JP2005306234A - 自動車の車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気カウルに設けられる外気導入口に極力近い位置でエンジンルーム内の熱風の車室内への導入を遮断することにより、このような自動車の車体構造のコスト低減を図りつつ車室内への外気導入時の良好な換気機能を達成する。
【解決手段】自動車の車体構造10において、吸気通路3の室内への取入れ口70、71より雨水排出路2の流下下流位置にこの雨水排出路2を実質的に塞ぐ構成の一方向バルブ4を設け、この一方向バルブ4は雨水が流下する方向の流れに対しては開放するが、反対方向の流れに対しては閉鎖する構成として配置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車の室内換気用外気取入口として機能する吸気カウルを備えた自動車の車体構造に関する。更に詳細には、自動車の前部位置に配設され、自動車の室内換気用外気取入口として機能する吸気カウルに形成された雨水排水路がエンジンルームに連通する構成となっている自動車の車体構造に関する。
この技術に関する従来の自動車の車体構造の基本的模式構成を図8及び図9に示す。図8は、自動車の車体構造をエンジンフードが取り外された状態を模式的に示す斜視図である。図9は、図8を車の前方方向から見た模式断面図である。図8及び図9に示すように、自動車の車体構造10では、自動車の室内換気のための外気導入は図示は省略したがカウルルーバーに形成されたスリット形状の吸気通路3を介して吸気カウル1に取り入れられ、この吸気カウル1からエアコンディショナーに導かれ空気調和制御されて室内に導入されるようになっている。
ところで、この外気を取り入れるカウルルーバーの吸気通路3からは、その構成上雨水も侵入してくるため、吸気カウル1の下部に車両外側方向へ排水するための雨水排水路2が形成されている。そして、タイヤ83の上部位置にはフェンダ81があり、カウルルーバーの吸気通路3を介して吸気カウル1内に侵入した雨水は、雨水排水路2を通ってフェンダ81内に流入し、フェンダライナ82の所定位置に設けられた排水穴から排水される。なお、エンジンフード85がエンジンルーム内への雨水の浸入を防いでいる。
上記した自動車車体の基本的構成においては、次のような室内換気時に問題が生じる。すなわち、比較的外気温が涼しいときの、エアコンディショナーをつけないで、外気を車室内に導入するためブロワをまわした使用状態時では、ブロワによる吸引状態で外気導入口71周辺は負圧になるため、エンジンルーム内で発生する熱風が、サスペンションタワー86の外側に位置するフェンダ81内やフェンダ81とエプロンパネルメンバ87との間に生じる空間をつたってダクト72から車室内に吸い込まれることがある。このため、車外の気温が低く、その外気温を取り入れる使用状態であるにも係わらず車室内温度がエンジンからの熱風のため、結果として外気温より高い温度の空気を取り入れることになる場合がある。また、エアコンディショナーをつけて、外気を車室内に導入する使用状態の場合でも、この熱風の吸い込みによる影響で所定の設定温度にするのに効率が悪くなる場合がある。
この点を改善した従来の自動車の車体構造の基本的模式構成が図10及び図11に示されている。図10は、自動車の車体構造をエンジンフードが取り外された状態を模式的に示す斜視図である。図11は、図10を車の前方方向から見た模式断面図である。この車体構造10は、吸気カウル1に形成された雨水排水路2に通じるエンジンルームからの通路にシール部材91、92を設置して、雨水排水路2を通じて車室内にエンジンルーム内の熱風が入るのを防止ないしは低減させたものである。すなわち、フェンダ81内やフェンダ81とエプロンパネルメンバ87との間に生じる空間が、通常雨水排出路2がエンジンルームに通じる空間となっており、この空間に樹脂等のシール部材91、92を詰めることで、エンジンルーム内で発生する熱風が吸気カウル1の外気導入口71に到達させないようにしている。これにより、エンジンルーム内で発生する熱風のダクトへの吸い込みを防止ないしは低減している。この種の関連技術として、下記の特許文献1及び特許文献2に示されるものがある。
特開2000−6842号公報 特開2003−118641号公報
