JP2005308965A - レンズ鏡筒および撮像装置 - Google Patents

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達郎 牧井
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Abstract

【課題】可動レンズの光軸方向への移動を円滑に行うとともに、異音や振動の発生を確実に防止する上で有利なレンズ鏡筒および撮像装置を提供する。
【解決手段】コイルスプリング2808は、ガイド軸28Aに巻装されその一端が第1ガイド軸挿通部50の大径部5402に嵌装されることで、3群レンズ枠1802に係止される。大径部5402がコイルスプリング2808の内径に対応した外径で形成され、小径部5404が大径部5402よりも小さい外径で形成されているので、コイルスプリング2808はその一端が大径部5402により軸線と直交する方向に変位せず、したがって、コイルスプリング2808の内周箇所と小径部5404の外周面との間に隙間が確保される。
【選択図】 図12

Description

本発明はレンズ鏡筒および撮像装置に関する。
デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置のレンズ鏡筒として、レンズを保持し係合片が突設されたレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を光軸方向に移動可能に案内する案内機構と、レンズ保持枠を光軸方向に移動させる駆動機構とが設けられたものがある。
このようなレンズ鏡筒において、駆動機構は、モータの駆動により光軸方向に沿って直線移動する移動片を有し、案内機構は、光軸方向に延在しレンズ保持枠のガイド軸挿通部に挿通されたガイド軸を有し、コイルスプリングの弾性力により前記係合片を前記移動片に常時当接させ、前記レンズ保持枠を前記移動片に追従させて光軸方向に移動させるようにしたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
そして、このようなレンズ鏡筒では、前記ガイド軸挿通部はガイド軸に沿って延在する筒部を有し、レンズ保持枠をがたつくことなくガイド軸上で移動させるため、この筒部の両端にガイド軸が摺動可能に挿通されるガイド軸挿通孔が形成されている。
一方、スペースを有効利用するため、前記コイルスプリングは前記ガイド軸に巻装されかつ前記筒部に巻装されて配設されている。
特開2002-296480号公報
しかしながら、上記の従来のレンズ鏡筒において、レンズ保持枠およびガイド軸挿通部を合成樹脂材料から金型成形によって一体的に形成した場合、レンズ保持枠を金型から外す際に、割り線(パーティングライン)の部分から微小なバリが形成されることが多い。
このようなバリが前記筒部の外周面から径方向外方に突出して形成されていると、レンズ保持枠の光軸方向に移動に伴い、前記筒部のバリの部分とコイルスプリングの内周箇所とが接触して引っ掛かることで抵抗力が発生し、レンズ保持枠の光軸方向の円滑な移動を阻害するおそれがある。
また、前記筒部のバリの部分とコイルスプリングの内周箇所とが接触して引っ掛かることで異音や振動が発生すると、撮像装置で動画と音声も記録している場合にはこのような異音が記録されるおそれがあり、また、振動が撮影光学系に伝達され光軸ブレを生じるおそれもある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は可動レンズの光軸方向への移動を円滑に行うとともに、異音や振動の発生を確実に防止する上で有利なレンズ鏡筒および撮像装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明は、鏡筒内に配設された可動レンズを含む撮影光学系を備え、前記可動レンズは、レンズと、前記レンズを保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠から突設された係合片とを有し、前記レンズ保持枠を前記レンズの光軸方向に移動可能に案内する案内機構と、前記レンズ保持枠を光軸方向に移動させる駆動機構とが設けられ、前記駆動機構は、モータの駆動により前記光軸方向に沿って直線移動する移動片を有し、前記案内機構は、前記光軸方向に延在し前記レンズ保持枠のガイド軸挿通部に挿通されその延在方向の両端が前記鏡筒側で支持されたガイド軸を有し、コイルスプリングが前記ガイド軸に巻装され、前記コイルスプリングの長手方向の一端が前記鏡筒側に係止し、前記コイルスプリングの長手方向の他端が前記レンズ保持枠に係止し前記コイルスプリングの弾性力により前記係合片を前記移動片に常時当接させるレンズ鏡筒であって、前記ガイド軸挿通部は、前記レンズ保持枠を構成する壁部箇所と、前記壁部箇所から突設された筒部とで構成され、前記筒部の外周部には、前記壁部箇所に臨む箇所に前記コイルスプリングの内径に対応した外径で形成され前記コイルスプリングの他端が嵌装される大径部と、前記大径部よりも小さい外径で大径部から突出された小径部とが形成され、前記ガイド軸挿通部の内部には、前記ガイド軸が挿通される箇所に沿った両端の部分にそれぞれ前記ガイド軸が摺動可能に挿通される挿通孔が形成されると共に、それらガイド軸挿通孔の間にガイド軸挿通孔よりも大きい内径で大径孔が形成され、前記大径孔はその全長にわたり前記筒部の半径方向外方に開放状に形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、鏡筒内に配設された可動レンズを含む撮影光学系と、前記撮影光学系によって導かれた被写体像を撮像する撮像素子とを備え、前記可動レンズは、レンズと、前記レンズを保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠から突設された係合片とを有し、前記レンズ保持枠を前記レンズの光軸方向に移動