JP2005306944A - 粉粒状光硬化性樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高品質かつ高硬度の塗膜を形成可能な粉粒状光硬化性樹脂組成物[例えば、紫外線(UV)硬化型粉体塗料]を提供する。
【解決手段】 粉粒状光硬化性樹脂組成物を、光硬化性樹脂と4官能以上の多官能重合性化合物とで構成する。前記多官能重合性化合物は、アルカントリオールのダイマー又はトリマーのテトラ乃至ペンタ(メタ)アクリレート、アルカンテトラオールのダイマー又はトリマーのテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレートなどであってもよく、多官能重合性化合物の割合は、光硬化性樹脂100重量部に対して5〜30重量部程度であってもよい。前記粉粒状光硬化性樹脂組成物を、基材に塗装したのち加熱溶融させて形成した塗膜に活性光線を照射させて得られる硬化塗膜は、硬度を鉛筆硬度2H以上(特に3H以上)に向上できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高品質かつ高硬度の塗膜を形成可能な粉粒状光硬化性樹脂組成物[例えば、紫外線(UV)硬化型粉体塗料]及びこの組成物の製造方法、並びに前記粉粒状光硬化性樹脂組成物を用いた硬化塗膜の硬度を向上する方法に関する。
粉体塗料は、有機溶媒を使用しないため、環境に対する負荷が小さい。粉体塗料としては、ベース樹脂と、この樹脂を架橋させるための架橋剤とを含む粉末状樹脂組成物を基材に適用し、高温で長時間加熱することにより塗膜を形成する熱硬化型粉体塗料が一般的に使用されている。しかし、熱硬化型粉体塗料では、高温で加熱する必要があるため、高いエネルギーが必要であるとともにエネルギー効率が低く、基材などによっては用途も限定される。そこで、高温での加熱を必要としない粉体塗料として、紫外線を照射して樹脂を硬化させる紫外線硬化型粉体塗料が提案されている。
特表平11−511201号公報(特許文献1)には、(メタ)アクリロイル基を有する樹脂を含む組成物であって、紫外線により自己架橋する粉末塗料用組成物が開示されている。特開2002−212506号公報(特許文献2)には、多孔性基材の上に塗布するための粉体塗料であって、メタクリロイル基を有するポリエステル樹脂などの紫外線硬化性樹脂と、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックスなどのワックスとを含有する紫外線硬化型粉体塗料が開示されている。しかし、これらの紫外線硬化型粉体塗料では、硬化塗膜の硬度を十分に高めることが困難である。
一方、特開平8−301957号公報(特許文献3)には、グリシジル(メタ)アクリレートと、末端カルボキシル基を有する結晶型ポリエステルとの反応により生成する末端メタクリロイル基含有結晶型ポリエステルを含有する放射線硬化性粉末組成物が開示されている。この文献には、硬化塗膜の硬度を高めるため、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどの重合性希釈剤(エチレン状不飽和オリゴマー)を前記組成物に添加してもよいことが記載されている。また、このような重合性希釈剤の含有量は、前記組成物100重量部あたり、0〜20重量部であることが記載されている。しかし、このような重合性希釈剤は、硬化塗膜の品質を低下させる虞がある。例えば、塗膜(硬化塗膜)表面の硬度を向上させることにより塗膜の可撓性が低下したり、重合性希釈剤が光照射後においても完全に反応することなく塗膜内に残存する虞がある。
特表平11−511201号公報(特許請求の範囲) 特開2002−212506号公報(特許請求の範囲) 特開平8−301957号公報(特許請求の範囲、段落番号[0037]〜[0038])
従って、本発明の目的は、高品質かつ高硬度の塗膜(又は硬化塗膜)を形成できる粉粒状光硬化性脂組成物(光硬化性粉体塗料など)及びその製造方法、並びに前記粉粒状光硬化性樹脂組成物を用いた硬化塗膜の硬度を向上する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、高硬度であっても可撓性の高い硬化塗膜を形成できる粉粒状光硬化性脂組成物(光硬化性粉体塗料など)及びその製造方法、並びに前記粉粒状光硬化性樹脂組成物を用いた硬化塗膜の硬度を向上する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、残存モノマー量が少なく、貯蔵安定性又は耐ブロッキング性が高い高硬度の塗膜を形成できる粉粒状光硬化性樹脂組成物(光硬化性粉体塗料など)及びその製造方法、並びに前記粉粒状光硬化性樹脂組成物を用いた硬化塗膜の硬度を向上する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、粉粒状光硬化性樹脂組成物(光硬化性粉体塗料など)において、光硬化性樹脂と4官能以上の多官能重合性化合物とを組み合わせると、硬度を著しく向上できるとともに、残存モノマー量が少なく可撓性の高い硬化塗膜を形成可能であることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の粉粒状光硬化性樹脂組成物(例えば、粉粒状紫外線硬化性樹脂組成物)は、光硬化性樹脂と、4官能以上の多官能重合性化合物とで構成されている。前記多官能重合性化合物は、ポリオールポリ(メタ)アクリレート、例えば、トリオール及びテトラオールから選択された少なくとも1種のポリオールのダイマー又はトリマーのポリ(メタ)アクリレートなどであってもよい。具体的なポリ(メタ)アクリレートには、アルカントリオールのダイマー又はトリマーのテトラ乃至ペンタ(メタ)アクリレート、及びアルカンテトラオールのダイマー又はトリマーのテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレートから選択された少なくとも1種、特に、C4-10アルカンテトラオールのダイマーのテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレートなどが含まれる。前記多官能重合性化合物の割合は、光硬化性樹脂100重量部に対して5〜30重量部程度であってもよい。前記樹脂組成物は、さらに光重合開始剤を含んでいてもよく、例えば、さらに光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物であって、前記光重合開始剤の割合が、多官能重合性化合物100重量部に対して、0.5〜30重量部である粉粒状光硬化性樹脂組成物であってもよい。具体的な前記粉粒状光硬化性樹脂組成物には、例えば、光硬化性樹脂と、アルカンテトラオールのダイマー又はトリマーのテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレートから選択された少なくとも1種のポリオールポリ(メタ)アクリレートと、光重合開始剤とで構成され、室温で粉粒状の光硬化性樹脂組成物であって、前記ポリ(メタ)アクリレートの割合が、光硬化性樹脂100重量部に対して8〜25重量部程度であり、光重合開始剤の割合が、前記ポリ(メタ)アクリレート100重量部に対して1〜30重量部程度である粉粒状光硬化性樹脂組成物などが含まれる。
