JP2005306779A - 植物由来抗菌剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 抗菌活性や抗菌スペクトラムの点で極めて性能の高い植物由来の抗菌剤の少なくとも1種以上か、又は該抗菌剤とその他の植物性抗菌剤を混合する事により加工特性の向上した抗菌剤混合物を提供する事。
【解決手段】ボッコニア・フルテセンス(Bocconia frutescens)、ヘマトキシラム・ブラシレト(Haematoxylum brassileto)、ミモサ・テヌイフォラ(Mimosa tenuifora)、ソラナム・メロンゲーナ(Solanum melongena)、及びタゲテス・フロリダ(Tagetes florida)からなる植物群の1種以上の植物抽出物を有効成分とする抗菌剤、又は該抗菌剤群の内の少なくとも1種以上とその他の植物性抗菌剤とを混合して使用することを特徴とする抗菌剤混合物、及び該抗菌剤又は抗菌剤混合物を配合することを特徴とするフィルム又は繊維製品、または皮膚外用剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物由来の抗菌剤及び該抗菌剤の各種利用法に関する。
昨今の衛生意識の向上を反映し抗菌加工を施した製品の市場が拡大している。現在、これらの製品に使用されている抗菌剤は、大まかに無機系抗菌剤、有機系合成抗菌剤、天然系抗菌剤に分類することが出来る。この内、無機系抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛等の金属を用いたものが知られており、中でも殺菌力が強く且つ安全性が高い銀系抗菌剤が、繊維製品やデオドラント系化粧料等の幅広い製品群に使用されている。しかしながら活性本体である銀イオンは、生活環境中に多量に存在する塩素と反応してハロゲン化銀を生成する事が知られており、本剤を使用する上での大きな問題点の一つと考えられている。
一方、有機系合成抗菌剤としては、トリクロサン、ジンクピリジオン、パラベン等が知られており、主に化粧品の防腐剤や洗浄用殺菌剤として使用されている。しかしこれら薬剤の中には、使用者に対して皮膚刺激性を示すものも有り安全性の点に於いて必ずしも十分ではない。
安全性が比較的高く且つ環境に対する影響が少ない事から、近年植物由来の天然系抗菌剤の利用場面が増えてきた。その代表的な剤として、アリルイソチオシアネート、緑茶ポリフェノール、ヒノキチオール等を挙げる事が出来る。しかしながらこれら植物性の抗菌剤の多くは、上記の無機系抗菌剤や有機系合成抗菌剤と比較した場合、抗菌活性や抗菌スペクトラムの点に於いて必ずしも満足する性能を有しておらず、現状に於いて全面的にこれらを置き換える事は困難である。唯一、ヒノキチオールは無機系抗菌剤や有機系合成抗菌剤と遜色ない抗菌性能を持つ事が知られているものの、光で分解し易く、また金属腐食性がある為、使用場面が限定される欠点がある(非特許文献-1)。
ところで、植物性抗菌剤を用いて抗菌加工を施す場合、加工の工程で抗菌性能が消失する可能性がある為、熱安定性など当該抗菌剤の物理的特性が抗菌性能と同様に重要な要素となる。例えば、抗菌性の吸収物品を製造する場合、パーツとなる部材(例えば不織布やフィルム製品など)にあらかじめ溶液状態に調整した抗菌剤を塗布または含浸する工程と、塗布または含浸により付着した余分な水分を部材から完全に除去する為の絞り及び乾燥工程が必要であるが、これら工程は、ロールツーロール型の生産機を用いて、部材の送り速度100m/分以上で実施する方法が一般的である。この時部材は、90〜130℃に加温した温風に10秒以下の時間曝す方法で乾燥される為、塗布または含浸に供される抗菌剤は、上記条件下で乾燥処理した時に於いても変性せず、且つ部材に安定して固着する性質を有する素材が望ましい。しかしながら一般的に知られている植物性抗菌剤の場合、熱処理を施す事によって変色したり或いは目的の活性が消失する等の問題が発生する場合がある。また精油の如く揮発しやすい性質を持つものについては、そもそも温風を使用する本乾燥工程に適さない。
特開2000-229804公報 特開平2−160798号公報 誰でもわかる抗菌基礎知識、第183頁、テクノシステムズ (1999年)
本発明は、抗菌活性や抗菌スペクトラムの点に於いて極めて性能の高い植物由来の抽出物を有効成分とする抗菌剤及び該抗菌剤の混合物、及び該抗菌剤とその他の植物性抗菌剤を混合する事によって得られる加工特性の優れた抗菌剤混合物を提供すると共に、これら抗菌剤又は抗菌剤混合物を利用した各種製品を提供する事を目的とする。
本研究者らは、各種植物抽出物を対象に鋭意研究を行った結果、ボッコニア・フルテセンス(Bocconia frutescens)、ヘマトキシラム・ブラシレト(Haematoxylum brassileto)、ミモサ・テヌイフォラ(Mimosa tenuifora)、ソラナム・メロンゲーナ(Solanum melongena)、及びタゲテス・フロリダ(Tagetes florida)の各抽出物中に高い抗菌性能を見出すと共に、該抽出物の少なくとも2種以上を混合する事により抗菌性能を損なう事無く広い抗菌スペクトラムを発現し得ることを見出した。また、当該植物抽出物とその他の植物性抗菌剤であるナンキョウソウ(Alpinia galanga (L.) Swarts)の抽出物又はムクロジ(学名:Sapindus mukurossi Gaertn.)の抽出物と混合する事により、熱安定性が極めて高く吸収物品用部材への加工特性に優れた抗菌剤が得られる事を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ボッコニア・フルテセンス(Bocconia frutescens)、ヘマトキシラム・ブラシレト(Haematoxylum brassileto)、ミモサ・テヌイフォラ(Mimosa tenuifora)、ソラナム・メロンゲーナ(Solanum melongena)、及びタゲテス・フロリダ(Tagetes florida)からなる植物群の1種以上の植物抽出物を有効成分とする抗菌剤に関するものである。
