JP2005308886A - 液晶パネル製造用ラビング布材 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂含浸における不良発生等の問題が無く、またパイル材料の制限も無く、ベルベット組織のパイルに安定した傾斜を付与し、これにより液晶パネルの製造に非常に有用なラビング布材を提供する。
【解決手段】経糸14及び緯糸13からなる地布組織と、地布組織の経糸方向に織り込まれたパイル12と、を有するベルベット織物の液晶パネル製造用ラビング布材であって、経糸の織り込み糸長が異なる経糸14a、14b、14b'を組合わせた地布組織構造11により構成されることを特徴とする液晶パネル製造用ラビング布材。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶パネル製造用ラビング布材に関する。液晶パネル製造工程においては、起毛されたパイルを持つラビング布材を金属製ローラーの外周面に両面粘着テープで貼り付けて成るラビングローラーを用いて配向処理を行なう。この配向処理とは、液晶パネルを構成する2枚の基板の表面に形成された配向膜の表面を、高速回転する上記ラビングローラー表面のパイルで均一に擦ることによって、配向膜の表面に一方向の分子配向性を付与する処理である。このような工程を配向工程あるいはラビング工程と言う。本発明は、液晶パネル製造に必須のラビング工程で使用されるラビング布材に関する。
ラビング工程について、図5を参照して説明する。ラビングとは、表面にパイルを起立させた布材2を、金属製ローラー1の外周面に両面粘着テープで貼り付け、これを高速で回転させながら、液晶パイルを構成する基板5の表面に形成された配向膜の表面を布材2のパイルで高速に擦る操作である。このラビング工程は、配向膜の表面に一方向の分子配向性を付与することを目的としている。図5中の符号dは、布材2の基材5表面に対する押し込み深さを示し、これは切り込み量と通称されている。この切り込み量dの大小が、配向性能に対して最も強く影響する。
透過式の液晶表示パネルに使用される液晶表示素子は、薄膜トランジスターからなる駆動素子(TFT)を形成したTFT基板と、カラーフィルター(CF)を形成したCF基板とを微小な間隔をあけて対向し、その間隙に液晶を封入した構成を有する。TFT基板の表面には、画素電極としてパターン化されたITO電極が配置され、このITO電極の表面を覆うように配向膜が形成されている。
TFT基板とCF基板は、配向膜同士が向かい合うように配置され、両基板の配向膜はいずれも封入された液晶と接触する。TFT基板表面及びCF基板表面の配向膜には、液晶分子を配列させるためにラビング布材を用いた配向処理が施される。ラビング布材は、通常、アルミニウム、ステンレス等の材質からなるローラー外周面に両面粘着テープを介して貼り付けられる。ローラーを回転させながら外周面のラビング布材を配向膜表面に接触させることにより、ラビング布材で配向膜表面を擦る。配向膜に対してこのようなラビング処理を施すと、配向膜自体の表面に超微細な溝が形成されたり、配向膜を形成する高分子であるポリイミド分子に一軸配向が付与される。ラビング処理が施された配向膜に液晶が接触すると、ラビング布材で擦られた方向に液晶分子が配列するようになり、電場による液晶の均一スイッチング特性が実現する。ラビング処理による液晶配向の性能は、液晶パネルにとって最も重要な表示特性の均一性を左右する。
ラビング布材としては、一般に、地布と地布に起毛状態で織り込まれたパイルとからなるベルベット織物が使用されている。パイルの素材としては、レーヨン、ナイロン等の長繊維(フィラメント)を用いたものと、コットンのような短繊維を用いたものが知られている。ラビング布材に用いられるベルベットの組織としては、地布組織の経糸及び緯糸にキュプラレーヨンを使用し、パイルにビスコースレーヨンを使用した図6に示すようなファストパイルのベルベット織物(特許文献1参照)が一般的である。また、パイルにコットンを使用した図7に示すようなV字型パイル(カットパイル)のベルベット織物(特許文献2参照)も使われている。ただし、これらの組み合わせに限定されない。例えば、パイルにコットンを使用した場合にもファストパイル組織で織ることは可能であり、いずれの組織も、アセテート繊維、ポリエステル繊維等の熱可塑性合成繊維のベルベット織物にも適用できる。
