JP2005307255A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マラマンバ鉱石を多量配合した焼結原料から、冷間強度が高い高品質の焼結鉱を高い生産性と成品歩留りで製造する。
【解決手段】 原料鉱石の一部として、水銀圧入測定法により測定される平均気孔量が0.09〜0.12cc/gの鉄鉱石Aが配合された焼結原料から焼結鉱を製造する際に、事前に、石灰分Cと鉄鉱石Aの質量比C/Aが0.12以上となるように鉄鉱石Aに石灰分Cを配合し、これらを混合又は混合・造粒した後、他の鉄鉱石を含む残りの焼結原料を加えて混合・造粒し、該造粒物を焼成する。焼結過程において、微細気孔が多い鉄鉱石Aの周囲に多量の融液が生成するため、微細気孔内に融液の一部が吸収されても、残余の融液が鉱石粒子間を結合するボンドの機能を果し、焼結鉱の冷間強度が高められる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高炉等の主原料として用いられる焼結鉱の製造方法に関する。
高炉の主原料である焼結鉱は、一般に以下のようにして製造される。まず、粉鉄鉱石に、石灰粉等のCaO含有副原料、珪石や蛇紋岩等のSiO含有副原料及びコークス粉等の炭材を配合し、これに適量の水を加えて混合・造粒する。この造粒された配合原料(焼結原料)を、ドワイトロイド式焼結機のパレット上に所定の厚さに充填し、この充填ベッド表層部の炭材に着火後、下方に向けて空気を吸引しながら充填ベッド内部の炭材を燃焼させ、その燃焼熱により配合原料を焼結させて焼結ケーキとする。そして、この焼結ケーキを粉砕・整粒することにより、粒径が数mm以上の成品焼結鉱が得られる。
安定した高炉操業を行うためには、高品質の焼結鉱が求められる。一般に、焼結鉱の品質はシャッター強度(冷間強度)、還元粉化指数(RDI)、被還元性(RI)などが指標とされるが、これらが指標となる成品焼結鉱の品質は、高炉操業における炉内荷下がり状態の安定性、炉内通気性や通液性、鉱石の還元効率、高温性状等に対して大きな影響を及ぼす。このため焼結鉱の製造プロセスでは厳しい品質管理が行なわれている。また、焼結鉱の製造コストを低減させるために焼結鉱の成品歩留まりの向上が求められ、さらに焼結鉱製造ラインの効率化と生産性の向上が求められる。
ところで、焼結鉱の原料鉄鉱石としては、従来、主としてヘマタイト鉱石(赤鉄鉱)やマグネタイト鉱石(磁鉄鉱)が用いられてきたが、最近このような良質な鉄鉱石の供給量が減少しつつあることに伴い、マラマンバ鉱石などのような結晶水の含有量が高い鉄鉱石を用いる必要に迫られており、将来的にその使用量は益々増大するものと思われる。ここで、マラマンバ鉱石とは、豪州のマラマンバ鉱床から産出される鉄鉱石の総称であって、一般にはゲーサイト(Fe・HO)とマータイト(マグネタイト構造を有するFe)を主要鉱物とし、かつ結晶水を5%前後の高い含有率で含む鉱石である。銘柄名では、ウェストアンジェラス鉱、MAC鉱などが代表的な鉄鉱石である。
しかし、マラマンバ鉱石などのような高結晶水鉱石を焼結原料として使用した場合、(1)焼結における結晶水離脱時の熱分解反応に対して熱補償が必要であるため、その分、配合する炭材(粉コークスなど)を増量する必要がある、(2)結晶水の離脱に起因して、溶融反応過程で生成する融液により局部的過溶融反応が引き起こされる結果、生産性や成品歩留まりが低下する、などの問題が指摘されている。
また、特にマラマンバ鉱石については、微粉分が多く造粒性が劣るため、焼結ベッド(焼結原料層)内の通気性の悪化に起因して成品強度が低下し、これに伴って生産率や成品歩留まりも低下する、などの問題が指摘されている。