前記樹脂組成物は、貯蔵安定性又は耐ブロッキング性を向上させるため、さらに、ブロッキング防止剤を含んでいてもよい。このブロッキング防止剤は、平均粒子径5〜100nm程度の一次粒子で構成された無機微粒子(特にケイ素含有無機微粒子)などであってもよい。前記ブロッキング防止剤の割合は、例えば、光硬化性樹脂100重量部に対して0.01〜1重量部程度であってもよい。
本発明の粉粒状光硬化性樹脂組成物は、少なくとも光硬化性樹脂と4官能以上の多官能重合性化合物とを混合することにより製造できる。具体的には、光硬化性樹脂と4官能以上の多官能重合性化合物とを溶融混練して冷却固化し、粉砕し、前記粉粒状光硬化性樹脂組成物を製造してもよい。本発明の粉粒状光硬化性樹脂組成物は、硬化塗膜の硬度を著しく向上できる。このため、本発明は、前記粉粒状光硬化性樹脂組成物を、基材に塗装したのち加熱溶融させて形成した塗膜に活性光線を照射することにより、硬化塗膜の硬度を鉛筆硬度2H以上(特に3H以上)に向上する方法も包含する。
本発明の粉粒状光硬化性樹脂組成物(光硬化性粉体塗料など)は、光硬化性樹脂と4官能以上の多官能重合性化合物とを組み合わせるため、高品質かつ高硬度の塗膜(又は硬化塗膜)を形成できる。また、本発明の粉粒状光硬化性樹脂組成物(光硬化性粉体塗料など)は、高硬度であっても可撓性の高い硬化塗膜を形成できる。さらに、ブロッキング剤と多官能重合性化合物とを組み合わせることにより、残存モノマー量が少なく、かつ貯蔵安定性又は耐ブロッキング性が高い高硬度の塗膜(硬化塗膜)を形成できる。
本発明の粉粒状光硬化性樹脂組成物(以下、単に、光硬化性樹脂組成物、光硬化性組成物、組成物などという場合がある)は、少なくとも光硬化性樹脂(又は光重合性樹脂)と4官能以上の多官能重合性化合物とで構成されている。
[光硬化性樹脂]
光硬化性樹脂としては、室温(温度15〜25℃)で固体であり、かつ光重合性基(例えば、(メタ)アクリロイル基などのα,β−エチレン性不飽和結合基など)を有する樹脂であれば特に限定されず、光硬化性ポリエステル系樹脂、光硬化性アクリル系樹脂、光硬化性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、光硬化性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂などが挙げられる。これらの光硬化性樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
光硬化性ポリエステル系樹脂は、官能基(ヒドロキシル基、カルボキシル基など)を有する飽和又は不飽和ポリエステル系樹脂と、前記官能基に対する反応性基を有する重合性不飽和化合物との反応により生成する(メタ)アクリロイル基含有ポリエステル系樹脂、光硬化性不飽和ポリエステル系樹脂(例えば、ジカルボン酸成分として、(無水)マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸成分を用いて得られたポリエステル系樹脂など)などが例示できる。光硬化性ポリエステル系樹脂としては、通常、(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル系樹脂が使用される。
官能基を有するポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分を主成分(例えば、70〜100モル%、好ましくは80〜100モル%、特に90〜100モル%程度)とするポリカルボン酸成分とジオール成分を主成分(例えば、70〜100モル%、好ましくは80〜100モル%、特に90〜100モル%程度)とするポリオール成分とのエステル化反応による生成物であってもよい。
ジカルボン酸成分としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などのC2-20脂肪族ジカルボン酸)、芳香族ジカルボン酸(例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、(無水)フタル酸、ナフタレンジカルボン酸などC8-16芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物)、脂環族ジカルボン酸(例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸などのC8-12脂環族ジカルボン酸又はその無水物)などが例示できる。ジカルボン酸成分は、低級アルキルエステル(メチルエステルなどのC1-3アルキルエステル)などの反応性誘導体であってもよい。これらのジカルボン酸成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのジカルボン酸成分のうち、直鎖状C6-16脂肪族ジカルボン酸(特に直鎖状C6-12脂肪族ジカルボン酸)、C8-12芳香族ジカルボン酸(特にベンゼンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸)、C8-12脂環族ジカルボン酸(特にC8-10脂環族ジカルボン酸)から選択された少なくとも一種のジカルボン酸が好ましい。
ジカルボン酸成分は、分岐構造などを導入するため、必要によりポリカルボン酸(例えば、トリメリット酸やピロメリット酸などのトリカルボン酸やテトラカルボン酸又はそれらの酸無水物)と併用してもよい。
ジオール成分としては、例えば、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオールなどのC2-12アルキレングリコール)、(ポリ)オキシアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの(ポリ)オキシC2-4アルキレングリコール)、脂環族ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのC6-10シクロアルカンジオール)、芳香族ジオール(例えば、ビスフェノールAなどのビスフェノール類、ビスフェノールA−C2-4アルキレンオキシド付加体などのビスフェノール類とC2-4アルキレンオキシドとの付加体)などが例示できる。これらのジオール成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのジオール成分のうち、C2-8アルキレングリコール(エチレングリコールなど)およびC6-8シクロアルカンジオール(1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど)から選択された少なくとも一種を用いる場合が多い。
ジオール成分は、分岐構造などを導入するため、必要によりポリオール成分(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどのトリオール、ペンタエリスリトールなどのテトラオールなど)と組み合わせて用いてもよい。
ポリエステル系樹脂の官能基(カルボキシル基、ヒドロキシル基)の濃度は、重合性不飽和化合物との反応により光重合性を付与可能な範囲であればよく、例えば、酸価又はヒドロキシル価(OH価)5〜200mgKOH/g、好ましくは10〜150mgKOH/g、さらに好ましくは20〜100mgKOH/g程度であってもよい。
