JP2005308632A - X線検出器 - Google Patents

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正彦 桑田
Masaya Hara
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Abstract

【課題】 イオンポンプを用いずに真空度の推定および真空度の維持を行う信頼性の高いX線検出器を実現すること。
【解決手段】 検出ヘッド43の温度センサ44からの温度情報に基づいて、検出ヘッド43が内蔵される容器内の真空度を推定し、この真空度が、設定されたスペクトル波形の分解能を低下させる真空度を超えない様に、逐次ゲッターポンプ47をオンオフし、真空度を維持することとしているので、別途イオンポンプを設けることなく、簡易に真空度の測定およびこの測定に基づいた真空度の調整を行い、信頼性の高いX線検出器4とすることができ、ひいては製品価格の低下とともにイオンポンプの起動時に生じる動作不可時間を無くし真空度の自動制御を行うことを実現させる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、真空容器に内蔵される半導体検出素子を用いてX線を検出するX線検出器に関する。
エネルギー分散型X線分析装置(EDS)あるいはエネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDXRF)では、試料から発せられるX線を高感度で検出するために、X線を検出する半導体検出素子を高真空にされた容器内に内蔵するX線検出器が用いられる。これにより、真空度が低い場合に生じる半導体検出素子表面への水分の付着が防止され、この水分による感度低下や検出器の劣化が無くされる。また、この半導体検出素子は、冷却されることにより熱雑音の低化が計られる。この冷却では、液体窒素や冷凍機あるいはペルチェ素子を用いた電子冷却器等が用いられる。
ここで、冷凍機あるいは電子冷却器により冷却を行う場合には、容器内を真空に保つ真空ポンプとして、イオンポンプが使用される。イオンポンプは、高真空で使用される一方で、低真空では排気能力が低下するので、真空容器内は常に高真空に維持されなければならない。なお、イオンポンプは、真空ポンプであると同時に真空度を検出する検出機能も有している。
特開平6−29482号公報、(第3頁、図1)
しかしながら、上記背景技術によれば、X線検出器は、イオンポンプを使用すると信頼性の低下を生じる。すなわち、X線検出器のイオンポンプは、真空度に対する使用条件が厳しく、これら使用条件の範囲を越える際に、寿命の低下、再起動時の起動不能トラブル等が生じる。
他方、X線検出器の容器は、真空に保たれているが、この真空度は経時劣化するものであり、常時真空度を検知し適宜真空度を向上することが望まれる。ここで、イオンポンプは、真空度を検知する手段をもなしており、真空度を維持、管理する上で重要な役割を果たしている。
冷却を停止しX線検出器の動作が停止され常温に保持される場合には、低温部にトラップされていた水分等の残留ガスが放出され容器内の真空度が低下する。この際、イオンポンプは、動作する真空度の範囲を越えるので、再起動する際に、起動不能となるトラブルが生じることがある。このため、無停電電源を使用してイオンポンプのみを常に動作させていた。
イオンポンプの他に真空を維持する手段としてゲッターポンプがある。しかし、ゲッターポンプは、真空度を測定する機能を有しない。この為、ペニングゲージ等の他の真空度測定手段を併用する必要があるが、真空容器中の部品が増えたり、真空容器内の表面積が増加することは、そこからのガス放出が増えることを意味し、真空劣化を早める事となる。出来る限り部品の追加なしに要求される機能を実現する必要が有り、またそれが原価を低く抑え使用者のメリットとなる。
これらのことから、イオンポンプを用いずに真空度の推定および真空度の維持を行う信頼性の高いX線検出器をいかに実現するかが重要となる。
この発明は、上述した背景技術による課題を解決するためになされたものであり、イオンポンプを用いずに真空度の推定および真空度の維持を行う信頼性の高いX線検出器を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の発明にかかるX線検出器は、X線を検出する半導体検出素子と、前記半導体検出素子から出力される電荷を電圧に変換する積分器の入力段を構成する電界効果トランジスタと、近接して配設される前記半導体および前記電界効果トランジスタを熱的に接続し、保持する検出ヘッドと、前記検出ヘッドを冷却するペルチェ素子と、前記検出ヘッドの温度を計測する温度センサと、前記検出ヘッド、前記ペルチェ素子および前記温度センサを内蔵する容器と、前記容器の内部を真空に保つ真空ポンプと、前記計測される温度情報に基づいて、前記容器の真空度を推定し、前記真空ポンプのオンオフにより前記真空度を制御する制御部を備えることを特徴とする。