この種のベルベット織物を用いたラビング布材では、パイルの先端がパイルの根元より後行する向きに傾斜させることが、ラビングの不均一による配向むらを回避する有力な手段であることが知られている(特許文献3参照)。しかし、上記従来技術によるベルベット組織では、繊維の製織組織の作用だけでパイルを任意の角度に傾斜させることはできない。
ラビング布材のパイルを傾斜させる従来法として、例えばパイルにレーヨンを用いたベルベット織物のラビング布材については、特許文献3に詳細に記載されている。具体的には、一般の方法で製織されたベルベット布をグリオキザール系のセルロース反応型樹脂に浸漬し、キュアリング機内のブラシによりコーミングし、その後樹脂を加熱硬化させることによって、パイルの傾斜を保持させる方法が記載されている。この方法は、樹脂含浸と呼ばれている。また、セルロース反応型樹脂を用いることから、レーヨン以外のコットン、ポリノジック繊維、リヨセル等の再生セルロース繊維及びセルロース誘導体により構成された繊維(以下セルロース系繊維と呼ぶ)に有効である。しかし、このような樹脂加工によるパイルの傾斜付与にはいくつかの問題があり、これが今後の液晶パネルの高精細化・高歩留化にとっての課題になっている。
また、コットンパイルを用いたラビング布材においては、上述したレーヨンにおける樹脂含浸と同等な方法によらずにパイルを均一に傾斜させる有効な手段がない。
特許第3209328号公報 登録実用新案第3045464号公報 登録実用新案第3032820号公報 H.Tabira and T.Inoue etal. "Precision Rubbing Supported by Fine Process Analysis" Journal of the SID Vol.10, No.4, 329-337(2002)
上述した従来の樹脂加工方法では、加工ロットごとに、加工形状及び布特性にばらつきがでる可能性が高い。このため、液晶表示パネルの製造工程においては、入荷したベルベット織物を用いて予め試験的にラビングして配向品質の検査を行ない、そのロットのベルベット織物が使用に耐えるか否かを確認した上で、製造工程で使用している。しかし、このような入荷チェックを実行しても、布品質のばらつきそのものが改善されるわけではないため、予想外のラビング不良が絶えない。
また、従来のレーヨン製ベルベットでは、加工に用いる樹脂そのものに関係した問題もある。すなわち、ラビング布材(ベルベット)がセルロース反応型樹脂に含浸されているため、ベルベットのパイルを構成する各単繊維の表面に樹脂が付着する。この樹脂は、比較的硬くて脆い傾向がある。したがって、ラビングの最中に、樹脂が摩耗、脱落して異物となり、これが配向膜表面に付着し、表示むら等の不良を発生させることがある(非特許文献1参照)。また、パイルに巻き込まれた異物が、配向膜の表面に傷を生じさせることもある。
さらに、セルロース反応型樹脂は、水性のエマルジョンであり、地糸としてキュプラを使用したラビング布材は、水分を含んだ状態では極めて変形しやすい。このため、ラビング布材の緯糸が弓状に変形して(ボーイングと通称)、経糸に対して緯糸が直角に交わらない、いわゆる布目曲がりが生じやすい。
以上のことから、樹脂含浸を行なわずにパイルに安定した傾斜を精度よく付与する方法が求められている。
樹脂含浸を行なわずにパイルを強制的に傾斜させる方法としては、例えば、パイルを熱可塑性合成繊維で構成した上で、加熱シリンダーでベルベット織物の裏側から接触加熱しつつ、表面のパイルを目的の方向にブラシでコーミングし、その後冷却固定する方法が知られている。しかし、この方法では、外気の温度及び湿度の影響を受けやすいので、パイルの傾斜角度を一定に保って安定的に量産することが困難である。また、この方法を、パイルがコットン等のセルロース系繊維であるベルベット織物に適用しようとしても、セルロース系繊維が熱可塑性でないため、安定した傾斜角度をパイルに付与することは困難である。
以上のように、従来のパイル傾斜方法は、適用できるパイル材料に制限があったり、適用できても、その方法自体に内在する他の問題の解決が完璧ではない。
そこで、本発明の目的は、樹脂含浸における不良発生等の問題が無く、またパイル材料の制限も無く、ベルベット組織のパイルに安定した傾斜を付与し、これにより液晶パネル
の製造において非常に良好に使用できるラビング布材を提供することにある。