前記ポリエステル系樹脂の官能基に対する反応性基と(メタ)アクリロイル基とを有する重合性化合物としては、例えば、カルボキシル基に対する反応性基を有する化合物(グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシC2-6アルキル(メタ)アクリレート(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど)、ヒドロキシル基に対する反応性基を有する化合物[例えば、ビニルフェニルイソシアネート、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート(例えば、トリレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネート成分と、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応生成物など)、不飽和カルボン酸((メタ)アクリル酸、クロトン酸など)又はその反応性誘導体(無水(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸クロライドなど)]などが例示できる。これらの重合性化合物は、ポリエステル系樹脂の官能基の種類に応じて、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
光硬化性ポリエステル系樹脂は、結晶性(半結晶性を含む)又は非結晶性であってもよい。結晶性ポリエステル系樹脂を得るためには、カルボキシル基が分子の対称位置に置換したジカルボン酸及び/又はヒドロキシル基が分子の対称位置に置換したジオールを用いるのが有利である。対称型(又は対称構造)ジカルボン酸としては、例えば、直鎖状C4-16脂肪族ジカルボン酸(特に直鎖状C6-12脂肪族ジカルボン酸)および対称型環状ジカルボン酸(テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など脂環族ジカルボン酸)から選択された少なくとも一種のジカルボン酸が例示でき、対称型(又は対称構造)ジオールとしては、直鎖状C2-8アルキレングリコール(エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど)および対称型C6-8シクロアルカンジオール(1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど)から選択された少なくとも一種のジオールが例示できる。
対称構造のジカルボン酸成分及び対称構造のジオール成分の割合が多くなると、光硬化性ポリエステル系樹脂の結晶性(又は結晶化度)が大きくなる。一方、非対称構造のポリカルボン酸成分(ジカルボン酸成分を含む)や非対称構造のポリオール成分(ジオール成分を含む)の割合が多くなると、光硬化性ポリエステル系樹脂の結晶性(又は結晶化度)を低下できる。そのため、ポリカルボン酸成分(ジカルボン酸成分を含む)のうち、対称構造のジカルボン酸成分の割合は、50〜100モル%(好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは85〜100モル%)程度である場合が多く、ポリオール成分(ジオール成分を含む)のうち、対称構造のジオール成分の割合は、50〜100モル%(好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは85〜100モル%)程度である場合が多い。
ポリエステル系樹脂と前記重合性化合物との反応は、慣用の方法、例えば、不活性ガス雰囲気中、熱重合禁止剤(例えば、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノンなどのハイドロキノンアルキルエーテルなど)の存在下、エステル化触媒(金属触媒、アミン類など)を用い、60〜160℃(特に80〜130℃)程度の温度で行うことができる。必要であれば、有機溶媒の存在下で反応させてもよい。ポリエステル系樹脂の官能基1モルに対する前記官能性化合物の反応性基の割合は、0.5〜1.5モル、好ましくは0.7〜1.3モル、さらに好ましくは0.8〜1.2モル程度である。反応終了後、必要により残存モノマーや溶媒を除去することにより室温で固体の光重合性ポリエステル系樹脂を得ることができる。
光硬化性ポリエステル系樹脂の酸価は、通常、0.1〜10mgKOH/g(例えば、0.3〜5mgKOH/g)程度である。
光硬化性アクリル系樹脂としては、反応性基(ヒドロキシル基、カルボキシル基、グリシジル基など)を有するアクリル系樹脂と、前記反応性基に対する反応性基を有する重合性不飽和化合物(例えば、ヒドロキシル基に対して反応可能なビニルフェニルイソシアネート、(無水)マレイン酸、(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体(無水(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸クロライドなど)など、カルボキシル基に対して反応可能なグリシジル(メタ)アクリレートなど、グリシジル基に対して反応可能な(メタ)アクリル酸など)との反応により生成する重合性基((メタ)アクリロイル基などのα,β−エチレン性不飽和結合)を有するアクリル系樹脂が例示できる。
光硬化性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸との反応により生成するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が含まれる。光硬化性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂には、例えば、イソシアネート基を有するウレタンオリゴマーと、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応による生成する樹脂、ヒドロキシル基を有する樹脂(前記ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂)と、遊離のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート(例えば、ポリイソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応による生成物など)との反応により生成する樹脂などが含まれる。さらに、光重合性樹脂は、シリコーン系樹脂などであってもよい。
これらの光硬化性樹脂の重合性基((メタ)アクリロイル基など)の濃度は、重合性不飽和結合当量として、例えば、200〜10000g/eq(例えば、200〜7000g/eq)、好ましくは300〜7500g/eq(例えば、300〜5000g/eq)、さらに好ましくは500〜5000g/eq(例えば、500〜3000g/eq)程度であってもよい。光硬化性樹脂の数平均分子量は、例えば、500〜30000程度の範囲から選択でき、通常、800〜20000、さらに好ましくは1000〜15000(特に1000〜10000)程度である。
これらの光硬化性樹脂のうち、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂およびウレタン系樹脂から選択され、かつ重合性不飽和結合を有する少なくとも一種の光硬化性樹脂が好ましい。
光硬化性樹脂(非結晶性及び結晶性樹脂)は、通常、ガラス転移温度又は熱溶融温度(又は融点)を有している。ガラス転移温度(Tg)は、例えば、40〜70℃、好ましくは40〜65℃、さらに好ましくは40〜60℃(特に40〜50℃)程度であってもよい。なお、本発明では、後述するように、多官能重合性化合物により光硬化性樹脂組成物全体の溶融温度を低下させることが可能であるため、比較的高融点の光硬化性樹脂であっても、高温で溶融することなく簡便にかつ効率よく粉粒状光硬化性樹脂組成物を製造できる。