この請求項1に記載の発明では、半導体検出素子により、X線を検出し、電界効果トランジスタにより、半導体検出素子から出力される電荷を電圧に変換する積分器の入力段を構成し、検出ヘッドにより、近接して配設される半導体および電界効果トランジスタを熱的に接続および保持し、ペルチェ素子により、検出ヘッドを冷却し、温度センサにより、検出ヘッドの温度を計測し、容器に検出ヘッド、ペルチェ素子および温度センサを内蔵し、真空ポンプにより、容器の内部を真空に保ち、制御部により、計測される温度情報に基づいて、容器の真空度を推定し、真空ポンプのオンオフにより真空度を制御する。
また、請求項2に記載の発明にかかるX線検出器は、前記真空ポンプが、ゲッターポンプのみであることを特徴とする。
この請求項2に記載の発明では、ゲッターポンプのみを真空ポンプとして用いる。
また、請求項3に記載の発明にかかるX線検出器は、前記ペルチェ素子が、前記冷却の放熱方向に多段構造を有することを特徴とする。
この請求項3に記載の発明では、ペルチェ素子は、多段構造により効率的に放熱を行う。
また、請求項4に記載の発明にかかるX線検出器は、前記容器が、前記ペルチェ素子の接合する内壁に対応する外壁部分に冷却装置を備えることを特徴とする。
この請求項4に記載の発明では、容器は、冷却装置を、ペルチェ素子が接合する内壁に対応する外壁部分に配設する。
また、請求項5に記載の発明にかかるX線検出器は、前記制御部が、前記計測される温度情報に基づいて、前記半導体検出素子をX線の検出状態とするバイアス電圧をオンオフすることを特徴とする。
この請求項5に記載の発明では、制御部は、温度情報に基づいて、半導体検出素子のバイアス電圧をオンオフする。
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、半導体検出素子により、X線を検出し、電界効果トランジスタにより、半導体検出素子から出力される電荷を電圧に変換する積分器の入力段を構成し、検出ヘッドにより、近接して配設される半導体および電界効果トランジスタを熱的に接続および保持し、ペルチェ素子により、検出ヘッドを冷却し、温度センサにより、検出ヘッドの温度を計測し、容器に検出ヘッド、ペルチェ素子および温度センサを内蔵し、真空ポンプにより、容器の内部を真空に保ち、制御部により、計測される温度情報に基づいて、容器の真空度を推定し、真空ポンプのオンオフにより真空度を制御することとしているので、別途真空度計測装置を設けることなく真空度を簡易に推定し、この推定値から真空ポンプのオンオフにより、目的とする真空度を容易に達成し、信頼性が高く、低コストのX線検出器とすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、ゲッターポンプのみを真空ポンプとして用いることとしているので、低真空でもトラブルのない、信頼性の高いものとすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、ペルチェ素子は、多段構造により効率的に放熱を行うこととしているので、検出ヘッドの冷却を確実なものとすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、容器は、冷却装置を、ペルチェ素子が接合する内壁に対応する外壁部分に配設することとしているので、容器外に検出ヘッドの熱およびペルチェ素子の発熱を排出することができる。
請求項5に記載の発明によれば、制御部は、温度情報に基づいて、半導体検出素子のバイアス電圧をオンオフすることとしているので、検出ヘッドの温度が異常に上昇する際に、電界効果トランジスタの破損を防止することができる。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるX線検出器を実施するための最良の形態について説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
まず、本実施の形態にかかるX線検出器を用いたエネルギー分散型蛍光X線分析装置の全体構成について説明する。図2はエネルギー分散型蛍光X線分析装置の構成を示す図である。エネルギー分散型蛍光X線分析装置は、X線管用高圧電源1、X線管2、試料3、X線検出器4、パルスプロセッサ6、ADC7、データメモリ8およびコンピュータシステム9を含む。
