JP2005305722A - 圧力分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加圧時に、軟質フォーム層から押出された空気が粘弾性ゲル層に入り込むことがないため、当該粘弾性ゲル層による体圧分散性が阻害されたり不均一化したりするおそれがない上、外観も良好であり、しかも、生産性良く製造することができる圧力分散体を提供する。
【解決手段】 ゲル状粘弾性体からなる粘弾性ゲル層2と、軟質発泡体からなる軟質フォーム層3とを、非通気性の薄膜層4を介在させた状態で積層するとともに、この積層体5を、樹脂のフィルムなどからなる被覆層6によって包んだ圧力分散体1である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、体圧分散マット等に好適に用いることができる、圧力分散体に関するものである。
マットレスやクッションには、従来、上下方向に加わる荷重を同方向に良好に吸収できる、発泡ポリウレタンや発泡ゴムなどの軟質発泡体が広く用いられてきたが、軟質発泡体は、荷重を上下方向以外の方向に分散させる効果が小さいため、例えば、軟質発泡体を用いたクッションに長時間にわたって座りつづけたり、軟質発泡体を用いたマットレスに長期間にわたって仰臥し続けたりした際に、自身の体圧を強く受ける部分に痛みを感じたり、さらに進むと褥瘡(いわゆる床ずれ)を生じたりするという問題がある。
特に、医療業界においては、患者が、マットレスに長期間にわたって仰臥するときに身体が局部的な圧迫を受けて毛細血管の血流阻害が起こり、その圧迫部位(主に骨隆起部)の細胞が局部的に壊死する褥瘡が大きな問題となっている。
そこで、従来の軟質発泡体に代えて、上下方向に加わる荷重をそれ以外の方向に分散させる、いわゆる体圧分散性に優れ、快適な寝心地や座り心地を得ることができる上、褥瘡を予防するためにも有用なゲル状粘弾性体を含む圧力分散体を用いたマットレス(体圧分散マット)などが用いられつつある。
しかし、ゲル状粘弾性体は、軟質発泡体に比べて比重が大きいため、特に体圧分散マットなどは、重量が大きく使い勝手が悪くなってしまうという問題があり、これを解決するために、ゲル状粘弾性体と軟質発泡体を組み合わせて軽量化することが提案されている。
例えば、特許文献1には、ポリウレタンゲルとポリウレタンフォームとを、ポリウレタンの生成時に生じる内在的接着性によって互いに結合させて製造された、積層構造を有するポリウレタン成形体が記載されており、このポリウレタン成形体を圧力分散体として用いれば、ポリウレタンゲルによる体圧分散性を維持しつつ、当該ポリウレタンゲルの使用量を少なくして、体圧分散マット等を軽量化することができる。
また、特許文献2には、軟質発泡材からなるベース層上に、厚層部分と薄層部分とを交互に配した粘弾性部(ゲル状粘弾性体)を積層し、被覆材で被覆したマットレス部材について記載されており、このマットレス部材によれば、粘弾性部による体圧分散性を維持しつつ、粘弾性部を形成するゲル材料の使用量を少なくして、マットレス部材を軽量化することができる。
特開2001−163991号公報(特許請求の範囲、第0001欄〜第0007欄) 特開2002−315656号公報(特許請求の範囲、第0007欄〜第0011欄)
ゲル状粘弾性体と軟質発泡体を組み合わせた圧力分散体としては、ゲル状粘弾性体からなる粘弾性ゲル層と、軟質発泡体からなる軟質フォーム層とを少なくとも1層ずつ積層するとともに、加圧時のゲル状粘弾性体の流動を抑制し、粘弾性ゲル層の形状を維持するために、上記積層体を、樹脂のフィルムなどからなる被覆層によって包んだ構造を有するものが一般的である。