光硬化性樹脂は、通常、前記ガラス転移温度を示す非結晶性樹脂(例えば、結晶化度10%未満)又は結晶性樹脂(半結晶性樹脂を含む)で構成してもよく、コーティング性などの塗膜性能、塗膜の表面平滑性などの外観特性を向上させるため、非結晶性樹脂と結晶性樹脂とを組み合わせて構成してもよい。結晶性樹脂の結晶化度は、例えば、10〜70%、好ましくは15〜60%、さらに好ましくは20〜50%程度であってもよい。結晶性樹脂の熱溶融温度又は融点は、例えば、50〜150℃、好ましくは60〜120℃、さらに好ましくは70〜100℃(特に70〜90℃)程度であってもよい。
非晶性樹脂と結晶性樹脂との割合(重量比)は、例えば、前者/後者=50/50〜99/1、好ましくは70/30〜98/2、好ましくは75/25〜97/3(特に80/20〜95/5)程度であってもよい。
[多官能重合性化合物]
本発明では、4官能以上の多官能性重合性化合物を使用する。この多官能重合性化合物は、高反応性であるとともに多官能性であるため、硬化塗膜の品質低下(例えば、硬化塗膜の可撓性の低下や、未反応状態での硬化塗膜内への多官能重合性化合物の残存など)を生じることなく硬化塗膜の硬度を高度に向上できる。
前記多官能重合性化合物は、光硬化性樹脂組成物を粉粒状で維持できる限り、常温又は室温(例えば、10〜25℃程度)において、液状、半固体状又は固体状であってもよく、通常、液状である。前記多官能重合性化合物は、融点(又はガラス転移点)が光硬化性樹脂に比べて低い場合が多く、光硬化性樹脂のガラス転移温度を低下させる場合が多い。特に、液状の多官能重合性化合物は、固体状の多官能重合性化合物に比べてこのような効果が大きく、光硬化性樹脂(又は光硬化性樹脂組成物)のガラス転移温度を効率よく低下できるため、光硬化性樹脂組成物の溶融温度(及び溶融粘度)を効率よく低下させることができる。
前記多官能重合性化合物は、4官能以上であればよく、例えば、4〜10官能、好ましくは4〜8官能、さらに好ましくは4〜6官能(例えば、6官能)である。すなわち、多官能重合性化合物は、4以上の重合性基(光重合性基)[(メタ)アクリロイル基、アルケニル基(ビニル基、アリル基などのC2-4アルケニル基など)など]を有している。前記多官能重合性化合物は、光重合性の観点から、通常、少なくとも(メタ)アクリロイル基(特に、アクリロイル基)を有している場合が多い。
このような多官能重合性化合物としては、例えば、ポリオールポリ(メタ)アクリレート(ポリオールのポリ(メタ)アクリレート、ポリオールのポリ(メタ)アクリル酸エステル)などが挙げられる。なお、ポリオールポリ(メタ)アクリレートは、4官能以上であれば、ポリオールのすべてが(メタ)アクリロイル基に置換されている必要はなく、例えば、ヒドロキシル基を有していてもよく、ヒドロキシル基がエーテル化(アルキルエーテル化など)やエステル化(又はアシル化)されていてもよい。
ポリオールポリ(メタ)アクリレートにおいて、ポリオールは、非脂肪族ポリオール(芳香族ポリオール、ヘテロ環式ポリオールなど)であってもよいが、通常、4以上(例えば、4〜10、好ましくは4〜8、さらに好ましくは4〜6)のヒドロキシル基を有する脂肪族ポリオールである場合が多い。このような脂肪族ポリオールとしては、アルカンポリオール、ポリオール(脂肪族ポリオール)のオリゴマーなどが例示できる。アルカンポリオールには、例えば、アルカンテトラオール(ペンタエリスリトールなどのC4-12アルカンテトラオールなど)、アルカンペンタオール(キシリトールなどのC5-15アルカンペンタオールなど)、アルカンヘキサオール(ソルビットなどのC6-18アルカンヘキサオールなど)などのアルカンテトラ乃至オクタオールなどが含まれる。
ポリオールのオリゴマーには、例えば、トリオール(脂肪族トリオール)のオリゴマー、テトラオール(脂肪族テトラオール)のオリゴマーなどのトリ乃至ヘキサオールのオリゴマーなどが例示できる。このようなオリゴマーには、アルカンポリオールの多量体、例えば、アルカンポリオールの2〜10量体(好ましくは2〜5量体、さらに好ましくは2〜3量体)などが挙げられる。このようなオリゴマーとしては、ジ又はトリ(アルカンポリオール)、例えば、ジ又はトリアルカントリオール(又はアルカントリオールのダイマー又はトリマー、すなわち、テトラオール又はペンタオール)[例えば、ジトリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリンなどのC3-10アルカントリオールのダイマー又はトリマー、好ましくはC3-8アルカントリオールのダイマー又はトリマー、さらに好ましくは分岐鎖状C4-6アルカントリオールのダイマー又はトリマー]、ジ又はトリアルカンテトラオール(又はアルカンテトラオールのダイマー又はトリマー、すなわち、ヘキサオール又はオクタオール)[例えば、ジペンタエリスリトールなどのC4-12アルカンテトラオールのダイマー又はトリマー、好ましくはC4-10アルカンテトラオールのダイマー又はトリマー、さらに好ましくは分岐鎖状C5-8アルカントリオールのダイマー又はトリマー]などが例示できる。なお、前記オリゴマーは、同一又は異種のアルカンポリオールで構成できるが、通常、同一のアルカンポリオールで構成できる。
なお、前記ポリオールには、これらのポリオールと付加によりヒドロキシル基を生成可能な化合物との付加物も含まれる。前記付加物には、アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのC2-4アルキレンオキシド、特にエチレンオキシド)付加物(又は付加体)、ラクトン(ε−カプロラクトンなど)付加物などが例示できる。
ポリオールは、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
ポリオールのポリ(メタ)アクリレートには、前記例示のポリオールの(メタ)アクリレート、例えば、アルカンポリオールのポリ(メタ)アクリレート[ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどのアルカンテトラ乃至ヘキサオールのテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレートなど]、ポリオールのオリゴマーのポリ(メタ)アクリレート[例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどのアルカントリオールのオリゴマー(特にダイマー又はトリマー)のテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノアルキルエーテルのペンタ(メタ)アクリレート(日本化薬(株)製、「KAYARAD D−310」など)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アクリレート(日本化薬(株)製、「KAYARAD DCPA−20」、「KAYARAD DCPA−30」、「KAYARAD DCPA−60」、「KAYARAD DCPA−120」など)などのアルカンテトラオールのオリゴマー(特にダイマー又はトリマー)のテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレートなど]などが挙げられる。
