JP2015064329A - 絶縁寿命評価方法および絶縁寿命評価装置 - Google Patents

絶縁寿命評価方法および絶縁寿命評価装置 Download PDF

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Kunihiko Tajiri
邦彦 田尻
健一 菅
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健一 菅
崇夫 釣本
Takao Tsurimoto
崇夫 釣本
塩田 裕基
Hironori Shioda
裕基 塩田
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Abstract

【課題】被測定物の発熱量により被測定物の絶縁寿命を確実に判定することができる絶縁寿命評価装置を提供する。
【解決手段】絶縁媒体3が充填され、被測定物8を設置する断熱容器1と、断熱容器1内で被測定物8に所定の周波数および所定の電圧値の高電圧を印加する高電圧発生部2と、断熱容器1内で絶縁媒体3の温度を測定する熱電対温度計9と、熱電対温度計9で測定した温度データから被測定物8に所定の高電圧が印加された被測定物8の発熱量を導出し、この発熱量を基準測定物に対する発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して絶縁寿命を判定する解析装置4とを備えたものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、被測定物の絶縁寿命を評価する絶縁寿命評価方法および絶縁寿命評価装置に関し、特に、電力機器、特にパワーモジュール等の高電圧機器の絶縁寿命を確実に評価できるものである。
近年、電気エネルギーの効率的利用のための電力機器としてパワーモジュールの需要が高まっている。このパワーモジュールには電極部に高電圧が印加されるため、高い絶縁信頼性が要求される。しかし、製造過程や駆動時の発熱の影響等により絶縁欠陥が発生する場合がある。このような絶縁欠陥は、高電圧印加状態での部分放電やリーク電流を測定することによって検出することができる。しかし、絶縁寿命を評価することはできない。
従来の電気機器等の内部絶縁欠陥の検出方法および検出装置としては、欠陥により生じる発熱の熱流を利用した方法および装置がある。これは、被測定物の発熱で生じる熱流の周波数成分を熱伝導率センサーによって測定する。そして、測定した発熱による熱流の発生累積回数によって、内部絶縁欠陥の有無を判定する(例えば、特許文献1参照)。
特開平2−221876号公報
従来の絶縁寿命評価方法および絶縁寿命評価装置は、部分放電により発生する熱流の周波数成分を測定し発熱の有無を検出できるが、絶縁寿命の原因となる発熱を定量的に検出できないため絶縁寿命を評価することができないという問題点があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、パワーモジュール等の電力機器の絶縁寿命を評価する絶縁寿命評価方法および絶縁寿命評価装置を提供することを目的とする。
この発明の第1の絶縁寿命評価方法は、被測定物に対して所定の周波数および所定の電圧値が決定された高電圧を印加する工程と、被測定物の発熱による絶縁媒体の温度変化を測定する工程と、絶縁媒体の温度変化から被測定物の発熱量を導出し、被測定物の発熱量を、基準測定物に対する発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して、絶縁破壊時間を判定する工程と、を備えたものである。
この発明の第2の絶縁寿命評価方法は、被測定物に対して所定の周波数と電圧値とに制御された高電圧を印加する工程と、被測定物にX線を照射する工程と、高電圧が印加され且つX線が照射された被測定物の発熱による被測定物の周囲にある絶縁媒体の温度変化を測定する工程と、絶縁媒体の温度変化から被測定物の発熱量を算出する工程と、算出された被測定物の発熱量を、基準測定物における発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して、被測定物の絶縁寿命を求める工程とを備えたものである。
この発明の第3の絶縁寿命評価方法は、一定時間待った後に、高電圧が印加された被測定物の発熱による被測定物の周囲にある絶縁媒体の温度変化を測定するSd3b工程と、絶縁媒体の温度変化から被測定物の発熱量を算出するSd4工程と、絶縁媒体の温度変化に基づき絶縁媒体を冷却するSd5工程と、Sd3bからSd5までの工程を複数回繰返すSd6工程と、算出された被測定物の発熱量の合計を、基準測定物における発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して、被測定物の絶縁寿命を求めるSd7工程とを備えたものである。
この発明の第4の絶縁寿命評価方法は、一定時間待った後に、高電圧が印加され且つX線が照射された被測定物の発熱による被測定物の周囲にある絶縁媒体の温度変化を測定するSd3工程と、絶縁媒体の温度変化から被測定物の発熱量を算出するSd4工程と、絶縁媒体の温度変化に基づき絶縁媒体を冷却するSd5工程と、Sd3からSd5までの工程を複数回繰返すSd6工程と、算出された被測定物の発熱量の合計を、基準測定物における発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して、被測定物の絶縁寿命を求めるSd7工程とを備えたものである。
この発明の第5の絶縁寿命評価方法は、一定時間待った後に、高電圧が印加された被測定物の発熱による被測定物の周囲にある絶縁媒体の温度変化を測定するSe3b工程と、絶縁媒体の温度変化に基づき絶縁媒体を冷却するSe4工程と、絶縁媒体の冷却に必要なエネルギーから被測定物の発熱量を算出するSe5工程と、Se3bからSe5までの工程を複数回繰返すSe6工程と、算出された被測定物の発熱量の合計を、基準測定物における発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して、被測定物の絶縁寿命を求めるSe7工程とを備えたものである。
この発明の第6の絶縁寿命評価方法は、一定時間待った後に、高電圧が印加され且つX線が照射された被測定物の発熱による被測定物の周囲にある絶縁媒体の温度変化を測定するSe3工程と、絶縁媒体の温度変化に基づき絶縁媒体を冷却するSe4工程と、絶縁媒体の冷却に必要なエネルギーから被測定物の発熱量を算出するSe5工程と、Se3からSe5までの工程を複数回繰返すSe6工程と、算出された被測定物の発熱量の合計を、基準測定物における発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して、被測定物の絶縁寿命を求めるSe7工程とを備えたものである。
この発明の第1の絶縁寿命評価装置は、絶縁媒体が充填されており且つ被測定物を設置する断熱容器と、断熱容器内にて被測定物に対して所定の周波数および所定の電圧値が決定された高電圧を印加する高電圧発生部と、断熱容器内にて絶縁媒体の温度を測定する測定部と、測定部にて測定した温度データから被測定物に所定の周波数および大きさが決定された高電圧を印加した際の被測定物の発熱量を導出し、発熱量を、基準測定物に対する発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して絶縁寿命を判定する解析装置とを備えたものである。