しかし、上記の構造を有する圧力分散体においては、加圧時に、軟質フォーム層の微孔内に含まれる空気が軟質フォーム層外に押し出され、粘弾性ゲル層にランダムに入り込んで、粘弾性ゲル層を局部的に圧縮する結果、当該粘弾性ゲル層による体圧分散性が阻害されたり不均一化したりするという問題がある。
また、特に、被覆層を透明フィルムで形成した圧力分散体においては、上記のように軟質フォーム層から押出されて粘弾性ゲル層に入り込んだ空気(気泡)が外部から見えるため、圧力分散体の外観が悪くなるという問題もある。
また、上記の構造を有する圧力分散体の製造に際し、粘弾性ゲル層と軟質フォーム層とを、例えば、ポリウレタン等の硬化性の材料を用いて形成する場合には、まず、被覆層をセットした型内に、粘弾性ゲル層のもとになる前駆体を流し込み、硬化させて粘弾性ゲル層を形成したのち、その上に、軟質フォーム層のもとになる前駆体を流し込み、発泡させながら硬化させて軟質フォーム層を形成することが行われる。
その際、粘弾性ゲル層のもとになる前駆体の硬化時間が短すぎると、成形途中で硬化反応が完了してしまい、粘弾性ゲル層の硬度が不均一になるおそれがあり、硬度が均一な粘弾性ゲル層を得るためには、通常、5分以上の硬化時間が必要である。
そして、粘弾性ゲル層が完全に硬化する前に、その上に、軟質フォーム層のもとになる前駆体を流し込んで発泡させた際には、発泡時の圧力によって、軟質フォーム層のもとになる前駆体が粘弾性ゲル層内に入り込んだ状態で発泡を続けるため、粘弾性ゲル層と軟質フォーム層との界面が不明確になったり、両層が所望の厚みに形成されなかったりする。そのため、粘弾性ゲル層が完全に硬化するのを待って、軟質フォーム層のもとになる前駆体を流し込まなけらばならず、圧力分散体の生産性が低下するという問題もある。
本発明の目的は、加圧時に、軟質フォーム層から押出された空気が粘弾性ゲル層に入り込むことがないため、当該粘弾性ゲル層による体圧分散性が阻害されたり不均一化したりするおそれがない上、外観も良好であり、しかも、生産性良く製造することができる圧力分散体を提供することにある。
請求項1記載の発明は、粘弾性ゲル層と軟質フォーム層とを含む積層体と、この積層体を包む被覆層とを有する圧力分散体において、上記積層体の、粘弾性ゲル層と軟質フォーム層との界面に非通気性の薄膜層を介在させたことを特徴とする圧力分散体である。
請求項2記載の発明は、粘弾性ゲル層、薄膜層および軟質フォーム層が、いずれもポリウレタンにて形成され、これらの層と被覆層とが、ポリウレタンの生成時に生じる内在的接着性によって互いに結合されている請求項1記載の圧力分散体である。
請求項3記載の発明は、薄膜層が、粘弾性ゲル層上に、ポリウレタンの前駆体を含む塗剤を層状に塗布したのちポリウレタンを生成させることによって形成される請求項2記載の圧力分散体である。
請求項1記載の発明によれば、粘弾性ゲル層と軟質フォーム層との界面に非通気性の薄膜層を介在させているため、加圧によって軟質フォーム層から押出された空気が粘弾性ゲル層に入り込むのを防止することができる。
したがって、粘弾性ゲル層による体圧分散性が阻害されたり不均一化したりするのを防止することができる。また、その外観を向上することもできる。
また、圧力分散体を製造する際には、あらかじめ前駆体を流し込んで形成した粘弾性ゲル層の上に、非通気性の薄膜層を介在させた状態で、軟質フォーム層のもとになる前駆体を流し込むことになるので、粘弾性ゲル層が完全に硬化していなくても、発泡時の圧力によって前駆体が粘弾性ゲル層内に入り込むことがない。
したがって、硬度が均一な粘弾性ゲル層を得るために、粘弾性ゲル層のもとになる前駆体の硬化時間を長めに設定しても、当該粘弾性ゲル層が完全に硬化する前に、軟質フォーム層のもとになる前駆体を流し込むことができるため、圧力分散体を、生産性良く製造することが可能となる。
