JP2005307674A - シールド掘進機のカッターヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 シールド掘進機のカッタービットを切換える機構を、小口径のシールド掘進機に対しても適用可能な簡単な構造にし、安全に容易にカッタービットを交換可能にする。【解決手段】 シールド掘進機のカッターヘッド2の複数のカッタースポークのうちの少なくとも一つは、半径方向外側へいく程前方へ移行するように傾斜した傾斜方向に伸縮可能な伸縮カッタースポーク30に構成し、この伸縮カッタースポーク30は、カッターヘッド2のセンターフレーム28に一体的に固着され且つ前記傾斜方向へ傾斜した傾斜状支持スポーク36と、この傾斜状支持スポーク36にスライド自在に嵌合装着され且つ複数のカッタービットが装備された可動スポーク39と、前記可動スポーク39を傾斜状支持スポーク36に沿って進退移動可能な油圧ジャッキ40とを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、シールド掘進機のカッターヘッドに関し、特にカッターヘッドに設けた複数のカッタースポークのうち少なくとも一つは伸縮可能なカッタースポークを備え、そのカッタースポークの伸縮により、カッタービットの切換えを可能にしたものに関する。
シールド掘進機は各種シールド坑(上下水道用トンネル、地下鉄用トンネル、通信ケーブル用トンネル、共同溝用トンネル等)をシールド工法により構築するための掘削装置として広く実用に供されている。
近年では、シールド掘進機により長距離掘削を行うことが多く、その際地盤中の砂利や礫や岩等によってカッタービットが磨耗し、カッターヘッド自体の掘削能力が低下するため、掘削作業を一時中断して磨耗したカッタービットを交換する必要が生じる。
また、長距離掘削を行う場合には、掘削対象の地盤の土質が種々変化するケースが多いことから、土質に応じて複数種類のカッタービットを使い分ける必要も生じる。
このようなカッタービットの交換は、種々の方法で行うことができるが、例えば作業者が切羽に出てカッタースポーク内に入り、カッタービットを手動にて交換する方法や特許文献1に開示された方法がある。
特許文献1に記載されたシールド掘進機においては、6本のカッタースポークのうちの3本の回転式カッタースポークは、そのスポーク軸心回りに回転可能に構成され、この回転式カッタースポークの3つの面には複数のカッタービットが付設されている。カッタースポーク内周側基端部を支持するセンターフレーム内に突出する回転駆動部が設けられ、その回転駆動部をセンターフレーム内側から回転させる為の油圧トルクレンチが設けられている。カッタービットが磨耗した場合には、センターフレーム内から油圧トルクレンチで回転駆動部を120度回転させて、カッタースポークを120度回転させることにより、カッタースポークの面を切換えて、カッタービットを切換える。こうして、作業者は切羽に出ることなく、カッタービットを交換することができる
特開平11−350877号公報
しかし、作業者がカッタースポーク内に入って、カッタービットを人手により交換する方式では、作業者が作業できるだけの空間をカッタースポーク内に設ける必要があるため、小口径シールド掘進機には適用することができない。
特許文献1のシールド掘進機のカッタービット交換装置においては、センターフレームを大型化しなければならないので、小口径シールド掘進機に適用することは難しい。
小口径シールド掘進機のカッターヘッドに、複雑な構造のカッタービット交換装置を装備しようとすると、スペース上余裕がないため装置をコンパクト化する必要がある。
そのため、小さな部品を使用したり部品点数を削減したりする必要があるので、カッタービット交換装置に余計な負荷がかかり、不具合が発生する可能性が高くなる。
本発明の目的は、シールド掘進機のカッターヘッドにおいて、小口径のシールド掘進機に対しても適用可能なカッタービット交換装置を実現すること、簡単な構造のカッタービット交換装置を実現すること、安全に容易にカッタービットを交換可能なカッタービット交換装置を実現すること、などである。
請求項1のシールド掘進機のカッターヘッドは、夫々複数のカッタービットが設けられた複数のカッタースポークを備えたシールド掘進機のカッターヘッドにおいて、前記複数のカッタースポークのうち少なくとも一つは、半径方向外側へいく程前方へ移行するように傾斜した傾斜方向に伸縮可能な伸縮カッタースポークに構成されたことを特徴とするものである。
掘削開始時には、伸縮カッタースポークを縮径状態又は拡径状態にしておき、長距離掘削などによりカッタービットが磨耗して掘削能力が低下した場合や、掘削対象の地盤の土質が変わったために掘削能力が低下したような場合に、伸縮カッタースポークを伸張させた拡径状態又は収縮させた縮径状態にすることで、カッタービットを適したものに切換えることができる。