また本発明は、当該抗菌剤の少なくとも1種以上とその他の植物性抗菌剤とを混合する事により熱安定性の向上した抗菌剤混合物に関するものである。
更に本発明は、当該抗菌剤とその他の植物性抗菌剤の混合物を含有する事を特徴とする繊維製品またはフィルム製品であって、且つ該繊維製品またはフィルム製品を用いた吸収性物品又はワイパーに関するものである。
また本発明は、当該抗菌剤、又は当該抗菌剤混合物、又は当該抗菌剤とその他の植物性抗菌剤の混合物を配合することを特徴とする皮膚外用剤に関するものである。
本発明によって得られるボッコニア・フルテセンス(Bocconia frutescens)、ヘマトキシラム・ブラシレト(Haematoxylum brassileto)、ミモサ・テヌイフォラ(Mimosa tenuifora)、ソラナム・メロンゲーナ(Solanum melongena)、及びタゲテス・フロリダ(Tagetes florida)の抽出物は、極めて高い抗菌活性を有する新規の植物由来抗菌剤である。また、当該抗菌剤の少なくとも2種以上を混合する事により、広い抗菌スペクトラムを持った抗菌剤混合物が作成可能である。更に、当該抗菌剤とその他の植物性抗菌剤であるナンキョウソウ(Alpinia galanga (L.) Swarts)の抽出物又はムクロジ(学名:Sapindus mukurossi Gaertn.)の抽出物と混合する事により、熱安定性が向上するため抗菌ニーズを有する様々な製品群への加工が可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に於いて植物抽出物を得るために使用される植物とは、ボッコニア・フルテセンス(Bocconia frutescens)、ヘマトキシラム・ブラシレト(Haematoxylum brassileto)、ミモサ・テヌイフォラ(Mimosa tenuifora)、ソラナム・メロンゲーナ(Solanum melongena)、及びタゲテス・フロリダ(Tagetes florida)である。本発明で使用する抗菌剤とは、これら植物のうち1種以上の植物の葉、根、茎、花及び果実等の植物体の一部又は全草から抽出されるものであるが、中でも全草から抽出する方法が特に好ましい。
本発明に於ける植物から抽出物を得る為には、当該植物乾燥物または生植物の乾物換算当たりに対して2〜20倍の抽出溶媒が用いられる。抽出に使用する溶媒としては、一般には水、低級1価アルコール(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等)、低級アルキルエステル(酢酸エチル等)、炭化水素(ベンゼン、ヘキサン、ペンタン、トルエン)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、アセトニトリル等)が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
当該植物群からの抽出方法は特に限定されないが、常温又は加温下で行う事が好ましい。その方法としては浸漬抽出、超音波破砕抽出、ソックスレイ抽出等がある。抽出時間に特に限定はないが、一般的に30分から2週間が好ましい。
本発明の植物抽出物は通常液体の抽出液として得られる。当該抽出液はそのまま本発明の抗菌剤として使用しても良いが、各種処理を施して得られる処理物を使用する事も可能であり、このような処理物も本発明に関わる抗菌剤の中に含まれる。その例としては、例えば抽出液を常圧あるいは減圧下で濃縮した抽出液、該濃縮液中の溶媒を蒸発乾固させた固形物、濃縮液から有効成分を晶析後濾別乾燥した固形物等を挙げる事ができる。更に、ここで得られた抽出物は、上記の溶媒を用い、分配或いはクロマトグラフィーの如き精製等の処理を加えて、得られたものを用いる事が出来る。
上記の方法により得られる抗菌剤は、それぞれ単独に用いても良いし、該抗菌剤から選ばれる少なくとも2種以上を混合して用いても良い。本発明の抗菌剤は、混合する事により夫々の抗菌作用を損なう事無く広い抗菌スペクトラムを実現できる。この為、当該抗菌剤混合物は化粧品やコンタクトレンズ、或いは皮膚洗浄剤等の防腐剤用途での使用が好適である。その場合、混合する抗菌剤の比率に特に制限は無く、各種製品の抗菌ニーズに応じて任意の比率を設定する事が可能であるが、通常使用する場合は2種の抗菌剤を1:1の比率で混合する方法が好ましい。