可能に案内する案内機構と、前記レンズ保持枠を光軸方向に移動させる駆動機構とが設けられ、前記駆動機構は、モータの駆動により前記光軸方向に沿って直線移動する移動片を有し、前記案内機構は、前記光軸方向に延在し前記レンズ保持枠のガイド軸挿通部に挿通されその延在方向の両端が前記鏡筒側で支持されたガイド軸を有し、コイルスプリングが前記ガイド軸に巻装され、前記コイルスプリングの長手方向の一端が前記鏡筒側に係止し、前記コイルスプリングの長手方向の他端が前記レンズ保持枠に係止し前記コイルスプリングの弾性力により前記係合片を前記移動片に常時当接させるレンズ鏡筒を有する撮像装置であって、前記ガイド軸挿通部は、前記レンズ保持枠を構成する壁部箇所と、前記壁部箇所から突設された筒部とで構成され、前記筒部の外周部には、前記壁部箇所に臨む箇所に前記コイルスプリングの内径に対応した外径で形成され前記コイルスプリングの他端が嵌装される大径部と、前記大径部よりも小さい外径で大径部から突出された小径部とが形成され、前記ガイド軸挿通部の内部には、前記ガイド軸が挿通される箇所に沿った両端の部分にそれぞれ前記ガイド軸が摺動可能に挿通される挿通孔が形成されると共に、それらガイド軸挿通孔の間にガイド軸挿通孔よりも大きい内径で大径孔が形成され、前記大径孔はその全長にわたり前記筒部の半径方向外方に開放状に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、コイルスプリングは、ガイド軸に巻装されその一端がガイド軸挿通部の大径部5402に嵌装されることでレンズ保持枠に係止される。大径部がコイルスプリングの内径に対応した外径で形成され、小径部が大径部よりも小さい外径で形成されているので、コイルスプリングはその一端が大径部により軸線と直交する方向に変位せず、コイルスプリングの内周箇所と小径部の外周面との間に隙間が確保される。したがって、小径部箇所にバリが形成されていても、バリにコイルスプリングの内周箇所が接触することが防止される。
したがって、レンズ保持枠の光軸方向に移動に伴い、バリとコイルスプリングの内周箇所とが接触することがないので、レンズ保持枠の光軸方向の円滑な移動を実現することができる。
また、レンズ保持枠の光軸方向に移動に伴い、バリとコイルスプリングの内周箇所とが接触することがないので、異音や振動の発生を防止でき、撮像装置で動画と音声も記録している場合に良好な音声を記録でき、また、撮影光学系の光軸ブレのない良好な撮影を行うことができる。
可動レンズの光軸方向への移動を円滑に行うとともに、異音や振動の発生を確実に防止するという目的を、ガイド軸挿通部の筒部の外周部に大径部と、大径部よりも小さい直径で大径部から突出された小径部とを設けることによって実現した。
次に本発明の実施例1について図面を参照して説明する。
図1は実施例1の撮像装置の斜視図、図2は実施例1の撮像装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施例の撮像装置100はデジタルスチルカメラであり、外装を構成するケース102を有している。
ケース102の前面右側部寄りの箇所には撮影光学系104を収容保持する沈胴式の鏡筒10が設けられ、ケース102の前面上部寄りの箇所には閃光を発光するフラッシュ部106、光学式ファインダ40(図3)の対物レンズ108などが設けられている。
鏡筒10はケース102の内部に組み込まれた駆動部124(図2)によってケース102の前面から前方に突出した使用位置(広角状態、望遠状態、および広角乃至望遠の中間状態)とケース102の前面に収容された収容位置(沈胴状態)との間を出没するように構成されている。
ケース102の上端面にはシャッタボタン110が設けられ、ケース102の後面には、前記光学式ファインダの接眼窓(不図示)、電源のオンオフ、撮影モード、再生モードの切替など種々の操作を行なうための複数の操作スイッチ112、撮像した映像を表示するディスプレイ114(図2)などが設けられている。
図2に示すように、鏡筒10の後部には、撮影光学系104によって結像された被写体像を撮像するCCDやCMOSセンサなどで構成された撮像素子116が配設され、撮像装置100は、撮像素子116から出力された撮像信号に基づいて画像データを生成し、メモリカードなどの記憶媒体118に記録する画像処理部120、前記画像データをディスプレイ114に表示させる表示処理部122、駆動部124、操作スイッチ112やシャッタボタン110の操作に応じて画像処理部120、表示処理部122、駆動部124を制御するCPUなどを含む制御部126などを備えている。
次に、鏡筒10の概略構成について説明する。
図3は鏡筒10の状態を説明する斜視図で、(A)が不使用時のレンズ収納状態すなわち沈胴状態を示すもの、(B)が使用時のレンズ突出状態(広角状態あるいは望遠状態)を示す。図4は鏡筒10の断面図であり、(A)が沈胴状態、(B)が広角状態、(C)が望遠状態を示すものである。図5は鏡筒10の分解斜視図である。
図3に示すように、鏡筒10は、ケース102に固定されるベース12に取着され、ベース12には撮像素子116が配設されている。
図4に示すように、撮影光学系は光学的には3群構成である。すなわち、鏡筒10の光軸方向で被写体側を前方とし、前記光軸方向で撮像素子116側を後方としたとき、鏡筒10を構成する3群は、前方から後方に向かってこの順番で配設された1群レンズ14、2群レンズ16、3群レンズ18によって構成されている。
鏡筒10は、1群レンズ14と2群レンズ16が所定のカムカーブにより光軸方向に駆動されることによってズーミング(焦点距離調整)を行い、3群レンズ18が光軸方向に微小に変位されることによってフォーカッシング(合焦調整)を行う。すなわち、1群レンズ14と2群レンズ16の変位によって焦点距離を可変し、この焦点距離の変化によって生じた合焦位置のずれを3群レンズ18の変位によって修正し適切に合焦させるように構成されている。