エネルギー分散型蛍光X線分析装置は、X線管用高圧電源1より真空管の一種であるX線管2を構成する金属ターゲットに高速電子を衝突させ、発生した1次X線を試料3に照射する。このとき発生するX線のエネルギー分布は図3に示すようにターゲットの材質に応じた特性X線が連続X線に重畳した分布となる。
ここで、試料3からは色々の蛍光X線が発生し、これをX線検出器4で検出する。X線検出器4の出力は階段波状になり、階段の各1段がX線を検出していることを示し、各段の高さが波長、即ちエネルギーを表している。
パルスプロセッサ6では、X線検出器4の出力である階段の各段をその高さに比例したパルスに変換し、ADC7では1つのパルス毎にその高さをデジタルデータに変換する。1つのパルスが変換されると、データメモリ8でパルスの高さに応じたメモリアドレスのデータに1を加算し、その結果、横軸に蛍光X線エネルギー、縦軸に量を表すスペクトラム波形が生成され、コンピュータシステム9でその内容を読みだすことにより、定性分析、定量分析を行って表示する。
図1および4は、X線検出器4の詳細な構成を示す図である。X線検出器4は、容器41、X線窓42、検出ヘッド43、温度センサ44、ペルチェ素子45、プリアンプ46、ゲッターポンプ47、水冷ポンプ48、高圧電源5および制御部10を含む。
まず、X線検出器4の断面図である図4を用いて、機械的な構成を説明する。容器41は、検出ヘッド43およびペルチェ素子45を内蔵する真空容器である。検出ヘッド43は、後述する半導体検出素子、増幅器の入力段をなす電界効果トランジスタ(以下、FETと称する)および温度センサ44を含み、X線窓42を透過して入力するX線を検出する。
ここで、検出ヘッド43は、近接して配置される半導体検出素子、FETおよび温度センサ44を、熱伝導度の良好な物質により保持する。この熱伝導度の良好な物質としては、例えば、銅、アルミニウムあるいはこれらの合金が用いられ、さらに部分的に絶縁性が要求される場所には窒化硼素等のセラミックス等が用いられる。また、温度センサ44は、白金抵抗体あるいは熱電対等により形成され、検出ヘッド43の温度を計測する。
ペルチェ素子45は、異種金属の接合部に電流を流す際に生じる吸熱および発熱現象を用いて検出ヘッド43を電子冷却する。ペルチェ素子45は、検出ヘッド43から容器41の内壁まで末広がりの多段構造を有しており、検出ヘッド43で発生した熱が効率的に容器41の内壁に伝達される構造を有している。
水冷ポンプ48は、冷却装置をなし、ペルチェ素子45が接する容器41の内壁の外側部分に位置する熱交換部分を有し、この熱交換部分を流れる水流によりペルチェ素子45により伝達される検出ヘッド43の熱およびペルチェ素子45の発生する熱を、容器41の外部へ逃がす。
ゲッターポンプ47は、容器41の内部を高真空に保つ真空ポンプである。このポンプは、多孔質ジルコニウム合金で、その表面に容器41内部の気体を収着し真空度の向上を計るものであり、一定量のガスを吸着するとポンピング能力は低下する。ここで、ゲッター表面に吸着したガスは、加熱によって内部に取り込まれるので、表面を再活性化することができる装置はゲッターに加熱機構を付加し、そして、ゲッターポンプ47では、通電ごとに真空度の向上が計られる。なお、ゲッターポンプ47の代わりにターボポンプあるいは電子顕微鏡の排気システム等を用いることもできる。
プリアンプ46は、容器41の外部に配設され、検出ヘッド43で検出されるX線信号の積算を行う。なお、このプリアンプ46の出力は、パルスプロセッサ6に出力され解析される。
図1は、X線検出器4の電気的な構成を示すブロック図である。検出ヘッド43は、上述したように半導体検出素子51、FET52および温度センサ44を含む。また、プリアンプ46は、キャパシタ53および増幅器54を含む。
半導体検出素子51は、X線を検出する有感層領域が厚いシリコンリチウムあるいは高純度シリコンを用いて形成されるP−I−N接合からなる。半導体検出素子51には、高圧電源5により数百V〜1KV程度の逆バイアス電圧が印加され、半導体検出素子51の概ね全領域に渡る空乏層が形成される。従って、半導体検出素子51は、X線の有感層が広いものとなり、高感度にX線を検出する。
FET52は、増幅器54の入力段に配設され、プリアンプ46のキャパシタ53および増幅器54と組み合わされて積分回路を構成する。ここで、X線の入射により半導体検出素子51に生成される電荷あるいは出力電流は、FET52のゲートに入力される。このゲートは、高入力インピーダンスであることから、電流はすべてキャパシタ53に流入し蓄積される。増幅器54は、半導体検出素子51の出力電荷をQ,キャパシタ53の容量をC、増幅器54の出力電圧をVとすると、
V=Q/C
の電圧を出力し、キャパシタ53の総蓄積電荷に比例する電圧を出力する。