従来、微粉分の多いマラマンバ鉱石を使用して焼結鉱を製造する際に、混合撹拌による造粒を強化することを狙いとして、マラマンバ鉱石が配合された焼結原料を高速撹拌して混合・造粒する技術が提案されている(特許文献1,2)。
特開平7−331342号公報 特開2003−129139号公報
しかし、特許文献1,2の技術は特別な撹拌手段を必要とするため、設備コストや処理コストが増大するという問題がある。また、本発明者らが検討したところによれば、特許文献1,2のようにマラマンバ鉱石を配合した焼結原料の造粒を強化したとしても、必ずしも生産性や成品歩留りは向上しないこと、また、特にマラマンバ鉱石を多量配合した場合には、冷間強度(シャッター強度)が非常に低い焼結鉱しか得られないことが判った。
したがって本発明の目的は、マラマンバ鉱石を多量配合した場合でも、冷間強度が高い高品質の焼結鉱を高い生産性と成品歩留りで製造することができる焼結鉱の製造方法を提供することにある。
上述したようにマラマンバ鉱石を焼結原料に多量配合した場合に、特許文献1,2に示されるような焼結原料の造粒を強化する方法では、成品焼結鉱の冷間強度や生産性、成品歩留まりの改善について必ずしも十分な効果が挙げられないということは、本質的な問題が原料の造粒性ではなく別の点にあることを示唆している。そこで本発明者らは、その点を解明すべく種々の実験と検討を行い、その結果、次のような事実を知見した。
(1) 焼結原料となる鉄鉱石は、その種類を問わず元々の鉱石粒子内部に微細気孔(微細な空隙)を有しているが、マラマンバ鉱石はその微細気孔量が他の鉱石に較べて格段に多い。このため焼結過程においてマラマンバ鉱石の周囲で生成した融液が、微細気孔に浸透して吸収されてしまい、鉱石粒子間を結合するためのボンドとなる融液が不足し、その結果、成品焼結鉱の冷間強度が大きく低下してしまう。
(2) 上記のような鉱石粒子内部の微細気孔と融液の挙動との関係からして、焼結されるマラマンバ鉱石周囲の領域だけに局所的に融液を増加させれば、鉱石粒子の微細気孔に融液の一部が吸収されても、吸収されずに残った融液が鉱石粒子間を結合するボンドとなるため、成品焼結鉱の冷間強度を十分に高めることができる。
(3) 上記(2)のような融液の存在状態を実現するには、事前に石灰分とマラマンバ鉱石とを混合又は混合・造粒することで、マラマンバ鉱石の周囲に石灰分を多く存在させることが必要であり、かつその際に、マラマンバ鉱石の微細気孔内に吸収(浸透)される融液量と鉱石粒子間の結合に必要な融液量との関係から、マラマンバ鉱石の配合量に応じた適正な量の石灰分を配合する必要がある。
本発明は、以上のような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下のとおりである。
[1] 原料鉱石の一部として、水銀圧入測定法により測定される平均気孔量が0.09〜0.12cc/gの鉄鉱石Aが配合された焼結原料から焼結鉱を製造する方法において、
事前に、石灰分Cと鉄鉱石Aの質量比C/A(但し、石灰分量はCaO換算量)が0.12以上となるように鉄鉱石Aに石灰分Cを配合し、これらを混合又は混合・造粒した後、他の鉄鉱石を含む残りの焼結原料を加えて混合・造粒し、該造粒物を焼成することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
[2] 上記[1]の製造方法において、事前に混合又は混合・造粒される石灰分Cと鉄鉱石Aの質量比C/A(但し、石灰分量はCaO換算量)が、焼結原料中に配合される全石灰分Ctと全鉄鉱石Otの質量比Ct/Ot(但し、石灰分量はCaO換算量)よりも大きいことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