図5に示すように鏡筒10は、1群、2群レンズ14,16を前記光軸方向に移動させる構成として、固定環20、回転環22、カム環24、直進案内環26などが用いられ、3群レンズ18を光軸方向に移動させる構成として案内機構28および駆動機構29が用いられている。
本実施例では、図3(B)に示すように、鏡筒10は、第1鏡筒10Aと第2鏡筒10Bと第3鏡筒10Cとで構成された沈胴式である。第1鏡筒10Aは、ケース102内に配設された固定環20で構成され、第2鏡筒10Bは、固定環20の内側に配設されたカム環24で構成され、第3鏡筒10Cは、カム環24の内側に配設された1群レンズ枠1402で構成されている。なお、鏡筒10と、この鏡筒10内に配設される1群、2群レンズ、3群レンズ14,16、18やそれらの駆動系によりレンズ鏡筒が構成されている。
具体的に説明すると、固定環20はベース12に対して固定されており、固定環20の内周面には、図6に示すように、周方向に延在するカム溝2002,2004と、撮影光学系の光軸方向と平行に延在する直進案内溝2006とが設けられている。
回転環22は、固定環20の外周に回転可能にかつ光軸方向に移動不能に設けられている。
回転環22にはその内周面と外周面を貫通し周方向に延在する複数のカム溝2202が設けられ、内周面には光軸方向に沿って直線的に延在する直進溝2205が設けられ、外周面後部にはギア部2204が周方向に所定の長さ延在形成され、また、回転環22の後端には回転位置検知用の複数のフィン2206が突設されている。
ギア部2204はベース12に取着された回転環駆動機構23のギア2302に噛合され、回転環駆動機構23から供給される回転駆動力がギア2302とギア部2204を介して回転環22に供給されることで回転環22が光軸を中心に回転駆動されるように構成されている。
回転環駆動機構23は、ギア2302を回転駆動するDCモータと、このDCモータまたはギア2302の回転数をカウントするためのロータリエンコーダと、フィン2206の移動を検知するフォトセンサとを有し、これらロータリエンコーダおよびフォトセンサの検出信号に基づいて回転環22の回転速度または回転位置制御を行うように構成されている。
3群レンズ18は3群レンズ枠1802で保持され、3群レンズ枠1802は、固定環20の内側で後部に配置され、案内機構28によってベース12に対して光軸方向に移動可能に保持されることで光軸方向に移動可能にかつ光軸を中心に回転できないように案内されており、駆動機構29によって光軸方向に微小に変位されるように構成されている。
また、図11に示すように、3群レンズ18の光軸上に位置するベース12箇所に開口が形成され、前記開口に臨むベース12の後面には収容凹部8Cが設けられ、撮像素子116は収容凹部8Cに収容保持されている。
カム環24は、図5に示すように、固定環20の径方向内側箇所に回転可能にかつ前記光軸方向に移動可能に設けられ、カム環24の内周面には、図7に示すように、カム溝2402,2404が設けられ、図5に示すように、カム環24の後端には径方向外方向に突出する3つの凸部2406が周方向に間隔をおいて設けられている。そして、これら3つの凸部2406が固定環20のカム溝2002,2004に係合した状態で、カム環24が固定環20に対して回転運動することでこれら3つの凸部2406が固定環20のカム溝2002,2004に沿って動かされることによりカム環24が前記光軸方向に移動される。
さらに、固定環20のカム溝2002の少なくとも1つは径方向に貫通しており、前記貫通したカム溝2002に対応するカム環24の凸部2406に設けられた不図示のアームの先端が前記カム溝2002を通って回転環22の直進溝2205に係合されている。これにより、カム環24と回転環22は固定環20に対して連動して回転する。すなわち、回転環22を回転させると、カム環24は回転しながら光軸方向に移動する。
直進案内環26は、カム環24の径方向内側箇所に回転不能にかつ前記光軸方向にカム環24と連動して移動可能に設けられている。詳しく説明すると、直進案内環26の後端には径方向外方に突出する3つの凸部2602が周方向に間隔をおいて設けられている。そして、これら3つの凸部2602がカム環24の後方を通って固定環20の直進案内溝2008に係合した状態でカム環24が固定環20に対して回転運動することでこれら3つの凸部2602が固定環20の直進案内溝2008に沿って動かされ、これにより直進案内環26は回転せずにカム環24と連動して光軸方向にのみ移動される。
また、直進案内環26には、前縁の径方向を挟んだ2箇所から案内片2604がそれぞれ光軸方向と平行に前方に突設されている。
2群レンズ16は2群レンズ枠1602に保持されている。2群レンズ枠1602はカム環24の内周に配設され、2群レンズ枠1602の外周面には、径方向を挟む2箇所に光軸方向と平行に延在し直進案内環26の2つの案内片2604に案内される案内部1604と、径方向を挟む2箇所に光軸方向と平行に延在し前方に突出する案内レール1605と、カム環24のカム溝2404に係合される3つのカムピン1606とが設けられている。
そして、案内部1604が案内片2604に案内され、かつ、3つのカムピン1606がカム環24のカム溝2404に係合された状態で、カム環24が回転することにより、2群レンズ16は、回転せずにカム溝2404で設定されたカムカーブにより光軸方向にのみ移動する。
2群レンズ枠1602には、鏡筒10内の迷光を遮断し、撮像素子116への迷光侵入を防止する2群遮光板1608が設けられている。
2群遮光板1608は、前記光軸に垂直な平面と平行な方向に延在する軸線回りに揺動可能に2群レンズ枠1602に取り付けられている。