また、上記の抗菌剤はその他の植物性抗菌剤の1種以上と任意の比率で混合して使用することが出来る。ここで、混合の対象として好ましい植物性抗菌剤としては、アリルイソチオシアネート、カテキン、ヒノキチオール、アニス油、カシア油、ガーリック油、キャラウェイ油、クミン油、クローブ油、コリアンダー油、シナモン油、スペアミント油、タイム油、ピメント、ベイ油、レモングラス油、ユーカリ油、セージ抽出物、バジル抽出物、ローズマリー抽出物、ラベンダー抽出物、カミツレ抽出物、ヒノキ抽出物、ヒバ抽出物、インチコウ抽出物、メンオウギ抽出物、オウレン抽出物、シコン抽出物、オウバク抽出物、オウゴン抽出物、ガイヨウ抽出物、キョウニン抽出物、ケイヒ抽出物、コウボク抽出物、シソ葉抽出物、シャクヤク抽出物、センキュウ抽出物、ダイオウ抽出物、チョウジ抽出物、トウニン抽出物、ボタンヒ抽出物、チャ抽出物、エゴノキ抽出物、カワラヨモギ抽出物、ホオノキ抽出物、レンギョウ抽出物、ショウガ抽出物、孟宗竹抽出物、ナンキョウソウ抽出物、ムクロジ抽出物等を挙げる事が出来る。中でもナンキョウソウ抽出物、及びムクロジ抽出物を混合した場合、熱安定性が向上する為様々な製品群への応用が可能となり、特に紙おむつ等の吸収物品の加工用途に好適である。また、混合する抗菌剤の比率に特に制限は無く、各種製品の抗菌ニーズに応じて任意の比率を設定する事が可能であるが、通常使用する場合は2種の抗菌剤を1:1の比率で混合する方法が好ましい。
本発明に於けるナンキョウソウ(Alpinia galanga (L.) Swarts)とは、ショウガ科の多年生草本で、去痰、殺虫等の薬効が知られている。また、当該植物抽出物の大腸菌に対する抗菌作用が先行文献上で開示されている(特許文献1)。本発明で利用するナンキョウソウ抽出物とは、当該植物の葉、根、茎、花、種子等の植物体の一部又は全部から抽出されるものであるが、中でも根茎からの抽出物が特に好ましい。
また、本発明に於けるムクロジ(Sapindus mukurossi Gaertn.)とは、ムクロジ科の落葉或いは常緑の高木で、鎮痛、消炎、解毒等の薬効が知られている。また、当該植物抽出物の糸状菌に対する抗菌作用が先行文献上で開示されている(特許文献2)。本発明で使用するムクロジ抽出物とは、当該植物の葉、根、茎、花及び果実等の植物体の一部又は全部から抽出されるものであるが、中でも果皮からの抽出物が特に好ましい。本発明の抗菌剤とこれらその他の植物性抗菌剤とを混合する事により熱安定性が向上する事は、現在に至るまで明らかにされておらず全く予想外の事であった。
本発明に於いて、上記植物抽出物由来の抗菌剤の少なくとも1種以上か、又は該抽出物の少なくとも1種以上とその他の植物性抗菌剤の少なくとも1種以上とを混合して使用する抗菌剤混合物を製造する場合の剤型に特に制限はなく、液状、ゲル状、粉末等の形態で使用する事が出来る。更に、該抗菌剤又は抗菌剤混合物は、ローション、スプレー剤、ムース剤等に配合する事が可能である。液状、ゲル状の製品とする場合は抗菌剤又は抗菌剤混合物を0.00001〜10重量%含有させる事が好ましい。
本発明の抗菌剤又は抗菌剤混合物は、ウェットティッシュ、おしり拭き等のワイパーの薬剤として使用する事が出来る。この場合、該抗菌剤又は抗菌剤混合物は部材の重量の0.001〜10重量%の範囲である事が好ましく、特に0.01〜1重量%の範囲である事が好ましい。
また、本発明によって得られる抗菌剤又は抗菌剤混合物は、吸収物品に使用する事が出来る。当該抗菌剤又は抗菌剤混合物を塗布又は含浸する吸収物品用の部材としては、合成繊維、天然繊維の繊維製品(織布、不織布等)、フィルム製品等、いかなる素材、いかなる形状でもよく、吸収性物品の用途に応じて適宜選択可能であるが、特にポリプロピレン性の不織布又はフィルムが好ましい。また、対象となる部材は、疎水性、親水性を問わず使用可能である。例えば、疎水性の部材に抗菌剤又は抗菌剤混合物を塗布又は含浸処理する場合、本処理に先立って、該部材の作成時に市販の親水化剤を練りこむか、又は作成後に市販の親水化剤を製品表面に塗布するか、又は物理的手法により製品表面を親水化する事により効果的に塗布又は含浸することが出来る。ここで、物理的に親水化する具体的な方法としては、例えばプラズマ処理法を挙げる事が出来る。更に、本発明に於ける吸収物品用部材とは、吸収物品を構成する全てのパーツに使用可能であるが、好ましくは吸収物品の着用に際して皮膚に直接接触するパーツ、例えばトップシートやウェストギャザー等に使用されるものである。
上記抗菌剤を吸収物品用の部材に塗布又は含浸する方法としては、例えばスプレー法、グラビア印刷法等により該部材表面に抗菌剤又は抗菌剤混合物を塗布するか、または溶液状の抗菌剤又は抗菌剤混合物に部材を一定時間浸漬する方法を挙げる事が出来る。中でも、グラビア印刷法によって表面塗布する方法が特に好ましい。また、ここで使用される抗菌剤又は抗菌剤混合物は、後述の乾燥工程を考慮し、熱安定性の高いナンキョウソウ抽出物又はムクロジ抽出物との混合物である事が好ましい。当該抗菌剤又は抗菌剤混合物を塗布または含浸した部材は、速やかにローラーで絞った後エアーオーブンで乾燥し余分な水分を除去する事が好ましい。乾燥にあたっては、余分な水分が十分に除去可能であり、且つ抗菌剤又は抗菌剤混合物乃至は部材の性状、物性が変化しない温度であれば特に指定は無いが、実生産機に於ける生産性を考慮した場合、90℃〜130℃に加温した温風を10秒を超えない時間吹き付け乾燥する方法が好ましい。仮に100m/分以上の速度で塗布又は含浸工程から乾燥処理工程迄を実施する場合、温風の温度が90℃に満たない場合、10秒以内の乾燥時間では乾きむらが生じ、逆に130℃を超えると抗菌剤又は抗菌剤混合物の有する抗菌活性が消失する。