好ましいポリオールポリ(メタ)アクリレートには、ポリオールのオリゴマーのポリ(メタ)アクリレートが含まれる。オリゴマーのポリ(メタ)アクリレートは、エーテル結合を有しているためか、硬化塗膜に効率よく高レベルで高い可撓性を付与できる場合が多い。代表的なポリオールのオリゴマーのポリ(メタ)アクリレートとしては、アルカントリオールのダイマー又はトリマー(特に、ジトリメチロールプロパンなどのアルカントリオールのダイマー、好ましくはC3-8アルカントリオールのダイマー、さらに好ましくは分岐鎖状C4-6アルカントリオールのダイマー)のテトラ乃至ペンタ(メタ)アクリレート、アルカンテトラオールのダイマー又はトリマー(特に、ジペンタエリスリトールなどのアルカンテトラオールのダイマー、好ましくはC4-10アルカンテトラオールのダイマー、さらに好ましくは分岐鎖状C5-8アルカンテトラオールのダイマー)のテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレートなどが含まれる。特に、アルカンテトラオールのダイマーのテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレート[例えば、C4-10アルカンテトラオールのダイマーのテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレート、好ましくは分岐鎖状C5-8アルカンテトラオールのダイマーのテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレート、さらに好ましくは分岐鎖状C5-8アルカンテトラオールのダイマーのヘキサ(メタ)アクリレートなど]が好ましい。
多官能重合性化合物は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
多官能重合性化合物の割合は、多官能重合性化合物の種類や形状(液状、固状)にもよるが、前記光硬化性樹脂組成物が室温(例えば、10〜25℃)で粉粒状の形態を維持できる範囲で選択でき、光硬化性樹脂100重量部に対して、0.5〜30重量部、好ましくは1〜30重量部(例えば、3〜30重量部)、さらに好ましくは5〜30重量部(例えば、8〜25重量部)程度であってもよい。
[光重合開始剤]
本発明の粉粒状光硬化性組成物は、活性光線の種類に応じて、さらに光重合開始剤を含んでいてもよい。この光重合開始剤は、活性光線の種類に応じて選択でき、紫外線硬化性樹脂粉粒体(又は粉体塗料)を形成してもよい。
光重合開始剤としては、例えば、ケトン系化合物、ホスフィン系化合物、スルフィド系化合物(ジブチルスルフィド、ジフェニルジスルフィド、ジベンジルスルフィド、デシルフェニルスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなど)などが例示できる。これらの光重合開始剤のうち、ケトン系化合物やホスフィン系化合物が好ましい。
ケトン系化合物としては、アセトフェノン系化合物(アセトフェノンジエチルケタール、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1―オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトンなど)、ベンゾフェノン系化合物[ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−N,N−ジメチルアミノ−4′−メトキシベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトンなど]、ベンゾイン系化合物(ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテルなどのベンゾイン誘導体など)、ベンジル系化合物(ベンジル、ベンジルメチルケタールなど)、アントラキノン系化合物(アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノンなど)、チオキサントン系化合物(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなど)、モルフォリン系化合物[2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパノン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン、3,6−ビス(2−モルホリノイソブチル)−9−ブチルカルバゾールなど]などが挙げられる。
ホスフィン系化合物としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6―ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(BAPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)メチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)エチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)n−ブチルホスフィンオキシドなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、粉粒体又は塗料の色相に応じて、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。例えば、前記ケトン系化合物とホスフィン系化合物とを組み合わせて光重合開始剤系を構成してもよい。
光重合開始剤の割合は、光硬化性樹脂(又は光硬化性樹脂及び多官能重合性化合物の総量)100重量部に対して、0.1〜10重量部程度の範囲から選択でき、通常、0.1〜8重量部、好ましくは0.2〜5重量部、さらに好ましくは0.3〜5重量部程度である。
また、光重合開始剤の割合は、前記多官能重合性化合物100重量部に対して、0.5〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部(例えば、1〜30重量部)、さらに好ましくは2〜25重量部(例えば、3〜20重量部)程度であってもよい。
さらに、光重合開始剤とともに、増感剤、例えば、第三級アミン類(ジアルキルアミノ安息香酸又はそのエステル、アクリジンなど)、クマリン類[3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリンなど]、キノリン類[2−(2−(4−ジメチルアミノフェニル)エテニル)キノリンなど]、キノン類[ベンゾキノン、アントラキノンなど]、ピレン類[1−ニトロピレンなど]、アセナフテンなどの芳香族炭化水素類などを含んでいてもよい。
[着色剤]