2群遮光板1608は、鏡筒10が突出した状態においては不図示の付勢部材による付勢により2群レンズ枠1602に設けられた不図示のストッパに当接することで迷光を遮断する遮断位置に位置され、鏡筒10が突出状態から収納状態へ遷移する過程において、3群レンズ移動機構28の前端部分に当て付けられることで前記遮断位置から揺動され3群レンズ移動機構28の前端部分から退避するように構成されている。これにより、2群遮光板1608および2群レンズ枠1602をよりベース12の近傍に位置させることができ鏡筒10の収納状態において、2群レンズ枠1602が光軸方向に占有するスペースを削減する上で有利となっている。
また、2群レンズ枠1602の前部には、シャッタの機能と可変絞りの機能を備えた自動露光装置1610が設けられ、自動露光装置1610には、屈曲可能な素材で構成されたフレキシブル配線板1612の一端が接続されている。このフレキシブル配線板1612の中間部は、カム環24の後端から固定環20に設けられた不図示の開口を通って固定環20の外方に導出され、フレキシブル配線板1612の他端は固定環20やベース12に固定されている。フレキシブル配線板1612は、回転環22の回転動作および2群レンズ枠1602と直進案内環26の光軸方向の移動に際して、連続的に屈曲部位が変化しながら、前記配線群に無理な力が加わらないように形成されている。
このフレキシブル基板1612は、自動露光装置1610に設けられたアクチュエータ群を動作させるための電気信号を供給する配線群を有している。また、フレキシブル配線板1612は、鏡筒10がケース102から外方に露出している部分に静電気等が加えられて瞬間的な大電流が流れる場合に、その電流の流路として機能する前記配線群とは別の配線群を備えている。フレキシブル基板1612の前記別の配線群のベース12側に位置する接続端は、ケース102と同電位となる接地部分に電気的に接続されている。
1群レンズ14は1群レンズ枠1402に保持されている。1群レンズ枠1402はカム環24の内周で2群レンズ枠1602の前方に配設され、1群レンズ枠1602の内周面には、径方向を挟む2箇所に光軸方向と平行に延在し2群レンズ枠1602の2つの案内レール1605に案内される不図示の案内溝と、カム環24のカム溝2404に係合される3つのカムピン1406とが設けられている。
そして、前記案内溝が案内レール1605に案内され、かつ、3つのカムピン1406がカム環24のカム溝2402に係合された状態で、カム環24が回転することにより、1群レンズ14は、回転せずにカム溝2402で設定されたカムカーブにより光軸方向にのみ移動する。
また、1群レンズ枠1402と2群レンズ枠1602との間には、2つの金属製のコイルスプリング15が張設されており、これらコイルスプリング15の付勢力によって1群レンズ枠1402と2群レンズ枠1602は光軸方向に沿って互いに近接する方向に付勢されており、これにより、カムピン1406とカム溝2402との間のガタ、および、カムピン1606とカム溝2404との間のガタを吸収するように構成されている。
また、2群レンズ枠1602には1つの導通板31が組み込まれている。この導通板31には、前記2つのコイルスプリング15のうちの一方のコイルスプリング15の端部が係止されるとともに、フレキシブル配線板1612の前記別の配線群の接続端のうち1群レンズ枠1402側に位置する接続端が電気的に接続されている。これにより、前記一方のコイルスプリング15は導通板31とフレキシブル配線板1612の前記別の配線群を介して前記接地部分に接続されている。
また、1群レンズ群14の前部に撮影光学系の光路を開閉するバリア機構30が設けられ、バリア機構30の前方の1群レンズ枠14部分には鏡筒10の体裁を整える金属製の化粧リング32が取着され、カム環24の前部には鏡筒の体裁を整えるための金属製の化粧リング34が取着されている。
1群レンズ枠14の外周とカム環24の内周との隙間には、この隙間からゴミや迷光の侵入を防ぐ遮光リング36が配設され、この遮光リング36は、1群レンズ枠14上に装着され、化粧リング34とカム環24との間にクリアランスを持った状態で配設されている。
カム環24の外周と固定環20の内周との隙間には、この隙間からゴミや迷光の侵入を防ぐための遮光リング38が配設され、この遮光リング38はカム環24の外周に装着され、固定環20の内周に弾接される。
また、光学式ファインダ40は可動式のレンズを内蔵しておりベース12に取着されている。前記可動式のレンズは不図示のカムピンを介して回転環22のカム溝2202に連結されており、回転環22の回転に連動して光軸方向に移動することで視野のズーミング動作がなされるように構成されている。
次に3群レンズ枠1802、案内機構28、駆動機構29の構成について詳細に説明する。
図8は3群レンズ枠1802とベース12の構成を示す斜視図、図9は駆動機構29の構成を示す斜視図、図10は3群レンズ枠1802を斜め後方から見た斜視図、図11は3群レンズ枠1802とベース12の構成を示す説明図である。
図8、図10、図11に示すように、3群レンズ枠1802は環板状に形成されその中央開口部に3群レンズ18が保持され、これら3群レンズ18および3群レンズ枠1802によって特許請求の範囲の可動レンズが構成されている。
図10、図11に示すように、3群レンズ枠1802の外周部から径方向外方に係合片1802Cが突設されている。
また、3群レンズ枠1802の径方向外側箇所で周方向に間隔をおいた箇所に第1ガイド軸挿通部50と第2ガイド軸挿通部60とが設けられている。
第1ガイド軸挿通部50、第2ガイド軸挿通部60には、光軸方向に沿って延在するガイド軸28A、12Aが挿通されており、ガイド軸28A、12Aは、例えば均一外径の円柱状に形成されベース12に取付けられている。
これらガイド軸28A、12A、第1、第2ガイド軸挿通部50、60によって、3群レンズ枠1802、すなわち前記可動レンズをレンズ18の光軸方向に沿って往復直線移動可能に案内する案内機構28が構成されている。
具体的には、図8、図11に示すように、ガイド軸28Aのベース12への取り付けは、ガイド軸支持壁91およびガイド軸押え部材9を用いてガイド軸28Aの前後両端を支持することでなされており、言い換えるとガイド軸28Aはその両端がベース側12(鏡筒10側)で支持されている。