この発明の第2の絶縁寿命評価装置は、被測定物が設置される断熱容器と、断熱容器内に設置された被測定物に高電圧を印加する高電圧発生部と、被測定物にX線を照射するX線照射装置と、断熱容器内に充填され且つ被測定物の発熱により温度が上昇する絶縁媒体と、絶縁媒体の温度変化を測定する温度検出器と、温度検出器の温度データに基づき、被測定物の発熱量を算出するとともに、発熱量を、予め取得しておいた基準測定物の発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して絶縁寿命を推定する解析装置と、被測定物の接地線における断熱容器の外部にある部分に設けられた電流検出器とを備えたものである。
この発明の第3の絶縁寿命評価装置は、絶縁媒体が充填されており且つ被測定物を設置する断熱容器と、断熱容器内にて被測定物に対して所定の周波数および所定の電圧値が決定された高電圧を印加する高電圧発生部と、断熱容器内にて絶縁媒体の温度を測定する測定部と、断熱容器内に、断熱容器の側壁の内周面に接して設置されている冷却装置と、冷却装置の駆動エネルギーを求めるエネルギー計測部と、冷却装置による絶縁媒体の冷却を制御するとともに、駆動エネルギーから被測定物の発熱量を算出して発熱量を基準測定物に対する発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して絶縁寿命を判定する解析装置とを備えたものである。
この発明の第4の絶縁寿命評価装置は、被測定物が設置される断熱容器と、断熱容器内に設置された被測定物に高電圧を印加する高電圧発生部と、被測定物にX線を照射するX線照射装置と、断熱容器内に充填され且つ被測定物の発熱により温度が上昇する絶縁媒体と、絶縁媒体の温度変化を測定する温度検出器と、断熱容器内に、断熱容器の側壁の内周面に接して設置されている冷却装置と、冷却装置の駆動エネルギーを求めるエネルギー計測部と、冷却装置による絶縁媒体の冷却を制御するとともに、駆動エネルギーから被測定物の発熱量を算出して発熱量を予め取得しておいた基準測定物の発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して絶縁寿命を推定する解析装置と、被測定物の接地線における断熱容器の外部にある部分に設けられた電流検出器とを備えたものである。
この発明の絶縁寿命評価方法および絶縁寿命評価装置は、上記のように行われ構成されているため、被測定物の発熱量により被測定物の絶縁寿命を確実に判定することができる。
本発明の実施の形態1に係わる被測定物の絶縁寿命評価装置の構成を示す模式図である。 図1における絶縁寿命評価装置の絶縁寿命評価方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1における発熱量と絶縁破壊時間との相関の絶縁寿命推定曲線を示した模式図である。 本発明の実施の形態1における、被測定物に通常値の電圧を印加した場合(a)と通常値より高い電圧を印加した場合(b)との部分放電の発生状態を示す模式図である。 本発明の実施の形態1における被測定物に商用周波数の電圧を印加した場合(a)と商用周波数より高い周波数の電圧を印加した場合(b)との部分放電の発生状態を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係わる絶縁寿命評価装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係わる絶縁寿命評価方法を説明するフローチャートの図である。 本発明の実施の形態2に係わる絶縁寿命評価装置および絶縁寿命評価方法で用いられる絶縁寿命推定曲線を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係わる絶縁寿命評価装置において、基準サンプルにX線を照射しない場合(a)と基準サンプルにX線を照射した場合(b)との絶縁寿命推定曲線のばらつきを示す模式図である。 本発明の実施の形態3に係わる絶縁寿命評価装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態4に係わる絶縁寿命評価装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態4に係わる絶縁寿命評価装置のX線照射制御部の動作を説明するフローチャートの図である。 本発明の実施の形態5に係わる絶縁寿命評価装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態5に係わる絶縁寿命評価方法を説明するフローチャートの図である。 絶縁寿命評価装置および絶縁寿命評価方法において、断熱容器内の絶縁媒体の温度と断熱容器の外部温度との差が大きい場合の問題点を説明する図である。 本発明の実施の形態6に係わる絶縁寿命評価装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態6に係わる絶縁寿命評価方法を説明するフローチャートの図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態に係る電力機器等の絶縁寿命評価方法および絶縁寿命評価装置について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係わる被測定物の絶縁寿命評価装置の構成を示す模式図である。
図2は、図1における絶縁寿命評価装置の絶縁寿命評価方法を示すフローチャートである。
図1において、本実施の形態の絶縁寿命評価装置50は、絶縁媒体3が充填され、被測定物8が設置される断熱容器1と、断熱容器1内に設置された被測定物8に高電圧を印加する高電圧発生部2と、断熱容器1内に配置された被測定物8の発熱による絶縁媒体3の温度上昇を測定する熱電対温度計9と、この熱電対温度計9の温度データの出力の経時変化を記録するデータロガー6と、データロガー6に記録された熱電対温度計9の温度データに基づき、被測定物8の発熱量を解析して、予め基準測定物にて取得しておいた発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線との比較により絶縁寿命を判定する解析部としての解析装置4と、断熱容器1の外部で、被測定物8の接地線に設けられた電流検出器7と、この電流検出器7の出力をモニターしかつ解析装置4に接続されたオシロスコープ5とを備えている。
高電圧発生部2は、高電圧を発生する高電圧電源2aと、この高電圧電源2aが発生する電圧値と周波数とを制御する電圧制御部2bとを備え、所定の周波数および所定の電圧値が決定された高電圧を被測定物8に印加できるものである。
熱電対温度計9は、絶縁媒体3の温度上昇を測定して被測定物8の温度を測定する測定部である。電流検出器7は、被測定物8に発生した部分放電を検出する検出部である。
被測定物8とは、高電圧が印加されるパワーモジュール等の電力機器が想定される。
熱電対温度計9は、温度識別するための測定部の一例であり、これに限られることは無く、温度を識別することができるものであれば他の種類のものでもよく、断熱容器1の内側と外側との熱流入出が問題とならず、断熱状態を維持することができるものであればよい。
また、絶縁媒体3は、断熱容器1内の絶縁を維持したままで、被測定物8の発熱による温度変化を熱電対温度計9に伝えることができる液体または気体または固体を用いる。
上記のように構成された実施の形態1の絶縁寿命評価装置50の動作について説明する。
まず、絶縁媒体3が充填された断熱容器1内に被測定物8を設置する。
次に、電圧制御部2bで所定の大きさと周波数とに制御された高電圧を高電圧電源2aによって発生させ、被測定物8に所定の周波数および大きさが決定された高電圧を印加する。
そして、熱電対温度計9は、高電圧が印加されている被測定物8の発熱による絶縁媒体3の温度上昇を測定する。そして、この温度データをデータロガー6に供給して保存する。
