JP2005306234A - 自動車の車体構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動車の車体構造10において、吸気通路3の室内への取入れ口70、71より雨水排出路2の流下下流位置にこの雨水排出路2を実質的に塞ぐ構成の一方向バルブ4を設け、この一方向バルブ4は雨水が流下する方向の流れに対しては開放するが、反対方向の流れに対しては閉鎖する構成として配置する。
【選択図】 図1
Description
ところで、この外気を取り入れるカウルルーバーの吸気通路3からは、その構成上雨水も侵入してくるため、吸気カウル1の下部に車両外側方向へ排水するための雨水排水路2が形成されている。そして、タイヤ83の上部位置にはフェンダ81があり、カウルルーバーの吸気通路3を介して吸気カウル1内に侵入した雨水は、雨水排水路2を通ってフェンダ81内に流入し、フェンダライナ82の所定位置に設けられた排水穴から排水される。なお、エンジンフード85がエンジンルーム内への雨水の浸入を防いでいる。
まず、第1の発明は、エンジンルームが前方位置に配置された自動車の室内への外気取入れをエンジンルームの後方位置で取り入れるようにした吸気通路を形成した吸気カウルであって、該吸気通路を介して浸入した雨水を排出する雨水排出路が吸気カウルの下部で車幅方向外方向に雨水が流下するように傾斜して形成され、該雨水排出路はエンジンルームに連通する構成となっている自動車の車体構造において、前記吸気通路の室内への取入れ口より雨水排出路の流下下流位置に該雨水排出路を実質的に塞ぐ構成の一方向バルブが設けられており、該一方向バルブは雨水が流下する方向の流れに対しては開放するが、反対方向の流れに対しては閉鎖する構成として配置されていることを特徴とする。
なお、一方向バルブは、雨水が流下する方向に対しては開放される配置とされているため、雨水排出路の雨水の排出は従来通り抵抗なくその排出が行われる。しかし、一方向バルブは反対方向の流れに対しては実質的に閉鎖する構成とされているため、エンジンルームの熱風が車室内への取入れ口に吸い込まれるのを実質的に阻止することができて、車室内に取入れられる外気温に実質的に影響を与えることがない。
まず、第1の発明においては、吸気カウルの雨水排出路に一方向バルブを設けることにより、自動車の車体構造を低コストで構成しつつ車室内への外気導入時の良好な換気機能を行うことができる。すなわち、一方向バルブによりエンジンルーム内の熱風の車室内への吸い込みを実質的に防止するとともに、吸気カウルに入ってきた雨水を従来通り確実に排出することができる。
次に、第2の発明によれば、雨水排出路に配設される一方向バルブの下端と雨水排出路の流下面との間に所定の隙間を形成したので、いわゆる寒冷地において凍結する状態時でも一方向バルブの開放機能を良好に発揮させることが可能で、このような状態時でも雨水の排出を確実に行うことができる。
次に、第3の発明によれば、一方向バルブの配設は1個のみとなるので、自動車の車体構造をより低コストで構成することができる。
次に、第4の発明によれば、一方向バルブを枠体と可撓性部材で構成するものであるため、自動車の車体構造をシンプルな構成で、かつ低コストで構成することができる。
次に、第5の発明によれば、枠体の開口部を分割形成する支柱が設けられて分割された開口部が比較的小さく形成されるため、過度の負圧が生じた場合でも、可撓性部材が取入れ口方向に吸い込まれて巻き込まれることが防止される。このため、一方向バルブを確実に作用させることができ、エンジンルーム内の熱風の吸い込みを有効に防止することができる。
図1は、自動車の車体構造の基本的模式構成をエンジンフードが取り外された状態で示す斜視図である。図2は、一方向バルブ4を示す斜視図である。図3は、図1のA−A線に沿って切断した断面図である。図4は、図1のB−B線に沿って切断した断面図である。
本実施の形態における自動車の車体構造10は、エンジンルーム7の後方位置で室内への外気取入れを行う吸気通路3を形成した吸気カウル1が配置されている。吸気通路3は図3に示されるカウルルーバー12にスリット形状又は網目状の孔が開けられて形成されていることにより外気が吸気カウル1の前部空間1aに取り入れられるようになっている。このカウルルーバー12に設けられたスリット形状又は網目状の孔の吸気通路3からは、その構成上、車体外部への降雨も侵入してくる構成となっている。このため、吸気カウル1の前部空間1aは雨水排出路2としても機能するようになっている。雨水排出路2は侵入した雨水を排出させるため、その雨水の流下面となる底面が車幅方向外方向に雨水が流下するように傾斜して形成されている。なお、雨水排出路2の側方開放端はエンジンルーム7に連通する従来の汎用の構成となっている。
本実施の形態における連通路70及び外気導入口71が、本発明で言う吸気通路の室内への取入れ口に相当する。
