JP2005307632A - 防音壁の遮音板留め金具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第2接触部18が第3横辺部16の下端から上方に折り曲げた部分に形成されることによって、第1接触部17と第2接触部18とを結ぶ仮想線が、上記第2横辺部15の長手方向の直線よりも上方に位置している。第2縦辺部13に内側に向かって突出するビード状の突出部20が形成されている。この突出部20の上面22は平面状に形成されている。上面22の下端部から第2縦辺部13の内面に向かって、斜め下方向に向かって傾斜面21が形成されている。
【選択図】 図3
Description
しかし、上記接続部では、留め金具が上記隙間に挿入され両縦辺部間が狭められた際に、縦辺部の内面に接触した瞬間から接触抵抗が大きくなるので、接続部が下方に滑りにくい。実際には、両縦辺部間が狭められた際の方向は略水平方向(又はやや斜め下方方向)であるのに対して、接続部が滑る方向は略縦方向であり、滑る方向の作用力が小さく滑り力を得られない。
通常では、留め金具を挿入する際に第1横辺部が下方に叩き込まれるので、第1横辺部と第2横辺部との接続部は第1縦辺部の内面を接触しながら下方に強制的に下方に押し込まれ、滑ることとなる。しかし、第2横辺部と第3横辺部との接続部では、このような強制的な下方向への作用力も無く、この接続部ではしばしば滑らないことが発生していた。時には、第2縦辺部に変な力が作用して変形して、バネ力が弱くなったり、極端な場合には第2縦辺部が部分的に破損することもあった。
しかし、第1横辺部と第2横辺部との接続部が第1縦辺部の内面に対して滑りやすくなるのであり、第2横辺部と第3横辺部との接続部は、第2横辺部の内面に対して相変わらず滑りにくい状態にある。
そのため、この特許文献2においても、第2横辺部と第3横辺部との接続部が第2縦辺部の内面を滑らない状態で、無理やり第1縦辺部と第2縦辺部との間隔が狭まることとなっている。その結果、第2横辺部が座屈変形し、弾性復元力が無くなってしまう結果となっている。
防音壁の隙間に遮音板留め金具が挿入された際に、第2横辺部と第3横辺部との接続部が第2縦辺部の内面に滑らかに接触して、滑って下降する構造を提供することにある。
上記第1横辺部と上記第2横辺部との接続部が、第1縦辺部の内面に接触可能な断面略円弧状の第1接触部として形成され、上記第2横辺部と上記第3横辺部との接続部が、第2縦辺部の内面に接触可能な断面略円弧状の第2接触部として形成され、
上記第1接触部と上記第2接触部とを結ぶ仮想線が、上記第2横辺部の長手方向よりも上方に位置するように構成され、
第2縦辺部に内側に向かって突出する突出部が形成され、該突出部は該第2縦辺部の内面から斜め上方に該突出部の頂部に向かって形成された傾斜面を備え、上記第2接続部が上記第2縦辺部の内面に接触する初期には、上記傾斜面に接触して下方に滑り、この傾斜面の下側位置で第2縦辺部の内面に直接接触するように形成されている構成である。
(実施形態1)
図1ないし図5は、本発明の実施形態1に係り、留め金具を防音壁の遮音板に適用した例を示す。留め金具10が設けられた防音壁1を示し、この防音壁1は、自動車道路の両側において該自動車道路に沿った方向(図1の紙面に垂直な方向)に所定間隔をあけて立設された多数の支柱2,2,…を備えている。上記各支柱2は、H形鋼からなっていて、該支柱2の長さ方向に延びる2つの断面コ字状の溝部3,3を有し、この各溝部3の開口が自動車道路に沿った方向(防音壁1の長さ方向)を向くように立設されている。すなわち、各溝部3は、相隣接する一対の支柱2,2の対向面に形成されていることになる。
第2縦辺部13の厚み方向における上記第1縦辺部12と反対側面(自動車道路と反対側面)の上端部は、留め金具10が上記隙間に装着されたときに、上記溝部3の自動車道路と反対側の側面に当接するようになっている。
上記第1横辺部14と上記第2横辺部15との接続部に、第1縦辺部12の内面に接触可能な断面略円弧状の第1接触部17が設けられ、上記第2横辺部15と上記第3横辺部16との接続部に、第2縦辺部13の内面に接触可能な断面略円弧状の第2接触部18が設けられている。これらの第1接触部17及び第2接触部18は、滑らかな断面略円弧形状に形成されている。
第2接触部18が第3横辺部16の下端から上方に折り曲げた部分に形成されることによって、第1接触部17と第2接触部18とを結ぶ仮想線が、上記第2横辺部15の長手方向の直線よりも上方に位置している。
この実施形態は、図4に示すように、留め金具10はフリーな状態で、第1接触部17が第1縦辺部12の内面に接触し、第2接触部18が第2縦辺部13の内面から浮いている状態のものを使用する例である。
留め金具10が隙間Sに挿入され、第1横辺部14がハンマー等で叩かれて更に奥に挿入されると、第1縦辺部12と第2縦辺部13との間隔が狭くなり、まず第1接触部17が第1縦辺部12の内面に接触しながら下方に滑っていく。それにつれて、図5に示すように、第2接触部18が突出部20の傾斜面21に接触し、この傾斜面21を滑って下方に移動する。そして、第2縦辺部13の内面に移って滑っていく。
第1接触面17と第2接触面18とを接続する仮想線と傾斜面との角度θを(上記仮想線と第2縦辺部内面との角度に比較して)比較的鋭角ことができるので、第1縦辺部12と第3縦辺部13との間隔が狭められるに従って、第2接触部18が下方に滑る方向の作用力を得ることができ、スムーズに滑っていくことができる。傾斜面をスムーズに滑っている状態の延長で第2縦辺部の内面に接していくので、滑っている慣性のままで内面に接するので、この内面に対してもスムーズな滑りを得られる。