乾燥後、吸収物品用部材に固着した抗菌剤又は抗菌剤混合物の重量は、該部材の乾燥重量当り0.0001〜10重量%の範囲である事が好ましく、特に0.001〜1重量%の範囲である事が好ましい。
本発明における吸収物品としては、経血、血液、汗、尿等各種体液を吸収する目的で使用され、且つ皮膚に直接接する製品であれば特に限定はないが、好ましくは使い捨ての衛生用品であり、具体的には、紙おむつ、生理用ナプキン、タンポン、パンティーライナー、失禁用パット等を挙げる事が出来る。また、本発明に於ける吸収物品を使用するに当っては、一般の吸収物品と同様、肌に直接接するように装着すればよく、装着に際して特別な処理を施す必要はない。
本発明の抗菌剤又は抗菌剤混合物は、化粧料や医薬品等の皮膚外用剤として使用することが出来る。この場合、該抗菌剤又は抗菌剤混合物の効果を損なわない範囲で、抗炎症剤、保湿剤、栄養補給剤からなる群から選ばれる薬効成分の1種または2種以上を配合する事により、更に効果を高めることが可能である。具体的な薬効剤としては以下のものが例示できる。
(抗炎症剤)
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、チアミン塩酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ニコチン酸アミド、塩化コリン、アロエ抽出物、アルニカ抽出物、アシタバ抽出物、ウコン抽出物、キハダ抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、コンフリー抽出物、スイカズラ抽出物、セージ抽出物、ワレモコウ抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物、レンゲソウ抽出物、コンドロイチン硫酸及びその誘導体が挙げられる。
(保湿剤)
保湿剤としては、グリセリン、アロエ抽出液、冬虫夏草抽出液、プラセンタ抽出液、ホホバ抽出液、ローヤルゼリー、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、トレハロース、セラミド、尿素等が挙げられる。
(栄養補給剤)
栄養補給剤としては、グリシン、アラニン、アルギニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、スレオニン、リジン等のアミノ酸及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、チアミン塩酸塩、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ビオチン等のビタミン類が挙げられる。
また、本発明の抗菌剤又は抗菌剤混合物には、上記の抗炎症剤、保湿剤、栄養補給剤に加えて、必要に応じて通常の皮膚外用剤に用いられる添加物、例えば水性成分、油性成分、粉末成分、アルコール類、エステル類、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、色剤、香料、pH調整剤、キレート剤等の成分を配合する事が出来る。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(実施例1) ボッコニア・フルテセンス(Bocconia frutescens)乾燥植物の全草を粉砕した後、10倍量(w/v)のメタノールで3日間、室温で浸漬抽出した。吸引濾過により抽出液と残渣を濾別した後、得られた抽出液を濃縮し、ボッコニア・フルテセンス抽出物を得た。抽出物の収量は全草1kgに対して76gであった。
(実施例2) ヘマトキシラム・ブラシレト(Haematoxylum brassileto)乾燥植物の全草を粉砕した後、10倍量(w/v)のメタノールで3日間、室温で浸漬抽出した。吸引濾過により抽出液と残渣を濾別した後、得られた抽出液を濃縮し、ヘマトキシラム・ブラシレト抽出物を得た。抽出物の収量は全草1kgに対して44gであった。
(実施例3) ミモサ・テヌイフォラ(Mimosa tenuifora)乾燥植物の全草を粉砕した後、10倍量(w/v)のメタノールで3日間、室温で浸漬抽出した。吸引濾過により抽出液と残渣を濾別した後、得られた抽出液を濃縮し、ミモサ・テヌイフォラ抽出物を得た。抽出物の収量は全草1kgに対して56gであった。
(実施例4) ソラナム・メロンゲーナ(Solanum melongena)乾燥植物の全草を粉砕した後、10倍量(w/v)のメタノールで3日間、室温で浸漬抽出した。吸引濾過により抽出液と残渣を濾別した後、得られた抽出液を濃縮し、ソラナム・メロンゲーナ抽出物を得た。抽出物の収量は全草1kgに対して239gであった。
(実施例5) タゲテス・フロリダ(Tagetes florida)乾燥植物の全草を粉砕した後、10倍量(w/v)のメタノールで3日間、室温で浸漬抽出した。吸引濾過により抽出液と残渣を濾別した後、得られた抽出液を濃縮し、タゲテス・フロリダ抽出物を得た。抽出物の収量は全草1kgに対して118gであった。
(実施例6) 実施例5記載のタゲテス・フロリダ抽出物2gを500mLの蒸留水に溶解した後、ヘキサン500mLによる液−液分配を行いヘキサン画分を回収した。本操作を計3回実施した後、回収したヘキサン画分を濃縮し、ヘキサン分配抽出物250mgを得た。