なお、高圧電源5には、オンオフのスイッチ50が設けられる。ここで、検出ヘッド43が冷却手段の不具合等のなんらかの理由で温度上昇した際に、熱によるリーク電流が半導体検出素子51に流れる。この際、半導体検出素子51の出力電流は、入射X線による出力電流と相俟って大きなものとなり、FET52のゲートおよびその他の端子間に蓄積される電荷により、FET52のゲートおよびその他の端子間に耐電圧を越える過電圧が印加されうる。この過電圧によるFET52の絶縁破壊を防止する際に、スイッチ50がオフとされる。
また、容器41の真空度が低下した際に、高い逆バイアス電圧が印加される半導体検出素子51でグロー放電が生じる場合がある。この場合にも、グロー放電によるFET52の破損を防止するために、緊急的にスイッチ50がオフとされる。なお、スイッチ50の制御は、後述する制御部10からの信号により行われる。
制御部10は、臨界温度情報62、比較器63、真空度閾値情報65および比較器66を含む。検出ヘッド43の温度センサ44からの温度情報は、比較器63および66に入力される。臨界温度情報62は、実験的に決定される検出ヘッド43が破損を起こさない上限温度情報が設定される。比較器63は、これら2つの情報を比較し、温度センサ44からの温度情報が上限温度情報を越える際に、スイッチ50をオフにする信号を出力する。
ここで、温度センサ44からの温度情報に基づいて真空度を推定する推定方法を図5および図6を用いて説明する。図5は、スペクトルデータのエネルギー分解能と検出ヘッド43の温度との関係を示す実験データの一例である。また、図6は、検出ヘッド43の温度と真空度の関係を示す実験データの一例である。
図5では、横軸に検出ヘッド43の温度、縦軸にエネルギー分解能が示されている。ここで、エネルギー分解能(以下、分解能と称する)は、コンピュータシステム9で取得される蛍光X線エネルギーを横軸とするスペクトル波形の半値幅を現し、熱雑音の増加と共に半値幅の増加、すなわち分解能の低下を生じる。熱雑音は、検出ヘッド43の温度の上昇とともに増加するので、分解能も同様に低下し大きな値のものとなる。
ここで、スペクトル波形は、複数の近接するスペクトル波形からなり、これらスペクトル波形を分離抽出するために所定の分解能が要求される。一般に蛍光X線分析においては、150eV以下であることが求められている。この要求を満たすには、−80℃以下とする必要がある。
図6では、横軸に検出ヘッド43の温度、縦軸に容器41の真空度が示されている。検出ヘッド43の温度と容器41の真空度には、実験的に図6に示す様な相関関係が測定される。ここで、検出ヘッド43の温度は、図示していない検出ヘッドへの電気配線からの熱の流入と、検出ヘッド43の発熱とペルチェ素子45の放熱とが平衡状態になり一定温度となる。しかし、検出ヘッド43が置かれている環境の真空度が低下することにより、検出ヘッド43に気体から熱の流入が生じ温度が上昇する。この上昇温度は、図6に示す様な、気体の真空度を反映したものとなる。逆に、図6のグラフを用いて検出ヘッド43の温度から、気体の真空度を推定することができる。そして、図6のグラフに基づいて、温度センサ44で取得される温度情報から気体の真空度を推定する。
また、予め設定されている真空度閾値情報65は、比較器66に出力される。ここで、真空度閾値を検出ヘッド温度−81℃と設定すると、1×10-1Paまで真空が劣化したことを検出する。この時、分解能は、150eV以下で要求を満たしている。
比較器66は、これら2つの情報を比較し、検出ヘッド43の環境となる気体の真空度が真空度閾値を越える際に、ゲッターポンプ47をオンにする信号を所定時間だけゲッターポンプ47に出力する。
つづいて、制御部10の真空度調整処理を、図7を用いて説明する。図7は、制御部10の真空度調整処理を示すフローチャートである。なお、この真空度調整処理は、X線検出装置4のX線分析を行う主ルーチン動作に、適宜割り込み処理されるものである。
まず、制御部10は、温度センサ44により検出ヘッド43の温度を計測する(ステップS701)。ここで、制御部10は、検出ヘッド43の温度が臨界温度を超えるかどうかを判定する(ステップS702)。そして、臨界温度を超える場合には(ステップS702肯定)、検出ヘッド43の半導体検出素子51およびFET52が破損する恐れがあるので、高圧電源5のオンを禁止してから(ステップS703)、次のステップに移行する。
また、制御部10は、臨界温度を超えない場合には(ステップS702否定)、この温度から、図6に示すグラフのデータを用いて、容器41の真空度を推定する(ステップS704)。