請求項2のシールド掘進機のカッターヘッドは、請求項1の発明において、前記伸縮カッタースポークは、カッターヘッドのセンターフレームに一体的に固着され且つ前記傾斜方向へ傾斜した傾斜状支持スポークと、この傾斜状支持スポークにスライド自在に嵌合装着され且つ複数のカッタービットが装備された可動スポークと、前記可動スポークを傾斜状支持スポークに沿って進退移動可能な移動駆動手段とを備えたことを特徴とするものである。
請求項3のシールド掘進機のカッターヘッドは、請求項2の発明において、前記可動スポークを後退位置に保持した状態では、その可動スポークの複数のカッタービットの先端が、前記可動スポーク以外のカッタースポークの複数のカッタービットの先端よりも後退した位置を保持し、前記可動スポークを前進位置に保持した状態では、その可動スポークの複数のカッタービットの先端が、前記可動スポーク以外のカッタースポークの複数のカッタービットの先端よりも前進した位置を保持することを特徴とするものである。
請求項4のシールド掘進機のカッターヘッドは、請求項2又は3の発明において、前記傾斜状支持スポークの半径方向外側の外端部は、カッターヘッドの外周よりも内径側位置にあることを特徴とするものである。
請求項5のシールド掘進機のカッターヘッドは、請求項4の発明において、前記移動駆動手段は、傾斜状支持スポークと可動スポークの内部に装着された油圧ジャッキを有することを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、シールド掘進機のカッターヘッドの少なくとも一つは半径方向外側へいく程前方へ移行するように傾斜した傾斜方向に伸縮可能な伸縮カッタースポークに構成されているので、長距離掘削等によりカッタービットが磨耗した場合や、土質に応じてカッタービットを使い分けたいような場合には、伸縮カッタースポークを伸縮させることによって、カッタービットの切換えを容易に行うことができる。
請求項2の発明によれば、伸縮カッタースポークは、カッターヘッドのセンターフレームに一体的に固着され且つ傾斜方向へ傾斜した傾斜状支持スポークと、傾斜状支持スポークにスライド自在に嵌合装着され且つ複数のカッタービットが装備された可動スポークと、可動スポークを傾斜状支持スポークに沿って進退移動可能な移動駆動手段とを備えているので、移動駆動手段によって可動スポークを傾斜状支持スポークに沿って移動させるという簡単な動作により、カッタービットの切換えを安全に簡単に行うことができる。
請求項3の発明によれば、可動スポークを後退位置に保持した状態、つまり可動スポークを収縮させた場合には、可動スポークの複数のカッタービットの先端が可動スポーク以外のカッタースポークのカッタービットの先端よりも後退した位置を保持するため、可動スポークのカッタービットは切羽から離れ、可動スポーク以外のカッタースポークのカッタービットにより切羽を掘削する。そのため、可動スポークのカッタービットは未使用のまま温存され、可動スポークのカッタービットの摩耗を防止できる。
カッタービットを切換えるために可動スポークを前進位置に保持した状態、つまり可動スポークを伸張させた場合には、可動スポークのカッタービットの先端の方が可動スポーク以外のカッタースポークのカッタービットの先端よりも前進した位置を保持するため、可動スポーク以外のカッタースポークのカッタービットは切羽から離れ、可動スポークのカッタービットが切羽を掘削する。そのため、可動スポークのカッタービットの使用開始後には、可動スポークのカッタービットが主に掘削に供されて使用されることとなり、可動スポーク以外のカッタービットによる掘削トルクの増加を防止できる。
請求項4の発明によれば、傾斜状支持スポークの半径方向外側の外端部は、カッターヘッドの外周よりも内径側にあることから、可動スポークの移動ストロークを確保し、傾斜状支持スポークと可動スポークとからなる伸縮カッタースポーク自体のコンパクト化を図ることができる。
請求項5の発明によれば、移動駆動手段が油圧ジャッキからなり、油圧ジャッキを傾斜状支持スポークと可動スポークの内部に装着したので、油圧ジャッキを装着する為のスペースを特に設ける必要がなく、カッターヘッドのコンパクト化を図ることができる。
本発明のシールド掘進機のカッターヘッドは、夫々複数のカッタービットが設けられた複数のカッタースポークを備えたシールド掘進機のカッターヘッドにおいて、前記複数のカッタースポークのうち少なくとも一つは、半径方向外側へいく程前方へ移行するように傾斜した傾斜方向に伸縮可能な伸縮カッタースポークに構成されている。