ガイド軸支持壁91はベース12と一体に例えば型成形によって設けられている。
ガイド軸支持壁91は、ベース12の撮像素子116の前方に面した箇所から前記光軸に沿って前方に延在する2つの延出部91Aと、延出部91Aの先端を連結する先端部91Bとで構成され、先端部91Bはベース12に臨んでいる。また、2つの延出部91Aは、ガイド軸28Aをその周方向から挟むような2箇所に沿って設けられている。
先端部91B、すなわちガイド軸支持壁91の前端には、ガイド軸28Aの前端を保持する凹部91Cが設けられ、該凹部91Cはガイド軸28Aの先端が挿入される有底状の円柱孔で形成されている。この有底状の孔は例えば断面D字形を呈している。
ガイド軸支持壁91に対向するベース12の前面箇所には孔部が設けられ、該孔部にはガイド軸押さえ部材9が取着されている。ガイド軸押さえ部材9には、ガイド軸28Aの後端を保持する嵌合孔9Aが設けられ、この嵌合孔9Aは例えば断面D字形を呈している。
また、ガイド軸押さえ部材9には、嵌合孔9Aの外周にわたって円筒壁状の嵌合部9Bが突設されており、この嵌合部9Bの外周に後述するコイルスプリング2808(図10)の端部が嵌装されるように構成されている。
ガイド軸28Aは、その前端が凹部91Cに挿入されるとともに、後端が嵌合孔9Aに嵌合固定された状態で、ガイド軸28Aの延在方向に対して直交する方向にガイド軸押え部材9が動かされ、これにより3群レンズ18の光軸が1群および2群のレンズの光軸と平行するように位置調節がなされ、その状態で接着剤によりガイド軸押さえ部材9とベース12とが接着固定される。
図9、図11に示すように、駆動機構29は、3群レンズ枠1802を光軸方向に移動させるものであり、前記光軸方向に沿って延在する雄ねじ部材2902と、雄ねじ部材2902を回転させるステッピングモータなどからなるモータ2904と、雄ねじ部材2902に螺合する雌ねじ部材2906(特許請求の範囲の移動片に相当)と、3群レンズ枠1802の係合部1802Cと、コイルスプリング2808とを有している。雄ねじ部材2902および雌ねじ部材2906として金属材料を用いている。
図9に示すように、モータ2904は、モータ配設用部材2910に取着されており、雄ねじ部材2902はモータ2904に連結され、3群レンズ18の光軸方向と平行する方向に延在している。
モータ配設用部材2910は、モータ2904のケースの端面に取着される第1支片2910Aと、第1支片2910Aに対向する第2支片2910Bと、これら第1、第2支片2910A、2910Bを連結する第3支片2910Cとを備えている。
第1支片2910Aには、雄ねじ部材2902の延在方向に対して直交する面に沿って突出形成された突出部2910Dが設けられている。この突出部2910Dには、ねじ挿通用の孔2910Eと、位置決め用孔2910Fとが形成され、図8に示すように、位置決め用孔2910Fがベース12のボスに係合された状態で、ねじ202を孔2910Eからベース12に設けられたねじ孔に螺合することでモータ配設用部材2910がベース12に取着されている。なお、ねじ挿通用の孔2910Eの半径方向外側の箇所に係合溝2910E−1が形成されており、該係合溝2910E−1がベース12側に設けられた凸部に係合されることでモータ配設用部材2910が孔2910Eを中心に揺動しないように構成されている。
図9に示すように、第3支片2910Cは第1支片2910Aの基端から延在しており、第2支片2910Bは第3支片2910Cの先端に設けられている。
雄ねじ部材2902の先端(3群レンズ18の光軸方向の前方の端部)は、第2支片2910Bの軸受孔などを介して回転可能に支持されている。
モータ配設用部材2910の第1、第2支片2910A、2910Bの間には、回り止め用のロッド2912が雄ねじ部材2902と間隔をおいてほぼ平行に延在するように取付けられている。
雌ねじ部材2906は雄ねじ部材2902に螺合され、雌ねじ部材2906の係合凹部2906Bがロッド2912に係合し、これにより雌ねじ部材2906の回転が阻止されており、雄ねじ部材2902の正逆転により雌ねじ部材2906が雄ねじ部材2902の長手方向に沿って往復移動するように構成されている。
また、図10に示すように、雌ねじ部材2906が3群レンズ18の光軸方向の後方に臨む端部2906Aは、3群レンズ枠1802の外周部の一部をなす係合部1802Cに当接可能に設けられている。
雄ねじ部材2902は、図9、図11に示すように、雌ねじ部材2906に螺合する雄ねじ部2902Aを有し、雌ねじ部材2906は、雄ねじ部材2902の雄ねじ部2902Aの延在方向の全長にわたって該雄ねじ部材2902に沿って移動できるように配設されている。
コイルスプリング2808はガイド軸28Aに巻装され、その一端が3群レンズ枠1802に係止し他端がベース12側(ガイド軸押え部材9)に係止して(本実施例ではコイルスプリング2808が嵌合部9Bに嵌装されて)配設されており、係合部1802Cを雌ねじ部材2906の端部2906Aに当接する方向に3群レンズ枠1802を付勢している。言い換えると、コイルスプリング2808は3群レンズ枠1802を光軸方向の前方に付勢し、3群レンズ枠1802の係合部1802Cを常時雌ねじ部材2906に当接させている。したがって、3群レンズ枠1802、すなわち3群レンズ18は雌ねじ部材2906の動きに追従して光軸方向に往復直線移動することになる。
したがって、モータ2904の正転により3群レンズ18が光軸方向の前方に移動し、逆転により光軸方向の後方に移動するとした場合、モータ2904が正転すると、雌ねじ部材2906は雄ねじ部材2902の正転に応じて前方に移動され、これにより、3群レンズ18は光軸方向の前方に移動され、モータ2904の正逆回転によって雌ねじ部材2906が雄ねじ部2902A上で光軸方向に往復直線移動され、これにより3群レンズ18が光軸方向に移動される。