そして、解析装置4はデータロガー6に保存された温度データから被測定物8の発熱量を導出する。そして、解析装置4は、基準測定物に対する発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線から、測定した被測定物8の発熱量に対する絶縁破壊時間を判定する。
次に、基準測定物に対する発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1における発熱量と絶縁破壊時間との相関の絶縁寿命推定曲線を示した模式図である。
この絶縁寿命推定曲線は、被測定物の基準サンプルとなる基準測定物を準備し、この基準測定物に対して、絶縁破壊に至るまでの電圧印加時間(以下、「絶縁破壊時間」とする)と発熱量との関係を取得する。
尚、基準測定物は、その後の使用状態において不具合が発生しないことが確認できたものを選択し、発熱量と絶縁破壊時間との関係を取得し絶縁寿命推定曲線を得ることができる。または、被測定物と同様のものを基準測定物として例えば100個用意し、発熱量と絶縁破壊時間との関係をそれぞれ取得し、ワイブル分布などの統計処理から絶縁寿命推定曲線を得ることができる。または、被測定物の材料の特性や構造パラメータを用いて、理論的に算出される、絶縁破壊時間と発熱量との関係を基準測定物の絶縁寿命推定曲線としてもよい。
次に、基準測定物の絶縁破壊時間と発熱量との関係の取得についての具体例について、図1を交えて説明する。
まず、基準測定物を被測定物と同様に、絶縁媒体3が充填された断熱容器1内に設定する。次に、電圧制御部2bで所定の電圧値と所定の周波数とに制御された高電圧を高電圧電源2aによって発生させ、基準測定物に周波数および電圧値が決定された高電圧を印加する。そして、熱電対温度計9は、高電圧が印加されている基準測定物の発熱による絶縁媒体3の温度上昇を測定する。そして、この温度データをデータロガー6に供給して保存する。
次に、解析装置4は、基準測定物の絶縁破壊に至るまでの絶縁破壊時間を測定する。尚、この基準測定物の絶縁破壊は、基準測定物が短絡することにより判断することができる。
次に、解析装置4はデータロガー6に保存された温度データから基準測定物の発熱量を導出する。そして、このような測定を複数値の周波数および電圧値が決定された高電圧に対して行う。
そして、基準測定物に対する発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線を図3に示すように作成する。尚、基準測定物に対する発熱量とは、絶縁破壊時間までの、ある単位時間あたりの発熱量でもよいし、電流検出器7によって測定した部分放電の発生回数を用いて、部分放電1回あたりまたは任意の部分放電の回数あたりの発熱量としてもよい。
次に、被測定物の絶縁寿命評価方法について図1および図2に基づいて説明する。
R1ステップでは、高電圧電源2aにより被測定物8に所定の周波数および所定の電圧値が決定された高電圧を印加する。
次のR2ステップでは、熱電対温度計9により被測定物8の発熱による絶縁媒体3の温度変化を測定しデータロガー6に保存する。
次のR3ステップでは、熱電対温度計9の測定結果に基づいて、解析装置4は、被測定物8の発熱量を導出し、図3に示すような、予め取得しておいた発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較し、絶縁寿命を判定する。
ここで、被測定物8の発熱量は、ある単位時間あたりの発熱量でもよいし、電流検出器7によって測定した部分放電の発生回数を用いて、部分放電1回あたりまたは任意の部分放電の回数あたりの発熱量としてもよい。尚、この測定に関することは、基準測定物に対する発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線においても同様に設定されているものである。
また、ここでいう、被測定物8に所定の高電圧の電圧値と周波数とは、被測定物8の実機運転状態の値を設定することが考えられる。また、加速試験を実施するために、発熱量を大きくして評価時間を短くすることが考えられる。よって、絶縁寿命評価に必要となる値が所定の周波数および所定の電圧値が決定された高電圧として設定されるものである。
被測定物8の温度上昇は、被測定物8で発生した部分放電によるものである。そして、その被測定物8の温度上昇にともない絶縁媒体3の温度が上がることになる。そして、解析装置4によって被測定物8の発熱量が検出される。
ここで、印加電圧と部分放電との関係について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1における、被測定物に通常値の電圧を印加した場合(a)と通常値より高い電圧を印加した場合(b)との部分放電の発生状態を示す模式図である。
図4において、wは印加電圧波形を示し、dは部分放電信号を示し、Eは電圧を示し、tは時間を示している。被測定物に印加する通常値の電圧としては、例えば、被試験体の実機駆動時の電圧値が挙げられる。
図4に示すように印加電圧値を大きくする(図4(a)より図4(b)が印加電圧値が大きい)と、1サイクルあたりの部分放電回数、すなわち、単位時間あたりの部分放電回数が増加する。
図5は、本発明の実施の形態1における被測定物に商用周波数の電圧を印加した場合(a)と商用周波数より高い周波数の電圧を印加した場合(b)との部分放電の発生状態を示す模式図である。
図5において、wは印加電圧波形を示し、dは部分放電信号を示し、Eは電圧を示し、tは時間を示している。商用周波数は、50Hzあるいは60Hzであり、商用周波数より高い周波数としては、例えば100kHzが挙げられる。
図5に示すように、50Hzあるいは60Hzの商用周波(図5(a))よりも大きな100kHzの高周波(図5(b))の電圧を印加することにより、単位時間あたりの電圧印加回数を増やし、部分放電の発生回数を増やすことができる。
さらに、これらを組み合わせて、印加電圧値の大きさと周波数の両方を制御することにより、部分放電の発生回数を増やすこともできる。
したがって、部分放電の発生回数を増加させることで被測定物8の発熱量を大きくすることができ、被測定物8の温度上昇を検出しやすくすることができる。よって、このことを考慮に入れて、所定の周波数および所定の電圧値が決定された高電圧を設定することが可能となる。
上記のように構成された実施の形態1の絶縁寿命評価方法および絶縁寿命評価装置50によれば、被測定物に高電圧を印加したときの、絶縁寿命の原因となる被測定物の発熱量を断熱状態によって定量的に評価することができる。
よって、予め取得しておいた基準測定物の発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線から、パワーモジュール等の電力機器である被測定物の絶縁寿命を評価することが可能となる。そして、開発段階で絶縁寿命を延ばすための対応策を講じること、また、製品検査では絶縁欠陥により必要な絶縁寿命を満たさないものを検出し不良と判定することができる。
よって、パワーモジュール等の電力機器である被測定物の絶縁信頼性を向上させることができる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係わる絶縁寿命評価装置の構成を示す模式図である。
図6に示すように、本実施の形態の絶縁寿命評価装置100は、被測定物8が設置される断熱容器1aと、断熱容器1a内に設置された被測定物8に高電圧を印加する高電圧発生部2と、被測定物8にX線11を照射するX線照射装置10と、X線が透過する部分である断熱容器1aの蓋12と、断熱容器1a内に充填され且つ被測定物8の発熱により温度が上昇する絶縁媒体3と、絶縁媒体3の温度上昇を測定する熱電対温度計9と、熱電対温度計9の温度データの出力の経時変化を記録するデータロガー6と、データロガー6に記録された熱電対温度計9の温度データに基づき、被測定物8の発熱量を算出するとともに、この発熱量を、予め取得しておいた基準測定物の発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して絶縁寿命を推定する解析装置4と、被測定物8の接地線20における断熱容器1aの外部にある部分に設けられた電流検出器7と、電流検出器7の出力をモニターするとともに、解析装置4と接続しているオシロスコープ5と、を備えている。