即ちこの実施形態2では、第2縦辺部13に設ける傾斜面21として、直線面21aから成り、この直線面21aの下端部が曲面21bで第2縦辺部13の内面に滑らかに接続されるようになっている。
この第2実施形態では、傾斜面から第2縦辺部13の内面への乗り移りにほとんど抵抗がなく、滑らかであり、第2接触部18が滑っていき易い。
即ちこの実施形態3では、第2縦辺部13に設ける傾斜面として、内面に滑らかに接続される一連の曲面31で形成したものである。この第3実施形態では、傾斜面から第2縦辺部13の内面への乗り移りにほとんど抵抗がなく、滑らかであり、第2接触部18が滑っていき易い。
即ちこの第4実施形態では、第2縦辺部13に設ける傾斜面21として、直線面41から成り、この直線面41が複数の傾斜面41a、41bからなるものである。傾斜面を、傾斜角度の異なる複数の傾斜面41a、41bとすることで、第2接触部18が初めに接触する傾斜面41aとはかなりの鋭角で接触し、次の傾斜面42bには少し緩やかな角度とし、初めは滑りを重視し、徐々に内面に近い角度とし、内面への乗り移りを考慮した傾斜面とすることができる。
尚、この傾斜面では、2つの傾斜面としたが、2つ限られるものではなく3つ以上としても良い。また、曲面と直線面とを組み合わせた傾斜面としても良い。
また、留め金具は、フリーな状態では、第1接触部17及び第2接触部18とも内面に接してないものであっても良い。
12 第1縦辺部
13 第2縦辺部
14 第1横辺部
15 第2横辺部
16 第3横辺部
17 第1接触部
18 第2接触部
20 突出部
21 傾斜面
23 抜け止め突起
24 補強用ビード部
Claims (9)
- 矩形状の遮音板と、この遮音板の端縁部を支持する溝部を有する支柱とを備えた防音壁において、該遮音板を該支柱の該溝部に挿入した際に該溝部と該遮音板の端縁部との隙間に装着され、弾性復元力により該遮音板を該溝部に押圧する板バネ式の留め金具であって、略上下方向に延び、上記隙間に装着されたときに、厚み方向の一方の面が上記遮音板の厚み方向における該隙間側の面に当接する第1縦辺部と、上記第1縦辺部と対向しかつ該第1縦辺部との水平距離が上側に向かって大きくなるように略上下方向に延び、上記隙間に装着されたときに、厚み方向における第1縦辺部と反対側面の上端部が上記断面コ字状溝の一方の側面に当接する第2縦辺部と、上記第2縦辺部の上端部に接続され、該上端部から上記第1縦辺部側に向かって延びる第1横辺部と、上記第1横辺部の第1縦辺部側端部に接続され、該端部から上記第2縦辺部側でかつ下側に向かって延びる第2横辺部と、上記第2横辺部の第2縦辺部側端部に接続され、該端部から上記第1縦辺部側でかつ上側に向かって延びる第3横辺部とを備え、上記第1横辺部と上記第2横辺部との接続部が、第1縦辺部の内面に接触可能な断面略円弧状の第1接触部として形成され、上記第2横辺部と上記第3横辺部との接続部が、第2縦辺部の内面に接触可能な断面略円弧状の第2接触部として形成され、上記第1接触部と上記第2接触部とを結ぶ仮想線が、上記第2横辺部の長手方向よりも上方に位置するように構成され、第2縦辺部に内側に向かって突出する突出部が形成され、該突出部は該第2縦辺部の内面から斜め上方に該突出部の頂部に向かって形成された傾斜面を備え、上記第2接続部が上記第2縦辺部の内面に接触する初期には、上記傾斜面に接触して下方に滑り、この傾斜面の下側位置で第2縦辺部の内面に直接接触するように形成されていることを特徴とする防音壁の遮音板留め金具。
- 請求項1記載の防音壁の遮音板留め金具において、上記突出部は、第2縦辺部の長手方向に延びるビード状に形成されていることを特徴とする防音壁の遮音板留め金具。
- 請求項1又は2に記載の防音壁の遮音板留め金具において、上記傾斜面から第2縦辺部の内面には滑らかな曲線で連結されていることを特徴とする。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の防音壁の遮音板留め金具において、上記傾斜面は、第2縦辺部の内面に対する傾斜角度が、第2縦辺部の内面から遠くなるに従って段々に大きくなるように多段に形成されていることを特徴とする。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の防音壁の遮音板留め金具において、上記傾斜面は、中央が第2縦辺部の内面に近接するような曲面で形成されていることを特徴とする。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の防音壁の遮音板留め金具において、第1横辺部から第2横辺部にかけて連続する補強用ビードが設けられていることを特徴とする防音壁の遮音板留め金具。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の防音壁の遮音板留め金具において、上記第2縦辺部に、上記突出部の上方位置で、上記第2縦辺部から切り欠けで形成され、先端が上記防音壁の内面に接触可能な抜け止め突起を有することを特徴とする。
- 請求項7記載の防音壁の遮音板留め金具において、上記突出部は、第2縦辺部の長手方向に延びるビード状に形成され、上記ビード状突起の一部を切り欠いで上記抜け止め突起が形成されていることを特徴とする。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の防音壁の遮音板留め金具において、留め金具がステンレス鋼板からなることを特徴とする。
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