次に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、比較的小口径のシールド掘進機に本発明を適応した場合の一例であり、最初に、シールド掘進機の全体構造について簡単に説明し、その後本願特有のカッターヘッドについて説明する。尚、掘進方向を前方として説明する。
図1に示すように、このシールド掘進機1は、カッターヘッド2、隔壁3で仕切られたチャンバー4、前胴5、この前胴5に中折れ部6を介して連結された後胴7、後胴7の後瑞に一体的に連結されたテール部胴8、後胴7の内側に摺動自在に設けられた摺動胴9と環状フレーム10などを含む可動フレーム11、環状ウェブ12および牽引梁フレーム13などを有する。
このシールド掘進機1は、種々の装備品として、複数のカッター駆動モータ14、泥水式排土設備の送水管15と配水管16とバイパス管17、複数の中折れジャッキ18、摺動胴9の内面付近に配設された複数のシールドジャッキ19、可動フレーム11に対して掘進機本体を前進移動させる複数の摺動ジャッキ20、可動フレーム11に装備されセグメントの組み付けを行うエレクタ装置21、エレクタ装置21にセグメントを受け渡すセグメント受け渡し装置22、トンネル内をセグメントを搬送して来てセグメント受け渡し装置22に供給するセグメント供給装置23、図示略の後方台車を牽引梁フレーム13に連結する牽引部材24、最前列のセグメントの形状を保持する第1セグメント形状保持装置25、次列のセグメントの形状を保持する第2セグメント形状保持装置26などを有する。その他の一般的な装備品についての説明は省略する。
このシールド掘進機1は、シールド掘進機を前進移動させながらトンネルを掘進する作業と並行的に、エレクタ装置21によるセグメント27の組み付けを行う同時掘進型の掘進機である。それ故、このシールド掘進機1は、可動フレーム11と、複数の摺動ジャッキ20とを備えており、複数のシールドジャッキ19は、覆工済のセグメントに掘進反力をとって可動フレーム11を後退しないように支持する機能と掘進機本体を前進移動させる機能を有する。複数の摺動ジャッキ20は、トンネル掘進時には図1の状態からロッドを伸張させることにより可動フレーム11に対して掘進機本体を前後移動させる。尚、掘進機本体は、図1のシールド掘進機における、可動フレーム11と複数のシールドジャッキ19とエレクタ装置21以外の全体である。
このシールド掘進機1により、トンネルを掘削する際には、カッターヘッド2を回転駆動しながら、排土設備により掘削土を排出し、これと並行的に掘進機本体を前進移動させることでトンネルを掘削していく。掘進機本体を前進移動させる際には、複数のシールドジャッキ19のロッドを収縮させた状態のとき複数の摺動ジャッキ20のロッドを伸張させ、それら摺動ジャッキ20のロッドの伸張後には、複数のシールドジャッキ19のロッドを伸張させながら複数の摺動ジャッキ20のロッドを収縮させるのを、繰り返して連続的に掘進機本体を前進移動させる。他方、エレクタ装置21によって、掘削したトンネルの内面にセグメント27を組み付けていく。
次に、カッターヘッド2について説明する。
図2に示すように、カッターヘッド2は、センターフレーム28と、半径方向に延びる2本の伸縮カッタースポーク30と、半径方向に延びる4本のカッタースポーク31と、複数の面板32,33と、多数のカッタービット34,35などを備えている。6本のカッタースポーク30,31が60度間隔に設けられている。
各カッタースポーク31の基端部はセンターフレーム28に固着され、カッタースポーク31の前面には、複数のカッタービット34,35がスポーク軸心方向に延びる3列に付設されている。各カッタースポーク31は、センターフレーム28から延びる固定スポーク31aと、固定スポーク31aに摺動自在に装着された可動スポーク31bとで構成されている。固定スポーク31aはカッターヘッド2の半径の約4/5程度の長さを有し、可動スポーク31bの掘削に供される有効部分は、カッターヘッド2の半径の約1/5程度の長さを有し、可動スポーク31bによりトンネルの外周側部分を掘削可能である。
可動スポーク31bは、固定スポーク31aと可動スポーク31bとの内部に装着された図示外の油圧ジャッキにより径方向外側に所定小距離伸張する拡径状態と、径方向内側に所定小距離収縮する縮径状態とに切換え可能に構成されている。
次に、伸縮カッタースポーク30について説明する。
図2、図3に示すように、センターフレーム28の両側に延びる1対の伸縮カッタースポーク30が設けられ、伸縮カッタースポーク30の基端部はセンターフレーム28に固着され、伸縮カッタースポーク30の前面には、複数のカッタービット34,35がスポーク軸心方向に沿って延びる3列に付設されている。