高電圧発生部2は、高電圧を発生する高電圧電源2aと、この高電圧電源2aが発生する電圧と周波数とを制御する電圧制御部2bとを備え、所定の周波数と電圧値とに決定された高電圧を被測定物8に印加するものである。
断熱容器の蓋12は、透過するX線の減衰が少ないもので構成されている。X線照射装置10は、放射したX線が、断熱容器の蓋12を透過して断熱容器1a内の被測定物8に照射されるように配設されている。すなわち、X線照射装置10の照射面10aが、断熱容器の蓋面12aと対向するように配置されている。
本実施の形態では、絶縁媒体3の温度上昇を測定する温度検出器として、熱電対温度計9を例示しているが、その他の種類の温度検出器であっても良い。特に、温度検出器には、断熱容器1aの内側と外側との熱流入出が問題とならず、断熱状態を維持することができるものを用いることが望ましい。
絶縁媒体3には、断熱容器1a内の絶縁を維持したままで被測定物8の発熱による温度変化を熱電対温度計9に伝えることができる、液体または気体または固体を用いることが望ましい。
解析装置4は、基準データ保持部(図示せず)と解析部(図示せず)とを備えている。基準データ保持部は、予め取得した、被測定物の基準サンプルの、発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線を保持する部分である。解析部は、データロガー6に保存された温度データから被測定物8の発熱量を算出するとともに、この発熱量を予め基準データ保持部に保持された絶縁寿命推定曲線と比較し、被測定物8の絶縁寿命を推定して求める部分である。
電流検出器7は、被測定物8に発生した部分放電を検出する検出部であり、部分放電をモニターするオシロスコープ5を介して解析装置4と電気的に接続している。
被測定物8としては、高電圧が印加される電力機器としての、例えばパワーモジュール等が想定される。
本実施の形態の絶縁寿命評価装置100の動作について説明する。
まず、高電圧発生部2が、高電圧電源2aで発生する、電圧制御部2bで電圧値と周波数とが制御された高電圧を、絶縁媒体3を充填した断熱容器1a内に設置された被測定物8に、印加する。
併せて、X線照射装置10が、X線11を発生し、断熱容器1a内に設置された被測定物8へ、X線11を照射する。
次に、熱電対温度計9が、X線11が照射されるとともに高電圧が印加された被測定物8の部分放電による発熱に起因する、絶縁媒体3の温度上昇を測定し、この温度データをデータロガー6に供給し、データロガー6が温度データを保存する。
また、電流検出器7が、被測定物8で生じた部分放電による電流信号を測定し、この電流信号をオシロスコープ5と解析装置4とに供給する。
次に、解析装置4が、データロガー6に保存された温度データから被測定物8の発熱量を、解析部で算出するとともに、この発熱量を予め基準データ保持部に保持された絶縁寿命推定曲線と比較し、被測定物8の絶縁寿命を解析部で推定して求める。
図7は、本発明の実施の形態2に係わる絶縁寿命評価方法を説明するフローチャートの図である。
図7に示すように、本実施の形態の絶縁寿命評価方法は、以下に示す各工程を順次行うことにより行われる。
S1工程では、高電圧電源2aで、断熱容器1a内に設置された被測定物8に、所定の電圧値と周波数との高電圧を印加する。
S2工程では、X線照射装置10で、高電圧が印加された被測定物8にX線11を照射する。
S3工程では、熱電対温度計9で、高電圧が印加され且つX線11が照射された被測定物8の部分放電による発熱に起因する絶縁媒体3の温度変化を測定し、この温度データをデータロガー6に保存する。
S4工程では、解析装置4の解析部で、データロガー6に保存した温度データから被測定物8の発熱量を算出する。
S5工程では、算出された被測定物8の発熱量を、解析装置4の基準データ保持部に保存している絶縁寿命推定曲線と比較し、被測定物8の絶縁寿命を推定して求める。
基準サンプルの発熱量と絶縁破壊時間との関係を示す絶縁寿命推定曲線について説明する。
絶縁寿命推定曲線は、例えば、以下に示す手順で求めることができる。
まず、被測定物の基準サンプルを準備し、これを、絶縁寿命評価装置100の、絶縁媒体3が充填された断熱容器1a内に設置する。
次に、基準サンプルに、高電圧発生部2で高電圧を印加するとともに、X線照射装置10でX線11を照射する。
次に、一定時間Tcの、高電圧印加とX線照射とが行われた基準サンプルの部分放電による発熱に起因する絶縁媒体3の温度上昇を、熱電対温度計9で測定し、この温度データをデータロガー6に供給して保存する。
次に、解析装置4で、データロガー6に保存された温度データから、一定時間Tcの高電圧印加とX線照射とがなされた基準サンプルの発熱量(基準発熱量と記す)Qcを算出する。
次に、基準サンプルへの、高電圧印加とX線照射とを継続し、部分放電で生じる接地線20に流れる電流を、電流検出器7で測定する。
次に、電流検出器7が絶縁破壊による異常電流を検出すると、この電流検出器7からの異常電流による信号に基づき、解析装置4が、基準サンプルが絶縁破壊したと判断し、基準サンプルの絶縁破壊に至るまでの時間(絶縁破壊時間と記す)τを算出する。すなわち、この絶縁破壊時間τが、試験に供した基準サンプルの絶縁寿命である。
尚、絶縁破壊時間τを求める基準サンプルには、基準発熱量Qcを求める、一定時間Tcの高電圧印加とX線照射とでは、不具合を発生しないものが用いられる。
絶縁寿命推定曲線は、複数の基準サンプルを用いて上記のようにして求めた、複数の絶縁破壊時間τに対して各基準発熱量Qcをプロットすることにより得ることができる。
図8は、本発明の実施の形態2に係わる絶縁寿命評価装置および絶縁寿命評価方法で用いられる絶縁寿命推定曲線を示す模式図である。
図8において、横軸は基準サンプルの絶縁破壊時間τであり、縦軸は基準発熱量Qcであり、Lは絶縁寿命推定曲線である。
また、絶縁寿命推定曲線は、被測定物と同様のものを、例えば100個用意し、絶縁破壊時間τと基準発熱量Qcとの関係をそれぞれ取得し、ワイブル分布などの統計処理から得ることができる。
また、被測定物の材料の特性や構造パラメータを用いて、理論的に算出される、絶縁破壊時間と発熱量との関係を、絶縁寿命推定曲線としても良い。
上記のようにして得られた絶縁寿命推定曲線Lを用いて、被測定物8の絶縁寿命τsを推定して求める方法について説明する。
まず、本実施の形態の絶縁寿命評価装置100および絶縁寿命評価方法を用い、基準サンプルの基準発熱量Qcを求めた時間Tcと同じ時間、実機運転状態と同じ電圧値と周波数との高電圧を被測定物8に印加した場合の発熱量(被測定物の測定発熱量と記す)Qsを求める。この時、被測定物8には、X線11も同時に照射される。
次に、図8に示すように、縦軸上の被測定物の測定発熱量Qsを、横軸と平行に移動させて絶縁寿命推定曲線Lと交わる交点Cから、被測定物8の絶縁寿命τsを推定して求める。
本実施の形態の絶縁寿命評価装置100と絶縁寿命評価方法とによる、被測定物8であるパワーモジュール等の電力機器の絶縁寿命評価は、被測定物8に高電圧を印加した時に発生する部分放電に起因する発熱量に基づいて、行われる。
それ故、発熱量の測定精度向上、すなわち絶縁寿命評価の精度向上の点から、一定回数以上の部分放電により累積された発熱量を測定する必要があり、被測定物の測定発熱量Qsを求めるためには、ある程度の時間、被測定物8に高電圧を印加することが不可欠である。すなわち、被測定物の測定発熱量Qsを求めるための高電圧印加時間は、ある程度長くなる。