[3] 上記[1]又は[2]の製造方法において、事前に混合又は混合・造粒される石灰分Cと鉄鉱石Aの質量比C/A(但し、石灰分量はCaO換算量)を0.12〜0.15とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれか製造方法において、原料鉱石中の鉄鉱石Aの配合率が50mass%以上であることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
ここで、本発明が規定する鉄鉱石の平均気孔量は、粒径4〜7mmの鉱石について、水銀圧入式細孔分布測定装置を用いた水銀圧入測定法(押込み圧力:0.007〜412MPa)により測定した微細気孔量の平均値(N=10の平均値)である。なお、上記押込み圧力範囲は、細孔径0.035〜200μmの気孔量を測定可能な圧力であり、このような圧力範囲で測定することにより、一般的な水銀圧入式細孔分布測定装置を用いて、本発明が対象とする鉄鉱石Aの微細気孔量を正確に測定することができる。
また、本発明において、原料鉱石(鉄鉱石A及びその他の鉄鉱石)及び石灰分C,Ctとは、新原料として配合される鉄鉱石及び石灰分を指す。また、石灰分C,Ctとしては、生石灰のほかに、石灰石、消石灰、ドロマイトなども含まれる。
本発明によれば、焼結過程において、微細気孔が多い鉄鉱石Aの周囲に多量の融液が生成するため、微細気孔内に融液の一部が吸収されても、残余の融液が鉱石粒子間を結合するボンドの機能を十分に果し、焼結鉱の冷間強度を十分に高めることができる。このためマラマンバ鉱石を多量配合する場合でも、冷間強度が高い高品質の焼結鉱を高い生産性と成品歩留りで製造することができる。
以下、本発明の詳細と好ましい実施形態を説明する。
本発明の焼結鉱の製造方法は、焼結原料中に配合される鉄鉱石の一部として、水銀圧入測定法により測定される平均気孔量が0.09〜0.12cc/gの鉄鉱石Aが配合された焼結原料から焼結鉱を製造する方法である。ここで、平均気孔量が0.09〜0.12cc/gの鉄鉱石Aは、普通鉱石であるへマタイト鉱石に比べて微細気孔がかなり多い鉱石であり、一般にマラマンバ鉱石はこれに含まれる。
すでに述べたように、マラマンバ鉱石は元々鉱石粒子内部に微細気孔が非常に多く含まれており、このような微細気孔が多い鉱石は、焼結過程において鉱石粒子間で生成した融液がそのまま粒子内部の微細気孔に浸透してしまうため、鉱石粒子間を結合するのに必要なボンドとなる融液が不足し、この結果、成品焼結鉱の強度低下を生じるとともに、生産性や成品歩留まりも低下してしまう。特に、低SiO焼結鉱の場合、融液不足による強度低下への影響は大きい。
先に挙げた特許文献1,2は、マラマンバ鉱石は微粉分が多いという理由から、混合撹拌により造粒を強化することが意図されているが、鉱石と石灰分を全体に均一に混合すると、組織全体が平均的に融液不足に陥ってしまう。
このような問題を解決する方法の一つとして、焼結過程で生成する融液の絶対量を増加させるために、焼結原料に配合する石灰分そのものを増量することが考えられるが、焼結鉱全体で石灰分を過剰に増加させることは高炉スラグ成分の制約、スラグ量の制約、コスト上昇などの理由から事実上は実施できない。
そこで、本発明では、鉄鉱石A(例えば、マラマンバ鉱石)の周囲だけで局所的に石灰分を増量することで、鉄鉱石A周囲で優勢的な融液量が確保されるようにし、融液の一部が鉱石粒子の微細気孔内に吸収されても、なお残存する融液によって鉱石粒子間を結合する十分な量のボンドが形成され、冷間強度が発現されるようにするものである。