本発明者は、安定した傾斜を保持した状態でパイルを起立させたラビング布材を得るためには、ベルベット織物の地布組織において、経糸の送り出し量を所定の本数ごとに変えることが非常に有効であることを見い出した。具体的には、製織時の経糸の送り出し量を所定の本数ごとに多い/少ない、とすることによって、これに絡む緯糸に上下の段差が発生するようにすれば、緯糸に巻きつく形で織り込まれているパイル糸に経糸方向の傾斜が付与されることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、経糸及び緯糸からなる地布組織と、前記地布組織の経糸方向に織り込まれたパイル糸と、を有するベルベット織物の液晶パネル製造用ラビング布材であって、前記経糸の織り込み糸長が異なる経糸を組合わせた地布組織構造により構成されることを特徴とする液晶パネル製造用ラビング布材である。
本発明においては、樹脂加工、加熱ブラッシング等に頼らず、布の構造そのものの工夫によりパイルに傾斜を与える。したがって、パイル材料に制限が無く、また従来の樹脂含浸における不良発生及びその他の問題も生じない。本発明においては、地布の経糸の織り込み糸長を変えることによって、地布の表面の法線に対して経糸の方向の傾斜をパイルに与えることができる。そして、このようなパイルの傾斜が安定制御されたラビング布材を液晶パネルの製造に用いれば、液晶パネルの配向状態を極めて均一にすることが可能となり、表示デバイスとしての大幅な画質向上を達成できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るベルベット組織の模式図であり、図2及び図3は、図1の組織で製織されたベルベット織物を、互いに異なる位置で、経糸と平行方向に切断した場合の断面図である。
図1(a)に示すように、ベルベット組織は、地布組織11と地布組織11に起立した状態で織り込まれたパイル12から形成されている。本実施形態においては、地布組織11は、二重ビームから供給された経糸14a、14b、14b'と緯糸13によって製織される。ベルベットの製織時において、経糸14aは、織機の1本のビームから送り出され、その送り出し量は少ない。したがって、筬打ち時に経糸14aには高い張力がかかる。一方、経糸14b及び経糸14b'は、織機のもう1本のビームから送り出され、その送り出し量は多く、筬打ち時の張力は低い。緯糸イ、ハ、ニ、ヘは、経糸14aよりパイル12が起立する側(表面側)に位置し、緯糸ロ、ホは、経糸14aより裏面側に位置する。経糸14bと経糸14b'は、それら緯糸13に対して相互に表裏交替に製織されている。
なお、本発明は、図1に示すベルベット組織に限定されるものではない。例えば、図1(a)に示す3本の経糸14aのうち、真中の経糸14aが無いものを用いることも可能である。さらに、組織を工夫することによって、パイル12に経糸方向に傾斜を与えることが可能である。
このように製織されたベルベット織物(地布組織11)によって、パイル12が傾斜する様子を、図1(a)及び図1(b)を参照しながら説明する。本実施形態においては、経糸の送り出し量を所定の本数ごとに多い/少ない、とすることにより、これに絡む緯糸に上下の段差が生じる。具体的には、以下の通りである。
ベルベットの製織順に説明すると、まず織機綜絖上下運動の結果として、経糸14a、14b、14b'が上下に分けられて開口したところに、緯糸イが打ち込まれ、筬打ち運動により緯糸イが経糸の間に押し込まれていく。次に、綜絖の逆方向動作により、先の経糸の上下関係を変えて開口したところに、緯糸ロが打ち込まれ、筬打ち運動により緯糸ロが経糸の間に押し込まれる。この際、図1(b)の断面でみると、経糸14bとの関係で、緯糸ロは緯糸イの右下側に位置することになる。さらに、次の綜絖動作の後に打ち込まれる緯糸ハも、筬打ち運動により経糸の間に押し込まれる。この際、緯糸ハを押える経糸14b'の送り出し量が多いため、緯糸ハは、図4(a)に示されるように緯糸ロの上方
に押し上げられていく傾向がある。また、場合によっては、図4(b)のように、緯糸ハが緯糸イの上にまで押し上げられて、イ〜ハの緯糸が一列に重なるような状態にまでいたる。この状態にいたると、パイル12は、緯糸イ〜ハによって斜めに押えられて、図示のような経糸方向に沿う向きでの所定の角度が付与される。以下、緯糸ニ〜ヘも同様である。
図2は、図4(b)の状態に製織された本発明のベルベット組織の断面(送り出し量が少ない経糸14aが見えている断面)の顕微鏡写真をトレースしたものである。この図で示すのは、緯糸が相互に乗り上げ重なった状態であり、パイルはこれら緯糸に押さえられて傾斜している状態が確認される。このパイルの傾斜角度は、例えば、経糸の送り出し量の多い/少ない、緯糸密度、緯糸太さにより調整することができる。この傾斜は織物の組織により物理的に付与されたものであり、織物規格が一定であれば、常に一定の角度の傾斜が与えられ、製織後に熱処理、洗浄等の作用を受けても戻ることはない。