本実施の形態においても、図4に示した実施の形態の1の場合と同様に、印加電圧を通常値より高くすると、1サイクルあたりの部分放電回数、すなわち、単位時間あたりの部分放電回数が増加する。
被測定物に印加する通常値の電圧としては、例えば、被測定物の実機駆動時の電圧値が挙げられる。
本実施の形態においても、図5に示した実施の形態の1の場合と同様に、印加電圧を商用周波より高くすると、単位時間あたりの部分放電回数が増加する。
商用周波数は、50Hzあるいは60Hzであり、商用周波数より高い周波数としては、例えば100kHzが挙げられる。
このようなことより、本実施の形態の絶縁寿命評価装置100と絶縁寿命評価方法とにおいて、(イ)被測定物8に印加する高電圧の電圧値を実機運転状態のものより高くすると、1サイクルあたりの部分放電回数、すなわち時間あたりの部分放電回数nが増加して、発熱量が増加する。
また、(ロ)被測定物8に印加する高電圧の周波数を実機運転状態のものより高くすると、時間当たりの部分放電回数nが増加して、発熱量が増加する。
また、(ハ)被測定物8に印加する高電圧の電圧値と周波数との両方を実機運転状態のものより大きくすると、(イ)と(ロ)との場合より、時間当たりの部分放電回数nがさらに増加し、発熱量が増加する。
すなわち、(イ)と(ロ)と(ハ)との場合は、時間当たりの発熱量が増加するので、Tcより短時間の高電圧印加で、被測定物の測定発熱量Qsを精度良く求めることができ、絶縁寿命を求める時間を短縮し、パワーモジュール等の電力機器の絶縁寿命評価の効率化が図れる。
本実施の形態の絶縁寿命評価装置100では、X線照射装置10を備え、高電圧が印加された被測定物8にX線を照射することができるようになっており、X線照射により絶縁破壊時間τのばらつきを抑制できる。
本実施の形態の絶縁寿命評価装置100において、基準サンプルにX線を照射した場合、絶縁破壊時間τのばらつきが抑制される機構について説明する。
固体絶縁物内部に空隙などの欠陥(ボイドと記す)が存在する機器に対して高電圧を印加すると、ボイドに電界が集中し、ボイド内部で局所的な放電が発生する。これが部分放電である。
電圧印加により、ボイドで部分放電が開始するには、ボイドの中またはボイド表面に初期電子の供給が必要である。このボイドへ初期電子を供給するメカニズムとしては、自然高エネルギー放射粒子の気体中での光電離、絶縁体バルク内での光電離とそれに引き続く光電子のボイド内への供給、ボイド表面からの電界放出等がある。
すなわち、ボイドで部分放電が開始するに必要な初期電子を供給するメカニズムが、上記のようなものであるので、電力機器へ電圧を印加してから初期電子が供給されるまでに時間遅れが発生する。また、初期電子供給は確率的な事象であり、ボイドでの部分放電開始に、時間遅れあるいはばらつきが発生する。
それゆえ、この部分放電劣化開始の遅れあるいはばらつきにより、絶縁破壊時間にばらつきを生じる。
しかし、固体絶縁物内部にボイドが存在する機器に対して高電圧を印加する場合に、X線を照射すると、ボイドに初期電子を供給し、X線照射直後から部分放電を引き起こす。
すなわち、部分放電劣化開始の、遅れあるいはばらつきを防止して、絶縁破壊時間のばらつきを低減する。
図9は、本発明の実施の形態2に係わる絶縁寿命評価装置において、基準サンプルにX線を照射しない場合(a)と基準サンプルにX線を照射した場合(b)との絶縁寿命推定曲線のばらつきを示す模式図である。
図9には、基準サンプルにX線を照射しない場合とX線を照射した場合との、同じ基準発熱量値Fにおける絶縁破壊時間値のばらつき幅Mを示している。
図9(a)に示すように、基準サンプルにX線を照射しない場合は、得られる絶縁寿命推定曲線Lのばらつき幅Mが大きい。それに対して、図9(b)に示すように、基準サンプルにX線を照射した場合は、得られる絶縁寿命推定曲線Lのばらつき幅Mを小さくでき、精度の高い絶縁寿命の推定が可能になる。
また、本実施の形態の絶縁寿命評価装置において、被測定物8に高電圧を印加する場合に、X線を照射すると、X線照射直後から被測定物8に部分放電を発生させるので、寿命推定に必要な、被測定物の測定発熱量を得るための時間を短縮でき、パワーモジュール等の電力機器の絶縁寿命評価の効率化が図れる。
本実施の形態の絶縁寿命評価装置および絶縁寿命評価方法によれば、被測定物に高電圧を印加したときの、絶縁劣化の原因となる部分放電に起因する被測定物の発熱量を、断熱状態で定量的に求めることができる。
したがって、予め取得しておいた基準測定物の発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線Lから、電力機器、特にパワーモジュール等の高電圧機器の被測定物の絶縁寿命を求めることが可能となる。
また、開発中のパワーモジュール等の電力機器の絶縁寿命を求めることができるので、開発段階で絶縁寿命を延ばすための対応策を講じることが可能となる。
また、製品検査に用いると、絶縁欠陥により必要な絶縁寿命を満たさないものを検出し、不良と判断することができる。
すなわち、電力機器、特にパワーモジュール等の高電圧機器の絶縁信頼性を向上させることができる。
また、高電圧印加のときにX線を照射するので、ばらつきの少ない絶縁寿命推定曲線を得ることができ、被測定物の寿命を精度良く求めることができるとともに、電圧印加時間を短縮でき、パワーモジュール等の電力機器の絶縁寿命評価の効率化が図れる。
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3に係わる絶縁寿命評価装置の構成を示す模式図である。
図10に示すように、本実施の形態の絶縁寿命評価装置200は、X線照射装置10が、照射面10aに、照射するX線11を絞る孔(X線絞り孔と記す)13aを有する遮蔽体13が設置されており、X線絞り孔13aの位置が、被測定物8の被照射面と平行な方向に移動できるようになっている以外、実施の形態2の絶縁寿命評価装置100と同様である。
そして、X線絞り孔13aは、絞られたX線11の放射孔となっている。
X線絞り孔13aの位置を、被測定物8の被照射面と平行な方向に移動させる手段としては、例えば、遮蔽体13が設置されたX線照射装置10を遮蔽体13ごと移動すること、あるいは遮蔽体13のみを移動することが挙げられる。
遮蔽体13のみを移動する場合は、図示しないが、遮蔽体13の面積を照射面10aの面積より大きくして、X線絞り孔13aの位置を移動しても、X線絞り孔13a以外の部分からX線11が漏れないようにしている。
本実施の形態の絶縁寿命評価装置200は、X線11の放射孔となるX線絞り孔13aの位置を、被測定物8の被照射面と平行な方向に移動できるようになっているので、被測定物8の限定された領域(限定領域と記す)にX線11を照射できるとともに、被測定物8のX線11が照射される限定領域を、被測定物8内で移動できる。
そこで、被測定物8において、X線11が照射されている限定領域を移動させながら、電流検出器7により部分放電で生じる電流信号をモニターし、部分放電の発生を検出すると、被測定物8の、ボイドに起因する部分放電発生箇所を特定することができる。
すなわち、本実施の形態の絶縁寿命評価装置200は、短時間の電圧印加にて、被測定物8におけるボイドの部分放電発生箇所を限定することができる。
そこで、パワーモジュール等の電力機器の、実機駆動時の電圧および絶縁性能評価時に印加される試験電圧で部分放電が発生する不具合品において、部分放電が発生する箇所を短時間で特定することが可能であり、パワーモジュール等の電力機器の不具合に対する対応を容易にする。
また、本実施の形態の絶縁寿命評価装置200は、実施の形態2の絶縁寿命評価装置100と同様な作用効果も奏する。
実施の形態4.