このため本発明では、鉄鉱石Aを他の原料と混合・造粒する前に、鉄鉱石Aに適量の石灰分Cを事前に配合し、まず、これらを混合又は混合・造粒した後、他の鉄鉱石を含む残りの焼結原料を加えて混合・造粒し、この造粒物を焼成するものである。ここで、事前に配合される石灰分Cとしては、生石灰、石灰石、消石灰、ドロマイトなどが含まれ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なお、鉄鉱石Aに石灰分を事前に配合する際には、炭材(粉コークスなど)などの副原料の一部を同時に配合してもよい。
図1は、本発明に適用される造粒方式の一実施形態を示すもので、1は撹拌式の混合機、2a,2bは原料の混合又は混合・造粒を行うためのドラムミキサーである。
この実施形態では、鉄鉱石Aに石灰分C(例えば、生石灰)を配合して混合機1で撹拌混合する。一方、その他の原料(鉄鉱石A以外の鉄鉱石、副原料、炭材など)を、ドラムミキサー2aで混合又は混合・造粒した後、上記のように混合した鉄鉱石A+石灰分C、さらに残りの石灰分C′(生石灰など)を加え、ドラムミキサー2bで混合・造粒し、造粒物(擬似粒子)を得る。
図2は、本発明に適用される造粒方式の他の実施形態を示すもので、2c,2dは原料の混合又は混合・造粒を行うためのドラムミキサーである。
この実施形態では、鉄鉱石Aに石灰分C(例えば、生石灰)を配合してドラムミキサー2cで混合・造粒した後、その他の原料(鉄鉱石A以外の鉄鉱石、副原料、炭材など)と残りの石灰分C′(生石灰など)を加え、ドラムミキサー2dでさらに混合・造粒し、造粒物(擬似粒子)を得る。
また、図1,図2の実施形態では、事前に鉄鉱石Aに石灰分Cを配合して混合・造粒した後、残りの石灰分C′を添加しているが、全鉱石中での鉄鉱石Aの割合が相当程度高い場合(例えば、100mass%にかなり近い場合)には、焼結原料として配合する石灰分の全量を、石灰分Cとして事前に鉄鉱石Aに配合してもよい。また、鉄鉱石Aには石灰分Cとともに炭材などの副原料の一部を配合してもよい。
本発明において、鉄鉱石Aと石灰分Cを混合又は混合・造粒するための手段や、鉄鉱石Aと石灰分Cの混合又は造粒物を他の原料とともに混合・造粒するための手段としては、上記実施形態のものに限定されず、適宜な手段を用いることができる。但し、鉄鉱石Aと石灰分Cを混合する手段として、撹拌混合する際に剪断作用と圧密作用が加わる高速撹拌ミキサーを用いることにより、鉱石粒子間の空隙を減少させることができるため、焼結鉱の冷間強度の向上には有利である。
また、造粒プロセス自体も、上記実施形態に限定されるものではなく、要は、事前に鉄鉱石Aに対して石灰分Cを配合し、これらを混合又は混合・造粒した後、残りの焼結原料を加えて混合・造粒することができるプロセスであればよい。
本発明では、特に鉄鉱石Aの周囲に融液(主としてカルシウムフェライト融液)を多く生成させるために、事前に石灰分Cと鉄鉱石Aを配合し、これらを混合するか若しくは混合・造粒するものであるが、擬似粒子の状態で石灰分Cを鉄鉱石Aの周囲により多く偏在させるという観点からは、単に「混合」するよりも「混合・造粒」したほうが好ましい。「混合」した場合でも鉄鉱石Aの鉱石粒子には石灰分Cが付着するが、「混合・造粒」した方が鉄鉱石Aの鉱石粒子に対する石灰分Cの付着性がより高まるためである。
