JP3104706U - 通気性を持つ軟質複合構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】通気性を持つ軟質複合構造体を提供する
【解決手段】繊維層11、グルー(軟樹脂)層12、膜層13によって構成されており、繊維層11の表面は繊維構造として形成されており、弾力性、熱可塑性を具有する高分子樹脂110が覆って高分子樹脂110と繊維は一体に結合されており、前記繊維層11はグルー層12に覆われており、グルー層12の境界層を繊維層11に滲み込ませ、お互いに入り込ませて一体に固定しており、前記グルー層12の表面は一層の同種類のゴム材による膜層13に覆われており、グルー層12、膜層13は同性質の相溶性のゴム材が隣り合う接触面で結合して固定されており、さらにグルー層12には複数の繊維層を貫通する開口部120が設置されている。前記構造により極めて優れた吸振性、均一な反発性、復元性、通気性、放熱性を同時に兼ね備えた軟質複合構造体を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本考案は、通気性を持つ軟質複合構造体に係り、特に、非蓄熱構造の下、均一な弾力性、復元性、および通気性、非蓄熱性を具有する材料構造技術であり、広い範囲での利用が可能な通気性を持つ軟質複合構造体に関わる。
現在、弾力性を具有するクッション体としては、主に織布の局部あるいは、全体の表面、あるいは内部にPU系列(ポリウレタン系列)溶液を吸着させ、さらに前記PU系列(ポリウレタン系列)溶液が付着した織布を加熱し、前記PU系列(ポリウレタン系列)溶液を発泡反応させ、織布の繊維間に均一に発泡したPUを分布させるものや、あるいは、EVA、あるいはPU等の発泡材料によって靴敷き本体を生成し、さらに前記本体の底面に長繊維不織布中底板底層を設置し、成形に用いたものがある。
ただ、前述の構造を実際に運用した場合、若干の克服すべき問題がある。それは、
1 PU発泡材はもともと発泡気室(cell)を具有しており、たとえ局部的に破泡(open cell)構造にしたとしても、やはり蓄熱の問題があり、従って使用者が長期的にそれに接触した場合、蒸れ暑く快適ではない。
2 特殊処理によって復元性を強化した不織布は、その繊維が容易に圧縮されてしまい、圧縮されるまでの時間が若干長くなるだけで、弾力性、復元力が弱くなり、通気性を喪失してしまう。
3 上記の例に関して言えば、PU系列(ポリウレタン系列)溶液を付着させた布を加熱し、前記PU系列(ポリウレタン系列)溶液を発泡反応させるものであるが、織布が持つ通気性がPU発泡材によって充填され、織布とPU発泡材を一体に構成するものであり、織布の通気性能が失われるだけでなく、生成される発泡気室によって、蓄熱現象が発生してしまう。
上述のPU発泡材と不織布の結合構造を実際に運用した上での欠点を補うために、本考案の考案者は本考案を開発した。
本考案の主な目的は、通気性を持つ軟質複合構造体を提供することであり、繊維層は繊維によって架構されており、さらにその表面は一層の弾力性を具有する無発泡の高分子樹脂が覆っており、繊維層の弾力性と復元性を大幅に増やしており、且つ繊維層に通風、対流の作用を具有させており、繊維層の繊維上には、柔軟なグルー(軟樹脂)層が設置されており、グルー層は繊維層の荒い接触面を滑らかにしており、さらにグルー層の開口部が繊維層を貫通していることが加わり、グルー層、繊維層に通風放熱性を具有させており、グルー層の表面は、一層の同種類のゴム材による膜層によって覆われており、それによりグルー層の粘着性を遮断・緩和して触感を柔らかくし、使用者が直接触れても不快感がないようになっている。
前記課題を解決するために、
請求項1の考案は、通気性を持つ軟質複合構造体であり、
主に繊維層、グルー層(軟樹脂)によって構成されており、
前記繊維層は、繊維によって構成されており、繊維間は通気空隙が形成されており、繊維層の表面は繊維によって架構されており、一層の弾力性を具有し無発泡の高分子樹脂が覆っており、繊維層に更なる均一な弾力性と復元性を与えており、
繊維層の繊維は、柔軟なグルー層によって覆われており、グルー層は、維層とお互いに入り込んで一体に含浸・固定されており、繊維層の荒い接触面を滑らかにしており、さらに多数の開口部が設けられている
ことを特徴とする通気性を持つ軟質複合構造体である。
請求項2の考案は、グルー層の表面は、一層の同種類のゴム材による膜層によって覆われていることを特徴とする請求項1に記載の通気性を持つ軟質複合構造体である。