しかしながら、上記した従来の改善された自動車の車体構造では、エンジンルーム内の熱風が車室内へ取り入れられることは防止ないしは低減されるが、更に、以下のような問題があり、改善が要望されている。すなわち、図10及び図11に示すように、従来の改善策はシール部材の設置のし易さから、吸気カウル1の外気導入口71及び雨水排出路2から比較的遠い部位で行われている。このため、雨水排出路2からエンジンルームに通じる通路が分岐して複数の通路となり、この複数の通路にシール部材を設置しなければならず、設置数が多くなり、それだけ部品コストがかかると共に取付け工数も同様にかかり、必然的にコスト高となっていた。なお、フェンダ81内にシール部材91を配置することで、雨水の排水の効率を悪くしてしまうという問題も指摘されている。
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、吸気カウルに設けられる外気導入口に極力近い位置でエンジンルーム内の熱風の車室内への導入を遮断することにより、上記した自動車の車体構造のコスト低減を図りつつ車室内への外気導入時の良好な換気機能を達成することにある。
本発明は前記課題を解決するために、次の手段をとる。
まず、第1の発明は、エンジンルームが前方位置に配置された自動車の室内への外気取入れをエンジンルームの後方位置で取り入れるようにした吸気通路を形成した吸気カウルであって、該吸気通路を介して浸入した雨水を排出する雨水排出路が吸気カウルの下部で車幅方向外方向に雨水が流下するように傾斜して形成され、該雨水排出路はエンジンルームに連通する構成となっている自動車の車体構造において、前記吸気通路の室内への取入れ口より雨水排出路の流下下流位置に該雨水排出路を実質的に塞ぐ構成の一方向バルブが設けられており、該一方向バルブは雨水が流下する方向の流れに対しては開放するが、反対方向の流れに対しては閉鎖する構成として配置されていることを特徴とする。
第1の発明によると、吸気通路の室内への取入れ口より雨水排出路の流下下流位置に一方向バルブを設けることにより、車室内へ外気を取り入れる取入れ口とエンジンルームを連通する連通路を塞いでいる。このため一方向バルブは必要最低限の個数で済み、それだけ低コストで自動車の車体構造を構成することができる。つまり、一方向バルブは多くても雨水排出路の両側に各一個配設すれば足り、場合によってはいずれか一側の一個のみの配設で済む場合もあり、低コストで構成することができるものである。
なお、一方向バルブは、雨水が流下する方向に対しては開放される配置とされているため、雨水排出路の雨水の排出は従来通り抵抗なくその排出が行われる。しかし、一方向バルブは反対方向の流れに対しては実質的に閉鎖する構成とされているため、エンジンルームの熱風が車室内への取入れ口に吸い込まれるのを実質的に阻止することができて、車室内に取入れられる外気温に実質的に影響を与えることがない。
ここで、本発明における「雨水」とは、通常の降雨による雨水の他、雪やみぞれなどが解けて水になった水を含む意味で用いている。この意味で、本発明は、自動車の車体に積雪した雪などが解けて水となり、この雪水が雨水排出路を通じて排出される場合にも当然ながら適用されるものである。
次に、第2の発明は、上記した第1の発明に係る自動車の車体構造において、前記雨水排出路に配設される一方向バルブの下端と該雨水排出路の流下面との間には所定の隙間が形成されており、該所定の隙間は流下面の表面の雨水が表面張力によって阻害されることなく流下できる隙間であると共に、エンジンルームの熱風が室内方向に侵入したとしても室内に実質的な影響を生じることのない隙間であることを特徴とする。
この第2の発明において、雨水排出路に配設される一方向バルブの下端と雨水排出路の流下面との間に所定の隙間を形成したのは次の理由による。つまり、カウルルーバー等の自動車の車体上に積もった雪が自動車のエンジン停止中に解けて水となり、この水が雨水排出路の流下面をゆっくり流下する状態で、この水が凍るような温度状態になった時には、この隙間がないか隙間が小さいときには流下する水が表面張力により一方向バルブの下端に接触して、その接触状態で凍結してしまい一方向バルブの開放機能を阻害することが生じる。この凍結するような状態にあっても一方向バルブの開放機能を有効に機能させるために所定の隙間を設けたものである。従って、「所定の隙間」は流下面の表面の水が表面張力によっても一方向バルブの下端に接触しない隙間が最低限必要とされるものである。しかし、所定の隙間が大きすぎると逆にエンジンルームの熱風を車室内への取入れ口に吸い込むことになるため、エンジンルームの熱風が多少吸い込まれても車室内に取り入れられる外気温に実質的に影響を与えることがないレベルに抑えることが必要とされる。なお、このような所定の隙間が有効に機能するのはいわゆる寒冷地と言われる地域である。