本発明においては、事前に鉄鉱石Aに配合される石灰分Cの配合量が重要な要件となる。すなわち、本発明では、鉄鉱石Aの鉱石粒子の微細気孔内に融液が吸収されても、吸収されずに残った融液(融液が固化した後のボンド)により鉱石粒子間が強固に結合されるような融液量が確保される必要があり、そのような融液量を生じさせる石灰分Cを鉄鉱石Aに対して事前に配合する必要がある。検討の結果、石灰分Cと鉄鉱石Aの質量比C/A(但し、石灰分量はCaO換算量)が0.12以上となるように鉄鉱石Aに石灰分Cを配合し、これらを混合又は混合・造粒することにより、鉱石粒子間でボンドとなる融液が十分に確保され、焼結鉱の冷間強度を十分に高められることが判った。このため本発明では、石灰分Cと鉄鉱石Aとの質量比C/A(但し、石灰分量はCaO換算量)が0.12以上となるように、鉄鉱石Aに石灰分Cを配合することを条件とする。一方、石灰分Cと鉄鉱石Aの質量比C/Aが0.15を超えると融液量が過剰となり、一方において他の鉱石の周囲に存在する融液量が不足するおそれがあるので、質量比C/Aは0.15以下とすることが好ましい。
本発明の本来的な狙いは、焼結原料に配合される全石灰量を増量することなく、或いは増量したとしてもその量を極力抑制しつつ、鉄鉱石Aの周囲にだけ石灰分を多く偏在させることにより、鉄鉱石Aが配合された焼結原料から製造される焼結鉱の冷間強度を改善することにある。したがって、そのような狙いを満足するには、石灰分Cと鉄鉱石Aとの質量比C/Aが、焼結原料中に配合される全石灰分Ctと全鉄鉱石Otの質量比Ct/Ot(但し、全石灰分Ct量はCaO換算量)よりも大きいことが好ましい要件となる。
また、全石灰分Ctと全鉄鉱石Otの質量比Ct/Otは、焼結鉱製造上の観点、高炉スラグ成分やスラグ量の制約、原料コストなどの点からして、0.07以上、0.12未満とすることが好ましい。
本発明において、原料鉱石中の鉄鉱石Aの配合率は特に限定されないが、従来の焼結プロセスでは、原料鉱石中の鉄鉱石Aの配合率の増大とともに焼結鉱の冷間強度や生産率が低下し、特に配合率が10mass%以上になると成品焼結鉱の冷間強度や生産率の低下傾向が大きくなるので、本発明は原料鉱石中の鉄鉱石Aの配合率を10mass%以上とする場合に、特に有用な効果が発揮される。
また、本発明は、鉄鉱石Aをより多量に配合する場合でも十分な効果が得られ、特に原料鉱石中の鉄鉱石Aの配合率が50mass%以上であるような鉄鉱石Aの多量配合条件でも、冷間強度が高い高品質の焼結鉱を製造することができる。
図3は、普通鉱石であるヘマタイト鉱石(平均気孔量:0.042cc/g)とマラマンバ鉱石(平均気孔量:0.114cc/g)とを配合した原料鉱石を用いて、本発明法及び比較法による焼結鉱の製造試験を行い、原料鉱石中のマラマンバ鉱石の配合率と焼結鉱の生産率及び冷間強度(シャッター強度)との関係を調べた結果を示している。本発明法による製造試験では、事前に、石灰分c(生石灰+石灰石)とマラマンバ鉱石aの質量比c/aが0.135(但し、石灰分量はCaO換算量)となるようにマラマンバ鉱石に石灰分を配合し、これらを混合・造粒した後、へマタイト鉱石を含む残りの焼結原料を加えて混合・造粒し、これを試験装置で焼成した。一方、比較法では、同じ原料配合において全焼結原料を一括して混合・造粒し、これを同様に試験装置で焼成した。なお、各製造試験の原料配合は、焼結鉱のSiO量が4.80mass%、CaO/SiOが2.15〜2.20となるように調整し、また、4.5mass%のコークス粉を添加した。また、焼成条件としては、ベッド層厚450mm、ベッド差圧9800Paとした。
図3によれば、比較法では、原料鉱石中のマラマンバ鉱石の配合率が10mass%以上になると成品焼結鉱の冷間強度や生産率の低下傾向が大きくなるが、本発明法によればマラマンバ鉱石の配合率が10mass%以上でも、成品焼結鉱の冷間強度や生産率の低下が効果的に抑えられている。また、マラマンバ鉱石の配合率が50mass%以上であっても、比較法に比べて高水準の冷間強度や生産率が得られている。