図11は、本発明の実施の形態4に係わる絶縁寿命評価装置の構成を示す模式図である。
図11に示すように、本実施の形態の絶縁寿命評価装置300は、X線照射装置10と接続しているX線照射制御部14を備えており、X線照射制御部14が、電流検出器7で検出した部分放電電流の信号を一定時間累積して求めた部分放電回数のデータに基づき、X線照射装置10のX線照射強度を制御する以外、実施の形態2の絶縁寿命評価装置100と同様である。
電流検出器7からの信号は、オシロスコープ5を介してX線照射制御部14に入力される。
本実施の形態の絶縁寿命評価装置300における、X線照射制御部14の動作について説明する。
図12は、本発明の実施の形態4に係わる絶縁寿命評価装置のX線照射制御部の動作を説明するフローチャートの図である。
図12に示すように、まず、高電圧発生部2が被測定物8に高電圧を印加するとともに、X線照射装置10が被測定物8へX線11を照射する。
X線照射制御部14の動作のSc1工程は、X線照射制御部14が、電流検出器7で検出した部分放電電流の信号を一定時間累積して求める部分放電回数のデータを算出する。
Sc2工程は、X線照射制御部14が、算出した部分放電回数のデータを、予め取得しておいた印加電圧と部分放電回数の基準値と比較し、部分放電回数が基準値より多いかどうか判定する。
Sc3工程は、X線照射制御部14が、被測定物8の部分放電回数が基準値より多いと判断すると、X線照射強度を弱める信号をX線照射装置10に出力して、X線照射装置10のX線照射強度を弱める。
Sc4工程は、X線照射制御部14が、被測定物8の部分放電回数が基準値より多くないと判断すると、被測定物8の部分放電発生回数が基準値より少ないかどうかを判定する。
Sc5工程は、X線照射制御部14が、被測定物8の部分放電回数が基準値より少ないと判断すると、X線照射強度を強める信号をX線照射装置10に出力して、X線照射装置10のX線照射強度を強める。
Sc6工程は、X線照射制御部14が、被測定物8の部分放電回数が基準値より少なくないと判断すると、X線照射強度を一定時間維持する信号をX線照射装置10に出力して、X線照射装置10のX線照射強度を一定時間維持する。
また、Sc3工程でX線照射強度を弱めた後と、Sc5工程でX線照射強度を強めた後と、Sc6工程でX線照射強度を一定時間維持した後とは、各々、Sc1工程に戻り、再度、X線照射制御部14が、電流検出器7で検出した部分放電電流の信号を一定時間累積して求める部分放電回数のデータを算出する。
本実施の形態の絶縁寿命評価装置300は、X線照射装置10のX線11の照射強度を制御するX線照射制御部14を備えており、X線11の照射強度を絶縁寿命評価で必要な最小限に制御できるので、X線照射装置10で消費される電力を抑制するとともに、X線照射装置10の使用寿命を長くでき、絶縁寿命評価のコストを低減できる。
また、本実施の形態の絶縁寿命評価装置300は、実施の形態2の絶縁寿命評価装置100と同様な作用効果も奏する。
また、本実施の形態のX線照射制御部14は、実施の形態3の絶縁寿命評価装置200にも適用でき、実施の形態3の絶縁寿命評価装置200に、本実施の形態の絶縁寿命評価装置300と同様な作用効果を持たせることができる。
実施の形態5.
図13は、本発明の実施の形態5に係わる絶縁寿命評価装置の構成を示す模式図である。
図13に示すように、本実施の形態の絶縁寿命評価装置400は、断熱容器1内に断熱容器1の側壁の内周面に接して冷却装置15が設置されており、解析装置4dが、冷却装置15による絶縁媒体3の冷却を制御する機能も有している以外、実施の形態2の絶縁寿命評価装置100と同様である。
冷却装置15は、断熱容器1aの断熱性を阻害しないレベルの断熱性を有する。
本実施の形態における絶縁寿命評価装置400の解析装置4dは、実施の形態2の解析装置4と同様の機能を有するとともに、データロガー6に保存されている温度データに基づき、冷却装置15に信号を送出する。
解析装置4dからの信号により、冷却装置15が被測定物8の発熱に起因する絶縁媒体3の温度上昇分を冷却する。
次に、本実施の形態の絶縁寿命評価装置400の動作について説明する。
まず、高電圧発生部2が、高電圧電源2aで発生する、電圧制御部2bで電圧値と周波数とが制御された高電圧を、絶縁媒体3を充填した断熱容器1a内に設置された被測定物8に、印加する。
併せて、X線照射装置10が、X線11を発生し、断熱容器1a内に設置された被測定物8へ、X線11を照射する。
次に、一定時間待った後に、熱電対温度計9が、X線11が照射されるとともに高電圧が印加された被測定物8の部分放電による発熱に起因する、絶縁媒体3の温度上昇を測定し、この温度データをデータロガー6に供給し、データロガー6が温度データを保存する。
また、電流検出器7が、被測定物8で生じた部分放電による電流信号を測定し、この電流信号をオシロスコープ5と解析装置4dとに供給する。
次に、解析装置4dが、データロガー6に保存された温度データから被測定物8の発熱量を、解析部で算出する。
次に、解析装置4dが、データロガー6に保存されている温度データに基づき、冷却装置15に信号を送出して、冷却装置15が被測定物8の発熱に起因する絶縁媒体3の温度上昇分を冷却する。
次に、絶縁媒体3の冷却後、一定時間待って、再度、被測定物8で生じた部分放電による電流信号を測定するとともに、絶縁媒体3の温度上昇を測定し、この温度データから、被測定物8の発熱量を算出する。また、冷却装置15が絶縁媒体3の温度上昇分を冷却する。
次に、このようにして繰返して算出した被測定物8の発熱量の合計を、予め基準データ保持部に保持された絶縁寿命推定曲線と比較し、被測定物8の絶縁寿命を解析部で推定して求める。
図14は、本発明の実施の形態5に係わる絶縁寿命評価方法を説明するフローチャートの図である。
図14に示すように、本実施の形態の絶縁寿命評価方法は、以下に示す各工程を順次行うことにより行われる。
Sd1工程では、高電圧電源2aで、断熱容器1a内に設置された被測定物8に、所定の電圧値と周波数との高電圧を印加する。
Sd2工程では、X線照射装置10で、高電圧が印加された被測定物8にX線11を照射する。
Sd3工程では、一定時間待った後に、熱電対温度計9で、高電圧が印加され且つX線11が照射された被測定物8の部分放電による発熱に起因する絶縁媒体3の温度変化を測定し、この温度データをデータロガー6に保存する。
Sd4工程では、解析装置4dの解析部で、データロガー6に保存した温度データから被測定物8の発熱量を算出する。
Sd5工程では、データロガー6に保存されている温度データに基づく解析装置4dからの信号で制御されて、冷却装置15が絶縁媒体3を冷却する。
Sd6工程では、Sd3からSd5までの工程を複数回繰返して行う。
Sd7工程では、繰返して算出された被測定物8の発熱量の合計を、解析装置4dの基準データ保持部に保存している絶縁寿命推定曲線と比較し、被測定物8の絶縁寿命を推定して求める。
本実施の形態の絶縁寿命評価装置および絶縁寿命評価方法は、実施の形態2の絶縁寿命評価装置および絶縁寿命評価方法と同様の効果を奏するとともに、以下に示す効果も奏する。
図15は、絶縁寿命評価装置および絶縁寿命評価方法において、断熱容器内の絶縁媒体の温度と断熱容器の外部温度との差が大きい場合の問題点を説明する図である。
図15(a)は、被測定物8の発熱Qoが大きくなく、断熱容器1a内の絶縁媒体3の温度θiが、断熱容器1aの外部温度θoと、ほぼ同じである場合である。
図15(b)は、被測定物8の発熱Qoが大きく、断熱容器1a内の絶縁媒体3の温度θiが、断熱容器1aの外部温度θoより、かなり高い場合である。
図15(a)に示すように、断熱容器1a内の絶縁媒体3の温度θiが、断熱容器1aの外部温度θoと、ほぼ同じであると、断熱容器1a内から断熱容器1a外への流出する熱(流出熱と記す)Qfがほとんどない。すなわち、熱損失がほとんどないので、被測定物8の発熱量を精度良く求めることができる。
しかし、図15(b)に示すように、断熱容器1a内の絶縁媒体3の温度θiが、かなり高くなり、絶縁媒体3の温度θiと断熱容器1aの外部温度θoとの温度差が断熱容器1aの断熱性能を超えると、流出熱Qfが大きくなる。すなわち、熱損失が大きく、被測定物8の発熱量を精度良く求めることができない。
本実施の形態の絶縁寿命評価装置400および絶縁寿命評価方法では、例え、被測定物8の発熱量が大きくても、冷却装置15が被測定物8の発熱に起因する絶縁媒体3の温度上昇分を冷却するので、断熱容器1a内の絶縁媒体3の温度と断熱容器1aの外部温度との差が抑制されている。
それゆえ、被測定物8の発熱量が断熱容器1aから流出するのを抑えられ、被測定物8の発熱量を精度良く測定することができ、高精度の絶縁寿命評価が可能である。
本実施の形態において、高電圧が印加されるとともにX線11が照射された後に待つ一定時間とは、上昇していく絶縁媒体3の温度θiと断熱容器1aの外部温度θoとの温度差が、断熱容器1aの断熱性能を超えない範囲の時間である。
本実施の形態の、冷却装置15と、冷却装置15による絶縁媒体3の冷却を制御する機能も有する解析装置4dとは、実施の形態1と実施の形態3と実施の形態4とのいずれの絶縁寿命評価装置にも適用でき、同様の効果を奏する。
本実施の形態の絶縁寿命評価方法において、被測定物にX線を照射する工程を省くとともに、Sd3工程にかえて、一定時間待った後に、熱電対温度計9で、高電圧が印加された被測定物8の部分放電による発熱に起因する絶縁媒体3の温度変化を測定し、この温度データをデータロガー6に保存するSd3b工程を用いても、同様の効果を奏する。
実施の形態6.