なお、特許文献2の図2では、ベース層2と、粘弾性部5との間に被覆材4を介在させているが、この被覆層4は、特許文献2の第0010欄に記載されているように、ナイロン弾性糸織布などの織布からなり、通気性を有するため、請求項1記載の発明における非通気性の薄膜層と同様の効果を得ることはできない。
請求項2記載の発明によれば、粘弾性ゲル層、薄膜層、軟質フォーム層および被覆層の各層を、いずれも、ポリウレタンが生成する際の内在的接着性によって互いに結合して一体化しており、別に接着材層を形成する必要がないため、圧力分散体を、さらに生産性良く製造することが可能となる。
また、請求項3記載の発明によれば、薄膜層を、粘弾性ゲル層上に、ポリウレタンの前駆体を含む塗剤を層状に塗布したのちポリウレタンを生成させることによって形成しているため、粘弾性ゲル層と薄膜層との間に空気が入り込むのを防止することができる。そのため加圧時に、粘弾性ゲル層に空気が入り込んで、当該粘弾性ゲル層による体圧分散性が阻害されたり不均一化したりするのを防止すると共に、外観を向上することができる。
図1は、本発明の圧力分散体の、実施の形態の一例を示す断面図である。
図1を参照して、この例の圧力分散体1は、ゲル状粘弾性体からなる粘弾性ゲル層2と、軟質発泡体からなる軟質フォーム層3とを1層ずつ、非通気性の薄膜層4を介在させた状態で積層するとともに、この積層体5を、樹脂のフィルムなどからなる被覆層6によって包んだ構造を有している。
このうち、粘弾性ゲル層2は、体圧分散性を有する種々のゲル状粘弾性体によって形成することができる。かかるゲル状粘弾性体としては、例えば、ポリウレタンゲル、シリコーンゲル、ポリスチレンゲル、ポリエステルゲル、酢酸ビニル共重合体ゲル、ポリ塩化ビニルゲル、ネオプレンゲルなどが挙げられる。中でも、ポリウレタンの生成時に生じる内在的接着性によって他の層と結合される熱硬化性のポリウレタンゲルが特に好ましい。
ポリウレタンゲルは、ポリオールとイソシアネートの混合物を加熱硬化することにより得られる。ポリオールとしては2官能性および/または3官能性ポリオールの単体もしくは2種以上の混合物、および/または末端に水酸基(OH)を含有したプレポリマー等が挙げられる。例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールあるいはポリブタジエンポリオールなどが挙げられるが、とりわけポリエーテル系ポリオールを用いるのが、ポリウレタンゲルの柔軟性や復元性が良好であり好ましい。
また、イソシアネートとしては、ポリイソシアネート化合物やその誘導体および/または末端にイソシアネート基(NCO)を有するプレポリマー等が挙げられる。例えば、MDI、TDI、IPDI、HDI、HMDI、PPDIあるいはXDIなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
ポリウレタンゲルは、特に限定されないが、その25%圧縮応力が10〜90kPaであるのが、良好な体圧分散性を得る上で好ましい。25%圧縮応力が上記の範囲を有するポリウレタンゲルは、例えばNCO/OH配合当量を適宜調整することによって得られる。通常は、NCO/OH=0.5〜1.2程度とするが、軟化剤や可塑剤、オイルなどを添加せずに柔軟性を持たせるためにはNCO/OH=0.7〜0.9とするのが好ましい。一般に柔軟性を付与するために軟化剤や可塑剤、オイルなどを用いること多いが、これらの添加物はブリードアウトすることがあり、本発明で目的とするマットの素材には添加しないことが好ましい。
軟質フォーム層3は、マットレスやクッションなどに使用される種々の軟質発泡体によって形成することができる。特に、硬さや弾性率などを所望の範囲に調整することが容易である上、ポリウレタンの生成時に生じる内在的接着性によって他の層と結合される軟質のポリウレタンフォームが好ましい。