(実施例7) 実施例1記載のボッコニア・フルテセンス抽出物5gと実施例2記載のヘマトキシラム・ブラシレト抽出物5gを混合し、ボッコニア・フルテセンス/ヘマトキシラム・ブラシレト混合抽出物を作成した。
(実施例8) 実施例7に於いて、ヘマトキシラム・ブラシレト抽出物の代わりに実施例3記載のミモサ・テヌイフォラ抽出物を使用した以外は該実施例と同様に操作し、ボッコニア・フルテセンス/ミモサ・テヌイフォラ混合抽出物を作成した。
(実施例9) 実施例7に於いて、ヘマトキシラム・ブラシレト抽出物の代わりに実施例4記載のソラナム・メロンゲーナ抽出物を使用した以外は該実施例と同様に操作し、ボッコニア・フルテセンス/ソラナム・メロンゲーナ混合抽出物を作成した。
(実施例10) 実施例7に於いて、ヘマトキシラム・ブラシレト抽出物の代わりに実施例5記載のタゲテス・フロリダ抽出物を使用した以外は該実施例と同様に操作し、ボッコニア・フルテセンス/タゲテス・フロリダ混合抽出物を作成した。
(実施例11) 実施例2記載のヘマトキシラム・ブラシレト抽出物5gと実施例3記載のミモサ・テヌイフォラ抽出物5gを混合し、ヘマトキシラム・ブラシレト/ミモサ・テヌイフォラ混合抽出物を作成した。
(実施例12) 実施例11に於いて、ミモサ・テヌイフォラ抽出物の代わりに実施例4記載のソラナム・メロンゲーナ抽出物を使用した以外は該実施例と同様に操作し、ヘマトキシラム・ブラシレト/ソラナム・メロンゲーナ混合抽出物を作成した。
(実施例13) 実施例11に於いて、ミモサ・テヌイフォラ抽出物の代わりに実施例5記載のタゲテス・フロリダ抽出物を使用した以外は該実施例と同様に操作し、ヘマトキシラム・ブラシレト/タゲテス・フロリダ混合抽出物を作成した。
(実施例14) 実施例3記載のミモサ・テヌイフォラ抽出物5gと実施例4記載のソラナム・メロンゲーナ抽出物5gを混合し、ミモサ・テヌイフォラ/ソラナム・メロンゲーナ混合抽出物を作成した。
(実施例15) 実施例14に於いて、ソラナム・メロンゲーナ抽出物の代わりに実施例5記載のタゲテス・フロリダ抽出物を使用した以外は該実施例と同様に操作し、ミモサ・テヌイフォラ/タゲテス・フロリダ混合抽出物を作成した。
(実施例16) 実施例4記載のソラナム・メロンゲーナ抽出物5gと実施例5記載のタゲテス・フロリダ抽出物5gを混合し、ソラナム・メロンゲーナ/タゲテス・フロリダ混合抽出物を作成した。
(実施例17) ナンキョウソウ(Alpinia galanga (L.) Swarts)の乾燥根茎を粉砕した後、10倍量(w/v)のメタノールで3日間、室温で浸漬抽出した。次に吸引濾過により抽出液と残渣を濾別した後、得られた抽出液を濃縮し、ナンキョウソウ抽出物を得た。抽出物の収量は乾燥根茎1kgに対して146gであった。
(実施例18) 実施例17記載のナンキョウソウ抽出物5gと実施例1記載のボッコニア・フルテセンス抽出物5gを混合し、ナンキョウソウ/ボッコニア・フルテセンス混合抽出物を作成した。
(実施例19) 実施例18に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに実施例2記載のヘマトキシラム・ブラシレト抽出物を使用した以外は該実施例と同様に操作し、ナンキョウソウ/ヘマトキシラム・ブラシレト混合抽出物を作成した。
(実施例20) 実施例18に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに実施例3記載のミモサ・テヌイフォラ抽出物を使用した以外は該実施例と同様に操作し、ナンキョウソウ/ミモサ・テヌイフォラ抽出物混合抽出物を作成した。
(実施例21) 実施例18に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに実施例4記載のソラナム・メロンゲーナ抽出物を使用した以外は該実施例と同様に操作し、ナンキョウソウ/ソラナム・メロンゲーナ混合抽出物を作成した。
(実施例22) 実施例18に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに実施例5記載のタゲテス・フロリダ抽出物を使用した以外は該実施例と同様に操作し、ナンキョウソウ/タゲテス・フロリダ混合抽出物を作成した。
(実施例23) ムクロジ(Sapindus mukurossi Gaertn.)の果皮を10倍量(w/v)のメタノールで3日間、室温で浸漬抽出した。次に、吸引濾過により抽出液と残渣を濾別した後、得られた抽出液を濃縮し、ムクロジ抽出物を得た。抽出物の収量は果皮1kgに対して626gであった。
(実施例24) 実施例23記載のムクロジ抽出物5gと実施例1記載のボッコニア・フルテセンス抽出物5gを混合し、ムクロジ/ボッコニア・フルテセンス混合抽出物を作成した。
(実施例25) 実施例24に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに実施例2記載のヘマトキシラム・ブラシレト抽出物を使用した以外は該実施例と同様に操作し、ムクロジ/ヘマトキシラム・ブラシレト混合抽出物を作成した。
(実施例26) 実施例24に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに実施例3記載のミモサ・テヌイフォラ抽出物を使用した以外は該実施例と同様に操作し、ムクロジ/ミモサ・テヌイフォラ抽出物混合抽出物を作成した。