上述した一方向バルブの下端と雨水排出路の流下面との間の所定の隙間は、水の通常の表面張力を考慮すると、2mm以上にすることが必要である。また、エンジンルームの熱風がこの隙間を通じて室内方向に侵入した場合でも車室内に取り入れられる外気温に実質的に影響を与えることがないレベルに抑えるためには、その隙間により形成される開口面積を10cm2以下にすることが必要とされる。この開口面積以下とするためには、雨水排出路の流下面から一方向バルブの下端までの隙間距離は通常には10mm以下とすることが必要とされる。好ましくは5mm以下とするのが良い。従って、「所定の隙間」は、雨水排出路の流下面から一方向バルブの下端までの距離を2mm〜10mmの範囲内である高さの隙間として形成するのが好ましいと言える。更に好ましくは、雨水排出路の流下面から一方向バルブの下端までの距離を2mm〜5mmの範囲内で形成するのが良い。このような隙間を形成すれば、エンジンルームの熱風が一方向バルブを通じて室内方向に侵入したとしても室内に導入される外気温に実質的な影響を与えることがなく本発明の所期の課題を達成することができるものである。
次に、第3の発明は、上記した第1の発明又は第2の発明に係る自動車の車体構造において、前記吸気通路の室内への取入れ口は車幅方向に形成された吸気カウルの中央位置よりいずれか一方側のみに設けられており、該吸気カウルに形成された前記雨水排出路の中央位置には該雨水排出路を遮断する仕切り部材が形成されており、前記一方向バルブは室内への取入れ口が設けられた一方側の雨水排出路の流下下流位置にのみ配置されていることを特徴とする。
この吸気カウルに形成された雨水排出路の中央位置に雨水排出路を遮断する仕切り部材が形成されると、吸気通路の室内への取入れ口がない側のエンジンルームの熱風が取入れ口から室内に侵入することがないため、熱風の車室内への吸い込みを有効に防止することができる。また、一方向バルブは室内への取入れ口が設けられた一方側の雨水排出路の流下下流位置にのみに配置され、一方向バルブは1個のみの使用となるため、自動車の車体構造をより低コストで構成することができる。
次に、第4の発明は、上述した第1から第3のいずれかの発明において、前記一方向バルブは開口部を形成した枠体と、該枠体の一側に配置され前記開口部を塞ぐ大きさの可撓性部材とからなっており、該可撓性部材は前記枠体の開口部上部位置で結合されて下方部が開口部に対して開閉可能に撓み得ることを特徴とする。
一方向バルブに開口部を形成した枠体を構成すると、雨水排水路への設置を容易としつつ、雨水を排水する機能を確保することができる。また、この枠体の一側に配置され開口部を塞ぐ大きさの可撓性部材を構成するとエンジンルームの熱風の室内方向への侵入を防止することができる。さらに、可撓性部材が枠体の開口部上部位置で結合されて下方部が開口部に対して開閉可能に撓み得ると、雨水の排水をスムーズに行うとともに、熱風の車室内への吸い込みを有効に防止することができる。
次に、第5の発明は、上記した第4の発明に係る自動車の車体構造において、前記枠体には該枠体の開口部を分割形成する支柱が設けられていることを特徴とする。前記枠体の開口部を分割形成する支柱が設けられると、過度の負圧が生じた場合でも、可撓性部材が取入れ口方向に吸い込まれて巻き込まれることが防止され、一方向バルブを確実に作用させることができる。
本発明は上述した手段をとることにより、次の効果を得ることができる。
まず、第1の発明においては、吸気カウルの雨水排出路に一方向バルブを設けることにより、自動車の車体構造を低コストで構成しつつ車室内への外気導入時の良好な換気機能を行うことができる。すなわち、一方向バルブによりエンジンルーム内の熱風の車室内への吸い込みを実質的に防止するとともに、吸気カウルに入ってきた雨水を従来通り確実に排出することができる。
次に、第2の発明によれば、雨水排出路に配設される一方向バルブの下端と雨水排出路の流下面との間に所定の隙間を形成したので、いわゆる寒冷地において凍結する状態時でも一方向バルブの開放機能を良好に発揮させることが可能で、このような状態時でも雨水の排出を確実に行うことができる。
次に、第3の発明によれば、一方向バルブの配設は1個のみとなるので、自動車の車体構造をより低コストで構成することができる。
次に、第4の発明によれば、一方向バルブを枠体と可撓性部材で構成するものであるため、自動車の車体構造をシンプルな構成で、かつ低コストで構成することができる。