なお、エンジンルーム7内の振動騒音は吸気カウルに形成された連通孔70及び外気導入口71を通じて車室内に伝播されるが、この伝播も断熱材73により有効に防止ないしは低減される。なお、右半分の位置には断熱材73が配置されていなく吸気カウル1にエンジンルーム7の振動騒音が伝播されるが、車室内への連通路が形成されていないため、車室内に伝播されることはない。
図3に示すウインドシールドガラス75やエンジンフード85に降りつけた雨は、カウルルーバー12にある吸気通路3(図示せず)を介して吸気カウル1の前部空間1aの雨水排出路2に侵入する。雨水排出路2に侵入した雨水は、図1に示すように雨水排出路2を流下して、一方向バルブ4を通過して排水される。詳細には、図4に示すように、雨水は、隙間47及び開口部42を介して排水される。この場合において、可撓性部材43は、枠体41の開口部42上部位置で結合されて下方部が開口部に対して開閉可能に撓み得る構成となっており、雨水が流下する方向の流れに対しては開放する構成となっているため、雨水の排水をスムーズに行うことができる。他方、一方向バルブ4は反対方向の流れに対しては閉鎖する構成として配置されているため、エンジンルームの熱風の車室内への吸い込みを有効に防止している。
例えば、上記実施の形態では、一方向バルブ4は枠体41と可撓性部材43を熱溶着により結合して構成した場合について説明したが、図6に示すようにバルブ体43aを剛性部材で構成して、これを枠体41にスナップ結合方式20a、20bで取付けて構成することもできる。この場合には、バルブ体43aが剛性部材で形成されていることから、図2に示す一方向バルブ4のように開口部に支柱を設ける必要がないため、それだけ枠体41の成形が容易となる等、よりコスト低減を図ることができる。
また、図2に示す可撓性部材43の枠体41への熱溶着44による結合に代えて、図7に示すような押え取付け部材48を設けて、この押え取付け部材48に設けた係合突起48aを枠体41に設けた係合孔41aに差し込むことにより可撓性部材43を枠体41に結合させる構成としても良い。なお、この結合に当っては、可撓性部材43にも取付け孔43aが穿設されており、この取付け孔43aを押え取付け部材48の係合突起48aが挿通して行われる。
また、一方向バルブ4の下端と雨水排出路の流下面との間に所定の隙間を設けないで、一方向バルブ4により雨水排水路を完全に塞ぐ構成とすることもできる。いわゆる寒冷地以外で使用する自動車ではこのような構成であっても特に支障は生じない。
2 雨水排水路
3 吸気通路
4 一方向バルブ
5 仕切り部材
10 車体構造
12 カウルルーバー
41 枠体
42 開口部
43 可撓性部材
45 支柱
47 隙間
48 押さ取付け部材
70 連通孔(吸気通路の室内への取入れ口)
71 外気導入口(吸気通路の室内への取入れ口)
81 フェンダ
83 タイヤ
Claims (5)
- エンジンルームが前方位置に配置された自動車の室内への外気取入れをエンジンルームの後方位置で取り入れるようにした吸気通路を形成した吸気カウルであって、該吸気通路を介して浸入した雨水を排出する雨水排出路が吸気カウルの下部で車幅方向外方向に雨水が流下するように傾斜して形成され、該雨水排出路はエンジンルームに連通する構成となっている自動車の車体構造において、
前記吸気通路の室内への取入れ口より雨水排出路の流下下流位置に該雨水排出路を実質的に塞ぐ構成の一方向バルブが設けられており、
該一方向バルブは雨水が流下する方向の流れに対しては開放するが、反対方向の流れに対しては閉鎖する構成として配置されていることを特徴とする自動車の車体構造。 - 請求項1に記載の自動車の車体構造であって、
前記雨水排出路に配設される一方向バルブの下端と該雨水排出路の流下面との間には所定の隙間が形成されており、該所定の隙間は流下面の表面の雨水が表面張力によって阻害されることなく流下できる隙間であると共に、エンジンルームの熱風が室内方向に侵入したとしても室内に実質的な影響を生じることのない隙間であることを特徴とする自動車の車体構造。 - 請求項1又は請求項2に記載の自動車の車体構造であって、
前記吸気通路の室内への取入れ口は車幅方向に形成された吸気カウルの中央位置よりいずれか一方側のみに設けられており、該吸気カウルに形成された前記雨水排出路の中央位置には該雨水排出路を遮断する仕切り部材が形成されており、前記一方向バルブは室内への取入れ口が設けられた一方側の雨水排出路の流下下流位置にのみ配置されていることを特徴とする自動車の車体構造。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動車の車体構造であって、
前記一方向バルブは開口部を形成した枠体と、該枠体の一側に配置され前記開口部を塞ぐ大きさの可撓性部材とからなっており、該可撓性部材は前記枠体の開口部上部位置で結合されて下方部が開口部に対して開閉可能に撓み得ることを特徴とする自動車の車体構造。 - 請求項4に記載の自動車の車体構造であって、
前記枠体には該枠体の開口部を分割形成する支柱が設けられていることを特徴とする自動車の車体構造。
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