次に、第1ガイド軸挿通部50の構成について詳細に説明する。
図12(A)は第1ガイド軸挿通部50を斜め後方から見た斜視図、(B)は第1ガイド軸挿通部50の縦断面図、(C)は(B)のCC線断面図、(D)は金型成形の説明図である。
図10、図11、図12(A)、(B)、(C)に示すように、第1ガイド軸挿通部50は、3群レンズ枠1802を構成する壁部箇所52と、壁部箇所52から後方に突設された筒部54とで構成されている。
筒部54の外周部には、壁部箇所52に臨む箇所にコイルスプリング2808の内径に対応した外径で形成されコイルスプリング2808の他端が嵌装される大径部5402と、大径部5402よりも小さい外径で大径部5402から突出された小径部5404とが形成されている。
また、大径部5402と小径部5404の境の部分に大径部5402から小径部5204に至るにつれて次第に外径が小さくなる湾曲面5406が形成されている。
第1ガイド軸挿通部50の内部には、ガイド軸28Aが挿通される箇所に沿った両端の部分にそれぞれガイド軸28Aが摺動可能に挿通されるガイド軸挿通孔5002が形成されると共に、それらガイド軸挿通孔5002の間にガイド軸挿通孔5002よりも大きい内径で大径孔5004が形成されている。
大径孔5004はその全長にわたり筒部54の半径方向外方に大径部5004の直径を寸法とした幅で開放状に形成されている。なお、大径部5402はガイド軸28Aの外周面にグリスを供給するグリス溜まりとして使用することができる。
また、本実施例では、大径孔5004が開放された大径部5402の外周部箇所が切り取られ、大径部5004の外周の輪郭よりも径方向内側に位置する平坦部5408が形成されている。
次に、3群レンズ枠1802の成形について説明する。
3群レンズ枠1802は、ガラス繊維入りのポリカーボネート材などの合成樹脂材料が第1金型と第2金型の合わせ面に形成されたキャビティに充填される例えば射出成形により一体成形される。
3群レンズ枠1802のうち、特に第1ガイド軸挿通部50の金型部分について説明すると、図12(D)に示すように、この金型部分は、第1金型の部分80と、第2金型の部分82と、中子84との3つの金型から構成されている。
第1金型の部分80は、第1ガイド軸挿通部50の筒部54と2つのガイド軸挿通孔5002のうち後方に位置するガイド軸挿通孔5002とを成形するものであり、第2金型の部分82は、壁部箇所52と2つのガイド軸挿通孔5002のうち前方に位置するガイド軸挿通孔5002と3群レンズ枠1802とを成形するものであり、中子84は、大径孔5004を成形するものである。
このように3つの金型を用いる理由は、ガイド軸挿通孔5002の寸法精度を確保するためである。仮に第1、第2金型80,82のみを用い、大径孔5004を設けることなく、壁部箇所52および筒部54を貫通して延在する単一のガイド軸挿通孔5002を成形しようとすると、ガイド軸挿通孔5002の軸線方向に沿って抜き勾配を設けなくてはならず、ガイド軸挿通孔5002の寸法精度を確保することが難しい。
しかしながら、本実施例のように、3つの金型80,82,84を用いて2つのガイド軸挿通孔5002を形成する場合には、前記抜き勾配を設ける必要がなく、ガイド軸挿通孔5002の寸法精度を確保する上で有利である。
しかしながら、図12(A)、(C)に示すように、3つの金型80,82,84のうち中子84を離型させる際、中子84の形状(輪郭)に対応して割り線(パーティングライン)Pの部分から微小なバリ56が形成される。
このようなバリ56は、大径孔5004が開放された縁部の全域にわたって筒部52の外周面の径方向外方に突出している。具体的には、大径孔5004が開放された小径部5404箇所と、大径孔5004が開放された湾曲面5406箇所と、大径孔5004が開放された平坦部5408箇所とにバリ56が形成されている。
次に作用効果について説明する。
図11、図12(B)に示すように、コイルスプリング2808は、ガイド軸28Aに巻装されその一端が第1ガイド軸挿通部50の大径部5402に嵌装されることで、3群レンズ枠1802に係止される。
ここで、大径部5402がコイルスプリング2808の内径に対応した外径で形成され、小径部5404が大径部5402よりも小さい外径で形成されているので、コイルスプリング2808はその一端が大径部5402により軸線と直交する方向に変位せず、したがって、コイルスプリング2808の内周箇所と小径部5404の外周面との間に隙間が確保され、これによりコイルスプリング2808の内周箇所が小径部5404箇所に形成されたバリ56に接触することが防止される。
また、大径部5402に平坦部5408が形成されているので、コイルスプリング2808の内周箇所と平坦部5408との間に隙間が確保され、これによりコイルスプリング2808の内周箇所が平坦部5408箇所に形成されたバリ56に接触することが防止される。
したがって、3群レンズ枠1802の光軸方向に移動に伴い、筒部54のバリ56とコイルスプリング2808の内周箇所とが接触することがないので、3群レンズ枠1802の光軸方向の円滑な移動を実現することができる。
また、3群レンズ枠1802の光軸方向に移動に伴い、筒部54のバリ56とコイルスプリング2808の内周箇所とが接触することがないので、異音や振動の発生を防止でき、撮像装置で動画と音声も記録している場合に良好な音声を記録でき、また、撮影光学系の光軸ブレのない良好な撮影を行うことができる。
また、大径部5402と小径部5404の境の部分に湾曲面5406が形成されているので、コイルスプリング2808の圧縮動作時にコイルスプリング2808の内周箇所が湾曲面5406に接触したとしてもコイルスプリングの内周箇所が湾曲面5406に円滑に案内されるため、異音や振動の発生が防止され、良好な音声を記録し良好な撮影を行う上で有利となる。