請求項3の考案は、グルー層の開口部は、繊維層の通気空隙と相通じていることを特徴とする請求項1に記載の通気性を持つ軟質複合構造体である。
請求項4の考案は、ゴム材は、エラストマーポリウレタン(ポリウレタン樹脂)を採用して組合せた原料を混合して構成されることを特徴とする請求項1に記載の通気性を持つ軟質複合構造体である。
請求項5の考案は、前記繊維層は、複数の規則構造繊維によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の通気性を持つ軟質複合構造体である。
請求項6の考案は、前記繊維層は、複数の不規則構造繊維によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の通気性を持つ軟質複合構造体である。
請求項7の考案は、前記高分子樹脂は、繊維層の全体の表面に均一に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の通気性を持つ軟質複合構造体である。
請求項8の考案は、前記高分子樹脂は、繊維層の局部表面に均一に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の通気性を持つ軟質複合構造体である。
1 吸振性、弾力性、復元性、通気性に優れる。
前述の構造から分かるように、本考案は、公知のPU発泡材と不織布を使用した構造の欠点を完全に改善しており、無発泡の高分子樹脂が繊維層を覆うことが、公知のPU発泡材を充填し、気室を生成する効果に取って代っており、繊維間の通気性は保持されたままであり、空気が動く状態での局部的な押圧、および温度差効果の下、容易に空気の対流が起こり、その他、本考案は前記高分子樹脂の弾力性、復元性がPU発泡材のそれに取って代っており、前記繊維層は公知のものと比べて優れた反発性、復元性、吸振機能を具有しており、確実に技術を発展させたものであり、要求する品質を達成するものである。
2 反発、防振材料に適用できる。
本考案は繊維層とグルー層が比較的均一な反発性、復元性、および高度な吸振効果を具有しているので、同時に形状記憶を具有する反発性、復元性材料(例えば枕、クッション、ベッドマットレス、靴敷き等)や、あるいは重さの異なる防振材料に使用でき、広範囲に使用できるという優れた点を持ち、グルー層開口部の蠕動構造と合わさり、本考案は各種形状、重量、大きさの物体の防振用に広く使用することができる。
3 構造が破壊されにくい。
本考案のグルー層、膜層は、同性質の相溶性界面のゴム材が隣り合う接触面で結合して固着した構造になっており、グルー層は繊維層とお互いに交差して固定される構造になっているので、全体の構造が容易に剥がれないという優れた点を持ち、極めて優れた構造性を持つ。
図1,2,3に示すように、本考案は主に、繊維層11、グルー層12、膜層13によって構成されており、
前記繊維層11は、生物繊維、羊毛繊維、ガラス繊維、天然繊維、人造繊維等の異なる繊維、あるいは合成繊維構造によって生成され、複数の規則構造、あるいは不規則構造の繊維を具有し、繊維間に通気空隙を形成しておればそれでよく、通気空隙の存在により変形量を減らすことでき、同時に通気効果を高め、内部の温度を涼しく保つことができ、乾燥した非蓄熱性の物質であると同時に弾力性を具有し、支持性に優れているという特徴を持たせる。繊維層11の表面は繊維によって架構されており、弾力性、熱可塑性を具有する高分子樹脂110が覆っており、高分子樹脂110と繊維は一体に結合されており、前記高分子樹脂110は無発泡で生成されており、ゆえに公知の発泡材の気室(cell)効果はなく、このように本考案の繊維層11の通気性能、放熱性能は影響を受けることはなく、大幅にそれぞれの繊維間の復元性能を増加させ、繊維層11に均一な弾力性と復元性を具有させることができる。
前記高分子樹脂110は、ポリウレタン樹脂(PU)の重合によって形成されており、形成された後でも熱定型効果を具有しており、その後、前記ポリウレタン樹脂(PU)の重合物を自動吹き付け設備の中にいれ、繊維層11表面が吹き付け設備を通った後、前記ポリウレタン樹脂(PU)の重合物は常温、無発泡の下、繊維層11の表面に緊密に結合し、高分子樹脂110が固化され、前記高分子樹脂110は全体、あるいは局部的に繊維層11表面に形成され、本考案の高分子樹脂110が繊維層11に結合する構造は本考案の繊維層11の重要な技術の中心点である。