ポリウレタンフォームは、ポリオールとイソシアネートの混合物を、水の存在下で加熱して硬化反応させると共に、イソシアネートと水との反応によって生成するCO2を利用して発泡させることにより得られる。ポリオールおよびイソシアネートとしては、前記と同様のものを用いることができる。
薄膜層4は、非通気性で、かつ軟質である種々の材料よって形成することができるが、特に、粘弾性ゲル層2をポリウレタンゲルにて形成し、かつ軟質フォーム層3をポリウレタンフォームにて形成する場合は、この両層との接着性を向上することを考慮すると、軟質のポリウレタンにて形成するのが好ましい。
ポリウレタンからなる薄膜層4は、ポリウレタンのフィルムを貼って形成してもよいし、ポリウレタンの塗膜を塗布して形成してもよい。特に、粘弾性ゲル層2上に薄膜層4を積層する場合は、薄膜層4を、ポリウレタンの前駆体、すなわちポリオール、イソシアネート、およびこれらのプレポリマーなど、硬化反応によってポリウレタンを生成しうる種々の材料を含む塗剤を層状に塗布し、ポリウレタンを生成させることによって形成するのが、粘弾性ゲル層2と薄膜層4との間に空気が入り込むのを防止できるため好ましい。また、この方法によれば、ポリウレタンの生成時に生じる内在的接着性によって、薄膜層4を、他の層と結合できるという利点もある。
塗剤は、1液硬化型、2液硬化型のいずれでも良く、また溶剤タイプ、無溶剤タイプ、水性タイプ等の液状の塗剤の他、粉体タイプの塗剤を用いることもできる。
塗剤を、粘弾性ゲル層2の表面に層状に塗布するための塗布方法としては、塗剤のタイプに合わせた種々の塗布方法がいずれも採用可能であり、特に、スプレー塗布法が好ましい。
ポリウレタンの前駆体を含む塗材を塗布して形成する薄膜層4の厚みは、0.01〜1mmであるのが好ましい。薄膜層4の厚みが0.01mm未満では、非通気性を維持して、加圧によって軟質フォーム層3から押出された空気が粘弾性ゲル層2に入り込むのを防止する効果が十分に得られないおそれがある。また、圧力分散体の製造において、軟質フォーム層のもとになる前駆体を流し込み、発泡させながら硬化させる際に、発泡の圧力によって前駆体が粘弾性ゲル層内に入り込む野を防止する効果が十分に得られないおそれもある。一方、1mmを超える薄膜層4を、スプレー塗布法などによって形成するには、非常に長い塗布時間と硬化時間とを要するため、圧力分散体の生産性が低下するおそれがある。
被覆層6は、粘弾性ゲル層2を包むという目的上、当該粘弾性ゲル層2を形成するゲル状粘弾性体が通過することができない性質であることを要する。特に、ゲル状粘弾性体が2液硬化型のポリウレタンゲルやシリコーンゲル等からなるときは、硬化後のみならず硬化前の材料であっても通過できないことが好ましい。
かかる被覆層6としては、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、PET、PBT、ナイロン等の合成樹脂のフィルムが挙げられ、中でもポリウレタンフィルムが好ましい。ポリウレタンフィルムは、機械的特性に優れる上、柔軟性や伸縮性があり耐久性もよい。また、粘弾性ゲル層2をポリウレタンゲルにて形成し、かつ軟質フォーム層3をポリウレタンフォームにて形成するときは、被覆層6としてポリウレタンフィルムを用いることで、この両層との接着性を向上することができる。
また、被覆層6のうち、軟質発泡層3と接する領域の少なくとも一部、例えば、図1の例では軟質発泡層3の上面側の、クッションにおいては座面、マットレスにおいては仰臥面に相当する領域を、合成皮革、織布、不織布等で形成してもよい。
図2(a)は、本発明の圧力分散体の製造に用いる金型Mの概略断面図、図2(b)〜(f)は、上記金型Mを用いた圧力分散体の製造工程の一例を示す概略断面図である。