(実施例27) 実施例24に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに実施例4記載のソラナム・メロンゲーナ抽出物を使用した以外は該実施例と同様に操作し、ムクロジ/ソラナム・メロンゲーナ混合抽出物を作成した。
(実施例28) 実施例24に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに実施例5記載のタゲテス・フロリダ抽出物を使用した以外は該実施例と同様に操作し、ムクロジ/タゲテス・フロリダ混合抽出物を作成した。
(試験例1) 実施例1〜28で得られた抽出物又は混合抽出物について、各菌株に対する最小生育阻止濃度(MIC)を調べた。以下にその具体的方法を記す。
[試験菌株]
細菌類; Bacillus subtilis(NBRC3134)
Echerishia coli (ATCC11303)
Staphylococcus epidermidis(NBRC12993)
Micrococcus luteus(ATCC 4698)
カビ類; Aspergillus niger(NBRC6342)
Penicillium funiculosum(NBRC6345)
Cladosporium cladosporiodes(NBRC6348)
Exophiala mesophila(ATCC200542)
酵母類; Saccharomyces cerevisiae(IAM4178)
Candida cloacae(ATCC20184)
Rodotorula mucilaginosa(NBRC0915)
[試験菌株入手先]
細菌類; Bacillus subtilis:独立行政法人 製品評価基盤技術機構 生物遺伝資源センター
Echerishia coli:ATCC
Staphylococcus epidermidis:独立行政法人 製品評価基盤技術機構 生物遺伝資源センター
Micrococcus luteus:ATCC
カビ類; Aspergillus niger:独立行政法人 製品評価基盤技術機構 生物遺伝資源センター
Penicillium funiculosum:独立行政法人 製品評価基盤技術機構 生物遺伝資源センター
Cladosporium cladosporiodes:独立行政法人 製品評価基盤技術機構 生物遺伝資源センター
Exophiala mesophila:ATCC
酵母類; Saccharomyces cerevisiae:東京大学分子生物学研究所 バイオリソース研究分野 IAMカルチャーコレクション
Candida cloacae:ATCC
Rodotorula mucilaginosa:独立行政法人 製品評価基盤技術機構 生物遺伝資源センター
[増殖用培地]
細菌類;Tryptic Soy Agar(ベクトンディッキンソン)
カビ類;ポテトデキストロース寒天培地(ベクトンディッキンソン)
酵母類;ブドウ糖ペプトン培地(日水製薬)
[感受性試験用培地]
細菌類;Mueller Hinton II agar培地(ベクトンディッキンソン)
酵母類、カビ類;サブロー寒天培地(日水製薬)
[感受性測定用平板培地の作成]
実施例1〜28で得られた抽出物又は混合抽出物を、10重量%になるようジメチルスルホキシド(以下DMSO)に溶解し溶解原液を作成した後、各溶解原液をDMSOで順次2倍希釈し、2倍系列希釈液を調製した。次に滅菌、溶解後50〜60℃に保った各感受性測定用培地に、各溶解原液及び各2倍系列希釈液を1/99量添加し、十分に混和後、シャーレに分注、固化させて感受性測定用平板培地を作成した。
[摂取用菌液の調製]
上記の増殖用培地に各菌株を摂取し、細菌類は35℃で18〜30時間、酵母類は25℃で2日間、カビ類は25℃で14日間、夫々増殖培養を行った。培養終了後、細菌類及び酵母類の7菌株は、生理食塩水で菌数が10/mLとなるように希釈し、摂取用菌液とした。カビ類の4菌株は、増殖培養終了後、形成された胞子(分生子)をスルホこはく酸ジオクチルナトリウム(東京化成)を50mg/L添加した生理食塩水で、胞子数が約10/mLとなるよう調整し、摂取用菌液とした。
[感受性測定試験]
上記感受性測定平板培地に摂取用菌液を樹脂製ループ(内径約1mm)を用いて1〜2cm程度線画塗沫した後、細菌類のうちEcherishia coli及びBacillus subtilisは35℃で24時間、Staphylococcus epidermidis及びMicrococcus luteusは32時間、酵母類は25℃で2日間、カビ類はは25℃で7日間、夫々培養した。培養終了後、発育の有無を肉眼で観察し、発育が阻止された最小濃度をもって各菌株に対する最小発育阻止濃度とした。その結果を表1(表1−1、表1−2)に示す。
Figure 2005306779
Figure 2005306779
1)表内数値は各植物抽出物の最小発育阻止濃度(単位:μg/mL)を、−は全ての試験区で最小発育阻止濃度が確認できなかったことを夫々示す。また、()内数値は最小発育阻止濃度を示した混合物を構成する各抽出物の濃度(単位:μg/mL)を示す。