また、原料鉱石中に鉄鉱石Aを配合して製造された成品焼結鉱の強度低下は、特に低SiO量焼結鉱、とりわけ成品焼結鉱中SiOが4.8mass%以下の焼結鉱の場合に顕著である。これは低SiO焼結鉱は融液の生成量自体が少ないためである。したがって、本発明は成品焼結鉱中SiO量が4.8mass%以下の低SiO焼結鉱の製造に特に有用なものである。
表1に示す原料配合の焼結原料をドワイトロイド式焼結機で焼成し、高炉用焼結鉱を製造した。なお、焼結原料中には、炭材としてコークス粉、CaO源その他の副原料として生石灰、石灰石、ドロマイト、Niスラグを配合した。表1に示すCaO量は、生石灰、石灰石、ドロマイトを合計した石灰分のCaO換算量である。
焼結原料に配合した各鉄鉱石の水銀圧入測定法で測定した平均気孔量は以下のとおりである。
マラマンバ鉱石:0.114cc/g
普通鉱石(へマタイト鉱石):0.042cc/g
なお、各鉄鉱石の平均気孔量は、粒径4〜7mmの鉱石について水銀圧入式細孔分布測定装置を用いた水銀圧入測定法(押込み圧力:0.007〜412MPa)により測定した微細気孔量の平均値(N=10の平均値)である。
比較例1〜3では、焼結原料の全量を一括してドラムミキサーで造粒し、その造粒物を焼成した。一方、発明例1〜5では、事前にマラマンバ鉱石と生石灰及び石灰石の一部をドラムミキサーで混合・造粒した後、他の原料とともに別のドラムミキサーで混合・造粒し、その造粒物を焼成した。
成品焼結鉱の生産率と冷間強度(シャッター強度)と表1に併せて示す。
Figure 2005307255
本発明に適用される造粒方式の一実施形態を示す説明図 本発明に適用される造粒方式の他の実施形態を示す説明図 ヘマタイト鉱石とマラマンバ鉱石とを配合した原料鉱石を用いて、本発明法及び比較法による焼結鉱の製造試験を行い、原料鉱石中のマラマンバ鉱石の配合率と焼結鉱の生産率及び冷間強度との関係を調べた結果を示すグラフ
符号の説明
1 混合機
2a,2b,2c,2d ドラムミキサー

Claims (4)

  1. 原料鉱石の一部として、水銀圧入測定法により測定される平均気孔量が0.09〜0.12cc/gの鉄鉱石Aが配合された焼結原料から焼結鉱を製造する方法において、
    事前に、石灰分Cと鉄鉱石Aの質量比C/A(但し、石灰分量はCaO換算量)が0.12以上となるように鉄鉱石Aに石灰分Cを配合し、これらを混合又は混合・造粒した後、他の鉄鉱石を含む残りの焼結原料を加えて混合・造粒し、該造粒物を焼成することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 事前に混合又は混合・造粒される石灰分Cと鉄鉱石Aの質量比C/A(但し、石灰分量はCaO換算量)が、焼結原料中に配合される全石灰分Ctと全鉄鉱石Otの質量比Ct/Ot(但し、石灰分量はCaO換算量)よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 事前に混合又は混合・造粒される石灰分Cと鉄鉱石Aの質量比C/A(但し、石灰分量はCaO換算量)を0.12〜0.15とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 原料鉱石中の鉄鉱石Aの配合率が50mass%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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