図2(a)を参照して、金型Mは、製造する圧力分散体の外形に対応した型窩M1を有すると共に、その内部が中空状に形成され、かつ型窩M1の底面に、当該型窩M1と内部空間M2とを繋ぐ多数の微細な通孔M3が形成されたものである。また、型窩M1の開口周縁部には、被覆層6となるフィルム61を保持するための保持部M5が配設されている。さらに、金型Mの外面には、内部空間M2、通孔M3および型窩M1を通して、上記フィルム61を下方ヘ真空吸引するための、図示しない真空ポンプが接続された配管M4が配設されている。
上記金型Mを用いた圧力分散体の製造においては、まず、被覆層6となるフィルム61を所望の温度(60〜120℃程度)に温めた金型M上の保持部M5にセットする。
次に、図2(b)を参照して、真空ポンプを駆動することで、図中に実線の矢印で示すように、配管M4、内部空間M2、通孔M3および型窩M1を通して、フィルム61を下方から真空吸引して型窩M1の内部表面に密着させる。
次に、図2(c)を参照して、フィルム61を型窩M1の内部表面に密着させた中にゲル状粘弾性体を注入し、硬化させて粘弾性ゲル層2を形成する。例えば、ポリウレタンゲルの場合はその前駆体を注入して硬化させるが、この時点では部分硬化であってもよい。
次に、図2(d)を参照して、この粘弾性ゲル層2の上に、薄膜層4を形成する。具体的には、ポリウレタンの前駆体を含む塗材を、スプレー塗布法等によって粘弾性ゲル層2の上に塗布して硬化させることによって薄膜層4を形成する。
次に、図2(e)を参照して、この薄膜層4の上に、軟質発泡材、例えばポリウレタンフォームの場合はその前駆体を注入し、その上に、被覆層6となるフィルム62を重ね、蓋M6をして、所望の時間、静置して、ポリウレタンフォームを発泡させると共に硬化させて軟質フォーム層3を形成する。また、この際、蓋M6を金型M1に圧接させることで、フィルム61、62を熱接着させる。
そして、図2(f)を参照して、硬化後、真空吸引状態を解除し、金型Mから成形物を取り出し、周囲にはみでている余分のフィルム63をカットすることにより、目的とする圧力分散体1が得られる。
なお、フィルム62に代えて合成皮革、織布、不織布等を用いれば、当該フィルム62の部分がこれらの材料で形成された圧力分散体1を得ることができる。
なお本発明の圧力分散体の構造は、図に示した例のものには限定されない。例えば、図の例では粘弾性ゲル層2と軟質フォーム層3とを1層ずつ積層していたが、それぞれ2層以上を、例えば交互に積層してもよい。その場合には、粘弾性ゲル層2と軟質フォーム層3のそれぞれの界面に、薄膜層4を介挿すればよい。
その他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことができる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1〜3および比較例1:
粘弾性ゲル層2を形成するゲル状粘弾性体としては、3官能性ポリ(オキシプロピレン)グリコール(ポリオール成分)と、MDI(ポリイソシアネート成分)とを混合して得られるポリウレタンゲルを用いた。また、軟質発泡層3を形成する軟質発泡体としては、3官能性ポリ(オキシプロピレン)グリコール(ポリオール成分)と、MDI(ポリイソシアネート成分)と、発泡材としての水とを混合して得られるポリウレタンフォームを用いた。また、薄膜層4を形成する塗材としては、3官能性ポリ(オキシプロピレン)グリコール(ポリオール成分)と、MDI(ポリイソシアネート成分)とからなるウレタンプレポリマーを、酢酸エチルに溶解したものを用いた。さらに、被覆層6を形成するフィルムとしてポリウレタンフィルムを用いた。