図3は、図2に平行な別の位置での断面(送り出し量が多い経糸14b、14b'が見えている断面)であり、経糸14b、14b'は上下に大きなうねりを生じている様子が観察される。
本発明に用いるパイルの素材としては、コットンのような天然繊維に限られるものではなく、トリアセテート、ナイロン、ビニロン、レーヨン、ポリエステルなどのあらゆる合成繊維・半合成繊維を採用することができる。
本発明において、ラビング布材のパイルは、布材の表面の法線に対して経糸の方向に傾斜している。そのパイルの傾斜角度は、布材の表面の法線に対して5度以上45度以下が好ましく、10度以上45度以下がより好ましい。
本発明において、経糸の織り込み糸長が異なる経糸を組合わせた地布組織構造を構成する為には、先に説明した実施形態のように、地布を構成する複数の経糸のうち、所定の本数おきに多い/少ない送り出し量で経糸を送り出して製織する方法がある。
製織時の経糸の送り出し量に所定の本数ごとに多い/少ない、をつける手段としては、例えば、経糸を二重ビームで供給し、1本のビームは経糸の送り出し量を多くし、もう1本のビームの経糸の送り出し量を少なくすれば良い。これによって、所定の本数おきに、送り出し量が少ない経糸と送り出し量が多い経糸を配置できる。送り出し量の調整は、例えば、製織時の筬打ちに合わせ、ギアーの操作で経糸ビームを回転させて経糸を送り出す、いわゆる積極送り出しにより行なえば良い。また、経糸ビームにフリクションを与えて経糸ビームの回転を制御する、いわゆる消極送り出しにより行なうことも可能である。
また、送り出し量が少ない経糸として高収縮性の合成繊維を用い、製織後、この高収縮性の合成繊維を収縮させることによって、経糸の織り込み糸長が異なる経糸を組合わせた地布組織構造を構成することもできる。高収縮性の合成繊維としては、特に限定されないが、沸水収縮率8%以上のポリエステル繊維を用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
<実施例1〜4>
以下の通り、表1に示す製織条件で本発明のラビング布材を作製し、そのパイル傾斜角度(地布組織鉛直方向に対する角度)を測定した。
実施例1〜4においては、地経糸として110デシテックスのポリエステル双糸を用い、地経糸密度は35本/cm、送り出し量が少ない方の経糸の糸張力は104〜110gに統一し、送り出し量が多い方の経糸の送り出し量と、地緯糸の太さと密度を、各々表1に示すように変更して製織した。パイル糸としてはコットンの60番コーマーの双糸を用いた。製織後、150℃でセットし、糊抜き精練、乾燥、裏樹脂加工等の通常の加工工程で仕上げた。ベルベット布に仕上がった後のパイル長は2.4mmに統一した。
以上の製織条件で作製した実施例1〜4のラビング布材について、各々のパイル傾斜角度を測定した。測定結果を表1に示す。これらの結果から、製織条件を工夫することのみによって、それぞれ異なるパイル傾斜角度が得られることが確認できた。傾斜角度については、地布の表面の法線に対して、経糸の方向に対する傾斜角度を測定した。具体的には
、傾斜角度を定める主要因は、地経糸の送り出し量と結果として生じる地経糸の張力差、地緯糸の太さ、地緯糸密度(ただし、緯糸太さにより地緯糸密度には上限がある)である。これらを制御することによって、常に、同じパイル傾斜角度の織物を繰り返し、安定的に製織できることが確認できた。
さらに、図5に示された方法でラビングの縦筋の発現状況を評価した。すなわち、実施例1〜4のラビング布材をそれぞれ両面テープを用いてφ50mmのステンレス製ラビングロール1に巻着し、10cm角のガラス基板にポリイミド前駆体溶液を印刷塗布し、200〜300℃に加熱して作製したポリイミド製配向膜の付着したガラス基板5を移動ステージ6に固定し、切り込み量dを0.5mmとして、移動ステージ6を毎秒30mmの速度で矢印の方向に移動してラビングした。ラビングロール1の回転数は1500rpmとした。その結果、いずれのラビング布材も縦筋の少ない均一な配向膜が得られた。
Figure 2005308886
<実施例5〜7>
以下の通り、パイル糸としてトリアセテート又はポリエステル繊維を用いて、あるいは送り出し量の少ない地経糸として高収縮糸を用いて、本発明のラビング布材を作製し、そのパイル傾斜角度を測定した。