図16は、本発明の実施の形態6に係わる絶縁寿命評価装置の構成を示す模式図である。
図16に示すように、本実施の形態の絶縁寿命評価装置500は、絶縁媒体3の温度上昇分を冷却するに必要な冷却装置15の駆動エネルギーを求めるエネルギー計測部15aを備えており、解析装置4eが、被測定物8の発熱量を、データロガー6に保存された温度データからではなく、エネルギー計測部15aで求めた冷却装置15の駆動エネルギーから算出する以外、実施の形態5の絶縁寿命評価装置400と同様である。
図17は、本発明の実施の形態6に係わる絶縁寿命評価方法を説明するフローチャートの図である。
図17に示すように、本実施の形態の絶縁寿命評価方法は、以下に示す各工程を順次行うことにより行われる。
Se1工程では、高電圧電源2aで、断熱容器1a内に設置された被測定物8に、所定の電圧値と周波数との高電圧を印加する。
Se2工程では、X線照射装置10で、高電圧が印加された被測定物8にX線11を照射する。
Se3工程では、一定時間待った後に、熱電対温度計9で、高電圧が印加され且つX線11が照射された被測定物8の部分放電による発熱に起因する絶縁媒体3の温度変化を測定し、この温度データをデータロガー6に保存する。
Se4工程では、データロガー6に保存されている温度データに基づく解析装置4eからの信号で制御されて、冷却装置15が絶縁媒体3を冷却する。
Se5工程では、解析装置4eで、エネルギー計測部15aで求めた冷却装置15が冷却に必要な駆動エネルギーから被測定物8の発熱量を算出する。
Se6工程では、Se3からSe5までの工程を複数回繰返す。
Se7工程では、繰返して算出された被測定物8の発熱量の合計を、解析装置4の基準データ保持部に保存している絶縁寿命推定曲線と比較し、被測定物8の絶縁寿命を推定して求める。
本実施の形態の絶縁寿命評価装置500および絶縁寿命評価方法では、被測定物8の発熱に起因する絶縁媒体3の温度上昇分を冷却する冷却装置15を備えているので、実施の形態5の絶縁寿命評価装置400および絶縁寿命評価方法と同様な効果を有する。
本実施の形態では、エネルギー計測部15aを、冷却装置15の内部あるいは解析装置4の内部に設けても良い。
本実施の形態の、冷却装置15と、冷却装置15の駆動エネルギーを求めるエネルギー計測部15aと、冷却装置による絶縁媒体3の冷却を制御する機能および被測定物8の発熱量をエネルギー計測部15aで求めた冷却装置15の駆動エネルギーから算出する機能も有する解析装置4eとは、実施の形態1と実施の形態3と実施の形態4とのいずれの絶縁寿命評価装置に適用でき、同様の効果を奏する。
本実施の形態の絶縁寿命評価方法において、被測定物にX線を照射する工程を省くとともに、Se3工程にかえて、一定時間待った後に、熱電対温度計9で、高電圧が印加された被測定物8の部分放電による発熱に起因する絶縁媒体3の温度変化を測定し、この温度データをデータロガー6に保存するSe3b工程を用いても、同様の効果を奏する。
本発明において、パワーモジュールとは、SiまたはSiCチップ等全てのチップを搭載したシリコーンゲル封止の高電圧機種、エポキシ樹脂のトランスファー成型によるモールド型モジュール等、全ての半導体モジュールに適用することが可能である。
尚、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
本発明に係わる絶縁寿命評価方法および絶縁寿命評価装置は、高電圧を印加した場合の被測定物の発熱量から、絶縁寿命を評価するものであり、高信頼性が要求されるパワーモジュール等の電力機器の評価に用いられる。
1,1a 断熱容器、2 高電圧発生部、2a 高電圧電源、2b 電圧制御部、
3 絶縁媒体、4,4d,4e 解析装置、5 オシロスコープ、6 データロガー、
7 電流検出器、8 被測定物、9 熱電対温度計、10 X線照射装置、
10a 照射面、11 X線、12 蓋、12a 蓋面、13 遮蔽体、
13a X線絞り孔、14 X線照射制御部、15 冷却装置、
15a エネルギー計測部、20 接地線、
50,100,200,300,400,500 絶縁寿命評価装置。

Claims (16)

  1. 被測定物に対して所定の周波数および所定の電圧値が決定された高電圧を印加する工程と、
    上記被測定物の発熱による絶縁媒体の温度変化を測定する工程と、
    上記絶縁媒体の温度変化から上記被測定物の発熱量を導出し、上記被測定物の発熱量を、基準測定物に対する発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して、絶縁破壊時間を判定する工程と、を備えた絶縁寿命評価方法。
  2. 上記基準測定物に対して周波数および電圧値が決定された高電圧を印加する工程と、
    上記基準測定物の発熱量を測定する工程と、上記基準測定物の絶縁破壊に至るまでの絶縁破壊時間を測定する工程とを、複数値の上記高電圧に対して行い、上記基準測定物に対する発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す上記絶縁寿命推定曲線を作成することを特徴とする請求項1に記載の絶縁寿命評価方法。
  3. 被測定物に対して所定の周波数と電圧値とに制御された高電圧を印加する工程と、
    上記被測定物にX線を照射する工程と、
    上記高電圧が印加され且つ上記X線が照射された被測定物の発熱による上記被測定物の周囲にある絶縁媒体の温度変化を測定する工程と、
    上記絶縁媒体の温度変化から上記被測定物の発熱量を算出する工程と、
    上記算出された被測定物の発熱量を、基準測定物における発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して、上記被測定物の絶縁寿命を求める工程と、を備えた絶縁寿命評価方法。
  4. 被測定物に対して所定の周波数と電圧値とに制御された高電圧を印加するSd1工程と、
    一定時間待った後に、上記高電圧が印加された被測定物の発熱による上記被測定物の周囲にある絶縁媒体の温度変化を測定するSd3b工程と、
    上記絶縁媒体の温度変化から上記被測定物の発熱量を算出するSd4工程と、
    上記絶縁媒体の温度変化に基づき上記絶縁媒体を冷却するSd5工程と、
    上記Sd3bからSd5までの工程を複数回繰返すSd6工程と、
    上記算出された被測定物の発熱量の合計を、基準測定物における発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して、上記被測定物の絶縁寿命を求めるSd7工程と、を備えた絶縁寿命評価方法。
  5. 被測定物に対して所定の周波数と電圧値とに制御された高電圧を印加するSd1工程と、
    上記被測定物にX線を照射するSd2工程と、
    一定時間待った後に、上記高電圧が印加され且つ上記X線が照射された被測定物の発熱による上記被測定物の周囲にある絶縁媒体の温度変化を測定するSd3工程と、
