のレンズ面が物体側に凹面を向けると共に、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
(4)2<|R31|/fw<6
但し、
R31:第3レンズ群のもっとも物体側のレンズ面の曲率半径
fw:広角端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
とする。 - 開口絞りが前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間に配置され、前記第3レンズ群のもっとも物体側のレンズ面が物体側に凹面を向けると共に、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
(4)2<|R31|/fw<6
但し、
R31:第3レンズ群のもっとも物体側のレンズ面の曲率半径
fw:広角端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
とする。
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