前記繊維層11はグルー(軟樹脂)層12に覆われており、グルー層12の局部を繊維層11に滲み込ませ、お互いに入り込んで一体に固定しており、前記グルー層12は常温、無発泡の下で生成され、柔軟性を持っており、さらにグルー層12には複数の繊維層を貫通する開口部120が設置されており、繊維層11と合わさって全体を通気性、放熱性を具有する構造にしており、且つ開口部120は大幅にグルー層12の変形、衝撃吸収能力を増加させており、さらにグルー層12の使用量、および全体の重量を軽減させており、前記グルー層12は不発泡の下で柔軟性を持つ状態に形成する必要があるために、原料の使用量およびコストは発泡材と比べて多くなるが、本考案は前記複数の開口部120を設ける構造によりグルー層12の原料使用量を減らしている。
前記グルー層12の表面は一層の同種類のゴム材による膜層13に覆われており、グルー層12、膜層13は同性質の相溶性のゴム材が隣り合う接触面で結合して固定されており、開口部120を含む壁面に全て設置されており、前記膜層13は人間の肌のように柔軟な薄膜に固化しており、前記膜層13はグルー層12表面の粘着性を低下させている(グルー層の材質は柔軟性が必要であり、そのために粘着性質になる)。
図4,5,6,7,8は本考案の製造の様子を示すものであり、図4,5に示すように金型20を用意し、前記金型20内に完成品の形状に合わせたキャビティ21を設け、キャビティ21底部にはグルー層成形ユニット22を設け、グルー層成形ユニットは開口部120を成形する壁面を具有しており、図6に示すように、先ずグルー層成形ユニット22表面に定量のゴム材を吹き付け、人間の肌のように滑らかな薄い膜層13を固化させる。このゴム材はエラストマーポリウレタン(ポリウレタン樹脂)を組み合わせた原料であり、少なくとも二種類以上の原料の調合によって構成されており、その中の一つは架橋剤であり、本考案においてはPU主剤(例えばPolyol)と架橋剤(例えばMDI)の二種類の原料の組み合わせを採用しており、割合を設定して混合する(前記材質の説明は本考案を制限する要素にはならない)。
膜層13が固化した後、図7に示すように、グルー層成形ユニット22内に定量の同類のゴム材を流し入れる。その架橋剤の比率は膜層13よりも小さくする必要があり、グルー層12は常温、不発泡の条件下で固化させ、柔軟性を持ち、受ける応力に合わせやすく、蠕動し変形するという特性を具有し、ここで特に説明すべきことは、グルー層12は良好な吸振性、および蠕動性を具有するという特徴があり、ゆえにその表面が固化した後でも、粘着性を具有しており、触感は快適ではないためにそのまま使用者が利用することはできないが、ただ膜層13、グルー層12は、同性質の相溶性のゴム材が隣り合う接触面で結合して固着した結合状態を構成しているので、膜層13はグルー層の外表面を外界から隔絶することができ、それにより利用者は直接触れることができる。
図8に示すように、グルー層12が完全に固化する前に、直接キャビティ21上に表面が高分子樹脂110に覆われた繊維層11を置き、繊維層11の表面に完全に固化していないグルー層12を滲み込ませ、グルー層12が完全に固化した後、図9に示すように、繊維層11とグルー層12はお互いに交錯し、一体に固定され、ゆえに本考案の繊維層11、グルー層12、膜層13の構造は、接着剤を使用せずに一体に成形する構造になっており、広く、弾力性、復元性、吸振性、不蓄熱性、通気性を提供できる材料として使用され、例えば、防振シート、枕、クッション、靴敷き等に使用することができる。当然、実際に運用する上で、繊維層11の高さを複数の層にして弾力性を増加させることができるが、この増加した繊維層11の構造、その表面に覆われた高分子樹脂110はそれほど重要ではない。
本考案は、先にグルー層12と繊維層11を成形して、金型から取り出した後、グルー層12上にゴム材を吹きつけて膜層13を構成して図9のような完成品にすることもできる。
本考案の構造を吸振や生活用品に運用したものとしては、例えば枕、クッション、ベッドマットレス、靴敷き等があり、使用時に以下のような優れた点を具有する。
1 吸振性、弾力性、復元性、通気性に優れる。