    上記絶縁媒体の温度変化から上記被測定物の発熱量を算出するSd4工程と、
    上記絶縁媒体の温度変化に基づき上記絶縁媒体を冷却するSd5工程と、
    上記Sd3からSd5までの工程を複数回繰返すSd6工程と、
    上記算出された被測定物の発熱量の合計を、基準測定物における発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して、上記被測定物の絶縁寿命を求めるSd7工程と、を備えた絶縁寿命評価方法。
  6. 被測定物に対して所定の周波数と電圧値とに制御された高電圧を印加するSe1工程と、
    一定時間待った後に、上記高電圧が印加された被測定物の発熱による上記被測定物の周囲にある絶縁媒体の温度変化を測定するSe3b工程と、
    上記絶縁媒体の温度変化に基づき上記絶縁媒体を冷却するSe4工程と、
    上記絶縁媒体の冷却に必要なエネルギーから上記被測定物の発熱量を算出するSe5工程と、
    上記Se3bからSe5までの工程を複数回繰返すSe6工程と、
    上記算出された被測定物の発熱量の合計を、基準測定物における発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して、上記被測定物の絶縁寿命を求めるSe7工程と、を備えた絶縁寿命評価方法。
  7. 被測定物に対して所定の周波数と電圧値とに制御された高電圧を印加するSe1工程と、
    上記被測定物にX線を照射するSe2工程と、
    一定時間待った後に、上記高電圧が印加され且つ上記X線が照射された被測定物の発熱による上記被測定物の周囲にある絶縁媒体の温度変化を測定するSe3工程と、
    上記絶縁媒体の温度変化に基づき上記絶縁媒体を冷却するSe4工程と、
    上記絶縁媒体の冷却に必要なエネルギーから上記被測定物の発熱量を算出するSe5工程と、
    上記Se3からSe5までの工程を複数回繰返すSe6工程と、
    上記算出された被測定物の発熱量の合計を、基準測定物における発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して、上記被測定物の絶縁寿命を求めるSe7工程と、を備えた絶縁寿命評価方法。
  8. 上記周波数および上記電圧値の少なくとも1つを通常の値より高くした高電圧を上記被測定物に印加することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の絶縁寿命評価方法。
  9. 絶縁媒体が充填されており且つ被測定物を設置する断熱容器と、上記断熱容器内にて上記被測定物に対して所定の周波数および所定の電圧値が決定された高電圧を印加する高電圧発生部と、上記断熱容器内にて上記絶縁媒体の温度を測定する測定部と、上記測定部にて測定した温度データから上記被測定物に上記所定の周波数および大きさが決定された高電圧を印加した際の上記被測定物の発熱量を導出し、上記発熱量を、基準測定物に対する発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して絶縁寿命を判定する解析装置と、を備えた絶縁寿命評価装置。
  10. 被測定物が設置される断熱容器と、上記断熱容器内に設置された上記被測定物に高電圧を印加する高電圧発生部と、上記被測定物にX線を照射するX線照射装置と、上記断熱容器内に充填され且つ上記被測定物の発熱により温度が上昇する絶縁媒体と、上記絶縁媒体の温度変化を測定する温度検出器と、上記温度検出器の温度データに基づき、上記被測定物の発熱量を算出するとともに、上記発熱量を、予め取得しておいた基準測定物の発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して絶縁寿命を推定する解析装置と、上記被測定物の接地線における上記断熱容器の外部にある部分に設けられた電流検出器と、を備えている絶縁寿命評価装置。
  11. 上記X線照射装置が、その照射面に、上記照射するX線を絞る孔を有する遮蔽体を設置しており、上記X線絞り孔の位置を、上記被測定物の被照射面と平行な方向に移動できるようになっていることを特徴とする請求項10に記載の絶縁寿命評価装置。
  12. 上記X線照射装置と接続しているX線照射制御部を備えており、上記X線照射制御部が、上記電流検出器で検出した部分放電電流の信号を一定時間累積して求めた部分放電回数のデータに基づき、上記X線照射装置のX線照射強度を制御することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の絶縁寿命評価装置。
  13. 上記X線照射制御部が、上記部分放電回数のデータを、予め取得しておいた印加電圧と部分放電回数の基準値と比較することにより、上記X線照射装置のX線照射強度を制御することを特徴とする請求項12に記載の絶縁寿命評価装置。
  14. 上記断熱容器内に、上記断熱容器の側壁の内周面に接して冷却装置が設置されており、上記解析装置が、上記冷却装置による上記絶縁媒体の冷却も制御する機能も有していることを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の絶縁寿命評価装置。
  15. 絶縁媒体が充填されており且つ被測定物を設置する断熱容器と、上記断熱容器内にて上記被測定物に対して所定の周波数および所定の電圧値が決定された高電圧を印加する高電圧発生部と、上記断熱容器内にて上記絶縁媒体の温度を測定する測定部と、上記断熱容器内に、上記断熱容器の側壁の内周面に接して設置されている冷却装置と、上記冷却装置の駆動エネルギーを求めるエネルギー計測部と、上記冷却装置による上記絶縁媒体の冷却を制御するとともに、上記駆動エネルギーから上記被測定物の発熱量を算出して上記発熱量を基準測定物に対する発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して絶縁寿命を判定する解析装置と、を備えた絶縁寿命評価装置。
  16. 被測定物が設置される断熱容器と、上記断熱容器内に設置された上記被測定物に高電圧を印加する高電圧発生部と、上記被測定物にX線を照射するX線照射装置と、上記断熱容器内に充填され且つ上記被測定物の発熱により温度が上昇する絶縁媒体と、上記絶縁媒体の温度変化を測定する温度検出器と、上記断熱容器内に、上記断熱容器の側壁の内周面に接して設置されている冷却装置と、上記冷却装置の駆動エネルギーを求めるエネルギー計測部と、上記冷却装置による上記絶縁媒体の冷却を制御するとともに、上記駆動エネルギーから上記被測定物の発熱量を算出して上記発熱量を予め取得しておいた基準測定物の発熱量と絶縁破壊時間との相関を示す絶縁寿命推定曲線と比較して絶縁寿命を推定する解析装置と、上記被測定物の接地線における上記断熱容器の外部にある部分に設けられた電流検出器と、を備えている絶縁寿命評価装置。
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