また、本実施例では、ガイド軸押さえ部材9の嵌合部9Bにコイルスプリング2808の他端が嵌装されているので、コイルスプリング2808はその他端も嵌合部9Bにより軸線と直交する方向に変位せず、したがって、コイルスプリング2808の内周箇所と小径部5404の外周面との間に隙間をより確実に確保することができ、これにより、コイルスプリング2808の内周箇所が小径部5404箇所に形成されたバリ56に接触することを防止する上でより有利となっている。
図13は比較例としての第1ガイド軸挿通部50´の構成を示す図であり、図12(A)〜(D)と同様に、図13(A)は第1ガイド軸挿通部50´を斜め後方から見た斜視図、(B)は第1ガイド軸挿通部50´の縦断面図、(C)は(B)のCC線断面図、(D)は金型成形の説明図である。図13において図12と対応する部分には図12と同じ符号を付して重複する説明を省略する。
図13に示す第1ガイド軸挿通部50´が実施例1の第1ガイド軸挿通部50と異なるのは、筒部54が均一外径で構成されている点である。
このような第1ガイド軸挿通部50では、コイルスプリング2808の内周箇所と筒部54の外周面との間に形成された隙間分だけコイルスプリング2808が筒部54の半径方向に動くことを防止できず、その結果、コイルスプリング2808の内周箇所が大径部5004が開放された筒部54箇所に形成されたバリ56に接触してしまう。
したがって、3群レンズ枠1802の光軸方向に移動に伴い、筒部54のバリ56とコイルスプリング2808の内周箇所とが接触することを防止できないので、3群レンズ枠1802の光軸方向の円滑な移動が阻害されてしまう。
また、3群レンズ枠1802の光軸方向に移動に伴い、筒部54のバリ56とコイルスプリング2808の内周箇所とが接触することを防止できないので、異音や振動が発生し、撮像装置で動画と音声も記録している場合に異音が記録されたり、撮影光学系に光軸ブレが発生してしまう。
次に実施例2について説明する。
図14は実施例2の鏡筒10Aの構成を示す断面図であり、実施例1と同様の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
実施例2が実施例1と異なるのは、撮影光学系が4群からなるインナーフォーカスレンズとして構成されている点である。
図14に示すように、撮影光学系104を構成する4群は、前方から後方に向かってこの順番で配設された1群レンズ80、2群レンズ82、3群レンズ84、4群レンズ86によって構成されている。
鏡筒10Aは、2群レンズ82が光軸方向に駆動されることによってズーミングを行い、4群レンズ86が光軸方向に微小に変位されることによってフォーカッシングを行う。すなわち、2群レンズ82の変位によって焦点距離を可変し、この焦点距離の変化によって生じた合焦位置のずれを4群レンズ86の変位によって修正し適切に合焦させるように構成されている。なお、図中符号87は3群レンズ84と4群レンズ86の間に配設された絞り機構である。
2群レンズ82は2群レンズ枠8202で保持され、4群レンズ84は4群レンズ枠8602で保持され、これら2群レンズ枠8202と4群レンズ枠8602にガイド軸挿通部96、98がそれぞれ設けられている。
詳細に説明すると、2群レンズ枠8202については、2群レンズ枠8202を光軸方向に案内する案内機構88と、2群レンズ枠8202を光軸方向に移動させる駆動機構90とが設けられており、これら案内機構88、駆動機構90は、実施例1の案内機構28、駆動機構29とほぼ同様の構成であり、2群レンズ枠8202には実施例1の第1ガイド軸挿通部50と同様のガイド軸挿通部96が設けられ、コイルスプリング2808がガイド軸28Aと筒部54とにわたって巻装されている。
また、4群レンズ枠8602については、4群レンズ枠8602を光軸方向に案内する案内機構92と、4群レンズ枠8602を光軸方向に移動させる駆動機構94とが設けられており、これら案内機構92、駆動機構94も、実施例1の案内機構28、駆動機構29とほぼ同様の構成であり、4群レンズ枠8602には実施例1の第1ガイド軸挿通部50と同様のガイド軸挿通部98が設けられ、コイルスプリング2808がガイド軸28Aと筒部54とにわたって巻装されている。
このように撮影光学系が4群からなるインナーフォーカスレンズとして構成されている鏡筒の場合であっても、実施例1と同様の作用効果を得ることができることはもちろんである。
なお、本実施例では、撮像装置としてデジタルスチルカメラを用いて説明したが、本発明は、ビデオカメラ、その他種々の撮像装置に適用可能である。
実施例1の撮像装置の斜視図である。 実施例1の撮像装置の構成を示すブロック図である。 鏡筒10の状態を説明する斜視図である。 鏡筒10の状態を説明する断面図である。 沈胴レンズの分解斜視図である。 固定環20の展開図である。 カム環24の展開図である。 3群レンズ枠1802とベース12の構成を示す斜視図である。 駆動機構29の構成を示す斜視図である。 3群レンズ枠1802を斜め後方から見た斜視図である。 3群レンズ枠1802とベース12の構成を示す説明図である。 第1ガイド軸挿通部50の説明図である。 比較例としての第1ガイド軸挿通部50´の構成を示す説明図である。 実施例2の鏡筒10Aの構成を示す断面図である。
符号の説明
100……撮像装置、10……鏡筒、18……3群レンズ、1802……3群レンズ枠、1802C……係合片、28……案内機構、29……駆動機構、2906……雌ねじ部材、28A……ガイド軸、50……第1ガイド軸挿通部、52……壁部箇所、54……筒部、5002……ガイド軸挿通孔、5004……大径孔、5402……大径部、5404……小径部。

Claims (10)

  1. 鏡筒内に配設された可動レンズを含む撮影光学系を備え、
    前記可動レンズは、レンズと、前記レンズを保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠から突設された係合片とを有し、