その後、制御部10は、比較器66により、真空度の推定値が真空度閾値情報65の閾値をこえるかどうかを判定する(ステップS705)。制御部10は、真空度の推定値が閾値を越える場合には(ステップS705肯定)、真空度の向上を計る。ここで、X線検出器4が測定中かどうかを判定し(ステップS706)、測定中である場合には(ステップS706肯定)、測定が終了する迄待機する。また、X線検出器4が測定中でない場合には(ステップS706否定)、主ルーチンにポンピングの開始を通知し(ステップS707)、同時に高圧電源5をオフにし(ステップS708)、X線検出器4が測定禁止の状態とする。
その後、制御部10は、ゲッターポンプ47を所定時間の間だけオンとし(ステップS709)、真空度の向上を計る。なお、、ゲッターポンプ47のオン時間は、概ね10分程度である。そして、制御部10は、ゲッターポンプ47をオフにした後に、主ルーチンにポンピング終了の通知を行い(ステップS710)、ステップS701に移行し、再度温度の計測を行う。
また、制御部10は、真空度の推定値が閾値を越えない場合には(ステップS705否定)、設定された分解能を有するスペクトル波形が取得される状態に検出ヘッド43があるので、そのまま主ルーチンに移行する。
上述してきたように、本実施の形態では、検出ヘッド43の温度センサ44からの温度情報に基づいて、検出ヘッド43が内蔵される容器41内の真空度を推定し、この真空度が、設定されたスペクトル波形の分解能を低下させる真空度を超えない様に、逐次ゲッターポンプ47をオンオフし、真空度を維持することとしているので、別途イオンポンプを設けることなく、簡易に真空度の測定およびこの測定に基づいた真空度の調整を行い、信頼性の高いX線検出器4とすることができ、ひいては製品価格の低下とともにイオンポンプの起動時に生じる動作不可時間を無くし真空度の自動制御を行うことができる。
また、本実施の形態では、X線検出器4をエネルギー分散型蛍光X線分析装置で用いる例を示したが、全く同様にエネルギー分散型X線分析装置で用いることもできる。エネルギー分散型X線分析装置を用いる場合には、試料3に電子線が照射され、この電子線により試料3から発生される特性X線が、X線検出器4により検出される。
X線検出器の電気的な構成を示すブロック図である。 エネルギー分散型蛍光X線分析装置の全体構成を示す図である。 1次X線を試料に照射するときに発生するX線のエネルギー分布を示す図である。 X線検出器の機械的な構成を示す断面図である。 分解能および検出ヘッド温度の関係を示す図である。 真空度および検出ヘッド温度の関係を示す図である。 X線検出器の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 X線管用高圧電源
2 X線管
3 試料
4 X線検出器
5 高圧電源
6 パルスプロセッサ
8 データメモリ
9 コンピュータシステム
10 制御部
41 容器
42 X線窓
43 検出ヘッド
44 温度センサ
45 ペルチェ素子
46 プリアンプ
47 ゲッターポンプ
48 水冷ポンプ
50 スイッチ
51 半導体検出素子
53 キャパシタ
54 増幅器
62 臨界温度情報
63、66 比較器
65 真空度閾値情報

Claims (5)

  1. X線を検出する半導体検出素子と、
    前記半導体検出素子から出力される電荷を電圧に変換する積分器の入力段を構成する電界効果トランジスタと、
    近接して配設される前記半導体および前記電界効果トランジスタを熱的に接続し、保持する検出ヘッドと、
    前記検出ヘッドを冷却するペルチェ素子と、
    前記検出ヘッドの温度を計測する温度センサと、
    前記検出ヘッド、前記ペルチェ素子および前記温度センサを内蔵する容器と、
    前記容器の内部を真空に保つ真空ポンプと、
    前記計測される温度情報に基づいて、前記容器の真空度を推定し、前記真空ポンプのオンオフにより前記真空度を制御する制御部を備えることを特徴とするX線検出器。
  2. 前記真空ポンプは、ゲッターポンプのみであることを特徴とする請求項1に記載のX線検出器。
  3. 前記ペルチェ素子は、前記冷却の放熱方向に多段構造を有することを特徴とする請求項1あるいは2のいずれか1つに記載のX線検出器。
  4. 前記容器は、前記ペルチェ素子が接合する内壁に対応する外壁部分に冷却装置を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のX線検出器。
  5. 前記制御部は、前記計測される温度情報に基づいて、前記半導体検出素子をX線の検出状態とするバイアス電圧をオンオフすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のX線検出器。
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