次に、第5の発明によれば、枠体の開口部を分割形成する支柱が設けられて分割された開口部が比較的小さく形成されるため、過度の負圧が生じた場合でも、可撓性部材が取入れ口方向に吸い込まれて巻き込まれることが防止される。このため、一方向バルブを確実に作用させることができ、エンジンルーム内の熱風の吸い込みを有効に防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明は、エンジンルームが前方位置に配置された自動車に適用されるものである。
図1は、自動車の車体構造の基本的模式構成をエンジンフードが取り外された状態で示す斜視図である。図2は、一方向バルブ4を示す斜視図である。図3は、図1のA−A線に沿って切断した断面図である。図4は、図1のB−B線に沿って切断した断面図である。
本実施の形態における自動車の車体構造10は、エンジンルーム7の後方位置で室内への外気取入れを行う吸気通路3を形成した吸気カウル1が配置されている。吸気通路3は図3に示されるカウルルーバー12にスリット形状又は網目状の孔が開けられて形成されていることにより外気が吸気カウル1の前部空間1aに取り入れられるようになっている。このカウルルーバー12に設けられたスリット形状又は網目状の孔の吸気通路3からは、その構成上、車体外部への降雨も侵入してくる構成となっている。このため、吸気カウル1の前部空間1aは雨水排出路2としても機能するようになっている。雨水排出路2は侵入した雨水を排出させるため、その雨水の流下面となる底面が車幅方向外方向に雨水が流下するように傾斜して形成されている。なお、雨水排出路2の側方開放端はエンジンルーム7に連通する従来の汎用の構成となっている。
図3に良く示されるように吸気カウル1には前部空間1aに隣接して閉じ断面形状(袋形状)の後部空間1bが形成されている。後部空間1bの前部空間1aとの仕切り部材1cには、図1に良く示されるように、3個の連通孔70が形成されており、この連通孔70を通って前部空間1a(雨水排出路2)に取り入れられた外気が後部空間1bに取り入れられる。
また、吸気カウル1の後部空間1bを形成する後面部材1dには、図1に良く示されるように、車室内への外気導入口71が形成されている。この外気導入口71は、ダクト72を通じて車室内に配置されるエアコンディショナーに接続されている。この実施の形態では、連通孔70及び外気導入口71が形成される位置は、自動車のいわゆる助手席側の位置となっており、両者は車幅方向で見て略同位置に設けられている。なお、カウルルーバー12に形成される吸気通路3との位置関係は車幅方向で見て少しずれた位置関係となっている。これは吸気通路3を通じて吸気カウル1の前面空間1aに侵入した雨水が連通孔70を通じて後部空間1bに侵入するのを防止するためである。この観点で仕切り部材1cに形成される連通孔70の孔下端位置は雨水排出路2となる底面より高い位置として形成されており、前部空間1aに侵入した雨水が雨水排出路2を通じて排出される際に連通孔70を通じて後部空間1bに侵入しないようになっている。
本実施の形態における連通路70及び外気導入口71が、本発明で言う吸気通路の室内への取入れ口に相当する。
図1に示すように、雨水排出路2の流下下流位置には雨水排出路2を実質的に塞ぐ構成の一方向バルブ4が設けられている。一方向バルブが設けられる位置は室内への吸気取り入れ口となる連通孔70より流下下流位置となっている。これにより、車室内への吸気取り入れ口となる連通孔70が形成される雨水排水路2の位置で、連通孔70とエンジンルーム7とを連通する連通路を塞ぐことができるため、低コストで自動車の車体構造を構成することができる。また、一方向バルブ4は雨水が流下する方向の流れに対しては開放するが、反対方向の流れに対しては閉鎖する構成として配置されている。これにより、雨水排出路2の機能を保ちつつ、エンジンルーム7内の熱風の車室内への吸い込みを有効に防止することができる。一方向バルブ4の配置個数は最大でも雨水排出路2の両側に配置すれば2個で足りるため経済的にメリットがある。
図2に示すように、一方向バルブ4は、開口部42を形成した樹脂製の枠体41と、枠体41の一側に配置され開口部42を塞ぐ大きさの可撓性部材43とからなっている。可撓性部材43は、ゴム製の加工成形品であり、枠体41の開口部42上部位置で熱溶着44により結合されて下方部が開口部42に対して開閉可能に撓み得るように形成されている。
前記枠体41には、開口部42を分割形成する支柱45が一体的に形成されている。これにより、全体の開口部面積が比較的大きく形成されており、過度の負圧が作用した場合でも、それぞれの開口部42の面積は小さく分割形成されているため、可撓性部材43が開口部42を超えて外気導入口72方向に巻き込まれることが防止され得る。