光重合性樹脂粉粒体は、クリアラッカーなどのように着色剤を必ずしも必要としないが、着色剤(染顔料)を含んでいてもよい。着色剤は、無機顔料及び/又は有機染顔料であってもよい。着色剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。無機顔料としては、例えば、白色顔料(二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、マイカ、ケイ酸マグネシウム、カオリンクレー、タルク、ベントナイトなど)、黒色顔料(カーボンブラックなど)、赤色顔料(べんがら、鉛丹、モリブデンレッド、カドミウムレッドなど)、黄色顔料(黄色酸化鉄、黄鉛、リサージ、カドミウムイエロー、クロムエローなど)、橙色顔料(モリブデートオレンジなど)、青色顔料(紺青、群青など)、緑色顔料(クロムグリーンなど)、紫色顔料(マンガンバイオレットなど)、金属粉顔料(アルミニウム粉顔料など)などが挙げられる。また、顔料には、体質顔料(炭酸カルシウム、硫酸バリウムなど)も含まれる。有機染顔料としては、例えば、アゾ系染顔料(ピグメントイエロー、ピグメントオレンジ、ピグメントレッド、ハンザイエローなど)、フタロシアニン系染顔料(フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなど)、キナクリンドン系染顔料(キナクリンドン赤色など)、ペリレン系染顔料(ペリレンマルーンなど)などが挙げられる。
着色剤の使用量は、光硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部、さらに好ましくは1〜30重量部(例えば、5〜30重量部)程度であってもよい。
[他の添加剤]
光重合性樹脂粉粒体は、種々の添加剤、例えば、ワックス類、例えば、表面調整剤又はレベリング剤(アクリル系レベリング剤、ビニル系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤、フッ素系レベリング剤など)、分散剤(ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤などの界面活性剤、ノニオン性やアニオン性であってもよいポリマー型分散剤など)、安定剤(紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤など)、可塑剤、粘度調整剤、難燃剤、帯電剤、帯電防止剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤のうち、塗膜の表面平滑性を向上させるためには、表面調整剤又はレベリング剤が有用である。これらの添加剤の使用量は、光硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部程度である。
[ブロッキング防止剤]
本発明の粉粒状光硬化性樹脂組成物は、さらに、ブロッキング防止剤(粉粒状ブロッキング防止剤)を含んでいてもよい。このブロッキング防止剤は、表面平滑性の高い塗膜を形成できるとともに、前記粉粒状光硬化性樹脂組成物の融着(ブロッキング)を防止でき、その貯蔵安定性を向上できる。特に、本発明では、多官能重合性化合物とブロッキング防止剤とを組み合わせることにより、効率よくブロッキングを防止しつつ、硬化塗膜の硬度を高レベルで向上できる。
ブロッキング防止剤は、通常、有機又は無機微粒子(特に無機微粒子)で構成されている。ブロッキング防止剤としては、例えば、金属酸化物[シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、マグネシア(MgO)、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛など]、金属炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなど)、金属硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)などが挙げられる。これらの無機微粒子のうち、ケイ素含有無機微粒子、例えば、ケイ酸(無水ケイ酸、含水ケイ酸)、二酸化ケイ素(又は無水シリカ)、ケイ酸金属塩(ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム)などを用いる場合が多い。これらのブロッキング防止剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ブロッキング防止剤としては、通常、シリカ微粒子を用いる場合が多い。
これらのブロッキング防止剤は、親水性であってもよく疎水性であってもよい。好ましいブロッキング防止剤は、表面が疎水化処理されている。ブロッキング防止剤を構成する微粒子表面の疎水化は、例えば、シリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル)、アルキルシラン(オクチルシランなど)、シランカップリング剤(トリメチルシリル基などのアルキルシリル基を有するシランカップリング剤)などを用いて行うことができる。
ブロッキング防止剤を構成する微粒子(一次粒子)の平均粒子径は、例えば、1〜100nm(例えば、5〜100nm)、好ましくは5〜70nm(例えば、10〜70nm)、さらに好ましくは5〜50nm程度である。また、前記微粒子は嵩密度が大きく、例えば、嵩密度30〜200g/L、好ましくは30〜150g/L(例えば、30〜130g/L)、さらに好ましくは30〜100g/L程度である。
このようなブロッキング防止剤のうち無水シリカ微粒子は、日本アエロジル(株)から商品名「アエロジルR972」、「アエロジルR805」、「アエロジルR812S」などとして入手できる。
粉粒状ブロッキング防止剤の使用量は、光硬化性樹脂(又は光硬化性樹脂及び多官能重合性化合物の総量)100重量部に対して0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部、さらに好ましくは0.1〜0.5重量部(例えば、0.1〜0.3重量部)程度であってもよい。
なお、後述するように、ブロッキング防止剤は、通常、前記光硬化性樹脂および多官能重合性化合物を含む固化物(ペレットなど)に対して添加される場合が多い。また、ブロッキング防止剤は、前記光硬化性樹脂組成物において、前記固化物から遊離して前記固化物の間に介在していてもよく、ブロッキング防止剤の一部が前記固化物の表面に埋込や付着などにより結合(又は固着)していてもよい。
前記光硬化性組成物の形態は、粉粒状であれば特に制限されず、例えば、非繊維状(球状、楕円体状、多角体状、無定形状など)、繊維状(針状又は繊維状など)であってもよく、通常、非繊維状である。光硬化性樹脂組成物の平均粒子径(体積平均粒子径)は、例えば、3〜60μmの範囲から選択でき、通常、5〜50μm(好ましくは5〜45μm、さらに好ましくは5〜40μm)程度である。また、塗膜の表面平滑性を高めるためには、光硬化性樹脂組成物の粒度分布は、狭いのが好ましい。光硬化性樹脂組成物において粒度分布の標準偏差は、通常、30μm以下(例えば、1〜30μm程度)、好ましくは20μm以下(例えば、1〜20μm程度)、さらに好ましくは15μm以下(例えば、1〜10μm程度)である。
さらに、光硬化性樹脂組成物の最大粒子径は、150μm以下(例えば、10〜120μm程度)、好ましくは100μm以下(例えば、20〜100μm程度)、さらに好ましくは70μm以下(例えば、30〜70μm程度)程度であってもよい。また、光硬化性樹脂組成物の最小粒子径は、0.5μm以上(例えば、1〜10μm程度)、好ましくは1μm以上(例えば、1〜8μm程度)、さらに好ましくは1.5μm以上(例えば、1.5〜5μm程度)程度であってもよい。