1対の伸縮カッタースポーク30は、付設されたカッタービット34,35の配置と数が異なること以外は同一構造である。伸縮カッタースポーク30は、センターフレーム28に一体的に固着された傾斜状支持スポーク36と、この傾斜状支持スポーク36にスライド自在となるように嵌合装着された可動スポーク39とを備えている。傾斜状支持スポーク36には、正面視Y形の面板33が一体的に固定されている。
傾斜状支持スポーク36は、前後に広幅でセンターフレーム28に固着されたスポーク基部37と、このスポーク基部37の後瑞から一体的に延び半径方向外側へいく程前方へ移行するように傾斜した傾斜スポーク本体38とで構成されている。傾斜スポーク本体38の外端部は、カッターヘッド2の外周よりも内径側位置にある。これは、可動スポーク39の移動ストロークを確保する為である。尚、前記の傾斜スポーク本体38の傾斜角はトンネル軸心に直交する面に対して約35度である。
可動スポーク39は、側面視ほぼ台形状で、傾斜スポーク本体38が摺動自在に挿入される摺動穴39aを有し、可動スポーク39の前面には、トンネル軸心と直交状のカッタービット取り付け面が形成され、このカッタービット取り付け面に複数のカッタービット34,35が3列に付設されている。
傾斜スポーク本体38と可動スポーク39の内部には、可動スポーク39を傾斜状支持スポーク38に沿って進退移動させるための移動駆動手段としての油圧ジャッキ40が装着されている。その油圧ジャッキ40のロッドの先端部が傾斜スポーク本体38に固定されたブラケット41にピン結合され、ジャッキ本体が固定ピン42により可動スポーク39に連結されている。油圧ジャッキ40は、図示外の油圧ホースやロータリジョイントなどを介して油圧供給源に接続されており、油圧ジャッキ40により傾斜状支持スポーク36に対して可動スポーク39を所定ストローク進退移動駆動可能である。
図3のように油圧ジャッキ40を収縮させた状態(後退位置)では、伸縮カッタースポーク30が縮径状態となり、可動スポーク39に付設された複数のカッタービット34,35の先端が、可動スポーク39以外のカッタースポーク31,37のカッタービット34,35の先端よりも後退した位置を保持する。図4に示すように、油圧ジャッキ40を伸長させた状態(前進位置)では、可動スポーク39が前側且つ外側へ移動し、伸縮カッタースポーク30が拡径状態となり、可動スポーク39に付設された複数のカッタービット34,35の先端が、可動スポーク39以外のカッタースポーク31,37のカッタービット34,35の先端よりも前進した位置を保持し、可動スポーク39の複数のカッタービット34,35が切羽を掘削する。
次に、以上説明したカッターヘッド2の作用について説明する。
トンネル掘進開始後の当分の間は、可動スポーク39を図3に示すように後退位置に保持し、可動スポーク39の複数のカッタービット34,35を切羽から所定距離(例えば、40mm程度)後退させて切羽の掘削に供しない状態に保持し、それら複数のカッタービット34,35を未使用のまま温存する。そして、カッターヘッド2を回転させながら、カッタースポーク31のカッタービット34,35と、傾斜状支持スポーク36のスポーク基部37の複数のカッタービット34,35と、センターフレーム28の複数のカッタービットにより切羽の掘削を行う。
このように、可動スポーク39を後退位置に保持する場合は、可動スポーク39のカッタービット34,35は使用されずに温存されるので、摩耗を防止することができ、カッタービット34,35を未使用状態に維持しておくことができる。
トンネルを所定の距離又は所定期間掘削して、カッタースポーク31やセンターフレーム28のカッタービット34,35が磨耗して掘削能力が低下した場合、或いは土質が変わったために掘削能力が低下した場合など、カッタービット34,35を切換える必要性が生じた場合には、可動スポーク39を前進位置に切換えることで、可動スポーク39の複数のカッタービット34,35を、可動スポーク39以外のカッタースポーク31,37のカッタービット34,35の先端よりも前進させ且つ外径側へ移動させて、切羽の掘削に供することができる。
この場合、センターフレーム28の複数のカッタービットも切羽の掘削に供される。尚、可動スポーク39を拡径させた前進位置に切換えた場合、可動スポーク39の複数のカッタービット34,35の先端は、傾斜状支持スポーク36の複数のカッタービット34,35やカッタースポーク31のカッタービット34,35の先端よりも約20mm程度前進した位置になる。