実施例5においては、地経糸として56デシテックスのポリエステル双糸を用い、送り出し量が少ない方の経糸の糸長を100とした場合、送り出し量が多い方の経糸の糸長を280として製織した。その時の張力は前者が104〜110gで、後者は65〜70gであった。パイル糸としてはトリアセテートの84デシテックス双糸を用いた。製織後、150℃でセットし、糊抜き精錬、乾燥、裏樹脂加工等の通常の加工工程で仕上げて、ラビング布材(ベルベット布材)を得た。
実施例6においては、送り出し量が少ない方の地経糸として56デシテックスの高収縮ポリエステル双糸(沸水収縮率35%、JISL−1013)を用い、送り出し量が多い方の地経糸として収縮の少ない通常の56デシテックスのポリエステル双糸を用いた。糸の送り出し量は、前者を100とした場合、後者は120とした。製織時の張力は両者とも100g〜110gで、ほとんど同じであった。パイル糸としてはトリアセテートの84デシテックス双糸を用いた。製織後、150℃で5分間乾熱処理した。この熱処理にあたり、生地の長さ方向に12%オーバーフィードし、幅方向に2%幅出した後、通常の加工工程で仕上げて、ラビング布材を得た。この実施例6においては高収縮ポリエステル双糸を熱処理して収縮させることにより糸長の比率を変え、パイルに傾斜角度を与えた。
実施例7においては、パイルにポリエステルの84デシテックス双糸を使用したこと以外は、実施例5と同様の工程に従いラビング布材を作製した。
以上のようにして作製した実施例5〜7のラビング布材について、各々のパイル傾斜角度を測定した。測定結果を表1に示す。これらの結果から、パイルの素材が天然繊維、合
成繊維、半合成繊維に関係なく、安定した傾斜を与えることが出来ることが確認できた。また、実施例6においては、高収縮繊維を用いて生地で収縮させることで積極的に送り出し量を変えた場合と同様の効果が得られることも確認できた。
Figure 2005308886
(a)は、本発明の実施形態に係るベルベット組織模式図であり、(b)は、その断面図である。 図1の組織で製織されたベルベット織物を、経糸と平行な方向に切断した場合の断面の顕微鏡写真をトレースした図である。 図1の組織で製織されたベルベット織物を、図2の断面とは異なる位置で、経糸と平行な方向に切断した場合の断面の顕微鏡写真をトレースした図である。 図1の組織において、パイルが傾斜する原理を説明するための図である。 ローラーに貼り付けられたラビング布材が、基板に接触した状態(ラビング状況)を示す図である。 従来のファストパイルのベルベット織物の組織図である。 従来のパイルにコットンを使用したV字型パイルのベルベット織物の組織図である。
符号の説明
1 金属製ローラー
2 布材
5 基板
11 地布組織
12 パイル
13 緯糸
14a、14b、14b' 経糸

Claims (7)

  1. 経糸及び緯糸からなる地布組織と、前記地布組織の経糸方向に織り込まれたパイル糸と、を有するベルベット織物の液晶パネル製造用ラビング布材であって、
    前記経糸の織り込み糸長が異なる経糸を組合わせた地布組織構造により構成されることを特徴とする液晶パネル製造用ラビング布材。
  2. 地布の経糸の織り込み糸長を変えることによって、地布の表面の法線に対して経糸の方向の傾斜をパイル糸に与えたことを特徴とする請求項1に記載の液晶パネル製造用ラビング布材。
  3. パイル糸が地布の表面の法線に対して経糸の方向に傾斜し、前記パイル糸の前記法線に対する傾斜角度が5度以上45度以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶パネル製造用ラビング布材。
  4. 地布を構成する複数の経糸のうち、所定の本数おきに多い送り出し量で経糸を送り出して製織したことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液晶パネル製造用ラビング布材。
  5. 地布を構成する複数の経糸を二重ビームで供給し、送り出し量が少ない経糸と送り出し量が多い経糸を所定の本数おきに配置したことを特徴とする請求項4に記載の液晶パネル製造用ラビング布材。
  6. 送り出し量が少ない経糸は高収縮性の合成繊維であり、製織後に、前記高収縮性の合成繊維を収縮させたことを特徴とする請求項5に記載の液晶パネル製造用ラビング布材。
  7. 高収縮性の合成繊維は、沸水収縮率8%以上のポリエステル繊維であることを特徴とする請求項6に記載の液晶パネル製造用ラビング布材。
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