前記光硬化性樹脂組成物は、前記多官能重合性化合物を含有しているので、溶融時の粘度(溶融粘度)が比較的低く、塗布性が高い。例えば、粘度測定装置(ビスコメーター)を用いて、温度95℃、回転数0.1rpmの条件下で溶融させ、100秒間経過後の前記光硬化性樹脂組成物の粘度(溶融粘度)は、光硬化性樹脂の種類や多官能重合性化合物の添加量にもよるが、150〜350Pa・s、好ましくは180〜320Pa・s、さらに好ましくは200〜310Pa・s程度であってもよい。
[粉粒状光硬化性樹脂組成物の製造方法]
粉粒状光硬化性樹脂組成物は、前記光硬化性樹脂と前記多官能重合性化合物と(必要に応じて、光重合開始剤などの他の成分と)を混合することにより調製できる。通常、前記粉粒状光硬化性樹脂組成物は、光硬化性樹脂と、前記多官能重合性化合物と、必要に応じて他の成分(光重合開始剤、表面調整剤、着色剤など)とを溶融混練して冷却固化し、粉砕することにより調製する場合が多く、さらに粉砕後、通常、所定のサイズに分級する場合が多い。
なお、多官能重合性化合物は、その形態(液状など)に応じて必要であれば、予め前記光硬化性樹脂の一部又は全部ととともに、ホットプレートなどにより溶融混合して得られた光硬化性樹脂と多官能重合性化合物との混合物(ペレット状などの固化物)として溶融混練に供してもよい。また、ブロッキング防止剤は、光硬化性樹脂や多官能重合性化合物ととともに溶融混練してもよいが、通常、光硬化性樹脂と多官能重合性化合物と(必要に応じて他の成分と)を溶融混練して冷却固化し(さらに必要に応じて粉砕し)、この固化物(ペレット状などの粒状固化物)にブロッキング防止剤を添加して粉砕し、必要により分級する場合が多い。このような方法では、ブロッキング防止剤が光重合性樹脂を含む組成物の表面に固着するためか、粉粒状光硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性又は耐ブロッキング性を、効率よく向上又は改善できる。
光硬化性樹脂と多官能重合性化合物とを少なくとも含む組成物の溶融混練は、光重合性樹脂の重合又は硬化を抑制しつつ行われ、通常、得られる溶融混練物は、粒状(例えば、ペレット状)の形態に冷却固化される。溶融混練は、慣用の方法、例えば、前記各成分を混合機(ヘンシェルミキサーやリボンミキサーなど)で乾式混合し、一軸又は二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの溶融混合機で溶融混練することにより行うことができる。
溶融混練温度は、光硬化性樹脂の融点(又はガラス転移点)などに応じて、光硬化性樹脂の重合を抑制可能な温度、例えば、60〜160℃(60〜150℃)、好ましくは60〜130℃、さらに好ましくは70〜120℃(特に80〜100℃)程度であってもよい。本発明では、前記多官能重合性化合物(特に、液状の多官能重合性化合物)を使用することにより、光硬化性樹脂(又は前記光硬化性樹脂組成物)の溶融温度(又はガラス転移温度又は融点)を低下させつつ溶融混練できる。このため、比較的高融点の光硬化性樹脂であっても、簡便にかつ効率よく溶融混練して前記光硬化性樹脂組成物を製造できる。
冷却固化後の粉砕工程は繰り返し行ってもよく、粉砕工程では、アトマイザーなどの慣用の粉砕機が使用できる。光硬化性樹脂又はその組成物としてガラス転移温度の低い樹脂や低融点樹脂を使用する場合は、固化物(ペレット状固化物など)は冷却下で(例えば、冷風、ドライアイスや液化窒素などにより冷却しつつ)粉砕するのが好ましい。冷却温度は、例えば、40℃以下(例えば、0〜40℃)、好ましく30℃以下(例えば、0〜30℃)、さらに好ましくは20℃以下(例えば、0〜20℃)程度である。粉砕した後、所定サイズの粉粒体を得るため、篩(例えば、325メッシュや250メッシュなどの標準篩)や分級機を用いて分級される。
このようにして得られた粉粒状光硬化性樹脂組成物(又は光硬化性粉体塗料)は、コーティング剤、粉体塗料などとして用いることができる。なお、粉粒状光硬化性樹脂組成物(粉体塗料など)は、クリヤーであってもよく、エナメル化されていてもよい。
[粉体塗装方法]
本発明の粉体塗装方法は、前記粉粒状光硬化性樹脂組成物を基材に適用又は塗装する工程と、この塗装した前記組成物(粉体)を加熱して塗膜を形成する工程と、塗膜に活性光線を照射して硬化させる工程とを経ることにより行うことができる。基材の種類は特に制限されず、例えば、金属(鋼板、アルミニウム、ステンレススチールなど)、セラミックス(タイル、ガラスなど)などの耐熱性の高い無機質基材の他、高温加熱を必要とする従来の粉体塗料では塗膜形成が困難であった基材、例えば、プラスチック、ゴム、セルロース類(紙など)、木材[天然木材(生木など)、合成木材(MDF板(中質繊維板)、パーティクルボード(PB)、ベニヤ板など)などの有機質基材]が含まれる。基材は、非多孔質であってもよく多孔質であってもよい。本発明の粉粒状光硬化性樹脂組成物又は粉体塗料は、塗膜の表面平滑性及び光沢に優れるため、多孔質基材(繊維質基材)に適用しても塗膜の外観特性を向上できる。
塗装方法としては、慣用の粉体塗装方法、例えば、帯電した粉体塗料をスプレーで被塗装物に吹き付ける静電塗装法(コロナ法やトリボ法など)や、被塗装物を粉体塗料の流動層に浸漬する流動浸漬塗装法などを利用できる。なお、流動浸漬塗装法では、加熱工程は必ずしも必要ではない。
加熱工程では、基材上の粉体塗膜を加熱により溶融させ、均一な塗膜を形成する。熱源としては、赤外(IR)照射ランプや熱風乾燥炉などを用いることができる。これらの方法のうち、赤外線照射炉(例えば、波長700nm〜2μm程度の中波長域の赤外線照射炉)を用いる方法や、前記外線照射炉と熱風乾燥炉とを組み合わせて用いる方法が好ましい。塗膜の溶融温度(又は加熱温度)は、40〜160℃(例えば、40〜150℃)程度の範囲から選択でき、通常、40〜120℃(例えば、40〜110℃)、好ましくは50〜100℃程度である。特に、本発明では、前記のように溶融温度を低下させることができるため、比較的低温、例えば、40〜110℃、好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは40〜80℃程度であっても前記光硬化性樹脂組成物を溶融可能であり、簡便にかつ効率よく塗膜を形成可能である。そのため、前記光硬化性樹脂組成物は、光硬化性樹脂の種類に拘わらず、塗膜の形成に高温での加熱を必要とせず、比較的低温であっても塗布できる。
塗膜の厚みは、特に制限されず、10〜500μm程度の範囲から選択でき、通常、20〜300μm(例えば、40〜300μm)、好ましくは30〜250μm(例えば、50〜250μm)程度である。塗膜に活性光線を照射することにより硬化塗膜を形成できる。活性光線は、例えば、ガンマー線、X線、紫外線、可視光線などであってもよいが、通常、紫外線が利用される。紫外線照射ランプとしては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどを用いることができる。紫外線の波長域は、例えば、270〜460nm、好ましくは300〜460nm、さらに好ましくは350〜460nm(特に400〜460nm)程度であり、従来の光硬化性液状塗料に比べて、長波長域であってもよい。また、照射時間は、活性光線の種類などに応じて適宜選択でき、例えば、3秒〜10分(例えば3秒〜5分)、好ましくは5秒〜1分、さらに好ましくは5〜30秒(例えば、5〜20秒)程度であってもよい。