図3に示すように、一方向バルブ4の下端と雨水排出路2の流下面との間には2mmの隙間47が形成されて一方向バルブ4が配置されている。この隙間を確保する工程管理は、図2及び図3に良く示されるように、あらかじめ可撓性部材43の下端部43Aを枠体41の下端部41Aから1mm程度内側に位置させた組付状態とすると行いやすい。その理由は、一方向バルブ4を吸気カウル1の雨水排出路2に配置する際に、隙間の工程管理を可撓性部材43の下端部43Aで調整するよりも枠体41の下端部41Aを指標として行う方が、可撓性部材43の枠体41への取付け誤差の影響を受けにくいため、簡便かつ正確にできるからである。
前記隙間47は、2mm確保されているので、流下面の表面の雨水が表面張力によって阻害されることなく流下できるようになっている。これにより、一方向バルブ4の下端部付近で起きる着氷・凍結を防止することができる。また、この程度の隙間であれば、エンジンルーム7の熱風が室内方向に侵入したとしても室内に実質的な影響を生じることはない。従って、このような隙間47を形成すると、雨水排水路の機能を確保しつつ、熱風の車室内への吸い込みによる実質的影響を防止ないしは減少させることができる。
図5は、一方向バルブ4を1箇所のみに配置すれば足りる自動車の車体構造の基本的模式構成を示す。図5に示す自動車の車体構造10では、外気導入口71は車幅方向に形成された吸気カウル1の中央位置より図5で見て左側のみに設けられている。また、吸気カウル1に形成された雨水排出路2の中央位置には、雨水排出路2を遮断する仕切り部材5が形成されている。これにより、図5で見て仕切り部材5より右側の吸気カウル1内に熱気がたまったとしても、左側の吸気カウル1内の熱気が車室内に侵入することはない。従って、一方向バルブ4は、外気導入口71が設けられた左側の雨水排出路2の流下下流位置の1箇所のみに1個配置するだけで足りる。このため、一方向バルブ4の使用個数を最小限とすることができ、それだけより低コストで自動車の車体構造を構成することができる。
また、図5で見て仕切り部材5より左側の吸気カウル1の底面には、断熱材73が取付けられている。これにより、車室内に取り入れられる外気の吸気カウル1内での温度上昇を有効に防ぐことができる。すなわち、外気が吸気カウル1内を通過する際にエンジンルーム7の輻射熱により温められるが、断熱材73により防止することができるものである。なお、この実施の形態においては仕切り部材5により外気の取入れが図5で見て左半分のみの位置で行っているため、断熱材73を吸気カウル1の底面の全面に取付けなくても、輻射熱の影響のある左半分の位置に取り付けるだけで、外気導入口71周辺の外気の温度上昇を阻止することができる。したがって、それだけ断熱材73の使用量を少なくすることができ、コスト低減を図ることができる。
なお、エンジンルーム7内の振動騒音は吸気カウルに形成された連通孔70及び外気導入口71を通じて車室内に伝播されるが、この伝播も断熱材73により有効に防止ないしは低減される。なお、右半分の位置には断熱材73が配置されていなく吸気カウル1にエンジンルーム7の振動騒音が伝播されるが、車室内への連通路が形成されていないため、車室内に伝播されることはない。
つづいて自動車の車体構造10の作用について説明する。
図3に示すウインドシールドガラス75やエンジンフード85に降りつけた雨は、カウルルーバー12にある吸気通路3(図示せず)を介して吸気カウル1の前部空間1aの雨水排出路2に侵入する。雨水排出路2に侵入した雨水は、図1に示すように雨水排出路2を流下して、一方向バルブ4を通過して排水される。詳細には、図4に示すように、雨水は、隙間47及び開口部42を介して排水される。この場合において、可撓性部材43は、枠体41の開口部42上部位置で結合されて下方部が開口部に対して開閉可能に撓み得る構成となっており、雨水が流下する方向の流れに対しては開放する構成となっているため、雨水の排水をスムーズに行うことができる。他方、一方向バルブ4は反対方向の流れに対しては閉鎖する構成として配置されているため、エンジンルームの熱風の車室内への吸い込みを有効に防止している。
本発明は上記実施の形態の構成に限定されることはなく、その他種々の形態で実施ができるものである。
例えば、上記実施の形態では、一方向バルブ4は枠体41と可撓性部材43を熱溶着により結合して構成した場合について説明したが、図6に示すようにバルブ体43aを剛性部材で構成して、これを枠体41にスナップ結合方式20a、20bで取付けて構成することもできる。この場合には、バルブ体43aが剛性部材で形成されていることから、図2に示す一方向バルブ4のように開口部に支柱を設ける必要がないため、それだけ枠体41の成形が容易となる等、よりコスト低減を図ることができる。