2)Bacillus subtilis、3)Echerishia coli、4)Staphylococcus epidermidis、5)Micrococcus luteus、6)Aspergillus niger、7)Penicillium funiculosum、8)Cladosporium cladosporiodes、9)Exophiala mesophila、10); Saccharomyces cerevisiae、11)Candida cloacae、12)Rodotorula mucilaginosa
上記試験例の結果に示す通り、実施例1〜6記載の各植物抽出物は高い抗菌作用を示した。また、実施例8〜16、18〜22及び24〜28記載の植物抽出物混合物は、単独で使用した場合に比べ広い抗菌スペクトラムと高い抗菌作用を示した。
(試験例2)実施例1〜5の各抽出物及び17〜28記載の混合抽出物を夫々含浸させた不織布について、ハローテストによる抗菌試験を行った。以下にその具体的な方法を記す。
[抗菌試験用不織布の作成]
(実施例29) ポリプロピレンを原料とする繊維径2.1デニールの連続長繊維からなる目付量が15g〜25g/mのスパンボンド不織布を作成した後、この不織布に市販の親水化剤(商品名:シラストールPHP26、Schill&Seilacher社製)を、0.1〜1塗布量%の範囲になるよう塗布し、親水化剤処理不織布のロールサンプルを作成した。次に、実施例1記載のボッコニア・フルテセンス抽出物を0.3重量%になるよう蒸留水に溶解した後、グラビア印刷機を用いて該抽出物を親水化処理不織布上に塗布した。続いて、ローラーによる絞り工程を経た後、エアーオーブン(温風温度;100℃)内で8秒間乾燥処理し、ボッコニア・フルテセンス抽出物塗布不織布を作成した。なお、抽出物の塗布から乾燥に至る全工程は、100m/分の送り速度で実施した。
(実施例30) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例2記載のヘマトキシラム・ブラシレト抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例31) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例2記載のミモサ・テヌイフォラ抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例32) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例2記載のソラナム・メロンゲーナ抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例33) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例2記載のタゲテス・フロリダ抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例34) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例17記載のナンキョウソウ抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例35) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例22記載のナンキョウソウ/ボッコニア・フルテセンス混合抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例36) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例22記載のナンキョウソウ/ヘマトキシラム・ブラシレト混合抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例37) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例22記載のナンキョウソウ/ミモサ・テヌイフォラ混合抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例38) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例22記載のナンキョウソウ/ソラナム・メロンゲーナ混合抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例39) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例22記載のナンキョウソウ/タゲテス・フロリダ混合抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例40) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例17記載のムクロジ抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例41) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例22記載のムクロジ/ボッコニア・フルテセンス混合抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