前述の構造から分かるように、本考案は、公知のPU発泡材と不織布を使用した構造の欠点を完全に改善しており、無発泡の高分子樹脂が繊維層を覆うことが、公知のPU発泡材を充填し、気室を生成する効果に取って代っており、繊維間の通気道は保持されたままであり、空気が動く状態での局部的な押圧、および温度差効果の下、容易に空気の対流が起こり、その他、本考案は前記高分子樹脂の弾力性、復元性がPU発泡材のそれに取って代っており、前記繊維層は公知のものと比べて優れた反発性、復元性、吸振機能を具有しており、確実に技術を発展させたものであり、要求する品質を達成するものである。
2 反発、防振材料に適用できる。
本考案は繊維層とグルー層が比較的均一な反発性、復元性、および高度な吸振効果を具有しているので、同時に形状記憶を具有する反発性、復元性材料(例えば枕、クッション、ベッドマットレス、靴敷き等)や、あるいは重さの異なる防振材料に使用でき、広範囲に使用できるという優れた点を持ち、グルー層開口部の蠕動構造と合わさり、本考案は各種形状、重量、大きさの物体の防振用に広く使用することができる。
3 構造が破壊されにくい。
本考案のグルー層、膜層は、同性質の相容れる界面のゴム材が隣り合う接触面で結合して固着した構造になっており、グルー層は繊維層とお互いに入り込んで固定される構造になっているので、全体の構造が容易に剥がれないという優れた点を持ち、極めて優れた構造性を持つ。
上述に示すように、本考案の特徴は、高分子樹脂を具有する繊維層、開口部を具有するグルー層、つややかな膜層による丁寧な設計にあり、一度に成形することができ、その加工は高速で、正確で、且つ形が完璧で、欠点がなく、有効的に製品の付加価値を高め、さらに通気性、放熱効果、および非蓄熱効果を具有しており、さらに重要なことは本考案の構造は特に優れた蠕動性を具有していることであり、それにより極めてすぐれた均一した反発性、復元性、吸振性を具有し、非常に傑出した、優れた設計であり、未だに刊行物、あるいは公開使用されておらず、実用新案の申請要件に符合するものであり、法に基づき申請を行う。
本考案の立体図である。 本考案の断面図である。 本考案の分解図である。 本考案の金型の上面図である。 本考案の金型の断面図である。 本考案の膜層の吹き付け成形を示す図である。 本考案のグルー層の成形を示す図である。 本考案の繊維層の結合を示す図である。 本考案の金型から外した完成品を示す図である。
符号の説明
11 繊維層
110 高分子樹脂
12 グルー層
120 開口部
13 膜層
20 金型
21 キャビティ
22 グルー層成形ユニット

Claims (8)

  1. 通気性を持つ軟質複合構造体であって、繊維層、グルー層によって構成されており、
    前記繊維層は、繊維によって構成されて繊維間には通気空隙が形成されており、繊維層の表面は弾力のある繊維構造として形成されていると共に無発泡の高分子樹脂が覆ってなることにより繊維層に更なる均一な弾力性と復元性を与えており、
    繊維層は、柔軟なグルー層によって覆われており、グルー層は、繊維層と相互に入り込んで一体に固定されて繊維層の荒い接触面を滑らかにしており、さらに多数の開口部が設けられている
    ことを特徴とする通気性を持つ軟質複合構造体。
  2. グルー層の表面は、一層の同種類のゴム材による膜層によって覆われていることを特徴とする請求項1に記載の通気性を持つ軟質複合構造体。
  3. グルー層の開口部は、繊維層の通気空隙と相通じていることを特徴とする請求項1に記載の通気性を持つ軟質複合構造体。
  4. 上記ゴム材は、ポリウレタン樹脂を組合せた原料を混合して構成されることを特徴とする請求項1に記載の通気性を持つ軟質複合構造体。
  5. 前記繊維層は、複数の規則構造構造の繊維によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の通気性を持つ軟質複合構造体。
  6. 前記繊維層は、複数の不規則構造の繊維によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の通気性を持つ軟質複合構造体。
  7. 前記高分子樹脂は、繊維層の全体の表面に均一に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の通気性を持つ軟質複合構造体。
  8. 前記高分子樹脂は、繊維層の局部表面に均一に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の通気性を持つ軟質複合構造体。
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