    前記レンズ保持枠を前記レンズの光軸方向に移動可能に案内する案内機構と、前記レンズ保持枠を光軸方向に移動させる駆動機構とが設けられ、
    前記駆動機構は、モータの駆動により前記光軸方向に沿って直線移動する移動片を有し、
    前記案内機構は、前記光軸方向に延在し前記レンズ保持枠のガイド軸挿通部に挿通されその延在方向の両端が前記鏡筒側で支持されたガイド軸を有し、
    コイルスプリングが前記ガイド軸に巻装され、前記コイルスプリングの長手方向の一端が前記鏡筒側に係止し、前記コイルスプリングの長手方向の他端が前記レンズ保持枠に係止し前記コイルスプリングの弾性力により前記係合片を前記移動片に常時当接させるレンズ鏡筒であって、
    前記ガイド軸挿通部は、前記レンズ保持枠を構成する壁部箇所と、前記壁部箇所から突設された筒部とで構成され、
    前記筒部の外周部には、前記壁部箇所に臨む箇所に前記コイルスプリングの内径に対応した外径で形成され前記コイルスプリングの他端が嵌装される大径部と、前記大径部よりも小さい外径で大径部から突出された小径部とが形成され、
    前記ガイド軸挿通部の内部には、前記ガイド軸が挿通される箇所に沿った両端の部分にそれぞれ前記ガイド軸が摺動可能に挿通される挿通孔が形成されると共に、それらガイド軸挿通孔の間にガイド軸挿通孔よりも大きい内径で大径孔が形成され、
    前記大径孔はその全長にわたり前記筒部の半径方向外方に開放状に形成されている、
    ことを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記大径部と小径部の境の部分に大径部から小径部に至るにつれて次第に外径が小さくなる湾曲面が形成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
  3. 前記駆動機構は、前記光軸方向に沿って延在し前記モータにより回転される雄ねじ部材と、回転を阻止された状態で前記雄ねじ部材に螺合され該雄ねじ部材の回転により雄ねじ部材に沿って移動する雌ねじ部材とを有し、前記移動片は前記雌ねじ部材で構成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
  4. 前記大径孔が開放された前記大径部箇所に、大径部の外周部を切り欠き大径部の外周の輪郭よりも径方向内側に位置する平坦部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
  5. 前記ガイド挿通部を含むレンズ保持枠は、合成樹脂製で型により一体成形されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
  6. 鏡筒内に配設された可動レンズを含む撮影光学系と、前記撮影光学系によって導かれた被写体像を撮像する撮像素子とを備え、
    前記可動レンズは、レンズと、前記レンズを保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠から突設された係合片とを有し、
    前記レンズ保持枠を前記レンズの光軸方向に移動可能に案内する案内機構と、前記レンズ保持枠を光軸方向に移動させる駆動機構とが設けられ、
    前記駆動機構は、モータの駆動により前記光軸方向に沿って直線移動する移動片を有し、
    前記案内機構は、前記光軸方向に延在し前記レンズ保持枠のガイド軸挿通部に挿通されその延在方向の両端が前記鏡筒側で支持されたガイド軸を有し、
    コイルスプリングが前記ガイド軸に巻装され、前記コイルスプリングの長手方向の一端が前記鏡筒側に係止し、前記コイルスプリングの長手方向の他端が前記レンズ保持枠に係止し前記コイルスプリングの弾性力により前記係合片を前記移動片に常時当接させるレンズ鏡筒を有する撮像装置であって、
    前記ガイド軸挿通部は、前記レンズ保持枠を構成する壁部箇所と、前記壁部箇所から突設された筒部とで構成され、
    前記筒部の外周部には、前記壁部箇所に臨む箇所に前記コイルスプリングの内径に対応した外径で形成され前記コイルスプリングの他端が嵌装される大径部と、前記大径部よりも小さい外径で大径部から突出された小径部とが形成され、
    前記ガイド軸挿通部の内部には、前記ガイド軸が挿通される箇所に沿った両端の部分にそれぞれ前記ガイド軸が摺動可能に挿通される挿通孔が形成されると共に、それらガイド軸挿通孔の間にガイド軸挿通孔よりも大きい内径で大径孔が形成され、
    前記大径孔はその全長にわたり前記筒部の半径方向外方に開放状に形成されている、
    ことを特徴とする撮像装置。
  7. 前記大径部と小径部の境の部分に大径部から小径部に至るにつれて次第に外径が小さくなる湾曲面が形成されていることを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
  8. 前記駆動機構は、前記光軸方向に沿って延在し前記モータにより回転される雄ねじ部材と、回転を阻止された状態で前記雄ねじ部材に螺合され該雄ねじ部材の回転により雄ねじ部材に沿って移動する雌ねじ部材とを有し、前記移動片は前記雌ねじ部材で構成されていることを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
  9. 前記大径孔が開放された前記大径部箇所に、大径部の外周部を切り欠き大径部の外周の輪郭よりも径方向内側に位置する平坦部が設けられていることを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
  10. 前記ガイド挿通部を含むレンズ保持枠は、合成樹脂製で型により一体成形されていることを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
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