例42) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例22記載のムクロジ/ヘマトキシラム・ブラシレト混合抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例43) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例22記載のムクロジ/ミモサ・テヌイフォラ混合抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例44) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例22記載のムクロジ/ソラナム・メロンゲーナ混合抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(実施例45) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物の代わりに、実施例22記載のムクロジ/タゲテス・フロリダ混合抽出物を親水化剤処理不織布に対して0.3重量%含有するよう含浸させた以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
(比較例1) 実施例29に於いて、ボッコニア・フルテセンス抽出物を含浸させない以外は、該実施例と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
[ハローテスト用平板培地の作成]
試験例1に記載の方法に従い各摂取用菌液を調製した後、細菌類はMueller Hinton II agar培地に、カビ類及び酵母類はサブロー寒天培地に、夫々各摂取用菌液を1/10量添加し、十分に混和後、シャーレに分注、固化させてハローテスト用平板培地を作成した。
[ハローテスト]
実施例29〜45及び比較例1で得られた試験用不織布を夫々3cm四方の正方形に裁断し、上記のハローテスト用平板培地上に載せた後、細菌類の内Escherichia coli及びBacillus subtilisは35℃で24時間、Staphylococcus epidermidis及びMicrococcus luteusは32時間、酵母類は25℃で2日間、カビ類は25℃で7日間、夫々培養した。培養終了後、試験用不織布周囲のハローの有無を肉眼で観察し、抗菌活性を判定した。その結果を表2に示す。
Figure 2005306779
1)++:ハロー形成(>1mm)、+:ハロー形成(<1mm)、±:ハローの形成は認められないが不織布接地面で菌の生育抑制作用有り、−:抗菌効果なし
2)Bacillus subtilis、3)Echerishia coli、4)Staphylococcus epidermidis、5)Micrococcus luteus、6)Aspergillus niger、7)Penicillium funiculosum、8)Cladosporium cladosporiodes、9)Exophiala mesophila、10)Saccharomyces cerevisiae、11)Candida cloacae、12)Rodotorula mucilaginosa
以上の結果から、本発明の植物抽出物とアルピニア抽出物又はムクロジ抽出物を混合した場合、100℃下で乾燥した後も不織布上で高い抗菌作用を示す事を確認した。
以下に実施例1〜5記載の各抽出物及び実施例10、22、28記載の混合抽出物を配合した皮膚洗浄剤の配合例を、実施例46〜53として以下に示す。
(実施例46〜53) 各種配合成分、及び配合割合を表3に示す。なお、配合割合は重量%である。
Figure 2005306779
A成分を混合した後、B成分を添加し、次いでC成分を添加して皮膚洗浄剤を調整した。実施例1〜5記載の各抽出物及び実施例10、22、28記載の混合抽出物を配合したいずれの皮膚洗浄剤も、皮膚外用剤としての活性を示した。

Claims (6)

  1. ボッコニア・フルテセンス(Bocconia frutescens)、ヘマトキシラム・ブラシレト(Haematoxylum brassileto)、ミモサ・テヌイフォラ(Mimosa tenuifora)、ソラナム・メロンゲーナ(Solanum melongena)、及びタゲテス・フロリダ(Tagetes florida)からなる植物群の1種以上の植物抽出物を有効成分とする抗菌剤。
  2. 請求項1記載の抗菌剤の1種以上とその他の植物性抗菌剤とを含有することを特徴とする抗菌剤混合物。
  3. その他の植物性抗菌剤が、ナンキョウソウ(学名:Alpinia galanga (L.))またはムクロジ(学名:Sapindus mukurossi)の抽出物である事を特徴とする請求項3記載の抗菌剤混合物。
  4. 請求項1記載の抗菌剤または請求項2記載の抗菌剤混合物を塗布または含浸することを特徴とする繊維製品またはフィルム製品。
  5. 請求項4記載の繊維製品またはフィルム製品を用いる事を特徴とする吸収物品またはワイパー。
  6. 請求項1記載の抗菌剤または請求項2記載の抗菌剤混合物を配合することを特徴とする皮膚外用剤。
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