本発明の粉粒状光硬化性樹脂組成物は、4官能以上(6官能など)の多官能重合性化合物を含んでいるため、高品質である(例えば、高い可撓性を有する)とともに、高硬度の塗膜(硬化塗膜)を形成できる。特に、前記多官能重合性化合物の添加により、硬度(鉛筆硬度)において2ランク以上(好ましくは3ランク以上、例えば、鉛筆硬度Fから2H又は3H)に向上できる。光照射後(前記粉粒状光硬化性組成物を、基材に塗装したのち加熱溶融させて形成した塗膜に活性光線を照射したのち)の塗膜の硬度(鉛筆硬度)は、H以上の硬度、例えば、H〜5H、好ましくはH〜4H、さらに好ましくは2H以上(例えば、2H〜4H)程度に向上できる。なお、鉛筆硬度の測定は、例えば、JIS K5400−1990に準じて(又は基づいて)行うことができる。
本発明は、コーティング剤や粉体塗料に用いられる光硬化性粉体塗料(例えば、紫外線硬化型粉体塗料)などに好適に利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[粉体塗料の性能評価方法]
実施例および比較例で製造した各粉体塗料を静電塗装法により、MDF板に塗装し、中波長域赤外線照射炉(波長1〜10μm)において、90〜130℃で溶融し、塗膜を形成した。次いで、塗膜に、高圧水銀ランプ(波長280〜450nm)を用い紫外線を約10秒照射し、塗膜を硬化させた。得られた塗膜(硬化塗膜)を下記の項目で評価を行った。
(塗膜の表面硬度)
JIS K5400−1990に基づいて、得られた塗膜の表面硬度を測定した。
(塗料の溶融温度)
170℃に設定したホットプレートに、所定の面積(25cm2)で、実施例および比較例で製造した粉体塗料5gをのせ、前記粉体塗料が溶け始めたときの温度を測定し、この温度を溶融温度とした。
(塗料の溶融粘度)
粘度測定装置(ビスコメーター)を用いて、温度95℃、回転数0.1rpmの条件下で粉体塗料を溶融させ、100秒間経過後の溶融粘度を測定した。
(実施例1)
粉体塗料用紫外線硬化型樹脂(ダイセルユーシービー(株)製、「Uvecoat#3001」)100重量部、光重合開始剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製、「Irugacure 819」と、チバスペシャルティケミカルズ(株)製、「Irugacure 2959」との混合物、前者/後者=1/1(重量比))2重量部、酸化チタン(デュポン(株)製、「R−706」)20重量部、表面調整剤(SOLUTIA(株)製、「MODAFLOW POWDER−2000」)1重量部を、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、「KARAYAD DPHA」)10重量部をヘンシェルミキサーでドライブレンドした後、エクストルーダーで溶融混練して冷却固化した。冷却後、粉砕機により微粉砕したのち濾過し、平均粒子径約20μm以上の粉体塗料を得た。なお、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートは、予め前記紫外線硬化型樹脂とジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとを、前者/後者(重量比)=80/20の割合で(すなわち、前記紫外線硬化型樹脂40重量部およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10重量部を)混合した組成物をホットプレートで溶融混合し、冷却固化して得られたペレット状固化物として使用した。
(実施例2)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを10重量部に代えて20重量部とした以外は、実施例1と同様にして粉体塗料を得た。
(比較例1)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして粉体塗料を得た。
(比較例2)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートに代えて、二官能性アクリレートモノマー(日本化薬(株)製、「KARAYAD HX−220」)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして粉体塗料を得た。
結果を表1に示す。
Figure 2005306944
表1より、実施例1および2の塗料により得られた硬化塗膜は、比較例1および2の塗料により得られた硬化塗膜に比べて硬度が高く、2ランク以上鉛筆硬度を向上できた。また、実施例1および2の塗料は、溶融温度および溶融粘度を大きく低下させることができた。

Claims (11)

  1. 光硬化性樹脂と、4官能以上の多官能重合性化合物とで構成されている粉粒状光硬化性樹脂組成物。
  2. 多官能重合性化合物が、トリオール及びテトラオールから選択された少なくとも1種のポリオールのダイマー又はトリマーのポリ(メタ)アクリレートであって、アルカントリオールのダイマー又はトリマーのテトラ乃至ペンタ(メタ)アクリレート、及びアルカンテトラオールのダイマー又はトリマーのテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレートから選択された少なくとも1種である請求項1記載の粉粒状光硬化性樹脂組成物。
  3. 多官能重合性化合物が、C4-10アルカンテトラオールのダイマーのテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレートである請求項1記載の粉粒状光硬化性樹脂組成物。
  4. 多官能重合性化合物の割合が、光硬化性樹脂100重量部に対して5〜30重量部である請求項1記載の粉粒状光硬化性樹脂組成物。
  5. さらに光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物であって、前記光重合開始剤の割合が、多官能重合性化合物100重量部に対して、0.5〜30重量部である請求項1記載の粉粒状光硬化性樹脂組成物。
  6. 光硬化性樹脂と、アルカンテトラオールのダイマー又はトリマーのテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレートから選択された少なくとも1種のポリオールポリ(メタ)アクリレートと、光重合開始剤とで構成され、室温で粉粒状の光硬化性樹脂組成物であって、前記ポリ(メタ)アクリレートの割合が、光硬化性樹脂100重量部に対して8〜25重量部であり、光重合開始剤の割合が、前記ポリ(メタ)アクリレート100重量部に対して1〜30重量部である粉粒状光硬化性樹脂組成物。
  7. さらに、ブロッキング防止剤を含む請求項1記載の粉粒状光硬化性樹脂組成物。
  8. ブロッキング防止剤が、平均粒子径5〜100nmの一次粒子で構成されたケイ素含有無機微粒子である請求項7記載の粉粒状光硬化性樹脂組成物。
  9. ブロッキング防止剤の割合が、光硬化性樹脂100重量部に対して0.01〜1重量部である請求項7記載の粉粒状光硬化性樹脂組成物。
  10. 光硬化性樹脂と4官能以上の多官能重合性化合物とを溶融混練して冷却固化し、粉砕し、請求項1記載の粉粒状光硬化性樹脂組成物を製造する方法。
  11. 請求項1記載の粉粒状光硬化性樹脂組成物を、基材に塗装したのち加熱溶融させて形成した塗膜に活性光線を照射することにより、硬化塗膜の硬度を鉛筆硬度2H以上に向上する方法。
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