このように、カッターヘッド2のカッタービット34,35の交換に際しては、油圧ジャッキ40を伸張させることで、可動スポーク39を前方且つ外径側へ移動させて実現できるから、油圧ジャッキを遠隔操作することで簡単に安全に切換えることができる。
この場合、可動スポーク39のカッタービット34,35とセンターフレーム28のカッタービットだけが切羽の掘削に供されるため、4本のカッタースポーク31のカッタービット34,35による掘削トルクの増加を防止でき、カッターヘッド2の回転が安定する。
カッターヘッド2の構成に関しても、伸縮カッタースポーク30を設けておき、可動スポーク39を傾斜状支持スポーク36に対してスライド自在となるように嵌合装着しておき、伸縮カッタースポーク30の内部に油圧ジャッキ40を設けておけば良いので、従来のカッタービット切換え装置やカッタービット交換装置と比べて、装置の構造が格段に簡単になる。この構造は特に小型のシールド掘進機に好適である。
次に、前記実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
1)伸縮カッタースポーク30が2本の場合を例にして説明したが、伸縮カッタースポーク30を設ける数は、特に限定されるものではなく、1本でもよく、3本以上でもよい。
2)前記実施例における伸縮カッタースポーク30の傾斜角はトンネル軸心に直交する面に対して35度であったが、この傾斜角はこの角度に限定されるものではない。
3)前記伸縮カッタースポーク30の方向をセンターフレームから半径方向向きに配置しているが、伸縮カッタースポーク30の方向は前記の半径方向に限定されるものではなく、種々の方向に向けて配置することも不可能ではない。
4)前記実施例では、トンネルの掘進の開始後当分の間は、伸縮カッタースポーク30を縮径状態にして掘進するものとして説明したが、トンネルの掘進の開始後当分の間は、伸縮カッタースポーク30を拡径状態にして掘進し、その伸縮カッタースポーク30のカッタービットが摩耗した場合に、伸縮カッタースポーク30を縮径状態に切換えるようにすることもある。
5)その他、当業者であれば、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更された種々の形態を包含するものである。
本発明は、種々のトンネルを掘削するシールド掘進機に適用することができる。
本発明の実施例に係るシールド掘進機の断面図である。 カッターヘッドの正面図である。 伸縮カッタースポーク(後退位置)の断面図である。 伸縮カッタースポーク(前進位置)の断面図である。
符号の説明
1 シールド掘進機
2 カッターヘッド
28 センターフレーム
30 伸縮カッタースポーク
36 傾斜状支持スポーク
39 可動スポーク
34,35 カッタービット
40 油圧ジャッキ

Claims (5)

  1. 夫々複数のカッタービットが設けられた複数のカッタースポークを備えたシールド掘進機のカッターヘッドにおいて、
    前記複数のカッタースポークのうち少なくとも一つは、半径方向外側へいく程前方へ移行するように傾斜した傾斜方向に伸縮可能な伸縮カッタースポークに構成された
    ことを特徴とするシールド掘進機のカッターヘッド。
  2. 前記伸縮カッタースポークは、カッターヘッドのセンターフレームに一体的に固着され且つ前記傾斜方向へ傾斜した傾斜状支持スポークと、この傾斜状支持スポークにスライド自在に嵌合装着され且つ複数のカッタービットが装備された可動スポークと、前記可動スポークを傾斜状支持スポークに沿って進退移動可能な移動駆動手段とを備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載のシールド掘進機のカッターヘッド。
  3. 前記可動スポークを後退位置に保持した状態では、その可動スポークの複数のカッタービットの先端が、前記可動スポーク以外のカッタースポークの複数のカッタービットの先端よりも後退した位置を保持し、
    前記可動スポークを前進位置に保持した状態では、その可動スポークの複数のカッタービットの先端が、前記可動スポーク以外のカッタースポークの複数のカッタービットの先端よりも前進した位置を保持する
    ことを特徴とする請求項2に記載のシールド掘進機のカッターヘッド。
  4. 前記傾斜状支持スポークの半径方向外側の外端部は、カッターヘッドの外周よりも内径側位置にあることを特徴とする請求項2又は3に記載のシールド掘進機のカッターヘッド。
  5. 前記移動駆動手段は、傾斜状支持スポークと可動スポークの内部に装着された油圧ジャッキを有することを特徴とする請求項4に記載のシールド掘進機のカッターヘッド。
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