粘弾性ゲル層2の厚みは10mm、軟質フォーム層3の厚みは25mmとした。また、薄膜層4は、上記塗材を、スプレー塗布法によって粘弾性ゲル層2上に塗布して形成し、その厚みは表1に示すように種々変えて、図2に示す工程で圧力分散体を製造した。
すなわち、金型Mを100℃に温めてそこにポリウレタンフィルム61をセットし[図2(a)]、金型Mの下から真空引きしてフィルム61で金型Mの型窩M1の内表面を覆い[図2(b)]、次いで、ポリウレタンゲルの原料混合物を注入して硬化させて粘弾性ゲル層2を形成した[図2(c)]。
次に、粘弾性ゲル層2の上に、塗材をスプレー塗布し、硬化させて薄膜層4を形成し[図2(d)]、その上に、ポリウレタンフォームの原料混合物を注入し、ポリウレタンフィルム62を重ねて蓋M6を閉じた後、約20分間、静置して発泡、硬化させた[図2(e)]。
硬化後、真空を解除して成形体を取り出し[図2(f)]、余分のフィルム63をカットして圧力分散体1を得た。各得られた圧力分散体1の性能を、次の方法にて評価し、結果を表1に示した。
製造時間:
図2の工程に要した時間を計測して、圧力分散体1の生産効率を評価した。
最大圧力:
圧力分散体1の上に圧力センサ(ニッタ社製の商品名「BIG−MAT」)を敷き、その上に20kgの半球状の錘を載せた時の最大圧力を測定した。最大圧力はできるだけ小さい方が、体圧分散性がよいと判断される。
Figure 2005305722
表より、薄膜層4を形成しなかった比較例1は、加圧により粘弾性ゲル層2に空気が入り込んだため最大圧力が高くなっていることが判った。また製造に際しては、粘弾性ゲル層2が完全に硬化するのを待ってからウレタンフォームを注入する必要があったため、製造時間が35分と非常に長くなってしまった。
これに対し、薄膜層4を形成した実施例1〜3は、粘弾性ゲル層2に空気が入り込むのを、薄膜層4によって阻止することができたため、最大圧力を低くできることが判った。また製造に際しては、粘弾性ゲル層2が完全に硬化するのを待たずに、ウレタンフォームを注入できたため、製造時間を15分以下に短縮することができた。
本発明の圧力分散体の、実施の形態の一例を示す断面図である。 図2(a)は、本発明の圧力分散体の製造に用いる金型Mの概略断面図、図2(b)〜(f)は、上記金型Mを用いた圧力分散体の製造工程の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 圧力分散体
2 粘弾性ゲル層
3 軟質フォーム層
4 薄膜層
5 積層体
6 被覆層

Claims (3)

  1. 粘弾性ゲル層と軟質フォーム層とを含む積層体と、この積層体を包む被覆層とを有する圧力分散体において、上記積層体の、粘弾性ゲル層と軟質フォーム層との界面に非通気性の薄膜層を介在させたことを特徴とする圧力分散体。
  2. 粘弾性ゲル層、薄膜層および軟質フォーム層が、いずれもポリウレタンにて形成され、これらの層と被覆層とが、ポリウレタンの生成時に生じる内在的接着性によって互いに結合されている請求項1記載の圧力分散体。
  3. 薄膜層が、粘弾性ゲル層上に、ポリウレタンの前駆体を含む塗剤を層状に塗布したのちポリウレタンを生成させることによって形成される請求項2記載の圧力分散体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014147571A (ja) * 2013-02-01 2014-08-21 Sekisui Chem Co Ltd 生体信号センサ
WO2022215729A1 (ja) * 2021-04-09 2022-10-13 三井化学株式会社 緩衝材

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