また、図2に示す可撓性部材43の枠体41への熱溶着44による結合に代えて、図7に示すような押え取付け部材48を設けて、この押え取付け部材48に設けた係合突起48aを枠体41に設けた係合孔41aに差し込むことにより可撓性部材43を枠体41に結合させる構成としても良い。なお、この結合に当っては、可撓性部材43にも取付け孔43aが穿設されており、この取付け孔43aを押え取付け部材48の係合突起48aが挿通して行われる。
また、一方向バルブ4の下端と雨水排出路の流下面との間に所定の隙間を設けないで、一方向バルブ4により雨水排水路を完全に塞ぐ構成とすることもできる。いわゆる寒冷地以外で使用する自動車ではこのような構成であっても特に支障は生じない。
自動車の車体構造の一実施例をエンジンフードが取り外された状態で示す斜視図である。 一方向バルブの一つの実施の形態を示す斜視図である。 図1のA−A線に沿って切断した断面図である。 図1のB−B線に沿って切断した断面図である。 一方向バルブ4を1箇所のみに配置すれば足りる自動車の車体構造の基本的模式構成を示す。 一方向バルブの他の実施の形態を示す分解斜視図である。 一方向バルブの更に他の実施の形態を示す分解斜視図である。 従来の自動車の車体構造の基本的模式構成でエンジンフードを取り外した状態を示す斜視図である。 図8を車の前方から見た模式断面図である。 従来の改善された自動車の車体構造の基本的模式構成でエンジンフードを取り外した状態を示す斜視図である。 図10を車の前方から見た模式断面図である。
符号の説明
1 吸気カウル
2 雨水排水路
3 吸気通路
4 一方向バルブ
5 仕切り部材
10 車体構造
12 カウルルーバー
41 枠体
42 開口部
43 可撓性部材
45 支柱
47 隙間
48 押さ取付け部材
70 連通孔(吸気通路の室内への取入れ口)
71 外気導入口(吸気通路の室内への取入れ口)
81 フェンダ
83 タイヤ

Claims (5)

  1. エンジンルームが前方位置に配置された自動車の室内への外気取入れをエンジンルームの後方位置で取り入れるようにした吸気通路を形成した吸気カウルであって、該吸気通路を介して浸入した雨水を排出する雨水排出路が吸気カウルの下部で車幅方向外方向に雨水が流下するように傾斜して形成され、該雨水排出路はエンジンルームに連通する構成となっている自動車の車体構造において、
    前記吸気通路の室内への取入れ口より雨水排出路の流下下流位置に該雨水排出路を実質的に塞ぐ構成の一方向バルブが設けられており、
    該一方向バルブは雨水が流下する方向の流れに対しては開放するが、反対方向の流れに対しては閉鎖する構成として配置されていることを特徴とする自動車の車体構造。
  2. 請求項1に記載の自動車の車体構造であって、
    前記雨水排出路に配設される一方向バルブの下端と該雨水排出路の流下面との間には所定の隙間が形成されており、該所定の隙間は流下面の表面の雨水が表面張力によって阻害されることなく流下できる隙間であると共に、エンジンルームの熱風が室内方向に侵入したとしても室内に実質的な影響を生じることのない隙間であることを特徴とする自動車の車体構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の自動車の車体構造であって、
    前記吸気通路の室内への取入れ口は車幅方向に形成された吸気カウルの中央位置よりいずれか一方側のみに設けられており、該吸気カウルに形成された前記雨水排出路の中央位置には該雨水排出路を遮断する仕切り部材が形成されており、前記一方向バルブは室内への取入れ口が設けられた一方側の雨水排出路の流下下流位置にのみ配置されていることを特徴とする自動車の車体構造。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動車の車体構造であって、
    前記一方向バルブは開口部を形成した枠体と、該枠体の一側に配置され前記開口部を塞ぐ大きさの可撓性部材とからなっており、該可撓性部材は前記枠体の開口部上部位置で結合されて下方部が開口部に対して開閉可能に撓み得ることを特徴とする自動車の車体構造。
  5. 請求項4に記載の自動車の車体構造であって、
    前記枠体には該枠体の開口部を分割形成する支柱が設けられていることを特徴とする自動車の車体構造。
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